JP4739912B2 - 可変容量型ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は自動車のパワーステアリング装置等に用いられる可変容量型ポンプに関する。
従来、自動車の油圧パワーステアリング装置で操舵力をアシストするために、特許文献1に記載の如くの可変容量型ポンプが提案されている。この従来の可変容量型ポンプは、自動車のエンジンで直接回転駆動されるものであり、ポンプケーシングに嵌装したアダプタリングに移動変位可能に嵌装されたカムリング内にロータを設け、カムリングとロータの外周部との間にポンプ室を形成している。
そして、この従来技術では、カムリングをアダプタリング内で移動変位可能とし、かつポンプ室の容積が最大となるような付勢力をばねによりカムリングに付与するとともに、カムリングとアダプタリングとの間に第1と第2の流体圧室を分割形成し、ポンプ吐出側通路に設けた主絞りの上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室からの圧力流体の吐出流量に応じて両流体圧室への供給流体圧を制御することによりカムリングを移動させる吐出流量制御装置を有し、結果として、ポンプ室の容積を変化させてポンプ室からの吐出流量を制御する。これにより、この可変容量型ポンプでは、回転数が低い自動車の停車時や低速走行時には大きな操舵アシスト力が得られるように吐出流量を大とし、回転数の高い高速走行時には操舵アシスト力を小さくするように吐出流量を一定量以下に制御し、パワーステアリング装置に要求される操舵アシスト力を発生可能としている。
特開2000-170668
特許文献1の吐出流量制御装置は、主絞りの上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室からの圧力流体の吐出流量に応じて第1流体圧室への供給流体圧を制御する切換弁装置を有する。切換弁装置は、主絞りの上流側に連通する加圧室を、第1流体圧室に接続された連絡路に対して開閉する弁体を有する。このとき、弁体は、加圧室を上記連絡路に対して開閉する第1ランド部と、該連絡路をポンプ吸込側通路に連通する第2ランド部とを備え、ポンプの回転数が低い初期状態では、ポンプ吐出側圧力を印加されている加圧室が第1ランド部により第1流体圧室に対し遮断されるとともに、ポンプ吸込側圧力が第2ランド部により形成される隙間通路から連絡路を介して第1流体圧室に導入され、カムリングはポンプ室の容積を最大とする側に維持され、吐出流量を増加する。他方、ポンプの回転数が増加したときには、ポンプ吐出側圧力を印加されている加圧室が第1ランド部により開かれ、ポンプ吐出側圧力が連絡路を介して第1流体圧室に導入されるとともに、連絡路に導入されたポンプ吐出側圧力の一部が第2ランド部により形成される隙間通路を介してポンプ吸込側にリークせしめられ、カムリングはポンプ室の容積を適度に小さくする側に移動され、吐出流量を一定量以下に制御する。
しかしながら、特許文献1の吐出流量制御装置では、低温の負荷発生時にポンプの回転数が増加し、切換弁装置の弁体が移動することにより、第1ランド部が加圧室を開いたとき、加圧室から連絡路に導入された作動油の粘度が低温の故に高いこと、並びに第2ランド部により形成される隙間通路が連絡路に臨む開口が狭小であることにより、この作動油が上記隙間通路に流入しにくい。このため、加圧室から第1流体圧室への連絡路に導入されたポンプ吐出側圧力は、第2ランド部により形成される隙間通路からポンプ吸込側にリークすることなく、第1流体圧室だけに充填され、カムリングはポンプ室の容積を過度に小さくする側に移動され、吐出流量を過度に減少させ、操舵力を重くしてしまう。
また、特許文献1の吐出流量制御装置では、切換弁装置の弁体の第2ランド部により形成される、連絡路からポンプ吸込側への通路面積が、弁体の移動位置により変動(第2ランド部が連絡路に臨む長さの変動)する。このため、負荷変動時に、加圧室から第1流体圧室への連絡路に導入された作動油のうち、ポンプ吸込側にリークする流量が不安定になり、つまりは第1流体圧室へのポンプ吐出側圧力の増大、カムリングの移動による吐出流量が減少し、操舵力が不安定になる。
