JP4725585B2 - 負極活物質、リチウム二次電池、および負極活物質の製造方法 - Google Patents

負極活物質、リチウム二次電池、および負極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スズおよび炭素を含有するリチウム二次電池用の負極活物質に関する。
従来、リチウム二次電池に用いられる負極活物質として、グラファイト等の炭素材料が広く用いられているが、炭素材料は一般的にLi吸蔵量が少ないため、炭素材料に比べてLi吸蔵量が多いSnが注目を浴びている。
Snは、理論容量が994 mAh/gであり、現在実用化されているグラファイトの理論容量372 mAh/gに比べて、単位重量あたりで2.7倍、単位質量あたりで8.9倍と非常に大きく、比較的安価な材料である。
しかしながら、SnはLiの挿入脱離の際の体積膨張・収縮が大きい。そのため、Snを含む負極活物質を用いたリチウム二次電池において充放電を行うと、Snが、Liを吸蔵放出する際に膨張・収縮して、負極活物質が割れてしまう。この状態で、さらに充放電を繰り返し行うと、Snの急激な膨張・収縮に耐え切れず、負極活物質が集電体から滑落してしまう。その結果、導電性が欠落して充放電できなくなり、負極が機能しなくなり、サイクル特性が低くなってしまう。
上記問題点を解決するために、特許文献1においては、Snを含む負極活物質体と炭素質材料とを含有し、炭素質材料が負極活物質体によって被覆されている負極活物質が提案されている。この負極活物質では、充放電に伴う膨張・収縮の小さい炭素質材料を核として用いているため、膨張・収縮に伴う応力が分散し、負極活物質が微粉化せず、サイクル特性を改善することができる。
さらに特許文献1には、炭素質材料を核とし、その周りを負極活物質体で被覆し、さらにその周りを導電性材料で被覆することも提案されている。この場合、負極活物質の電子伝導性が改善され、充放電に伴う膨張・収縮による負極物質粒子間の接触抵抗の上昇が抑制され、サイクル特性を向上させることができる。
しかしながら、充放電に伴う膨張・収縮による負極活物質体の割れや集電体からの滑落は生じるため、サイクル特性は十分ではない。
特許文献2においては、LiとSnを含む負極活物質層の表面を炭素材料で被覆することが提案されている。この場合、負極活物質層の表面が電気的に均質化され、サイクル特性を向上させることができる。しかしながら、この手法は、充放電に伴う膨張・収縮による負極活物質の割れや集電体からの滑落を防ぐものではない。
特許文献3においては、非晶質化されたSn合金粒子の表面に低融点合金および炭素材料が固着している負極活物質が提案されている。この負極活物質では、負極活物質の微細化を抑制し、導電パスを確保することができる。
また、特許文献4においては、Snを含有する粒子と気相法炭素繊維との混合物を含む負極材料が提案されている。さらに特許文献4には、Snを含有する粒子の表面を、フェノール樹脂等の重合体を含む炭素質材料で被覆することが開示されている。この負極材料では、導電性およびサイクル特性を向上させることができる。
しかしながら、これらの手法においても、十分なサイクル特性の向上には至っていない。
特開2003−151543号公報 特開2004−200003号公報 特開2005−347076号公報 特開2004−178922号公報 特開2001−256968号公報 特開2005−174603号公報 特開2006−100244号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れた負極活物質を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着していることを特徴とする負極活物質を提供する。
本発明によれば、スズ粒子および炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成されているので、スズ粒子および炭素質の密着性が良く、充放電反応に伴う膨張・収縮によるスズ粒子の割れを抑制するとともに、スズ粒子が割れた場合であっても導電パスを維持することができる。したがって、サイクル特性を向上させることが可能である。
上記発明においては、上記炭素質が粒状炭素質であり、上記スズ粒子の表面の全体が上記粒状炭素質で被覆されていてもよい。これにより、充放電反応に伴う膨張・収縮によるスズ粒子の割れを効果的に抑制することができる。また、スズ粒子同士が融着するのを防ぎ、スズ粒子同士が融着して比表面積が減少し、応力の緩和が困難となるのを回避することができる。
また上記発明においては、上記炭素質が繊維状炭素質であり、上記スズ粒子の表面の一部が上記繊維状炭素質で被覆されていてもよい。繊維状炭素質は比較的導電性が高いので、スズ粒子に対する繊維状炭素質の添加量は比較的少なくてよく、スズ粒子の密度を高めることができ、それによりエネルギー密度を高めることができる。また、繊維状炭素質は伸縮性に優れるので、充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを形成することができる。
さらに上記発明においては、上記炭素質が粒状炭素質および繊維状炭素質であり、上記スズ粒子の表面の一部が上記繊維状炭素質で被覆され、さらに上記スズ粒子の表面の全体が上記粒状炭素質で被覆されていてもよい。スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているので、スズ粒子同士が融着するのを防ぎ、スズ粒子同士が融着して比表面積が減少し、応力の緩和が困難となるのを回避することができる。また、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているので、充放電反応に伴う膨張・収縮によるスズ粒子の割れを効果的に抑制することができる。さらに、繊維状炭素質は伸縮性に優れるので、充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを形成することができる。
また本発明は、上述の負極活物質を含有する負極を有することを特徴とするリチウム二次電池を提供する。
本発明によれば、上述の負極活物質を用いるので、サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。
さらに本発明は、スズ単体からなるスズ粒子および炭素単体からなる炭素質を混合し、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理を行い、上記炭素質を、上記スズ粒子の表面に融着により付着させる融着工程を有することを特徴とする負極活物質の製造方法を提供する。
本発明によれば、スズを溶融させることで、炭素質を密着性良くスズ粒子の表面に付着させることができる。そのため、充放電反応に伴う膨張・収縮によるスズ粒子の割れを抑制するとともに、スズ粒子が割れた場合であっても導電パスを維持することができ、サイクル特性を向上させることが可能である。また、不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合には、炭素質が還元剤として働き、スズ粒子の表面に形成される酸化皮膜を除去することができる。それにより、リチウムイオン伝導性の低下を防ぎ、高放電レート容量を維持することが可能である。
