JP4715998B2 - 粒度分布が制御された複合金属化合物粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、中心部とその周囲の被覆層から構成される複合金属化合物粒子であって、中心部が希土類金属の化合物からなり、被覆層が希土類以外の金属の化合物からなり、粒度分布が制御された複合金属化合物粒子に関する。
従来、金属酸化物粒子、金属粒子、有機樹脂粒子等の表面を他の材料で被覆したものは知られている。例えば、酸化チタン粒子の表面に酸化鉄、酸化チタンを積層被覆したもの、酸化亜鉛粒子の表面にシリカを被覆したもの、酸化鉄粒子の表面にシリカ、アルミナ等を被覆したもの、雲母粒子の表面に酸化鉄、酸化チタンを積層被覆したもの、銅粒子の表面に一酸化銅を被覆したもの、ポリスチレン粒子又はポリエチレン粒子の表面にシリカ、酸化チタン等を被覆したもの、金属微粒子(Au、Ag、Ni、Cu等)に保護コロイドを被覆したものがある。これらの複合粒子は、例えば、塗料、化粧品、電子材料等の分野で幅広く利用されている。
被覆方法としては、例えば、加水分解法、ゾル・ゲル法、無電解メッキ法、CVD法、スパッタ法等がある。これらの被覆方法は、被覆前の中心部となる粒子の特性、被覆後の複合粒子の特性等に応じて選択されている。
中心部(核)となる粒子を他の材料で被覆する目的としては、例えば、中心部の粒子を保護する目的(例えば、耐酸化性、耐触性、耐溶剤性等の付与)、中心部の粒子だけでは達成できない新たな機能を発現させる目的などがある。後者の例としては、例えば、中心部と被覆部とを屈折率が異なる材料で構成することにより光の反射特性を制御し、複合材料を顔料、レンズ等として利用するものがある。
複合粒子の形状としては、球状粒子をはじめ、アスペクト比を持つものまで多様であり、球状粒子の大きさも数nm〜数μmまでと広範囲に亘っている。そして、特に電子材料分野及びセラミックス分野では、粒子径が揃った(即ち粒度分布が制御された)複合材料を使用することが、高品質な機能性材料の提供に重要となっている。特に、複合粒子の自己組織化を利用して微細な規則構造を形成し、いわゆるフォトニック結晶を得るためには、複合粒子の粒子径が揃っていることが重要である。
複合粒子の粒度分布としては、ポリスチレン粒子、一部のシリカ粒子等では標準偏差が平均粒子径の15%以内(好ましくは10%以内)のものがあるが、複合粒子では十分に粒度分布が制御されたものはなく、特に標準偏差が平均粒子径の15%以内であるものは知られていない。希土類酸化物の微粒子であって、粒子径が比較的揃ったものは、例えば、非特許文献1に報告されているが、これは粒度分布の標準偏差は平均粒子径の15%を超過しており、ましてや希土類酸化物の表面に他の材料を被覆してなる複合金属化合物では、粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内に制御されたものは知られていない。
Bulletin of. The Chemical Society of Japan ,1992,p1388-1391「均一沈殿法による塩基性炭酸イットリウムの微粒子生成過程における反応温度の影響」
本発明は、中心部とその周囲の被覆層から構成される複合金属化合物粒子であって、中心部が希土類金属の化合物からなり、被覆層が希土類以外の金属の化合物からなり、粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内である、高品質な機能性材料の提供に寄与する複合金属化合物粒子を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法によれば、中心部とその周囲の被覆層から構成される複合金属化合物粒子であって、中心部が希土類金属の化合物からなり、被覆層が希土類以外の金属の化合物からなり、粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内である複合金属化合物粒子を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の複合金属化合物粒子及びその製造方法に関するものである。
1.中心部とその周囲の被覆層から構成される複合金属化合物粒子であって、
(1)中心部が、希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなり、
(2)被覆層が、希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなり、
(3)複合金属化合物粒子の平均粒子径が35〜600nmであり、
(4)複合金属化合物粒子の粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内である
ことを特徴とする複合金属化合物粒子。
2.希土類金属が、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択された少なくとも1種である上記項1記載の複合金属化合物粒子。
