JP4717343B2 - 多孔性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、多孔性フィルム及びその製造方法に関する。詳しくは、水に濡れる前(ドライ時)は不透明な白色を示し、水に濡れた後(ウェット時)は透明化する多孔性フィルム及びその製造方法に関する。
近年、使い捨ておむつのバックシートとして、尿もれ防止とおむつかぶれ防止に効果のある多孔性フィルムが多く用いられてきている。この多孔性フィルムは、内部に微小な孔が無数に形成されており、これらの内部の界面で光が乱反射されるため、多孔性フィルムは不透明な白色を示す。このために、使い捨ておむつのバックシートに用いた場合、外からはおむつ内部の様子が見えにくくなっている。特に尿のような薄い色は判別しにくく、着用者が尿をしたかどうか外部からは視認しにくいという問題があった。そのため、実際おむつを外して手で確かめる必要があり、不便さを生じていた。
そこで、吸水すると透明化する白色の微粒子を、樹脂バインダーとともに紙などの親水性基材に固着させた素材が、尿の***を知らせるインジケータ手段として開示されている(特許文献1、特許文献2など参照)。この基材の裏面に印刷を施しておけば、水に濡れた際、表面の白色微粒子と基材が透明化し、裏面の印刷が透けて見える。これは、白色微粒子の屈折率が水に近く、水に濡れることで微粒子表面での光の乱反射が減少し透明化するという物理変化を利用している。
しかしながら、基材として用いられることが多い紙は硬い触感を有し、使い捨ておむつの様な肌に直接触れる用途には好ましくない。また、製造コストが高いため、使い捨ておむつの様な使い捨ての用途には適さない。さらに同上の理由により、表示面積を大きくできず、視認性に劣るという問題もあつた。
実開平3−58416号 特開平9−299401号
そこで、本発明は、水に濡れる前(ドライ時)は不透明な白色で、水に濡れれば(ウェット時)透明化する、低コストなフィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリオレフィン樹脂と充填剤の特定量からなる組成物に、特定量の親水剤を含むポリオレフィン樹脂組成物から得られた多孔性フィルムが、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の多孔性フィルムは、(A)ポリオレフィン樹脂25〜80重量%、(B)充填剤75〜20重量%からなる組成物100重量部に対して、親水剤0.1〜10重量部を含むポリオレフィン樹脂組成物からなるフィルムを、少なくとも一軸方向に延伸して得られるものである。
本発明において、前記親水剤が界面活性剤である多孔性フィルムは、好ましい態様である。
また、前記親水剤が脂肪酸エステル化合物である多孔性フィルムは、本発明の好ましい態様である。
また、前記脂肪酸エステル化合物がポリエチレングリコールと脂肪酸のエステルである多孔性フィルムは、本発明の好ましい態様である。
また、前記ポリエチレングリコールの平均分子量が150〜750である多孔性フィルムは、本発明の好ましい態様である。
さらに、前記脂肪酸の炭素数が12から16である多孔性フィルムは、本発明の好ましい態様である。
本発明により、ドライ時の全光線透過率が50%未満であり、ウェット時の全光線透過率が50%以上である前記多孔性フィルムからなる水検出用フィルムが提供される。
また、本発明により、ポリオレフィン樹脂(A)が25〜80重量%、充填剤(B)が75〜20重量%の割合になるように配合し、その100重量部に対して、親水剤0.1〜10重量部を添加した混合物を用いてフィルムを成形し、次いでそれを少なくとも一軸方向に延伸することからなる多孔性フィルムの製造方法が提供される。
本発明の多孔性フィルムは、従来のものに比べ格段に柔軟性が向上し、より廉価であって、ドライ時の全光線透過率が低く、ウェット時の全光線透過率が高い。そのため、従来と同等の尿などの水分検出機能を持ち、水検出用フィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の多孔性フィルムは、特定量のポリオレフィン樹脂、特定量の充填剤、及び特定量の親水剤を含む樹脂組成物を溶融成形してフィルムとなし、該フィルムを少なくとも一軸方向に延伸することにより製造することができる。
((A)ポリオレフィン樹脂)
本発明に使用されるポリオレフィン樹脂(A)は、例えばエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体及びそれらの共重合体を主成分とするものであり、具体的には、低密度ポリエチレン、線型低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。
