JP4723071B2 - シリコン結晶及びシリコン結晶ウエーハ並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン結晶及びシリコン結晶ウエーハ並びにその製造方法に関し、さらに詳しくは太陽電池の材料として有用なシリコン結晶及びシリコン結晶ウエーハ並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
はじめにシリコン結晶の成長における添加剤(ドーパント)の添加(ドープもしくはドーピング)について説明する。
一般的に、シリコン単結晶を育成する際、P型あるいはN型のいずれかの導電型と所望の抵抗率をもたせるために、適量のドーパントが融液内に添加される。抵抗率が低い高濃度ドーピング、所謂P+型あるいはN+型結晶の場合を除いて、通常必要とするドーピング量は扱いが困難なほど少量である。そのために、通常、ドーパント調整剤とよばれる高濃度ドーピングにより、0.01Ω・cm程度の低抵抗のシリコン粒や塊片をあらかじめ用意し、それを融液に添加することで濃度を高精度に調整することが行われている。また、純粋なドーパント元素の物理化学的な性質は、融液中のものと非常に異なるので、あらかじめ高濃度添加のシリコン塊片の形にしておいた方が扱い易いと言われている。
【0003】
半導体材料のドーパント元素は、シリコンのバンドギャップ(1.12eV)内で適度に浅いエネルギーレベルをもつこと、固溶度が大きいこと、拡散係数が適度に小さいこと、蒸気圧が低いこと等が必要である。ドーパントのエネルギーレベルは、半導体デバイスにおける機能の基本となるものである。固溶度が小さければ、高抵抗の半導体に限られてしまう。また、ドーパントの拡散係数と蒸気圧は、結晶育成の制御性と安定性に極めて密接に関係するものである。
【0004】
さらに、重要な事項としてドーパントの偏析係数がある。結晶製造コストの関点からは、シリコン結晶に添加するドーパントは、その平衡偏析係数κoがなるべく1に近いものが望ましく、通常、P型にはボロン(B:κo=0.8)、N型にはリン(P:κo=0.35)が用いられている。また、III族元素にはBの他にアルミニウム(Al:κo=0.002)、ガリウム(Ga:κo=0.008)、インジウム(In:κo=0.0004)があるが、いずれも、偏析係数の値が小さく、結晶製造歩留りがきわめて低くなるため一般的にはあまり利用されていない。一方、V族にはPの他に窒素(N:κo=0.0007)、ヒ素(As:κo=0.3)、アンチモン(Sb:κo=0.023)、ビスマス(Bi:κo=0.0007)がある。窒素は、結晶中分子状で存在するため特異な振る舞いを示すので抵抗調整用のドーパントとしては用いられていない。Biも金属的でかつ偏析係数が小さいので利用されていない。
【0005】
しかしながら、本願出願人は先の出願において、以下に述べる問題点を解決するためP型のドープ剤としてBの代わりにガリウム(Ga)を使用することを提案した(特願平11−264549号及び特願2000−061435)。Gaを添加されたシリコン結晶は集積回路用等多岐に渡り用いることが可能であるが、Gaを添加されたシリコン結晶の一例として、以下に太陽電池セルに用いられる場合の技術的背景について略説する。
【0006】
昨今、太陽電池は、環境問題を背景にしてクリーンエネルギーの一つとして需要が拡大しつつあるが、一般の商用電力と比較してエネルギーコストが高いことが普及の障害となっている。従って、太陽電池の最も重要な特性である変換効率(太陽電池セルに入射した光のエネルギーに対し、太陽電池により電気エネルギーに変換して取り出すことができたエネルギーの割合を示す値であり百分率(%)で表わされる)を更に高める一方で、製造コストをより一層下げることが大きな課題となっている。
【0007】
太陽電池の変換効率に注目すると、近年、化合物半導体系太陽電池が最も高く25%近くに達し、次にシリコン単結晶系太陽電池が20%前後と続き、シリコン多結晶系太陽電池やアモルファスシリコン系太陽電池等は15〜5%程度となっている。一方、材料コストに注目すると、シリコンは、地球上で酸素に次いで二番目に多い元素であり、化合物半導体に比べ格段に安いため、シリコン系太陽電池の方が広く普及している。
【0008】
そして、太陽電池の基板材料として利用するためには、シリコン結晶のライフタイム(LT)値が10μs以上、更には、変換効率の高い太陽電池を得るためには、LT値が好ましくは200μs以上であることが要求されている。また、LT値の高いシリコン単結晶を得るには低酸素のFZ法或いは磁界下引上げ(以下、MCZと言う。)法が挙げられるが、単結晶棒の製造コストが通常のCZ法に比べ高いため、現在はもっぱら比較的低コストで製造できる磁界を印加しない通常のCZ法によって製造されている。
