JP4706735B2 - 可変動弁機構を有する内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などに搭載される内燃機関に関し、特に吸気弁及び排気弁の開閉時期およびまたは開度を任意に変更可能とする可変動弁機構を有する内燃機関に関する。
近年、自動車等に搭載される内燃機関では、排気エミッションの向上や燃料消費量の低減等を目的として、吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開度を任意に変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の開発が進められている。
可変動弁機構としては、例えば、内燃機関の吸気弁及び排気弁を電磁力によって開閉駆動する電磁駆動式の動弁機構が提案されている。このような電磁駆動式の動弁機構によれば、内燃機関の機関出力軸(クランクシャフト)の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必要がないため、吸排気弁の駆動に起因した機関出力の損失が防止されることになる。このような電磁駆動式の動弁機構は、機関出力軸の回転位置に制限されることなく所望の時期に吸排気弁を開閉することができるため、吸気絞り弁(スロットル弁)を用いることなく各気筒の吸入空気量を制御することが可能となる。その結果、スロットル弁に起因した吸気のポンピングロスが抑制され、内燃機関の燃料消費量が低減される。
更に、他の可変動弁機構として、吸排気弁の開閉を行うロッカーアームに設けられ、吸排気カムと当接するカムフォロワを有する可変動弁機構であって、カムフォロワとロッカーアームとの接続固定を切り替えることで、吸排気カムのプロファイルによるロッカーアームの揺動を制御する可変動弁機構が提案されている。このような可変動弁機構では、吸排気弁の動作状態を吸排気カムのプロファイルに従った通常動作状態と、吸排気カムのプロファイルにかかわらず吸排気弁の動作が行われない動作停止状態とに切り替えることが可能となる。
一方、自動車等に搭載される内燃機関では、エミッションの低減や燃料消費量の低減を目的として、車両が減速走行状態にあるとき等に燃料噴射を停止させる制御(以後、フューエルカットという。)が実行されている。即ち、内燃機関の機関出力軸が回転した状態で燃料噴射が停止されると、内燃機関において混合気の生成及び混合気の燃焼が行われなくなり、内燃機関は吸入した空気をそのままの状態で排気管側へ排出することになる。この結果、内燃機関の燃料消費量が低減される上に、エミッションが低減されることになる。
また、自動車等に搭載される内燃機関の排気系には、内燃機関から排出される排気に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害ガス成分を浄化するために排気浄化触媒が設けられている。このような排気浄化触媒は、例えば、複数の排気流路が形成された触媒担体の表面に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒物質を担持して構成されているため、前述したようなフューエルカットが実行されて排気中の酸素濃度が高まると、前記した触媒物質の表面に酸素や種々の酸化物が付着し易くなる。この現象は、排気浄化触媒の温度が高いときに顕著となり、触媒能力が劣化する場合があった。
これに対し、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合は、フューエルカットを禁止する方法も考えられるが、これでは燃料消費量の増加やエミッションの増加を招いてしまう(例えば特許文献1参照)。
そこで、可変動弁機構を備える内燃機関において、フューエルカット実行時に該可変動弁機構によって吸排気弁の少なくとも一方を閉弁且つ動作停止状態とする技術が提案されている。即ち、内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開度を変更可能な可変動弁機構によって、フューエルカット実行時に、前記吸気弁と前記排気弁との少なくとも一方を閉弁かつ動作停止状態とすべく前記可変動弁機構を制御する強制閉弁手段を備えることで、フューエルカット実行時に内燃機関の吸気系から排気系にかけて酸素濃度の高い排気が流れることを防止するものである(例えば特許文献2参照)。
特開平8−144814号公報 特開2001−182570号公報 特開平10−115234号公報
ところで、上記した従来の可変動弁機構を有する内燃機関においては、少なくとも排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする場合、その閉弁且つ動作停止状態とする時期が、フューエルカットが実行された直後である場合、内燃機関における気筒の何れかにおいては、爆発行程中であるか、またはその後に爆発行程を迎える場合が考えられる。このような場合、フューエルカット実行直前に供給された燃料が、フューエルカット直後の爆発行程において爆発燃焼し燃焼ガスが生成されるため、排気弁が閉弁状態となることによって、該燃焼ガスが、内燃機関の吸気系へ逆流する虞があり、吸気系に大きな負荷がかかる。
また、排気弁に加えて吸気弁も閉弁状態とする場合には、排気弁と吸気弁が閉弁状態となるタイミングによっては、該燃焼ガスが気筒内に封印されることとなり、内燃機関に大きな負荷がかかる虞がある。
そこで、前記課題に鑑み、本発明では、フューエルカット実行時に、酸素濃度の高い排気が排気浄化触媒へ流れ込むのを防止するとともに、フューエルカット実行直後に生成される燃焼ガスによる機関等への影響を抑制すべく、内燃機関の吸排気弁の閉弁時期を制御する可変動弁機構を有する内燃機関を提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。即ち、内燃機関の各気筒における排気弁の開閉特性を変更可能とする可変動弁機構と、所定の運転状態のときに前記内燃機関への燃料の供給を停止する燃料供給停止手段と、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関への燃料の供給が停止される場合、前記各気筒が該燃料の供給停止後に迎える爆発行程において該燃料の供給停止前に噴射された燃料が爆発燃焼することで生成される燃焼ガスの少なくとも一部を排気管側へ排出した後に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする排気弁制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記の可変動弁機構を有する内燃機関において、前記可変動弁機構によって変更可能とされる排気弁の開閉特性には、排気弁の開弁時期、作用角、リフト量、排気弁の開閉動作の停止および開始等を含む。ここで、本発明において、前記各気筒の排気弁の開閉状態については、次のように定義する。内燃機関の燃焼サイクルに従い排気弁が動作する状態、即ち概ね排気行程においては開弁し、吸気行程等その他の行程においては閉弁する状態を通常動作状態といい、該通常動作状態から外れ内燃機関の燃焼サイクルにかかわらず排気弁を常時が閉弁する状態を閉弁且つ動作停止状態と、いうものとする。尚、本発明における吸気弁の開閉状態についても同様とする。また、前記燃料供給停止手段によって内燃機関への燃料の供給が停止されることをフューエルカットという。フューエルカットが実行される所定の運転状態としては、内燃機関の減速、内燃機関の最高回転数制限、内燃機関
を備える車両の最高速度制限等が考えられる。
このように構成された可変動弁機構を有する内燃機関では、フューエルカット実行時、内燃機関の排気系に設けられ内燃機関から排出される排気を浄化する排気浄化触媒へ酸素濃度の高い排気が供給される虞がある場合に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、排気浄化触媒へ酸素濃度の高い排気が供給されること回避することが可能となる。更に、フューエルカットが実行された直後の爆発行程では、フューエルカットが実行される直前に内燃機関に供給された燃料が爆発燃焼するため、該燃料の爆発燃焼によって生成された燃焼ガスの少なくとも一部を内燃機関の排気管側へ排出した後に、前記排気弁制御手段によって、上記のように前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、前記各気筒の内部に残る燃焼ガスの量を低減させ、以て燃焼ガスの吸気系への逆流を低減させることが可能となる。
以上より、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関は、フューエルカット実行時に、酸素濃度の高い排気を排気浄化触媒へ流れ込むのを防止するとともに、フューエルカット実行直後に発生する燃焼ガスによる内燃機関等への影響を抑制することが可能となる。
