JP4046923B2 - 多孔性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛生材料、医療用材料、建築用材料等の用途に使用される多孔性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性フィルムの製造方法としては、従来、ポリオレフィン樹脂と充填剤を含有する原料組成物を溶融成形しフィルムとなしボイドを発生させる方法が一般的であるが、この多孔性フィルムを使い捨ておむつ、生理用品の資材として用いた場合、人尿、血液等は洩らさず、湿気のみを通す性能が特に要求される。また、ポリオレフィン樹脂と充填剤だけの原料組成物からではしなやかな風合を有するものが得られにくい。そこで、多孔性フィルムの性能改良すべく、原料組成物中にポリオレフィン樹脂と充填剤以外の第三成分を配合する方法が多く提案されている。
第三成分としては、例えば、硬化ひまし油(特開平4ー227738号)、脱水ひまし油(特開平9ー208730号)、硬化ひまし油+脱水ひまし油の混合物(特開平9ー221560号)、液状ポリブタジエン,液状ポリブテン,末端ヒドロキシ液状ポリブタジエン(特開昭58ー15538号)、液状ポリイソプレン(特開昭58ー149925号)などが知られている。
また、多孔性フィルムで覆う内部透けることがないように不透明化ないし白色化するため、充填材としては、一般に炭酸カルシウム(屈折率1.69)が使用されるが、他に硫酸バリウム(屈折率1.64)(開昭60ー129240号、特開昭61ー185803号、特開昭62ー148537号、特開平11ー116714号)、水酸化マグネシウム(屈折率1.56)(特開平1ー203439号)等が使用される。また、これら以外にも、白色顔料、白色遮蔽剤として、珪酸アルミニウム(一般名クレー、カオリン)、沈降シリカ、硫酸カルシウム、セルロース、シリカ等も使用可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
多孔性フィルムでは、使用上、止着テープ等の接着テープのフィルムへの接着性が良好であることが必要である。接着性の悪い多孔性フィルムを使い捨て紙オムツのバックシートとして使用した場合、使い捨て紙オムツを人体に装着する際に止着テープ等で固定することが困難であり、人尿等が漏洩する原因となる。また、その際、接着テープに含まれる成分が多孔性フィルムに移行し、遮蔽性が損なわれ、不透明感のある部分が透明化して中が透けて見えるという問題がある。多孔性フィルムで遮蔽性を持たせる因子としては、フィルム内部に充填材と樹脂との隙間が生じ、それにより光が乱反射していることが考えられる。しかしながら、フィルムに粘着テープを張った場合、その空隙に粘着剤の流動性成分が入りこみ、その空隙を物質が充満するため、光の乱反射が少なくなり、遮蔽性が大きく低下する。そこで、より屈折率の高い充填剤として酸化チタン等の添加を検討したが、フィルムの遮蔽性が改良できたが、通気性が低下した。また、触媒作用によりフィルムが変色したり、劣化することが一般にも知られているが、この作用のためと推定されるフィルム中の異物の増加が認められる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題に鑑み、透気度が従来品と同レベル以上に維持しつつ、優れた遮蔽性、接着性などを有する多孔性フィルムを提供すべく鋭意検討した結果、特定の充填材と第三成分を含有原料組成物を使用することで所望の多孔性フィルムが得られることを見出し、本発明に到った。即ち、本発明は、特定のポリオレフィン樹脂、充填剤及び第三成分を含有する組成物を溶融成形しフィルムとなし、次いで該フィルムを延伸処理して得た多孔性フィルムであって、該充填剤が炭酸カルシウムと硫酸バリウムから選ばれた少なくとも1種と屈折率1.7以上である透明もしくは白色無機化合物で、その重量比が99/1〜50/50であり、該第三成分が炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域にあるポリα−オレフィン類と硬化ひまし油からなり、その重量比が99/1〜30/70であることを特徴とする多孔性フィルムに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に使用されるポリオレフィン樹脂としてはエチレン、プロピレン等のモノオレフィン重合体及び共重合体を主成分とするものをいい、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンランダムもしくはブロック共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。なかでも線状低密度ポリエチレンがしなやかで強靱であることから好ましい。
