JP4721446B2 - 被高周波シール多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、被高周波シール多層フィルムに関する。
具体的には、高周波シールを施して包装材料等として使用される被高周波シール多層フィルムに関する。
特に、魚肉、ハム、ソーセージ等の食品の包装材料等の製造に適した被高周波シール多層フィルムに関する。
高周波シールとは、分子振動による発熱により樹脂が溶融、溶着することを利用したシール方法である。
熱板や熱風等によるヒートシールは、フィルムの広範囲に熱を印加する必要があるため、熱によりフィルムの収縮性能が変化することがある。そのため、ヒートシールした包装フィルムにソーセージなどの食品を充填して、レトルト処理等を施した場合、熱を受けた部分を外側にして曲がるなど、変形しやすくなるという問題がある。
これに対して、高周波シールでは、シール部以外の部分には比較的熱がかからないため、このような問題がなく、レトルト処理等の熱処理後のシール線の外観、レトルト処理等による変形に優れる。
また、高周波シールは、封筒張りシール、合掌シール、いずれの場合でも、フィルムとフィルムを重ね合わせた面同士が溶着するので、シール電極との滑り性が良好であり、シール線の外観が良好になるといった特徴もある。
ところで、ソーセージ、ハム等食品の包装分野では、包装材料として塩化ビニリデン系フィルムが広く使用され、通常、フィルム速度30〜50m/min.(シール時間0.02〜0.04秒)という高速で、自動充填包装機(例えば旭化成ライフ&リビング(株)社製「ADP(登録商標)」等)を用いて、高周波シールして充填包装されている。
しかし、塩化ビニリデン系フィルムは、高周波シール性を発現させるため、単層で使用される必要があり、それにより耐ピンホール性に劣るという問題を抱えている。
耐ピンホール性を良好にすべく、シール層にポリオレフィン系樹脂を使用すると、今度は、誘電正接(tanδ)が低すぎて高周波シール性が乏しくなる。
また、シール層にポリアミド系樹脂を用いれば、ポリアミドという樹脂の特性上、耐ピンホール性は向上し、誘電正接(tanδ)も高いので高周波シール性も発現されるが、樹脂の融点が高いため、溶融までに時間がかかり、高速(フィルム速度30〜50m/min.高周波シール時間0.02〜0.04秒)での高周波シールには適していない。また、ポリアミド系樹脂は、水分の影響で誘電正接(tanδ)が変化するという問題点も有している。
そのため、耐ピンホール性を有し、高速での高周波シール性に優れたバリア性フィルムが強く望まれている。
特許文献1には、脂肪族ナイロン(共)重合体成分(1)と芳香族ナイロン(共)重合体成分(2)とを含む共重合ナイロン(c)を少なくとも5重量%の割合で含有するポリアミド系樹脂組成物の単層または該ポリアミド系樹脂組成物層が表面層にある多層フィルムが開示され、実施例において製袋速度15m/min.で高周波シール性が評価されている。また、特許文献2には、同種のポリオレフィン系樹脂からなる両外層と、ポリアミド系樹脂からなるガスバリア層からなる多層フィルムケーシングが開示され、実施例でフィルム送り速度14m/min.で高周波シールによるバックシーム試験が行われている。
しかし、これらは高速(フィルム速度30〜50m/min.高周波シール時間0.02〜0.04秒)での高周波シール性について満足できるものではない。
また、特許文献3には、ポリアミドまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)からなる芯層、芯層の両側に配設されたエチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体を主体とする接着性樹脂層、および無極性ポリオレフィンからなる外層を少なくとも1層有する高周波シール用積層体が開示され、エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体を主体とする接着性樹脂層が高周波シール性に寄与するとの開示もある。しかし、実施例でのシール時間は2〜4秒であり、高速での高周波シール性について満足できるものではない。また、接着性樹脂層同士を高周波シールした場合には、耐熱性に劣り、接着性樹脂層と外層とを高周波シールした場合は、シール強度や耐熱性に劣るという問題がある。
これらの先行技術では、いずれも高速での高周波シール性と、ボイルやレトルト処理に耐えうる耐熱性の両方を満たすには到っていない。
特開平10−195211公報 特開2000−37828公報 特開2000−190427公報
