JP4722300B2 - 針棒ストローク調整装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、針棒の上下ストローク量を調整する針棒ストローク調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業用ミシンの縫製対象となる生地は、その厚さや種類の範囲が広いため、厚物から薄物までを、同一の針棒ストロークで対応するのが困難である。このため、生地の厚さや種類に応じて、ミシンの針棒の上下ストローク量を調整することが従来より行われている。
【0003】
針棒の上下ストローク量を調整する装置としては、偏心ピンを利用するものが知られている。
例えば、特開平11−226283号公報に記載のミシンの針棒ストローク調整装置は、一端を針棒に枢支された連結ロッドの他端が、偏心ピンを介して、上軸により軸回転されるクランクに回動可能に取り付けられて構成されている。前記偏心ピンには、連結ロッドとクランクとのそれぞれへ嵌合する偏心された嵌合部が両端に設けられている。
【0004】
前記クランクの端面には、係合突起が突設されている。また、前記偏心ピンのクランク側嵌合部には位置決めリングが周設されており、この位置決めリングには前記係合突起と係合し得る二箇の係合溝が対称位置に設けられている。
【0005】
以上の構成により、偏心ピンを半回転させて係合溝に係合する係合突起を他方に変更した状態で、偏心ピンのクランク側嵌合部をクランクに固定するだけで、クランクおよび連結ロッドを介して生じる針棒の上下動ストローク量を容易に、かつ精度良く調整することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報の針棒ストローク調整装置では、クランクに係合突起を突設するとともに、偏心ピンに位置決めリングを周設して係合溝を形成しなければならないため、加工コストが多くかかってしまう、という問題が生じていた。
【0007】
本発明の課題は、加工コストの上昇を抑えることができる針棒ストローク調整装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、ミシンモータにより回転駆動される上軸(5)に固定されるクランク(20)と、互いに軸心方向が平行でかつ偏心した軸部(31・32)を両端に備えて構成され、前記クランクに対して嵌合可能な偏心ピン(30)と、この偏心ピンに対して一部(ボス41)が回動可能に支持されるとともに、針棒(10)に対して他部(針棒クランプ12)が固定され、前記ミシンモータから前記上軸、前記クランクおよび前記偏心ピンに伝動される回転運動に基づいて、前記針棒へ上下運動を付与する上下運動付与手段(連結ロッド40、針棒クランプ12など)と、を備える針棒ストローク調整装置(1)であって、前記クランクには、前記偏心ピンの一方の軸部(31)が嵌合可能な取付け穴(21)と、この取付け穴に連続し、この取付け穴の水平軸線(21C)に対して対称に形成され、かつ、互いに連通する二つの座繰り穴(22・23)と、が設けられ、各座繰り穴には、前記偏心ピンの他方の軸部(32)が嵌合可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、クランクに前記取付け穴と二つの前記座繰り穴とが設けられているので、偏心ピンの一方の軸部をクランクの取付け穴に嵌合し、かつ、他方の軸部を二つの座繰り穴のうちの一方に嵌合した状態で、偏心ピンの一端側をクランクに対して固定できる。
したがって、偏心ピンの他方の軸部を嵌合させる座繰り穴を変更して、偏心ピンの周方向位置を180度変更できる。これにより、クランクおよび上下運動付与手段を介して生じる針棒の上下ストローク量を調整できる。
【0010】
このように、請求項1記載の発明では、クランクに座繰り穴を二つ設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、上述した公報の針棒ストローク調整装置と異なり、偏心ピンとクランクとの両方に加工を施す必要が無い。したがって、加工コストの上昇をより少なく抑えることができる。
【0011】