これらのポリオレフィン樹脂(A)は、ツィーグラー触媒を用いて製造された樹脂であっても、また、メタロセン触媒の如きシングルサイト触媒を用いて製造された樹脂であってもよい。これらの内、ポリエチレン系樹脂が好ましく、特にエチレン−α−オレフィン共重合体である線型低密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンが好ましい。
また、フィルムの成形性、延伸性等を考慮すると、ポリオレフィン樹脂(A)のメルトインデックスは、0.5〜10g/10minの範囲であることが好ましい。
((B)充填剤)
充填剤(B)としては、無機充填剤や有機充填剤を用いることができる。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、タルク、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの内、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムが好ましい。廉価性等を勘案するとより好ましくは炭酸カルシウムである。有機充填剤としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、フェノール樹脂等の樹脂ビーズ等が好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)と充填剤(B)との組成比は、フィルムの成形性、延伸性、得られるフィルムのドライ時とウェット時の全光線透過率等に影響を及ぼす。充填剤の量が少ないと、ポリオレフィン樹脂と充填剤との界面剥離によって得られる微小な孔の数が少なくなり、ドライ時の光線透過率が高くなるため好ましくない。また、充填剤の量が多いと、フィルム成形する場合に成形不良を生じたり延伸性が低下したりして十分な延伸が行えなくなるので好ましくない。かかる観点から、ポリオレフィン樹脂(A)と充填剤(B)との組成比は、ポリオレフィン樹脂が25〜80重量%、充填剤が75〜20重量%であることが好ましい。より好ましくは、ポリオレフィン樹脂が30〜70重量%、充填剤が70〜30重量%であり、更に好ましくは、ポリオレフィン樹脂が30〜65重量%、充填剤が70〜45重量%である。
充填剤の平均粒径は20μm以下のものが好ましく、更に好ましくは10μm以下であり、0.5〜5μmのものが最も好ましい。
充填剤は、ポリオレフィン樹脂との分散性を向上させるために表面処理が施されたものであっても良い。表面処理剤としては、充填剤の表面を被覆することにより、その表面を疎水化できるものが好ましく、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸またはそれらの金属塩等を挙げることができる。
(親水剤)
本発明の多孔性フィルムは、ポリオレフィン樹脂(A)及び充填剤(B)からなる組成物に、親水剤を特定量含有させたポリオレフィン樹脂組成物からなることに特徴がある。
親水剤の量は、ウェット時の全光線透過率に影響を及ぼす。親水剤の添加量が少ないと、水に濡れた際に内部の孔に水が染み込みにくくなり、ウェット時の全光線透過率が低くなるため好ましくない。一方、親水剤の添加量が多いと、ウェット時の光線透過率は高くなるが、保管中に親水剤のブリードアウトが起こったり、押出性能が劣ったりするため、好ましくない。かかる点を考慮すると、親水剤量は、ポリオレフィン樹脂(A)及び充填剤(B)を含む組成物100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましい。より好ましくは0.5〜5重量部である。
前記親水剤としては、界面活性剤であることが好ましい、界面活性剤としては、陰イオン活性剤、陽イオン活性剤、非イオン活性剤、両性界面活性剤が挙げられるが、なかでも、非イオン活性剤が好ましい。
また前記親水剤としては、脂肪酸エステル化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましい。脂肪酸エステルとしては、例えば多価アルコールまたはポリ多価アルコールと脂肪酸とのエステルが挙げられる。また、多価アルコール、ポリ多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。脂肪酸としては、例えばヤシ脂肪酸、牛脂脂肪酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸などが挙げられる。これらのなかでは、保管中の親水剤のブリードアウト、使用時の親水剤の移行、フィルムの成形性を勘案すると、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルが最も好ましい。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルを構成するポリエチレングリコールの平均分子量は、保管時の親水剤のブリードアウト、使用時の親水剤の移行やフィルム成形性に影響を及ぼす。