本発明は、高速での高周波シール性を有し、かつ、耐熱性、耐ピンホール性、バリア性に優れた、被高周波シール多層フィルム、及びその多層フィルムからなるフィルムケーシングを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、高周波シール材料として、高周波シール性に優れたエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体と、これと相溶性が高く、かつ、耐熱性を有するポリエチレン系樹脂とを含有する樹脂組成物を用いることにより、高速での高周波シール性と耐熱性とが両立できることを見出した。
そして、このような高周波シール材料からなる表層を、特定の水バリア層及びガスバリア層と組み合わせることにより、高速での高周波シール性、耐熱性に加え、耐ピンホール性、バリア性にも優れた、多層フィルムを提供できることを見出した。
すなわち、本発明は下記の通りである。
少なくとも2層の表層(A)を有する被高周波シール多層フィルムであって、
表層(A)が、23℃における20〜50MHzの周波数での誘電正接(tanδ)が0.02〜0.5で、融点が70〜120℃の範囲にあるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体70〜30重量%と、ポリエチレン系樹脂30〜70重量%とを含有する樹脂組成物からなり、
表層(A)の少なくとも一方のゲル分率が、1〜10重量%である被高周波シール多層フイルム。
また、本発明の別の態様は以下の通りである。
少なくとも表層(A)/水バリア層(B)/ガスバリア層(C)/水バリア層(B)/表層(A)の5層をこの順で含み、以下の条件(1)〜(4)を満たす被高周波シール多層フィルム;
(1)表層(A)が、23℃における20〜50MHzの周波数での誘電正接(tanδ)が0.02〜0.5で、融点が70〜120℃の範囲にあるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体70〜30重量%と、ポリエチレン系樹脂30〜70重量%とを含有する樹脂組成物からなり、
(2)表層(A)の少なくとも一方のゲル分率が、1〜10重量%であり、
(3)水バリア層(B)が、密度0.910〜0.960g/cm3、融点100〜130℃のポリエチレン系樹脂からなり、
(4)ガスバリア層(C)が、ポリアミド系樹脂からなる。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体は、その組成を調整することにより高い誘電正接(tanδ)を持たせることが可能で、これにより高周波シール性を発現させることができ、融点も比較的低いため実用的な高周波シール性材料であるが、耐熱性に劣る。
また、ポリエチレン系樹脂は、耐熱性には優れるが、高周波シール性の点ではエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体に劣る。
本発明においては、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体に耐熱性の高いポリエチレン系樹脂を混合し樹脂組成物とすることにより、樹脂組成物の耐熱性が向上すると推測される。
一方、高周波シール性の低い樹脂に高周波シール性の高い樹脂とを混合させても、通常は、樹脂組成物の高周波シール性は向上しない。しかし、本発明においては、ポリエチレン系樹脂はエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との相溶性が高いため、樹脂組成物中のエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体が高周波を受けて発熱・溶融すると、これに引き続いてポリエチレン樹脂も溶融し、これにより樹脂組成物においても高い高周波シール性が発現するものと推測される。
本発明の被高周波シール多層フイルムは、良好な高速高周波シール性を発現し、かつ、耐熱性、バリア性、耐ピンホール性を有する。
本発明について以下詳細に記述する。
1.表層(A)について
本発明の被高周波シール多層フィルムにおける表層(A)は、高周波シールをするためのシール層の役割を果たすものである。
本発明において表層(A)に用いる樹脂組成物は、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体70〜30重量%と、ポリエチレン系樹脂30〜70重量%とを含有する。
表層(A)に用いる樹脂組成物におけるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数が1〜8のアルコール成分より選ばれる)共重合体(例えば日本ポリエチレン(株)社製 レクスパールEMA等)、エチレン−メタクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数が1〜8のアルコール成分より選ばれる)共重合体(例えば住友化学(株)社製 アクリフト等)等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上混合したものでもよい。
