JP4730683B2 - 熱交換器内のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための方法 - Google Patents

熱交換器内のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱交換器内側のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための方法に関する。石油精製および石油化学工業における非常に多くのプロセスは、熱を回収しかつエネルギー消費を抑制する目的で、二つの流体、特にプロセス液の間の間接交換器を使用している。特に、流入物(仕込原料)/流出物式交換器が非常によく用いられ、それにより、化学反応器の流物は、少なくとも一部が、この反応器からの流出液によって再加熱される。このような交換器を用いる方法は非常に広範囲にわたっており、制限されない実例として、炭化水素の接触改質法、特に水素化脱硫、水素化脱芳香族、水素化脱硝、水素化脱金属の方法を含む炭化水素の水素化処理法、軽質パラフィンの水素化脱水素のための方法、水素化分解法、石油留分または原油について行なわれる、いわゆる常圧、または加圧、または真空蒸留を可能にする方法その他が挙げられてよい。たとえば水蒸気分解または水蒸気改質の流出液用の、高温、たとえば800℃以上において作動する方法の、流出液のクエンチング(すなわち急冷)用の交換器もまた周知である。
これらの様々な方法を実施するためのシステムにおいて作動する熱交換器、以下「交換器」と呼ばれる、は時として、特にコークス、ゴム、ポリマーその他といった含炭素残渣により、汚損を引き起こす可能性のある種々の不純物または種々の重質生成物を含むことがある。このような沈着物は、一定の組成および形態学をもつ充分に同定された化合物にではなく、その化学組成、特にH/C比について、また形態学についてもかなり異なる生成物に相当し、可能性のある異種原子、たとえば硫黄、窒素、または金属の存在、たとえば時としてかなりの量の鉄の存在は、ある場合には数パーセント、さらに10または20重量%、あるいはさらにそれより上に達することもある。
このようなカーボン沈着物(典型的には少なくとも50%、および一般的には70重量%より多くの炭素を含んでおり、残りは水素および他の、特に硫黄および金属の化合物からなる)は、おそらくいくつかの反応機構から形成されており、そのことがそれらの多様性を説明するのかもしれない。一つの特定なまたは徹底的な説明に縛られるものではないが、ガムの形成は、永久的または偶然の、おそらく流入物(仕込原料)中の微量の酸素(これは不飽和化合物(特にオレフィン、ジオレフィン、またはアセチレン)との反応性が非常に高い過酸化物を形成できる)の存在の結果として生じ得ると考えられる。
これらの不飽和化合物、またはアスファルテンのような重質化合物、または、重縮合された芳香族あるいは部分分解または上流分解由来のラジカルといったある分解生成物の存在は、ある重合、または重縮合、またはコーキング反応に有利に運ぶのかもしれない。特に金属不純物(鉄、ニッケル、その他)もまた、沈着を招くある反応を触媒することが可能である。
それゆえ、交換器内に形成されるカーボン沈着物を除去することが必要である。カーボン沈着物の除去のための方法は、すでに周知であり、コイル状の配管をもつチューブ炉のデコーキングための方法は、たとえば水蒸気分解炉では、空気/水蒸気混合物を用いたデコーキングが、典型的にはこのような炉内で約800乃至900℃の温度において操作される。
炉コイルは、典型的には非常に厚い(一般に5と15mmの間)丈夫な管で構成されており、典型的には、スプリングまたはカウンタウェイトによって吊り下げられた一つの自由端を有するか、またはあらかじめ膨張を考慮した支持体上に支えられている。結果としてそれらは、温度の差に起因する膨張較差に対して非常に敏感ということはない。その上、それらの耐用年数は限られており、たとえば最も頻繁なデコーキングにかけられる水蒸気分解炉では、しばしば3と8年の間である。
交換器に関しては、交換表面は典型的にはより小さい(通常は3mm未満、さらに製油所において用いられるプレート式交換器用は1mm以下のオーダーの)厚さを有する。さらに、それらの機械的実現は、ずっと多くの溶接継目を必要とする(たとえば、チューブ型交換器用のチューブプレートにおいて、またはプレート式交換器用のプレートの全周にかけて)。
これらの交換器はそれゆえ基本的には、炉管よりも機械的にさらに応力が加えられ、膨張較差または「ホットスポット」に対しはるかに敏感であり、したがって熱機械的な観点から、はるかに壊れやすいシステムである。またさらに、交換器について期待される耐用年数は20年に達し、また一般には20年を超えており、このことは、装置の早発性老化を招き得るいかなる方法も排除する。
これらの理由から、炉をデコーキングするための伝統的な方法を用いた交換器のデコーキング(空気/水蒸気混合物、高温下)は、当業者の好ましくない先入観に直面しており、通常の交換器の場合には、インシティゥ(in situ、その場で)のクリーニングが可能であることから生じる理論的な利点にもかかわらず実践されない理由は、特に、燃焼反応の高い発熱性につながる「ホットスポット」の出現に起因する、熱機械学的劣化という重大なリスクのためである。
交換器のデコーキング(およびさらに一般的にはカーボン沈着物の除去)のための標準的な方法は、交換チューブのリーミング(reaming)によるか、または数十メガパスカルという非常に高い圧力の水流の機械的な作用(水圧式デコーキング)により、機械的なデコーキングを行なうことからなる。これらの標準的な技術は、しかしながら、装置を冷却すること、およびデコーキングされるチューブに接近するべく装置を解体することが必要であるため、操作期間およびメインテナンスに関しては、燃焼による炉のデコーキング技術よりも制限が多い。さらに、これらの技術は、溶接プレート交換器には適用できない:これらの交換器は、プレート間の空間が最もしばしば10mmよりずっと小さいこと、およびプレート上の起伏がクリーニングツールの通過および水圧ジェットの侵入を妨げることから、機械的または水圧式でデコーキングされることは可能ではない。
しかしながら、燃焼によってデコーキングされることが可能な交換器は周知である。特許文献1は、水蒸気分解の流出流のクエンチングのための交換器を記述しており、それはデコーキングが燃焼によって行なわれることを可能にする。記述されたデコーキングの方法は、本質的に、中程度の温度(好ましくは550℃未満)において装置を排液すること、次いでデコーキング用に温度を上げること(すなわち、表示によれば約600から750℃まで、および好ましくは約700℃まで)からなる。この手法は、二重のチューブをもつ非常に特殊なチューブ型交換器用に記述されているが、それはさらに、特殊な機械設計の配置および特殊な熱装置(ダブルチューブ群の周囲に配置された熱絶縁体)を用いており、デコーキングの間の装置の易損性の軽減を可能にしている。
最後に、化学生成物、たとえば特にオゾンまたは酸素飽和水といったオキシダントによる、沈着物の除去のための方法が周知である。これらの方法は、製油所においてまたは石油化学の現場では、一般的に使用されていない化学生成物を使用しており、化学物質の放電の使用または管理に関して問題を生じる可能性がある。
仏国特許第2490317号明細書
