JP4708194B2 - 金属パターン形成材料及び金属パターンの形成方法 - Google Patents

金属パターン形成材料及び金属パターンの形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばフィールド・エミッション・ディスプレィ、プラズマディスプレィ、液晶ディスプレィ等のフラットパネルディスプレィや、その他の各種の電子デバイスの製造分野で用いることができる、金属パターン形成材料(以下、パターン形成材料ともいう)及び金属パターンの形成方法に関する。
コスト競争の激しいフラットパネルディスプレィの分野にあっては、その中で用いられる金属配線部分をいかに安価に緻密に作成するかが重要になる。この金属配線部分は、例えば、基板に金属薄膜を設け、この上に感光性レジストを塗布して、パターニングした後に、エッチングして金属パターンを形成する方法により形成されている(特許文献1参照)。
しかし、高価な貴金属で金属パターンを得ようとした場合には、特許文献1に開示されているような方法では、基板全面に高価な貴金属を塗布するため、製造原価を高めてしまうことになり、実用的ではない。
そこで、感光性レジスト組成物でパターニングした後に、メッキ処理を施して金属配線パターンを形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に開示されている方法は、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート溶液を、基板に塗布して、マスクを介して露光し、水洗してパターンを形成し、このパターンを、スズ−パラジウム系活性剤で処理することにより触媒核を吸着した後、無電解メッキをする方法である。これによってパターンのみに貴金属膜を形成することができる。しかしながら、1m角以上の大型ガラス基板に、数百nmのオーダーで均一に微細な貴金属パターンを得ようとする場合、特許文献2に開示されている方法では、溶液の管理が非常に困難であり、大型基板を大量生産するためには現実的な方法とはいえない。
そこで貴金属パターンを安価に作成する方法が検討されてきた(特許文献3参照)。特許文献3には、感光液組成物として、カルボキシル基を有するポリマーを用いる方法が開示されている。これによって、金属パターンを形成するに際し、工程の途中で除去されるパターン構成材料を最小限に抑制することを可能としている。また、特に使用する金属に、白金等の貴金属を用いた場合には、工程の途中で除去されるパターン形成材料を回収して再利用することを可能としている。
特許第3507908号公報 特開平9−78250号公報 特開2003−31922号公報
しかしながら、特許文献3に記載の方法は、貴金属パターンを安価に作成する方法として、吸着法を採用しているため、ポリビニルアルコール系の樹脂や、ポリビニルピロリドン系の樹脂等のように、樹脂中にカルボキシル基を有する樹脂がマトリックスポリマーとして用いられる。このような樹脂は、水溶性系であるため、パターン形成材料中に水を50質量%以上含むこととなる。
パターン形成材料中に、多量の水が含有されている場合、基板にパターン形成材料を塗布している最中に、この水が蒸発してパターン形成材料が増粘してしまったり、スピンナーを用いて塗布している場合には、ストリエーションが発生したりする場合がある。特に、大型の塗布装置を用いた場合には、多量の水が含有されていることが、塗布性を悪化させる原因の一つとなってしまっている。
さらに、これらの樹脂は、架橋点を有さないために、金属イオンの吸着時に膨潤によるパターンの崩れ、未反応部分の再溶出等が生じていた。
また、現像液の水分中に存在するアルカリ成分が、パターン中のカルボキシル基に化学吸着することにより、パターン表面での金属成分の吸収性を著しく低下させるという場合がある。
以上の課題に鑑み、本発明では、pH=7未満の純水液で現像が可能であり、かつ、塗布性が高く、良好なパターン形状を保つことが可能であるパターン形成材料を提供することを目的とする。
また、本発明では、金属を化学吸着させる性能が高く、かつ、良好なパターン形状を保つことが可能である金属パターンの形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、マトリックスポリマーに、主鎖がアクリル酸とイタコン酸とを主とする共重合体に、ラジカル重合性二重結合が導入されたポリマーを用いることが、塗布性を向上させる上で好ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は具体的には以下の発明である。
本発明は、マトリックスポリマーと、架橋性モノマーと、光重合開始剤と、を含有する金属パターン形成材料であって、マトリックスポリマーは、アクリル酸とイタコン酸の共重合体を含有する金属パターン形成材料を提供するものである。
また本発明は、pH=7未満の純水液、又は沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の少なくともどちらか一方で現像可能であり、且つ、アクリル酸とイタコン酸の共重合体をマトリックスポリマーとして含有する金属パターン形成材料を、露光する露光工程と、pH=7未満の純水液、又は沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の少なくともどちらか一方で現像する現像工程と、を有するフォトリソグラフィー法によりパターンを形成する工程と、前記パターンを、金属成分を含む水溶液中の金属イオンもしくは金属化合物の錯イオンを化学吸着させて、金属含有パターンを形成する工程と、前記金属含有パターンを焼成して金属単体または金属酸化物の少なくともどちらか一方を含む金属パターンを形成する工程と、を備える金属パターンの形成方法を提供するものである。