ここで、前記排気弁制御手段によって、フューエルカット実行後に迎える爆発行程において前記各気筒で生成された燃焼ガスの少なくとも一部を内燃機関の排気管側へ排出した後に、前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とするためには、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関への燃料の供給が停止される場合、該燃料の供給停止後であって前記各気筒の中で該燃料の供給停止後に最も遅く前記燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガスの生成以後の排気行程以降に前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。
即ち、前記燃料供給停止手段によってフューエルカットが実行された後、前記各気筒において順次爆発行程を迎え、燃焼ガスが生成される。そして、その後の排気行程により該燃焼ガスが排気管側へ送られることとなるため、フューエルカット実行後に前記各気筒の中で最も遅く燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガスの生成以後の排気行程以降に、該燃焼ガスを排気管側へ排出すれば、その他の気筒においては既に該燃焼ガス生成直後の排気行程が終了しているかもしくは排気行程中であっても行程がより進んでおり、該その他の気筒内に残存する燃焼ガスの量は極めて少ないと考えられる。従って、フューエルカット実行後において、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする時期は、フューエルカット後に内燃機関の各気筒の中で最も遅く燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガス生成以後の排気行程以降が好ましいと考えられる。
特に、前記可変動弁機構が、前記各気筒の排気弁すべてを同時に閉弁且つ動作停止状態とすることが可能である機構である場合は、フューエルカット実行後に内燃機関の各気筒の中で最も遅く燃焼ガスが生成される気筒において、該排気行程以降に、全排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが好ましい。
尚、前記各気筒の排気弁の閉弁且つ動作停止時が、上述のようにフューエルカット実行後に前記各気筒の中で最も遅く燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガス生成以後の排気行程以降であれば、燃焼ガスの大部分が既に内燃機関の排気管側へ送られているため、燃焼ガスの影響は少なくなるが、該燃焼ガス生成以後の排気行程終了後の一定時間経過後に前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作状態とすると、該一定時間の間においては、前記各気筒から排気管を経て排気浄化触媒へ至る空間において、前記各気筒内におけるピストンの往復運動によって空気の流れが生じる。そのため、排気浄化触媒の放熱性が高められ、フューエルカット実行後において排気浄化触媒を一定の活性温度に保持することが困
難となり、排気浄化に適した活性温度を下回る虞もある。
そこで、前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする時期を、フューエルカット実行後に内燃機関の各気筒の中で最も遅く燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガス生成以後の排気行程の終了直後とすることで、フューエルカット直後の爆発行程によって生じる燃焼ガスを排気管側へ送るとともに、前記各気筒から排気管を経て排気浄化触媒へ至る空間における空気の流れを早期に遮断し排気浄化触媒を一定の活性温度に維持することが可能となる。
ここで、前記可変動弁機構が、前記各気筒の排気弁が閉弁中である場合は該排気弁を閉弁且つ動作停止状態とし、該排気弁が開弁中である場合は該排気弁の閉弁後に該排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする機構である場合は、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関への燃料の供給が停止される場合、該燃料の供給停止後であって前記各気筒の中で該燃料の供給停止後に最も遅く前記燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガスの生成以後の排気行程で該気筒の排気弁が開弁した直後から、該気筒の次に排気行程を迎える他の気筒において該他の気筒の排気弁が開弁するより前の間に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、上述のように、フューエルカット実行直後の爆発行程によって生じる燃焼ガスを排気管側へ送るとともに、前記各気筒から排気管を経て排気浄化触媒へ至る空間における空気の流れを早期に遮断し排気浄化触媒を一定の活性温度に維持することが可能となる。
このような可変動弁機構を有する内燃機関においては、フューエルカット実行後であって前記各気筒の中で該燃料の供給停止後に最も遅く該燃焼ガスが生成される気筒において該気筒の排気弁が開弁した直後から、該気筒の次に排気行程を迎える他の気筒において該他の気筒の排気弁が開弁するより前の間において、前記可変動弁機構を介して、前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることによって、フューエルカット実行後であって前記各気筒の中で該燃料の供給停止後に最も遅く該燃焼ガスが生成される気筒において該気筒の排気弁が開弁した直後において、既に排気行程を迎え排気弁が開弁し終えた気筒においては、前記可変動弁機構によって即時に、排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることができる。
一方でその時点において、排気行程を迎えている気筒においては、排気弁は開弁中であるため、その開弁動作が終了し閉弁した後に閉弁且つ動作停止状態とすることができる。その結果、上述の効果を得る。
ここで、前記各気筒の排気弁が閉弁中である場合は該排気弁を閉弁且つ動作停止状態とし、該排気弁が開弁中である場合はその閉弁後に該排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする可変動弁機構としては、回転可能に軸支されて前記各気筒の排気弁を開閉駆動するそれぞれのロッカーアームと、前記それぞれのロッカーアームに設けられ、前記各気筒の排気弁に対応する排気カムの押圧を受けて往復動可能に設けられたそれぞれのカムフォロワと、前記それぞれのロッカーアームに設けられ、前記ぞれぞれのカムフォロワと前記それぞれのロッカーアームとを締結することで前記それぞれのカムフォロワの往復動を制限する第一の位置と、該締結を解除することで前記それぞれのカムフォロワの往復動を可能とする第二の位置との間を摺動往復するそれぞれのロックピンと、を備え、前記排気制御手段は、前記それぞれのロックピンを第一の位置から第二の位置へ移動することによって、前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。
このように構成される可変動弁機構は、前記排気カムのプロファイルに従って前記ロッカーアームがその軸を中心として揺動することによって、排気弁が開閉される。このとき、前記ロッカーアームに設けられた前記カムフォロワが前記排気カムと当接しており、且
つ前記ロッカーアームと前記カムフォロワとの締結・非締結を前記ロックピンの位置によって切り替えることが可能となっている。従って、前記ロックピンが第一の位置に移動することによって、前記ロッカーアームと前記カムフォロワが締結され、前記カムフォロワに当接する排気カムのプロファイルに従って、前記ロッカーアームが揺動し、以て排気弁が開閉動作する。一方で、前記ロックピンが第二の位置に移動することによって、前記ロッカーアームと前記カムフォロワとの締結が解除されるため、前記カムフォロワが排気カムに押圧されて前記カムフォロワのみが往復運動をし、その運動が前記ロッカーアームへと伝達されないため、前記ロッカーアームはその軸を中心とした揺動は行わず、以て排気弁は開閉動作を行わない。