特に、上述の公報では、細径のピンをクランクに打設して係合突起を設けたり、材料を削り出して位置決めリングを備える偏心ピンを加工したり、位置決めリングを切欠いて係合溝を形成したりする必要があり、加工に手間がかかっていた。
これに対し、請求項1記載の発明では、クランクに座繰り穴を形成するだけで済むので、加工にかかる労力をより少なく抑えることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、例えば、図7(b)に示すように、ミシンモータにより回転駆動される上軸に固定されるクランクと、互いに軸心方向が平行でかつ偏心した軸部を両端に備えて構成され、前記クランクに対して嵌合可能な偏心ピンと、この偏心ピンに対して一部が回動可能に支持されるとともに、針棒に対して他部が固定され、前記ミシンモータから前記上軸、前記クランクおよび前記偏心ピンに伝動される回転運動に基づいて、前記針棒へ上下運動を付与する上下運動付与手段と、を備える針棒ストローク調整装置であって、前記クランクには、前記偏心ピンの一方の軸部が嵌合可能な取付け穴と、この取付け穴に連続し当該取付け穴の中心と前記上軸の軸心とを結ぶ直線(21A)に沿って形成され、前記偏心ピンの他方の軸部を前記取付け穴の水平軸線に対する対称位置(32a・32b)に反転させて嵌合可能とする長穴(51)と、が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、クランクに前記取付け穴と前記長穴とが設けられているので、偏心ピンの一方の軸部をクランクの取付け穴に嵌合し、かつ、他方の軸部を取付け穴の水平軸線に対する長穴の対称位置の一方に嵌合した状態で、偏心ピンの一端側をクランクに対して固定できる。
したがって、偏心ピンの他方の軸部を嵌合させる長穴の対称位置を変更して、偏心ピンの周方向位置を180度変更できる。これにより、クランクおよび上下運動付与手段を介して生じる針棒の上下ストローク量を調整できる。
このように、請求項2記載の発明では、クランクに長穴を設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、加工コストの上昇をより少なく抑えることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、例えば、図7(c)に示すように、ミシンモータにより回転駆動される上軸に固定されるクランクと、互いに軸心方向が平行でかつ偏心した軸部を両端に備えて構成され、前記クランクに対して嵌合可能な偏心ピンと、この偏心ピンに対して一部が回動可能に支持されるとともに、針棒に対して他部が固定され、前記ミシンモータから前記上軸、前記クランクおよび前記偏心ピンに伝動される回転運動に基づいて、前記針棒へ上下運動を付与する上下運動付与手段と、を備える針棒ストローク調整装置であって、前記クランクには、前記偏心ピンの一方の軸部が嵌合可能な取付け穴と、この取付け穴に連続し当該取付け穴の中心と前記上軸の軸心とを結ぶ直線に沿って形成され、前記偏心ピンの他方の軸部を挿入した状態で前記取付け穴の水平軸線に対する対称位置に反転させて嵌合可能とする略半円状の穴(52)と、が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、クランクに前記取付け穴と前記略半円状の穴とが設けられているので、偏心ピンの一方の軸部をクランクの取付け穴に嵌合し、かつ、他方の軸部を取付け穴の水平軸線に対する略半円状の穴の対称位置の一方に嵌合した状態で、偏心ピンの一端側をクランクに対して固定できる。
したがって、偏心ピンの他方の軸部を嵌合させる略半円状の穴の対称位置を変更して、偏心ピンの周方向位置を180度変更できる。これにより、クランクおよび上下運動付与手段を介して生じる針棒の上下ストローク量を調整できる。
このように、請求項3記載の発明では、クランクに略半円状の穴を設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、加工コストの上昇をより少なく抑えることができる。
【0016】