上記発明においては、上記融着工程前に、上記スズ粒子および繊維状炭素質を混合する混合工程を有し、上記融着工程にて、上記炭素質として粒状炭素質を用いることが好ましい。これにより、繊維状炭素質と粒状炭素質とで均一に被覆されたスズ粒子を得ることができるからである。
本発明においては、融点が比較的低いスズを用い、スズ粒子の表面にスズおよび炭素の混合相を介して炭素質が付着していることにより、サイクル特性が向上するという効果を奏する。
以下、本発明の負極活物質、リチウム二次電池、および負極活物質の製造方法について詳細に説明する。
A.負極活物質
まず、本発明の負極活物質について説明する。本発明の負極活物質は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着していることを特徴とするものである。
本発明の負極活物質について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の負極活物質の一例を示す模式図である。図1に示される負極活物質1は、スズ粒子2の表面に、スズおよび炭素の混合相3を介して、炭素質4が付着したものである。
本発明によれば、スズ粒子の表面にスズおよび炭素の混合相を介して炭素質が付着しているので、例えば充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを維持することができる。スズ粒子の表面にスズおよび炭素の混合相を介して炭素質が付着している場合には、単にスズ粒子表面に炭素質が付着している場合と比較して、スズ粒子および炭素質の密着性が良いので、充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮してもスズ粒子から炭素質が剥がれにくく、導電パスを確保しやすいのである。特に、充放電反応に伴いスズ粒子が比較的大きく割れた場合であっても、スズ粒子だけでなく炭素質も導電性を有するため、導電パスを保つことができる。これにより、負極活物質が電気化学的に不活性になるのを防ぐことができる。したがって本発明においては、サイクル特性の向上を図ることができる。
また、本発明の負極活物質は、スズ粒子の表面にスズおよび炭素の混合相を介して炭素質が付着しているものであり、例えばスズ粒子および炭素質を混合して熱処理を行い、スズを溶融することで、得ることができる。このようにスズ粒子の表面に融着により炭素質が付着している負極活物質では、スズ粒子および炭素質の密着性を高めることができる。すなわち、融点の比較的低いスズを用いることで、スズ粒子と炭素質との密着性の向上を図ることができる。
さらに、本発明の負極活物質を製造する際に、例えばスズ粒子および炭素質を混合して不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合には、スズ粒子表面に炭素質が存在することで、炭素質が還元剤の役目を果たし、スズ粒子表面に形成される酸化皮膜を除去することができる。この酸化皮膜が形成された部分はリチウムに不活性な部分となる。したがって、スズ粒子表面に炭素質が付着していることで、スズ粒子表面の酸化皮膜を取り除き、リチウムの挿入脱離を円滑にすることができる。
本発明においては、スズ粒子の表面にスズおよび炭素の混合相を介して炭素質が付着していれば、負極活物質の構成としては特に限定されるものではないが、炭素質の種類および付着状態に応じて、好ましい3つの態様が挙げられる。第1態様は、炭素質が粒状炭素質であり、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているものである。第2態様は、炭素質が繊維状炭素質であり、スズ粒子の表面の一部が繊維状炭素質で被覆されているものである。第3態様は、炭素質が粒状炭素質および繊維状炭素質であり、スズ粒子の表面の一部が繊維状炭素質で被覆され、さらにスズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているものである。
ここで、「粒状炭素質」とは、一次粒子のアスペクト比が1以上100未満:1であるものをいう。また、「繊維状炭素質」とは、一次粒子のアスペクト比が100以上:1であるものをいう。
本発明の炭素質がスズおよび炭素の混合相を介してスズ粒子の表面に付着している負極活物質は、単に、スズ粒子および炭素質をボールミル装置等を用いて機械的に混合して得られるものとは異なるものである。例えば、炭素質がスズおよび炭素の混合相を介してスズ粒子の表面に付着しているものは、スズ粒子および炭素質をボールミル装置等を用いて機械的に混合して得られるものに比べて、スズ粒子および炭素質の密着性が高い。したがって、スズ粒子および炭素質の密着性を測定することにより、炭素質がスズおよび炭素の混合相を介してスズ粒子の表面に付着しているか、単に炭素質がスズ粒子の表面に付着しているかを判別することができる。
具体的には、炭素質がスズおよび炭素の混合相を介してスズ粒子の表面に付着していることは、負極活物質を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したり、負極活物質を超音波にかけて、炭素質の剥がれ具合を観察したりすることで、確認することができる。
以下、本発明の負極活物質について、各態様に分けて説明する。
1.第1態様
本発明の負極活物質の第1態様は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着しているものであり、かつ、炭素質が粒状炭素質であり、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているものである。
図2は、本態様の負極活物質の一例を示す模式図である。図2に示される負極活物質1は、スズ粒子2の表面に、スズおよび炭素の混合相3を介して、粒状炭素質4aが付着し、スズ粒子2の表面の全体が、粒状炭素質4aで被覆されたものである。
本態様によれば、上述したように、スズ粒子および粒状炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成されており、スズ粒子および粒状炭素質の密着性が良く、スズ粒子だけでなく粒状炭素質も導電性を有するので、例えば充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを維持し、負極活物質が電気化学的に不活性になるのを防ぐことができる。
さらには、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているので、充放電反応に伴いスズ粒子が膨張したときには、スズ粒子に応力が働く。特に、スズおよび炭素の混合相は粒状炭素質よりも硬いため、スズ粒子および粒状炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成されていることで、充放電反応に伴って膨張したスズ粒子には比較的強い応力が働くことになる。そのため、充放電反応に伴う膨張・収縮によるスズ粒子の割れを抑制することができるとともに、スズ粒子が割れた場合であっても導電パスを保つことができる。