ここで、排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする前記ロックピンの第一の位置から第二の位置への移動に際して、該排気弁が開弁している場合は、排気カムによって前記カムフォロワが押圧されることで、前記ロッカーアームがその軸を中心として回転している。従って、前記ロックピンには一定の負荷がかかることとなり、前記カムフォロワと前記ロッカーアームとの締結を解除することができない。従って、前記ロックピンに負荷がかからない状態となる開弁状態の終了を待って、ロックピンが第二の位置へと移動し、以て排気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。
また、前記可変動弁機構には、前記各気筒の排気弁を気筒毎に閉弁且つ動作停止状態とする機構が考えられる。例えば、電磁駆動弁から構成される可変動弁機構が考えられる。このような可変動弁機構は、前記各気筒の状況に応じて気筒毎に、その排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能となる。従って、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関への燃料の供給が停止される場合、該燃料の供給停止後であって前記各気筒において前記燃焼ガスの生成以後の排気行程以降に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を気筒毎に閉弁且つ動作停止状態とすることで、フューエルカット実行直後に迎える爆発行程において生成される燃焼ガスの少なくとも一部を内燃機関の排気管側へ排出した後に、前記排気弁制御手段によって、前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、前記各気筒の内部に残る燃焼ガスの量を低減させることが可能となり、以て燃焼ガスの吸気系への逆流を低減させることとなる。
以上より、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関は、フューエルカット実行時に、酸素濃度の高い排気を排気浄化触媒へ流れ込むのを防止するとともに、フューエルカット実行直後に発生する燃焼ガスによる内燃機関等への影響を抑制することが可能となる。
ここで、フューエルカット実行後に迎える前記各気筒における爆発行程で生成された燃焼ガスの少なくとも一部を排気管側へ排出した後に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、フューエルカット実行時に、酸素濃度の高い排気が排気浄化触媒へ流れ込むのを防止するとともに、フューエルカット実行直後に発生する爆発燃焼した燃焼ガスによる内燃機関等への影響を抑制することが可能となるが、前記各気筒における吸気弁が通常動作状態であると、前記各気筒から吸気枝管を経て吸気管へ至る空間において、前記各気筒内のピストンの往復運動によって空気の流れが生じ、その流れによる吸気音が発生する虞がある。特に、吸気支管が樹脂製である場合は、その吸気音の程度が大きくなる虞がある。
そこで、この問題を解決すべく以下に示す手段が考えられる。先述までの可変動弁機構を有する内燃機関であって、更に前記可変動弁機構は前記各気筒の吸気弁の開閉特性を変更可能とし、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関への燃料の供給が停止される場合、該燃料の供給停止後であって前記排気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁が閉弁且つ動作停止状態とされる以前に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とする吸気弁制御手段と、を備える。
即ち、前記可変動弁機構によって前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能であって、前述までのようにフューエルカット実行後であって、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする以前に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、吸気弁の開閉に伴う空気の移動が遮断されるため、前記各気筒から吸気枝管を経て吸気管へ至る空間における空気の流れを遮断し、以て吸気音の発生が抑制される。
また、別の手段として、先述までの可変動弁機構を有する内燃機関であって、更に前記可変動弁機構は、前記各気筒の吸気弁が閉弁中である場合は該吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とし、該吸気弁が開弁中である場合は該吸気弁の閉弁後に該吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とし、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関への燃料の供給が停止される場合、該燃料の供給停止後であって前記排気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁が閉弁且つ動作停止状態とされる以前に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とする吸気弁制御手段と、を備える。
即ち、前記可変動弁機構によって前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能であって、前述までのようにフューエルカット実行後であって、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする以前に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、吸気弁の開閉に伴う空気の移動が遮断されるため、前記各気筒から吸気枝管を経て吸気管へ至る空間における空気の流れを防止し、吸気音の発生が抑制される。尚、前記可変動弁機構の具体的構成として、先述したロッカーアーム、カムフォロワおよびロッカーアームとカムフォロワの締結・非締結を切り替えるロックピン等で構成される可変動弁機構が例示できる。
また、別の手段として、先述までの可変動弁機構を有する内燃機関であって、更に前記可変動弁機構は、更に前記各気筒の吸気弁を気筒毎に閉弁且つ動作停止状態とし、前記排気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁が閉弁且つ動作停止状態とされる以前に、該排気弁と同一の気筒に設けられた吸気弁を気筒毎に閉弁且つ動作停止状態とする吸気弁制御手段と、を備える。
即ち、前記可変動弁機構によって前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能であって、前述までのようにフューエルカット実行後であって、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする以前に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、吸気弁の開閉に伴う空気の移動が遮断されるため、前記各気筒から吸気枝管を経て吸気管へ至る空間における空気の流れを防止し、吸気音の発生が抑制される。尚、前記可変動弁機構の具体的構成として、電磁駆動弁で構成される可変動弁機構が例示できる。
ここで、前述までの解決手段において、前記各気筒の排気弁および前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、排気浄化触媒への酸素濃度の高い排気の供給抑制とともに、前記各気筒から排気管を経て排気浄化触媒へ至る空間における空気の流れ、および前記各気筒から吸気枝管を経て吸気管へ至る空間における空気の流れを遮断することが可能となる。しかし、前記各気筒の排気弁および吸気弁を閉弁且つ動作停止状態としているため、全各気筒におけるポンプ損失が消失するため、内燃機関の機関回転速度の減速性が低下することとなる。
そこで、この課題を解決すべく以下の手段を採用する。先述までの解決手段に示された前記各気筒の排気弁および前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とする可変動弁機構を有する内燃機関において、更に、前記内燃機関の運転状況に基づいて前記内燃機関の
機関回転速度の減速の必要性を判断する減速判断手段を備え、前記排気弁制御手段及び前記吸気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁及び前記各気筒の吸気弁が閉弁且つ動作停止状態とされるときに、前記減速判断手段によって前記内燃機関の機関回転速度を減速させる必要があると判断される場合は、前記各気筒の排気弁又は前記各気筒の吸気弁の何れか一方の閉弁且つ動作停止状態を解除し通常動作状態とする減速性向上手段を備える。