本発明によれば、パターン形成材料のマトリックスポリマーを、アクリル酸とイタコン酸の共重合体としたことによってpH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方に可溶(現像可能)で、かつ、塗布性が高く、良好なパターン形状を保つことが可能であるパターン形成材料を提供することが可能となった。また、このパターン形成材料を用いてパターンを形成することにより、金属を化学吸着させる性能が高いパターンを形成することが可能となった。
更に本発明によれば、蒸発物の発生を抑制すると共に、金属を化学吸着させる性能が高く、かつ、良好なパターン形状を保つことが可能である金属パターンの形成方法を提供することが可能となった。
本発明に係るパターン形成材料は、マトリックスポリマーと、ラジカル重合性モノマーと、光重合開始剤と、沸点が100℃以上の水溶性有機溶剤と、からなり、熱重合禁止剤、可塑剤、酸素阻害防止剤等が適宜添加された組成である。以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[マトリックスポリマー]
「マトリックスポリマー」とは、パターン形成材料の母体となるポリマーをいう。通常、パターン形成材料となるマトリックスポリマーは、カルボキシル基を含有するため、パターンの形成には、アルカリ性の現像液が用いられる。しかし、本発明では、後にパターンに金属イオンを吸着させるため、現像の際にpH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方で、現像する必要がある。そのため、マトリックスポリマーは、pH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方、好ましくはpH=7未満の純水液、更に好ましくはpH=6.5以下の純水液に可溶でなければならない。
本発明では、このマトリックスポリマーの主鎖は、アクリル酸とイタコン酸とからなる共重合体である。これによって、pH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方に可溶な共重合体を形成することが可能となる。また、この共重合体は有機溶剤にも可溶であるため、パターン形成材料を、有機溶剤を用いて製造することができる。その結果、パターン形成材料の塗布性を向上させることが可能となった。
なお、露光前後の耐現像性を制御する観点から、マトリックスポリマーは、主鎖中のカルボキシル基とグリシジルメタクリレートとの付加反応単位を有するマトリックスポリマーであることがより好ましい。これによって、露光前後の耐現像性を制御することが可能となる。また、光重合反応をすることが可能なラジカル重合性二重結合が、導入されていてもよい。このラジカル重合性二重結合の導入は、マトリックスポリマー中のカルボキシル基と、ラジカル重合性二重結合を有するエポキシ化合物との反応により導入される。
このラジカル重合性二重結合の導入により、パターン形成材料の感度を向上させることができる。また、導入された二重結合がラジカル反応して、三次元構造を形成することによって、貴金属化合物イオンもしくは、その錯体イオンを化学吸着させたときに、形成されたパターンが崩れることを抑制することができる。また、貴金属化合物イオン等を吸着させたパターンが、焼成時に基板から剥離してしまうことを抑制することができる。更に、リンス時の未反応ポリマーの再溶出を抑えることもできる。
また、主鎖中のアクリル酸のモル比は、30mol%から85mol%であることが好ましく、50mol%から75mol%であることが更に好ましい。モル比が、30mol%より少ないと、マトリックスポリマーの基板への密着性が低下して、吸着時にパターンが剥離しやすくなってしまい、モル比が、85mol%より多いと、マトリックスポリマーの水溶性有機溶剤への溶解性が劣ることになってしまうためである。
一方、イタコン酸のモル比は、15mol%から70mol%であることが好ましく、20mol%から50mol%であることが更に好ましい。モル比が、15mol%より少ないと水溶性有機溶剤に不溶となってしまうことがある。またモル比が、70mol%より多いと、pH6.5の純水液に不溶となってしまうことがあるためである。
本発明に係るパターン形成材料は、塗布性を向上させるために、沸点が100℃以上の有機溶剤を使用する。そのため、マトリックスポリマーの酸価は、400mgKOH/gから700mgKOH/gであることが好ましい。酸価が400mgKOH/gよりも低い場合には、pH7.0以下の純水液に不溶となってしまうことがある。また酸価が700mgKOH/gよりも大きいと、耐現像性に劣ってしまうためである。この酸価の調整は、ラジカル重合性二重結合の導入量を変化させることによって行なわれる。
<マトリックスポリマーの製造方法>
マトリックスポリマーの重合は、公知の方法により行なわれる。例えば、アクリル酸とイタコン酸とからなる単量体を、通常の重合開始剤である過硫酸アンモニウム、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスブチロニトリル或いは過酸化水素等を単量体に対して0.1質量%から10質量%程度の範囲で添加し、水又はアルコール系等の溶媒中で50℃から150℃で、1時間から10時間程度で重合させる方法が挙げられる。
このマトリックスポリマーは、必要に応じて粉体化処理が施されていてもよい。具体的には、内部に熱媒体を通して高温にした回転ドラム表面や回転ディスクの上面、あるいは二本ロールの間隙に重合体水溶液を薄膜状に付着させて乾燥して粉砕、粉末化する方法や、またスプレードライヤを用いた噴霧乾燥により粉末化する方法等が挙げられる。