これらの中で、エチレン−アクリル酸メチル(アクリル酸メチルの含有量10〜25重量%)、エチレン−メタクリル酸メチル(メタクリル酸メチルの含有量10〜25重量%)が好ましい。
実用的な周波数(20〜50MHz)での高周波シールを、高速、すなわち、シール時間0.02〜0.04秒で可能にするには、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の23℃における20〜50MHzでの誘電正接(tanδ)が、0.02〜0.5である必要がある。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の誘電正接(tanδ)は、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体中の脂肪族不飽和カルボン酸エステル含有量により調整できる。脂肪族不飽和カルボン酸エステル含有量が増加するほど、誘電正接(tanδ)は大きくなる。
高速での高周波シール性を良好にし、耐熱性も両立するには、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル中の脂肪族不飽和カルボン酸エステル含有量は5〜25重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは15〜20重量%である。
誘電正接(tanδ)が大きくなると、高周波による発熱量も大きくなり、シール性は良好になるが、樹脂の融点は下がる傾向にあり、耐熱性に問題が発生する。そのため、高周波シール性と耐熱性の両方を満足するには、23℃における20〜50MHzでの誘電正接が0.02〜0.5で、融点が70〜120℃の範囲である必要がある。
23℃における20〜50MHzでの誘電正接は好ましくは0.03〜0.1であり、より好ましくは、0.03〜0.05である。また、融点は好ましくは70〜100℃、より好ましくは70〜90℃の範囲である必要がある。
また、耐熱性の点から、表層(A)に用いる樹脂組成物におけるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の含有量は、30〜70重量%であることが必要であり、より好ましくは35〜65重量%、さらに好ましくは、40〜60重量%である。
次に、表層(A)に用いる樹脂組成物に用いる「ポリエチレン系樹脂」とは、エチレンを単量体成分として含む重合体をいう。
耐熱性の観点からは、ポリエチレン系樹脂としては、特に、密度が0.930〜0.960g/cm3のものが好ましく、より好ましくは0.935〜0.960g/cm3、さらに好ましくは0.940〜0.960g/cm3である。
表層(A)に用いる樹脂組成物におけるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
これらの中で、シール強度、延伸性、押出成形性、耐熱性の点から、密度が0.930〜0.960g/cm3、融点が120〜130℃のエチレン−αオレフィン共重合体が好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体は、従来の方法により製造された重合体でもよいが、通称シングルサイト触媒で代表されるメタロセン触媒等で重合された重合体が、従来の方法で重合されたものより、コモノマー分布や分子量分布においてより均一なため(例えば、重量平均分子量/数平均分子量で表される値が1.5〜3.5、より好ましくは1.5〜3.0)好ましい。
高速で高周波シールを可能にするには、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体とポリエチレンが樹脂組成物として混合されて存在することが必要で、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体が高周波を受けて発熱、溶融し、さらにこれと混合されて存在するポリエチレン樹脂が溶融されるため、高速で高周波シールを行なっても高温(120℃)においても高いシール強度が発現される。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体とポリエチレン系樹脂が層状に存在するだけでは、短時間(0.02〜0.04秒)のシール時間での溶融が不十分であり、高温(120℃)における高いシール強度は実現できない。
本発明の被高周波シール多層フィルムにおいて、ボイル(90℃60分)、レトルト(120℃×20分)処理等の加熱処理にも耐えうるシール強度を実現するためには、表層(A)のうち、少なくとも一方のゲル分率を1以上にする必要がある。一方、ゲル分率が10重量%以上になると、今度は高周波シール性が低下してしまう。したがって、本発明において、表層(A)の少なくとも一方のゲル分率は1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、より好ましくは3〜6重量%である。