即ち、前記減速判断手段によって、前記内燃機関の機関回転速度を減速させる必要があると判断した場合であって、且つフューエルカット実行時であって前記各気筒の排気弁および前記各気筒の吸気弁の両弁が閉弁且つ動作停止状態である場合は、前記減速性向上手段によって、排気弁又は吸気弁の何れか一方を通常動作状態とすることで、ピストンの往復運動による仕事を気筒外に放出することで、ポンプ損失を発生させ、以て減速性の向上を図ることが可能となる。特に、前記減速性向上手段によって吸気弁を通常動作状態とした場合、いわゆる排気行程においてピストンが行った圧縮仕事を気筒外へ放出することになるため、より高い減速性を得ることが可能となる。尚、通常動作状態とされる弁以外の弁は、閉弁且つ動作停止状態が維持されるため、排気浄化触媒へ酸素濃度の高い排気が送られることはない。また、前記減速判断手段は、例えば、ブレーキペダルが踏まれたこと、車両の運転状況においてシフトダウンされたことや、車両が降坂状態にあること等を検知して、内燃機関の機関速度を減速させる必要があると判断する。
また別の解決手段として、以下の手段を採用する。先述までの解決手段に示された前記各気筒の排気弁および前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とする可変動弁機構を有する内燃機関において、更に、前記内燃機関の運転状況に基づいて前記内燃機関の機関回転速度の減速の必要性を判断する減速判断手段を備え、前記排気弁制御手段及び前記吸気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁及び前記各気筒の吸気弁が閉弁且つ動作停止状態とされるときに、前記減速判断手段によって前記内燃機関の機関回転速度を減速させる必要があると判断される場合は、前記各気筒の排気弁又は前記各気筒の吸気弁の何れか一方の弁であって前記可変動弁機構を介して気筒毎に閉弁且つ動作停止状態とされる弁を前記各気筒における吸気行程と爆発行程の少なくとも一の行程においてのみ開弁する減速性向上手段を備える。
即ち、前記減速判断手段によって、前記内燃機関の機関回転速度を減速させる必要があると判断した場合であって、フューエルカット実行時であって前記各気筒の排気弁および前記各気筒の吸気弁の両弁が閉弁且つ動作停止状態である場合は、前記減速性向上手段によって、前記可変動弁機構を介して気筒毎に閉弁且つ動作停止状態とされる方の弁を、いわゆる吸気行程と爆発行程の少なくとも一の行程においてのみ開弁することで、吸気行程および爆発行程の直前の行程である排気行程および圧縮行程でピストンの往復運動によって行われる圧縮仕事を気筒の外部へ放出することで、ポンプ損失を発生させ、以て減速性の向上を図ることが可能となる。尚、吸気行程および爆発行程において、前記減速性向上手段によって開弁される弁の開弁時期は、ポンプ損失を効果的に発生させるために吸気行程および爆発行程の行程初期とするのが好ましい。
ここで、内燃機関とは別に補助動力源を備えるいわゆるハイブリッド機構を備える車両においては、車両が減速を行うときに、車両の有する運動エネルギーを回生し、補助動力源の電力源である蓄電池へ充電を行う場合がある。このような場合に、おいてまで、前記減速性向上手段によってポンプ損失を発生させると、車両の有する運動エネルギーをポンプ損失によって相殺することになり、効率的な蓄電池の充電が行えない。
そこで、この問題を解決すべく以下の手段を採用した。前記内燃機関とは別に補助動力源を備え、該内燃機関と前記補助動力源の少なくとも何れか一を駆動源として駆動輪を駆動するハイブリッド機構と、前記補助動力源を駆動するための電力を蓄える蓄電池と、を
備える車両において、前記減速判断手段によって前記内燃機関の機関回転速度を減速させる必要があると判断される場合であって、前記蓄電池の充電電圧が所定の電圧値以上のときは、前記減速性向上手段によって前記内燃機関の機関回転速度を減速させ、前記減速判断手段によって前記内燃機関の回転出力を減速させる必要があると判断される場合であって、前記蓄電池の充電電圧が所定の電圧値より低いときは、前記補助動力源を介して前記車両の有する運動エネルギーを回生して前記蓄電池に充電を行う。
即ち、ハイブリッド機構を備える車両においては、前記減速判断手段によって前記内燃機関の機関回転速度を減速させる必要があると判断された場合であっても、直ちに前記減速性向上手段によって、前記減速性向上手段によって閉弁且つ動作停止状態にある前記各気筒の排気弁または前記各気筒の吸気弁の何れかの弁を通常動作状態にするか、または所定の行程においてのみ開弁するのではなく、ハイブリッド機構を構成する補助動力源の蓄電池の充電電圧に従い、前記減速性向上手段によって内燃機関の機関回転速度の減速性の向上を図る。つまり、蓄電池の充電電圧が所定の電圧値以上の場合は、蓄電池は十分に充電されていると考えられ、前記減速性向上手段によって内燃機関の機関回転速度の減速性の向上を図る。一方で、蓄電池の充電電圧が所定の電圧値より低い場合は、蓄電池を充電する必要があるため、車両の有する運動エネルギーを回生して蓄電池を充電するため、前記減速性向上手段による内燃機関の機関回転速度の減速性の向上は行わない。
このように構成されるハイブリッド機構を有する車両における内燃機関では、車両の有する運動エネルギーによる蓄電池の充電と、前記減速性向上手段による内燃機関の機関回転速度の減速性の向上とを両立する。
ここで、上述までの内燃機関において、フューエルカット時においては、少なくとも前記排気弁制御手段によって、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、排気浄化触媒に酸素濃度の高い排気が送り込まれないようし、以て排気浄化触媒の劣化を抑制するが、内燃機関が停止する場合に、前記各気筒の排気弁を通常動作状態のまま動作停止とすると、排気弁の開弁期間と吸気弁の開弁期間とが一部重なっている場合には、排気浄化触媒に対して吸気管に存在する酸素濃度の高い排気が、排気浄化触媒へ至り、排気浄化触媒を劣化させる虞がある。特に、内燃機関とは別の補助動力源を有するハイブリッド機構を備える車両においては、運転状況によっては内燃機関が停止し補助動力源のみで駆動する頻度が多いため、排気浄化触媒の劣化の虞が大きくなる。
そこで、この問題を解決すべく以下の手段を採用する。前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関を停止するときに、前記排気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。
即ち、前記内燃機関の機関停止に際して、該内燃機関への燃料の供給が停止されるが、該燃料供給停止直後においては、先述までのように、前記各気筒で該燃料供給停止直前に供給された燃料が爆発燃焼し、燃焼ガスが生成される。従って、前記各気筒において、該燃焼ガスを排気管側に送り出した後に、即ち、該燃料供給停止後において前記各気筒が該燃焼ガスの生成後に迎える排気行程以降に、前記可変動弁機構を介して少なくとも前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、該燃焼ガスを排気管側へ排出した後に前記内燃機関停止後に排気浄化触媒へ酸素濃度の高い排気が送り込まれるのを抑制することが可能となる。
前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とするのは、該燃料供給停止後において前記各気筒が該燃焼ガスの生成後に迎える排気行程以降であればよいが、特に、該燃料供給停止後に最も遅く該燃焼ガスが生成される気筒において、該燃焼ガス生成後の排気行程直
後に前記可変動弁機構によって前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、フューエルカット実行後に発生した燃焼ガスの少なくとも一部を排気管側へ排出し、早期に前記各気筒の排気弁を閉弁且つ停止状態とすることが可能となる。これにより、前記各気筒から排気浄化触媒までの空間における空気の流れを遮断し、排気浄化触媒の温度を一定の活性温度に維持することが可能となる。
従って、前記内燃機関の停止時における排気浄化触媒の劣化を抑制することが可能となるが、排気浄化触媒の劣化は、該排気浄化触媒が高温となった状態で、酸素濃度の高い雰囲気に曝されることによって発生する。従って、少なくとも前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とするのは、該排気浄化触媒が高温となった状態に限ってもよい。そこで以下の手段も採用することができる。
