JP4719455B2 - 直接核酸増幅方法用生体試料処理液および直接核酸増幅方法 - Google Patents

直接核酸増幅方法用生体試料処理液および直接核酸増幅方法 Download PDF

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Description

本発明は、直接核酸増幅方法に用いられる生体試料処理液および直接核酸増幅方法に関する。
近年の遺伝子工学及び分子生物学などの分野の進歩により、感染症や遺伝子疾患などについて、DNA又はRNAレベルで診断することが可能になった。特に、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)法などの核酸増幅法により、検出が非常に困難であった生物試料中の核酸の検出が可能となり、遺伝子解析が飛躍的に容易なものとなった。
PCR法は、DNA鎖の1本鎖への解離、DNA鎖の中の特定の領域に相対するプライマーの結合、DNAポリメラーゼによるDNA合成反応を繰り返すことによって、標的のDNA断片を指数的に増幅できる方法である。また、PCR法以外にも、RT-PCR法、NASBA(nucleic acid sequence based amplification)法、LAMP(loop mediated isothermal amplification of DNA)法、TMA(Transcription Mediated Amplification method)法及び3SR法などの核酸増幅法がある。
上記のような核酸増幅法における核酸の増幅反応は、生体試料に含まれるタンパク質などの核酸の増幅反応を阻害する物質(以降、阻害物質と省略する)の影響を受けやすく、このような阻害物質により核酸の増幅反応が阻害される。そのため、一般的に、核酸増幅法を利用して核酸を検出する際は、生体試料からDNAやRNAといった核酸成分を抽出精製する作業が必要とされている。しかし、そのような核酸成分を抽出精製する作業は煩雑で時間を要する。核酸成分を抽出精製する作業を省略して、標的核酸を増幅することができる方法としては、特許文献1や特許文献2に記載の方法が知られている。
特許文献1には、阻害物質と相互に作用する塩を含む溶液で生体試料を処理することで阻害物質の影響を低減させて標的核酸を増幅する方法が記載されている。
また、特許文献2には、糞便のような被検試料に存在する微生物を試料とする核酸の酵素的増幅方法において、有機溶媒で被検試料を洗浄して、核酸の酵素的合成反応を阻害する物質を除去することが記載されている。具体的には、被検試料が糞便の場合、まず糞便を適当な緩衝液に懸濁し、大きな固形物を除去するために遠心分離を行って上清を分取し、得られた上清に対して遠心分離を行い、上清を捨てて残った沈殿に有機溶媒を加えて再度遠心分離を行って洗浄を実施し、微生物を沈殿として回収し、核酸増幅用の試料とすることが記載されている。そして、特許文献2には、有機溶媒として、エタノール、メタノール、2−プロパノール、プロパノン(アセトン)、エタンニトリル(アセトニトリル)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの親水性有機溶媒やブタノール、2−ブタノール、酢酸エチルなどの両親媒性の有機溶媒を利用することができると記載されている。また、特許文献2には、被検試料が外科的に生体から取り出した組織であっても良いこと、組織のような固形試料にあたっては洗浄を助けるためにホモジナイズすることが望ましいこと、増幅の対象となる核酸が病原性微生物の遺伝子や生体由来の遺伝子など特に限定されないことが記載されている。
しかしながら、特許文献2の方法においては、被検試料として組織を使用し、その組織に存在する微生物の核酸ではなく、組織に由来する核酸を増幅しようとする場合、ホモジナイズした組織を上記で示したような有機溶媒で洗浄した際に、阻害物質とともに目的とする核酸も洗浄されてしまい、回収できる核酸が減少してしまうという問題が生じる。
国際公開第03/060116号パンフレット
国際公開第00/08136号パンフレット
本発明の目的は、リンパ節や臓器などの組織に由来する核酸成分を抽出精製することなく核酸増幅を行う直接核酸増幅方法において、核酸増幅時の阻害物質の影響を効果的に低減することができる直接核酸増幅方法用生体試料処理液、この生体試料処理液を用いた直接核酸増幅方法を提供することである。
上記の課題に鑑み本発明は、ジメチルスルホキシドおよび界面活性剤を含有するpH2.5〜5.0の水溶液からなる生体試料処理液であって、生体から採取した組織を生体試料処理液中で破砕処理して得られた組織破砕液からRNAを含む核酸成分を抽出精製することなく核酸増幅反応用試料を調製し、核酸増幅反応用試料中の核酸成分における標的核酸配列をRT−LAMP法又はRT−PCR法により増幅する直接核酸増幅方法に用いられる直接核酸増幅方法用生体試料処理液を提供する。