【0009】
さらに、太陽電池は、より大電流を得るためにより大面積の太陽電池セルを製造することが重要である。このような基板材料となる大直径シリコン結晶の製造には、FZ法では最大で6インチを超える直径を持つ単結晶を作ることは不可能に近く、MCZ法でも直径4インチを越えると低酸素濃度の単結晶を製造するのは難しいことから、大直径の結晶を比較的容易に製造できる通常のCZ法が適し、特にP型シリコン結晶が主流となっている。
【0010】
しかし、CZ法で製造されたP型シリコン単結晶は、太陽電池に加工した際に太陽電池セルに強い光を照射すると太陽電池基板のLTの低下が起こり、光劣化を生じるために十分な変換効率を得ることができず、太陽電池の性能の面でも改善が求められている。この光劣化が起こる原因は、CZ法によって製造される結晶中には高濃度の酸素が存在し、またP型シリコン単結晶には通常ボロン(以下、Bと言う。)がドーパントとして添加されているため、Bと酸素との共存によって形成されるディープレベルの準位が発生するためであることが知られている。
【0011】
このように、P型CZ法シリコン単結晶においては、ドーパントとして通常使用されるBを添加すると光劣化による変換効率の低下が生じると言う問題点があった。このため本願出願人は先の出願において、P型のドープ剤としてGaを使用することを提案したのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、B以外のGaをドーパントとして、Bと酸素の影響を排除したものの、以下に述べる理由により結晶特性が不安定となってしまうために製造コストが高くなる傾向にある。
【0013】
図3(a)にBまたはGaをドーパントとした場合のシリコン単結晶の長さ方向に対する抵抗率を、図3(b)に同じくシリコン単結晶の長さ方向に対する各々のドーパント濃度を示す。図3で明らかなように、Gaの偏析係数κoは0.008であり、B(κo=0.8)に比べ極めて小さいため、結晶を成長させて得られたシリコン結晶棒の長さ方向における抵抗率、またはドーパント濃度に大きな差が生じてしまうという問題がある。
【0014】
加えて、Gaの融点は29.78℃であり、B(2080℃)に比べても極めて小さいので、取り扱いが困難であり、さらに、Gaの蒸発速度が2x10-3cm/sで、B(8x10-6cm/s)と比べて大きいので、シリコン結晶にドープするGa濃度の制御が難しく、インゴット内でのばらつきが大きくなってしまうために歩留りが低くなるという問題もある。規格の抵抗率あるいは濃度範囲を厳しくした場合、その範囲に入る領域が、Gaドープの場合には、Bドープの場合に比べてかなり短くなってしまうために歩留りが低くなり、その結果製造コストが高くなるという問題がある。
【0015】
また、現在主として使われているシリコン単結晶太陽電池の主原料であるシリコンウエーハは、集積回路(IC)やメモリ等の半導体デバイスで用いられているシリコンウエーハと同じ物である。しかし、半導体デバイスは、1平方cm以下のチップサイズで数百円以上、特に集積回路では数千円の価格で売られている。半導体デバイスと比較すると、太陽電池用のシリコンウエーハは、単位面積当たりのコストを二桁から四桁低くしなければならないと言われており、コストにおける問題が非常に大きい。
【0016】
以上のように太陽電池用に用いるシリコン結晶にGaを添加したシリコン結晶を用いた場合には、その偏析係数の低さから歩留りの低下、製造コストの増大が問題であった。さらに、太陽電池以外の用途に用いられるシリコン結晶であっても、AsやSb等の偏析係数が小さいドーパントを添加してシリコン結晶製造を行ないたい場合がある。図4に示すように、B(κo=0.8)に比べてP、As、Sbの偏析係数はそれぞれ、P(κo=0.35)、As(κo=0.3)、Sb(κo=0.023)と小さなものであり、このような場合においても、ドーパントの偏析現象によりシリコン結晶の歩留りは小さなものとなり、製造コストの増大が問題であった。
【0017】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、シリコン結晶を育成する際に、例え偏析係数の小さなドーパントを添加しても、シリコン結晶インゴットの長さ方向における抵抗率の変化を小さくして、抵抗率規格を厳しくしても収率を高くすることができ、製造コストを低減できるシリコン結晶及びシリコン結晶ウエーハ並びに製造方法を提供することを目的とする。