また、略半円状の穴は、前記偏心ピンの他方の軸部を挿入した状態で反転させて嵌合可能であるので、針棒の上下ストローク量を調整する際に、偏心ピンを略半円状の穴から抜く必要がない。よって、針棒ストローク量の調整の際の作業性が良い。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の針棒ストローク調整装置において、例えば、図2に示すように、上下運動付与手段を偏心ピンの軸部に対して回動可能に支持固定する固定部材(ワッシャ44)には、前記偏心ピンの一方の軸部に対して他方の軸部が変位している方向を示す変位方向目印(目印45)が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、前記固定部材に前記変位方向目印が設けられているので、変位方向目印を目視するだけで、偏心ピンの一方の軸部に対して他方の軸部が変位している方向を認識できる。
したがって、前記他方の軸部がクランクに対して固定されている状態において、変位方向目印によって、取付け穴の水平軸線に対する対称位置それぞれのうちのどちらに前記他方の軸部が嵌合されているかを確認できる。これにより、上軸の軸心から前記他方の軸部の軸心までの距離を求められるので、針棒のストローク量を確認することができる。
【0019】
従来、針棒ストローク量を確認するには、固定部材を取り外して偏心ピンの偏心方向を確認したり、針棒のストローク量を実際に測定したりする必要があった。これに対し、請求項2記載の発明では、固定部材を取り外す必要がなく、また、針棒のストローク量を測定する必要もないので、針棒のストローク量の確認をより容易に行うことができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の針棒ストローク調整装置において、図1および図2に示すように、上下運動付与手段は、針棒に対して着脱可能であり、偏心ピンの他方の軸部が取付け穴の水平軸線に対する一方の対称位置に嵌合されている第1の場合と、他方の対称位置に嵌合されている第2の場合と、のそれぞれに応じて前記針棒に対する固定位置が変更され、前記針棒には、前記第1の場合と前記第2の場合と、のそれぞれに対応する前記上下運動付与手段の固定位置を示す固定位置目印(ライン15・16)が設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、針棒に前記固定位置目印が設けられているので、針棒に対する上下運動付与手段の他端側の固定位置を、固定位置目印に基づいて容易に決定することができる。
【0022】
詳しく説明すると、従来より、針棒ストローク量を変更した場合には、針棒に対する上下運動付与手段(例えば、針棒クランプなど)の固定位置を調整するようにしている。これは、針棒が最下点に位置する時における、針棒の下端に設けられる針と、針棒の下方のルーパと、の相対距離を、適切な距離に設定するためである。
【0023】
従来では、針棒に対する上下運動付与手段の固定位置を調整する際には、測定具や治具を用いたり、目測によって見当をつけたりして固定位置を決定しなければならなかった。これに対し、請求項3の発明では、針棒に設けられた固定位置目印に基づいて固定位置を容易に決定できるので、固定位置を決める際にかかる手間を省略することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態例の針棒ストローク調整装置1は、上軸5に固定されるクランク20と、クランク20に一端側が固定される偏心ピン30と、偏心ピン30の他端側と針棒10とにそれぞれ連結される連結ロッド40と、を備えて構成されている。
【0025】
上軸5は、図2に示す軸心5Aを中心として、図示しないミシンモータにより軸まわりに回転するものである。上軸5には、クランク20が一体に回転可能であるように固定されている。
【0026】
クランク20は、略半円形のカウンタウエイト20aと、カウンタウエイト20aの略円中心から突設されたクランクアーム20bと、を備えて構成されている。なお、図2ではクランク20を概略して図示している。
クランクアーム20bには、上軸5の軸心5Aから垂直上方に距離dだけ離れた位置に、偏心ピン30の軸部31を嵌合するための取付け穴21が貫通形成されている。
【0027】
図2に示すように、偏心ピン30は、クランク20側の軸部31と、連結ロッド40側の軸部32と、を両端に備えて構成されている。図3に示すように、偏心ピン30は、軸部31・32の中心線31A・32Aを、距離δだけ互いに偏心した構成となっている。中心線31A・32Aは互いに平行とされている。