また、本発明は、生体から採取した組織に含まれる核酸成分における標的核酸配列を、核酸成分の抽出精製を行うことなく増幅する直接核酸増幅方法であって、ジメチルスルホキシドおよび界面活性剤を含有する酸性の水溶液からなる生体試料処理液中で生体から採取した組織を破砕処理する工程、および得られた組織破砕液からRNAを含む核酸成分を抽出精製することなく核酸増幅反応用試料を調製し、核酸増幅反応用試料中の核酸成分における標的核酸配列をRT−LAMP法又はRT−PCR法により増幅する工程、を含む直接核酸増幅方法を提供する。
本発明の直接核酸増幅方法用生体試料処理液は、阻害物質の影響を低減するためにジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する。この生体試料処理液組織を破砕処理して得られた組織破砕液からRNAを含む核酸成分を抽出精製することなく調製される核酸増幅反応用試料を用いることにより、組織に由来する核酸であっても効率良く回収することができ、且つ核酸増幅時の阻害物質の影響を効果的に低減することができる。

本実施形態の生体試料処理液は、阻害物質の影響を低減するためにジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する水溶液である。この生体試料処理液を用いて生体試料を処理して核酸増幅用試料を調製し、この核酸増幅反応用試料を核酸の増幅反応に用いることにより、組織に由来する核酸であっても効率良く回収することができ、且つ核酸増幅時の阻害物質の影響を効果的に低減することができる。
生体試料処理液に含まれるDMSOの濃度としては、1〜50%(v/v)が好ましく、5〜30%(v/v)がより好ましく、10〜25%(v/v)がさらに好ましい。このようなDMSOの濃度の生体試料処理液を用いて生体試料を処理して核酸増幅用試料を調製し、この核酸増幅反応用試料を核酸の増幅反応に用いることにより、核酸増幅反応における酵素の活性が低下するおそれを低減し、且つ核酸増幅時の阻害物質の影響を効果的に低減することができる。
また、核酸増幅反応用試料に含まれる核酸の量を増加させるために、前記生体試料処理液には、さらに界面活性剤を含有することが望ましい。ここで、生体試料処理液に含まれる界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましい。さらに、非イオン性界面活性剤の中でもポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤が好ましい。特に、次のような一般式
R1−R2−(CHCHO)n−H
(ここで、R1は炭素数10〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、イソオクチル基;R2は−O−又は−(C)−O−;nは8〜120の整数)
で表されるポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤がより好ましく、このようなものとしては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。なお、生体試料処理液に含まれる界面活性剤の濃度は、使用する界面活性剤の種類に応じて好適な濃度を選択することが望ましい。例えば、生体試料処理液に含まれる非イオン性界面活性剤の濃度は0.1〜6%(v/v)が好ましく、1〜5%(v/v)がより好ましい。さらに、前記生体試料処理液は、界面活性剤と共に消泡剤を含有してもよい。
また、核酸増幅反応用試料に含まれる核酸の分解を防ぐために、酸性の生体試料処理液を用いることが望ましい。生体試料処理液のpHとしては、2.5〜5.0が好ましく、3.0〜4.0がより好ましい。さらに、前記pHを一定に保つために、公知の緩衝液を用いることができる。
生体試料としては、例えば、ヒト又は動物から採取したリンパ節などの組織、全血、血漿、血清、尿、唾液、体液、分泌物などが挙げられる。さらに、ヒト又は動物から採取した組織や細胞を培養して得られる培養組織や培養細胞も挙げられる。また、植物や微生物などの非動物由来の試料も挙げられる。
核酸増幅反応用試料とは、生体試料と生体試料処理液とを混合して得られる試料であり、核酸の増幅反応において鋳型となる核酸を含む。核酸増幅反応用試料は、核酸増幅反応用の試薬類と混合されて核酸の増幅反応に使用される。核酸増幅反応用の試薬類には、デオキシリボヌクレオチド3リン酸、DNAポリメラーゼやRNA逆転写酵素などの酵素、少なくとも1種類のプライマー、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液などが含まれる。なお、生体試料と生体試料処理液とを混合して核酸増幅反応用試料を調製する際には、標的核酸を含有する細胞を破砕する又は溶解するなどして、細胞内の核酸成分を溶液中に移行させる。特に、組織などの固形試料を生体試料として用いる場合は、生体試料と生体試料処理液とを混合して核酸増幅反応用試料を調製する際に、ホモジナイザーやブレンダーなどを用いて試料を均質化させることが望ましい。また、細胞破砕物などの比較的大きな夾雑物を除去するために、核酸増幅反応用試料を調製する際に、必要に応じて均質化した試料に対してろ過や遠心分離などの処理を施してもよい。
