JP4712163B2 - クラッチ速度制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチを自動断接可能なオートクラッチ車両等に適用されるクラッチ速度制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コントロールユニットの断接指令に基づいて摩擦クラッチを自動断接するオートクラッチ車両が公知である(特願平10-48394号等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる車両においてクラッチ速度制御を行うとき、一般的には通常のフィードバック制御を行う。即ち、所定の単位時間毎にクラッチストロークの変化量を検出し、その変化量を単位時間で除してクラッチ速度とする。そしてこれを所定の目標速度と比較し、クラッチの速度を調節する。
【0004】
しかし、例えばクラッチ断のときなど、それ程細かく制御を行う必要がないときがある。このときにも上記のようなフィードバック制御を行うと、制御が細かくなり過ぎ、必要以上に制御が複雑化する虞がある。即ち、単位時間は通常数10msecという極めて短いオーダーである。ここまで短時間毎に制御する必要がない場合、より簡単に制御できる方法があれば便利である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、制御を簡略化することができるクラッチ速度制御法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コントロールユニットの断接指令に基いてクラッチをアクチュエータにより断接制御する際のクラッチ速度制御方法であって、目標クラッチ断速度は、クラッチストロークが完接値から半クラッチ領域の断側境界値より接側の設定値まで高速のクラッチ断速度に設定され、前記半クラッチ領域の断側境界値より接側の設定値から半クラッチ領域の断側境界値より断側の設定値まで低速のクラッチ断速度に設定され、前記半クラッチ領域の断側境界値より断側の設定値から完断値まで高速のクラッチ断速度に設定され、全クラッチストロークを所定のストローク幅毎に分割し、かつ、分割したストローク幅は、前記半クラッチ領域の断側境界値より接側の設定値を始端とするストローク幅と、前記半クラッチ領域の断側境界値より断側の設定値を終端とするストローク幅とを有し、前記クラッチが所定のストローク幅を動作するときの滞在時間をストローク幅毎に計測し、計測したストローク幅における実際のクラッチ断速度を算出し、前記計測したストローク幅における目標クラッチ断速度と比較して前記計測したストローク幅の直後に計測するストローク幅における実際のクラッチ断速度をフィードバック制御すること、を特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】
図1は本発明が適用されるオートクラッチ車両の構成図である。このオートクラッチ車両には所謂セレクティブオートクラッチ装置が搭載されている。セレクティブオートクラッチ装置は、クラッチ1に通常の摩擦クラッチを用い、これをマニュアル断接手段2でマニュアル断接するか、或いは自動断接手段3で自動断接するように構成されている。図はクラッチ1が接続され、いずれの手段も作動されてない状態を示す。
【0011】
クラッチ1は、そのクラッチフォーク4をスレーブシリンダ5(本発明の「流体圧アクチュエータ」をなす)により往復動させることで、断接方向にストロークされる。スレーブシリンダ5にはクラッチ作動力となる油圧(流体圧)が中間シリンダ6から供給される。中間シリンダ6は、マスタシリンダ7又は油圧源8から供給された油圧に応じた油圧をスレーブシリンダ5に送る。マスタシリンダ7はクラッチペダル9の踏込量(操作量)に応じた油圧を発生し中間シリンダ6に送る。油圧源8は電気モータ10、油圧ポンプ11、チェック弁32、電磁弁30,31及びリリーフ弁13を備え、電子式コントロールユニット14でモータ10及び電磁弁30,31が駆動制御されて油圧を給排する。作動流体としてのオイルはオイルタンク15に溜められる。