【0028】
また、図3に示すように、クランク20に設けられた取付け穴21の中心線21Bは、上軸5の軸心5Aの軸方向と平行とされている。取付け穴21は、偏心ピン30の軸部31が、上軸5の軸方向と中心線31Aが平行にされた状態で、取付け穴21に対して嵌合可能であるように形成されている。
【0029】
また、図1に示す締め付けボルト24を上軸5の軸心側へ締め付けることにより、取付け穴21に対して偏心ピン30の軸部31を固定できるようになっている。
【0030】
図2および図3に示すように、連結ロッド40側のクランク20の端面には、取付け穴21に連続するように、座繰り穴22・23が形成されている。この座繰り穴22・23は、取付け穴21の中心を通る水平軸線21Cに対して対称で、かつ互いに連通するように形成されている。なお、この水平軸線21Cは、上軸5の軸心5Aと取付け穴21の中心を結ぶ直線21A(垂直軸線)に直交している。
【0031】
また、図3に示すように、座繰り穴22・23それぞれは、偏心ピン30の軸部31が取付け穴21に嵌合された状態で、軸部32のクランク20側の端部が嵌合可能な形状に設定されている。
なお、図1〜図3においては、軸部32のクランク20側の端部が座繰り穴22に嵌合された状態で、偏心ピン30がクランク20に固定されている場合の構成を図示している。
【0032】
図2に示すように、連結ロッド40は、偏心ピン30の軸部32に対して回動可能に支持されるボス41と、後述する針棒クランプ12の基部12aに対して回動可能に固定されるボス42と、を両端に備えて構成されている。
【0033】
ボス41には、ベアリング43が挿入されており、ベアリング43には、スラストワッシャ33を貫通した偏心ピン30の軸部32が挿入されている。スラストワッシャ33は、ボス41とクランク20の摩擦を防止する部材である。
【0034】
ボス41に貫通された状態の偏心ピン30の軸部32の先端には、ネジ46によりワッシャ44が固定されている。ワッシャ44の外面には、目印45が設けられている。図2および図4に示すように、ワッシャ44の目印45は、偏心ピン30の軸部31に対して軸部32が変位している方向に向けられている。
【0035】
偏心ピン30の軸部32が座繰り穴22に嵌合された状態で、偏心ピン30がクランク20に固定される場合には、図1および図5(A)に示すように、目印45がクランクアーム20bの先端側へ向けられた状態で、ワッシャ44が固定される。
また、軸部32が座繰り穴23に嵌合された状態で、偏心ピン30がクランク20に固定される場合には、図5(B)に示すように、目印45が上軸5の方向へ向けられた状態で、ワッシャ44が固定される。
【0036】
また、図2に示すように、連結ロッド40のボス42には、針棒10を固定する針棒クランプ12の基部12aが貫通している。針棒クランプ12の基部12aは、ボス42に貫通された状態で、先端が角駒13に枢着されている。角駒13は、ガイド溝14に嵌め込まれており、上下方向に沿って摺動自在とされている。
【0037】
針棒クランプ12は、針棒10に対して着脱可能に固定されている。また、針棒10には、針棒10の長さ方向に直交する二本のライン15・16が設けられている。
【0038】
偏心ピン30の軸部32が、取付け穴21の水平軸線21Cに対する一方の対称位置である座繰り穴22に嵌合された状態では、図1および図6(A)に示すように、針棒クランプ12は、その上端面をライン15に合わせた状態で、針棒10に対して固定される。
また、偏心ピン30の軸部32が、取付け穴21の水平軸線21Cに対する他方の対称位置である座繰り穴23に嵌合された状態では、図6(B)に示すように、針棒クランプ12は、その上端面をライン16に合わせた状態で、針棒10に対して固定される。
また、図1および図2に示すように、針棒10の下端には、針11が取り付けられている。
【0039】
次に、針棒10のストローク動作について、説明する。
ミシンモータにより上軸5が軸心5Aを中心に回転駆動されると、上軸5とともにクランク20が一体に回転される。これにより、クランク20に設けられた取付け穴21が、上軸5の軸心5Aを中心とした半径dの円周に沿って回転運動される。
【0040】