標的核酸としては、特に限定されず、生体由来のDNAおよびRNA、微生物のDNAおよびRNA、植物由来のDNAおよびRNAなどが挙げられる。
阻害物質とは、核酸の増幅反応を阻害する物質のことをいい、例えば、生体試料に含まれるタンパク質、脂質、糖類などが挙げられる。そして、生体試料から調製される核酸増幅反応用試料に阻害物質が含まれていると、核酸の増幅反応は阻害物質の影響を受け、阻害される。
なお、阻害物質の影響については、核酸増幅反応用試料に含まれる阻害物質の濃度を低下させることによりその影響を低減させることができる。阻害物質の濃度を低下させる方法としては、核酸増幅反応用試料の希釈が挙げられる。しかし、核酸増幅反応用試料の希釈により、核酸増幅反応用試料に含まれる標的核酸の濃度も低下する。特に、試料中の標的核酸の量が少ない場合、高倍率で希釈することにより核酸増幅反応用試料に含まれる核酸の濃度が微量となり、その結果、核酸の増幅に長時間を要する、核酸の増幅量が検出限界を下回る、核酸が増幅されない、などの問題が生じる。そこで、本実施形態のDMSOを含有する生体試料処理液を用いることにより、核酸増幅反応用試料を高倍率で希釈しなくても、核酸増幅反応用試料に含まれる阻害物質による影響を低減させることができる。なお、阻害物質の影響を効果的に低減させて核酸を増幅するのに最適な希釈倍率は、使用する生体試料の量や種類によって異なる。ゆえに、生体試料処理液を用いて生体試料から核酸増幅反応用試料を調製する際には、使用する生体試料の量や種類に応じて好適な希釈倍率を選択することが望ましい。なお、希釈には生体試料処理液を用いることができる。
本実施形態の生体試料処理液を用いて生体試料から調製される核酸増幅反応用試料は、公知の核酸増幅法に用いることができる。例えば、PCR法、RT-PCR(Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)法、LAMP法、RT-LAMP(Reverse Transcription- loop mediated isothermal amplification of DNA)法、TMA法、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)法、3SR法、SDA(Standard Displacement Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法などの核酸増幅法が挙げられる。さらに、RCA(Rolling Circle Amplification)法、INVADER法、CPT(Cycling Probe Technology)法、PALSAR(Probe alternation link self‐assembly reaction)法などの核酸増幅法の一種であるシグナル増幅法も挙げられる。シグナル増幅法では、標的核酸そのものが増幅されるのではなく、標的核酸に相補的な特定の塩基配列が増幅される。なお、核酸増幅法としては、PCR法、RT-PCR法、LAMP法、RT-LAMP法が好ましく、また、迅速に核酸を増幅する観点から、特にLAMP法、RT-LAMP法が好ましい。
なお、増幅された標的核酸を検出する方法は、特に限定されず、公知の方法によって検出することができる。例えば、アガロースゲル電気泳動法、蛍光標識を使用したプローブにより検出するリアルタイム検出法、DNA合成の際の副生成物の濁りによる検出など、必要に応じて酵素による切断パターンの確認や、直接シークエンス解析で塩基配列を決定する方法、その他多くの方法を用いることができる。また、非特異的な増幅バンドが多くて特異バンドの判別が困難な場合は、標的とする増幅域内のプローブを用いたサザンブロット法などにより特異バンドを確認することができる。なお、標的核酸を検出する方法としては、迅速に核酸を検出する観点から、特に、蛍光標識を使用したプローブにより検出するリアルタイム検出法やDNA合成の際の副生成物の濁りにより検出する方法が好ましい。
本実施形態の生体試料処理液は、核酸増幅法を利用して疾患の有無を判断する臨床検査の場において広く用いることができる。そのような疾患としては、例えば、感染症、遺伝子関連の疾患、癌などが挙げられる。
