JP4737858B2 - 永久磁石電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号に基づいて、回転子の磁極位相信号を生成し、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、例えば、エレベータを駆動する永久磁石電動機の制御装置の構成を示すブロック図である。同図において、電動機1に回転位置検出装置2が結合されている。回転位置検出装置2は電動機1の回転位置を検出し、例えば、電動機が1回転する間に、繰り返し数が2の回転位相信号φを出力して磁極位相換算装置3に加える。磁極位相換算装置3は回転位相信号φを永久磁石電動機1の磁極対数に対応した繰り返し数の磁極位相信号θに変換して電動機制御装置4に加える。電動機制御装置4は磁極位相信号に同期する磁界を発生させるように、固定子の電流を制御する。
【0003】
この場合、磁極位相換算装置3は、永久磁石電動機1の磁極対数を回転位置検出装置2の1回転の信号繰り返し数で割った値を換算係数とし、この換算計数を回転位相信号φに掛け算すると共に、1回転に対する回転角、例えば、360°で除算して得られる剰余をとって磁極位相信号θを生成し、電動機制御装置4に加える。これによって、永久磁石電動機1の同期制御が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の磁極位相信号の生成方法では、永久磁石電動機1の磁極対数が、回転位置検出装置2が出力する信号の繰り返し数の整数倍でなければ、正確な磁極の位置を検出することができず、同期制御が不可能になる。このことを図8及び図9を用いて説明する。
【0005】
例えば、永久磁石電動機1の磁極対数が4で、永久磁石電動機が1回転する間に回転位置検出装置2が出力する回転位相信号の繰り返し数が2であったとすれば、回転位置検出装置2による回転位相信号φは、図8(a)に示すように、電動機が実際に1回転する間に、その値が鋸歯状に2回に亘って変化する回転位相信号φを出力する。これに対して、永久磁石電動機1の磁極対数が4であるとすれば、磁極位相信号θは、図8(b)に示すように、電動機が1回転する間に、その値が鋸歯状に4回変化する。しかして、回転位相信号φの繰り返し数が2で、磁極対数が4であることから、磁極位相換算装置3は、4/2=2を換算係数として、この換算係数を回転位相信号φに掛け算し、順次360°で除算して得られる剰余、つまり、電動機が1回転する間に0°から360°まで増大する磁極位相信号を4回に亘って出力する。これによって、図8(b)に示す信号が得られ、これによって、図7に示すシステムが永久磁石電動機1を同期制御することができる。
【0006】
一方、永久磁石電動機1の磁極対数が3で、永久磁石電動機が1回転する間に回転位置検出装置2が出力する回転位相信号の繰り返し数が2であったとすれば、回転位置検出装置2による回転位相信号φは、図9(a)に示すように、その値が鋸歯状に2回変化する回転位相信号φを出力する。前述した磁極位相換算装置3が磁極対数3を回転位置検出装置2の信号繰り返し数2で割り算すると、換算係数は3/2となる。そこで、磁極位相換算装置3がこの換算係数3/2を回転位置検出位相の値に乗算し、360°で除算して得られる乗余の値を磁極位相信号として出力すると、図9(b)に示すように、電動機回転角の0°から120゜まで磁極位相は0°から360°まで上昇し、電動機回転角の120°から180°まで磁極位相は0°から180°まで上昇し、さらに、電動機回転角の180°から360°まではこれと同様な変化を繰り返す、不連続な磁極位相となる。このため、図7に示すシステムは磁極対数に同期した同期制御が不可能になる。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、第1の目的は、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にする永久磁石電動機の制御装置を提供するにある。
【0008】
第2の目的は、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に回転角信号又は磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることができる永久磁石電動機の制御装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の原理を説明した後で、課題を解決する手段について説明する。永久磁石電動機1の磁極対数が、その1回転における回転位置検出装置2の回転位相信号の繰り返し数の整数倍にならない場合に同期制御上で問題となるのは、位相の不連続な点があることである。そこで、回転位置検出装置2で検出された回転位相信号φを一旦、電動機の1回転について回転角度に比例すると共に、繰り返し数が1の信号に変換し、変換された信号に磁極対数分の信号に変換することによって解決することができる。
【0010】
例えば、永久磁石電動機1の磁極対数が3で、回転位置検出装置2によって検出される永久磁石電動機1の1回転の回転位相信号の繰り返し数が2であるとする。このとき、回転位置検出装置2から図10(a)に示す回転位相信号φが出力される。この回転位相信号φの値を電動機の1回転の繰り返し数2で割り算すると、図10(b)に示すように、電動機回転角の0°から180°まで実線で示すように直線的に増大する回転角信号が得られ、電動機回転角の180゜から360°までは破線で示したように直線的に増大する回転角信号が得られる。従って、電動機回転角の180゜から360°までは数値として180°を加算する、いわゆる、桁上げを行うことによって、電動機の1回転の回転角Φに対して直線的に上昇する回転角信号φ′が得られる。そして、この回転角信号φ′に磁束対数を乗算し、得られた値を1回転に対する回転角、例えば、360°で除算し、その剰余をとれば、図10(c)に示すように、電動機の1回転に対して繰り返し数が3の磁極位相信号θが得られる。
【0011】