ポリエチレングリコールの平均分子量が小さくなりすぎると、保管中に親水剤がブリードアウトしやすくなり、経時的に変性しやすいので好ましくない。また、使用時も親水剤が移行しやすくなり、特に水分によって親水剤が洗い流されて、周囲に親水剤が拡散するため好ましくない。更に、溶融押出成形時に発煙が発生しやすくなるので好ましくない。ポリエチレングリコールの平均分子量が大きくなりすぎると、溶融押出成形時の押出量が低下しやすくなり、フィルム生産性が低下するため好ましくない。したがって、親水剤を構成するポリエチレングリコールの平均分子量は150から750であることが好ましい。さらには300から500であることが好ましい。平均分子量の測定は、公知の質量分析計により測定することができる。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、保管時の親水剤のブリードアウト、使用時の親水剤の移行やフィルム成形性に影響を及ぼす。脂肪酸の炭素数が小さくなりすぎると、保管中に親水剤がブリードアウトしやすくなり、経時的に変性するので好ましくない。また、使用時も親水剤が移行しやすく、特に水分によって親水剤が洗い流されやすく、周囲に親水剤が拡散するため好ましくない。更に、溶融押出成形時の押出性能も低下しやすいので好ましくない。脂肪酸の炭素数が大きくなりすぎると、親水性が低下しやすく、本発明のウェット時の全光線透過率を高くすることができないため好ましくない。したがって、脂肪酸の炭素数としては12から16であることが好ましい。
上記脂肪酸エステルの例として具体的には、松本油脂製薬(株)製 商品名「TB−202」「TB1259」や理研ビタミン(株)製 商品名「リケマール O−71−DE」などが挙げられる。
本発明の多孔性フィルムには、本発明の目的を妨げない範囲で、延伸助剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、分散剤等の他の添加剤を添加してもよい。
(多孔性フィルムの製造方法)
次に、本発明の多孔性フィルムの製造方法を例示する。
まず、前記ポリオレフィン樹脂(A)、充填剤(B)、前記親水剤、必要に応じてその他の添加剤をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合し、この混合物を一軸または二軸スクリュー型押出機に供給して混練してペレット化する。得られたペレットをポリオレフィン樹脂(A)の融点以上、好ましくは融点+20℃以上、分解温度未満の範囲の温度において、Tダイ等が装着された押出成形機、円形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて溶融、製膜する。必要によってはペレット化せず、直接成形機で製膜することも可能である。
製膜されたフィルムは、ロール法、テンター法、ギア法等の公知の方法により、室温からポリオレフィン樹脂(A)の軟化点(JIS K6760に規定される方法により測定した値)の範囲の温度で、少なくとも一軸方向に延伸を行い、ポリオレフィン樹脂と充填剤との界面剥離を起こさせることにより多孔性フィルムを製造する。
延伸は、一段で行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。延伸倍率は、延伸時のフィルム破れ、得られるフィルムのドライ時の全光線透過率に関係するので、倍率が高過ぎても低過ぎても好ましくない。かかる観点から、延伸倍率は少なくとも1軸方向に1.2〜6倍であることが好ましく、さらには1.4〜5倍であることが好ましい。
2軸延伸する場合は、最初に機械方向、またはそれと直角をなす方向に1軸延伸し、次いで、該方向と直角をなす方向に2軸目の延伸を行う方法、及び、機械方向、及びそれと直角をなす方向に同時に2軸延伸する方法がある。いずれの方法も適用できる。また、延伸した後、必要に応じて、得られた開孔の形態を安定させるために熱固定処理を行っても良い。熱固定処理としては、ポリオレフィン樹脂(A)の軟化点以上、融点未満の範囲の温度において、0.1〜100秒間熱処理する方法が挙げられる。
(多孔性フィルム)
本発明の多孔性フィルムには、必要に応じて印刷処理を行っても良い。特に尿の***を知らせるインジケータ手段として使用する際は、裏面に印刷処理を行うことで、ドライ時は印刷柄が見えないが、ウェット時は印刷柄が透けて見えるという効果を得ることが出来る。印刷はフレキソ印刷やグラビア印刷など特に制限はなく、使用するインキも油性、水性など特に制限はない。
また印刷柄にも特に制限はないが、ベタ印刷部は、その部分からフィルム内部の孔に水が染み込みにくくなり、ウェット時の透明化に時間がかかる傾向にある。逆にドット印刷部は、比較的そこからフィルム内部の孔に水が染み込み易く、短時間で透明化する。用途に応じて、ベタ印刷とドット印刷を使い分けることが好ましい。また、用途に応じて両面印刷を施し、表面と裏面との機能差を付けることも可能である。