本発明の課題は、可変容量型ポンプにおいて、低温の負荷変動時における吐出流量を過度に減少させることなく、負荷発生時の吐出流量を安定化することにある。
請求項1の発明は、ポンプケーシングに挿入されるポンプ軸に固定して回転駆動されるとともに、多数のベーンを溝に収容して半径方向に移動可能としてなるロータと、ポンプケーシング内の嵌装孔に嵌装され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ポンプケーシング内で移動変位可能とされ、ポンプケーシングとの間に第1と第2の流体圧室を形成するカムリングと、第1流体圧室にポンプ吐出側通路に設けた主絞りの上流側の圧力を導入し、第2流体圧室に該主絞りの下流側の圧力を導入する吐出流量制御装置とを有し、吐出流量制御装置が、主絞りの上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室からの圧力流体の吐出流量に応じて第1流体圧室への供給流体圧を制御する切換弁装置を有し、切換弁装置が、主絞りの上流側に連通する加圧室を、第1流体圧室に接続された連絡路に対して開閉する弁体を弁格納孔に収容してなる可変容量型ポンプにおいて、切換弁装置の弁体は、加圧室を上記連絡路に対して開閉する第1ランド部と、第1ランド部の外径より小外径をなし、上記弁格納孔との間に環状隙間通路を形成し、該環状隙間通路により上記連絡路をポンプ吸込側通路に連通する第2ランド部とを備え、更に第1ランド部と第2ランド部の間の全周に渡って設けられ、第2ランド部が形成する上記環状隙間通路に対し弁体の中心軸まわりで凹設されてなる環状溝を備えるようにしたものである。
請求項の発明は、請求項1に記載の可変容量型ポンプを用いた自動車用油圧パワーステアリング装置である。
(請求項
(a)可変容量型ポンプにあっては、切換弁装置の弁体が、加圧室を第1流体圧室への連絡路に対して開閉する第1ランド部と、該連絡路をポンプ吸込側通路に連通する第2ランド部とを備え、更に第1ランド部と第2ランド部の間の全周に渡って設けられる環状溝を備えるものとした。従って、低温の負荷発生時に切換弁装置の弁体が移動することにより、加圧室から連絡路に導入された作動油の粘度が低温の故に高い場合にも、この作動油は連絡路に広く臨む環状溝を介してその環状溝の全周から第2ランド部により形成される隙間通路にスムースに流入する。このため、加圧室から第1流体圧室への連絡路に導入されたポンプ吐出側圧力は、第1流体圧室に導入されるとともに、連絡路に導入されたポンプ吐出側圧力の一部が環状溝を介して第2ランド部により形成される隙間通路からポンプ吸込側にリークせしめられ、カムリングはポンプ室の容積を適度に大きくする側に移動され、吐出流量を適度に増大させる。従って、低温の負荷発生時における吐出流量を過度に減少させることがない。
(b)可変容量型ポンプにあっては、切換弁装置の弁体の第2ランド部により形成される、連絡路からポンプ吸込側への通路面積は、連絡路に広く臨む環状溝を介することにより、弁体の移動位置により変動することがない。このため、負荷発生時に、加圧室から第1流体圧室への連絡路に導入された作動油のうち、ポンプ吸込側にリークする油量が不安定になることがなく、ひいては第1流体圧室の圧力が減少し、カムリングの移動による吐出流量が増大し、操舵力が安定化する。
(請求項
(c)上述(a)の可変容量型ポンプを自動車用油圧パワーステアリング装置に適用することにより、低温の負荷発生時における吐出流量を過度に減少させることなく操舵力を重くしない。また、負荷発生時の吐出流量を安定化し、操舵アシスト力を安定化する。
図1は可変容量型ポンプを示す断面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は切換弁を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大図、図4は切換弁の移動状態を示し、(A)は低回転時を示す断面図、(B)は高回転時を示す断面図ある。
可変容量型ポンプ10は、自動車の油圧パワーステアリング装置の油圧発生源となるベーンポンプであり、図1、図2に示す如く、ポンプケーシング11に挿入されるポンプ軸12にセレーションにより固定されて回転駆動されるロータ13を有している。ポンプケーシング11は、ポンプハウジング11Aとカバー11Bをボルト14で一体化して構成され、軸受15A〜15Cを介してポンプ軸12を支持している。ポンプ軸12は、自動車のエンジンで直接回転駆動可能とされている。