3.希土類以外の金属が、Al、Ga、In、Si、Ti、Zr、Sn、Ge、Ta及びNbからなる群から選択された少なくとも1種である上記項1又は2記載の複合金属化合物粒子。
4.中心部が、平均粒子径30〜500nmの球状粒子からなる上記項1〜3のいずれかに記載の複合金属化合物粒子。
5.被覆層が、平均厚み5〜100nmのものである上記項1〜4のいずれかに記載の複合金属化合物粒子。
6.中心部が、希土類金属の酸化物からなり、被覆層が、希土類以外の金属の酸化物からなる上記項1〜5のいずれかに記載の複合金属化合物粒子。
7.上記項1〜6のいずれかに記載の複合金属化合物粒子からなる光学材料。
8.下記工程を含む、複合金属化合物粒子の製造方法;
(1)希土類金属の塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種並びに尿素を含む水溶液であって、希土類金属1molに対して尿素10mol以上を含有し、且つ希土類金属を0.001〜0.01mol/Lの割合で含有する水溶液を加熱することにより、希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる球状粒子を得る工程1、
(2)前記球状粒子を含み、pHが6〜11の分散液と希土類以外の金属のアルコキシド、塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種の水溶液とを混合し、加水分解することにより、希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる被覆層を前記球状粒子の表面に形成する工程2。

以下、本発明について詳細に説明する。
1.複合金属化合物粒子
本発明の複合金属化合物粒子は、中心部とその周囲の被覆層から構成される複合金属化合物粒子であって、
(1)中心部が、希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなり、
(2)被覆層が、希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなり、
(3)複合金属化合物粒子の平均粒子径が35〜600nmであり、
(4)複合金属化合物粒子の粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内である
ことを特徴とする
希土類金属としては特に限定されないが、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。この中でも、特にEu、Sm、Gd、Dy、Ho、Er等は屈折率が大きい(屈折率が小さくなる順に記載)ため、複合金属化合物粒子を光学材料(特にレンズ)として利用する場合に好適である。
中心部は、上記した希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種の球状粒子からなる。なお、中心部は複合物からなる球状粒子でもよく、例えば、水酸化物と炭酸塩との複合物である塩基性炭酸塩などでもよい。これらの中でも、複合金属化合物粒子を光学材料(特にレンズ)として利用する場合には、屈折率が大きい観点から酸化物が好ましい。
希土類以外の金属としては特に限定されないが、Al、Ga、In、Si、Ti、Zr、Sn、Ge、Ta及びNbからなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。この中でも、複合金属化合物粒子を光学材料(特にレンズ)として利用する場合にはTi、Zr、Si等が好ましく、複合金属化合物粒子の粒度を揃える観点からは、加水分解の制御が容易なSiが好ましい。例えば、複合金属化合物粒子をフォトニック結晶の製造材料として用いる場合には、粒度制御が容易な観点からSiが好ましい。
被覆層は、上記した希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる。なお、被覆層は複合物でもよく、例えば、水酸化物と炭酸塩との複合物である塩基性炭酸塩などでもよい。これらの中でも、複合金属化合物粒子を光学材料(特にレンズ)として利用する場合には、中心部の保護性が高い観点から酸化物が好ましい。
中心部も被覆層も酸化物から構成する場合には、屈折率の観点、中心部の保護性の観点等から、複合金属化合物粒子を光学材料(特にレンズ)として好適に利用できる。
複合金属化合物粒子の平均粒子径は、35〜600nmであればよく、60〜400nmがより好ましい。
中心部の粒子の平均粒子径としては、30〜500nmが好ましく、特に50〜300nmが好ましい。
被覆層の平均厚みとしては、5〜100nmが好ましく、15〜50nmがより好ましい。
なお、本明細書における平均粒子径は、210nmのポリスチレン粒子を共存下、対象粒子のSEM像を観察し、対象粒子100個を任意に選択して測定した粒子径の平均値である。
複合金属化合物粒子の粒度分布の標準偏差は、平均粒子径の15%以内であればよく、特に10%以内が好ましい。