本発明は、インシティゥでの調節された酸化により、通常の技術的手段を用いて、かつ装置の機械的劣化のリスクなしに、あるタイプの方法における交換器内のカーボン沈着物の大部分またはすべての除去を、低い温度での制御された酸化によって可能にする方法を提供する。この方法は、交換器の改造を必要とせず、すべてのタイプのチューブ型交換器に、また溶接プレート式交換器にも適用可能である。本発明はまた、操作期間が制限されることを可能にし、なおかつ装置の機械的劣化のリスクのない、少なくとも部分的な、比較的迅速なカーボン沈着物の除去のための方法も提供する。本発明はまた、この方法の実施のための装置および、制御された酸化による沈着物の除去のための装置を含む、炭化水素の水素化精製のためのシステムも提供する。
次に続く本発明の記述においては、以下の慣行および定義が用いられる:
少なくともその一つが炭化水素を含む、少なくとも二つ(より大きい数を除外することなく)の流体の間の熱交換器は、熱交換器、または単純に交換器と呼ばれる。本発明による交換器は、向流(最も多くの場合)において、しかしまた、並流または交差流または向流を、他の構造を除外することなく一緒に作動してもよい。本発明の交換器は、超楕円形の胴体と二つの末端とを含んでおり、後者の少なくとも一つ(および一般には双方)は、交換器に入ってくるかまたは出て行く、すなわち交換器流入または交換器から流出する流体の間の熱交換のためのシートである:これらの流体は、二流体が交換器に入ってくるか、または二流体が出て行くか、または一流体が入りかつ一流体が出て行くことが可能である。交換器に入ってくるかまたは出て行く最も温度の高い流体は、最高温流体と呼ばれる。最高温流体と少なくとも一つ(一般にはただ一つ)の他の流体との間の熱交換のためのシートである末端は、交換器のホットエンドと呼ばれる。交換器のホットエンドにおいて最高温流体と熱を交換する、一方の最高温流体と他方の最も冷たい流体との間の温度差は、ホットアプローチと呼ばれる。一般に、ホットエンドにおいて熱を交換するのは二つの流体のみであり、ホットアプローチはこれら二つの流体の間の温度差である。交換器の通常の操作を通じた最高温流体の最大温度は、供給温度と呼ばれる。
化学処理によって、一以上の化学反応を用いた化学反応器内の処理が表される。本発明による化学処理は、水素化処理、すなわち、特に、また排他的ではないやり方で、以下の反応:脱硫、脱窒、芳香族の水素化、脱金属、の一以上を行なうための、水素下での炭化水素の処理を含む。本発明による化学処理はまた、アセチレンおよび/またはジオレフィンの選択的な水素化、たとえばブテンからブタジエンへ、プロパンからプロピレンへの脱水素反応、または他のパラフィン(たとえば、エタン、ブタン、パラフィン、特に直鎖アルキルベンゼンの先駆体オレフィンの調製のための約10乃至14個の炭素原子を有する直鎖パラフィン、その他)の脱水素も含む。本発明の化学処理はまた、水素化分解、接触改質、水蒸気改質、オレフィン、ジオレフィン、またはアセチレンの全飽和、およびさらに一般的には石油または石油化学工業の他の反応も含む。
本発明は、ごく一般的には供給温度が約540℃未満、および好ましくは約520℃未満の交換器に適用可能である。それは好ましくは、以下に説明される理由のため、たとえば水蒸気分解流出流のクエンチング用の交換器のデコーキングのための、高温の供給においては使用されない。
沈着物の酸化の段階の通常の温度は、定義によれば、ホットエンドにおける熱交換壁の最高温度である。この温度は、固定されるかまたは可変であることが可能であり、本発明により、流体の分布および/または流出のための領域の後に、交換領域の入口において、従来法により計算されるであろう。この計算は、当業者により熱工学の一般法則を用いて容易に行なわれることが可能である。しかしながら、用いた計算法によって、計算結果に小さな差異が生じることがある。当業者はそれゆえ、本発明を行なうため、控えめな値に相当するものを、本発明の実施のための最大値とみなすことができるであろう。
インシティゥでの沈着物の除去は、沈着物の除去操作を通じて、交換器がその場に留まっており、解体されて別の場所に輸送されないことを意味する。
沈着物除去のための装置を含んでなる水素化処理システムは、このシステムが、システムの実際の位置上に取付けられた装置の少なくとも主要な技術的手段を含んでなり、かつもし交換器の汚損が起きた場合には、(たとえばホース、パイプワーク スリーブその他により)容易に接続され得ることを意味する。
本発明は、少なくとも一つの炭化水素流体を含有している二つの流体間の熱交換器におけるカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための方法であって、前記交換器が、化学処理プロセスまたは分別プロセスの実施のためのシステムにおいて、約540℃未満の最大使用温度で作動するものであり:
− 前記交換器が、炭化水素を実質上完全に除去するべく不活性ガスによってパージされ、
− 前記交換器の予熱が行なわれ、次いでそれは少なくとも部分的なカーボン沈着物の酸化処理に付され、該酸化処理は、前記熱交換器流入または前記熱交換器から流出する流体の温度が酸化処理の間中、約520℃未満のままでありかつ前記交換器のホットアプローチが酸化処理の間中、約120℃未満のままであるような条件下で、窒素、水蒸気、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる不活性ガスを大きな割合で含みかつ酸素を少量含む酸化性流体による、約400と約500℃の間の通常の温度で少なくとも4時間にわたる、少なくとも一つの制御された酸化段階を含むことを特徴とする方法である。
好ましくは、交換器のコールドアプローチは120℃未満、さらに好ましくは100℃未満のままであることも確保されるが、このパラメータは一般にそれほど重要ではない。
典型的には、本発明の方法はこれらの沈着物のインシティゥ(in situ)での除去を実現する、すなわち交換器の移動はなく、使用場所に設置されたままである。本発明による方法は、しかしながら別の場所においても使用されることが可能である。
好ましくは、交換器流入または交換器から流出する流体の温度は、酸化処理の間中、約500℃未満に維持され、交換器のホットアプローチは酸化処理の間中、約100℃未満のままである。
これらの主要な温度制限は、カーボン沈着物の酸化速度が非常に遅く、この方法を適用できないものにしていることを示唆するといってもよい。酸化試験は実際には、水蒸気分解炉コークスについて、1および2.5%の酸素レベルを用いて、500℃において行なわれており、これらの試験は、制御された酸化によるこのコークスの除去が、このような条件の下では工業上許容される速度では適用不可能であることを示している。
一方、水素化処理用交換器において形成された沈着物の、制御された酸化についての試験は、主として約200と約450℃の間の供給温度を用いて行なわれた。これらの沈着物は、驚いたことに、1乃至2.5%といった低い酸素レベルによることを含め、低い温度における酸化に対し敏感であることが証明されている。このような沈着物は、それらを粉砕して酸化性流体との接触表面を増大する必要なしに、酸化および還元または除去されることが可能であった。また、酸化処置の間中、穏やかな酸化条件を制御すること、およびいかなる温度偏差およびホットスポットも避けることが可能であったことも判明した。
この説明に束縛されるものではないが、比較的低い温度において形成され、かつ交換器の操作条件の故に、約520乃至540℃より上の高温での熟成を受けていない沈着物は、比較的高い温度において形成または焼成されたコークスとは本質的に異なり、ずっと容易に酸化されることが可能である。本発明の好ましい適用は、約450℃以下の使用温度をもつ交換器内の沈着物の除去である。