取付け穴21には、偏心ピン30の軸部31が固定されているので、軸部31も、軸心5Aを中心とした半径dの円周に沿って回転運動される。これにともない、偏心ピン30の軸部32も回転運動される。
偏心ピン30の軸部32が座繰り穴22に嵌合されている場合には、軸部32は、軸心5Aを中心とした半径(d+δ)の円周に沿って回転運動される。
また、偏心ピン30の軸部32が座繰り穴23に嵌合されている場合には、軸部32は、軸心5Aを中心とした半径(d−δ)の円周に沿って回転運動される。
【0041】
軸部32の回転運動に伴い、連結ロッド40上端のボス41が、その軸心の軌跡が円形状をなすようにして移動する。これにともない、ガイド溝14のガイド方向(上下方向)に沿って角駒13が摺動することにより、連結ロッド40下端のボス42が上下方向に駆動される。
【0042】
ボス42の上下運動に伴い、針棒クランプ12が固定された針棒10も上下運動される。すなわち、連結ロッド40、ガイド溝14、角駒13、針棒クランプ12は、偏心ピン30に伝動される回転運動に基づいて針棒10へ上下運動を付与する上下運動付与手段である。
【0043】
このとき、針棒10のストロークは、偏心ピン30の軸部32の回転運動が基準となる。
偏心ピン30の軸部32が座繰り穴22に嵌合されている場合には、針棒10の上下ストローク量は2*(d+δ)となる。
また、偏心ピン30の軸部32が座繰り穴23に嵌合されている場合には、針棒10の上下ストローク量は2*(d−δ)となる。
【0044】
以上のように、本実施の形態例の針棒ストローク調整装置1によれば、クランク20の取付け穴21に座繰り穴22・23が二つ設けられているので、偏心ピン30の軸部32を嵌合させる座繰り穴22・23を変更して、偏心ピン30の周方向位置を180度変更できる。これにより、針棒10の上下ストローク量を、2*(d+δ)と2*(d−δ)との二種類に調整できる。
【0045】
したがって、クランク20に座繰り穴22・23を二つ設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、従来に比べて加工コストの上昇をより少なく抑えられ、また、加工にかかる労力をより少なく抑えられる。
【0046】
また、座繰り穴22・23は、取付け穴21の水平軸線21Cに対して互いに対称となるように形成されているので、クランク20に対する偏心ピン30の周方向位置を180度変更できる。したがって、偏心ピン30の軸部32が座繰り穴22・23のどちらに嵌合された場合でも、上軸5の軸回転に対する針棒10の上下運動の位相が同じものとなる。
【0047】
また、座繰り穴22・23に偏心ピン30の軸部32を嵌合させるだけで、容易に針棒ストロークの調整を行える。また、座繰り穴22・23に軸部32を嵌め合わせるので、偏心ピン30の周方向位置を精度良く決定でき、よって、針棒ストロークの調整を精度良く行うことができる。
【0048】
また、ワッシャ44に目印45が設けられているので、目印45を目視するだけで、偏心ピン30の軸部31に対して軸部32が変位している方向を認識できる。これにより、軸部32が二つの座繰り穴22・23のうちのどちらに嵌合しているかを確認できるので、これに基づいて針棒10のストローク量を確認することができる。
したがって、ストローク量を確認するのに、ワッシャ44を取り外して偏心ピン30の偏心方向を確認したり、ストローク量を実際に測定したりする必要が無く、手間をかけずにストローク量の確認を行える。
【0049】
また、ワッシャ44の目印45を目視するだけで、軸部32が二つの座繰り穴22・23のうちのどちらに嵌合しているかを確認できるので、針棒クランプ12をライン15・16のどちらに合わせて固定すればよいかを容易に判断できる。
【0050】
また、針棒クランプ12をライン15・16に合わせて固定するだけで、針棒ストローク量に対応する固定位置に針棒クランプ12を固定できる。したがって、針棒クランプ12の固定位置を決める際に測定具や治具などを用いる必要がなく、固定位置を決める際の手間を省略することができる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、図1、図2、図4、図5に示すように、ワッシャ44に設けられた目印45が黒点であるものとしたが、これに限らず、例えば、矢印や、模様、ワッシャ44の外形などにより偏心ピン30の偏心方向を示す構成としても良い。