【0006】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂として、特に好ましくは、線状密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンの混合物である。線状低密度ポリエチレンは、炭素数が3〜8の分子骨格であるα−オレフィンとエチレンとの共重合体である。線状低密度ポリエチレンとしては、密度が0.910〜0.940g/cm3、メルトインデックスが0.5〜5g/10分のものが好ましい。密度が0.910g/cm3未満になると均一延伸性が低下し、0.940g/cm3を超えると延伸フィルムのソフト感が損なわれる。また、メルトインデックスが0.5g/10分未満になるとフィルムを押し出すときに異常流動により厚みが均一なフィルムを得ることが難しくなり、5g/10分を超えると均一延伸性が悪化する。
【0007】
また、分岐状低密度ポリエチレンは、エチレンを公知の高圧法で重合させることによって得られるもので、メルトインデックスが0.1〜2g/10分、密度が0.915〜0.925g/cm3のものが好ましい。メルトインデックスが0.1g/10分未満になると前者の線状低密度ポリエチレンと混ざり合いが悪くなり、2g/10分を超えると均一厚みのフィルムが得られなくなる。また、密度が0.925g/cm3を超えると均一厚みのフィルムが得られにくくなる。
【0008】
以上におけるポリエチレン系樹脂の混合比率としては、線状低密度ポリエチレンが通常75〜98重量%、好ましくは85〜96重量%と、分岐状低密度ポリエチレンが通常25〜2重量%、好ましくは15〜4重量%である。分岐状低密度ポリエチレンが25重量%を超えると溶融状態でのフィルムの伸びが低下し、フィルムに加工することが難しくなる。一方、2重量%未満では均一厚みのフィルムを得ることが難しくなる。
【0009】
次に、充填剤としては、2種類の充填剤が用いらる。一方の充填剤としては,炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムの少なくとも一種が用いられ、これらは、重炭酸カルシウム、重硫酸バリウムも含むものであるが、低倍率での均一延伸性、通気性の点から重炭酸カルシウムが特に好ましい。かかる無機充填剤の平均粒径が通常20μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは0.5〜5μmである。また、無機充填剤は、樹脂中での分散性向上のため、表面処理剤で無機充填剤の表面を被覆して疎水化しておくのが望ましく、かかる表面処理剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸又はそれらの金属塩等を挙げることができる。
【0010】
本発明では、上記充填剤と他の充填剤を併用することを特徴とする。この他の充填剤とは、屈折率1.7以上の透明もしくは白色無機化合物であればいかなるものである。ここでの屈折率は該化合物の結晶を20℃ Na−D線(波長589.3nm)にてアッベ屈折計もしくはエリプソメーターにて測定した値である。また、無機化合物の透明もしくは白色なるものとは、酸化マグネシウムの白度を100%とした場合の白色度計(KETT,C−1)にて測定した値が80%以上のものとして定義される。
【0011】
かかる充填剤としては,例えば,塩化バリウム(屈折率:1.74)、酸化チタン(アナターゼ型:屈折率2.52)、酸化アルミニウム、酸化チタン(ルチル型:屈折率2.71)、高屈折率ガラス粉、酸化スズ(屈折率:1.99)、酸化亜鉛(屈折率:2.03)、硫化亜鉛(屈折率:2.38)、炭酸マグネシウム(屈折率:1.70)、酸化マグネシウム(屈折率:1.74)、及びこれらの混合物、共晶物(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混晶物:リポトン)等が挙げられる。また遮蔽性を上げるためなるべく表面が平滑でないものが光の拡散の点から好ましい。
本発明では、以上の炭酸カルシウムと硫酸バリウムから選ばれた少なくとも1種と屈折率1.7以上である透明もしくは白色無機化合物の重量比を99/1〜50/50とするものである。他の充填剤が1より少ないと、遮蔽性の効果が得られず。また50より多いと延伸均一性が低下するともに透気性が低下するので好ましくない。
【0012】