交換器流入または交換器から流出する酸化性流体の温度について、また制御された酸化の間中、交換器のホットアプローチについての、重要かつ非定型の熱制限は、交換器の熱機械的応力が依存している熱パラメータの制御を可能にする。低い温度は、高温のホットスポットと熱変位(thermal excursion)のリスクとが事実上回避されることを可能にする。ホットアプローチを中程度の値に維持することもまた、熱機械的応力を制限する。したがって、熱機械的モデリングにより、100℃あるいはさらに120℃までのホットアプローチの範囲において、プレート交換器を含めた交換器の劣化がないことを確認することができた。
これらの熱制限は、本発明の方法に従って、異なる方法で得ることが可能である:
− 酸化処理の間中、交換器流入または交換器から流出する流体の一方の温度が、高くとも約490℃に等しい制限温度に達するかまたは超える場合、交換器に流入する流体の少なくとも一つの温度を低下させることが可能である。
− 酸化処理の間中、ホットアプローチが、高くとも約90℃に等しい制限値に達するかまたは等しい場合、交換器に流入する流体の少なくとも一つの温度を低下させることも可能である。
これら二つの場合には、交換器の温度の低下は沈着物の酸化の遅れを招き、そのことは温度およびアプローチを低減および均一化する傾向がある:
− 酸化処理の間中、交換器に流入または交換器から流出する流体の一方の温度が、高くとも約490℃に等しい制限温度に達するかまたは超える場合、酸化性流体中の酸素レベルもまた、低減するかまたはゼロモル%とすることが可能である。
− 酸化処理の間中、ホットアプローチが、高くとも約90℃に等しい制限値に達するかまたは等しい場合、酸化性流体中の酸素レベルもまた低減するかまたはゼロモル%とすることが可能である。
酸化性流体中の酸素レベルの低減もまた、沈着物の酸化の遅れを招き、そのことは温度およびアプローチを低減する傾向がある。
− 最後に、熱パラメータの制限値の一つが達成される場合、同時に、酸素レベルが低減または削減され、かつ交換器に流入する流体の少なくとも一つの温度が低減されることが可能である。単なる実例として、同時に、交換器に流入する流体の少なくとも一つの温度が10℃低減され、酸素レベルが10%(または、期待された結果が得られない場合には、これら二つのパラメータの高い方の値)低減されることが可能である。
これら二つのパラメータの一方または「双方」もまた、使用温度か、または交換器の温度および酸素レベルを調整することにより、所望の値へ調節されることが可能である。
大部分は、酸化処理の間の酸化性流体中の酸素レベルは、約2.5モル%以下、好ましくは約2.0モル%以下である。特に充分に適した酸素レベルの範囲は、0.4から2.0モル%までの範囲である。好ましい範囲は、いくつかの因子に依存する。これらのうちの一つは、酸化性流体の主要部分を構成している不活性流体の性質である:好ましくは、酸化処理の間の酸化性流体中の酸素レベルは、断熱全燃焼における温度差が約120℃未満、また非常に好ましくは100℃未満であるようにする。本発明によれば、酸化性流体の断熱全燃焼における温度差は、通常は、平均作用圧力において、また理論量のメタンを酸素試薬として用いて、450℃から始まる断熱全燃焼において得られる温度増加として定義される(酸素はCOおよびHOの形状で回収される)。
本発明による方法は、いくつかの変形にしたがって実施されることが可能である。
一つの好ましい変形によれば、酸化処理は少なくとも二つの制御された酸化の段階を含んでおり、これにおいては、約0.4と約1.5モル%の間の酸素レベルc1をもつ第一の酸化性流体が、これら二つの段階の一番目の間中、約420℃と約490℃の間の温度において、少なくとも4時間および少なくとも一部のカーボン沈着物を酸化するに充分な時間にわたり、交換器内に循環され、次いで、c1よりも大きく、約1.3と約2.0モル%の間である酸素レベルc2をもつ第二の酸化性流体が、これら二つの段階の二番目の間中、約420℃と約490℃の間の温度において、少なくとも2時間にわたり、交換器内に循環される。この変形によれば、酸化処理は非常に穏やかな条件下に開始され、そのことは非常に穏やかな条件下において非常に容易に酸化する沈着物が除去されることを可能にする。酸化は次に、わずかに高い酸素レベルを用いて、沈着物の補足的な除去を達成するべく続行される。この変形は、交換器の温度およびホットアプローチを、中程度の値においてさらに高められるのをモニタリングできるようにする。
もう一つの好ましい変形によれば、酸化処理は少なくとも一つの主要な制御された酸化段階と、補足的な制御された酸化段階とを含んでおり、これにおいて、0.8と2.0モル%の間の酸素レベルc3をもつ主要な酸化性流体が、主要な段階の間中、約420と約480℃の間の温度において、少なくとも4時間、およびカーボン沈着物の少なくとも大部分を酸化するべく充分な時間にわたり、交換器内に循環され、次いでc3より明らかに低く、かつ約0.2と約0.8モル%の間の酸素レベルc4をもつ補足的な酸化性流体が、補足的な段階の間中、約480と約525℃の間の温度において、少なくとも2時間にわたり、交換器内に循環される。この変形によれば、沈着物の大部分は主要な制御された酸化段階において除去され、補足的な制御された酸化操作は、相対的に高い温度において、しかし非常に低い酸素レベルを用いて行なわれる。このことは、ある程度の沈着物の除去が、熱変位あるいは高温化しすぎるリスクなしに行なわれることを可能にする。
本発明によるこの変形は、先に記述された変形と組み合わせてもよい:酸化は、たとえば第一の制御された酸化段階により開始されてもよく、これにおいて約0.4と約1.5モル%の間の酸素レベルc1をもつ第一の酸化性流体が、約420と約490℃の間の温度において、少なくとも4時間、好ましくは少なくとも12時間、およびカーボン沈着物の少なくとも部分的に酸化するべく充分な時間にわたり、交換器内に循環され(たとえば450℃および1%酸素を用いて)、c1よりも大きく、約1.3と約2.0モル%の間の酸素レベルc2をもつ第二の酸化性流体を用いた第二の段階が、約420と約490℃の間の温度において(たとえば450℃および2%酸素を用いて)、少なくとも2時間、および好ましくは少なくとも8時間続けられ、さらに、c3より明らかに低く、かつ約0.2と約0.8モル%の間の酸素レベルc4をもつ補足的な酸化性流体を用いた、約480℃と約525℃の間の温度において(たとえば500℃および0.5%酸素を用いて)、少なくとも2時間、および好ましくは少なくとも8時間の期間にわたる第三の段階によって終了する。
一般に、本発明によれば、目標は必ずしもすべての沈着物を除去することではない:もし、継続された処理の後に、残存性の沈着物が見つけられても(たとえば、コーキングに起因する圧力損失の増大が、わずか75%乃至95%に減ったにすぎず、かつもしデコーキングにもはや認知できるほどの進展がない場合)、温度を上げようとする(たとえば600℃以上に)および/または酸素レベルを上げようとする(たとえば5%以上に)試みはなされない。
この理由のため、約520℃乃至約540℃を超えない使用温度をもち、より簡単に酸化されるカーボン沈着物を提供する交換器内のカーボン沈着物に対し、この方法はさらに特別に適合される。
本発明の方法の一つの好ましい装置によれば、化学反応器の2パス式流入物/流出物型交換器内のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去用には、制御された酸化の段階を通じて、流体(同じかまたは異なる)が交換器の二つのパスの各々に循環される。このことは、温度の変動がさらに低減されることを可能にする:驚いたことに、汚損性の沈着物は交換器の交換表面の両側に形成されることはまれである;多くの場合(および、特に水素化処理用の、流入物/流出物型交換器においてはたいてい)、一般に流入物中に含有される偶発性の不純物のため、カーボン沈着物はもっぱら流入物側に沈着することが判明した。交換表面の両側の上の流体の循環は、汚損されていない側に位置する流体が、汚損された側の上の沈着物の酸化の熱の一部を吸収することを可能にし、したがって温度の上昇を制限することが可能である。