また、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているので、スズ粒子同士が融着するのを防ぐことができる。これにより、スズ粒子同士が融着して比表面積が減少し、応力の緩和が困難となるのを回避することができる。
したがって本態様においては、サイクル特性の向上を図ることができる。
また本態様においては、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているので、スズ粒子の表面が酸化されるのを抑制することができ、スズ単体(金属スズ)の状態を保つことができる。特に、本態様の負極活物質を製造する際に、例えばスズ粒子および粒状炭素質を混合して不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合には、スズ粒子表面の全体を粒状炭素質が被覆していることで、粒状炭素質が還元剤の役目を果たし、スズ粒子表面に形成される酸化皮膜を除去することができる。スズ粒子の表面が酸化されて酸化皮膜が生成すると、その酸化皮膜が形成された部分はリチウムに不活性な部分となる。したがって、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されていることで、負極活物質へのリチウムの挿入脱離を円滑化することができる。
以下、本態様の負極活物質について、構成ごとに説明する。
(1)粒状炭素質
本態様に用いられる粒状炭素質は、炭素単体からなり、スズ粒子の表面の全体を被覆するものであり、通常、導電性を有するものである。
粒状炭素質としては、炭素単体からなるものであり、上述のアスペクト比を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックなどを挙げることができる。
粒状炭素質の形状としては、粒状であれば特に限定されるものではなく、例えば、球状、楕円球等を挙げることができる。
粒状炭素質の一次粒子の平均粒径としては、スズ粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましく、中でも小さいほど好ましい。具体的には、1nm〜1000nmの範囲内、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。粒状炭素質の一次粒子の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、粒状炭素質の一次粒子の平均粒径が大きすぎると、スズ粒子の表面の全体を粒状炭素質で覆うのが困難になる場合があるからである。
なお、粒状炭素質の一次粒子の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される粒状炭素質の一次粒子の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
また、一次粒子の粒径とは、凝集していない粒状炭素質粒子一個の直径を意味する。例えばカーボンブラックの場合、凝集していないカーボンブラック粒子一個の直径をいう。
粒状炭素質としては、凝集体(ストラクチャー)を用いることもできる。
粒状炭素質は、スズ粒子の表面の全体を被覆している。なお、スズ粒子の表面の全体を粒状炭素質が被覆していることは、電子顕微鏡等で観察することにより、確認することができる。
粒状炭素質による被覆厚みとしては、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で覆われていれば特に限定されるものではないが、1nm〜1000nmの範囲内、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。粒状炭素質による被覆厚みが厚すぎると、スズ粒子の密度が低くなり、エネルギー密度が低下する場合があるからである。また、粒状炭素質による被覆厚みが薄すぎると、充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張したときに応力が働きにくくなったり、スズ粒子同士が融着するのを防ぐ効果が得られにくくなったり場合があるからである。
粒状炭素質による被覆厚みは均一であってもよく不均一であってもよい。
(2)スズ粒子
本発明に用いられるスズ粒子は、スズ単体からなるものである。本発明においては、スズを溶融させることで、スズ粒子および炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相を形成するため、スズ粒子はスズ単体とされる。なお、スズ粒子は、スズ粒子の融点がスズの融点よりも高くならない範囲で、スズ以外の元素を含んでいてもよい。
スズ粒子の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、粒状、板状、針状等を挙げることができる。中でも、スズ粒子の形状は粒状であることが好ましい。粒状のスズ粒子の形状としては、例えば、球状、楕円球等を挙げることができる。
スズ粒子の平均粒径としては、0.01μm〜100μmの範囲内、中でも0.05μ
m〜10μmの範囲内、特に0.1μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。スズ粒子の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、スズ粒子の平均粒径が大きすぎると、平坦な負極を得るのが困難になる場合があるからである。
なお、スズ粒子の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察されるスズ粒子の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
(3)スズおよび炭素の混合相
本態様において、粒状炭素質はスズおよび炭素の混合相を介してスズ粒子の表面に付着している。このスズおよび炭素の混合相は、スズおよび炭素の固溶体や金属間化合物であってもよい。また、混合相は、結晶性であってもよいし、非晶質であってもよい。
なお、粒状炭素質が、スズおよび炭素の混合相を介して、スズ粒子の表面に付着していることは、上述の試験方法によって確認することができる。
2.第2態様
本発明の負極活物質の第2態様は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着しているものであり、かつ、炭素質が繊維状炭素質であり、スズ粒子の表面の一部が繊維状炭素質で被覆されているものである。
図3は、本態様の負極活物質の一例を示す模式図である。図3に示される負極活物質1は、スズ粒子2の表面に、スズおよび炭素の混合相3を介して、繊維状炭素質4bが付着し、スズ粒子2の表面の一部が、繊維状炭素質4bで被覆されたものである。