癌細胞は、原病巣部位を離れて、血流やリンパ系を経由して全身に転移する。癌の手術では、できるだけ確実に病巣を取り除くことが必要であるため、転移を正確に検出し、転移の度合いに応じて適切な処置をすることが要求される。このため、術中のリンパ節への癌転移診断は極めて重要な意義を有している。例えば、乳癌などは、QOL(生活の質:Quality of life)の向上のため、手術におけるリンパ節郭清範囲は可能な限り小さくすることが望ましい。また、食道癌では、リンパ節転移の部位により開腹、開胸、頚部切開の選択が必要になる。前立腺癌では、リンパ節転移があれば摘出手術は中止し、ホルモン療法を行うなどの手術の続行あるいは中止の意思決定がなされる。さらに、胃癌では、リンパ節への癌転移の有無により郭清範囲が異なり、術式が大きく変動し、術後の治療方針の指針、例えば抗癌剤の投与あるいは放射線療法の選択の指針となる。このような場合に、術中に採取した生体組織を用いて癌転移を迅速に診断することができれば、短い時間の手術においてもリンパ節郭清範囲決定、術式の変更、補充療法の選択などを行うことができ、患者にとって最適な治療を受けることが可能となる。さらに、術中の患者への負担を軽減することが可能となる。
本実施形態の生体試料処理液を用いれば、核酸の抽出精製を行うことなく迅速に生体試料から核酸増幅反応用試料を調製することができる。従って、術中に核酸増幅法を用いて癌転移の診断を行い場合のような迅速性の要求される診断の際に、本実施形態の生体試料処理液は特に有効に用いられる。
なお、癌の指標となるような核酸としては、サイトケラチン18、サイトケラチン19、サイトケラチン20などのサイトケラチン類の核酸、CEA(癌胎児性抗原)、PSA(前立腺特異抗原)、CA15-3(carbohydrate antigen 15-3)などの腫瘍マーカーが挙げられる。
(実施例1)
本例は、生体試料処理液に含有されるDMSOの効果について検討したものである。本例では、DMSOを含有する生体試料処理液を用いて生体試料から核酸増幅反応用試料を調製し、調製した核酸増幅反応用試料と核酸増幅反応用の試薬を用いてRT-LAMPを実施した。
生体試料としては、市販の培養細胞であるMolt-4細胞を用いた。Molt-4細胞は、急性リンパ芽球性白血病のヒト由来継代腫瘍細胞である。
生体試料処理液としては、DMSOの濃度が0%(v/v)、5%(v/v)、10%(v/v)又は20%(v/v)と異なる4種類の生体試料処理液を用いた。以下に生体試料処理液の組成を示す。なお、前記生体試料処理液は、界面活性剤としてポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルであるシグマアルドリッチジャパン株式会社製 Brij35を含む。また、消泡剤として信越化学工業株式会社製 KS-538を含む。
試薬組成(生体試料処理液)
グリシン緩衝液(pH3.0) 200mM
DMSO 0〜20%(v/v)
Brij35 5%(v/v)
KS-538 0.05%(v/v)
標的核酸をβ-アクチンのRNAとし、RT-LAMP法による核酸増幅を実施した。β-アクチンは、全ての細胞において一定量発現している。
核酸増幅反応用の試薬として、反応液、酵素試薬及び配列番号1〜6に示す6種類のプライマーを含むプライマー試薬を用いた。各試薬の組成を以下に示す。
試薬組成(反応液)
750mM トリス緩衝液(pH8.0) 1.00μL
10×Thermopol緩衝液
(ニューイングランドバイオラボラトリー社製) 2.50μL
10mM dNTPs 2.00μL
100mM MgSO4 0.75μL
100mM ジチオスレイトール 1.25μL
2% Tergitol(シグマアルドリッチジャパン株式会社製) 2.50μL
H2O 3.97μL

全量 13.97μL
試薬組成(酵素試薬)
10U/μL AMV逆転写酵素(プロメガ株式会社製) 0.14μL
8U/μL Bst DNAポリメラーゼ
(ニューイングランドバイオラボラトリー社製) 2.27μL
RNase inhibitor(プロメガ株式会社製) 0.63μL

全量 3.04μL
試薬組成(プライマー試薬)
80pmol/μL forward inner primer(配列番号1) 1.00μL
80pmol/μL reverse inner primer(配列番号2) 1.00μL
5pmol/μL forward outer primer(配列番号3) 1.00μL
5pmol/μL reverse outer primer(配列番号4) 1.00μL
60pmol/μL forward loop primer(配列番号5) 1.00μL
60pmol/μL reverse loop primer(配列番号6) 1.00μL

全量 6.00μL
(1)核酸増幅反応用試料の調製
Molt-4細胞300mgに生体試料処理液4mLを添加し、株式会社マイクロテック・ニチオン製のホモジナイザーを用いて、25,000rpmで90秒間細胞を破砕して均質化した。そして、均質化した溶液を遠心分離(10,000×g、1分間)し、上清を得た。このようにして得られた上清を1倍希釈の核酸増幅反応用試料とし、さらに、生体試料処理液を用いて1倍希釈の試料を希釈して、2倍希釈、4倍希釈、8倍希釈、10倍希釈および16倍希釈と希釈倍率の異なる増幅反応用の試料を調製した。
(2)RT-LAMP法による核酸の増幅