交換器内の循環は、並列または直列の二つのパス内の、同じ流体または異なる流体を用いて実現されることが可能であり、上行流または下行流の並流(縦型交換器用)において、または向流において実施されることが可能である。好ましくは、酸化性流体の少なくとも一部の流れは、制御された酸化の段階を通じて、交換器の二つのパス内で、直列にかつ並流において循環される。
一つの好ましい変形においては、酸化性流体の少なくとも一部の流れは、熱混合かまたはより低温の流体との交換による中間冷却を用いて、制御された酸化の段階を通じて、交換器の二つのパス内で直列に循環される。このことは、よりよい温度のモニタリングが確保されることを可能にする。
特に、酸化性流体の少なくとも一部の流れは、制御された酸化の段階を通じて、交換器の二つのパス内で、上行流の並流において直列に循環される。
酸化性流体の少なくとも一部の流れはまた、および好ましくは、制御された酸化の段階の間中、まず流出物側において、次に流入物側において、交換器の二つのパス内で直列に循環されることも可能である。
これらの様々な、流体循環および/または流体冷却の変形は、独立して、または互いに組み合わせて使用されてもよい。
主として、酸化性流体または複数の酸化性流体は、大部分が水蒸気または窒素のいずれかにより、少量の空気および可能なより少量の一酸化または二酸化炭素が添加されて構成される。もし不活性ガスとして窒素が使用される場合、主として閉鎖循環式においては、酸化性流体もまたCOを含有ことが可能である。したがって、循環ループ内のCOは、吸着により(たとえばアミンを用いた洗浄により)任意に除去されることが可能である。ループ内のガスもまた、任意に少量の一酸化炭素COを含有することが可能である。
操作圧力(交換器内の最大圧力)は、酸化プロセスを通じて広い範囲内で、たとえば0.01と10MPaの間で変わることが可能である。好ましい圧力の範囲は、0.1と2MPaの間、さらに詳細には0.1と1MPaの間にある。本発明による方法を実施するための一つの変形によれば、交換器は、酸化処理の開始前に、空気および酸素の不在下に、少なくとも約360℃、および好ましくは少なくとも約400℃の温度に予熱される。このことは、酸化処理が有効な温度において開始され、かつ酸化処理の持続時間が減らされることを可能にする。このことは、沈着物の性質および量に依存して非常に変わることが可能である。それは4時間と約400時間またはさらに長い時間との間であることが可能であり、好ましくは、持続時間は6と200時間の間、非常に好ましくは8と150時間の間である。主として、少なくとも24時間の持続時間の酸化処理が使用されるであろう。
酸化性流体が水蒸気を大部分含有する場合、交換器は好ましくは、最終的な予熱および/または酸化処理用に主として水蒸気により構成される流体を交換器に流入することに先立ち、最初に、実質上窒素からなる雰囲気下に、少なくとも約160℃および、その後いかなる水の凝縮も事実上回避するべく充分な温度において予熱される。ある種の不純物、たとえば塩化物の存在下に腐食を引き起こすことが可能な、水の凝縮を避けることが好ましい。同様に、酸化処理の後、交換器は好ましくは、本質的に水蒸気によって構成される雰囲気下に、400℃未満であるが約160℃より高く、事実上いかなる水の凝縮も回避するべく充分な温度において冷却され、次いで、交換器に実質上完全に窒素からなる流体が流入され、交換器の100℃未満までの最終的な冷却を交換器内の水の凝集のリスクなしに行なうようにする。任意で、交換器を水の凝縮のリスクがある温度より下に冷却せず、大部分の冷却なしに交換器の作動を直ちに再開してもよい。このことは、しかしながら、交換器流入するおよび交換器から流出するすべての流体の温度が充分に高い場合にのみ可能である。
本発明による方法は、特に、金属シェルの内側に配置された溶接金属プレートをもつタイプの交換器に適用可能である。したがって、交換器を流入または流出する少なくとも一つの流体の少なくとも一部は、好ましくは、予熱および/または制御された酸化段階を通じて、プレートとシェルとの間の空間内に循環されることが可能である。このことは、プレートとシェルとの間の温度差を減少させることに役立つ。別法としてこの空間は、たとえば交換器の最大圧力に等しいかまたはわずかに大きい圧力の、窒素雰囲気下に設置されることが可能である。
交換器は、チューブ、チューブプレート、およびシェルをもつ、チューブ型のものであることも可能である。
本発明はまた、先に記述された方法の実施のための、炭化水素の処理のためのシステムにおいて高くとも540℃、好ましくは520℃において作動する熱交換器内における、制御された酸化によるカーボン沈着物のインシティゥ(in situ)における少なくとも部分的な除去のための装置に関しており、この装置は、実質上、水蒸気、窒素、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる不活性ガス、ならびに2.5モル%未満の量の酸素を含んでなる、酸化性流体を流入させる手段と、酸化処理の間中、交換器を流入または流出する流体の温度を約500℃未満に保持する少なくとも一つの手段とを含んでなる。該装置はまた好ましくは、酸化処理の間中、交換器のホットアプローチを約100℃未満に保持するための少なくとも一つの手段、たとえば、先に方法の変形用に記述された技術手段:少なくとも一つの流体のフィード温度を低減するための手段、酸素レベルを低減するための手段、ハイレベルアラームをもつ交換器に流入または交換器から流出する一組の流体の最大温度を測定するための手段、ハイレベルアラームをもつホットアプローチを測定するための手段、その他、の一つを含む。多くは、該装置は、実質上、水蒸気、窒素、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる不活性ガス、ならびに2.5モル%未満量の酸素を含んでなる、酸化性流体を流入させる少なくとも一つの手段(この手段はたとえば、空気または酸素システムへ接続しているパイプワークである)と、酸素レベルを調節するための少なくとも一つの手段(たとえば調節バルブおよび流量計)、および、(自動化された方法の場合には)このレベルを低減するための、交換器流入または交換器から流出する流体の一つのインジケータまたは高温アラームへ、または交換器のホットサイドの平均温度のためのインジケータまたは(ハイレベル)アラームかまたは交換器のホットアプローチの値が高すぎる場合にトリガーされるインジケータまたはアラームへ接続された、少なくとも一つの手段(たとえば低減するかまたは空気調節バルブを閉めるための自動化された制御システム、またはオペレーター用の操作インストラクション)を同時に含む。
好ましくは酸化方法は、プログラマブルコントローラーか、または方法制御コンピュータにより管理されることが可能である。
本発明はまた、高くとも540℃、好ましくは高くとも520℃で作動する流入物/流出物型熱交換器を含み、この熱交換器におけるインシティゥでの制御された酸化による、交換器内のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための装置もまた含むシステムであって、この装置が、実質上、水蒸気、窒素、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる不活性ガス、ならびに2.5モル%未満量の酸素を含んでいる、酸化性流体を流入させる手段と、酸化処理の間中、交換器流入または交換器から流出する流体の温度を約500℃未満に保持するための少なくとも一つの手段とを含む、蒸留可能な炭化水素の水素化処理のためのシステムも提供する。