本発明の多孔性フィルムは、必要に応じてその他の部材を積層して積層フィルムとしたり、多層押出工程にて多層フィルムしたりすることも可能である。フィルム、不織布、織布、ティッシュ、パルプなどの部材との積層化や、同種または異種原料を用いた多孔性フィルムとの多層化により機能付与をおこなっても良い。
本発明の多孔性フィルムは、極端に厚い場合はウェット時の全光線透過率が低くなってしまう上、柔軟性や廉価性に劣るため、好ましくない。また、極端に薄い場合も、フィルムの成形時に破れが発生するので、好ましくない。これらを勘案すると、通常の厚みは5〜100μm程度である。好ましくは7〜70μmであり、さらには8〜50μmであることが好ましい。
上記の如くして製造される本発明の多孔性フィルムを水検出用フィルムとして用いる場合、ドライ時には不透明な白色を示し、ウェット時は透明化するものであることが好ましい。そのため、ドライ時の全光線透過率が高すぎると、ドライ時とウェット時との透過率の違いが少なくなり、水に濡れたことによる差異が知覚しにくくなるので、水検出用フィルムとしては好ましくない。また、ウェット時の全光線透過率が低すぎると、たとえば裏面に印刷した柄がウェット時に透けて見えにくくなるため、水検出用フィルムとしては好ましくない。そのため、多孔性フィルムの全光線透過率は、ドライ時が50%未満、ウェット時が50%以上の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、ドライ時が45%未満、ウェット時が55%以上である。ドライ時とウェット時の全光線透過率の差は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。
本発明の多孔性フィルムのJIS L1096の45°カンチレバー法で測定される剛性は、80mm以下であることが好ましく、これにより適度の柔軟性を有する。そのため、柔軟性が要求される用途、例えば、使い捨ておむつ用の尿の***を知らせるインジケータ手段として好適に使用される。剛性の下限については特に規定はないが、通常、カンチレバー法で10mm程度である。
本発明を以下の実施例により、更に具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例に示したメルトインデックス(以下、MIという)、ドライ時の全光線透過率、ウェット時の全光線透過率、フィルム厚み、及び剛性は、下記方法により測定した値である。
(1)メルトインデックス(g/10min)
ASTM D1238−57T(E)に規定される方法により、温度190℃、荷重2160gの条件下で測定した。
(2)ドライ時の全光線透過率(%)
JIS K7105に規定される方法に基づき、霞度計(日本電色工業(株)製、型式:NDH−300A)を用いて測定した。多孔性フィルムの機械方向(以下、MDという)に50mm、及び機械方向と直角方向(以下、TDという)に100mmのサンプル1枚について任意の2点を測定し、合計10枚20点の測定値を平均して算出した。
(3)ウェット時の全光線透過率(%)
上記(2)と同様にサンプルを採取し、純水にフィルムを1分間浸した後、表面の水滴を拭き取り、各サンプルについて(2)と同様にして霞度計により測定を行い、平均値を求めた。
(4)フィルム厚み
多孔性フィルムから、MDに10cm、TDに10cmの試料を10枚採取し、各サンプルの任意の5箇所について、厚み測定機(PEACOCK社製、UPRIGHT DIAL GUAGE NO.25)を用いて測定し、合計50箇所の測定値を平均してフィルム厚みとした。
(5)剛性(mm)
JIS L1096に規定される方法(45°カンチレバー法)に準拠して測定した。試料は、TDに200mm、MDに300mmのフィルムを、TDに幅25mmの金尺に巻付けた後、金尺を抜き取り、得られた偏平状の巻物(幅25mm、長さ300mm)を重量1kgのローラーにより1往復押圧して作成した。
(6)親水剤の移行
200mm角の親水剤無しの多孔性フィルム(実施例1の親水剤を用いない多孔フィルム)、200mm角の本発明に係る多孔性フィルム、100mm角の濾紙2枚、をこの順番で重ね、インク色付けした水5mlを濾紙上に滴下する。次いで濾紙上に10Kg重り(100mm角)を載せ、5分後に最底面(親水剤無しの多孔性フィルム裏面)にインクが染み出しているかを100mm角の面積内で目視観察し、次の基準で評価した。
○:まったく染み出しなし、
△:面積の半分以下の範囲で染み出しあり、
×:面積の半分の範囲を超えて染み出しあり。
(7)成形性
実施例の条件でフィルムを成形した際の状態を、以下の基準により評価した。
○:発煙、押出量低下、膜破れが生じることなく成形できる、
△発煙:押出機から発煙が見られるが実生産は可能、
×発煙:押出機からの発煙が激しく、試作は可能だか実生産は不可能、
△押出量低下:押出機からの押出量が低下するが成形は可能、