【0012】
電磁弁30,31はコントロールユニット14でデューティ制御され、ここではノーマルクローズのもの、つまりOFF で閉、ONで開となるものが使用される。電磁弁30,31はクラッチ接続のために用いられる。それぞれの電磁弁30,31は排油ポート径が異なる。よってこれら電磁弁30,31のON/OFFの組み合わせを変えることにより三種類のクラッチ接続速度(低速、中速又は高速)が選択できる。リリーフ弁13は油圧が異常上昇したときに開くフェールセーフのためのもので、通常は閉じている。
【0013】
この構成では、クラッチ1のマニュアル断接が以下のように行われる。まず図示状態からクラッチペダル9が踏み込まれるとマスタシリンダ7で油圧が発生する。そしてこの油圧が実線矢印で示すように中間シリンダ6の内部のピストン16,17を二つ同時かつ同方向に押し、中間シリンダ6からペダル踏込量に相当する油圧をスレーブシリンダ5に供給させる。するとスレーブシリンダ5では内部のピストン18が押され、これによりクラッチフォーク4が押され、クラッチ1はペダル踏込量相当分だけ分断側に操作される。クラッチペダル9の戻し操作を行えば破線矢印で示すようにオイルが戻されてクラッチ1は接続側に操作される。このとき中間シリンダ6のピストン16,17がリターンスプリング37で通常位置に押し戻される。このようにしてマニュアル断接が達成され、クラッチペダル9、マスタシリンダ7、中間シリンダ6及びスレーブシリンダ5によりマニュアル断接手段2が構成されることとなる。
【0014】
なお、クラッチ1の自動断接方法は後に説明する。
【0015】
クラッチストローク(クラッチ位置)はクラッチストロークセンサ19により常時検出されている。クラッチストロークセンサ19はリンク36を介してクラッチフォーク4により動作されるポテンショメータである。クラッチストロークセンサ19は、クラッチストロークが分断側ほど大きな電圧を出力するようになっている。また中間シリンダ6の出口部に油圧スイッチ33が設けられる。これは中間シリンダ6の出口圧がある設定値まで上昇したときONとなる。これらセンサ19及びスイッチ33の信号はコントロールユニット14に送られる。
【0016】
この車両には通常の変速機(マニュアルトランスミッション)20が装備される。変速機20は、リンクやワイヤケーブル等の機械的連結手段57を介してシフトレバー23に機械的に連結され、運転手によるシフトレバー操作に連動して変速操作される。
【0017】
シフトレバー23はシフトレバー装置21の一部である。即ち、シフトレバー装置21は、シフトレバー23とその把持部分をなすシフトノブ22、及びシフトノブ22に内蔵されたノブスイッチ62を備える。シフトノブ22はシフトレバー23に対しシフト方向に僅かに揺動(首振り)可能で、通常は内蔵スプリングでセンター位置に保持されるが、所定のシフト力が加えられたとき揺動し、ノブスイッチ62をONさせるようになっている。
【0018】
変速機20には、内部のシフターレバーのシフト方向のストロークを検出するためのシフトストロークセンサ34と、シフターレバーがニュートラル位置にあることを検出するためのニュートラルスイッチ24と、シフターレバーのセレクト方向のストロークを検出するためのセレクトストロークセンサ35とが設けられる。これらセンサやスイッチの信号に基づきコントロールユニット14が変速機20の現在のギヤ段(現ギヤ段)を検出する。
【0019】
ここでクラッチ1の自動断接方法を説明する。所定ギヤ段で走行中、運転手が変速しようとしてシフトノブ22にシフト力を与えたとする。するとシフトノブ22が微小揺動してノブスイッチ62がONとなり、これを合図にコントロールユニット14は自動断接手段3にクラッチ断指令を送り、具体的にはモータ10を起動する。すると油圧ポンプ11が起動されて油圧を発生し、この油圧が実線矢印で示すようにチェック弁32を押し開けて中間シリンダ6に至る。中間シリンダ6ではピストン16,17を離間方向に押動する。これによって出口側のピストン17がさらに出口側のオイルを加圧し、スレーブシリンダ5に供給する。こうなるとスレーブシリンダ5のピストン18がクラッチフォーク4を押してクラッチ1を分断する。