好ましくは、水素化処理システムはまた、交換器のホットアプローチを約100℃未満に保持するための少なくとも一つの手段も含む。
水素化処理システムに関連して先に記述された手段は、たとえば、万一の高すぎるホットアプローチおよび/または、交換器流入または交換器から流出する流体の一つの高すぎる温度の場合に、酸化性流体中の酸素レベルを低減することを可能にするバルブ、および/または交換器を流入する少なくとも一つの流体の予熱を低減するためのシステムを含むことが可能である。
本発明の水素化処理システムの変形によれば、水素化処理システムは、少なくとも一つの水素化処理触媒を含む反応器を含んでおり、かつカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための装置を含んでおり、この装置は、一方では交換器内のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための、また他方では、かつ少なくとも部分的には同時に、制御された酸化による触媒の再生のための、少なくとも一つの共通の手段を含む。この手段は、たとえば少なくとも部分的に共通した循環ループ(たとえば、窒素を多く含むガスをリサイクルするベンチレーターまたはコンプレッサー、制御された酸化の流出液の組成分析のための共通手段)であってよい。
一般に、沈着物の除去のためのシステムは、好ましくは水素化処理システムと共通した手段(特に、たとえば酸化性流体の予熱のための方法炉、高温アラームを用いた流れまたは温度の測定、パイプワークその他)を使用する。
関係する水素化処理システムの中でも、特に、ナフサの(接触改質に先立つ)水素化処理のため、ガソリンの水素化処理、特に接触分解のため、このガソリンの、たとえば重量で10ppmまたはさらに少量までの脱硫処理のため、重量で10ppmまたはさらに少量か、または家庭用燃料油か、または灯油への脱硫のための、中間留分またはガスオイル留分(デーゼル燃料用の基材)の水素化処理のため、および、脱硫および/または部分的な脱芳香族のための真空蒸留水素化処理、のためのシステムが挙げられてよい。
本発明の水素化処理システムの変形によれば、水素化処理システムは、一方では交換器内のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための、また他方では、かつ少なくとも部分的には同時に、制御された酸化による触媒の再生のための、少なくとも一つの共通の手段を含む。
もし、交換器の予熱の開始または最中に少量の酸素または空気が導入され、かつその後はなく、また特にもし酸化が約300℃以下といった明らかに360℃未満の温度において開始されたとしても、本発明の範囲から離れるものではない。もし、酸化性流体または複数の流体の温度または組成が、一以上の酸化段階を通じて一定ではなく、可変または変わりやすいか、または当業者に周知の異なる技術変形または技術手段がこの発明の方法、または装置、またはシステムにおいて用いられたとしても、本発明の範囲から離れるものではない。
図1および図2が、本発明による沈着物の除去のための、および本発明の方法を実行するための二つの変形を表している添付の図についてここで説明される。
図1は、沈着物の酸化の後の酸化性流体の一部のリサイクリングをもつ、沈着物の少なくとも部分的な除去のための装置の変形を示す。実際リサイクリングは、中でも、また特に、沈着物の除去のための方法のスタートであり、酸素は実質的に、または完全に消費されることが可能な、不活性リサイクリングである。このシステムは、好ましくは、主として窒素を含んでなる不活性ガスと、リサイクリングからの少量の一酸化または二酸化炭素とを用いて作動する。
図1の交換器1は、(通常の稼働を通じた)ガスオイルの水素化処理のためのシステムの実例のための、流入物/流出物型交換器であり、耐圧シェル2の内側に配された接プレートの束3を含んでなるプレートをもつタイプのものである。交換器の二つのパス(一方の4は、通常の稼働の間の流出のための循環であり、他方の5は、流入物用のものである)は、破線により、記号で表されている。典型的には、沈着物は流入物側のパス5内に位置している。装置は、酸化性流体を予熱するための炉19を含んでおり、それはまた水素化処理システムのための方法炉でもある。炉19を出ると、酸化性流体(この段階では、あるいは実質上不活性ガスからなっていてもよい)はライン20内を循環する。この流体の一部は任意に、ライン21により、水素化処理反応器27内に含まれている触媒の再生回路(デコーキング装置を含む)へ分割されることが可能であり、この再生は好ましくは少なくとも一部は、交換器内の沈着物の除去と同時に行なわれる。ライン21によって進路を変えられた流体は、ライン22を経て到着する給気と合流されて、反応器27内に含まれている触媒のデコーキングを行なう。酸素レベルは、ライン21上に配された分析器23によって測定される。流体は次に交換器24を通過して、その温度を(冷却または加熱することにより)触媒の再生のための所望の値まで調節する。この触媒再生温度は、交換器内の沈着物の除去のために用いられるものと異なってもよい。この温度をモニターするべく、高温アラームを有する温度感知器26が、交換器24からの流体用の出口ライン25上に設置される。触媒のデコーキング用の(酸化性)流体は、次に反応器27に接続し、次いで反応器を下流に向かい、バイパスの下流端、ライン28を経てライン20に連結する。これら二つのラインからのガス状の流出物は、温度探知機29を含むライン20の下流部分内を循環する。ライン20は、給気ライン30と接続される。ライン30の上に交換器内の沈着物の酸化に使用される酸化性流体中の酸素レベルを調節するための調節バルブ31が設置される。この酸化性流体の小部分は任意に、ライン32によって引き抜かれ、プレートの束3とシェル2との間の自由空間を通過し(その温度を均一化するため)、以下に述べられるライン6に接続するライン33によって排除される。ライン32を経た任意の引き抜きの後の、主な酸化性流体は、ライン20の末端区域内を循環し、そこに酸化性流体の酸素レベルを測定する分析器34が、このレベルがモニターされるようにするため、また温度感知器42が、交換器1のパス6(流出物側)を流れる酸化性流体の温度を測定するために配置される。酸化性流体は、その酸素レベルが好ましくは所望の値へ調節され、ついで交換器へ接続し、パス4(水素化処理流出物側)を経てそれを通過する。
交換器のパス4を、好ましくは垂直に上行して循環した後、酸化性流体は交換器を出てライン6内を循環する。上流から下流に向けて、このライン6は温度感知器40(高温アラームを有する)を含んでおり、先に述べたライン33により接続され、次に、相対的に冷たい流体を供給するライン35により接続される。この流入物は、任意ではあるが好ましくは、酸化性流体が冷却されるようにし、それは一般に、沈着物で汚されたパス5を流れる前に、1回目はパス4内であった交換器を通過する間に加熱される。ライン35により流入される相対的に冷たい流体は、たとえば窒素、水蒸気、またはリサイクルされた酸化性(または事実上不活性の)流体の一部であってよく、たとえば、予熱炉19の上流のライン18から始まってリサイクルされる(このリサイクリングは図1には表されていない)。有利なことに、この方法のモニタリングは、酸化性流体中の酸素レベルの評価のために、この冷たい流体の到着を考慮に入れている。別法として、より冷たい流体との混合点の下流の酸素レベルを、図示されていない分析器により直接測定することも可能である。