本態様によれば、上述したように、スズ粒子および繊維状炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成されており、スズ粒子および繊維状炭素質の密着性が良く、スズ粒子だけでなく繊維状炭素質も導電性を有するので、例えば充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを維持し、負極活物質が電気化学的に不活性になるのを防ぐことができる。特に、繊維状炭素質は、弾力性に富み、強度が高いので、スズ粒子の激しい体積膨張・収縮にも耐えうることができ、充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを形成することができ、極活物質が電気化学的に不活性になるのを効果的に防ぐことができる。
また、繊維状炭素質は、弾力性に優れるので、スズ粒子の膨張・収縮による応力を吸収することができ、負極集電体から負極活物質が滑落するのを抑制することができる。
したがって本態様においては、サイクル特性の向上を図ることができる。
また、繊維状炭素質は比較的導電性が高く、伸縮性に富むため、スズ粒子に対する繊維状炭素質の添加量は比較的少なくても、サイクル特性を向上させることができる。スズ粒子に対する繊維状炭素質の添加量を比較的少なくすることにより、スズ粒子の密度が高くなり、エネルギー密度を高めることができる。
なお、本態様においては、スズ粒子に対する繊維状炭素質の添加量は比較的少なくても、サイクル特性を向上させることができるので、スズ粒子表面の全体ではなく一部に、繊維状炭素質が付着しているのである。
また、本態様の負極活物質を製造する際に、例えばスズ粒子および繊維状炭素質を混合して不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合には、スズ粒子表面に繊維状炭素質が存在することで、繊維状炭素質が還元剤の役目を果たし、スズ粒子表面に形成される酸化皮膜を除去することができる。これにより、リチウムの挿入脱離を円滑にすることができる。
なお、スズ粒子、ならびに、スズおよび炭素の混合相については、上記第1態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本態様の負極活物質を構成する繊維状炭素質について説明する。
本態様に用いられる繊維状炭素質は、炭素単体からなり、スズ粒子の表面の一部を被覆するものであり、通常、導電性を有するものである。
繊維状炭素質としては、炭素単体であり、上述のアスペクト比を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル等が挙げられる。
中でも、カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブは中空チューブ状であるので、本発明の負極活物質を製造する際にスズを溶融させる場合には、スズがカーボンナノチューブ内部へと拡散し、スズ粒子が充放電反応に伴う体積膨張・収縮により割れたときに導電パスを形成し易くなるからである。さらに、カーボンナノチューブの軸方向にスズが溶融することで、導電パスの形成に有利となる。
また、カーボンナノチューブとしては、特に限定されるものではなく、シングルウォールカーボンナノチューブ、および、ダブルウォールカーボンナノチューブ等のマルチウォールカーボンナノチューブのいずれも用いることができる。
繊維状炭素質の形状としては、繊維状であり、上述のようにアスペクト比が比較的大きければ特に限定されるものではない。また、繊維状炭素質の断面は、中実構造であってもよく、中空構造であってもよい。
繊維状炭素質の断面の直径および長さとしては、特に限定されるものではなく、一般的なカーボンナノチューブ等の直径、長さと同様である。
繊維状炭素質は、スズ粒子の表面の一部を被覆している。繊維状炭素質がスズ粒子の表面を被覆する割合は、本態様の負極活物質を製造する際に、繊維状炭素質およびスズ粒子の使用量を適宜調整することにより、制御することができる。スズ粒子に対する繊維状炭素質の割合としては、スズ粒子100重量部に対して、0.1重量部〜50重量部の範囲内、中でも1重量部〜30重量部の範囲内、特に5重量部〜20重量部の範囲内であることが好ましい。スズ粒子に対する繊維状炭素質の割合が多すぎると、スズ粒子の密度が低くなり、エネルギー密度向上の効果が得られない場合があるからである。また、スズ粒子に対する繊維状炭素質の割合が少なすぎると、サイクル特性向上の効果が十分に得られない場合があるからである。
なお、スズ粒子の表面の一部を繊維状炭素質が被覆していることは、電子顕微鏡等で観察することにより、確認することができる。
3.第3態様
本発明の負極活物質の第3態様は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着しているものであり、かつ、炭素質が粒状炭素質および繊維状炭素質であり、スズ粒子の表面の一部が繊維状炭素質で被覆され、さらにスズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆されているものである。
図4は、本態様の負極活物質の一例を示す模式図である。図4に示される負極活物質1は、スズ粒子2の表面に、スズおよび炭素の混合相3を介して、粒状炭素質4aおよび繊維状炭素質4bが付着し、スズ粒子2の表面の一部が繊維状炭素質4bで被覆され、さらにスズ粒子2の表面の全体が粒状炭素質4aで被覆されたものである。
本態様によれば、上述したように、スズ粒子と粒状炭素質および繊維状炭素質との界面にスズおよび炭素の混合相が形成されており、スズ粒子と粒状炭素質および繊維状炭素質との密着性が良く、スズ粒子だけでなく粒状炭素質および繊維状炭素質も導電性を有するので、例えば充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮して割れた場合であっても、導電パスを維持し、負極活物質が電気化学的に不活性になるのを防ぐことができる。
さらには、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質で被覆され、スズ粒子および粒状炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成されているので、上記第1態様と同様に、充放電反応に伴いスズ粒子が膨張したときには、スズ粒子に応力が働き、充放電反応に伴う膨張・収縮によるスズ粒子の割れを抑制することができるとともに、スズ粒子が割れた場合であっても導電パスを保つことができる。
また、上記第2態様と同様に、繊維状炭素質は、弾力性に富み、強度が高いので、スズ粒子の激しい体積膨張・収縮にも耐えうることができ、導電パスを形成しやすく、負極活物質が電気化学的に不活性になるのを効果的に防ぐことができる。
さらに、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質および繊維状炭素質で被覆されているので、スズ粒子同士が融着するのを防ぐことができる。これにより、スズ粒子同士が融着して比表面積が減少し、応力の緩和が困難となるのを回避することができる。
したがって本態様においては、サイクル特性の向上を図ることができる。