即ち、前記内燃機関の排気系に設けられ、該排気系を流れる排気を浄化する排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の温度を推定する触媒温度推定手段と、を更に備え、前記燃料供給停止手段によって前記内燃機関を停止するときに、前記触媒温度推定手段によって検出される前記排気浄化触媒の温度が所定の温度より高い場合、前記排気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。ここで、所定の温度とは、前記排気浄化触媒が酸素濃度の高い雰囲気に曝されることで触媒劣化の虞が生じる触媒温度であり、前記排気浄化触媒の温度がこの温度より低ければ、たとえ酸素濃度の高い雰囲気に曝されても触媒劣化の虞はないと判断するための基準温度である。
次に、内燃機関の始動時を考えると、内燃機関の停止状態から実際に内燃機関の各気筒で燃焼が開始される一定の期間、即ち内燃機関の停止状態から内燃機関が燃料の燃焼により駆動されるまでの一定の期間においては、内燃機関は外部動力によって駆動(クランキング駆動)される。この一定の期間においては内燃機関において燃焼が行われていないため、クランキング駆動によって排気浄化触媒へ酸素濃度の高い排気が送り込まれることになり、排気浄化触媒の温度が高温である場合、排気浄化触媒が劣化する虞がある。特に、ハイブリッド機構を備える車両においては、運転状況によっては内燃機関が停止し補助動力源のみで駆動する頻度が多く、従って内燃機関が始動する頻度も多くなるため、排気浄化触媒の劣化の虞が大きくなる。
そこで、この問題を解決すべく以下の手段を採用する。前記内燃機関の排気系に設けられ、該排気系を流れる排気を浄化する排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の温度を推定する触媒温度推定手段と、を更に備え、前記内燃機関の始動時に、前記触媒温度推定手段により検出される前記排気浄化触媒の温度が所定の温度より高い場合、前記内燃機関の各気筒において燃料の燃焼が開始されるまでの一定の時間、前記可変動弁機構を介して少なくとも前記各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。
所定の温度とは、先述と同様、前記排気浄化触媒が酸素濃度の高い雰囲気に曝されることで触媒劣化の虞が生じる触媒温度である。前記内燃機関の各気筒において燃料の燃焼が開始されるまでの一定の間は、内燃機関はスタータモータ等の外部動力によって駆動されるが、燃料の燃焼が開始されていないため、排出される排気には多くの酸素が含まれている。従って、前記内燃機関の始動時において、前記排気触媒の温度が所定の温度より高い場合、該内燃機関が停止した状態から前記内燃機関の各気筒内部において燃料の燃焼が開始されるまでの間、少なくとも前記各気筒の排気弁が閉弁且つ動作停止状態とされ、前記排気浄化触媒へ酸素濃度の高い排気を送り込むことを抑制する。また、排気浄化触媒の劣化抑制のために、燃料の噴射によるリッチ雰囲気の生成を行う必要がなくなるため、燃料の消費を抑えることも可能となる。
ここで、前記一定の時間は、内燃機関の始動に際し、まだ燃料の燃焼が行われていない
ときであるが、前記一定の時間は、前記内燃機関の機関回転数が所定の回転数より低い状態にある時間であると考えることができる。このとき、所定の回転数とは、先述したクランキング駆動等が行われる一定の時間、即ち内燃機関が停止している状態から内燃機関の各気筒において燃料の燃焼が開始されるまでの期間を判断するために基準とするものである。つまり、前記内燃機関の機関回転数が所定の回転数より低い場合は、スタータモータ等によって内燃機関をクランキング駆動していると考える。また、ハイブリッド機構を備える車両において、内燃機関は停止しているが補助動力源によって車両が駆動されている場合は、内燃機関内部で燃料の燃焼は行われていないが、補助動力源によって内燃機関がある機関回転数で空転されている場合も考えられる。そのような場合には、前記所定の回転数をクランキング駆動による始動時の回転数より高く設定することとなる。
ここで、フューエルカット実行時に前記排気弁制御手段および前記吸気弁制御手段によって前記各気筒の排気弁および前記各気筒の吸気弁が閉弁且つ動作停止状態とされるときに、該フューエルカット状態が解除され、前記内燃機関に燃料の供給が開始される(以後、この時期を「フューエルカット復帰時」という)場合を考える。このフューエルカット復帰時に、閉弁且つ動作停止状態にある前記各気筒の吸気弁を、同様に閉弁且つ動作停止状態にある前記各気筒の排気弁より早く通常動作状態とすると、前記各気筒における排気行程で圧縮された排気が、吸気弁の開閉に伴い吸気管側へ逆流し、吸気音が発生する虞がある。
そこで、この問題を解決すべく以下の手段を採用する。前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態を解除する場合、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の排気弁を通常動作状態とし、その後前記各気筒の中で最も遅く排気弁が開弁される気筒において該排気弁の開弁が行われる排気行程以降に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を通常動作状態とする。
フューエルカット復帰時において、まず前記各気筒の排気弁を通常動作状態とする。このとき、吸気弁は閉弁且つ動作停止状態に維持されているため、仮に排気浄化触媒が高温状態であっても、酸素濃度の高い排気が排気浄化触媒に送り込まれ、触媒劣化が生じる虞はない。更に、前記各気筒の排気弁を通常動作状態とした後であって、前記各気筒の中で最も遅く排気弁が開弁される気筒において該排気弁の開弁が行われる排気行程以降に、前記各気筒の吸気弁を通常動作状態とすることで、前記各気筒の排気行程において排気を排気管側へ排出した後に、前記各気筒の吸気弁が開弁されることになるため、吸気管側への逆流が発生しない。その結果、吸気音を抑えることが可能となる。
また、前記各気筒の吸気弁が、電磁駆動弁等から構成され気筒毎に通常動作状態とされることが可能である場合、フューエルカット復帰時に、前記各気筒の排気弁を通常動作状態とし、その後の前記各気筒における排気行程以降に、前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を気筒毎に通常動作状態とすることによって、上記と同様に、吸気管側への逆流を抑制し、以て吸気音を抑えることが可能となる。
ここで、フューエルカット復帰時において、先述のように前記各気筒の吸気弁を通常動作状態とする場合、吸気管内の負圧が大気圧程度に比較的高くなっている。その際、前記各気筒の吸気弁が通常動作状態となることで、吸気行程において開弁すると、前記各気筒内へ空気が急激に流入することとなる。そのため、前記各気筒において、高体積効率の燃焼が行われ、ショックが発生する。
そこで、この問題を解決すべく以下の手段を採用する。先述したようにフューエルカット時に前記吸気弁制御手段によって、前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とする可変動弁機構を有する内燃機関において、前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態
が解除されるときに、前記各気筒の吸気弁の開閉に伴って前記各気筒へ流入する流入空気量を徐々に多くしながら前記各気筒の吸気弁を通常動作状態とする流量調整手段を更に備える。
即ち、フューエルカット復帰時において、前記各気筒の吸気弁を通常動作状態へとする際に、直ちに内燃機関の負荷状況に応じた吸気弁の開閉特性とするのではなく、フューエルカット復帰直後は前記各気筒に流入する流入空気量は少量とし、徐々に量を増大していくことによって、急激な高体積効率の燃焼を抑制し、以てショックの発生を抑制することが可能となる。
ここで、前記各気筒の吸気弁の開閉に伴って前記各気筒へ流入する空気量を徐々に多くする手段として、前記各気筒の吸気弁の作用角が小作用角から大作用角へと推移し、最終的に内燃機関の負荷状況に応じて必要とされる該吸気弁の作用角へと至ることで、該吸気弁が通常動作状態となる手段が考えられる。前記各気筒の吸気弁の作用角が徐々に大きくなることで、該吸気弁の開弁時間が徐々に長くなるため、前記各気筒への流入空気量を徐々に増大する。
また、前記各気筒の吸気弁の開閉に伴って前記各気筒へ流入する空気量を徐々に多くする別の手段として、前記各気筒の吸気弁のリフト量が小リフト量から大リフト量へと推移し、最終的に内燃機関の負荷状況に応じて必要とされる該吸気弁のリフト量へと至ることで、該吸気弁が通常動作状態となる手段が考えられる。前記各気筒の吸気弁のリフト量が徐々に大きくなることで、空気の流れに対する抵抗が小さくなるため、前記各気筒への流入空気量が徐々に増大する。