なお、本明細書における粒度分布の標準偏差は、動的光散乱法を利用した粒度分布測定装置「DLS−7000」(大塚電子(株)製)により測定した値である。
粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内、特に10%以内に制御された本発明の複合金属化合物粒子は、粒径が十分に揃っているため、電子材料分野、セラミックス分野等において好適に使用できる。
例えば、中心部と被覆部とを構成する材料を屈折率の異なる材料に設定することにより、複合金属化合物材料を光学材料として使用し得る。中心部と被覆層の材質の組み合わせは、屈折率の差異、複合金属化合物粒子の安定性(分散安定性も含む)等を総合的に勘案して選択する。
詳細には、例えば、中心部としてGdを使用し、被覆層としてSiOを使用する場合には、中心部の屈折率が被覆層の屈折率よりも大きくなり、光学材料(特にレンズ)として利用できる。しかも、被覆層がSiO(酸化物)から構成されているため、中心部を保護する性能が高い。レンズとしては大容量用微小球レンズとして適用でき、他には近接場用微小球プローブとしても適用できる。
他方、本発明の複合金属化合物粒子は、分散媒に分散した状態でも使用できる。例えば、粒子表面の屈折率の違いを利用した光学顔料としての用途、粒子の自己組織化を利用して微細な規則構造を形成し、いわゆるフォトニック結晶を得る用途等がある。本発明の複合金属化合物粒子は、中心部を保護する被覆層を有するため、中心部単独で用いる場合と比較して、分散媒のpHがより低い領域でも溶解することなく使用し得る。分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のゴリコール系溶媒などが使用できる。
複合金属化合物粒子を分散液の状態で使用する場合には、分散性向上を目的として、被覆層の表面に表面電荷を高める処理をしてもよい。例えば、極性基(硫酸根など)を被覆層の表面に付加したり、分散剤を用いて被覆層の表面を改質したりしてもよい。その他、分散媒にアクリル系、カルボキシ系の分散剤を配合することにより複合金属化合物粒子の分散性を高めてもよい。
2.複合金属化合物粒子の製造方法
本発明の複合金属化合物粒子は、例えば、下記工程1及び2を含む製造方法により好適に製造できる。
(1)希土類金属の塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種並びに尿素を含む水溶液であって、希土類金属1molに対して尿素10mol以上を含有し、且つ希土類金属を0.001〜0.01mol/Lの割合で含有する水溶液を加熱することにより、希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる球状粒子を得る工程1、
(2)前記球状粒子を含み、pHが6〜11の分散液と希土類以外の金属のアルコキシド、塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種の水溶液とを混合し、加水分解することにより、希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる被覆層を前記球状粒子の表面に形成する工程2。
工程1では、中心部となる希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる球状粒子を製造する。
工程1において加熱に供する水溶液は、希土類金属の塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種(以下「希土類含有原料」と記載する)並びに尿素を含むものである。
希土類金属としては、前記したものが使用できる。前記水溶液は、希土類金属1molに対して尿素10mol以上、好ましくは10〜100mol、より好ましくは15〜100mol程度含有する。また、前記水溶液は、希土類金属を0.001〜0.01mol/L、好ましくは0.003〜0.007mol/Lの割合で含有する。尿素の割合が10mol未満の場合には、球状粒子が得られ難くなるおそれがある。希土類金属の含有割合が0.01mol/Lを超える場合には、球状粒子が得られ難くなるか又は粒度分布が大きくなるおそれがある。
前記水溶液を加熱することにより、尿素がアンモニアと炭酸ガスとに分解されて、これらが希土類含有原料と反応することにより、希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる球状粒子が得られる。
該反応は、均一沈殿法と称される。尿素の分解により反応液のpHは均一に上昇し、分解生成物のアンモニア(水酸化物イオン)及び炭酸ガス(炭酸イオン)と希土類含有原料とが反応し、pHが6〜11の範囲内において、主に水酸化物、炭酸塩及び塩基性炭酸塩の少なくとも1種からなる球状粒子が生成・成長し、溶解度積に応じて沈殿する。なお、希土類金属のイオン半径が小さい程、沈殿が生成し始めるpHが高くなる。