そして、ここで製造されたシリコン結晶ウエーハを用いて太陽電池セルを製造した場合に、変換効率やライフタイムが低下せず、光エネルギーの変換効率が高く、光劣化による変換効率の低下をも防止し、特性のバラツキが小さい太陽電池セルを低コストで得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するための本発明は、導電型を規定する主ドーパントと、該主ドーパントとは導電型が反対の極性を有し且つ主ドーパントの偏析係数以下の偏析係数を有する副ドーパントとが添加されてなることを特徴とするシリコン結晶である。
【0019】
通常、各種ドーパントを単独で添加して育成されたシリコン結晶棒について、その長さ方向のドーパント濃度が変化し抵抗率が変化するが、この現象は偏析係数が小さいほど顕著となる。そこで、これを解決するために、所望とするN型もしくはP型の導電型を決定するドーパントを主ドーパントとし、該主ドーパントとは導電型が反対の極性を有し且つ主ドーパントの偏析係数以下の偏析係数を有するドーパント(以下、これを副ドーパントと言う。)を添加する。これにより、シリコン結晶を育成する際に、主ドーパントの偏析により結晶長さ方向の抵抗率あるいはドーパント濃度が変化する領域で、副ドーパントも同様に偏析により抵抗率あるいはドーパント濃度が変化することで、抵抗率あるいはドーパント濃度の変化を相殺して、結晶長さ方向の抵抗率分布を平坦なものとし、歩留りを向上させることができる(以下、このような導電型が反対の極性のドーパント添加をカウンタードープと言う。)。
【0020】
この場合、前記主ドーパントの偏析係数が0.3以下であることが好ましい。
【0021】
このように、偏析係数が0.3を含みこれより小さいドーパントを添加して育成されたシリコン結晶は、その長さ方向に抵抗率あるいはドーパント濃度が大きく変化し、さらに偏析係数が小さいほど顕著となる。そこで、これを解決するために、前述のカウンタードープを行うことにより、シリコン結晶を育成する際に、主ドーパントの偏析により結晶長さ方向の抵抗率あるいはドーパント濃度が変化する領域で、副ドーパントも同様に偏析により抵抗率あるいはドーパント濃度が変化することで相殺して、結晶長さ方向の抵抗率分布を平坦なものとし、歩留りが向上したシリコン結晶とすることができる。
【0022】
ここで、添加する副ドーパントの偏析係数は、主ドーパントと同等であることが最も好ましいが、主ドーパントより小さくても良い。また、添加する副ドーパントの濃度は、導電型が反転しない程度の濃度、少なくとも主ドーパントの濃度よりも低くすることが好ましい。
このように、偏析係数の小さな主ドーパント、例えばGa、を添加した結晶であっても、結晶の長さ方向の抵抗率分布を平坦なものとし、規格とされる抵抗率範囲あるいは濃度範囲に入る領域を長く取れるため、歩留りを向上させることができる。この結果、製造コストが安価なシリコン結晶となる。
【0023】
この場合、前記主ドーパントがリチウム(Li)、アルミニウム(Al)、あるいはガリウム(Ga)であり、前記副ドーパントがビスマス(Bi)であるものとすることができる。
【0024】
このように本発明のシリコン結晶は、偏析係数κoが0.3以下のP型が導電型となる主ドーパントとして、例えばLi(κo=0.01)、Al(κo=0.002)あるいはGa(κo=0.008)を添加するシリコン結晶であって、同じく偏析係数κoが0.3以下のN型が導電型となる副ドーパントとして、Bi(κo=0.0007)を添加して育成されたシリコン結晶とすることができる。ここでも、添加する副ドーパントの濃度は、導電型が反転しない程度の濃度、少なくとも主ドーパントの濃度よりも低くすることが好ましい。そして、このように偏析係数の小さなP型のドーパント、例えばGaを添加した結晶であっても、結晶の長さ方向の抵抗率分布を平坦なものとし、規格とされる抵抗率範囲あるいは濃度範囲に入る領域を長く取れるため、歩留りを向上させることができる。この結果、製造コストが安価なP型結晶となる。
【0025】
また、この場合、前記主ドーパントがヒ素(As)、アンチモン(Sb)あるいはビスマス(Bi)であり、前記副ドーパントがリチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)あるいはインジウム(In)であるものとすることができる。
【0026】
このように本発明のシリコン結晶は、偏析係数κoが0.3以下のN型の導電型となる主ドーパントとして、例えばAs(κo=0.3)、Sb(κo=0.023)あるいはBi(κo=0.0007)を添加するシリコン結晶であって、同じく偏析係数κoが0.3より小さくP型が導電型となる副ドーパントとして、例えばLi(κo=0.01)、Al(κo=0.002)、Ga(κo=0.008)あるいはIn(κo=0.0004)を添加して育成されたシリコン結晶とすることができる。ここでも、添加する副ドーパントの濃度は、導電型が反転しない程度の濃度、少なくとも主ドーパントの濃度よりも低くすることが好ましい。そして、このように、偏析係数の小さなN型ドーパント、例えばAsを添加した結晶であっても、結晶の長さ方向の抵抗率分布を平坦なものとし、規格とされる抵抗率範囲あるいは濃度範囲に入る領域を長く取れるため、歩留りを向上させることができる。この結果、製造コストが安価なN型結晶となる。