このように冷却された流体は、次に、温度検知器43を含むライン6の下流部分内を循環し、次いで交換器の汚染されたパス5を、好ましくはパス4内の循環との並流において、垂直に上行しつつ流れ、カーボン沈着物の制御された酸化を行なう。カーボン沈着物を酸化しながら交換器のパス5を通過した後、酸化性流体(あるいは事実上不活性になっているかもしれない)は、ハイレベルアラームを有する温度感知器41および、沈着物の酸化流出物中のCO、CO、および残留酸素のレベルを測定する分析器8(または一以上の分析装置)を含むライン7内を循環する。この酸化流出物は次に、熱交換器9において冷却され、次いでライン10内を循環し、さらにガス処理システム11を流れる。このシステムは、好ましくは凝縮された水を除去するための分離ドラムおよび、任意にCOの除去のための、たとえばアミンを用いて洗浄することによるシステムを含む。システム11を出ると同時に、残留ガスはライン12内を循環し、コンプレッサー(またはベンチレーター)13において再圧縮される。このコンプレッサー13を出るや否や、ライン14内に循環している残留ガスの一部は、ライン14を経てパージされ、ライン22および30により流入された空気の特に窒素に起因する過剰のガスを除去するようにする。主として窒素、および少量のCOおよびCOを含んでなる補足部分は、ライン16によりリサイクルされる。このライン16は、窒素を供給するライン17により接続され、交換器を流れる流体が約160℃未満であり、交換器内で凝縮することもあって、それが腐食を来すこともあるシステムの、主として開始および冷却段階のために使用される。ライン16は次に、(任意の)交換器9を流れ、次いでライン18を経て炉19に接続する。
図1のこの装置は、したがって好ましくは、主として窒素を含有するリサイクリングループを用いて作動する。それは、酸化操作のパラメータが別々に調整されることを可能にし、また特に、酸化性流体の酸素レベルおよび使用温度または複数の温度が、一方では交換器のカーボン沈着物の制御された酸化用に、また他方では(任意に)触媒のデコーキング用に調整されることを可能にする。単なる例として、交換器のパス4は、2.5体積%未満の酸素レベルをもち、かつ80℃以下であるべき断熱燃焼における温度差には充分低い酸化性流体によりフィードされることが可能である。430℃の流入温度は、温度感知器42において選択され、パス4からの(再加熱された)流体は、ライン19(図示していない)から引き抜かれたリサイクルされたガスとの混合により冷却され、ライン35により流入され、温度感知器43によって測定される、汚染されたパス5の入口温度を430℃の値に調整する。検出器40、41、42、43によって測定された温度がすべて500℃未満であること、およびホットおよびコールドアプローチが100℃未満であることがチェックされる。もしこれらのパラメータの一つが所望の値を超える場合には、酸素レベルは、また好ましくは温度感知器42における温度も低下され、炉19における予熱を制限する。
沈着物の少なくとも部分的な除去のための装置は、図1のものとは異なって使用されることが可能である。制限しない実例としては、流体は、下行流の並流において、また上行流の並流ではなく、および/または最初にパス5、次に直列にパス4を流れる(図1の逆)か、またはパス4を最初に流れるか、さもなければパス5を最初に流れる向流か、あるいは上行流において、または下行流において循環されてもよい。触媒のデコーキングは、並列または直列において、交換器の沈着物の酸化とともに行なわれる(またはこのデコーキングは共通の技術手段では行なわれない)。このシステムはまた、フィルターまたは圧力測定、種々の調整、その他といった、方法またはケミカルエンジニアリングの分野において周知の、図示していない他の設備または技術手段も含んでもよい。
図2における装置は、沈着物の酸化の後、一部の酸化性流体のリサイクリングのない、少なくとも部分的な沈着物の除去のための装置を示す。酸化性流体は、主として水蒸気プラス少量の添加された空気を含んでなる。図2の変形の装置においては、酸化性流体は交換器内を向流で直列に、最初にパス4において(下行流において)循環し、ライン53次いで54において循環し、次に汚染されたパス5(流入物側)において上行流で、次にライン55により再び出て、排除される(フレアにおいて、排気塔を通って、または最終的な燃焼帯において、これらの要素は図示されていない)。水蒸気は、流量計60によって測定される速度で、ライン50を経て流入される。空気は、流量計61によって測定される速度で、ライン51を経て添加される。予熱炉19から出ると同時に、ライン52内を循環する予熱された流体の温度および酸素レベルは、各々温度感知器45および分析器34によって測定される。このシステムはまた、ハイレベルアラームを有する他の温度感知器44、46、および47を含んでおり、任意であるが好ましい、ライン35によって流入される相対的に冷たい流体(たとえば未予熱水蒸気)を用いて、ライン53を経て交換器の底部を出る流体を冷却する。混合物からの流体は、交換器の底部内へ再導入されてパス5を流れ(流入物側)、沈着物の酸化を可能にする。単なる制限しない実例として、図1のものに近い条件下に作動してもよいし、またたとえば、温度感知器45および温度感知器46の双方において430℃で、流体を交換器内へ流入してもよい。酸素レベルもまた、図1の操作の記述と同様の基準を用いて選択してもよいし、同じ温度調節手段が用いてもよい。図1および2の装置はまた、本明細書に記述されたもののように、他の変形にしたがって作動してもよい。
以下の実施例は、本発明の方法において使用されることが可能な作動条件を、制限しない様式において説明する:
(本発明による実施例1:モックアップ試験)
電気抵抗によって加熱された外部シェル内に配置された、ヘリンボン型の起伏を有する二つの接プレートを含む、モックアップのステンレス鋼の熔接プレート式熱交換器が使用される。プレートは、窒素によって取り囲まれ、かつ同時に外部シェルからの放射によりおよび窒素との対流交換により加熱される。
まず、窒素下でのモックアップの最初の圧力低下が、精密に測定された流量条件において測定される。
試験は次に、ガソリンの水素化処理方法のものに近い温度および圧力条件下に、カーボン沈着物によるモックアップの汚損について行なわれる。添加された窒素を含むオレフィン触媒分解ガソリンが、以下のグレードの希釈液として、これら二つのプレートの間に循環される:
蒸留範囲:[20〜200℃]。
質量パーセント組成 パラフィン/オレフィン/ナフテン/芳香族化合物:33/6/33/28。
仕込原料(流入物)は200℃に予熱され、その温度はモックアップにおいて200から250℃まで上げられ、次に圧力低下パターンが記録される:これは変化せず、何らコーキングまたは汚損が起きていないことを示している。
次いで、この仕込原料の偶発性の汚染をシミュレートするべく、アラビアン・ライト原油の1%常圧釜残が仕込原料に添加され、この仕込原料は周囲の温度において、窒素および少量の添加された空気からなる流れに接触させられ、仕込原料と、不充分に不活性化された貯蔵タンク内の酸素との接触をシミュレートする。モックアップはこの新たな仕込原料を流入さ、先の条件下に操作される。
次に、圧力低下の安定した増加が観察され、モックアップの汚損を暗に示している。圧力低下が最初の圧力低下に比較して60%まで増加している場合には、窒素を循環させてモックアップをパージすることにより、炭化水素の循環は停止される。次いでモックアップを流れる窒素の予熱が、50℃/時間により、440℃に達するまで上げられる。モックアップ自体の加熱は、450℃の出口温度に調整される。
次いで空気が、0.5体積%の酸素レベルで開始し1.5体積%のレベルまで、安定して供給される。モックアップの出口温度が470℃を超えないよう注意が払われ(この値は、沈着物の燃焼のため、調整された温度より高くなる可能性がある)、必要であればモックアップの流入温度(430℃以下に)および酸素レベル(1体積%以下に)を低下させる。