ここで、ゲル分率とは、沸騰p−キシレン中に重合体を12時間浸漬した後、溶解しないで残存している割合のことであり、下式で表される。
ゲル分率(重量%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
表層(A)のゲル分率を1〜10重量%とする方法としては、多層フィルムを製造時、多層フィルム延伸前または延伸後に、表層(A)に電子線、紫外線、X線、α線、γ線等のエネルギー線を照射したり、表層(A)にパーオキサイド等を添加後加熱処理を行なうこと、またはその他公知の方法で表層(A)を架橋処理を行なうことが挙げられる。
これらの処理の中でも、電子線(加速電圧100〜250kV、照射線量50〜120kGy)処理が取り扱い易さの点で好ましい。
表層(A)には、本来の特性を損なわない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤(ワックス等含む)、無機フィラー等の各種添加剤を添加することができる。
2.水バリア層(B)
水バリア層(B)は、水(水蒸気)の進入を防ぎ、ガスバリア層(C)の水(水蒸気)による性能低下を防ぐ役割を果たすものである。そのため、水バリア層(B)は、ガスバリア層(C)の両側に配設される。
本発明の被高周波シール多層フィルムにおける水バリア層(B)は、ポリエチレン系樹脂からなる。ここで、水バリア層(B)に用いる「ポリエチレン系樹脂」とは、エチレンを単量体成分として含む重合体をいう。
水バリア性の観点からは、ポリエチレン系樹脂の密度は0.910〜0.960g/cm3である必要があり、好ましくは0.920〜0.960g/cm3、より好ましくは0.930〜0.960g/cm3である。
また、耐熱性の観点からは、ポリエチレン系樹脂の融点は100〜130℃である必要があり、好ましくは110〜130℃であり、より好ましくは115〜125℃である。
水バリア層(B)のポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体を酸変性により改質したもの、エチレン−αオレフィン共重合体以外のポリエチレン系樹脂を酸変性により改質したもの等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して用いられる。
これらの中でも、水バリア性、耐熱性の観点から、密度が0.930〜0.960g/cm3、融点が120〜130℃のエチレン−αオレフィン共重合体が好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体は、従来の方法により製造された重合体でもよいが、通称シングルサイト触媒で代表されるメタロセン触媒等で重合された重合体が、従来の方法で重合されたものより、コモノマー分布や分子量分布においてより均一なため(例えば、重量平均分子量/数平均分子量で表される値が1.5〜3.5、より好ましくは1.5〜3.0)好ましい。
また、シール部がレトルト処理等の加熱処理に耐えうるためには、水バリア層(B)とガスバリア層(C)との間に充分な層間剥離強度が必要であり、多層フィルムの水バリア層(B)とガスバリア層(C)の層間剥離強度は2〜10N/cm巾であることが好ましい。水バリア層(B)とガスバリア層(C)との層間剥離強度を強くするためには、水バリア層(B)が、エチレン−αオレフィン共重合体0〜50重量%と、ポリエチレン系樹脂の酸変性物100〜50重量%の混合物であることが好ましい。
本発明の水バリア層(B)には、本来の特性を損なわない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤(ワックス等含む)、無機フィラー等の各種添加剤を添加することができる。
3.ガスバリア層(C)
本発明の被高周波シール多層フィルムにおけるガスバリア層(C)は、ポリアミド系樹脂からなる。ここで、ガスバリア層(C)に用いる「ポリアミド系樹脂」とは、主鎖中にアミド結合をもつ重合体をいう。
ガスバリア層(C)のポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミド等が挙げられる。ここで、芳香族ポリアミドとは、主鎖または側鎖に芳香族環を有する構造を有するポリアミドである。
脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン6、66、610、11、12、共重合ナイロン6/66、6/12、6/610、6/66/12、6/66/610、6/66/612等が挙げられる。また、芳香族ポリアミドとしては、、メタもしくはパラキシリレンジアミンと炭素が4〜12程度のジカルボン酸とから重縮合されたポリキシリレン系重合体等を例示できる。