【0027】
そして本発明は、本発明のシリコン結晶をスライスして得られたシリコン結晶ウエーハである。
【0028】
このように、本発明の主ドーパントと副ドーパントとを添加したシリコン結晶からスライスして得られたシリコン結晶ウエーハは、結晶育成時の結晶長さ方向の抵抗率分布が平坦なので、抵抗率の揃ったシリコン結晶ウエーハの収率が格段に向上し、安価なウエーハを得ることができる。
【0029】
さらに本発明は、本発明のシリコン結晶ウエーハであって、太陽電池用であることを特徴とするシリコン結晶ウエーハである。
【0030】
このように、本発明の主ドーパント及び副ドーパントを添加したシリコン結晶および主ドーパント及び副ドーパントを添加したシリコン結晶ウエーハは、太陽電池用とした場合に特に有用である。前述のように太陽電池セルに用いられるシリコン結晶として、本出願人は、太陽電池セルにおける変換効率の光劣化がないドーパントとしてBの代わりにGaを用いることを提案したが、このような本発明のシリコン結晶ウエーハを、例えば主ドーパントをGaとして太陽電池の基板材料として用いれば、結晶中にBが含まれていないので、Bと酸素が共存することでディープレベルの準位が発生せず、太陽電池セルにおける変換効率の光劣化をなくすことができる。
【0031】
すなわち、例えばCZ法により本発明のシリコン結晶を主ドーパントをGaとして育成し、育成されたシリコン単結晶棒を加工して太陽電池用基板とし、そのウエーハから太陽電池を作れば、単結晶育成時に結晶中に取り込まれる酸素に影響されることなく、安定した変換効率を有する太陽電池を作製できるウエーハとすることができる。
【0032】
また、本発明のシリコン結晶ウエーハは、Gaのような偏析係数の小さい主ドーパントを用いても副ドーパントがカウンタードープされているために、抵抗率の揃ったシリコン結晶ウエーハの収率が格段に向上し、低コストのものとすることができる。したがって、本発明のシリコン結晶ウエーハから製造された太陽電池は、安価で高いエネルギー変換効率を有するものとすることができる。
【0033】
また、本発明は、ルツボ内のシリコン融液に、少なくとも導電型を規定する主ドーパントを添加し、該主ドーパントとは導電型が反対の極性を有し且つ主ドーパントの偏析係数以下の偏析係数を有する副ドーパントを添加してシリコン結晶を育成することを特徴とするシリコン結晶の製造方法である。
【0034】
こうして、主ドーパント及び副ドーパントが添加された本発明のシリコン結晶を製造することができる。シリコン融液に主ドーパント及び副ドーパントを添加することで、シリコン結晶を育成する際の、主ドーパントの偏析による結晶長さ方向の抵抗率分布の悪化を、副ドーパントをカウンタードープすることにより、結晶長さ方向の抵抗率分布を平坦なものとし、規格とされる抵抗率範囲あるいは濃度範囲に入る領域を長くすることで、歩留りを向上させることができる。この結果、結晶の製造コストを安価なものとすることができる。
【0035】
この場合、前記副ドーパントの添加は、シリコン結晶の育成前および/またはシリコン結晶の育成中に添加することが好ましい。
【0036】
このように副ドーパントの添加はシリコン結晶の育成前、すなわち、当初から添加するようにすることができる。また、シリコン結晶の育成中に主ドーパントの偏析による抵抗率あるいはドーパント濃度の変動に見合った適量の副ドーパントを随時追加ドープすることにより、抵抗率の変動及び結晶長さ方向の分布を抑える効果は一層大きくなり、結晶の長さ方向の抵抗率分布が平坦になる領域をさらに長くとることができる。
【0037】
この場合、前記主ドーパントとして偏析係数が0.3以下のものを添加することが好ましい。
【0038】
このように本発明の製造方法は、偏析現象によりシリコン結晶の長さ方向の抵抗率変動が大きくなる偏析係数が0.3以下のドーパントを主ドーパントとする場合に特に効果的であり、偏析係数の小さな主ドーパント、例えばGaのみをドープする従来法に比べて、副ドーパントとして例えばBiをカウンタードープすることにより、抵抗率の変動及び結晶長さ方向の分布を抑えることができる。従って、規格とされる抵抗率あるいは濃度範囲に入る領域が長くなるため、歩留りが向上し、その結果、製造コストが低減できるという効果がある。
【0039】
また、この場合、前記シリコン結晶の育成はチョクラルスキー(CZ)法によりシリコン単結晶を育成することができる。
【0040】