ロータ13は周方向の多数位置のそれぞれに設けた溝16にベーン17を収容し、各ベーン17を溝16に沿う半径方向に移動可能としている。
ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aの嵌装孔20には、プレッシャプレート18、アダプタリング19が積層状態で嵌着され、これらは後述する支点ピン21によって周方向に位置決めされた状態でカバー11Bにより側方から固定保持されている。支点ピン21の一端はカバー11Bに装着固定されている。
ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aに固定されている上述のアダプタリング19にはカムリング22が嵌装されている。カムリング22は、ロータ13とある偏心量をもってロータ13を囲み、プレッシャプレート18とカバー11Bの間で、ロータ13の外周部との間にポンプ室23を形成する。そして、ポンプ室23のロータ回転方向上流側の吸込領域には、カバー11Bに設けた吸込ポート24が開口し、この吸込ポート24にはハウジング11A、カバー11Bに設けた吸込通路(ドレン通路)25A、25Bを介してポンプ10の吸込口26が連通せしめられている。他方、ポンプ室23のロータ回転方向下流側の吐出領域には、プレッシャプレート18に設けた吐出ポート27が開口し、この吐出ポート27にはハウジング11Aに設けた高圧力室28A、吐出通路28Bを介してポンプ10の吐出口29が連通せしめられている。
これにより、可変容量型ポンプ10にあっては、ポンプ軸12によってロータ13を回転駆動し、ロータ13のベーン17が遠心力でカムリング22に押し付けられて回転するとき、ポンプ室23のロータ回転方向上流側では隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲む容積を回転とともに拡大して作動流体を吸込ポート24から吸込み、ポンプ室23のロータ回転方向下流側では隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲む容積を回転とともに減縮して作動流体を吐出ポート27から吐出する。
可変容量型ポンプ10は、図2に示す如く、吐出ポート27のポンプ軸12まわりにおける開口範囲αを、後述する第2流体圧室42の側に角度βだけずらして配置している。
しかるに、可変容量型ポンプ10は、吐出流量制御装置40を有している。
吐出流量制御装置40は、ポンプケーシング11に固定されている上述のアダプタリング19の鉛直最下部に前述の支点ピン21を載置し、カムリング22の鉛直最下部をこの支点ピン21に支持し、カムリング22をアダプタリング19内で揺動変位可能としている。
吐出流量制御装置40は、ポンプケーシング11を構成するポンプハウジング11Aにおいて、カムリング22を挟んで後述する第1流体圧室41の反対側に加圧シリンダ50を螺着しOリングを介する密封状態で設け、加圧シリンダ50の油室51に吐出通路28Bから分岐した分岐連通路28Cを連通し、この油室51に挿入したピストン52を、アダプタリング19に設けたピストン孔53を通してカムリング22の外面に衝接している。また、加圧シリンダ50の油室51に付勢手段としてのばね54を配設し、ばね54はピストン52を介してカムリング22をロータ13の外周部との間でポンプ室23の容積(ポンプ容量)を最大とする方向へ付勢している。ピストン52はばね54を収容する空洞を備えた一端閉塞円筒中空体からなる。
尚、アダプタリング19は第1流体圧室41を形成する内周部の一部にカムリング移動規制ストッパ19Aを突状形成され、後述するようにポンプ室23の容積を最大とするカムリング22の移動限を規制される。また、アダプタリング19は後述する第2流体圧室42を形成する内周部の一部にカムリング移動規制ストッパ19Bを突状形成され、後述するようにポンプ室23の容積を最小とするカムリング22の移動限を規制される。