また、前記各気筒の吸気弁の開閉に伴って前記各気筒へ流入する空気量を徐々に多くする別の手段として、前記各気筒の吸気弁の遅角量が大遅角量から小遅角量へと推移し、最終的に内燃機関の負荷状況に応じて必要とされる該吸気弁の遅角量へと至ることで、該吸気弁が通常動作状態となる手段が考えられる。前記各気筒の吸気弁の遅角量が徐々に大きくなることで、前記各気筒への流入空気量を徐々に増大する。
ここで、フューエルカット復帰時において、前記各気筒の吸気弁を通常動作状態とする場合、該吸気弁が吸気行程において開弁した直後に、前記各気筒へ流入する空気は、フューエルカットが実行され該吸気弁が閉弁且つ動作停止状態とされた直後に、吸気管や吸気支管等に滞留していた空気である。従って、フューエルカット復帰時においては、吸気管を流れる空気流量を測定するエアフローメータ等によって、測定されない空気が前記各気筒へ流入する。一般に、エアフローメータ等によって測定された空気流量に応じた燃料が噴射されるが、フューエルカット復帰時にはエアフローメータ等によって測定されない空気が前記各気筒に流入することで、前記各気筒内がオーバーリーン状態となることで失火したり、排気浄化触媒が酸素濃度の高い排気に曝されることで触媒劣化が生じたりする虞がある。
そこで、この問題を解決すべく以下の手段を採用する。前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態が解除されるときに、該燃料供給停止解除時から所定の時間が経過するまでの間に前記各気筒へ流入した流入空気量を推定する流量推定手段を更に備え、前記燃料供給停止解除時から所定の時間が経過するまでの間、前記流量推定手段によって推定された流入空気量に基づいて前記各気筒における燃料噴射量を算出する。
前記所定の時間とは、フューエルカット復帰直後からの一定の時間であって、先述した内燃機関の吸気管等に滞留している空気が前記各気筒に流入し終わるのに要する時間をいい、換言すれば、フューエルカット復帰直後から、エアフローメータ等によって前記各気
筒へ流入する空気量を正確に検出することが可能になるまでに要する時間をいう。即ち、フューエルカット後の前記所定の時間における流入空気量を前記流量推定手段により見積もり、その見積もった推定流量に基づいて燃料噴射量を算出することで、前記各気筒内がオーバーリーン状態となり、失火や排気浄化触媒の劣化が生じないようにする。
ここで、前記流量推定手段は、フューエルカット後の前記所定の時間における流入空気量を見積もる手段であるが、具体的には、前記内燃機関の機関温度および前記内燃機関の機関回転数のうち少なくとも一に基づいて該流入空気量を見積もる。即ち、前記内燃機関の温度により流入空気量の密度等が変動し、また機関回転数によって吸気管内負圧が変動することで流入空気量にも影響すると考えられ、そこで少なくともこれらの要素の一に基づいて、フューエルカット後の前記所定の時間における流入空気量を見積もることで、より正確な流入空気量を見積もることが可能となる。
また、先述のように、前記所定の時間においては、前記流量推定手段によって推定された流入空気量に基づいて燃料噴射量が算出されるが、フューエルカット復帰後前記所定の時間が経過した後は、前記内燃機関の吸気管等に滞留していた空気は既に前記各気筒へ流入し終わり、前記各気筒へと流入する空気量は、吸気管等に設けられたエアフローメータ等の空気流量を検出する吸気管流量検出手段によって検出することが可能となる。従って、そのような場合には、前記流量推定手段によって推定される空気流量に従って、燃料噴射量を算出する必要はない。
そこで、以下の手段を採用する。前記流量推定手段を備える可変動弁機構を有する内燃機関であって、前記内燃機関の吸気管を流れる空気量を検出する吸気管流量検出手段を更に備え、前記所定の時間が経過した後は、前記吸気管流量検出手段によって検出された空気量に基づいて前記各気筒における燃料噴射量を算出する。即ち、フューエルカット復帰後であって前記所定の時間が経過するまでの間は、前記流量推定手段によって推定された空気量に基づいて燃料噴射量を算出するが、フューエルカット復帰後であって前記所定の時間が経過した後は、前記吸気管流量検出手段によって検出された空気量に基づいて燃料噴射量を算出することとなり、燃料噴射量をより正確に算出でき、以て前記各気筒内がオーバーリーン状態となるのをより確実に回避できる。
尚、以上までの課題の解決手段を構成する各構成要素は、可能な限り組み合わせることができるものである。
本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関は、燃料供給停止手段によって内燃機関への燃料供給を停止、即ちフューエルカットを実行するときに、そのフューエルカット実行後に迎える内燃機関の各気筒における爆発行程において生成された燃焼ガスの少なくとも一部を排気管側へ排出した後に、可変動弁機構を介して各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。
これにより、フューエルカット実行直前に噴射された燃料が、フューエルカット実行後に各気筒において爆発燃焼することによって生成された燃焼ガスの少なくとも一部を内燃機関の排気管側へ排出した後に、各気筒の排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能となり、内燃機関の下流に設置され内燃機関から排出される排気を浄化する排気浄化触媒の触媒劣化を防止するとともに、上記燃焼ガスによる内燃機関等への影響を低下することが可能となる。
<第一の実施例>
ここで、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関の該可変動弁機構の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される内燃機関1およびその制御系統の概略構成を表すブロック図である。また図2は内燃機関1における気筒2のシリンダヘッド近傍の概略構成を示す図である。
内燃機関1は、各気筒2の吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧に蓄圧する蓄圧室4と接続されている。蓄圧室4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。この燃料ポンプ6は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源として作動するポンプであり、該燃料ポンプ6の入力軸に取り付けられたポンププーリ6aが内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)に取り付けられたクランクプーリ1aとベルト7を介して連結されている。このように構成された燃料噴射系では、クランクシャフトの回転トルクが燃料ポンプ6の入力軸へ伝達されると、燃料ポンプ6は、クランクシャフトから該燃料ポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクにより燃料を加圧し、吐出する。応じた圧力で燃料を吐出する。前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介して蓄圧室4へ供給され、蓄圧室4にて所定圧に蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から燃料が噴射される。
そして各気筒2における燃焼室2iには、それぞれ第1吸気弁2a、第2吸気弁2b、第1排気弁2cおよび第2排気弁2dが配置されている。この内、第1吸気弁2aは第1吸気ポート2eを開閉し、第2吸気弁2bは第2吸気ポート2fを開閉し、第1排気弁2cは第1排気ポート2gを開閉し、第2排気弁2dは第2排気ポート2hを開閉するように配置されている。
ここで、内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各枝管は、各気筒2の燃焼室2iと吸気ポート2e及び2fを介して連通している。前記吸気枝管8は吸気管9に接続されている。吸気管9には、該吸気管9内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ10が取り付けられている。前記吸気管9における吸気枝管8の直上流に位置する部位には、該吸気管9内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁11が設けられている。この吸気絞り弁11には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁11を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ12が取り付けられている。