ここで、回転角信号φ′を作成する際の桁上げの情報を、制御装置の供給電源の中断があっても電源復帰時まで保持しておかなければならないという問題がある。そこで、図11(a)に示すように、永久磁石電動機の磁極対数が3,回転位置検出装置の出力信号の繰り返し数が2の組み合わせで、例えばaの点で電源が中断した場合と、aの位置からちょうど180°ずれたbの点で電源が中断した場合について考えると、次の電源復帰時に回転角信号φ′の作成時の桁上げ情報がなくなっておれば、図11(b)中のb′のように実際とは異なって180°ずれた回転角の信号に変換されてしまい、得られる回転角信号φ′に着目すると、aに対応するaと、bに対応するbとが等しくなり、この結果、図11(c)に示すように、磁極位相信号θ中の値aに比較してより大きいbになるべき値がaの値に等しくなってしまうことになる。
【0012】
この問題に関しては、不揮発性の記憶装置に回転角信号φ′の桁上げの情報を随時格納し、電源復帰時に、電源中断直前と同じ回転角信号φ′を生成することによって正確な磁極位相信号θを検出することができる。もう一つの方法としては、磁極位相信号θを不揮発性の記憶装置に随時格納し、電源復帰時に電源中断直前の磁極位相信号θと一定値以上のずれがあるかないかを判定して磁極位相信号θを補正することもできる。
【0013】
以上は、電源中断中に電動機が回転しない場合に限定され、電源中断中に電動機が外からのトルクで回転すると回転角信号φ′の作成の桁上げ情報を記憶していても無意味な情報になってしまう。このような場合、磁極位相の誤検出を回避するには、例えば、電動機の1回転に対する回転位置検出装置の周期数が2のときは、図12(a),(b)に示すように、現在の磁極位相信号θに対してステップ電流の応答を測定し、次に(θ+180°)の位相に対してステップ電流の応答を測定し、両者の応答を比較することによって磁極位相を補正する必要があるか否かを判定する。順方向の位相で電流を流した場合は電動機の永久磁石の磁界の影響でステップ応答は早くなり、逆方向の場合はステップ応答は遅くなることを利用し、θ位相の応答が早ければ補正する必要はなく、(θ+180°)位相の応答が早ければ180°の補正を行う。
【0014】
これらの磁極位相補償による判定が正確に行われず、磁極位相が正しく認識されない場合には、磁極の反発力により過剰な速度で電動機が回転するか、あるいは電動機が回転しないために制御装置が過剰な電流、電圧を発生させようとする。そのため、電源が中断し電源復帰後の最初の電動機駆動時に、過剰速度、過剰電流、過剰電圧のいずれか1つを検出した場合には、即時制御装置を停止すると同時に、磁極位相を補正するようにする。
【0016】
そこで、請求項1に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
第1の信号変換手段は、
永久磁石電動機の回転子が1回転する間の回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
回転角変換手段の出力信号を不揮発性記憶装置に逐次記憶、更新する回転角信号記憶手段と、
回転角信号記憶手段の記憶値に基づき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が異なる状態を判別して、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで同じになるように回転角補正信号を生成して回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
第2の信号変換手段は、
磁極対数がmであるとき、回転角信号にmを乗算し、得られた信号を永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
磁極位相変換手段の出力信号を不揮発性記憶装置に逐次記憶、更新する磁極位相信号記憶手段と、
磁極位相信号記憶手段の記憶値に基づき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで磁極位相信号が異なる状態を判別して、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで磁極位相が同じになるように磁極位相補正信号を生成して磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
さらに、制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、位相を変えて磁界を作るような永久磁石電動機の電流ステップ応答を測定して回転角信号を補正すべきか否かを判定する磁極判定制御手段を備え、
第1の信号変換手段は、
永久磁石電動機の回転子が1回転する間の回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
磁極判定制御手段が回転角信号を補正すべきと判定したとき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が同じになるように回転角補正信号を生成して回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項4に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
さらに、制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、位相を変えて磁界を作るような永久磁石電動機の電流ステップ応答を測定して磁極位相信号を補正すべきか否かを判定する磁極判定制御手段を備え、
第2の信号変換手段は、
磁極対数がmであるとき、回転角信号にmを乗算し、得られた信号を永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