また、吐出流量制御装置40は、カムリング22とアダプタリング19との間に第1と第2の流体圧室41、42を形成している。即ち、第1流体圧室41と第2流体圧室42は、カムリング22とアダプタリング19の間で、支点ピン21と、その軸対称位置に設けたシール材43とで分割される。このとき、第1と第2の流体圧室41、42は、カムリング22とアダプタリング19の間の両側方をカバー11Bとプレッシャプレート18により区画され、アダプタリング19の前述したカムリング移動規制ストッパ19A、19Bにカムリング22が衝合したときに、ストッパ19Aの両側に分離される第1流体圧室41同士を連絡する連絡溝、ストッパ19Bの両側に分離される第2流体圧室42同士を連絡する連絡溝をプレッシャプレート18に備える。
ここで、前述の加圧シリンダ50の油室51はポンプ10の吐出通路28Bに連通路28Cを介して連通している。これにより、ポンプ10の吐出経路において、ポンプ室23から吐出されてプレッシャプレート18の吐出ポート27、ポンプハウジング11Aの高圧力室28Aを経由して吐出通路28Bに達した圧力流体は、連通路28Cを介して、加圧シリンダ50の周囲の環状溝55A、該加圧シリンダ50の壁面に開口した通路55Bから油室51に充填される。他方、吐出通路28Bにおいて、連通路28Cの分岐部より下流側には主絞り58が設けられる。
そして、吐出流量制御装置40は、(1)ポンプ室23の容積を最小とする方向への移動変位をカムリング22に与える第1流体圧室41に、主絞り58の上流側の圧力を後述する切換弁装置60を介して導入し、(2)ポンプ室23の容積を最大とする方向への移動変位をカムリング22に与える第2流体圧室42に、主絞り58の下流側の圧力を吐出通路28Bから分岐連通路28D経由でアダプタリング19のピストン孔53を介して導入し、(3)ポンプ室23の容積を最大とする方向への移動変位をカムリング22に与える加圧シリンダ50の油室51に、主絞り58の上流側の圧力を吐出通路28Bから分岐連通路28D経由で加圧シリンダ50の通路55A、55Bを介して導入する。第1流体圧室41、第2流体圧室42、加圧シリンダ50の油室51に作用する圧力のバランスによって、カムリング22をばね54の付勢力に抗して移動させ、ポンプ室23の容積を変化させてポンプ10の吐出流量を制御する。
ここで、吐出流量制御装置40にあっては、主絞り58の上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室23からの圧力流体の吐出流量に応じて第1流体圧室41への供給流体圧を制御する切換弁装置60を有する。具体的には、切換弁装置60は、第1流体圧室41に接続された連絡路61と吐出通路28Bの主絞り58より上流側の連絡路67との間に介装され、連絡路61に設けた絞り61Aとの連携により、ポンプ10の低回転域では第1流体圧室41を連絡路67に対して閉じ、高回転域では第1流体圧室41を連絡路67に接続する。
尚、切換弁装置60は、ポンプハウジング11Aに穿設した弁格納孔62にスプリング63、切換弁64を収容し、スプリング63で付勢される切換弁64をポンプハウジング11Aに螺着したキャップ65で担持している。切換弁64は、弁格納孔62に密に摺接する弁体64A、及び切換弁体64Bを備え、弁体64Aの一端側に設けた加圧室66Aに吐出通路28Bの主絞り58より上流側の連絡路67を連通し、切換弁体64Bの他端側に設けたスプリング63が格納されている背圧室66Bに吐出通路28Bの主絞り58より下流側の連絡路68を第2流体圧室42を介して連通している。また、弁体64Aと切換弁体64Bの間のドレン室66Cには前述した吸込通路(ドレン通路)25Aが貫通して形成され、タンクに連絡される。弁体64Aは、前述の連絡路61を開閉可能としている。即ち、ポンプ10の吐出圧力が低い低回転域では、スプリング63の付勢力により切換弁64を図2に示す原位置に設定し、弁体64Aにより加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して閉じる。ポンプ10の中高回転域では、加圧室66Aに加えられる連絡路67の高圧流体により切換弁64を移動させ、弁体64Aにより加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開き、連絡路67から加圧室66Aに加えられている高圧流体を第1流体圧室41に導入する。尚、連絡路67には絞り67Aが設けられ、主絞り58の上流側からの脈動を吸収可能とする。