CZ法によって、主ドーパントと副ドーパントが添加されたシリコン単結晶を製造することができる。このようにして、従来の主ドーパントだけを添加したシリコン単結晶インゴットに比べて、安定した抵抗率の領域が長く、歩留りの高いインゴットが得られるようになる。特に、偏析係数が0.3以下の主ドーパントを添加する場合において効果的である。
また、例えば、本発明の方法で製造したシリコン単結晶を用いてシリコン単結晶太陽電池を製造すれば、安定した抵抗率の領域が長く歩留りの高いシリコン単結晶が得られ、太陽電池製造コストが安価にできるので、太陽電池製造に本発明を適用すれば一層効果的である。
【0041】
この場合、前記シリコン結晶の育成はブリッジマン法によりシリコン多結晶を育成するようにしてもよい。
【0042】
こうして、主ドーパントと副ドーパントが添加されたシリコン多結晶を製造することができる。このようにして、これまでの主ドーパントだけを添加したシリコン多結晶に比べて、安定した抵抗率の領域が長く、歩留りが高くなるようになる。特に、偏析係数が0.3以下の主ドーパントを添加する場合において効果的である。
また、一般に多結晶の場合は単結晶に比べて安価にできるため、例えば、本発明の方法で製造したシリコン多結晶を用いてシリコン多結晶太陽電池を製造すれば、シリコン多結晶太陽電池はシリコン単結晶太陽電池に比べ変換効率が少し低下することになるが、製造に必要な時間等も短く、安価にできるので、太陽電池製造のコストを一層下げることが可能であり、太陽電池製造に本発明を適用すればより効果的である。
【0043】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、特に偏析係数が0.3以下のドーパントを添加するシリコン結晶を育成する際に、結晶長さ方向の抵抗率分布をいかに平坦にするかにつき鋭意研究し、実験を繰り返し検討を加えた結果、本発明を完成させたものである。このような偏析係数の小さなドーパントを添加したシリコン結晶は、例えば光劣化を防止するためにGaを添加して太陽電池の基板材料として製造されるが、その偏析係数が小さいために歩留りが低く、低コストで量産することが困難であった。そこで、本発明者は比較的容易に量産可能であり、同時に太陽電池として変換効率が高く、低コストの基板を得るためにはどのようにすれば良いかについて考察した。
【0044】
即ち、従来、シリコン結晶を育成する際に添加されるドーパントは、固化するシリコン結晶に取り込まれる量が偏析現象により少ないために、シリコン結晶が成長するに従い、シリコン融液が減少してシリコン融液中のドーパント濃度が高くなっていくことにより、後の方のシリコン結晶中に取り込まれる量が多くなってしまい、その結果、シリコン結晶の長さ方向にドーパントの濃度分布が生じて抵抗率が変化してしまうのである。特に偏析係数が0.3以下のドーパントにおいて、これが顕著となる。しかし本発明者は、逆タイプの導電型を有するドーパントをカウンタードープすることにより、結晶育成時の結晶長さ方向の抵抗率が変化するところでお互いの導電型を相殺して抵抗率変化を防止するという観点に着目した。
【0045】
すなわち本発明者は、シリコン結晶を育成する際に、導電型を決定するための主ドーパントを添加し、同時に逆タイプの導電型を有する副ドーパントをカウンタードープすることにより、シリコン結晶の長さ方向の抵抗率変化を防止できることを確認した。
これにより、シリコン結晶の長さ方向の抵抗率分布が平坦となり、規格の抵抗率範囲を狭くしても、歩留りの高いシリコン結晶が得られるので、製造コストを低減することが可能となった。
【0046】
また、例えばこのようなシリコン結晶で、B以外のドーパントであるGa等を主ドーパントとして添加してシリコン結晶を製造すれば、光劣化を起こすとなく安定した高い変換効率を有する太陽電池を低コストで作ることが可能となり、シリコン結晶太陽電池による発電コストを低減させることができる。その結果、太陽電池用シリコン原料のコスト問題の解決に寄与するところが大となった。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のシリコン結晶について、CZ法による単結晶引上げ装置の構成例や引上げ方法については特願平11−264549号、また、ブリッジマン法による多結晶製造装置の構成例や製造方法については特願2000−061435号に記載された内容と基本的に同様であるが、ドープ剤のところに関しては異なるので、そのところについて以下に説明を加える。
【0048】
まず、所定の導電型と抵抗率を決定するための主ドーパントを準備する。ここで、シリコン融液がシリコン結晶に固化する際、ドーパントの固相中の拡散を無視でき、液相中のドーパント濃度が均一であり、κoが一定であるという条件下では、固化率gの時、固相中のドーパント濃度Csは次式で表される。尚、Coは液相中のドーパントの初期濃度である。