本発明の多孔性フィルムは、以上のようなポリオレフィン樹脂、充填剤を含む樹脂組成物に、第三成分として、更に、側鎖を有する炭化水素重合体と硬化ひまし油を含める。本発明に使用される側鎖を有する炭化水素重合体とは、ポリα−オレフィン類であって、好ましくは炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域のものであり、エチレン−プロピレンの共重合体、例えば三井石油化学工業(株)製の商品名ルーカントやそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、例えば出光石油化学工業(株)製の商品名ポリブテンHV-100、又はイソプレンのオリゴマー及びその水添物、1ーヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物及びこれらから誘導される誘導体等が挙げられる。また、ポリブテン、ポリヘキセン等は主鎖に対する側鎖の割合が多く、側鎖が長くなり、均一延伸性の向上効果が著しい点において特に好ましい。
【0013】
また、本発明に使用される硬化ひまし油とは、リシノール酸の二重結合部を水素添加し、飽和脂肪酸とした12−ヒドロキシオクタデカン酸を主成分とする脂肪酸混合物とグリセリンとのエステルのことである。このエステルにはモノエステル、ジエステル及びトリエステルがあるが、これらの単独物であっても、また混合物であってもよいが、トリエステルを主成分とするものが好ましい。また、この脂肪酸混合物中の12−ヒドロキシオクタデカン酸の含有量が70重量%以上で、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等の炭素数12〜22程度の他の脂肪酸の含有量が30重量%未満とすることで、多孔性フィルム表面の遮蔽性が経時的な低下を防止することができる。かかる硬化ヒマシ油は、工業的には不乾性油であるヒマシ油に水素添加することにより製造され、市販品としては、例えば、伊藤製油(株)製、硬化ヒマシ油、商品名:カスターワックス等を挙げることができる。
本発明の多孔性フィルムにおいて、以上の使用する側鎖を有する炭化水素重合体と硬化ひまし油のの重量比は99/1〜30/70である。側鎖を有する炭化水素重合体が少なくなりすぎると延伸性や柔軟性が低下し、10より多いと遮蔽性が低下する傾向がある。
【0014】
本発明の多孔性フィルムは、以上のようなポリオレフィン樹脂、充填剤及び第三成分を含む樹脂組成物より製造する。この場合の樹脂組成物の組成としては、ポリオフィン樹脂が通常25〜50重量部、好ましくは35〜45重量部に対し、充填剤が75〜50重量部、好ましくは65〜55重量部の範囲である。充填剤が50重量部未満になると、ポリオレフィン樹脂と充填剤との界面が剥離してできる隣接したボイドどうしが連通しなくなり、通気性が得られにくくなる。また、75重量部を超えると、フィルムの延伸時の伸びがなくなり、延伸が困難になる。
【0015】
上記樹脂組成物中への第三成分の添加は、フィルムの厚みの均一性、延伸性、フィルムの風合い、フィルムの成形性、フィルムの接着性などに大きな影響を及ぼす。添加量が多すぎると、これらがフィルムからブリードアウトし、接着性が悪くなる。一方、添加量が少なすぎると、フィルムが硬くなり風合いが悪くなり、厚み均一性も悪くなる。かかる点を考慮すると、上記ポリオレフィン樹脂と充填剤の合計量100重量部に対し、前記第三成分の総量は0.5〜5重量部であることが好ましい。
また、屈折率1.7以上の化合物の充填剤は、炭酸カルシウム又は硫酸バリウムと同時に加えてペレット化して成形してもよいし、高濃度のマスターバッチの形で他の原料と混合しペレット化した後、フィルム成形してもよい。更に、屈折率1.7以上の化合物の充填剤以外をペレット化したものにマスターバッチとして添加しフィルム成形してもよい。
なお、樹脂組成物中には、上記の必須成分の他に一般に樹脂組成物用として用いられている添加物、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等を、多孔性フィルムの特性を損なわない程度の範囲で配合してもよい。
【0016】
本発明の多孔性フィルムは、以上の樹脂組成物をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合した後、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー等で加熱混練し、ペレット化する。次いで、そのペレットをポリエチレン樹脂の融点以上、好ましくは融点+20℃以上、分解温度未満の温度において、Tダイ等が装着された押出成形機、円形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて、溶融、製膜する。場合によっては、ペレット化せず直接成形機で製膜することもできる。
【0017】