従って、吐出流量制御装置40を用いたポンプ10の吐出流量特性は以下の如くになる。
(1)ポンプ10の回転数が低い自動車の低速走行域では、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置60の加圧室66Aに及ぶ流体の圧力が未だ低く、切換弁64は原位置に位置し、切換弁64は加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して閉じる。このため、主絞り58の上流側の圧力は第1流体圧室41に供給されず、第2流体圧室42には主絞り58の下流側の圧力が印加され、加圧シリンダ50の油室51には主絞り58の上流側の圧力が印加される。このため、カムリング22は第1流体圧室41と第2流体圧室42の圧力差と加圧シリンダ50のピストン52の押し力とばね54の付勢力によりポンプ室23の容積を最大とする側に維持され、ポンプ10の吐出流量は、回転数に比例して増加する。
(2)ポンプ10の回転数の増加により、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置60の加圧室66Aに及ぶ流体の圧力が高くなると、切換弁装置60はスプリング63の付勢力に抗して切換弁64を移動させて加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開く。これにより、第1流体圧室41の圧力が上がり、カムリング22はポンプ室23の容積を小さくする側に移動していく。従って、ポンプ10の吐出流量は、回転数の増加に対し、回転数の増加による流量増加分と、ポンプ室23の容積減縮による流量減少分とを相殺し、一定の流量を維持する。
しかるに、ポンプ10にあっては、切換弁装置60の切換弁64の弁体64Aが、図3、図4に示す如く、加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開閉する円筒状第1ランド部101と、該連絡路61を第1ランド部101とともにドレン室66Cに対して開閉する円筒状第2ランド部102を備える。このとき、第1ランド部101は弁格納孔62に密に摺接し、第2ランド部102は第1ランド部101より小外径をなして弁格納孔62との間に隙間通路102Aを形成する。更に、弁体64Aは、第1ランド部101と第2ランド部102に挟まれる間に、該弁体64Aの全周に渡る環状溝103を備える。弁体64Aが加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開閉する行程において、ポンプ10の無負荷持には、図4(A)に示す如く、第1ランド部101が加圧室66Aを連絡路61に対して閉じる。ポンプ10の負荷発生時又は中回転時には図4(B)に示す如く、第1ランド部101が加圧室66Aを連絡路61に対して開き、環状溝103を連絡路61に臨むように位置付ける。ポンプ16の高回転持には、図4(C)に示す如く、第1ランド部101が連絡路61をドレン室66Cに対して閉じる。
尚、弁体64Aは、第1ランド部101の加圧室66A寄り外周端を該加圧室66Aの側に向けて縮径するテーパ面とし、第2ランド部102のドレン室66C寄り外周端を該ドレン室66Cの側に向けて縮径するテーパ面とし、環状溝103の両側端を互いに拡開するテーパ面としている。
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)可変容量型ポンプ10にあっては、切換弁装置60の弁体64Aが、加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開閉する第1ランド部101と、該連絡路61をドレン室66Cに連通する第2ランド部102とを備え、更に第1ランド部101と第2ランド部102の間の全周に渡って設けられる環状溝103を備えるものとした。