磁極判定制御手段が磁極位相信号を補正すべきと判定したとき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで磁極位相信号が同じになるように磁極位相補正信号を生成して磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項5に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
さらに、永久磁石電動機の速度変化を検出する検出手段と、制御装置の供給電源が中断した後の復帰時にステップ電流を流す指令を出力すると共に、検出手段の検出結果に基づいて制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に回転角信号を補正すべきか否かを判定する電動機制御異常検出手段とを備え、
第1の信号変換手段は、
永久磁石電動機の回転子が1回転する間の回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
電動機制御異常検出手段が回転角補正指令を出力したとき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が同じになるように回転角補正信号を生成して回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項6に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
さらに、永久磁石電動機の速度変化を検出する検出手段と、制御装置の供給電源が中断した後の復帰時にステップ電流を流す指令を出力すると共に、検出手段の検出結果に基づいて制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に磁極位相信号を補正すべきか否かを判定する電動機制御異常検出手段とを備え、
第2の信号変換手段は、
磁極対数がmであるとき、回転角信号にmを乗算し、得られた信号を永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
電動機制御異常検出手段が磁極位相信号を補正すべきと判定したとき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで磁極位相信号が同じになるように磁極位相補正信号を生成して磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項7に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
さらに、永久磁石電動機の電流又は電圧のいずれか1つを検出する検出手段と、制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、検出手段の検出結果に基づいて電動機の制御異常を検出し、制御装置に電動機制御停止指令及び回転角補正指令を出力する電動機制御異常検出手段とを備え、
第1の信号変換手段は、
永久磁石電動機の回転子が1回転する間の回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
電動機制御異常検出手段が回転角補正指令を出力したとき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が同じになるように回転角補正信号を生成して回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項8に係る発明は、
永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
第1の信号変換手段からの回転角信号を、永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、この磁極位相信号に従って永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
さらに、永久磁石電動機の電流又は電圧のいずれか1つを検出する検出手段と、制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、検出手段の検出結果に基づいて電動機の制御異常を検出し、制御装置に電動機制御停止指令及び磁極位相補正指令を出力する電動機制御異常検出手段とを備え、
第2の信号変換手段は、
磁極対数がmであるとき、回転角信号にmを乗算し、得られた信号を永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
電動機制御異常検出手段が磁極位相補正指令を出力したとき、制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで磁極位相信号が同じになるように磁極位相補正信号を生成して磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図であり、図中、従来装置を示す図7と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。図1において、永久磁石電動機1に回転位置検出装置2が結合されており、この回転位置検出装置2によって得られた回転位相信号φは、回転角信号記憶装置8及び回転角補正装置7を付帯する回転角変換装置5によって回転角信号φ′に変換され、さらに磁極位相変換装置6によって磁極位相信号θに変換された後、永久磁石電動機1を駆動する電動機制御装置4に取り込まれる構成になっている。
【0025】
なお、回転角信号記憶装置8は回転角信号φ′及び回転角桁上量Δφ′を逐次記憶、更新すると共に、停電が発生してもその直前の値を保持する不揮発性のものであり、回転角補正装置7はこの回転角信号記憶装置8の記憶状態に従って回転角変換装置5の出力信号を補正するものである。
【0026】