一方、内燃機関1には、排気枝管13が接続され、排気枝管13の各枝管が排気ポート2g及び2hを介して各気筒2の燃焼室2iと連通している。前記排気枝管13は排気管14と接続され、この排気管14は、下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。更に、排気管14の途中には、内燃機関1から排出される排気に含有される有害成分を浄化する排気浄化触媒17が設けられている。排気浄化触媒は、複数の排気流路が形成された触媒担体の表面に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒物質を担持して構成されており、フューエルカットが実行されて排気中の酸素濃度が高まると、前記した触媒物質の表面に酸素や種々の酸化物が付着し易くなる性質を有する。
前記排気浄化触媒17の下流に位置する排気管14には、該排気管14内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁15が設けられている。この排気絞り弁15には、ステップモータ等で構成されて該排気絞り弁15を開閉駆動する排気絞り用アクチュエータ16が取り付けられている。
このように構成される内燃機関1は吸排気弁の開閉特性を変更可能とする可変動弁機構21を備える。可変動弁機構21は、吸気弁2aおよび2bの開閉特性を可変とする吸気
側可変動弁機構21aと、排気弁2cおよび2dの開閉特性を可変とする排気側可変動弁機構21bとから構成される。可変動弁機構の詳細については、後述する。
次に、内燃機関1の制御系等の説明を行う。ECU23は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バス27を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)30、ROM(リードオンリメモリ)29、CPU(マイクロプロセッサ)28、入力ポート25および出力ポート26を備えている。更に、ECU23の外部から入力されるアナログ信号をデジタル変換して入力ポート25へ入力するA/D変換器24が入力ポート25に接続されている。
このECU23に対して、アクセルペダルの踏み込み量に比例した電圧を出力するアクセル開度センサ20が、AD変換器24を介して入力ポート25に入力している。クランクポジションセンサ19は、例えばクランクシャフトが30°回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート25に入力される。CPU23ではクランクポジションセンサ19の出力パルス等を基に、内燃機関1の機関回転数Neが計算される。また、気筒2における吸排気カムの角度位相を検出するカム角センサ22が設けられており、角度位相に応じた出力パルスが入力ポート25に入力される。
更に、内燃機関1内部の冷却系の冷却水温度を検出する冷却水温度センサ18が冷却水温度に応じた出力電圧を、AD変換器24を介して入力ポート25に入力している。なお、これ以外に入力ポート25には、各種の信号が入力されているが、本実施の形態では図示を省略している。
出力ポート26は、各気筒2の燃料噴射弁3に電気的に接続され、ECU23は内燃機関1の運転状態に応じて各燃料噴射弁3の開弁制御を行い、燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御を実行している。更に、出力ポート26は吸気側可変動弁機構21aおよび排気側可変動弁機構21bにも電気的に接続され、ECU23は内燃機関1の運転状態に応じて、吸気側可変動弁機構21aおよび排気側可変動弁機構21bを介して、吸気弁2a等および排気弁2c等の開閉特性を変更する。
ここで、図3には、排気側可変動弁機構21bであって、一気筒の排気弁の開閉特性を変更可能とする可変動弁機構の概略構成が示されており、図4には、排気側可変動弁機構21bの横断面図が示されている。これらの図面を基に、排気側可変動弁機構21bの詳細な説明を行う。尚、吸気側可変動弁機構21aは、排気側可変動弁機構21bと同一の機構であるため、説明を省略する。
図4に示されるように、排気側可変動弁機構21bは、内燃機関の各気筒2に対応した排気カム50が設けられた排気シャフト49を備えている。排気カム50の下方には、ロッカーシャフト40に回動可能に軸支されたロッカーアーム41が設けられている。このロッカーアーム41の先端側には、アーム42が前方へと突出する態様で形成されている。このアーム42の先端は、排気弁2cおよび2dの上端と当接されており、図示されないバルブスプリングの付勢力によってそれら排気弁2cおよび2dが閉弁される側に押圧されている。そして、ロッカーシャフト40を軸としたロッカーアーム41の回動にともない揺動されるアーム42の押圧に基づき、排気弁2cおよび2dは開閉駆動される。
一方、図3及び図4に併せ示されるように、ロッカーアーム41の上面には、排気カム50に対応した可動カムフォロワ43が設けられている。可動カムフォロワ43は、ロッカーアーム41の上下方向に沿って形成された摺動孔47内に摺動可能に設けられている。また、可動カムフォロワ43は、コイルばね54(図3および図4には図示されていない。図5にのみ図示されている)の付勢力によって排気カム50に向けて常時付勢されて
いる。そのため、可動カムフォロワ43は、排気カム50とすべり接触をしつつ、その押圧を受けるようになる。さらに、ロッカーアーム41の下方には、可動カムフォロワ43が嵌入された摺動孔47と交差するシリンダ穴46が形成されている。シリンダ穴46内には、ロッカーアーム41と可動カムフォロワ43とを選択的に締結若しくは締結解除するロックピン45が摺動可能に設けられている。
次に、上述したロックピン45を中心として構成される、ロッカーアーム41と可動カムフォロワ43との選択的締結機構について、図5に基づき詳細に説明する。なお、図5はロックピン45付近の排気側可変動弁機構21bの部分的な横断面構造を示す断面図であり、図5(a)はロッカーアーム41と可動カムフォロワ43との締結解除時の態様を、図5(b)にはロッカーアーム41と可動カムフォロワ43との締結時の態様をそれぞれ示している。
先述したように、可動カムフォロワ43はロッカーアーム41を上下に貫く摺動孔47内に摺動可能に嵌入されている。さらにロッカーアーム41の下方には、この摺動孔47と交差するシリンダ穴46が形成されており、その内部にはロックピン45が摺動可能に嵌入されている。ロックピン45は、コイルばね51によってロッカーアーム41の基端側、すなわち可動カムフォロワ43から離間する方向に向けて常時付勢されている。
このロックピン45には、その中央部から先端側にかけて溝52が形成されている。この溝52には、可動カムフォロワ43の下端部が嵌入可能となっている。さらに、溝52の先端側は、可動カムフォロワ43の上下方向の摺動を許容すべく底面が切り欠かれている。一方、溝52の中央部側(基端側)は、可動カムフォロワ43の下端と当接可能なようにその底面が残されている。
また、シリンダ穴46にあってロックピン45によって区画されたロッカーアーム41の基端側の空間は、ロックピン45を動作させるための作動油が導入される油圧室53となっている。この油圧室53は、ロッカーアーム41内に形成された油通路48と接続されている。さらにこの油通路48は、ロッカーシャフト40内に形成された油通路44と接続されており、これら油通路44,48を通じて行われる作動油の供給及び排出によって、油圧室53内の油圧が調整される。そしてロックピン45は、この油圧室53内の油圧に基づく力と前記コイルばね51の付勢力とのつり合いに応じてシリンダ穴46内を移動し、図5(a)に示す位置と図5(b)に示す位置との間を摺動往復する。
ロッカーアーム41と可動カムフォロワ43との締結を解除する場合、上記油圧室53内から作動油を排出して同室53内の油圧を低下させる。その結果、ロックピン45は、コイルばね51の付勢力によってロッカーアーム41の基端側に向けて移動し、図5(a)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ43の下端部は、ロックピン45の溝52の底面が切り欠かれた部分に位置しているため、その上下方向の摺動が許容される。
尚、先述した可動カムフォロワ43を排気カム50に向けて付勢するコイルばね54の付勢力は、排気弁2cおよび2dのバルブスプリングの付勢力に対して十分に小さく設定されている。そのため、排気カム50は単に可動カムフォロワ43を摺動させるだけで、その押圧はロッカーアーム41に対してはほとんど伝達されない。したがって、ロッカーアーム41と可動カムフォロワ43との締結を解除した場合は、可動カムフォロワ43のみが摺動孔47に沿って往復移動するのみで、ロッカーシャフト40を軸としたロッカーアーム41の回動は行われず、排気弁2cおよび2dは、常時閉弁且つ動作停止状態となる。