従って、低温の負荷発生時に切換弁装置60の弁体64Aが移動することにより、加圧室66Aから連絡路61に導入された作動油の粘度が低温の故に高い場合にも、この作動油は連絡路61に広く臨む環状溝103を介してその環状溝103の全周から第2ランド部102により形成される隙間通路102Aにスムースに流入する。このため、加圧室66Aから第1流体圧室41への連絡路61に導入されたポンプ吐出側圧力は、第1流体圧室41に導入されるとともに、連絡路61に導入されたポンプ吐出側圧力の一部が環状溝103を介して第2ランド部102により形成される隙間通路102Aからポンプ吸込側にリークせしめられ、カムリング22はポンプ室23の容積を適度に大きくする側に移動され、吐出流量を適度に増大させる。従って、低温の負荷発生時における吐出流量を過度に減少させることがない。
(b)可変容量型ポンプ10にあっては、切換弁装置60の弁体64Aの第2ランド部102により形成される、連絡路61からポンプ吸込側への通路面積は、連絡路61に広く臨む環状溝103を介することにより、弁体64Aの移動位置により変動することがない。このため、負荷発生時に、加圧室66Aから第1流体圧室41への連絡路61に導入された作動油のうち、ポンプ吸込側にリークする油量が不安定になることがなく、ひいては第1流体圧室41の圧力が減少し、カムリング22の移動により、吐出流量が増大する。
(c)上述(a)の可変容量型ポンプ10を自動車用油圧パワーステアリング装置に適用することにより、低温の負荷発生時における吐出流量を過度に減少させることなく操舵力を重くしない。また、負荷発生時の吐出流量を安定化し、操舵アシスト力を安定化する。
尚、ポンプ10にあっては、高圧力室28Aと吸込通路(ドレン通路)25Aと、ドレン室66Cの間に、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフする切換弁としてのリリーフ弁70を有している。また、ポンプ10は、吸込通路25Bからポンプ軸12の軸受15Cに向かう潤滑油供給路91をカバー11Bに穿設し、ポンプ軸12の軸受15Bまわりから吸込通路25Aに戻る潤滑油戻り路92をポンプハウジング11Aに穿設してある。
リリーフ弁70は、図3に示す如く、切換弁装置60に内蔵され、切換弁64そのものからなる主弁71にパイロット弁を構成するボール73を付帯させたパイロット作動型にて構成されている。そして、主弁71は、ポンプ吐出側通路に設けた主絞り58の上流側通路、換言すれば第1弁室(加圧室66Aと同じ)81をドレン通路25A(吸込通路)に対し開閉可能とする。また、ボール73には、ポンプ吐出側通路に設けた主絞り58の下流側の流体圧、ひいては第2弁室(背圧室66Bと同じ)82の流体圧が印加される。
具体的には、リリーフ弁70は、下記(a)〜(c)の構成を備える。
(a)リリーフ弁70は、弁格納孔62内に摺動可能に主弁71(切換弁64)を設け、弁格納孔62の主弁71に対する一端側に定めた第1弁室81(加圧室66A)には、ポンプ10の吐出側通路に設けた主絞り58の上流側の流体圧を印加する。また、弁格納孔62の主弁71に対する他端側に定めた第2弁室82(背圧室66B)には、該主絞り58の下流側の流体圧を印加する。そして、リリーフ弁70は、第1弁室81をドレン室66C経由でドレン通路25Aに連絡するリリーフ路83(不図示)を弁格納孔62に設け、主弁71を第1弁室81の側に付勢して主弁71をリリーフ路83の閉じ位置に設定するスプリング84(スプリング63と同じ)を備える。
(b)リリーフ弁70は、流体圧をリリーフするための軸孔71Aが形成されるとともに該軸孔71Aに交差するリリーフ孔71Bが形成されて弁格納孔62に摺動可能に設けられる主弁71と、主弁71の軸孔71Aの流入側開口端に挿着されて該軸孔71Aの内外を連通する連通孔72Aを備えるとともに該連通孔72Aの流出側端にボール受面72Bが形成された弁シート72と、主弁71の軸孔71Aに移動可能に設けられていて弁シート72のボール受面72Bに当接可能とされるボール73と、主弁71の軸孔71Aに設けられていてスプリング75にバックアップされる状態でボール73を弁シート72のボール受面72Bに押圧するボール押面74Aを備えたスプリング押え74とを有する。尚、71Cは主弁71のスプリング75を収容する軸孔71Aの側壁に設けられてスプリング押え74の移動をスムースにするためにドレン室66C、ドレン通路25Aに対向している流体圧逃し孔(リリーフ孔)である。