また本態様においては、スズ粒子の表面の全体が粒状炭素質および繊維状炭素質で被覆されているので、スズ粒子の表面が酸化されるのを抑制し、スズ単体(金属スズ)の状態を保つことができる。さらに、本発明の負極活物質を製造する際に、例えばスズ粒子、粒状炭素質および繊維状炭素質を混合して不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合には、スズ粒子表面の全体が粒状炭素質および繊維状炭素質で被覆されていることで、粒状炭素質および繊維状炭素質が還元剤の役目を果たし、スズ粒子表面に形成される酸化皮膜を除去することができる。これにより、負極活物質へのリチウムの挿入脱離を円滑化することができる。
なお、粒状炭素質、スズ粒子、ならびに、スズおよび炭素の混合相については上記第1態様に記載したものと同様であり、繊維状炭素質については上記第2態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本態様の負極活物質の他の構成について説明する。
繊維状炭素質は、スズ粒子の表面の一部を被覆している。繊維状炭素質がスズ粒子の表面を被覆する割合は、本態様の負極活物質を製造する際に、繊維状炭素質およびスズ粒子の使用量を適宜調整することにより、制御することができる。なお、スズ粒子に対する繊維状炭素質の割合については、上記第2態様と同様である。
また、粒状炭素質は、スズ粒子の表面の全体を被覆している。なお、粒状炭素質による被覆厚みについては、上記第1態様と同様である。本態様においては、繊維状炭素質が比較的導電性が高いので、スズ粒子に対する繊維状炭素質および粒状炭素質の添加量は比較的少なくても、サイクル特性を向上させることができる。そのため、粒状炭素質による被覆厚みは、上記第1態様と比較して薄くてもよい。
また、繊維状炭素質および粒状炭素質の混合比は、本態様の負極活物質を製造する際に、繊維状炭素質および粒状炭素質の使用量を適宜調整することにより、制御することができる。繊維状炭素質および粒状炭素質の混合比(重量比)は、繊維状炭素質:粒状炭素質=1:0.01〜100の範囲内であることが好ましく、中でも1:0.1〜10の範囲内、特に1:0.5〜5の範囲内であることが好ましい。繊維状炭素質に対する粒状炭素質の割合が多すぎると、繊維状炭素質が粒状炭素質に埋もれてしまい、スズ粒子間で導電パスを形成することが困難となる場合があるからである。また、繊維状炭素質に対する粒状炭素質の割合が少なすぎると、スズ粒子の表面全体を粒状炭素質で被覆することが困難となる場合があるからである。
なお、繊維状炭素質がスズ粒子の表面の一部を被覆し、さらに粒状炭素質がスズ粒子の表面の全体を被覆していることは、電子顕微鏡等で観察することにより、確認することができる。
B.リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、上述の負極活物質を含有する負極を有することを特徴とするものである。すなわち、本発明のリチウム二次電池は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着している負極活物質を含有する負極を有するものである。
図5は、本発明のリチウム二次電池の一例を示す概略断面図である。図5に例示するリチウム二次電池は、正極集電体11と、正極活物質12を含有する正極13と、負極集電体14と、スズ粒子の表面にスズおよび炭素の混合相を介して炭素質が付着している負極活物質1を含有する負極15と、正極13および負極15の間に配置されたセパレータ16と、正極活物質12および負極活物質1に接触するように配置された有機電解質(図示せず)とを有している。
本発明によれば、上述の負極活物質を含有する負極を用いるので、サイクル特性に優れたものとすることができる。
以下、本発明のリチウム二次電池について、構成ごとに説明する。
1.負極
本発明に用いられる負極は、スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着している負極活物質を含有するものである。
なお、負極活物質については、上記「A.負極活物質」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる負極は、さらに導電剤および結着剤(バインダ)を含有していてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。
また、導電剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックなどを挙げることができる。
負極の形成方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば、上記の負極活物質と、結着剤と、導電剤とを含有する負極形成用ペーストを、負極集電体上に塗布して乾燥させた後に、プレスすることにより負極を形成することができる。
負極は負極集電体上に形成されていてもよい。負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、銅、ステンレス、ニッケル等を挙げることができる。
2.正極
本発明における正極は、少なくとも正極活物質を含有するものであり、必要に応じて、導電剤および結着剤を含有していてもよい。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、LiCoO2、LiCoPO4、LiMn24、LiNiO2、LiFePO4、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、LiMnPO4、LiNi0.5Mn1.54等を挙げることができる。中でも、LiCoO2が好ましい。
正極は、正極集電体上に形成されていてもよい。正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができる。中でも、アルミニウムおよびSUSが好ましく用いられる。
なお、正極に用いられる導電剤および結着剤については、上記負極に用いられる導電剤および結着剤と同様のものを用いることができる。また、正極の形成方法についても、上記負極の形成方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.有機電解質
本発明に用いられる有機電解質は、正極活物質および負極活物質の間でリチウムイオンを伝導させる機能を有するものである。有機電解質としては、例えば、有機電解液、ポリマー電解質、ゲル電解質等を挙げることができる。
有機電解液としては、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する非水電解液が使用される。
リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiC(CF3SO2)3およびLiClO4等を挙げることができる。