製巻くされたフィルムは、ロール法、テンター法等の公知の方法により、室温〜樹脂の軟化点(JIS K6760による測定値)において、少なくとも一軸方向に延伸を行い、ポリオレフィン樹脂と充填剤との界面剥離を起こさせることで多孔性フィルムを得る。延伸は、一段でも多段でもよい。また、延伸倍率は、延伸時のフィルムの破れ、得られるフィルムの通気性、フィルムのソフト感等に関係するので、倍率が高すぎても低すぎても好ましくない。かかる観点から、本発明における延伸倍率は通常1.2〜5倍、好ましくは1.5〜3倍である。二軸延伸する場合は、最初に機械方向、またはそれと直角をなす方向に一軸延伸し、次いで、該方向と直角をなす方向に二軸目の延伸を行う方法、及び、機械方向、およびそれと直角をなす方向に同時に二軸延伸する方法がある。また、延伸した後、必要に応じて、得られた開孔の形態を安定させるために熱固定処理を行ってもよい。
本発明の多孔性フィルムの厚みには特に制限はないが、厚みは通常10〜100μm程度である。10μm未満ではフィルムが破れ易くなり、100μmを超えるとフィルムが硬くなり、布様のソフト感、良好な風合いを有する多孔性フィルムとなり難いので好ましくないからである。
【0018】
【実施例】
以下、本発明についてさらに具体的に説明するため、以下に実施例を示す。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例に示した、経時後の接着強度、下記の方法により測定した値である。
(1) 透気度
JISーP8117に準拠し測定した(単位はsec/50cc)。
(2)ゲルレベル
多孔性フィルムの1m2当たりの0.5mm以上のブツ数を測定した。
○:1m2当たりブツが40個未満
△:1m2当たりブツが40以上100未満
×:1m2当たりブツが100以上
【0019】
(3)接着性
多孔性フィルムの片表面に幅25mm両面粘着テープ(商品名 コクヨ T−225)の片面を貼付して試料とし、この試料を40℃75%の恒温高湿中に1週間放置した後、室温に戻し、残りの剥離紙をはがしガーゼを張り合わせ、テンシロン引張試験機を用いて、粘着剤とガーゼをはがす際の剥離応力をJIS−Z0237に規定される180度引き剥がし法により測定し以下基準にて判定した。
◎:接着強度が150g/25mm以上のもの
○:接着強度が100g/25mm以上150g/25mm未満のもの
△:接着強度が50g/25mm以上100g/25mm未満のもの
×:接着強度が50g/25mm未満のもの
(4)初期遮蔽性
JIS−K6718に準拠したヘーズメーター(日本電色社製 NDH−200)を使用し、延伸したフィルムの全光線透過率(T1)を測定した。
◎:T1が40%未満のもの
○:T1が50%未満のもの
△:T1が60%未満のもの
×:T1が70%未満の物
【0020】
(5)遮蔽性(温度40℃又は50℃、湿度75%)
フィルムの片表面に幅25mm両面粘着テープ(商品名 コクヨ T−225)の片面を貼付して試料とし、引き続き残りの剥離紙をはがして全光線透過率をT1を測定した。また、フィルムの片表面に幅25mm両面粘着テープ(商品名コクヨ T−225)の片面を貼付して試料とし、この試料を温度40℃又は50℃、湿度75%の恒温高湿中に1週間放置した後、室温に戻し、残りの剥離紙をはがした試料の全光線透過率をT2を測定した。そして、全光線透過率の差(T(%)=T1ーT2(%))を測定し以下基準で評価した。
【0021】
実施例1〜6、比較例1〜7
ポリエチレン系樹脂37重量部中、線状低密度ポリエチレン〔日本ポリケム(株)製、商品名:FW20G、密度:0.921g/cm3、MI:1g/10分〕32重量部(ポリエチレン系樹脂中95重量%)に対し、分岐状低密度ポリエチレン〔日本ポリケム(株)製、商品名:LF441、密度:0.919g/cm3、MI:2g/10分〕5重量部と、表−1に示す充填材と第三成分化合物をタンブラーミキサーにて混合した後、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した。このペレットを円形ダイが装着された押出成形機を用いて、200℃において溶融製膜した後、60℃に加熱した予熱ロール延伸ロールとの間で2.0倍の延伸倍率でライン速度20m/分で機械方向に一軸延伸し、厚さ25μmの多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの諸特性を測定した結果を表−2に示す。
【0022】
実施例7、比較例8