(c)リリーフ弁70の弁シート72のボール受面72Bを、その連通孔72Aの軸方向で流体が流出する方向に向けて拡開するテーパ面とする。同時に、スプリング押え74のボール押面74Aの周辺端面74Bを、該スプリング押え74の軸方向で反ボール押圧方向に向けて拡開するテーパ面とする。
リリーフ弁70は、ポンプ10が用いられているパワーステアリング装置による操舵の据え切り状態が持続する等により、ポンプ吐出側での流体圧が過大になり、主絞り58の下流側の吐出通路につながっている第2弁室82の流体圧がリリーフ設定圧に達すると、第2弁室82の流体圧がボール73をスプリング75に抗して開動作せしめる。これにより、第2弁室82の流体圧をリリーフ孔71Bからドレン室66C経由でドレン通路25Aへリリーフし、このリリーフによる第2弁室82の流体圧の低減状態下で、主弁71を第1弁室81の流体圧によりスプリング84に抗して開動作させ、結果として第1弁室81の流体圧をリリーフ路83からドレン室66C経由でドレン通路25Aへリリーフ可能とする。これにより、ポンプ吐出側の過大流体圧をリリーフできるものとなる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は可変容量型ポンプを示す断面図である。 図2は図1のII−II線に沿う断面図である。 図3は切換弁を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大図である。 図4は切換弁の移動状態を示し、(A)は無負荷時を示す断面図、(B)は負荷発生時又は中回転時を示す断面図、(C)は高回転時を示す断面図ある。
符号の説明
10 可変容量型ポンプ
11 ポンプケーシング
12 ポンプ軸
13 ロータ
16 溝
17 ベーン
19 アダプタリング
20 嵌装孔
22 カムリング
23 ポンプ室
25A 吸込通路(ポンプ吸込側通路)
27 吐出ポート
28B 吐出通路(ポンプ吐出側通路)
28C 連通路
40 吐出流量制御装置
41 第1流体圧室
42 第2流体圧室
58 主絞り
60 切換弁装置
61 連絡路
62 弁格納孔
64A 弁体
66A 加圧室
66C ドレン室
101 第1ランド部
102 第2ランド部
102A 隙間通路
103 環状溝

Claims (2)

  1. ポンプケーシングに挿入されるポンプ軸に固定して回転駆動されるとともに、多数のベーンを溝に収容して半径方向に移動可能としてなるロータと、
    ポンプケーシング内の嵌装孔に嵌装され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ポンプケーシング内で移動変位可能とされ、ポンプケーシングとの間に第1と第2の流体圧室を形成するカムリングと、第1流体圧室にポンプ吐出側通路に設けた主絞りの上流側の圧力を導入し、第2流体圧室に該主絞りの下流側の圧力を導入する吐出流量制御装置とを有し、
    吐出流量制御装置が、主絞りの上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室からの圧力流体の吐出流量に応じて第1流体圧室への供給流体圧を制御する切換弁装置を有し、
    切換弁装置が、主絞りの上流側に連通する加圧室を、第1流体圧室に接続された連絡路に対して開閉する弁体を弁格納孔に収容してなる可変容量型ポンプにおいて、
    切換弁装置の弁体は、加圧室を上記連絡路に対して開閉する第1ランド部と、第1ランド部の外径より小外径をなし、上記弁格納孔との間に環状隙間通路を形成し、該環状隙間通路により上記連絡路をポンプ吸込側通路に連通する第2ランド部とを備え、更に第1ランド部と第2ランド部の間の全周に渡って設けられ、第2ランド部が形成する上記環状隙間通路に対し弁体の中心軸まわりで凹設されてなる環状溝を備えることを特徴とする可変容量型ポンプ。
  2. 請求項1に記載の可変容量型ポンプを用いた自動車用油圧パワーステアリング装置。
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