×押出量低下:押出機から押出量が極端に低下して成形は不可能、
×膜破れ:延伸時にフィルムが破れる。
[実施例1]
線形低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、商品名:ウルトゼックス2021L、密度:0.920g/cm、MI:2.1g/10min)〔LLDPE1〕38重量部と、低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、商品名:ミラソン27、密度:0.918g/cm、MI:2.0g/10min)〔LDPE〕2重量部に対し、炭酸カルシウム(同和カルファイン(株)製、商品名:SST−40、平均粒子径:1.0μm)〔CaCO〕60重量部、親水剤(松本油脂(株)製、商品名:TB−202)〔A〕3重量部を添加しタンブラーミキサーにて混合した後、タンデム型押出機を用いて200℃において均一に混練してペレット状に加工した。このペレットをTダイが装着された押出成形機を用いて、240℃において溶融製膜した後、70℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で4.0倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ25μmの多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムのドライ時の全光線透過率、ウェット時の全光線透過率、フィルム厚み、及び剛性を前記の方法により測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜17、比較例1〜4]
ポリオレフィン樹脂、充填剤、親水剤、およびその配合割合(重量部)、並びに延伸倍率を表1〜3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして多孔性フィルムを製造した。得られた多孔性フィルムの各特性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1、表2、表3に示す。
用いた原料は以下の通り。
LLDPE2:線形低密度ポリエチレン、三井石油化学工業(株)製、商品名エボリューSP3040、密度0.930g/cm、MI4.0g/10min、
PP:ポリプロピレン、(株)グランドポリマー製、商品名F103WH、密度0.910g/cm、MI(230℃測定)2.4g/10min、
BaSO:硫酸バリウム、バライト工業(株)製、商品名HD、平均粒径1μm、
PSビーズ:架橋ポリスチレン、三井化学(株)製、1μmグレード、平均粒径1μm、
C:ポリエチレングリコール(平均分子量200)脂肪酸(炭素数12)エステル、
D:ポリエチレングリコール(平均分子量600)脂肪酸(炭素数12)エステル、
E:ポリエチレングリコール(平均分子量400)脂肪酸(炭素数14)エステル、
F:ポリエチレングリコール(平均分子量400)脂肪酸(炭素数16)エステル。
Figure 0004717343
Figure 0004717343
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本発明により、衛生材料、医療用材料、衣料用材料、建築用材料、包装材料等の分野において好適に使用することができる水検出用フィルムが提供できる。このフィルムは、特に、使い捨ておむつ等の吸収体物品において尿の***を知らせるインジケータ手段に好適に応用することができる。

Claims (3)

  1. (A)ポリオレフィン樹脂25〜80重量%、
    (B)充填剤75〜20重量%
    からなる組成物100重量部に対して、平均分子量が150〜750のポリエチレングリコールと炭素数が12から16脂肪酸のエステルからなる親水剤0.1〜10重量部を含むポリオレフィン樹脂組成物からなるフィルムを、少なくとも一軸方向に1.2〜6倍延伸して得られ、
    ドライ時の全光線透過率が50%未満であり、ウェット時の全光線透過率が50%以上である多孔性フィルム。
  2. 水検出用フィルムとして用いる請求項1に記載の多孔性フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の多孔性フィルムの製造方法であって、
    ポリオレフィン樹脂(A)が25〜80重量%、充填剤(B)が75〜20重量%の割合になるように配合し、その100重量部に対して、平均分子量が150〜750のポリエチレングリコールと炭素数が12から16脂肪酸のエステルからなる親水剤0.1〜10重量部を添加した混合物を用いてフィルムを成形し、次いでそれを少なくとも一軸方向に1.2〜6倍延伸することからなる多孔性フィルムの製造方法。
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