[架橋性モノマー]
「架橋性モノマー」とは、分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーをいう。パターン形成材料を現像する際は、pH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方を用いる。そのため、マトリックスポリマーだけではなく、架橋性モノマーもpH=7未満で水溶性である必要がある。具体的には、多価アルコールと、N−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物が含有されているものをいう。また、更に多官能(メタ)アクリレートが添加されているものを用いることが好ましい。これによって、pH=7未満で良好な水溶性を保つことが可能となる。
また、架橋性モノマーに、多官能(メタ)アクリレートを更に含有させることが好ましい。これによって、pH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方で良好な耐水性を保つことができるだけではなく、感度を向上させることが可能となる。
<多価アルコール>
「多価アルコール」としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,6−へキサントリオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリオキシエチレン(n)ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(n)ジグリセリルエーテル、ペンタエリスリトール、ジぺンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2,2´−チオジエタノール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)誘導体や、ブドウ糖、マンノース、ガラクトース、果糖等の単糖類、ショ糖、麦芽糖、乳糖等の二糖類、澱粉、グリコゲン、デキストリン、セルロース等の多糖類等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、副反応生成物であるメチレンビスアクリルアミド析出の抑制や、耐現像性の向上の点から、ペンタエリスリトールを用いることが好ましい。
上記の多価アルコールと、N−メチロール(メタ)アクリルアミドを所定の温度で縮合させることにより、本発明に係る架橋性モノマーが得られる。縮合条件としては、85℃から95℃のもと、1.5時間縮合させることが好ましい。また、この縮合反応は触媒として、リン酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、硝酸、塩化アンモニウム等の酸触媒を用いてもよい。この酸触媒の存在により、縮合反応をおこし、N−メチレンエーテル(メタ)アクリルアミド誘導体やN−メチレン(メタ)アクリルアミド誘導体を生成することができる。
<多官能(メタ)アクリレート>
多官能(メタ)アクリレートとしては、多官能ビニルモノマーが挙げられる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキサイド数=4〜14)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートすなわち、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。中でも、露光後の耐現像性を向上させることができるという点と、水溶性である点から、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキサイド数=6)を用いることが好ましい。
これら多官能ビニルモノマーの多くは油溶性であり、pH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方を用いて現像するため、使用量は最小限に止めておいた方が好ましい。具体的には、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
<重合禁止剤>
また、この架橋性モノマーは、重合禁止剤を更に含有していてもよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノンのようなキノン誘導体、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、カテコール、第三ブチルカテコール、ピロガロールのようなフェノール誘導体及びヒンダードアミン系の重合禁止剤等が挙げられる。ただし、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。
<その他>
補助的に用いられる単官能モノマーとしては、具体的には(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ビドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。このうち、金属吸着率を向上させるために、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸等を用いることが好ましい。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。
これらの単官能モノマーの使用量は、感度の低下を防止するために最小限に止めておいた方が好ましい。