前記実施例1等と同様の方法で得たペレットをTダイが装着された押出成形機を用いて、200℃において溶融製膜した後、60℃に加熱した予熱ロール延伸ロールとの間で2.1倍の延伸倍率でライン速度20m/分で機械方向に一軸延伸し、厚さ25μmの多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの諸特性を測定した結果を表−2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表−1の充填剤、第三成分は以下の通りである。
TiO2:酸化チタン、チタン工業(株)製 商品名 クロノスKRー380(脂肪酸処理)
ZnS:硫化亜鉛、和光純薬工業(株)製 硫化亜鉛(脂肪酸処理)
ZnO:酸化亜鉛、ハクスイテック(株)製 商品名 酸化亜鉛3種(脂肪酸処理)
MgO:酸化マグネシウム、協和化学工業(株)製 商品名 ミクログマ3−150(脂肪酸処理) 栄
BaSO4:硫酸バリウム、堺化学工業(株)製 商品名 Bー54(脂肪酸処理)
CaCO3:炭酸カルシウム、白石工業(株)製 商品名 ライトンU−26(脂肪酸処理)
CaCO3沈:沈降性炭酸カルシウム、白石工業(株)製 商品名:ビゴットー15(脂肪酸処理)
KH:伊藤製油(株)製 商品名:硬化ひまし油 カスターワックス
PH:伊藤製油(株)製 商品名 精製ひまし油
KHEO:硬化ひまし油とエチレンオキサイドをモル比1:3で反応させた縮合物
DEA:アジピン酸とジエチレングリコールをモル比3:2で脱水反応により製造した縮合物
PB:日本油脂(株)製 商品名 ニッサンポリブテン200SH
PBD:日本曹達(株)製 商品名 Bー3000
PHA:三菱化学(株)製 商品名 ポリテールHA
APP:八千代産業(株)製 商品名 プロピレンワックスAPP−A
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】
本発明の多孔性フィルムは、透気度、均一延伸性などが従来品と同レベル以上に維持されつつ、遮蔽性、接着性が良好である。そのため、使い捨て紙オムツ、体液吸収用パット、ベッドシーツ等の衛生材料、手術衣、温湿布用基材等の医療用材料、ジャンパー、雨着等の衣料用材料、壁紙、屋根防水材等の建築用材料、乾燥剤、防湿剤、脱酸素剤、使い捨てカイロ、鮮度保持包装、食品包装等の包装材、電池用セパレーター等の資材として極めて好適に使用できる。
Claims (8)
- 高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンランダムもしくはブロック共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物から選ばれるポリオレフィン樹脂、充填剤及び第三成分を含有する組成物を溶融成形しフィルムとなし、次いで該フィルムを延伸処理して得た多孔性フィルムであって、該充填剤が炭酸カルシウムと硫酸バリウムから選ばれた少なくとも1種と屈折率1.7以上である透明もしくは白色無機化合物で、その重量比が99/1〜50/50であり、該第三成分が炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域にあるポリα−オレフィン類と硬化ひまし油からなりその重量比が99/1〜30/70であることを特徴とする多孔性フィルム。
- 屈折率1.7以上である透明もしくは白色無機化合物がチタン化合物である請求項1の多孔性フィルム。
- 屈折率1.7以上である透明もしくは白色無機化合物がマグネシウム化合物である請求項1の多孔性フィルム。
- 屈折率1.7以上である透明もしくは白色無機化合物がアルミニウム化合物、バリウム化合物、亜鉛化合物から選ばれた少なくとも1種以上である請求項1の多孔性フィルム。
- 炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域にあるポリα−オレフィン類がポリブテン、ポリへキセンのいずれかである請求項1〜4のいずれかの多孔性フィルム。
- 硬化ひまし油が12−ヒドロキシオクタデカン酸を主成分とする脂肪酸混合物とグリセリンとのエステルである請求項1〜5のいずれかの多孔性フィルム。
- ポリオレフィン樹脂が、密度0.910〜0.940g/cm3、メルトインデックス0.5〜5g/10分の線状低密度ポリエチレン75〜98重量%と、メルトインデックス0.1〜2g/10分、密度0.915〜0.925g/cm3の分岐状低密度ポリエチレン25〜2重量%からなる混合物である請求項1〜6のいずれかの多孔性フィルム。
- ポリオレフィン樹脂(A)25〜50重量部、並びに、充填剤(B)75〜50重量部を含み、且つ、(A)及び(B)100重量部に対して第三成分0.5〜5重量部を含む請求項1〜7のいずれかの多孔性フィルム。
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