これらの中で、特に、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから合成されたポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)が好適である。
また、芳香族ポリアミドとしては、結晶性のもののみならず、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸と、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンとの重合体などの非晶性のもの(6I/6T)も挙げられる。これらは単独、または2種以上を混合して使用できる。
また、ガスバリア層(C)ポリアミド系樹脂としては、強度(耐ピンホール性)、延伸性、ガスバリア性等の観点からは、ナイロン6/66と非晶性ナイロン(6I/6T)の混合物、又はナイロン6とポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)と非晶性ナイロン(6I/6T)の混合物が好ましい。
本発明のガスバリア層(C)には、本来の特性を損なわない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤(ワックス等含む)、無機フィラー等の各種添加剤を添加することができる。
4.多層フィルムの層構成
本発明の被高周波シール多層フィルムは、一態様において、少なくとも表層(A)/水バリア層(B)/ガスバリア層(C)/水バリア層(B)/表層(A)をこの順で含む。
各層は1層づつ積層してもよいが、さらなる耐衝撃性やタフネスの改良のために、2層以上積層してもよい。
多層フィルムの構成としては、例えば、A/B/B/C/B/B/C/B/B/A、A/A/B/C/B/B/C/B/A/A、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、内面に印刷を施したりするために、2枚以上の多層フィルムを張り合わせて、A/B/C/B/A/A/B/C/B/Aとしてもよい。この場合にも、耐衝撃性やタフネスは改良される。
2枚の張り合わせは表層樹脂の自己粘着によってもいいし、公知の接着剤を用いてもよく、また熱処理により貼り合わせてもよい。
多層フィルムを貼り合わせたり、ガスバリア層(C)を2層以上積層することで、1層のガスバリア層(C)に欠陥があっても、もう1層のガスバリア層(C)によりガスバリア性を確保できる。
4.フィルムケーシング、包装体
本発明の被高周波シール多層フィルムを高周波シールすることにより、食品を中に詰めるための管状のフィルムケーシングや、これを用いた包装体を製造できる。
また、本発明の被高周波シール多層フィルム及び高周波シールされたフィルムケーシングにカット性を改善させるために、自動充填包装機(例えば、旭化成ライフ&リビング(株)社製「ADP(登録商標)」)で、高周波シール前のフィルムが平坦状の時に、高周波シールされる側の反対側に、巾30mm以下、長さ30mm以下のフィルム(カットテープ)を高周波又は超音波又は熱板等によりシールすることもできる。カットテープのサイズは適宜選択されるものである。
また用途により、片方又は両方のフィルム端部全体に微小な穴を開け、どの端部からでもカットできる形態も設けることができる。
5.多層フィルムの製造方法
本発明の被高周波シール多層フィルムは、溶融押出法で作成するのが好ましく、中でもインフレーション法が好ましい。
例えば、各層(A)、(B)、(C)の樹脂をそれぞれの押出機で溶融して、多層サーキュラダイで共押出し、水又は温水をかけて固化させ多層管状押出物(パリソン)を得、このパリソンを加熱して、配向を付与するのに適当な温度条件下で延伸を行なうことが好ましい。延伸温度としては、70〜110℃が好ましい。延伸倍率は、熱収縮率、熱収縮応力等に応じて適宜選択されるが、面積倍率で4〜30倍が好ましく、より好ましくは6〜20倍である。また必要に応じ、延伸中、又は、延伸後に熱風吹き付け式、熱ローラー式、端部固定式等のヒートセット処理をすることができ、さらに延伸後にコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を行うことができる。
本発明を以下の実施例に基づいて具体的に説明する。
以下に本発明に使用される測定方法をまとめて記す。
(1)誘電正接(tanδ)
試料から、直径45mm、厚さ約3mmの熱プレスシートを作成し、41MHzで共振するコイルを選び、温度23℃、湿度65%の雰囲気中で、横河・ユーレットパッカー社製 Qメーター(Q4343B)<商品名>にて測定し、n=5の平均値を採用した。
(2)融点
DSC法で測定した。試料約5mgを0℃〜200℃〜0℃〜200℃〜0℃となるよう10℃/min.で昇温、冷却し、2nd runでの結晶融解ピーク温度を、パーキンエルマー社製 PYRIS Diamond DSC<商品名>で測定した。
(3)ゲル分率