Cs=κoCo(1−g)κ o −1・・・式(1)
【0049】
また、目標とするシリコン結晶棒の頭部における抵抗率は、ASTM(American Society for Testing and Materials) StandardのF723−82によりドーパント濃度に変換でき、次式により添加すべきドーパントの重量を求めることができる。
ドーパント重量=ドーパント濃度×ドーパントの原子量×原子質量単位×シリコン原料の重量/シリコンの密度・・・式(2)
【0050】
さらに、ドーパントとシリコン原料とを併せて溶融し、シリコン結晶棒を育成した時に、該シリコン結晶棒の頭部におけるドーパント濃度は、次式で求められる。
ドーパント濃度=ドーパント重量×ドーパントの偏析係数/(ドーパントの原子量×原子質量単位×シリコン原料の重量/シリコンの密度)・・・式(3)
尚、原子質量単位は1.66×10−24g、シリコンの密度は2.33g/cm3である。
【0051】
例えば、Gaを主ドーパントとして添加する場合、導電型はP型となり、シリコン原料30kgを溶融して目標とする抵抗率を1Ω・cmとするには、Gaが3.25g必要となる。一方の副ドーパントとしては、Gaと同等の偏析係数を有する元素が最も好ましい。Gaより偏析係数の大きな例えばSbの場合、結晶の長さ方向のGa濃度が偏析により高くなるところで、Sb濃度がGaほどには高くはならないので効果が小さく副ドーパントには適していない。一方、Gaより偏析係数が小さな、例えばBiの場合、結晶の長さ方向のGa濃度が偏析により高くなるところで、Bi濃度の高くなる割合がGa濃度の高くなる割合以上に大きくなるので少量の副ドーパントで大きな効果を得ることができ、副ドーパントに適している。ただし、導電型が反転しないように注意する必要がある。
【0052】
この場合、結晶が固化(結晶化)している途中に、溶融したBiを追加添加すると、より一層の効果が得られ、結晶の長さ方向の抵抗率分布が平坦になる領域を長く取ることができる。また、結晶育成中にシリコン原料を追加チャージする場合があるが(例えばCZ法)、この場合には副ドーパントのみならず、主ドーパントを追加添加することによって、育成結晶の抵抗率を所望のものとすることが可能である。
【0053】
また、本発明では、主ドーパント並びに副ドーパントを添加した単結晶を製造する場合の前記ドーパントを添加する方法としては特に限定されず、ルツボ内のシリコン原料を溶融する前、あるいは溶融したシリコン融液に、前記ドーパントを直接入れてもよいが、前記ドーパントを添加した単結晶を工業的に量産するのであれば、一旦ドープ剤を調整した後に添加する方がよい。このような方法を用いれば高精度に抵抗を制御できるし、効率良く作業を行なうことができる。また例えば、Gaのように融点が30℃と低く取扱いが難しいドーパントも取り扱いが容易となり好適である。このように、ドーパントを直接ルツボに入れるよりも、ドープ剤を作製した後に添加する方法を用いることにより、ドーパント濃度を精度良く容易に調整することが可能であり、正確なドーパント濃度を得ることができる。
【0054】
なお、太陽電池用の基板として用いるシリコン結晶ウエーハとしては、低抵抗率でライフタイムの高い基板が望まれるが、シリコン結晶中のドーパントをGaとした場合は、例えばGa濃度が2×1017〜3×1014atoms/cm3であり、副ドーパントも添加した後における抵抗率が20Ω・cm〜0.1Ω・cmであることが好ましい。シリコン結晶中のGaの濃度が3×1014atoms/cm3以下であり、あるいは副ドーパントも添加した後における抵抗率が20Ω・cm以上となる場合、太陽電池とした際に太陽電池セルの内部抵抗により電力が消費され、変換効率が低下するためである。また、Gaの濃度が2×1017atoms/cm3以上、あるいは副ドーパントも添加した後における抵抗率が0.1Ω・cm以下では基板内部にオージェ(Auger)再結合による少数キャリアのライフタイム(寿命)の低下が発生し変換効率が低下するためである。
【0055】
一方、シリコン結晶中の格子間酸素濃度は16ppma(JEIDA;日本電子工業振興協会規格)以下であることが好ましく、15ppma(JEIDA)以下とすることにより初期の格子間酸素あるいは熱処理により形成される酸素析出物によるライフタイムの劣化を防止することができるので、より好ましい。
【0056】
なお、このシリコン結晶中の酸素濃度については、ルツボの回転速度、シリコン結晶の引上げ速度、チャンバー内の不活性ガス圧力や流量等を適宜調整することにより制御できる。また、シリコン結晶の直径については、シリコン融液の温度とシリコン結晶の引上げ速度を調整することによって制御できる。
【0057】