[光重合開始剤]
「光重合開始剤」とは、光硬化性組成物の一成分であり、紫外線や電子線などの照射により組成物を重合して高分子化する化合物をいう。本発明において、光重合開始剤として、従来公知のものを使用することができる。
具体的には、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アルコキシベンゾフェノン、N,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、(2−アクリロイロキシ)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニウムブロマイド等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジル、ジベンジル、ベンジルジフェニルジスルフィド、ベンジルジメチルケタールなどのベンジル誘導体、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ビドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−9−オンメトクロライド等のキサントン誘導体、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2´−ジエトキシアセトフェノン、2,2´−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体、クロルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−カルボキシアントラキノン、アントラキノン−2−スルホン酸ソーダ、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸ソーダ、アントラキノン−2,7−ジスルホン酸ソーダなどのアントラキノン誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、フェナントレンキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4,−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI403)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュア369)、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾィル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルォキシム)(CGI242)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタノン−1−オン(イルガキュア379)、等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。
[有機溶剤]
本発明のパターン形成材料を基板上に設けるには、各原材料を公知の有機溶剤に溶解させて塗布液とし、スピンナー、フローコータ、ロールコータ等の手段を用いて塗布、乾燥させることで得ることができる。このような有機溶剤としては、沸点が100℃以上の水溶性有機溶剤が挙げられる。
従来公知のもの、例えばジオキサン(bp=101℃)、2,2−ジメチル−1−プロパノール(bp=114℃)、トリオキサン(bp=115℃)、プロパギルアルコール(bp=115℃)、1−ブタノール(bp=118℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(bp=120℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(bp=121℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(bp=125℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp=132℃)、N,N−ジメチルエタノールアミン(bp=135℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp=136℃)、N−エチルモルホリン(bp=138℃)、2−イソプロポキシエタノール(bp=139℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(bp=145℃)、ニュウサンメチル(bp=145℃)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(bp=145℃)、ニュウサンエチル(bp=156℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(bp=160℃)、3−メトキシ−1−ブタノール(bp=160℃)、N,N−ジエチルエタノールアミン(bp=162℃)、2−(メトキシメトキシ)エタノール(bp=168℃)、ジアセトンアルコール(bp=168℃)、2−ブトキシエタノール(bp=170℃)、フルフリルアルコール(bp=170℃)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(bp=174℃)、テトラヒドロフルフリルアルコール(bp=178℃)、ε−カプロラクタム(bp=180℃)、2−イソペンチルオキシエタノール(bp=181℃)、2,3−ブタンジオール(bp=181℃)、エチレングリコールモノアセテート(bp=182℃)、グリセリンモノアセテート(bp