延伸前のパリソンの表層部を、光学顕微鏡のミクロトームを用いスライスしたものを集め試料とした。なお、延伸フィルムの場合は熱収縮させパリソン状態に戻したものをスライスすれば、延伸前のゲル分率を測定することができる。
沸騰p−キシレン中(12時間)で試料を抽出し、不溶解部分の割合を次式により算出した。
ゲル分率(重量%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
(4)高周波シール適性
自動充填包装機(旭化成ライフ&リビング(株)社製「ADP(登録商標)」)で、巾80mmの平坦状のフィルムを、フィルム面の外側が電子線照射された方向でセットし、フォルダーを介し円筒状に形成した後、フィルムが重なる部分(オーバーラップ)をフィルム速度46m/min.(シール時間0.026秒)に調整して、約41MHzの周波数、シール部電流値250mAで高周波シールした。このようにして得られた折巾35mmの高周波シールされたフィルムケーシングに魚肉すり身を充填し、両端をアルミニウム鋼線でクリップし、クリップ間200mmの包装体を200本製造し、シール状態を観察し、高周波シール適性を下記の基準に従い評価した。
○:シール部の剥離が全くない。
×:一部分でもシール部が剥離する。
(5)シール強度
(4)と同様に製造した包装体200本に、120℃20分のレトルト処理を行なった。レトルト処理後のシール状態を手で引張り、シール強度を下記の基準に従い評価した。
○:シール部の剥離が全くない。
×:一部分でもシール部が剥離する。
(6)耐熱性
(4)と同様に製造した包装体200本に、120℃20分のレトルト処理を行い、包装体同士の融着を目視で観察し、下記の基準に従い評価した。
○:包装体同士の融着はない。
×:包装体同士が融着している。
(7)耐ピンホール性
(4)と同様に製造した包装体200本に、120℃20分のレトルト処理を行い、レトルト処理後の包装体200本を5〜10℃に冷却し、コニカルブレンダーに投入し、100回転させたあとの包装体のピンホールをメガテスターで測定し、下記の基準に従い評価した。
◎:ピンホール発生本数が0本
○:ピンホール発生本数が2本未満
×:ピンホール発生本数が2本以上
(8)層間剥離強度
多層フィルム中の、水バリア層とガスバリア層の層間剥離強度を、巾15mm、測定長さ20mm、引張速度300mm/min.の条件で(株)オリエンテック社製 テンシロン万能試験機 RTC−1210<商品名>で測定し、n=5の平均値を採用した。なお、水バリア層とガスバリア層の層間は多層フィルム中に複数個所あるので、各層間で、最も値の低かった層間剥離強度を採用した。
次に実施例及び比較例において使用した樹脂を以下に記す。
LL1:エチレン−ヘキセン共重合物(宇部丸善ポリエチレン(株)ユメリット4040F)
LL2:エチレン−ヘキセン共重合物(宇部丸善ポリエチレン(株)ユメリット4540F)
LL3:エチレン−オクテン共重合物(ダウケミカル日本(株)ダウレックス2036P)
LL4:エチレン−ヘキセン共重合物(住友化学(株)スミカセンCS3009)
LL5:ポリエチレン系酸変性物(三井化学(株)アドマー NF587)
LL6:ポリエチレン系酸変性物(三井化学(株)アドマー SF730)
EMMA1:エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(密度=0.940g/cm3、メタクリル酸メチル含有量 20重量%、住友化学(株)アクリフトWH206)
EMMA2:エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(密度=0.920g/cm3、メタクリル酸メチル含有量 5重量%、住友化学(株)アクリフトWD203−1)
EMA1:エチレン−アクリル酸メチル共重合体(密度=0.940g/cm3、アクリル酸メチル含有量 24重量%、日本ポリエチレン(株)レクスパールEMA EB050S)
Ny1:ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチック(株)NOVAMID 1030)
Ny2:ナイロン6/66(三菱エンジニアリングプラスチック(株)NOVAMID 2430A−1)
Ny3:非晶ナイロン(三菱エンジニアリングプラスチック(株)NOVAMID X21―F07)
Ny4:MXD6ナイロン(三菱ガス化学(株)MXナイロンS6007)
[実施例1]
外側から、層構成が(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)の5層となるように環状5層ダイを用いて押出した後、約60℃の温水で固化させ、折巾約130mm、厚み約360μm、各層厚み構成比は、外側から20/20/20/20/20となるようにパリソンを作成した。ついでこのパリソンの両表面に電子線(加速電圧150kV、線量80kGy)を照射し、加熱ゾーンで約100℃に加熱したあと延伸ゾーンで内部に空気を圧入してバブルを形成させて連続延伸を行い、延伸倍率が縦方向(MD方向)に3.1倍、横方向(TD方向)に2.9倍に同時二軸延伸した厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[実施例2]