また、目印45は、ワッシャ44にあらかじめ設けられていなくてもよく、例えば、偏心ピン30の軸部32にワッシャ44をネジ46で固定した後に、シールなどを貼り付けて目印45をワッシャ44に設けるものとしても良い。
【0052】
また、針棒10には二本のライン15・16が設けられているものとしたが、これに限らず、例えば、針棒10に目盛などが設けられる構成としても良い。この場合においても、目盛に基づいて針棒クランプ12の固定位置を決定できるので、容易に針棒クランプ12の固定位置の調整を行うことができる。
【0053】
また、この発明は、上記実施形態に限定されることなく種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、図7(a)に示すように、偏心ピン30の一方の軸部31が嵌合可能な取付け穴21と、この取付け穴21に連続し、この取付け穴21の水平軸線21Cに対して対称に形成され、かつ、互いに連通する座繰り穴22・23とを設けている。
【0054】
これに代えて、図7(b)に示すように、取付け穴21の垂直軸線21Aと長軸が一致し、水平軸線21Cに対して対称な長穴51を形成し、偏心ピン30の他方の軸部32を取付け穴21の水平軸線21Cに対する対称位置32a・32bに反転させて嵌合させる構成としても良い。
【0055】
また、図7(c)に示すように、偏心ピン30の他方の軸部32を、取付け穴21の水平軸線21Cに対する対称位置32a・32bに反転させて嵌合可能とする略半円状の穴52を形成する構成としても良い。この実施形態(図7(c))では、偏心ピン30を抜かずに回転するだけで針棒ストロークを変更可能なので、作業性が良い。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、クランクに座繰り穴を二つ設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、従来に比べて加工コストの上昇をより少なく抑えられ、また、加工にかかる労力をより少なく抑えられる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、クランクに長穴を設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、従来に比べて加工コストの上昇をより少なく抑えられ、また、加工にかかる労力をより少なく抑えられる。
【0058】
請求項3記載の発明によれば、クランクに略半円状の穴を設けるだけで針棒ストロークの調整が可能となるので、従来に比べて加工コストの上昇をより少なく抑えられ、また、加工にかかる労力をより少なく抑えられる。また、偏心ピンを抜かずに針棒ストロークを調整できるので、作業性がよい。
【0059】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、変位方向目印を目視するだけで、針棒のストローク量を確認することができる。
【0060】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、針棒に対する上下運動付与手段の固定位置を、固定位置目印に基づいて容易に決定でき、固定位置に決める際にかかる手間を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の針棒ストローク調整装置を示す斜視図である。
【図2】図1中の針棒ストローク調整装置を示す分解斜視図である。
【図3】図2中のクランクと偏心ピンとの連結部を示す縦断面図である。
【図4】図2中の偏心ピンとワッシャの上下位置関係を説明するための斜視図である。
【図5】図1中のクランクとワッシャの上下位置関係を説明するための概略側面図である。
【図6】図1中の針棒と針棒クランプの上下位置関係を説明するための概略正面図である。
【図7】(a)は図2中の連結ロッド側のクランクの端面を示す側面図、(b)及び(c)はそれぞれ他の実施の形態における連結ロッド側のクランクの端面を示す側面図である。
【符号の説明】
1 針棒ストローク調整装置
5 上軸
10 針棒