標的核酸をβ-アクチンのRNAとし、RT-LAMP法による核酸増幅を実施した。まず、反応液13.97μL、酵素試薬3.04μL、プライマー試薬6.00μLを混合し、試薬混合液を調製した。そして、前記各核酸増幅反応用試料2μLに対して、試薬混合液を23μLずつ混合し、65℃で30分間反応させた。なお、増幅した核酸の検出には、テラメックス株式会社製 Loopampリアルタイム濁度測定装置(LA-200)を用いた。この装置は、予め設定した温度での核酸増幅反応を行い、同時に増幅副産物であるピロリン酸マグネシウムの白濁を検出することにより、核酸増幅反応をリアルタイムにモニターすることができる。本例では、温度を65℃に設定し、核酸増幅反応用試料と核酸増幅反応用の試薬とを混合してから30分間の吸光度を測定した。
図1は、各試料における吸光度が0.1に達するまでの時間を棒グラフで示したものである。縦軸は、吸光度(Abs 650nm)が0.1に達するまでの時間(分)を示している。なお、棒グラフ上部に付いている黒塗りの三角印は、反応時間(30分)内に吸光度が0.1に達しなかったことを示す。横軸は、希釈倍率を示している。各希釈率における各試料の棒グラフは、左から、DMSOの濃度が0%の生体試料処理液を用いた場合、DMSOの濃度が5%の生体試料処理液を用いた場合、DMSOの濃度が10%の生体試料処理液を用いた場合、DMSOの濃度が20%の生体試料処理液を用いた場合である。
図1において、比較的希釈倍率が低い試料(1倍希釈、2倍希釈、4倍希釈)では、DMSOを含有しない生体試料処理液を用いた場合(つまりDMSOの濃度が0%の場合)よりも、DMSOを含有する生体試料処理液を用いた場合(つまりDMSOの濃度が5%、10%および20%の場合)の方が、吸光度が0.1に達するまでの時間が短いことがわかる。ここで、試料中の阻害物質の含有量は、希釈倍率が低いほど高くなる。以上のことから、生体試料処理液にDMSOを添加することにより、試料中の阻害物質の影響が低減されると考えられる。
さらに、DMSOの濃度が5%、10%および20%の場合における吸光度が0.1に達するまでの時間をそれぞれ比較すると、DMSOの濃度が20%の場合が、低い希釈倍率における時間が最も短いことがわかる。特に、1倍希釈の場合であっても、吸光度が0.1に達するまでの時間が約22分と非常に短いことがわかる。これより、DMSOの濃度が20%の場合、より効果的に試料中の阻害物質の影響が低減されると考えられる。
なお、図1において、比較的希釈倍率が高い試料(8倍希釈、10倍希釈、16倍希釈)では、DMSOを含有しない生体試料処理液を用いた場合であっても、吸光度が0.1に達する時間がDMSOを含有する場合と同程度に短くなっていることがわかる。これは、高い希釈倍率による希釈により、試料に含まれる阻害物質の濃度が低下し、それに伴って阻害物質の影響が低減されるためであると考えられる。
(実施例2)
本例は、様々な種類の組織を生体試料として、DMSOを含有する生体試料処理液を用いたRT-LAMPを実施した。
生体試料としては、1個体のマウスから摘出した9種類の組織(リンパ節、卵巣、腎臓、肺、肝臓、心臓、脾臓、胃、結腸)を用いた。
生体試料処理液としては、20%(v/v)DMSOを含む以下のような組成の緩衝液を用いた。
試薬組成(生体試料処理液)
グリシン緩衝液(pH3.0) 200mM
DMSO 20%(v/v)
Brij35 5%(v/v)
KS-538 0.05%(v/v)
標的核酸をグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のRNAとし、RT-LAMP法による核酸増幅を実施した。GAPDHは、全ての細胞において一定量発現している。
核酸増幅反応用の試薬としては、実施例1で用いた反応液、実施例1で用いた酵素試薬、及び以下に組成を示したような配列番号7〜12に示す6種類のプライマーを含むプライマー試薬を用いた。
試薬組成(プライマー試薬)
80pmol/μL forward inner primer(配列番号7) 1.00μL
80pmol/μL reverse inner primer(配列番号8) 1.00μL
5pmol/μL forward outer primer(配列番号9) 1.00μL
5pmol/μL reverse outer primer(配列番号10) 1.00μL
60pmol/μL forward loop primer(配列番号11) 1.00μL
60pmol/μL reverse loop primer(配列番号12) 1.00μL

全量 6.00μL
(1)核酸増幅反応用試料の調製
各組織300mgに生体試料処理液4mLをそれぞれ添加し、株式会社マイクロテック・ニチオン製のホモジナイザーを用いて、25,000rpmで90秒間細胞を破砕して均質化した。そして、均質化した各溶液を遠心分離(10,000×g、1分間)し、得られた各上清を生体試料処理液でそれぞれ10倍希釈し、それらを核酸増幅反応用試料として用いた。
(2)RT-LAMP法による核酸の増幅