外側から層構成が(EMMA1 30重量%とEMA1 30重量%とLL2 40重量%の混合物)/(LL1 20重量%とLL5 80重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 20重量%とLL5 80重量%の混合物)/(EMMA1 30重量%とEMA1 30重量%とLL2 40重量%の混合物)の5層とし、電子線照射量を、加速電圧150kV、線量120kGyに変更したことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[実施例3]
外側から層構成が(EMA1 30重量%とLL3 70重量%の混合物)/(LL5)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL5)/(EMA1 30重量%とLL3 70重量%の混合物)の5層とし、電子線照射量を加速電圧150kV、線量100kGyに変更したことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[比較例1]
外側から層構成が(LL4)/(LL6)/(Ny2)/(LL6)/(LL4)で、パリソン厚み500μ、電子線照射なしに変更しことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約55μmのシングルプライフィルムを得た。
[比較例2]
外側から層構成が(EMMA1 80重量%とLL1 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(EMMA1 80重量%とLL1 20重量%の混合物)の5層とし、電子線照射量を加速電圧150kV、120kGyに変更したことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[比較例3]
外側から層構成が(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)の5層とし、電子線照射量を加速電圧150kV、180kGyに変更したことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[比較例4]
外側から層構成が(EMMA2 70重量%とLL1 30重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(EMMA2 70重量%とLL1 30重量%の混合物)の5層とし、電子線照射量を加速電圧150kV、80kGyに変更したことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[比較例5]
外側から層構成が(EMMA1 25重量%とLL1 75重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(EMMA1 25重量%とLL1 75重量%の混合物)の5層とし、電子線照射量を加速電圧150kV、100kGyに変更したことを除き、実施例1と同様な延伸を行い、厚み約40μmのシングルプライフィルムを得た。
[実施例4]
外側から層構成が(EMMA1 35重量%とLL1 65重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny2 80重量%とNy3 20重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)の5層とし、パリソン厚み約280μm、延伸倍率が縦方向(MD方向)に3.5倍、横方向(TD方向)に3.6倍、各層厚み構成比は外側から、20/20/20/20/20となるようにし、電子線照射量を加速電圧100kV、線量100kGyに変更したことをき、実施例1と同様な延伸を行い、延伸後、2枚のフィルムを内側同士が接触するようにし、90℃に設定したローラーで挟み、溶着させて、10層で厚み約44μmのダブルプライフィルムを得た。
[実施例5]
外側から層構成が(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(LL5)/(Ny1 60重量%とNy3 20重量%とNy4 20重量%の混合物)/(LL5)の5層とし、パリソン厚み約280μm、各層厚み構成比は外側から、27/27/9/28/9となるようにし、電子線照射量を加速電圧100kV、線量100kGyに変更したことを除き、実施例4と同様な延伸を行い、延伸後、2枚のフィルムを内側同士が接触するようにし、90℃に設定したローラーで挟み、溶着させて、10層で厚み約44μmのダブルプライフィルムを得た。