=182℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(bp=188℃)、プロピレングリコール(bp=188℃)、ジメチルスルホキシド(bp=189℃)、ジメチルスルホキシド(bp=189℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp=190℃)、1,2−ブタンジオール(bp=190.5℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp=194℃)、テトラエチレングリコール(bp=194℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp=197℃)、エチレングリコール(bp=198℃)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(bp=198℃)、2,4−ペンタンジオール(bp=198℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp=202℃)、N−メチルピロリドン(bp=202℃)、イソプレングリコール(bp=203℃)、1,3−ブタンジオール(bp=208℃)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(bp=211℃)、1,3−プロパンジオール(bp=214℃)、1,4−ブタンジオール(bp=229℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp=230℃)、ジプロピレングリコール(bp=232℃)、2−ブテン−1,4−ジオール(bp=235℃)、1,5−ペンタンジオール(bp=242℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp=243℃)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ここに列挙した化合物に限定されるものではない。
このうち、ストリエーションの発生を防止するために、沸点が110℃から200℃の有機溶剤を用いることが好ましい。なお、沸点が200℃以上の有機溶剤は、乾燥性が劣り、金属パターンを形成するまでに時間がかかるため単独で用いるよりも、沸点が低い有機溶剤と組み合わせて用いることが好ましい。
[パターン形成材料の組成]
本発明に係るパターン形成材料は、マトリックスポリマーと、架橋性モノマーと、光重合開始剤と、を主成分として含有する。また、必要に応じて熱重合開始剤や光反応促進剤、レベリング剤、発色剤、染料、顔料等の着色剤、充填剤、密着性付与剤、可塑剤等を添加してもよい。なお、それぞれの成分については特に制限はなく、公知の成分を用いることができる。
マトリックスポリマーの含有量は、マトリックスポリマー、架橋性モノマー、光重合開始剤等、全固形成分の総量100質量部に対して、20質量部から80質量部が好ましく、30質量部から70質量部がより好ましい。含有量が20質量部よりも少ない場合は、金属イオンのパターンへの吸着性能が劣る場合がある。また、含有量が80質量部を超えてしまうと十分な感度を得ることができない場合があるためである。
架橋性モノマーの含有量は、マトリックスポリマー、架橋性モノマー、光重合開始剤等、全固形成分の総量100質量部に対して、20質量部から80質量部が好ましく、30質量部から70質量部がより好ましい。含有量が20質量部よりも少ない場合には、十分な感度が得られないことがある。また、含有量が80質量部を超えてしまうと、塗布性が悪くなってしまう。また、形成された光硬化物が硬く、脆くなって基板への十分な密着性が得られなくなってしまい、金属イオンの吸着量が減じてしまう場合があるためである。
光重合開始剤の含有量は、マトリックスポリマー、架橋性モノマー、光重合開始剤等、全固形成分の総量100質量部に対して、0.05質量部から10質量部が好ましく、0.3質量部から7質量部がより好ましい。含有量が0.05質量部よりも少ない場合には、使用する光重合開始剤の種類によっては十分な感度が得られないことがある。また、含有量が10質量部を超えてしまうと、光反応後に光吸収系の化合物となるため、パターン形成材料の組成層の露光表面での光吸収が増加し、光硬化が不十分となることがあるためである。
有機溶剤の含有量は、塗布装置により必要な濃度粘度があるため、特に限定されるものではないが、全固形分100質量部に対して、330質量部から3300質量部であることが好ましい。
熱重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノンのようなキノン誘導体、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、カテコール、第三ブチルカテコール、ピロガロールのようなフェノール誘導体及びヒンダードアミン系等の公知の熱重合禁止剤を用いることができる。
熱重合禁止剤の含有量は、マトリックスポリマー、架橋性モノマー、光重合開始剤等、全固形成分の総量100質量部に対して、0.01質量部から1質量部が好ましく、0.1質量部から0.5質量部がより好ましい。含有量が0.01質量部よりも少ない場合には、熱重合禁止剤としての効果を奏することができなくなってしまう場合がある。また、含有量が1質量部を超えてしまうと、感度の低下を引き起こす場合があるためである。
可塑剤としては、水溶性のグリコール類が適しており、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペントース、ヘキソース等の公知のものを用いることが可能である。