出口流出物中の一酸化炭素COおよび二酸化炭素COの量もまた測定される。10時間の期間の後、CO+COの量は測定不能になることが判明し、制御された酸化は停止され、次いでモックアップは冷却され、モックアップの圧力低下が、未汚損のモックアップのものと同様の条件において測定される。測定された圧力低下は、最初の圧力低下よりも2.4%大きいだけであり、このことは、測定の精度を考慮すれば、モックアップが実質上汚損されていないか、あるいは全く汚損されていないことを示している。解体の後、モックアップの接プレートは全く変形されていないこと、ホットスポットの発生を表す金属の着色が観察されないこと、およびこれらのプレートの力学的および治金学上の状態が最初の状態と同じであることが判明した。
(本発明による実施例2:モックアップ試験)
試験はカーボン沈着物による汚損について、実施例1と同じモックアップにおいて、異なる仕込原料:一般には略語「LCO」で知られる、接触分解雰囲気のガスオイルを用いて行なわれる。
このガスオイルの特性は、以下の通りである:
蒸留範囲:[221〜350℃]。
質量パーセント組成:飽和(パラフィン+ナフテン)/オレフィン/芳香族化合物:16/4/80。
仕込原料は310℃に予熱され、その温度はモックアップにおいて310から348℃まで上げられ、次に圧力低下パターンが記録される:これは変化せず、先の場合と同様に、何らコーキングまたは汚損が起きていないことを示している。
仕込原料は次に、少量の重質不純物および微量の酸素の添加により、実施例1に示されたように改質される。圧力低下は増大するが、実施例1におけるよりもさらにゆっくりである。
交換器が汚損され場合、実施例1に記述されたものに近い条件において、しかし3つの段階において、制御された酸化が行なわれる:
段階1:約450℃における、酸素レベル1.0%を用いた、10時間にわたる、入口/出口温度を470℃未満に保持しての、制御された酸化。
段階2:約450℃における、酸素レベル1.9%を用いた、10時間にわたる、入口/出口温度を470℃未満に保持しての、制御された酸化。
段階3:約485℃における、酸素レベル0.5%を用いた、5時間にわたる、入口/出口温度を500℃未満に保持しての、制御された酸化。
冷却の後、窒素下での圧力低下は、清浄な装置のものよりわずかに1.2%大きいだけの値であり、測定の精度を考慮すれば問題にならない値であると考えられる。このことは、モックアップが実質上汚損されていないか、あるいは全く汚損されていないことを示している。また、解体の後、モックアップの接プレートは全く変形されていないこと、ホットスポットの発生を表す金属の着色が観察されないこと、およびこれらのプレートの力学的および治金学状態が最初の状態と同じであることも判明した。プレートは周辺部において切り抜かれて(破壊試験)、内面の外観が観察される。これは、表面の金属または状態の劣化がなく、正常である。何ら微量カーボン沈着物も見いだされず、沈着物の酸化がほぼ完了したことを示している。
(産業用熱交換器に適用可能な、本発明による実施例3)
適用の場合:硫黄レベルを重量で10ppm未満に低減するための、接触分解型ガソリン水素化処理ユニットの、流入物/流出物型交換器。この交換器は縦型であり、爆発により成形され、周辺部でともに接された、ステンレス鋼のプレートの束を有するタイプのものであり、このプレートの束は、耐圧性の筒型シェルの内側に配置されている。図1に示されたような、沈着物の除去のための手段が用いられる。
装置の制御された酸化は、好ましくは汚損が非常に多くなるまで待つことなく行なわれる。この処理は、たとえば、もし圧力低下が、説明されない方法で突然増加する場合、または正常値に比較して約50%まで急速に、または絶え間なく増加する場合、および好ましくは圧力低下が約15乃至40%まで増加したら直ちに、処理を行なうことが可能である。それゆえ酸化処理は、クリーニングを長引かせるかまたはさらに困難にする可能性のある、追加的な増加、および/または成熟による沈着物の化学的転換を待つことなく、行なわれる時ことが好ましい。
汚損された交換器のクリーニングのための一つの方法が以下に示される:
− 装置の圧力低下が正常値に比較して約25%まで増加したら直ちに、システムの停止、装置のパージングおよび排水。次いで装置は清掃され、窒素下に置かれる。
− 周囲の温度までの(可能な)冷却。
− 交換プレートの束の間の空間の窒素圧下に置くこと。
水蒸気下での装置の、50℃/時間の速度での、平均温度430℃までの加熱。(可能な)200℃までの最初の加熱は、水蒸気下に傾斜する瞬間の、いかなる凝縮も回避するべく、窒素下に行なわれる。
− 交換器の入口/出口温度を485℃未満に、かつホットアプローチ温度を70℃未満に保持しての、約0.4MPa未満で、1.0モル%の酸素レベルを用いて15時間にわたる、約450℃(交換器の最高温部位上の、流入および流出する二つの流体の温度の合計の半分)における制御された酸化である段階1。もしこれら二つのパラメータのうちの一つが限界値に達すれば、入口温度および酸素レベルは、このパラメータの許容値を再び確立するべく低減される。
水の凝縮および除去の後、冷却された流出液中のCO、CO、およびOのモルパーセントが測定され、もし酸化の有効性が相当残っていれば、たとえばもし%CO+%CO/%O>0.20であれば、制御された酸化は予期された期間を超えて継続される。
− 交換器の入口/出口温度を485℃未満に、かつホットアプローチ温度を70℃未満に保持しての、約0.4MPaの下で、1.9モル%の酸素レベルを用いて15時間にわたる、約450℃における制御された酸化である段階2。もしこれら二つのパラメータのうちの一つが限界値に達すれば、入口温度および酸素レベルは、このパラメータの許容値を再び確立するべく低減される。
水の凝縮および除去の後、冷却された流出液中のCO、CO、およびOのモルパーセントが測定され、もし酸化の有効性が相当残っていれば、たとえばもし%CO+%CO/%O>0.20であれば、制御された酸化は予期された期間を超えて継続される。
− 交換器の入口/出口温度を500℃未満に、かつホットアプローチ温度を40℃未満に保持しての、約0.4MPaの下で、0.5%の酸素レベルを用いて10時間にわたる、約480℃における制御された酸化である段階3。もしこれら二つのパラメータのうちの一つが限界値に達すれば、入口温度および酸素レベルは、このパラメータの許容値を再び確立するべく低減される。
水の凝縮および除去の後、冷却された流出液中のCO、CO、およびOのモルパーセントが測定され、もし酸化の有効性が相当残っていれば、たとえばもし%CO+%CO/%O>0.10であれば、制御された酸化は予想された期間を超えて継続される。
− 酸化の停止、および約50℃/時間の速度での装置の冷却。200℃未満への(可能な)最終冷却は、いかなる水の凝縮も回避するべく、水蒸気の流入の停止後に、窒素下に行なわれる。
− 窒素下の圧力低下が測定され、沈着物の除去の有効性が確認される。もし沈着物の除去が不十分であるとみなされる場合には、操作が繰り返されることも可能である。
通常の方法によるシステムの再開。
本発明の方法は、中程度のまたは平均的な温度において作動する交換器内のカーボン沈着物のインシティゥの除去を、特に脱硫および水素化処理システムにおいて、先行技術からの周知の方法とは違い、有効な、迅速かつ信頼できる方法で行なうことを可能にする。異なる有用な技術的方法(温度調節、限界温度、酸素レベル、CO、CO、およびOレベルの測定、水蒸気または窒素の循環)の組み合せは、精油所において、または石油化学工業の現場で、非常によく調節された技術であり、この方法の実施を容易にする。本発明はまた、先行技術の方法よりもさらに有効な、および/または実施しやすい、沈着物の除去のための方法を用いたプレート式交換器の使用に、新たな展望をもたらす。