育成したシリコン結晶のライフタイムについては、適当な大きさのブロックにした状態から厚み2〜3mmのウエーハにスライスしてライフタイムを測定するのが好ましい。そして、ライフタイム測定は、このスライスウエーハをHF:HNO3=5%:95%の混酸で処理し、両面のスライス損傷層をエッチング除去した後、洗浄を行い、その後、ウエーハ表面にAM(Air Mass)1.5の条件下で定常光を30時間照射した後で、HFにて表面の自然酸化膜を除去し、引き続き、ヨウ素、エタノール混合溶液を使ったケミカル・パッシベーション(CP)処理を施して、結晶表面のキャリア再結合を低減し、マイクロ波−PCD法(光導伝度減衰法)を用いて行うことができる。
【0058】
また、本発明を用いて作製される太陽電池用シリコン結晶ウエーハは、前記結晶ブロックを内周刃、ワイヤソー等のスライサーによりスライスして、ウエーハ状にした後、さらにエッチングによって加工歪みを取り除くことにより製造される。更に、本発明を用いて作製される太陽電池セルは、前記シリコン結晶ウエーハを用いて、例えば高変換効率セルであるRP−PERC(Random Pyramid − Passivated Emitter and Rear Cell)型太陽電池セルとして製造されることが好ましい。
【0059】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
シリコン結晶棒を育成するために、主ドーパントと副ドーパントとして、予め高濃度のドーパントを添加したシリコン結晶を各々育成し、これを砕いたものを準備した。また、高純度シリコン原料を準備した。そして、シリコン結晶棒の肩部における抵抗率が1Ω・cmとなるように条件を整え、主ドーパントとしてGaと副ドーパントとしてBiを添加した、直径6インチ、結晶方位<100>のシリコン単結晶棒を、口径18インチの石英ルツボを用いて通常のCZ法により4本引上げた。
【0060】
一本目は、シリコン原料を40kg、Gaを3.9886g、Biを12.421g併せて溶融し、種結晶を融液に接触させてシリコン単結晶を引き上げた。シリコン融液から単結晶へと固化する率が0.2、0.6、0.8、0.9のところで、溶融したBiを以下の表1にある重量(g)追加添加した(実施例1)。
【0061】
【表1】
【0062】
引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率分布を測定し、その結果を表2及び図1に示した。以下の表2および図1(実施例1;四角プロット)からわかるように、引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率は、最大で0.747Ω・cm、最小で0.417Ω・cmと分布が小さかった。
【0063】
【表2】
【0064】
二本目は、シリコン原料を40kg、Gaを3.9886g、Biを12.421g併せて溶融し、種結晶を融液に接触させてシリコン単結晶を引き上げた。シリコン融液から単結晶へと固化する率が0.2、0.6、0.8、0.9のところで、溶融したBiを表1にある重量(g)追加添加した(実施例2)。引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率分布を測定し、その結果を表2及び図1に併記した。
【0065】
表2および図1(実施例2;菱形プロット)からわかるように、引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率は、最大で0.715Ω・cm、最小で0.199Ω・cmと比較的分布が小さかった。
【0066】
三本目は、シリコン原料を40kg、Gaを3.626g併せて溶融し、種結晶を融液に接触させてシリコン単結晶を引き上げた。シリコン融液から単結晶へと固化する率が0.05、0.2、0.6、0.8、0.9のところで、溶融したBiを表1にある重量(g)追加添加した(実施例3)。引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率分布を測定し、その結果を表2及び図1に併記した。
【0067】
表2および図1(実施例3;三角プロット)からわかるように、引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率は、最大で1.13Ω・cm、最小で0.677Ω・cmと分布が小さかった。
【0068】
四本目は、シリコン原料を40kg、Gaを3.626g併せて溶融し、種結晶を融液に接触させてシリコン単結晶を引き上げた。シリコン融液から単結晶へと固化する率が0.05、0.2、0.6、0.8、0.9のところで、溶融したBiを表1にある重量(g)追加添加した(実施例4)。引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率分布を測定し、その結果を表2及び図1に併記した。