次に、第1の実施形態の動作について説明する。回転位置検出装置2は、永久磁石電動機1が1回転する間に繰り返し数がnの位相信号φ、すなわち、電動機回転数Φに対して繰り返し数がn・Φの回転位相信号φを出力する。電動機が1回転する間の回転位相信号φの繰り返し数nは、回転位置検出装置2自体の信号出力形式や、永久磁石電動機1の回転軸と出力軸との接続状態、すなわち、回転軸と出力軸とを直結させたり、あるいは、加減速用のプーリーを介在させたりする接続状態によって決まるものである。
【0027】
回転位相信号φは、回転角変換装置5によって電動機回転角Φと同じく1回転について360°の位相信号となる回転角信号φ′に変換される。ここでの変換演算は、電動機回転角Φと回転位相信号φとの間にφ=n・Φの関係があることから、予め、回転角信号をφ′=φ/nのように求め、この回転角信号φ′が所定の大きさに到達した後の信号区間にΔφ′の桁上げをすることによって、回転角信号φ′は1回転で360°まで増加する信号となる。
【0028】
この回転角信号φ′は、磁極位相変換装置6に加えられ、ここで、永久磁石電動機1の1回転における磁極対数mと同じ周期数の磁極位相信号θに変換され、電動機制御装置4に加えられる。この場合、θ=m・φ′の演算が実行され、続いて、360°で除算して得られる剰余を求めることにより、1回転につき繰り返し数がmの磁極位相信号に変換される。
【0029】
さらに、この実施形態は、制御装置への供給電源が中断しても、次の電源復帰時まで桁上量Δφ′を不揮発性記憶装置である回転角信号記憶装置8に記億、保持し、電源復帰時に回転角補正装置7が回転角信号記憶装置8に桁上量Δφ′が保持されているか否かを判定し、桁上量Δφ′が保持されておれば桁上量Δφ′を生成し、桁上量の初期値として回転角変換装置5に供給する。
【0030】
なお、図1中に破線で示すように、回転角信号φ′を回転角信号記憶装置8に逐次記憶、更新させ、電源中断時の値と電源復帰時の値とを回転角補正装置7によって比較し、回転角補正信号Δφ′を決める、ということも可能である。
【0031】
かくして、第1の実施形態によれば、回転位相信号を、永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換し、さらに、この回転角信号を永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す磁極位相信号に変換するようにしたので、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にすることができる。
【0032】
また、制御装置への供給電源が中断しても、次の電源復帰まで桁上量Δφ′を記億、保持し、その状態に応じて桁上量Δφ′で補正するようにしたので、停電が発生しても、回転角信号φ′を確実に停電前の値に復帰させることができる。
【0033】
図2は本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図であり、図中、第1の実施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
この第2の実施形態では、電動機制御装置4への供給電源が中断しても、磁極位相変換装置6の磁極位相信号θの電源中断時の値を記憶しておくことができ、電源供給が中断しても次の電源復帰まで記億値を保持する不揮発性記憶装置である磁極位相信号記憶装置9と、電源復帰時には、磁極位相信号記憶装置9に保持していた磁極位相信号と電源復帰時の磁極位相信号を比較し、現在の磁極位相が電源中断前と同じ位相となるように補正量Δθを決め、磁極位相変換装置6の電源復帰時の初期値とする磁極位相補正装置11を備えている。
【0035】
かくして、図2に示した第2の実施形態によれば、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にすると共に、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることができる。
【0036】
図3は本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図であり、図中、第1の実施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
この第3の実施形態は、図1に示す回転角信号記憶装置8の代わりに、磁極判定制御装置10を設け、この磁極判定制御装置10判定結果に基づいて回転角補正装置7が回転角変換装置5が出力する回転角信号φ′の補正を行うようにしたものである。
【0038】
ここで、磁極判定制御装置10は電源復帰時に、電動機の電流を検出する電流検出器14の出力信号を取り込み、図12(a),(b)に示すように、現在の磁極位相信号θに対してステップ電流の応答を測定し、次に(θ+180°)の位相に対してステップ電流の応答を測定し、両者の応答を比較することによって磁極位相を補正する必要があるか否かを判定する。すなわち、電動機の1回転における回転位置検出装置2の回転位相信号φの信号繰り返し数が2で、永久磁束対数が3であるとすると、回転角信号φ′に180°のずれを生じることがある。このとき、磁極位相変換装置6から出力される磁極位相信号θも異なることになる。そこで、ステップ電流指令により順方向の電流(位相θ)を流したことにより磁極位相信号θの応答が早い場合には補正をする必要はなく、従って、回転角信号φ′の出力状態に補正を加える必要がないと判定する。ステップ電流指令により逆方向の電流(位相θ+180°)を流したことにより磁極位相信号θの応答が早い場合には補正をする必要があり、従って、回転角信号φ′の出力状態に補正を加える必要があると判定する。回転角補正装置7はこの判定に従い、補正の必要がある場合に回転角補正信号Δφ′で回転角信号φ′を補正する。
【0039】
以上、ステップ電流の応答に基づいて回転角信号φ′を補正する場合について説明したが、図2を用いて説明したように、磁極位相信号θを補正するようにしても良い。磁極位相信号θを補正する場合には回転角補正装置7の代わりに、磁極位相補正装置11を設け、図3の破線の経路に示した如く、磁極位相補正信号Δθによって磁極位相変換装置6から出力される磁極位相信号θを補正すれば良い。