図1は、沈着物の酸化の後の酸化性流体の一部のリサイクリングをもつ、沈着物の少なくとも部分的な除去のための装置の変形を示すフローシートである。 図2は、沈着物の酸化の後、一部の酸化性流体のリサイクリングのない、少なくとも部分的な沈着物の除去のための装置を示すフローシートである。

Claims (15)

  1. 少なくとも一つの炭化水素流体を含有している二つの流体間の熱交換器におけるカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための方法であって、前記交換器が、化学反応器の2パス式流入物/流出物型の熱交換器であり、化学処理プロセスまたは分別プロセスの実施のためのシステムにおいて、540℃未満の最大使用温度で作動するものであり:
    − 前記交換器が、炭化水素を実質上完全に除去するべく不活性ガスによってパージされ、
    − 前記交換器の予熱が行なわれ、次いでそれは少なくとも部分的なカーボン沈着物の酸化処理に付され、該酸化処理は、前記熱交換器に流入または前記熱交換器から流出する流体の温度が酸化処理の間中、520℃未満のままでありかつ前記交換器のホットアプローチが酸化処理の間中、120℃未満のままであるような条件下で、窒素、水蒸気、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる不活性ガスを含みかつ酸素を2.5モル%以下で含む酸化性流体による、400と500℃の間の温度で少なくとも4時間にわたる、少なくとも一つの制御された酸化段階を含み、該制御された酸化の段階の間中、前記交換器の2つのパスの各々において流体が循環されることを特徴とする方法。
  2. 前記熱交換器に流入または前記熱交換器から流出する流体の温度が前記酸化処理の間中、500℃未満に保たれ、交換器のホットアプローチが前記酸化処理の間中、100℃未満のままである、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記酸化性流体中の酸素レベルが前記酸化処理の間中、0.4〜2.5モル%である、特許請求の範囲第1および2項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記酸化処理の間中、前記交換器を流入または流出する流体の一つの温度が、高くとも490℃に等しい限界温度に達するかまたは超えた場合、前記酸化性流体中の酸素レベルを低減するかまたはゼロモル%とする、特許請求の範囲第1乃至3項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記酸化処理がインシティゥ(in situ)において行なわれる、請求項1乃至項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 少なくとも二つの制御された酸化の段階を含む方法であって、0.4と1.5モル%の間の酸素レベルc1をもつ第一の酸化性流体が、これら二つの段階の一番目の間中、420℃と490℃の間の温度において、少なくとも4時間および少なくとも部分的にカーボン沈着物を酸化するべく充分な時間にわたり、前記交換器内に循環され、次いで、c1よりも大きく、1.3と2.0モル%の間である酸素レベルをもつ第二の酸化性流体が、これら二つの段階の二番目の間中、420℃と490℃の間の温度において、少なくとも2時間にわたり、前記交換器内に循環される、特許請求の範囲第1乃至項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 少なくとも一つの主要な制御された酸化段階と、補足的な制御された酸化段階とを含む方法であって、0.8と2.0モル%の間の酸素レベルc3をもつ主要な酸化性流体が、主要な段階の間中、420と480℃の間の温度において、少なくとも4時間、およびカーボン沈着物の少なくとも大部分を酸化するべく充分な時間にわたり、前記交換器内に循環され、次いでc3より明らかに低く、かつ0.2と0.8モル%の間の酸素レベルc4をもつ補足的な酸化性流体が、補足的な段階の間中、480と525℃の間の温度において、少なくとも2時間にわたり、前記交換器内に循環される、特許請求の範囲第1乃至項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 制御された酸化の段階の間中、前記酸化性流体の少なくとも一部の流れが、前記交換器の2つのパスにおいて、直列かつ並流にて循環される、特許請求の範囲第1乃至項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 制御された酸化の段階の間中、前記酸化性流体の少なくとも一部の流れが、前記交換器の2つのパスにおいて直列に、上行流の並流にて循環される、特許請求の範囲第項に記載の方法。
  10. 制御された酸化の段階の間中、前記酸化性流体の少なくとも一部の流れが、前記交換器の2つのパスにおいて直列に、最初は流出物側にて、次に流入物側にて循環される、特許請求の範囲第および項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記交換器が、金属製のシェルの内側に配置された接金属プレートを有するタイプのものである、特許請求の範囲第1乃至10項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記交換器が、チューブ、チューブプレート、およびシェルを有するチューブ型のものである、特許請求の範囲第1乃至10項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 炭化水素の処理のためのシステムにおいて高くとも540℃で作動する熱交換器における、インシティゥでの制御された酸化によるカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法の実施のための装置であって、水蒸気、窒素、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる実質上の不活性ガス、ならびに2.5モル%未満量の酸素を含む酸化性流体を流入させる手段と、前記酸化処理の間中、前記熱交換器に流入または前記熱交換器から流出する流体の温度を前記酸化処理の間中、500℃未満に保持するための少なくとも一つの手段とを含む装置。
  14. 前記酸化処理の間中、前記交換器のホットアプローチを100℃未満に保持するための少なくとも一つの手段を含む、特許請求の範囲第13項に記載の装置。
  15. 高くとも540℃で作動する流入物/流出物型熱交換器を含み、かつこの熱交換器におけるインシティゥでの制御された酸化による前記交換器中のカーボン沈着物の少なくとも部分的な除去のための、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法の実施のための装置も含む蒸留可能な炭化水素の水素化処理のためのシステムであって、この装置が、水蒸気、窒素、およびそれらの混合物によって形成される群から選ばれる不活性ガス、ならびに2.5モル%未満量の酸素を含む酸化性流体を流入させる手段と、前記酸化処理の間中、前記熱交換器に流入または前記熱交換器から流出する流体の温度を500℃未満に保持するための少なくとも一つの手段とを含む装置であるシステム。
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