また、非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの非水溶媒は、一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。また、非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
ポリマー電解質は、リチウム塩およびポリマーを含有するものである。
リチウム塩としては、上記有機電解液に用いられるリチウム塩と同様のものを用いることができる。
また、ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
ゲル電解質は、リチウム塩とポリマーと非水溶媒とを含有するものである。
リチウム塩および非水溶媒としては、上記有機電解液に用いられるリチウム塩および非水溶媒と同様のものを用いることができる。
また、ポリマーとしては、ゲル化が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等が挙げられる。
4.その他の部材
本発明のリチウム二次電池は、正極および負極の間に配置されたセパレータを有していてもよい。本発明に用いられるセパレータとしては、有機電解質を保持する機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述した正極、負極、有機電解質、セパレータ、正極集電体および負極集電体等を収納できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができる。また、本発明のリチウム二次電池は、正極、セパレータおよび負極から構成される電極体を有する。この電極体の形状としては、特に限定されるものではなく、具体的には、平板型および捲回型等を挙げることができる。
C.負極活物質の製造方法
本発明の負極活物質の製造方法は、スズ単体からなるスズ粒子および炭素単体からなる炭素質を混合し、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理を行い、上記炭素質を、上記スズ粒子の表面に融着により付着させる融着工程を有することを特徴とするものである。
本発明の負極活物質の製造方法について図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の負極活物質の製造方法の一例を示す模式図である。図6に示される負極活物質の製造方法においては、まず、スズ粒子と炭素質とを混合する。その結果、図6(a)に示すように、スズ粒子2の表面に炭素質4が配置される。次に、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理を行うことにより、スズが溶融し、図6(b)に示すように、スズ粒子2および炭素質4の界面にスズおよび炭素の混合相3が形成される。融着により、スズ粒子および炭素質の密着性を向上させることができる。
本発明によれば、熱処理によってスズを溶融することにより、スズ粒子および炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成され、密着性良く炭素質をスズ粒子表面に付着させることができる。そのため、例えば充放電反応に伴ってスズ粒子が膨張・収縮した場合であっても、導電パスを維持することができ、サイクル特性の向上を図ることができる。
また、不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合には、スズ粒子表面に炭素質が存在することで、炭素質が還元剤の役目を果たし、スズ粒子表面に形成される酸化皮膜を除去することができる。これにより、リチウムに不活性な部分を取り除き、リチウムの挿入脱離を円滑にし、高放電レート容量を維持することができる。
本発明においては、融着工程前に、スズ粒子および繊維状炭素質を混合する混合工程を行い、融着工程にて炭素質として粒状炭素質を用いることが好ましい。この場合、上記「A.負極活物質」に記載の第3態様の負極活物質を製造することができる。このような工程とすることにより、融着工程にてスズ粒子同士が融着するのを防ぐことができる。これにより、スズ粒子同士が融着して比表面積が減少し、応力の緩和が困難となるのを回避することができる。
以下、本発明の負極活物質の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.融着工程
本発明における融着工程は、スズ単体からなるスズ粒子および炭素単体からなる炭素質を混合し、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理を行い、上記炭素質を、上記スズ粒子の表面に融着により付着させる工程である。
なお、スズ粒子および炭素質については、上記「A.負極活物質」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
炭素質として粒状炭素質を用いた場合には、上記「A.負極活物質」に記載の第1態様の負極活物質を製造することができる。この場合、スズ粒子に対する粒状炭素質の割合としては、スズ粒子100重量部に対して、0.1重量部〜50重量部の範囲内、中でも1重量部〜30重量部の範囲内、特に5重量部〜20重量部の範囲内であることが好ましい。スズ粒子に対する粒状炭素質の割合が多すぎると、スズ粒子の密度が低くなり、エネルギー密度が低下するおそれがあるからである。また、スズ粒子に対する粒状炭素質の割合が少なすぎると、スズ粒子の表面全体を粒状炭素質で覆うことが困難となる場合があるからである。
また、炭素質として繊維状炭素質を用いた場合には、上記「A.負極活物質」に記載の第2態様の負極活物質を製造することができる。なお、スズ粒子に対する繊維状炭素質の割合については、上記「A.負極活物質」の第2態様の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
スズ粒子および炭素質を混合する方法としては、スズ粒子および炭素質を均一に混合することができ、スズ粒子の表面に炭素質を配置することができる方法であれば特に限定されるものではなく、具体的には、機械的に混合する方法が挙げられる。
機械的に混合する方法としては、ボールミル装置を用いる方法が好ましい。ボールミル装置を用いる方法は、汎用的な方法であり、スズ粒子表面への炭素質の付着性を良好なものとすることができる。ボールミル装置としては、例えば、遊星型ボールミル等を用いることができる。
ボールミル装置を用いる場合、用いられる破砕ボールの直径、材質、および反応容器の材質等は、一般的なボールミル装置と同様であり、特に限定されるものではない。
ボールミル装置を用いて混合する際の回転数としては、例えば100rpm〜600rpm程度で設定することができ、中でも150rpm〜550rpmの範囲内、特に200rpm〜400rpmの範囲内であることが好ましい。
また、ボールミル装置を用いて混合する時間としては、スズ粒子および炭素質が均一に混合され、スズ粒子の表面に炭素質を配置することができれば、特に限定されるものではないが、具体的には、0.5時間以上であることが好ましく、中でも1時間〜30時間の範囲内、特に3時間〜20時間の範囲内であることが好ましい。上記時間が短すぎると、スズ粒子表面への炭素質の付着性が悪くなり、後の熱処理においてスズ粒子および炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相を形成することが困難となる場合があるからである。