本例では標的核酸をグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のRNAとし、RT-LAMP法による核酸増幅を実施した。まず、反応液13.97μL、酵素試薬3.04μL、プライマー試薬6.00μLを混合し、試薬混合液を調製した。そして、前記各核酸増幅反応用試料2μLに対して、試薬混合液を23μLずつ混合し、65℃で30分間反応させた。なお、増幅した核酸の検出には、テラメックス株式会社製 Loopampリアルタイム濁度測定装置(LA-200)を用いた。本例では、温度を65℃に設定し、核酸増幅反応用試料と核酸増幅反応用の試薬とを混合してから30分間の吸光度を測定した。また、核酸増幅反応用試料の代わりにアプライドバイオシステム社製 Rodent Total RNAを用いた場合をポジティブコントロールとし、核酸増幅反応用試料の代わりに前記生体試料処理液を用いた場合をネガティブコントロールとした。
図2〜図10は、各組織におけるGAPDH cDNAの増幅を示したグラフである。いずれの図においても、縦軸は吸光度(Abs 650nm)を、横軸は時間(分)を示している。図2はリンパ節を、図3は卵巣を、図4は腎臓を、図5は肺を、図6は肝臓を、図7は心臓を、図8は脾臓を、図9は胃を、図10は結腸を生体試料として用いた場合の結果である。なお、各図において、黒塗りの丸印のグラフは各組織のグラフを、白抜きの丸印はポジティブコントロールのグラフを、黒塗りの三角印はネガティブコントロールのグラフを示す。
図2〜図10より、生体試料として用いたいずれの組織についても、cDNA増幅の立ち上がり時間や増幅したcDNA量は、ポジティブコントロールと類似する結果となった。ポジティブコントロールには、阻害物質が含まれていない。以上のことから、いずれの組織についても生体試料処理液を用いることで阻害物質の影響を低減させて標的核酸を増幅することができることが分かった。
(実施例3)
本例は、20%(v/v)DMSOを含有する生体試料処理液を用いて生体試料から核酸増幅反応用試料を調製し、調製した核酸増幅反応用試料と市販の試薬を用いてRT-PCRを実施した。
生体試料としては、臨床的に癌転移が認められているヒトリンパ節(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を用いた。さらに、ネガティブコントロールとして正常なヒトリンパ節(F)、(G)及び(H)を用いた。
生体試料処理液としては、実施例2と同様の生体試料処理液を用いた。
標的核酸をサイトケラチン19(CK19)のRNAとし、RT-PCR法による核酸増幅を実施した。CK19は、上皮性細胞で発現されているが、癌転移が認められているリンパ節などの組織でも発現されており、さらに、正常組織と癌組織ではその発現量に差あることが知られている。なお、本例では、配列番号13〜15に示す3種類のプライマーを用いた。
アプライドバイオシステム社製 TaqMan One-step RT-PCR Master Mix Reagents及びアプライドバイオシステム社製 リアルタイム定量PCR装置(ABI PRISMR 7700)を用いてRT-PCRを実施した。TaqMan One-step RT-PCR Master Mix Reagentsは、2×Master Mixと40×RNase inhibitor Mixより構成されるRT-PCR用の試薬キットである。また、ABI PRISMR 7700は、予め設定した温度および時間で核酸増幅反応を行い、核酸の増幅に対応して増大する蛍光強度を検出することにより、増幅した核酸を定量することができる。
(1)核酸増幅反応用試料の調製
生体試料(A)〜(H)300mgに生体試料処理液4mLを添加し、株式会社マイクロテック・ニチオン製のホモジナイザーを用いて、25,000rpmで90秒間細胞を破砕して均質化した。そして、均質化した溶液を遠心分離(10,000×g、1分間)し、得られた上清を生体試料処理液で10倍希釈し、これを粗製mRNA試料(A)〜(H)とした。また、QIAGEN社製 Rneasy Mini Kitを用いて、前記上清からmRNAを抽出精製し、それを精製mRNA試料(A)〜(H)とした。なお、前記上清からmRNAを抽出精製して精製mRNA試料を調製するのに要する時間はおよそ60分である。
(2)RT-PCR法による核酸の増幅
本例では、(1)で調製した粗製mRNA試料(A)〜(H)および精製mRNA試料(A)〜(H)を核酸増幅反応用試料としてRT-PCRを実施した。まず、Master Mix、RNase inhibitor Mix及び3種類のプライマーを含む反応液を調製し、調製した反応液と核酸増幅反応用試料とを混合し、PT-PCRを実施する。RT-PCR反応は、48℃で30分間逆転写反応を行い、95℃で10分間保持した後に、95℃で15秒間及び60℃で1分間の操作を40サイクル行った。なお、Master Mix、RNase inhibitor Mix及び3種類のプライマーを含む反応液は、核酸増幅反応用試料と混合した後、最終的な組成が1×Master Mix、1×RNase inhibitor Mix、300nM forward primer(配列番号13)、300nM reverse primer(配列番号14)、200nM Taq Man Probe(配列番号15)となるように調製した。