【0020】
コントロールユニット14は、クラッチストロークセンサ19の信号によりクラッチ完断を認識するとモータ10を停止する。この後チェック弁32で油圧が保持されクラッチ1が断保持される。この間運転手による継続的なシフトレバー操作が行われ変速機20が次のギヤ段に入れられる。
【0021】
コントロールユニット14は、シフトストロークセンサ34及びセレクトストロークセンサ35の信号からギヤインを認識したと同時に、自動断接手段3にクラッチ接指令を送り、クラッチ1の接続制御を開始する。具体的には少なくともいずれかの電磁弁30,31をONとし、破線矢印で示すようにスレーブシリンダ5から油圧を排出させ、クラッチフォーク4を戻してクラッチ1を接続する。このとき、クラッチの接続状態やアクセルの踏み加減、ひいてはエンジンや車両の運転状態等を加味し、最適な電磁弁30,31のON/OFFの組み合わせが選択され、且つそれら電磁弁へのデューティ制御が行われる。これによりクラッチが最適速度で接続されることになる。
【0022】
このように、油圧源8、中間シリンダ6及びスレーブシリンダ5が自動断接手段3をなす。
【0023】
なお、マニュアル断接と自動断接との切替えは車室内に設けられた切替スイッチ25によって行われる。
【0024】
ここで、車両発進時には以下の発進制御が実行される。即ち、運転手が車両を発進させようとしてニュートラルから発進段にシフトレバー23を操作したとする。するとシフトレバー23の動作に先立ってシフトノブ22が揺動しノブスイッチ62がONとなる。これを合図にクラッチ1が自動分断され、継続するシフトレバー操作により変速機20が発進段に入れられる。この後クラッチ断保持、アクセル踏み待ち状態となり、運転手によってアクセルペダル38が踏み込まれると、その踏込み量に応じてエンジン回転上昇と共にクラッチ1が自動接続されていく。
【0025】
かかる発進制御等のため、アクセルペダル38の踏込量即ちアクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ39が設けられる。アクセル開度センサ39はポテンショメータで、アクセル開度に比例した電圧信号を出力する。またアクセルペダル付近にアクセルアイドルスイッチ40が付設され、これはアクセルペダル38がアイドル領域にあるときON、アイドル領域以上踏み込まれたときOFF となる。これらセンサ39及びスイッチ40の出力はコントロールユニット14に送られる。
【0026】
アクセルペダル38はエンジン出力制御機構41にワイヤ、リンク等の機械的連結手段42を介して機械的に連結されている。ここではエンジン43がディーゼルエンジンで、エンジン出力制御機構41は燃料噴射ポンプ44に付設されたメカニカルガバナとされる。ただしガソリンエンジンとすることは可能で、この場合はエンジン出力制御機構がスロットルバルブとなる。エンジン43にはエンジン回転速度(具体的にはクランクシャフト回転速度)を検出するためのエンジン回転速度センサ45が設けられ、その出力はコントロールユニット14に送られる。
【0027】
また、変速機20に、そのアウトプットシャフト回転速度を検知するためのアウトプットシャフト回転センサ63が設けられ、コントロールユニット14はそのセンサ63の出力に基づき車速を換算する。
【0028】
このオートクラッチ車両では以下のようなクラッチ速度制御を実行する。即ち、クラッチ分断時、半クラッチ領域におけるクラッチ断速度をクラッチストロークに応じて変更する。図2及び図3にこの速度制御の内容を示す。同図においては横軸が時間、縦軸がクラッチストロークである。VL がクラッチ完接位置相当の値(完接値という)、VH がクラッチ完断位置相当の値(完断値という)、VXLが半クラッチ領域の接側境界位置相当の値(接側境界値という)、VXHが半クラッチ領域の断側境界位置相当の値(断側境界値という)、V1 が断側境界値VXHより若干接側の値(接側設定値という)、V2 が断側境界値VXHより若干断側の値(断側設定値という)である。