スズ粒子および炭素質を混合する際の雰囲気としては、特に限定されるものではなく、通常は大気雰囲気とされる。
本発明においては、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理を行う。なお、スズの融点は、約232℃である。上記範囲内であれば、スズ粒子および炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成され、スズ粒子および炭素質の密着性を高めることができるからである。また、熱処理温度が高すぎると、スズおよび炭素の混合相が多くなりすぎて充放電が困難となる場合があるからである。さらに、スズ粒子の表面の一部に炭素質が配置され、炭素質のスズ粒子に対する被覆量が少ない場合には、熱処理温度が高すぎると、スズ粒子同士が融着して比表面積が減少し、応力の緩和が困難となり、耐久性が低下するおそれがあるからである。
熱処理方法としては、所望の温度を付与できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、加熱炉を用いて加熱する方法等を挙げることができる。
熱処理は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素が存在すると、スズ粒子の表面に酸化皮膜が形成されやすく、この酸化皮膜によってリチウムの伝導経路が阻害されるおそれがある。不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことで、酸化皮膜の形成を抑制することができる。また、不活性ガス雰囲気とすることで、炭素質を還元剤として機能させることができる。
不活性ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、ヘリウム(He)等を挙げることができ、中でもArが好ましい。
熱処理時間としては、スズ粒子および炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相が形成されうる時間であれば特に限定されない。
2.混合工程
本発明においては、上述したように、上記融着工程前に、スズ粒子および繊維状炭素質を混合する混合工程を有し、上記融着工程にて、炭素質として粒状炭素質を用いることが好ましい。
なお、スズ粒子および繊維状炭素質を混合する方法については、上記融着工程におけるスズ粒子および炭素質を混合する方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
ボールミル装置を用いて混合する時間としては、スズ粒子および繊維状炭素質が均一に混合され、スズ粒子の表面に繊維状炭素質を配置することができれば、特に限定されるものではないが、0.5時間以上であることが好ましく、中でも1時間〜30時間の範囲内、特に3時間〜20時間の範囲内であることが好ましい。上記時間が短すぎると、スズ粒子表面への繊維状炭素質の付着性が悪くなり、後の熱処理においてスズ粒子および繊維状炭素質の界面にスズおよび炭素の混合相を形成することが困難となる場合があるからである。
本発明においては、スズ粒子および繊維状炭素質を混合した後、100℃以上スズの融点未満の温度で熱処理を行うことが好ましい。これにより、スズ粒子の表面に繊維状炭素質を密着性良く配置することができるからである。また、上記範囲内の温度で熱処理を行うことにより、上記融着工程にてさらに粒状炭素質を混合した際に、繊維状炭素質が粒状炭素質に埋もれずに、繊維状炭素質の一部が露出するように、スズ粒子表面に繊維状炭素質を配置することができるからである。
なお、熱処理方法、雰囲気、熱処理時間等については、上記融着工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(負極活物質の調製)
Sn粉末およびアセチレンブラック(AB)をSn:AB=80:20(重量比)で乳鉢で30分間混合した後、ボールミルにて3時間、10時間または15時間処理した。次いで、Ar100%雰囲気で、150℃、350℃または600℃で焼成(熱処理)を行った。これにより、Sn粒子の表面にアセチレンブラックが融着状態で付着している負極活物質を得た。
(負極の作製)
上記負極活物質1gを、決着剤であるポニビニリデンフロライド(PVDF)を0.05g溶解した溶剤n−メチルピロリドン溶液中に導入し、均一に混合するまで混錬しペーストを作製した。次いで、このペーストを厚さ10μmのCu集電体上に目付量6.4mg/cm2で片面塗布し、その後120℃で乾燥することで電極を作製した。次に、この電極をプレスし、ペースト厚さ20μm、密度1.4g/cm3とした。次いで、電極をφ16mmとなるように切り出して、負極を得た。
(正極の作製)
正極として金属Liを使用した。金属Liをφ19mmに切り出し、正極を得た。
(リチウム二次電池の作製)
得られた負極および正極を用いてCR2032型コインセルを作製した。セパレータとしては、PP製多孔質セパレータを使用し、電解液としては、EC(エチレンカーボネート)およびDMC(ジメチルカーボネート)を体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を濃度1mol/Lで溶解したものを使用した。
[比較例1]
実施例1の負極活物質の調製において、熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
[評価]
実施例1および比較例1で得られたコインセルのサイクル特性を評価した。
サイクル特性(25℃にて実施)
(1)1.5V〜0.05Vでレートが1/10Cで容量確認。
(2)1Cで20サイクル充放電。
(3)再び1.5V〜0.05Vでレートが1/10Cで容量確認。
(4)上記(1)〜(3)を容量が減るまで繰り返し、容量維持率が50%程度から小刻みに容量を確認した。
表1に、熱処理時間およびボールミル処理時間と放電容量維持サイクル数との関係を示す。放電容量維持サイクル数は、放電容量維持率≦50%となった点とした。
Figure 0004725585
ボールミルで10時間以上処理し、焼成を350℃で行ったものに関して、サイクル特性が向上した。また、比較例1に関しては、熱処理を行っていないので、容量の変化がなかった。
[実施例2]
実施例1において、下記のようにして負極活物質の調製および負極の作製を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(負極活物質の調製)
Sn粉末およびカーボンナノチューブ(CNT)を乳鉢で30分間混合した。この際、CNTの量を、SnおよびCNTの合計量100wt%に対して、5wt%とした。次いで、ボールミルにて15時間処理した。次いで、Ar100%雰囲気で、150℃、350℃または600℃で焼成(熱処理)を行った。これにより、Sn粒子の表面にCNTが融着状態で付着している負極活物質を得た。