【0069】
表2および図1(実施例4;丸プロット)からわかるように、引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率は、最大で1.07Ω・cm、最小で0.267Ω・cmと比較的分布が小さかった。
【0070】
(比較例)
シリコン結晶棒を育成するために、ドープ剤としては予め高濃度のドーパントを添加したシリコン結晶を各々育成し、これを砕いたものと、高純度シリコン原料を準備した。そして、シリコン結晶棒の肩部における抵抗率が1Ω・cmとなるように条件を整え、Gaを3.626g添加した、直径6インチ、結晶方位<100>のシリコン単結晶棒を、口径18インチの石英ルツボを用いて通常のCZ法により引上げた。引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率分布を測定し、その結果を表2及び図2に示した。
【0071】
表2および図2からわかるように、引き上げられたシリコン結晶の長さ方向の抵抗率は、最大で0.96Ω・cm、最小で0.157Ω・cmと分布が大きかった。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0073】
例えば、上記説明においては、主にCZ法によってGa及びBiを添加したシリコン単結晶を製造する場合につき説明したが、本発明は例えばシリコン多結晶にも適用できるものである。すなわち、ブリッジマン法においても、シリコン結晶の歩留りを向上させ、原料のコストを低減させるのに、本発明で示した主ドーパントとしてのGaと副ドーパントとしてのBiを添加するのが有効であることは言うまでもないし、またドーパントの組み合わせもこれに限られるものではない。
また、太陽電池用材料として具体的に説明したが、エピタキシャルウエーハ用のサブストレート(基板)やSOIウエーハ用の支持基板として用いることが可能であることも言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
本発明は、シリコン結晶に主ドーパントと副ドーパントが添加されるため、シリコン結晶を育成する際の結晶の長さ方向に対する抵抗率分布を平坦にすることができ、歩留りが向上し、製造コストを低く抑えることができる。
そして、製造コストの安い太陽電池を作製するためのシリコン結晶およびシリコン結晶ウエーハとすることができ、また酸素濃度と副ドーパントの濃度を制御することによって、光エネルギーの変換効率が高く、光劣化をも生じることのない太陽電池を造ることができる。さらに、大直径、低コスト化に寄与するとともに、シリコン中に酸素が含有されていてもよいので結晶強度も高く耐久性にも優れたものを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるシリコン単結晶の長さ方向に対する抵抗率を示す図である。
【図2】比較例におけるシリコン単結晶の長さ方向に対する抵抗率を示す図である。
【図3】(a)は従来技術におけるBまたはGaをドーパントとした場合のシリコン単結晶の長さ方向に対する抵抗率を、(b)は同じくシリコン単結晶の長さ方向に対する各々のドーパント濃度を示す図である。
【図4】(a)は従来技術におけるBまたはP、As、Sbをドーパントとした場合のシリコン単結晶の長さ方向に対する抵抗率を、(b)は同じくシリコン単結晶の長さ方向に対する各々のドーパント濃度を示す図である。
Claims (4)
- チョクラルスキー(CZ)法により育成された太陽電池用シリコン単結晶であって、導電型を規定する主ドーパントであるガリウム(Ga)と、該主ドーパントとは導電型が反対の極性を有し且つ主ドーパントの偏析係数以下の偏析係数を有する副ドーパントであるビスマス(Bi)とが添加されてなることを特徴とするシリコン結晶。
- 請求項1に記載のシリコン結晶をスライスして得られたシリコン結晶ウエーハ。
- チョクラルスキー(CZ)法により太陽電池用シリコン単結晶を育成するシリコン結晶の製造方法であって、ルツボ内のシリコン融液に、少なくとも導電型を規定する主ドーパントであるガリウム(Ga)を添加し、該主ドーパントとは導電型が反対の極性を有し且つ主ドーパントの偏析係数以下の偏析係数を有する副ドーパントであるビスマス(Bi)を添加してシリコン結晶を育成することを特徴とするシリコン結晶の製造方法。
- 前記副ドーパントであるビスマス(Bi)の添加は、シリコン結晶の育成前および/またはシリコン結晶の育成中に添加することを特徴とする請求項3記載のシリコン結晶の製造方法。
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