【0029】
図3は、予めコントロールユニット14に入力された各クラッチストロークに対応する目標速度U1 ,U2 を現している。即ち、コントロールユニット14は、この目標速度に実際の断速度が近付くようクラッチをフィードバック制御する。
【0030】
これにおいて、クラッチ断速度は、完接値VH から接側設定値V1 までの間が高速のU1 、接側設定値V1 から断側設定値V2 までの間が低速のU2 、断側設定値V2 から完断値VH までの間が高速のU1 となっている。つまりクラッチの断過程において、実際のクラッチストロークが接側設定値V1 に達すると断速度がU1 からU2 に切り替えられ、この後実際のクラッチストロークが断側設定値V2 に達すると断速度がU2 からU1 に切り替えられる。このように、クラッチ断速度は半クラッチ領域内で変更され、半クラッチ領域の断側境界位置(断側境界値VXH)を越えるときは必ず低速のU2 となる。
【0031】
例えば発進途中等でクラッチが半クラッチ状態から急激に切られたとき、それまで駆動系に付加されていた捩りトルクが一気に解放され、クラッチ断ショック、揺れ戻し等の不具合が生じる。クラッチ断ショックはクラッチが半クラッチ状態から切られる瞬間(半クラッチ領域から脱出する瞬間)に発生するため、このように低速U2 で断側境界位置を越えることでクラッチ断ショックを確実に防止できる。
【0032】
このような理由からかかる断速度制御は上記発進制御の最中に実行される。このときの様子を示したのが図2である。同図で実線は通常通り発進接続が行われたときのクラッチストロークの変化の様子である。また破線は、微速走行等の場合において、運転手がアクセルの踏み戻しを行い、半クラッチ中にクラッチが切られたときの様子である。左側の破線で示すように、クラッチ切り始めのクラッチストロークが接側設定値V1 と断側境界値VXHとの間の値Aであれば、低速U2 でクラッチ断され、そのまま断側境界値VXHを越え、クラッチ断ショックが防止される。この後クラッチストロークが断側設定値V2 に達すると断速度が高速のU1 に変更され、クラッチが速やかに完接される。
【0033】
一方、右側の破線で示すように、クラッチ切り始めのクラッチストロークが接側設定値V1 と接側境界値VXLとの間の値Bであれば、接側設定値V1 まで高速U1 でクラッチ断され、接側設定値V1 で低速U2 に切り替えられ、そのまま断側境界値VXHを越える。これによっても同様にクラッチ断ショックが防止される。この後クラッチストロークが断側設定値V2 に至れば断速度が再度高速のU1 に切り替えられクラッチが完接される。
【0034】
ここで、後者の例は比較的深い半クラッチ状態からクラッチ断する場合である。このとき最初から低速でクラッチ断すると全体の断時間が長くなるので、接側設定値V1 まで高速でクラッチ断している。また、前者の例も同様だが、クラッチストロークが断側設定値V2 になったら断速度を高速に切り替えている。これにより全体の断時間を徒に長期化しないで済み、クラッチ断ショックを防止しつつ断時間を短縮できる。逆にいえば、断側境界値VXHを越えるときだけ低速にすればよいのであり、その他のときは高速でクラッチ断するのが好ましい。
【0035】
ここで、本装置は車速に基づいたクラッチ制御(車速制御)も実行するようになっている。これは、クラッチ断状態で車速が一定値まで増加したらクラッチを接続し、逆に図4に示すようにクラッチ接状態で車速が一定値Qまで減少したらクラッチを分断する、というものである。例えば、下り坂で発進待機の状態(車速ゼロ、ブレーキ作動中、クラッチ断、且つギヤインという状態)から、ブレーキペダルを解放すると、車両が空走(コースティング)し始め坂を下り落ちていく。このままだと車速がどんどん上ってしまうので、一定車速に達したらクラッチを接続し、エンジンブレーキを効かせてやるのである。一方、通常走行においてエンジンブレーキを効かせながら車両を減速しているとき、十分な低車速に達したらクラッチを分断し、エンストを防止してやるのである。
【0036】