また、酸素阻害防止剤としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を用いることが可能である。また、レベリング剤、発色剤、染料、顔料等の着色剤、充填剤、密着性付与剤等の公知のものを用いることが可能である。
本発明に係るパターン形成材料は、pH=7未満の純水液又は、沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の、少なくともどちらか一方で現像が可能であるが、pH=7未満の純水液で現像可能であることがより好ましい。
パターン形成材料の塗布性は、使用される溶媒の影響を大きく受ける。沸点が100℃よりも低い溶剤(水も含めて)を使用すると、基板に塗布した際に、低沸点成分が蒸発することによってパターン形成材料が増粘して、レベリングされづらくなる。そのため、スピンナー塗布ではストリエーションを発生し、スピンレス塗布にあってはノズルの僅かな凹凸が筋となって塗膜の均一性を低くしている。
なお、パターンを形成する工程において、基板に塗布されたパターン形成材料中の溶剤が残存する場合もある。水不溶性の溶剤では、純水液を用いての現像時に、基板に付着したり、現像液中にて浮遊もしくは沈降分離することになったりし、その後の処理に弊害となるので、水溶性有機溶剤を使用する必要がある。
従って、パターン形成材料が、沸点100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤でも現像が可能なものとしたことによって、レベリング性を向上させ、均一に塗布することができる。また、現像剤をpH=7未満の純水液でも現像可能としたことによって、水中のアルカリ成分が、パターン中のカルボキシル基やスルホン酸基に化学吸着されてしまうことを抑制することができる。その結果、金属を吸着させる工程において、金属イオン又は金属化合物錯イオンがパターンへ吸着されやすくなる。
[貴金属パターンを形成する方法]
以下、本実施の形態のパターン形成材料を用いて貴金属パターンを形成する手順について説明する。本発明に係る金属パターン形成方法は、露光工程と、現像工程と、金属化合物の錯イオンを化学吸着させて、金属含有パターンを形成する工程とを有する。また更に、この金属パターンを焼成する焼成工程を有していてもよい。
「露光工程」とは、ガラス基板の上に、本発明に係るパターン形成材料を、必要に応じて他の成分を添加して塗布して、所定の温度で乾燥させて塗膜形成し、形成された塗膜の上に、パターンマスクを介して、密着露光もしくはギャップ露光を行う工程をいう。
このときのパターン形成材料の塗布方法としてはスピンコータ、ロールコータ、カーテンフローコータ、スプレイコータ、ディップコータ、バーコータ、テーブルコータ塗装等により塗布することができ、いずれの方法でもよい。
露光光源としては、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライト、アーク灯などいずれでもよく、開始剤の吸収波長と一致する波長を出す露光ランプを選択すればよい。また、露光光線としては紫外線を用いることが好ましい。
「現像工程」とは、pH=7未満の純水液又は沸点100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の少なくともどちらか一方で、好ましくはpH=6.5以下の純水液を用いて現像して、純水液を用いてリンスを行い、その後、付着水の除去を行ってパターンを形成する工程をいう。純水液とは、イオン交換、蒸留、逆浸透膜濾過等の方法により得られる純水をいう。金属イオンもしくは金属化合物の錯イオンの化学吸着を阻害しないという点から、イオン交換処理により得られた純水液が好ましい。
現像剤をpH=7未満の純水液とすることによって、水中のアルカリ成分が、パターン中のカルボキシル基もしくはスルホン酸基に化学吸着されてしまうことを抑制することができる。その結果、金属を吸着させる工程において、金属イオン又は金属化合物錯イオンがパターンへ吸着されやすくなる。
また、沸点100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤とは、本発明に係るパターン形成材料を製造した際に使用した有機溶剤と同様の有機溶剤を用いることが好ましい。
また、現像方法については、スプレー式、ディップ式、シャワー式のいずれの方法を用いてもよい。
「金属含有パターンを形成する工程」とは、上記の現像工程により形成されたパターンに、金属イオン又は金属化合物の錯イオンを、パターン中のカルボキシル基とイオン結合させることにより、化学吸着する工程をいう。
パターンに吸着させる金属化合物は、二価以上の金属の水溶性化合物であるなら特に限定されるものではない。この金属化合物を用いることにより、金属の廃棄量が減少するため、金属パターンを安価に形成することが可能となる。
ここで、水溶液になる貴金属化合物としては、塩化白金酸、ヘキサアンミン白金(IV)テトラクロライド、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸、テトラアンミン白金ジクロライド、テトラアンミン白金水酸塩、ヘキサアンミン白金水酸塩、テトラアンミンパラジウムクロライド、テトラアンミンパラジウム水酸塩、塩化イリジウム酸水和物、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、硝酸銀、シアン化銀、塩化金酸、シアン化金カリウム、シアン化第二金カリウム、塩化金酸、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、水溶液になる貴金属化合物としては、ここに列挙した化合物に限定されるものでもなく、貴金属化合物の濃度、水溶液の温度等に制限されるものでもない。例えば、濃度1質量%から2質量%の水溶液に、60秒浸漬させる方法が挙げられる。また、他にも特開2003−31922号公報、特開2004−115824号公報に記載される方法等が挙げられる。