表1
Figure 0004719455
表1は、各試料において増幅反応によって増幅したCK19のcDNA量(copy/reaction)を示している。なお、表中のcDNA量(copy/reaction)は前記増幅反応終了後の混合液中に含まれるCK19 cDNAのコピー数を示す。また、表中のNDとはcDNA量が102(copy/reaction)未満のものを示し、この程度のcDNA量の場合、標的核酸は増幅されなかったものと考えられる。
表1より、RT-PCRにより増幅されたCK19 cDNA量について、粗製mRNA試料(A)を用いた場合と精製mRNA試料(A)を用いた場合とを比較すると、それぞれ非常に類似する結果となった。さらに、(B)〜(E)に関しても(A)の場合と同様であり、増幅されたCK19 cDNA量は、粗製mRNA試料を用いた場合と精製mRNA試料を用いた場合とでは、それぞれ非常に類似する結果となった。これより、粗製mRNA試料を核酸増幅反応用試料として用いる場合であっても、精製mRNA試料を用いる場合と同程度の量の増幅産物を得ることができるということがわかった。なお、ネガティブコントロールとして用いた生体試料(F)〜(H)に関しては、いずれの場合もCK19 cDNAの増幅は確認されなかった。
(実施例4)
本例では、界面活性剤を含有する生体試料処理液を用いて生体試料から核酸増幅反応用試料を調製し、調製した核酸増幅反応用試料に含まれるRNAの量を測定した。
同一系統のマウス(MRLマウス)4個体から採取したリンパ節をそれぞれ生体試料として用いた。また、生体試料処理液としては、DMSO及び界面活性剤を含有する(I)〜(IV)の生体試料処理液を用いた。以下に生体試料処理液の組成を示す。なお、各生体試料処理液は、含有する界面活性剤の種類または濃度が異なっており、生体試料処理液(I)はポリオキシエチレン(9)イソオクチルフェニルエーテルであるNonidet P-40を1%(v/v)含有するものであり、生体試料処理液(II)はポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルであるBrij35を1.5%(v/v)含有するものであり、生体試料処理液(III)はBrij35を3%(v/v)含有するものであり、生体試料処理液(IV)はBrij35を5%(v/v)含有するものである。
試薬組成(生体試料処理液)
グリシン緩衝液(pH3.0) 200mM
DMSO 20%(v/v)
界面活性剤 1〜5%(v/v)
KS-538 0.05%(v/v)
(1)核酸増幅反応用試料の調製
各マウスリンパ節に生体試料処理液(I)(II)(III)又は(IV)を添加し、株式会社マイクロテック・ニチオン製のホモジナイザーを用いて、25,000rpmで90秒間細胞を破砕して均質化した。そして、均質化した各溶液を遠心分離(10,000×g、1分間)し、得られた各上清を核酸増幅反応用試料とした。なお、本例では、生体試料0.075mgに対して生体試料処理液約1μLの割合になるように各試料を調製した。
(2)RNAの抽出
QIAGEN社製 Rneasy Mini Kitを用いて(1)で得られた核酸増幅反応用試料に含まれるRNAを抽出した。
(3)RNA量の定量
上記の方法で得られたRNA抽出液を、前記生体試料処理液で10倍希釈し、その希釈試料の吸光度(Abs 280nm)を測定することによりRNA量を定量した。その結果を表2に示した。
表2
Figure 0004719455
表1は、各リンパ節(mg)と各生体試料処理液(μL)とを混合した場合、最終的に得られた各試料におけるRNAの量(μg/mL)を示したものである。表中の(I)は生体試料処理液(I)を、(II)は生体試料処理液(II)を、(III)は生体試料処理液(III)を、(IV)は生体試料処理液(IV)をそれぞれ生体試料処理液として用いた場合である。
表1より、生体試料処理液(I)を用いた場合は71(μg/mL)、生体試料処理液(II)を用いた場合は122(μg/mL)、生体試料処理液(III)を用いた場合は97(μg/mL)、生体試料処理液(IV)を用いた場合は115(μg/mL)と、いずれも核酸の増幅反応に十分な量のRNAが含まれることが分かった。