(負極の作製)
上記負極活物質1gを、決着剤であるポニビニリデンフロライド(PVDF)を0.05g溶解した溶剤n−メチルピロリドン溶液中に導入し、均一に混合するまで混錬しペーストを作製した。次いで、このペーストを厚さ10μmのCu集電体上に目付量6.4mg/cm2で片面塗布し、その後120℃で乾燥することで電極を作製した。次に、この電極をプレスし、ペースト厚さ20μm、密度1.4g/cm3とした。次いで、電極をφ16mmとなるように切り出して、負極を得た。
[実施例3]
実施例2の負極活物質の調製において、カーボンナノチューブ(CNT)の代わりにアセチレンブラック(AB)を用い、ABの量を、SnおよびABの合計量100wt%に対して、20wt%とした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
[実施例4]
実施例2の負極活物質の調製において、CNTの量を、SnおよびCNTの合計量100wt%に対して、0.5wt%または1wt%とした以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
[評価]
実施例2〜4で得られたコインセルについて、実施例1と同様にしてサイクル特性を評価した。
表2に、熱処理時間およびCNT量と放電容量維持サイクル数との関係を示す。放電容量維持サイクル数は、放電容量維持率≦50%となった点とした。
また、実施例2〜4で得られたコインセルについて、CNT量とコインセルの容量を比較した。表3に、エネルギー密度を示す。
Figure 0004725585
Figure 0004725585
CNT量が多くなるにつれて、耐久性が向上した。焼成を350℃で行ったものに関して、サイクル特性が最も良好であった。また、AB量と比較して、CNT量を半分以下にしても、良好なサイクル特性が得られた。
[実施例5]
実施例1において、下記のようにして負極活物質の調製および負極の作製を行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(負極活物質の調製)
Sn粉末およびカーボンナノチューブ(CNT)をSn:CNT=95:5(重量比)で乳鉢で30分間混合した後、ボールミルにて10時間処理した。次いで、Ar100%雰囲気、150℃で焼成(熱処理)を行った。次に、上記で得られた粉末に、アセチレンブラック(AB)を、Sn:AB=95:5(重量比)またはSn:AB=90:10(重量比)となるように添加し、乳鉢で混合し、ボールミルにて15時間処理した。次いで、Ar100%雰囲気で、150℃、350℃または600℃で焼成(熱処理)を行った。これにより、Sn粒子の表面にCNTおよびABが融着状態で付着している負極活物質を得た。
(負極の作製)
上記負極活物質1gを、決着剤であるポニビニリデンフロライド(PVDF)を0.05g溶解した溶剤n−メチルピロリドン溶液中に導入し、均一に混合するまで混錬しペーストを作製した。次いで、このペーストを厚さ10μmのCu集電体上に目付量6.4mg/cm2で片面塗布し、その後120℃で乾燥することで電極を作製した。次に、この電極をプレスし、ペースト厚さ20μm、密度1.4g/cm3とした。次いで、電極をφ16mmとなるように切り出して、負極を得た。
[実施例6]
実施例5の負極活物質の調製において、Sn粉末に、カーボンナノチューブ(CNT)のみを混合し、アセチレンブラック(AB)を混合しなかった以外は、実施例5と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
[評価]
実施例5,6で得られたコインセルについて、実施例1と同様にしてサイクル特性を評価した。
表4に、熱処理時間およびAB量と放電容量維持サイクル数との関係を示す。放電容量維持サイクル数は、放電容量維持率≦50%となった点とした。
Figure 0004725585
AB量が10wt%、焼成を350℃で行ったものに関して、サイクル特性が最も良好であった。これは、AB量が10wt%よりも多いと、CNTがABに埋もれてしまい、十分な導電パスをとることができなくなるためであると考えられる。
また、600℃の高温では、AB量が多いほうがサイクル特性は良い値を示した。これは、AB量が多くなるにつれて、ABに包まれるSnが多くなったため、Snが溶融後、バルクの塊になることを防いだためであると考えられる。
本発明の負極活物質の一例を示す模式図である。 本発明の負極活物質の他の例を示す模式図である。 本発明の負極活物質の他の例を示す模式図である。 本発明の負極活物質の他の例を示す模式図である。 本発明のリチウム二次電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の負極活物質の製造方法の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 … 負極活物質
2 … スズ粒子
3 … スズおよび炭素の混合相
4 … 炭素質
4a … 粒状炭素質
4b … 繊維状炭素質

Claims (7)

  1. スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着し
    前記混合相は、前記スズ粒子および前記炭素質を混合し、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理してなるものであることを特徴とする負極活物質。
  2. 前記炭素質が粒状炭素質であり、前記スズ粒子の表面の全体が前記粒状炭素質で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
  3. 前記炭素質が繊維状炭素質であり、前記スズ粒子の表面の一部が前記繊維状炭素質で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質。
  4. スズ単体からなるスズ粒子の表面に、スズおよび炭素が混合した混合相を介して、炭素単体からなる炭素質が付着し、
    前記炭素質が粒状炭素質および繊維状炭素質であり、前記スズ粒子の表面の一部が前記繊維状炭素質で被覆され、さらに前記スズ粒子の表面の全体が前記粒状炭素質で被覆されていることを特徴とする負極活物質。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の負極活物質を含有する負極を有することを特徴とするリチウム二次電池。
  6. スズ単体からなるスズ粒子および炭素単体からなる炭素質を混合し、スズの融点以上450℃以下の温度で熱処理を行い、前記炭素質を、前記スズ粒子の表面に融着により付着させる融着工程を有することを特徴とする負極活物質の製造方法。
  7. 前記融着工程前に、前記スズ粒子および繊維状炭素質を混合する混合工程を有し、
    前記融着工程にて、前記炭素質として粒状炭素質を用いることを特徴とする請求項6に記載の負極活物質の製造方法。
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