「焼成工程」とは、化学吸着された金属イオン等を含有するパターンを、所定の温度で焼成して、有機成分を燃焼する工程をいう。このときの温度は、450℃から600℃で、20分間から1時間であることが好ましく、475℃から525℃で、25分間から40分間であることが更に好ましい。
この焼成工程により形成された、金属パターンの厚さは、用途によって異なってくるが0.1μmから1000μmであり、0.1μmから5μmであることが好ましく、0.5μmから3μmであることが更に好ましい。
[合成例1]
まず、還流冷却器、温度計、窒素ガス吹き込み管、及び攪拌翼を供えた3Lの4つ口フラスコに、1600gのイオン交換水と、イタコン酸160gを仕込んだ。次いで、これを200ml/min流量の窒素ガスを吹き込みながら昇温させた。液温が80℃に達した時点で、あらかじめ2gのアゾビスシアノ吉草酸(以下ACVAとする)と、溶解させた240gのアクリル酸を、約100g/hrで連続的に投入して重合させた。なお、重合中は、100ml/minの流量で、窒素ガスを吹き込み続けた。
また、アクリル酸の投入が終了してから1時間後に、少量のアセトンに溶解させた1gのACVAを、追加触媒として投入して追触反応をさせ、投入から2時間後に冷却した。重合中及び追触反応中の温度は、90℃±2℃の範囲になるよう制御した。重合後のポリマー溶液を、スプレードライヤを用いた噴霧乾燥により粉末化させた。このときの収量は、384gであった。
このポリマー384gを、還流冷却器、温度計、及び攪拌翼を供えた3Lの4つ口フラスコにて、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以後PGMEとする)1795gに溶解させた。
トリエチルアミンを触媒量と、メチルハイドロキノンを、固形分に対して200ppm添加し、分液ロートに用意したグリシジルメタクリレート61.3gを2時間かけて滴下し、さらに2時間反応した。反応中の温度は90±2℃に制御した。これを室温に冷却後実施例用のポリマーとした。
[合成例2]
合成例1のイタコン酸の添加量を240gとし、アクリル酸の添加量を160gとした以外は、合成例1と同様の方法により合成した。
[合成例3]
合成例1で合成したアクリル酸イタコン酸共重合体384gを、還流冷却器、温度計及び攪拌翼を供えた3Lの4つ口フラスコにて、PGME1795gに溶解させた。次いで、N−メチロールアクリルアミド(以後NMAとする)43.6gを添加して溶解させた後に、p−トルエンスルホン酸50%メタノール溶液2gを、5等分して1時間かけて添加した。これを更に30分反応させた後に、室温に冷却して反応を終了した。
[実施例1]
上記の合成例1のポリマーを用いて、下記の配合によりパターン形成材料を作成した。
1・合成例1のポリマー:50質量部
2・ペンタエリスリトールとNMAとの縮合物:39質量部
3・ポリエチレングリコールジアクリレート(n=6):9質量部
4・光重合開始剤(チバガイギー社製:商品名CGI242):2質量部
5・メチルハイドロキノン:0.01質量部
6・PGME:323質量部
上記1から5に記載の物質を全て、水溶性有機溶剤であるPGMEに溶解させて透明なパターン形成材料を得た。
このパターン形成材料を、10cm角、厚み1mmのガラス基板に、スピンナー(ミカサ株式会社製)にて、1500回転で30秒間塗布した後、ホットプレート上で90℃15分間乾燥して塗膜を形成した。このときの膜厚は、1.2μmであった。
塗布面はストリエーションもなく均一な膜面を形成しており、面内の均一性は±2.2%であった。なお、面内の均一性は、(最大膜厚−最小膜厚)/2×平均膜厚の式より算出した。
この塗膜を、平行光紫外線露光機でネガマスクを照射して200mJ/cmにて露光した。その後、圧力0.5MPa、水温25℃、pH6.5のイオン交換水を用いて120秒間現像し、圧搾空気で水滴を飛ばした後、ホットプレートで15分乾燥してパターンを得た。このときのパターンの膜厚は0.62μmであった。
このパターンを、白金錯体水溶液に30秒間浸漬させ、圧搾空気で水滴を飛ばした後、550℃で60分間焼成を行った。形成された白金膜の膜厚は、40.3nmであり、緻密さは良好であった。
[実施例2]
合成例1のポリマーを、合成例2のポリマーに置き換えた以外は全て実施例1と同様の組成、手順で白金膜を形成した。
なお、塗膜の塗布面は、ストリエーションもなく均一な膜面を形成しており、面内の均一性は±2.4%であった。また、得られたパターンの膜厚は、0.61μmであった。焼成後の白金膜の膜厚は39.9nmであり、緻密さは良好であった。
[実施例3]
合成例1のポリマーを、合成例3のポリマーに置き換えた以外は全て実施例1と同様の組成、手順で白金膜を形成した。
なお、塗膜の塗布面は、ストリエーションもなく均一な膜面を形成しており、面内の均一性は±2.4%であった。また、得られたパターンの膜厚は、0.65μmであった。焼成後の白金膜の膜厚は42.5nmであり、緻密さは良好であった。
[実施例4]
実施例1に記載のパターン形成材料の、ペンタエリスリトールとNMAとの縮合物を、エチレングリコールとNMAとの縮合物に置き換えた以外は全て実施例1と同様の組成、手順で白金膜を形成した。
なお、塗膜の塗布面は、ストリエーションもなく均一な膜面を形成しており、面内の均一性は±2.4%であった。また、得られたパターン膜厚は、0.61μmであった。焼成後の白金膜の膜厚は39.9nmであり、緻密さは良好であった。