加熱条件としては、前記反応が進行する限り特に限定されないが、加熱温度は室温(約25℃)〜90℃程度が好ましく、60〜85℃程度がより好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて適宜調整できるが、尿素が十分に分解するように1〜24時間、特に2〜10時間が好ましい。
均一沈殿法では、反応液のどの部分でも均一に反応が生じる条件を整えることが、複合金属粒子の粒度分布の標準偏差を平均粒子径の15%以内に制御するために重要となる。そのためには、反応容器についても、容器側壁又は撹拌羽根上で粒子生成がない条件を具備することが好ましい。即ち、容器及び撹拌羽根を撥水性の材質(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体からなる熱可塑性フッ素樹脂(PFA)等)により構成し、濡れる性状を弾く性状に近づけることが好ましい。これにより、反応液内のみで粒子の核(種)が生成・成長することにより均一な粒子が得られる。球状粒子の粒子径としては、前記したものが得られる。
均一沈殿法における粒子の成長の様子は、例えば、反応液の透過光・反射光を経時的に観察することにより確認できる。粒子の成長に応じて透過率・反射率が変化するため、透過光・反射光の色調変化を確認することにより成長の程度を確認できる。
工程1で得られた球状粒子は、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩等のまま工程2で使用してもよく、400〜600℃の範囲で焼成することにより酸化物としてもよい。
工程2では、前記球状粒子の表面に希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる被覆層を形成する。具体的には、球状粒子を含み、pHが6〜11の分散液と希土類以外の金属のアルコキシド、塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種の水溶液とを混合することにより、加水分解を行えばよい。
工程2では、核となる球状粒子(中心部)が溶解しないpHで処理される。処理方法は、基本的には加水分解反応を用いる。希土類化合物粒子をpH6〜11の範囲で溶解しないpHを選択して処理される。希土類化合物の溶解しないpHの範囲は、既存の公表されている溶解度積データ「Atlas of Metal-Ligand Equilibria in Aqueous Solution ,Ellis Horwood Limided」から知ることができる。
pHを調整するためには、アンモニア水、水酸化ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等が使用できる。被覆元素の化合物は、金属アルコキシド、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の塩であり、特に金属アルコキシドは中性領域においても加水分解が十分に進行することから好適に使用される。被覆元素の化合物が100%加水分解される条件を設定することにより被覆量は制御できる。被覆層の平均厚みは前記(5〜100nm)の通りである。被覆時、核となる中心部の分散状態は、単分散の状態が最も好ましい。単分散の状態を作るには、核となる中心部の表面電荷の絶対値を30〜40mV以上に調整することが好ましい。表面電荷の絶対値が30mV未満(例えば20〜30mV)であれば沈降又は凝集が起こり易い。表面電荷の調整は、上記pH調整剤により行える。
被覆する形態としては、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩及び酸化物からなる群から選択された少なくとも1種である。特に、酸化物により被覆する場合には、被覆処理後に400〜600℃で焼成すればよい。X線回折(XRD)などでの確認が必要であるが焼成温度が400℃を超えるときは酸化物、400℃以下では水酸化物或いは塩基性炭酸塩と考えることができる。一般的には、被覆後100℃乾燥又は500℃焼成として粉末を処理する。多層の被覆処理は、この1層目処理品を使用して、被覆量を考慮して1層目と同様の処理を繰り返し行う。
以上の工程により、本発明の複合金属化合物粒子の微粒子群が得られる。さらに分級工程を組み込むことにより、粒度分布の標準偏差をより小さく制御できる。
分級は、例えば、粒子の重量差又は粒子の表面電荷の差を利用する方法、均質なスルホールを有するフィルターを用いる方法等により行える。具体的には、遠心分離器を用いる場合には、粒子の重量差に基づき分級できる。分散媒に分散した状態で分級する場合には、複合金属化合物粒子が単分散している状態を作ることが望ましく、表面電荷の絶対値を30〜40mV以上に調整後に分級することが好ましい。
本発明の複合金属化合物粒子は、粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内、好ましくは10%以内に制御されているため、電子材料分野、セラミックス分野等において好適に使用できる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