特に後者の車速分断制御において上記クラッチ断速度制御が実行される。即ち、エンジンブレーキによって駆動系に捩りトルクが溜められているので、これを一気に解放すると断ショックが生じる。そこで、図4に示すように、断側境界値VXHを越えるときに断速度を低速に変更し、この問題を解消するようにしている。
【0037】
ところで、クラッチ断速度を変える方法として以下の二種類が可能である。一つはリーク式と称し、モータ10を最大回転させ油圧ポンプ11の吐出量を最大に保つ一方、電磁弁30又は31に与えるデューティ信号のデューティ比を変更し、オイルリーク量を調節してスレーブシリンダ5の速度を変えるという方法である。この方法は従来からも行われている。
【0038】
もう一つはモータ制御式と称し、モータ10を直接デューティ制御し、そのデューティ比を変えることにより油圧ポンプ11の吐出量を変え、スレーブシリンダ5の速度を変えるという方法である。この方法は本装置特有の新規な方法である。モータ制御式はリーク式に比べモータ速度を低くできることからモータ作動音を小さくでき、電磁弁も作動させないことからその作動音が無くなり、騒音上有利である。
【0039】
ところで、クラッチストロークセンサ19はポテンショメータであり、その出力はアナログ信号である。一方、コントロールユニット14は各種信号をデジタル処理する構成となっている。このためコントロールユニット14ではクラッチストロークセンサ19のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0040】
また本装置では、クラッチ断のときのクラッチ断速度検出及びクラッチフィードバック制御を従来と異なる方法で行う。即ち、従来方法は、予め決められた所定の単位時間毎にクラッチストロークの変化量を検出し、その変化量を単位時間で除してクラッチ断速度とする。そしてこれを所定の目標速度と比較してクラッチを単位時間毎にフィードバック制御する。
【0041】
これに対し本装置では、クラッチが予め決められた所定のストローク幅を動作するときのクラッチの滞在時間を計測し、そのストローク幅を滞在時間で除してクラッチ断速度とする。そしてこのクラッチ断速度を予め決められた所定の目標速度と比較してクラッチを所定ストローク幅毎にフィードバック制御する。つまりここでは時間でなくクラッチストローク幅を基準にクラッチ断速度の検出及びクラッチ制御を行う。
【0042】
これについて詳しく述べる。図5に示すように、ここでは完接から完断までの全クラッチストローク(デジタル値)が複数ブロックに予め分割され、そのブロック毎にフィードバック制御が実行される。各ブロックは1より大きいビット数のストローク幅を有し、完接側のブロックから順にaビット、bビット、…gビットのストローク幅を有する。なおここでは全クラッチストロークが等分割され、a=b=c…=gである。
【0043】
クラッチ分断過程において、実際のクラッチストロークが1ブロック中に滞在する時間(滞在時間)をタイマでカウントし、その1ブロック中のストローク幅(ビット数)を滞在時間で除し、その結果を当該ブロック中における実際のクラッチ断速度とする。
【0044】
例えば、完接位置(デジタル値=a0 )から始まる最初のブロックにおいて、滞在時間がtaであったとする。言い換えれば、クラッチ分断過程において、クラッチストロークのデジタル値がa0 からb0 に変化するのに時間taを要したとする。するとこのブロックにおけるクラッチ断速度はa/taとなる。同様に、デジタル値=b0 で始まる次のブロックではb/tb、デジタル値=c0 で始まる次のブロックではc/tcである。このようにして求められた実際のクラッチ断速度を、予めコントロールユニット14に入力された目標速度a/Ta,b/Tb,c/Tc…と比較してクラッチをフィードバック制御する。比較は各ブロックの境界点即ちクラッチストロークのデジタル値がb0 ,c0 …になった時点で行う。
【0045】