かくして、図3に示した第3の実施形態によれば、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にすると共に、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に回転角信号又は磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることができる。
【0040】
図4は本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第4の実施形態の構成を示すブロック図であり、図中、第3の実施形態を示す図3と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。上述した第1乃至第3の実施形態において、電源中断、復帰時の回転角信号補正または磁極位相信号補正が正しく行われず、磁極位相を誤認識してしまった場合には、永久磁石電動機1の駆動時に、電動機制御装置4の速度指令値とはかけ離れた異常な速度で回転することがある。この場合は、即時、電動機制御装置4を停止し、回転角補正装置7または磁極位相補正装置11に補正するような指令を出し、再度電動機制御装置4を起動すれば良い。
【0041】
そこで、第4の実施形態は電動機制御装置4にステップ電流指令を与えると共に、回転位相信号φの時間微分を検出する微分器13の出力信号に基づいて永久磁石電動機1の制御状態に異常があるか否かを検出する電動機制御異常検出装置12を備えている。そして、電動機制御異常検出装置12が制御異常を検出した場合には、回転角補正装置7が回転角補正信号Δφ′で回転角信号φ′を補正する。また、回転角補正装置7の代わりに、磁極位相補正装置11を設け、図4の破線の経路に示した如く、磁極位相補正信号Δθによって磁極位相変換装置6から出力される磁極位相信号θを補正することもできる。
【0042】
かくして、図4に示した第4の実施形態によれば、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にすると共に、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に回転角信号又は磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることができる。
【0043】
図5は本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第5の実施形態の構成を示すブロック図であり、図中、第4の実施形態を示す図4と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。上述した第1乃至第3の実施形態において、電源中断、復帰時の回転角信号補正または磁極位相信号補正が正しく行われず、磁極位相を誤認識してしまった場合には、永久磁石電動機1の駆動時に、電動機が回転しないため、電動機制御装置4が過剰な電流が流れる。そこで、第5の実施形態では、電動機制御異常検出装置12が電動機の電流を検出する電流検出器14の出力信号を取り込み、その値が基準値を超えた場合に、電動機制御装置4に電動機制御停止指令を出力すると共に、回転角補正指令を出力する。この場合には、回転角補正装置7が回転角補正信号Δφ′で回転角信号φ′を補正する。
【0044】
また、回転角補正装置7の代わりに、磁極位相補正装置11を設け、電動機制御異常検出装置12が回転角補正信号の代わりに磁極位相補正指令を出力するように構成することによって、図5の破線の経路に示した如く、磁極位相補正信号Δθによって磁極位相変換装置6から出力される磁極位相信号θを補正することもできる。
【0045】
このように、回転角信号φ′又は磁極位相信号θを補正したのち、再度電動機制御装置4を起動する。
【0046】
かくして、図5に示した第5の実施形態によれば、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にすると共に、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に回転角信号又は磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることができる。
【0047】
図6は本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第6の実施形態の構成を示すブロック図であり、図中、第5の実施形態を示す図5と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、図5に示した電流検出器14の代わりに電圧検出器15を設け、この電圧検出器15の出力信号に基づいて電動機制御異常検出装置12が、電動機制御装置4に電動機制御停止指令を出力すると共に、回転角補正指令を出力するように構成したもので、これ以外の動作は図5を用いて説明したと同様であるのでその説明を省略する。
【0048】
かくして、図6に示した第6の実施形態によれば、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にすると共に、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に回転角信号又は磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、永久磁石電動機の磁極対数が、1回転当たりの回転位相信号の繰り返し数の整数倍でない場合でも同期制御を可能にする永久磁石電動機の制御装置を提供することができる。
【0050】
また、制御装置への供給電源が中断しても、電源復帰時に回転角信号又は磁極位相信号を確実に停電前の値に復帰させることのできる永久磁石電動機の制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図3】本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図。