実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料としてリンパ節を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として卵巣を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として腎臓を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として肺を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として肝臓を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として心臓を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として脾臓を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として胃を用いた場合の結果を示すグラフである。 実施例2における生体試料として結腸を用いた場合の結果を示すグラフである。

Claims (16)

  1. ジメチルスルホキシドおよび界面活性剤を含有するpH2.5〜5.0の水溶液からなる生体試料処理液であって、生体から採取した組織を生体試料処理液中で破砕処理して得られた組織破砕液からRNAを含む核酸成分を抽出精製することなく核酸増幅反応用試料を調製し、核酸増幅反応用試料中の核酸成分における標的核酸配列をRT−LAMP法又はRT−PCR法により増幅する直接核酸増幅方法に用いられる直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  2. 1〜50%(v/v)ジメチルスルホキシドを含有する請求項1に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  3. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である請求項1または請求項2に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  4. 前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤である請求項3に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  5. 前記組織がリンパ節である請求項1〜のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  6. 前記生体が癌患者であり、前記標的核酸配列が腫瘍マーカーの核酸配列である請求項1〜5のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  7. 前記核酸増幅反応用試料がデオキシリボヌクレオチド3リン酸、RNA逆転写酵素、DNAポリメラーゼ及び少なくとも1種類のプライマーを含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  8. 前記核酸増幅反応用試料がRNaseインヒビターを含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法用生体試料処理液。
  9. 生体から採取した組織に含まれる核酸成分における標的核酸配列を、核酸成分の抽出精製を行うことなく増幅する直接核酸増幅方法であって、
    ジメチルスルホキシドおよび界面活性剤を含有する酸性の水溶液からなる生体試料処理液中で生体から採取した組織を破砕処理する工程、および
    得られた組織破砕液からRNAを含む核酸成分を抽出精製することなく核酸増幅反応用試料を調製し、核酸増幅反応用試料中の核酸成分における標的核酸配列をRT−LAMP法又はRT−PCR法により増幅する工程、を含む直接核酸増幅方法。
  10. 前記生体試料処理液に含まれるジメチルスルホキシドの濃度が1〜50%(v/v)である請求項に記載の直接核酸増幅方法。
  11. 前記核酸増幅反応用試料が、デオキシリボヌクレオチド3リン酸、RNA逆転写酵素、DNAポリメラーゼ及び少なくとも1種類のプライマーを含有する請求項又は請求項10に記載の直接核酸増幅方法。
  12. 前記核酸増幅反応用試料がRNaseインヒビターを含有する請求項11のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法。
  13. 前記核酸増幅反応用試料が、前記組織破砕液を遠心分離して得られた上清を含有する請求項12のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法。
  14. 前記生体試料処理液のpHが2.5〜5.0である請求項13のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法。
  15. 前記組織がリンパ節である請求項14のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法。
  16. 前記生体が癌患者であり、前記標的核酸配列が腫瘍マーカーの核酸配列である請求項15のいずれか一項に記載の直接核酸増幅方法。
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