硝酸ガドリニウム100g(金属濃度0.3mol)を水100Lに溶解した。この液に尿素870g(15mol)を溶解し、撹拌を行いながら加熱を行った、昇温速度は室温(約25℃)から90℃まで1時間とする。pHは徐々に上がりpH6付近で少し白濁し始める。さらに加熱を続け70℃で10分保持し、90℃(最高温度)に上げて加熱を止める。反応容器はテフロン(登録商標)PTFEでライニングし、液に接触している攪拌羽根などは表面をテフロン(登録商標)PFAでコートして使用した。
冷却後、析出した塩基性炭酸ガドリニウム粉末を廬別する。廬別した粉末をアンモニア水200gを入れた水5Lに再分散させる。正ケイ酸エチル56gを滴下して12時間撹拌する。これを遠心分離で分離する。再分散/遠心を3回繰り返して粉末を洗浄した。室温乾燥後100℃で更に12時間乾燥する。これを500℃で4時間焼成して酸化物とした。
この酸化物粉末10gをアンモニア水でpH10にした水1Lに分散させ、遠心分離の回転数を3000rpmで5分間遠心し、沈殿物以外の液を取り出し別の容器で更に4000rpmにて15分間遠心して沈殿物を得た。この沈殿物を再度同様の処理を繰返した。次いで、アンモニア水でpH8にした水100gに再分散した。遠心分離の回転数を3000rpmでそれぞれ5分間遠心して、目的の液を得た。
廬別した塩基性酸化ガドリニウムの平均粒径をSEM観察により測定し、反応終了後の塩基性酸化ガドリニウム(分散液中)の平均粒径を粒度分布装置で測定すると、それぞれ190nmと196nmの大きさであった。また、最終的に得られた正ケイ酸エチルにて被覆した酸化ガドリニウム/シリカ2層粉末の平均粒径は、243nm(SEM)と247nm(粒度分布装置)であった。標準偏差は±9.3%(平均粒子径の9.3%以内)であった。
実施例2〜10
表1及び表2記載の原料を用いて、実施例1と同様の手順で反応条件を変えたもの及び希土類元素を選択して複合金属化合物材料を製造した。
比較例1〜2
表2記載の原料を用いて、実施例1と同様の手順で反応条件を変えたもの及び希土類としてGdを選択して複合金属酸化物材料を製造した。また、比較例はガラス容器を用いた。
Figure 0004715998
Figure 0004715998
本発明の複合金属化合物粒子の模式図である。 実施例1で製造した複合金属化合物粒子(中心部:Gd、被覆層:SiO)のSEM像である。

Claims (7)

  1. 中心部とその周囲の被覆層から構成される複合金属化合物粒子であって、
    (1)中心部が、希土類金属の酸化物からなり、
    (2)被覆層が、希土類以外の金属の酸化物からなり、
    (3)複合金属化合物粒子の平均粒子径が35〜600nmであり、
    (4)複合金属化合物粒子の粒度分布の標準偏差が平均粒子径の15%以内であることを特徴とする複合金属化合物粒子。
  2. 希土類金属が、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1記載の複合金属化合物粒子。
  3. 希土類以外の金属が、Al、Ga、In、Si、Ti、Zr、Sn、Ge、Ta及びNbからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載の複合金属化合物粒子。
  4. 中心部が、平均粒子径30〜500nmの球状粒子からなる請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属化合物粒子。
  5. 被覆層が、平均厚み5〜100nmのものである請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属化合物粒子。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の複合金属化合物粒子からなる光学材料。
  7. 下記工程を含む、請求項1に記載の複合金属化合物粒子の製造方法;
    (1)希土類金属の塩化物、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択された少なくとも1種並びに尿素を含む水溶液であって、希土類金属1molに対して尿素10mol以上を含有し、且つ希土類金属を0.001〜0.01mol/Lの割合で含有する水溶液を加熱することにより、希土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる球状粒子を得る工程1、
    (2)前記球状粒子を含み、pHが6〜11の分散液と希土類以外の金属のアルコキシドとを混合し、加水分解することにより、希土類以外の金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択された少なくとも1種からなる被覆層を前記球状粒子の表面に形成する工程2、及び
    (3)被覆処理後の球状粒子を、400〜600℃で焼成する工程3
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