【図4】本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第4の実施形態の構成を示すブロック図。
【図5】本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第5の実施形態の構成を示すブロック図。
【図6】本発明に係る永久磁石電動機の制御装置の第6の実施形態の構成を示すブロック図。
【図7】従来の永久磁石電動機の制御装置の構成を示すブロック図。
【図8】図7に示した従来の永久磁石電動機の制御装置の動作を説明するために、電動機回転角と、回転位相信号及び磁極位相信号との関係を示した線図。
【図9】図7に示した従来の永久磁石電動機の制御装置の動作を説明するために、電動機回転角と、回転位相四ヶ郷及び磁極位相信号との関係を示した線図。
【図10】本発明の原理を説明するために、電動機回転角と、回転位相信号、回転角信号及び磁極位相信号との関係を示す線図。
【図11】本発明の原理を説明するために、電動機回転角と、回転位相信号、回転角信号及び磁極位相信号との関係を示した線図。
【図12】本発明の原理を説明するために、異なる磁極位相でのステップ応答の差を示した波形図。
【符号の説明】
1 永久磁石電動機
2 回転位置検出装置
3 磁極位相換算装置
4 電動機制御装置
5 回転角変換装置
6 磁極位相変換装置
7 回転角補正装置
8 回転角信号記憶装置
9 磁極位相信号記憶装置
10 磁極判定制御装置
11 磁極位相補正装置
12 電動機異常検出装置
13 微分器
14 電流検出器
15 電圧検出器

Claims (8)

  1. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    前記第1の信号変換手段は、
    前記永久磁石電動機の回転子が1回転する間の前記回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、前記回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
    前記回転角変換手段の出力信号を不揮発性記憶装置に逐次記憶、更新する回転角信号記憶手段と、
    前記回転角信号記憶手段の記憶値に基づき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで前記回転角信号が異なる状態を判別して、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで同じになるように前記回転角補正信号を生成して前記回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  2. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    前記第2の信号変換手段は、
    前記磁極対数がmであるとき、前記回転角信号にmを乗算し、得られた信号を前記永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して前記磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
    前記磁極位相変換手段の出力信号を不揮発性記憶装置に逐次記憶、更新する磁極位相信号記憶手段と、
    前記磁極位相信号記憶手段の記憶値に基づき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで前記磁極位相信号が異なる状態を判別して、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで磁極位相が同じになるように前記磁極位相補正信号を生成して前記磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  3. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    さらに、前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、位相を変えて磁界を作るような前記永久磁石電動機の電流ステップ応答を測定して回転角信号を補正すべきか否かを判定する磁極判定制御手段を備え、
    前記第1の信号変換手段は、
    前記永久磁石電動機の回転子が1回転する間の前記回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、前記回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
    前記磁極判定制御手段が回転角信号を補正すべきと判定したとき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が同じになるように前記回転角補正信号を生成して前記回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  4. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    さらに、前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、位相を変えて磁界を作るような前記永久磁石電動機の電流ステップ応答を測定して前記磁極位相信号を補正すべきか否かを判定する磁極判定制御手段を備え、
    前記第2の信号変換手段は、
    前記磁極対数がmであるとき、前記回転角信号にmを乗算し、得られた信号を前記永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して前記磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