図示例において、目標速度a/Ta,b/Tbは先のU1 に相当し、目標速度c/Tcは先のU2 に相当する。c0 及びd0 は先の接側設定値V1 及び断側設定値V2 に相当する。最初のブロックでは実際の断速度a/taが目標速度a/Taより大きく、このためクラッチストロークのデジタル値がb0 になった時点で断速度が減少方向に調節されている。次のブロックでは断速度b/tbが目標速度b/Tbより小さい。クラッチストロークのデジタル値がc0 になった時点で目標速度c/Tcが減少され、それに従って実際の断速度c/tcも減少されている。クラッチストロークのデジタル値がd0 になれば、再び目標速度が増加され実際の断速度も増加される。
【0046】
この方法では、ta,tb,…或いはTa,Tb,…が従来の単位時間より大きくなるように、少なくとも従来の単位時間の数倍程度となるように、ストローク幅a,b,…が設定される。従ってこの方法によれば通常極めて短い時間(ex.32msec )である単位時間毎にフィードバック制御をしなくて済み、制御の簡略化が図られる。本方法では、従来より制御が大まかになるものの、クラッチを細かく制御する必要がない場合、特にクラッチ断するような場合は有効である。もっとも細かい制御が必要な領域があればその領域だけ従来方法を採用し、他の領域は本方法を採用するという部分的な用い方もできる。クラッチストロークの分割方法は等分割に限られず、1ブロック中のストローク幅も任意に設定できる。断速度の変更方法としては上記リーク式、モータ制御式いずれも可能である。
【0047】
以上、本発明は他にも様々な実施の形態を採ることが可能である。例えばクラッチは湿式多板クラッチ等が可能で、本発明の「クラッチ」にはこのようなものも含める。「アクチュエータ」も変形例が可能だし、油圧以外の流体圧(例えば空圧等)を用いることも可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、制御を簡略化できるという優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるオートクラッチ車両の全体構成図である。
【図2】 クラッチ断速度変更制御の内容を示すタイムチャートである。
【図3】 同制御内容を示し、クラッチ断目標速度を示す。
【図4】 車速分断制御の内容を示す図である。
【図5】 本発明に係るクラッチ断速度制御法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 摩擦クラッチ
5 スレーブシリンダ
8 油圧源
10 電気モータ
11 油圧ポンプ
14 コントロールユニット
19 クラッチストロークセンサ
30,31 電磁弁
1 高速のクラッチ断速度
2 低速のクラッチ断速度
ta,tb,tc 滞在時間
a,b,c,d,e,f,g 1ブロック中のストローク幅(ビット数)

Claims (1)

  1. コントロールユニットの断接指令に基いてクラッチをアクチュエータにより断接制御する際のクラッチ速度制御方法であって、
    目標クラッチ断速度は、クラッチストロークが完接値から半クラッチ領域の断側境界値より接側の設定値まで高速のクラッチ断速度に設定され、前記半クラッチ領域の断側境界値より接側の設定値から半クラッチ領域の断側境界値より断側の設定値まで低速のクラッチ断速度に設定され、前記半クラッチ領域の断側境界値より断側の設定値から完断値まで高速のクラッチ断速度に設定され、
    全クラッチストロークを所定のストローク幅毎に分割し、かつ、分割したストローク幅は、前記半クラッチ領域の断側境界値より接側の設定値を始端とするストローク幅と、前記半クラッチ領域の断側境界値より断側の設定値を終端とするストローク幅とを有し、
    前記クラッチが所定のストローク幅を動作するときの滞在時間をストローク幅毎に計測し、計測したストローク幅における実際のクラッチ断速度を算出し、前記計測したストローク幅における目標クラッチ断速度と比較して前記計測したストローク幅の直後に計測するストローク幅における実際のクラッチ断速度をフィードバック制御すること
    を特徴とするクラッチ速度制御方法。
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