12 針棒クランプ(上下運動付与手段、他部)
15、16 ライン(固定位置目印)
20 クランク
21 取付け穴
21A 垂直軸線
21C 水平軸線
22、23 座繰り穴
30 偏心ピン
31 軸部(一方の軸部)
32 軸部(他方の軸部)
40 連結ロッド(上下運動付与手段)
41 ボス(一部)
44 ワッシャ(固定部材)
45 目印(変位方向目印)
51 長穴
52 略半円状の穴

Claims (5)

  1. ミシンモータにより回転駆動される上軸に固定されるクランクと、
    互いに軸心方向が平行でかつ偏心した軸部を両端に備えて構成され、前記クランクに対して嵌合可能な偏心ピンと、
    この偏心ピンに対して一部が回動可能に支持されるとともに、針棒に対して他部が固定され、前記ミシンモータから前記上軸、前記クランクおよび前記偏心ピンに伝動される回転運動に基づいて、前記針棒へ上下運動を付与する上下運動付与手段と、を備える針棒ストローク調整装置であって、
    前記クランクには、前記偏心ピンの一方の軸部が嵌合可能な取付け穴と、この取付け穴に連続し、この取付け穴の水平軸線に対して対称に形成され、かつ、互いに連通する二つの座繰り穴と、が設けられ、
    各座繰り穴には、前記偏心ピンの他方の軸部が嵌合可能であることを特徴とする針棒ストローク調整装置。
  2. ミシンモータにより回転駆動される上軸に固定されるクランクと、
    互いに軸心方向が平行でかつ偏心した軸部を両端に備えて構成され、前記クランクに対して嵌合可能な偏心ピンと、
    この偏心ピンに対して一部が回動可能に支持されるとともに、針棒に対して他部が固定され、前記ミシンモータから前記上軸、前記クランクおよび前記偏心ピンに伝動される回転運動に基づいて、前記針棒へ上下運動を付与する上下運動付与手段と、を備える針棒ストローク調整装置であって、
    前記クランクには、前記偏心ピンの一方の軸部が嵌合可能な取付け穴と、この取付け穴に連続し当該取付け穴の中心と前記上軸の軸心とを結ぶ直線に沿って形成され、前記偏心ピンの他方の軸部を前記取付け穴の水平軸線に対する対称位置に反転させて嵌合可能とする長穴と、が設けられていることを特徴とする針棒ストローク調整装置。
  3. ミシンモータにより回転駆動される上軸に固定されるクランクと、
    互いに軸心方向が平行でかつ偏心した軸部を両端に備えて構成され、前記クランクに対して嵌合可能な偏心ピンと、
    この偏心ピンに対して一部が回動可能に支持されるとともに、針棒に対して他部が固定され、前記ミシンモータから前記上軸、前記クランクおよび前記偏心ピンに伝動される回転運動に基づいて、前記針棒へ上下運動を付与する上下運動付与手段と、を備える針棒ストローク調整装置であって、
    前記クランクには、前記偏心ピンの一方の軸部が嵌合可能な取付け穴と、この取付け穴に連続し当該取付け穴の中心と前記上軸の軸心とを結ぶ直線に沿って形成され、前記偏心ピンの他方の軸部を挿入した状態で前記取付け穴の水平軸線に対する対称位置に反転させて嵌合可能とする略半円状の穴と、が設けられていることを特徴とする針棒ストローク調整装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の針棒ストローク調整装置において、
    上下運動付与手段を偏心ピンの軸部に対して回動可能に支持固定する固定部材には、前記偏心ピンの一方の軸部に対して他方の軸部が変位している方向を示す変位方向目印が設けられていることを特徴とする針棒ストローク調整装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の針棒ストローク調整装置において、
    上下運動付与手段は、針棒に対して着脱可能であり、偏心ピンの他方の軸部が取付け穴の水平軸線に対する一方の対称位置に嵌合されている第1の場合と、他方の対称位置に嵌合されている第2の場合と、のそれぞれに応じて前記針棒に対する固定位置が変更され、
    前記針棒には、前記第1の場合と前記第2の場合と、のそれぞれに対応する前記上下運動付与手段の固定位置を示す固定位置目印が設けられていることを特徴とする針棒ストローク調整装置。
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