[比較合成例1]
合成例1に記載のイタコン酸160gを0gとし、アクリル酸を400gに置き換えた以外は合成例1と同様の手順でポリマーを合成した。
[比較合成例2]
合成例1に記載のイタコン酸160gを、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸に置き換えた以外は合成例1と同様の手順でポリマーを合成した。
[比較合成例3]
合成例1に記載のアクリル酸240gを、アクリル酸200g及びブチルアクリレート40gに置き換えた以外は合成例1と同様の手順でポリマーを合成した。
[比較実施例1]
実施例1に記載のパターン形成材料の、合成例1のポリマーを、比較合成例1のポリマーに置き換えた以外は全て実施例1と同様の組成、手順で白金膜を形成した。
しかし、比較合成例1のポリマーは、PGMEには完全には溶解せず、微かに白濁した状態であり、水を添加することによって透明になった。実際に塗膜を形成する際には水は用いず、PGMEのみを用いて乾燥させた。その膜質は粗面となっており、面内の均一性は±4.3%であった。
[比較実施例2]
比較合成例2のポリマーは、PGMEには溶解しなかったため比較テストは中断した。
[比較実施例3]
比較合成例のポリマーは、PGMEには溶解し、塗布性も良好であった。しかし、pH6.5のイオン交換水による現像はできなかったため比較テストは中断した。
[比較実施例4]
実施例1に記載のパターン形成材料の、合成例1のポリマーを、ポリアクリル酸に置き換えた以外は全て実施例1と同様の組成、手順で白金膜を形成した。
しかし、現像後に溶出残渣が基板に残るだけでなく、またパターンには裾引きがあったため感光材料としては不適切であった。
[比較実施例5]
実施例1に記載のパターン形成材料の、合成例1のポリマーを、合成例1中で合成された中間体のアクリル酸−イタコン酸共重合体に置き換えた以外は全て実施例1と同様の組成、手順で白金膜を形成した。
しかし、比較実施例4と同様に、現像後に溶出残渣が基板に残るだけでなく、またパターンには裾引きがあったため、感光材料としては不適切であった。

Claims (11)

  1. pH=7未満の純水液、又は沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の少なくともどちらか一方で現像可能であり、マトリックスポリマーと、架橋性モノマーと、光重合開始剤と、を含有する金属パターン形成材料であって、
    前記マトリックスポリマーは、アクリル酸とイタコン酸の共重合体である主鎖にラジカル重合性二重結合が導入されたポリマーである金属パターン形成材料。
  2. 前記マトリックスポリマーが、主鎖中のカルボキシル基とグリシジルメタクリレートとの付加反応単位を有するマトリックスポリマーである請求項1に記載の金属パターン形成材料。
  3. 前記主鎖中の前記アクリル酸のモル比は、30mol%から85mol%であり、前記イタコン酸のモル比は、15mol%から70mol%である請求項1又は2に記載の金属パターン形成材料。
  4. 前記マトリックスポリマーの含有量は、全固形成分の総量100質量部に対して、20質量部から80質量部である請求項1から3いずれかに記載の金属パターン形成材料。
  5. 前記マトリックスポリマーの酸価は、400mgKOH/gから700mgKOH/gである請求項1から4いずれかに記載の金属パターン形成材料。
  6. 前記架橋性モノマーは、多価アルコールと、N−メチロール(メタ)アクリルアミドと、の縮合物を含有する請求項1からいずれかに記載の金属パターン形成材料。
  7. 前記架橋性モノマーは、多官能(メタ)アクリレートを更に含有する請求項1からいずれかに記載の金属パターン形成材料。
  8. pH=7未満の純水液、又は沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の少なくともどちらか一方で現像可能であり、且つ、アクリル酸とイタコン酸の共重合体である主鎖にラジカル重合性二重結合が導入されたポリマーをマトリックスポリマーとして含有するパターン形成材料の塗膜を、露光する露光工程と、
    pH=7未満の純水液、又は沸点が100℃以上200℃以下の水溶性有機溶剤の少なくともどちらか一方で現像する現像工程と、
    を有するフォトリソグラフィー法によりパターンを形成する工程と、
    前記パターンに、金属成分を含む水溶液中の金属イオンもしくは金属化合物の錯イオンを化学吸着させて、金属含有パターンを形成する工程と、
    前記金属含有パターンを焼成して金属単体または金属酸化物の少なくともどちらか一方を含む金属パターンを形成する工程と、
    を備える金属パターンの形成方法。
  9. 前記パターン形成材料は、pH=6.5以下の純水液で現像可能であり、前記現像工程はpH=6.5以下の純水液を用いて前記パターン形成材料を現像する工程である請求項に記載の金属パターンの形成方法。
  10. 前記パターン形成材料が、マトリックスポリマーと、架橋性モノマーと、光重合開始剤と、を含有し、
    前記マトリックスポリマーは、カルボキシル基とスルホン酸基とのうち少なくともどちらか一方を有する請求項又はに記載の金属パターンの形成方法。
  11. 前記マトリックスポリマーが、主鎖中のカルボキシル基とグリシジルメタクリレートとの付加反応単位を有するマトリックスポリマーである請求項から10いずれかに記載の金属パターンの形成方法。
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