    前記磁極判定制御手段が前記磁極位相信号を補正すべきと判定したとき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで前記磁極位相信号が同じになるように前記磁極位相補正信号を生成して前記磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  5. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    さらに、前記永久磁石電動機の速度変化を検出する検出手段と、前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時にステップ電流を流す指令を出力すると共に、前記検出手段の検出結果に基づいて前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に前記回転角信号を補正すべきか否かを判定する電動機制御異常検出手段とを備え、
    前記第1の信号変換手段は、
    前記永久磁石電動機の回転子が1回転する間の前記回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、前記回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
    前記電動機制御異常検出手段が回転角補正指令を出力したとき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が同じになるように前記回転角補正信号を生成して前記回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  6. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    さらに、前記永久磁石電動機の速度変化を検出する検出手段と、前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時にステップ電流を流す指令を出力すると共に、前記検出手段の検出結果に基づいて前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に前記磁極位相信号を補正すべきか否かを判定する電動機制御異常検出手段とを備え、
    前記第2の信号変換手段は、
    前記磁極対数がmであるとき、前記回転角信号にmを乗算し、得られた信号を前記永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して前記磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
    前記電動機制御異常検出手段が前記磁極位相信号を補正すべきと判定したとき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで前記磁極位相信号が同じになるように前記磁極位相補正信号を生成して前記磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  7. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    さらに、前記永久磁石電動機の電流又は電圧のいずれか1つを検出する検出手段と、前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、前記検出手段の検出結果に基づいて電動機の制御異常を検出し、前記制御装置に電動機制御停止指令及び回転角補正指令を出力する電動機制御異常検出手段とを備え、
    前記第1の信号変換手段は、
    前記永久磁石電動機の回転子が1回転する間の前記回転位相信号の繰り返し数がnであるとき、前記回転位相信号をnで除算し、得られた信号の所定の区間に回転角補正信号を加算して出力する回転角変換手段と、
    前記電動機制御異常検出手段が回転角補正指令を出力したとき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで回転角信号が同じになるように前記回転角補正信号を生成して前記回転角変換手段の出力を補正する回転角補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  8. 永久磁石電動機の出力軸の回転を検出して得られる回転位相信号を、この永久磁石電動機の回転子が1回転する毎に、回転角に比例する回転角信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段からの回転角信号を、前記永久磁石電動機の磁極対数に等しい回数だけ繰り返す前記磁極位相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    を備え、この磁極位相信号に従って前記永久磁石電動機を同期制御する永久磁石電動機の制御装置であって、
    さらに、前記永久磁石電動機の電流又は電圧のいずれか1つを検出する検出手段と、前記制御装置の供給電源が中断した後の復帰時に、前記検出手段の検出結果に基づいて電動機の制御異常を検出し、前記制御装置に電動機制御停止指令及び磁極位相補正指令を出力する電動機制御異常検出手段とを備え、
    前記第2の信号変換手段は、
    前記磁極対数がmであるとき、前記回転角信号にmを乗算し、得られた信号を前記永久磁石電動機の回転子の1回転に対する回転角で除算してその剰余を求め、所定の区間に磁極位相補正信号を加算して前記磁極位相信号として出力する磁極位相変換手段と、
    前記電動機制御異常検出手段が磁極位相補正指令を出力したとき、前記制御装置の供給電源の中断時と復帰時とで前記磁極位相信号が同じになるように前記磁極位相補正信号を生成して前記磁極位相変換手段の出力を補正する磁極位相補正手段と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
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