[実施例6]
外側から層構成が(EMMA1 70重量%とLL1 30重量%の混合物)/(EMMA1 30重量%とLL2 70重量%の混合物)/(LL1 50重量%とLL5 50重量%の混合物)/(Ny1 60重量%とNy3 20重量%とNy4 20重量%の混合物)/(LL1 20重量%とLL5 80重量%の混合物)の5層とし、実施例4と同様な延伸を行い、10層で厚み約44μmのダブルプライフィルムを得た。
[比較例6]
外側から層構成が(EMMA1 75重量%とLL1 25重量%の混合物)/(EMMA1 25重量%とLL2 75重量%の混合物)/(LL4)/(Ny1 60重量%とNy3 20重量%とNy4 20重量%の混合物)/(LL6)の5層とし、実施例4と同様な延伸を行い、10層で厚み約44μmのダブルプライフィルムを得た。
表1に表層(A)、水バリア層(B)に使用した樹脂の密度、融点、誘電正接(tanδ)を示す。表2、3に実施例1〜6、比較例1〜5の評価結果を示す。
本発明の被高周波シール多層フイルムである実施例1〜6は、いずれも良好な高周波シール性を示し、加熱処理を施しても融着が発生せず耐熱性にも優れていることが確認できた。また、実施例1〜6の多層フィルムは、高周波シール性、耐熱性、耐ピンホール性を有することが確認できた。
これに対し、比較例1〜6は、高周波シール性又は耐熱性のいずれかが十分ではなかった。
特に、実施例1〜3と比較例2、4、5との比較、実施例4〜6と比較例6との比較から、本発明において規定する組成の樹脂組成物からなる表層(A)は、高周波シール性と耐熱性を両立することが確認できた。
また、実施例1〜3と比較例3との比較から、表層(A)の少なくとも一方のゲル分率を本発明の範囲とすることにより、高周波シール性を損ねることなく、レトルト処理後もシール部の剥離が生じない高いシール強度が実現できることが確認できた。
さらに、実施例4〜6と比較例6との比較から、水バリア層(B)とガスバリア層(C)の層間剥離強度を2以上とすることにより、レトルト処理後もシール部の剥離が生じない高いシール強度も実現できることが確認できた。
Figure 0004721446
Figure 0004721446
Figure 0004721446
本発明の被高周波シール多層フィルムは、高速での高周波シール性に優れ、且つ耐熱性、バリア性、耐ピンホール性を兼ね備えるので、各種包装材料に用いることができる。
特に、密封が必要とされる種々の物品、とりわけ、ボイル、レトルト用魚肉、畜肉ハム・ソーセージ等の加熱処理を伴う食品等の包装材料に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも2層の表層(A)を有する被高周波シール多層フィルムであって、
    表層(A)が、23℃における20〜50MHzの周波数での誘電正接(tanδ)が0.02〜0.5で、融点が70〜120℃の範囲にあるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体70〜30重量%と、ポリエチレン系樹脂30〜70重量%とを含有する樹脂組成物からなり、
    表層(A)の少なくとも一方のゲル分率が、1〜10重量%である被高周波シール多層フイルム。
  2. 少なくとも表層(A)/水バリア層(B)/ガスバリア層(C)/水バリア層(B)/表層(A)の5層をこの順で含み、以下の条件(1)〜(4)を満たす被高周波シール多層フィルム;
    (1)表層(A)が、23℃における20〜50MHzの周波数での誘電正接(tanδ)が0.02〜0.5で、融点が70〜120℃の範囲にあるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体70〜30重量%と、ポリエチレン系樹脂30〜70重量%とを含有する樹脂組成物からなり、
    (2)表層(A)の少なくとも一方のゲル分率が、1〜10重量%であり、
    (3)水バリア層(B)が、密度0.910〜0.960g/cm3、融点100〜130℃のポリエチレン系樹脂からなり、
    (4)ガスバリア層(C)が、ポリアミド系樹脂からなる。
  3. 前記ガスバリア層(C)のポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドの混合物である請求項2記載の被高周波シール多層フィルム。
  4. 前記水バリア層(B)と前記ガスバリア層(C)の層間剥離強度が、2〜10N/cm巾である請求項2又は3記載の被高周波シール多層フィルム。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の多層フィルムからなる高周波シールされたフィルムケーシング又はその包装体。
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