他方、ロッカーアーム41と可動カムフォロワ43とを締結する場合、上記油圧室53に作動油を供給して同油圧室53内の油圧を上昇させる。その結果、ロックピン45は、コイルばね51の付勢力に抗してロッカーアーム41の先端側に移動し、図5(b)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ43の下端部は、ロックピン45の溝52の底面が残された部分に位置するようになる。このとき可動カムフォロワ43が押し下げられると、その下端面と溝52の底面とが当接する。
このときの排気カム50の押圧は、可動カムフォロワ43及びロックピン45の当接を通じてロッカーアーム41にも直接的に伝達されるようになる。即ち、このときの可動カムフォロワ43とロッカーアーム41とは連結された状態となり、一体となって回動するようになる。そしてこの場合には、ロッカーアーム41は排気カム50によって回動されるようになり、排気弁2cおよび2dも排気カム50によって開閉駆動されるようになる。
ここで、図5(b)に示すロックピン45により可動カムフォロワ43とロッカーアーム41とが締結されている状態から、図5(a)に示す非締結状態へと移行させるに際し、締結時において排気弁2aおよび2bが開弁状態である場合は、排気カム50によって移動カムフォロワ43が押圧を受けている状態であるため、油圧室53から作動油を排出して同室53内の油圧を低下させても、ロックピン45はシリンダ穴46を摺動移動することができず、直ちにロックピン45により可動カムフォロワ43とロッカーアーム41との締結は解除されない。その後、排気カム50のプロファイルに従い、排気弁2aおよび2bが閉弁となった時点、即ち移動カムフォロワ43が排気カム50から受ける押圧が小さくなった時点で、ロックピン45がシリンダ穴46を摺動移動することが可能となり、可動カムフォロワ43とロッカーアーム41との締結が解除される。
本実施例においては、油通路44は各気筒における油圧室53へと連通しており、ECU23からの指令により油圧室53から同時に作動油が排出されることで、排気側可変動弁機構21bを介して各気筒2の排気弁を閉弁且つ停止状態とする場合であっても、排気弁が開弁状態となっている気筒(例えば、吸気行程中である気筒)においては、その開弁状態が終了後に排気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。尚、排気弁が閉弁状態である気筒においては、排気弁は直ちに閉弁且つ動作停止状態となる。
ここで、図6に基づいて、フューエルカット実行時に内燃機関1に起こりうる現象を説明する。図6は、気筒番号#1から#4で構成される気筒(以後、各気筒を気筒2#nと表す。但し、nは1から4までの整数)を有する内燃機関1において、フューエルカット実行時における各気筒2#nでの、吸排気弁の開閉の様子等を示している。
図6上段においては、ECU23から燃料噴射弁3に対して出されるフューエルカット指令および排気弁に対して出される各運転指令のタイミングが示されている。即ち、時間t=T1にフューエルカットが実行されるとともに、通常動作状態にあった排気弁2aおよび2bに対して、閉弁且つ動作停止状態となるべく、ECU23から排気側可変動弁機構21bへ指令が出される。
ここで、図6中段においては、図6上段に示される各指令に対応する各気筒2#nでのバルブリフト量推移および燃料噴射の様子が示されている。横軸は、各気筒2#nにおける燃焼サイクルを表し、「吸」は吸気行程、「圧」は圧縮行程、「排」は排気行程を意味し、爆発行程については、燃料が爆発燃焼している爆発行程を「爆」と、燃料が爆発燃焼しない爆発行程を「(爆)」と表している。また、縦軸は、各気筒2#nにおける吸排気弁のリフト量を示しており、実線で表されているのが排気弁2c又は2dのバルブリフト量の推移、点線で表されているのが吸気弁2a又は2bのバルブリフト量の推移である。
また、各気筒2#nにおいて、主に排気行程中に示される長方形は、燃料噴射弁3から燃料を噴射するタイミングを概念的に示したものであり、特に斜線が付されている長方形は、実際に燃料噴射弁3から燃料が噴射されていることを意味し、斜線が付されていない長方形は、燃料噴射弁3から燃料が噴射されるタイミングではあるが、フューエルカットが実行されているため、実際には燃料噴射弁3からは燃料が噴射されていないタイミングを意味する。尚、図6に示される吸排気弁の開弁タイミング、バルブリフト量、燃料噴射時期等は、例示的なものであり、内燃機関の運転状況等によって変化するものである。
時間t=T1において、フューエルカットが実行されることで、排気弁2cおよび2dが閉弁且つ動作停止状態とされることで、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気が供給されることを回避し、以て排気浄化触媒17の触媒劣化を抑制するものである。ところで、時間t=T1において、各気筒2#nの排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする指令がECU23から排気側可変動弁機構21bへ出されるが、気筒2#1においては、既に排気弁がリフト状態となっているため、先述したように、油圧室53の圧力を低下させても、ロックピン45が移動できず、可動カムフォロワ43とロッカーアーム41との締結状態を即時には解除できない。従って排気弁の再度閉弁状態となった後に、ロックピン45が移動し、可動カムフォロワ43とロッカーアーム41との締結状態が解除され、気筒2#1における排気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。尚、その他の気筒においては、排気弁はリフト状態になっていないため、時間t=T1において、排気弁は閉弁且つ動作停止状態となる。
また、時間t=T1においては、フューエルカットが実行されるため、燃料噴射弁3からの燃料噴射が停止される。しかし、フューエルカット実行後、気筒2#2、2#3、2#4では、時間t=T1直後に迎える各爆発行程において、t=T1より前、即ちフューエルカット実行前に噴射された燃料が爆発燃焼することになる。ここで、該爆発燃焼時においては、気筒2#2、2#3、2#4の排気弁は閉弁且つ動作停止状態となっているため、該爆発燃焼によって生成される燃焼ガスは、排気管側へ供給されず、気筒2#2、2#3、2#4の吸気弁の開弁とともに吸気管側へ吹き戻ることになり、吸気管側の各部分に負荷を与える。
また、図6には示されてはいないが、フューエルカット実行とともに各気筒の吸気弁も閉弁且つ動作停止状態とすると、気筒2#2、2#3、2#4においては該燃焼ガスがそれぞれの気筒内に封印され、気筒に負荷を与えることとなる。
そこで、図7に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御によって、上述したフューエルカット実行後に生成される燃焼ガスに起因する内燃機関各部への負荷を減少させる。図7は、フューエルカットが実行される際に行われる、排気浄化触媒17の触媒劣化を抑制するための制御フローチャートであり、更に図8は、図7に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御が実行された際の、各気筒2#nの吸排気弁のバルブリフト量等の推移を示すものである。以下に、この2図に従い説明を行う。
図7に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御であり、ECU23によって本制御が実行されることが本発明における排気弁制御手段および吸気弁制御手段に相当する。尚、図7中F/Cはフューエルカットを意味し、その他の図においても、同様とする。ここで、S101において内燃機関1の運転状況が減速時フューエルカット条件か否かが判断される。具体的には、内燃機関1がアイドル状態であって、且つ機関回転数が一定の値以上であれば、減速時フューエルカット条件を満たしていると判断し、S102へと進む。減速時フューエルカット条件を満たしていないと判断される場合は、S110へと進む。
ここで、図7に示すフローチャートに示される制御では、減速時のフューエルカットの判断を行っているが、その他に、内燃機関1の機関回転数が所定の値を越えたときに行うフューエルカット(以後、回転数制限フューエルカットという。)、または内燃機関1を備える車両等の速度が措定の値を越えたときに行うフューエルカット(以後、速度制限フューエルカットという。)の判断を行ってもよい。尚、回転数制限フューエルカット条件を満たしているか否かの判断においては、機関回転数Neと機関回転数の上限値NeMAXとを比較し、NeがNeMAXを越える場合は、回転数制限フューエルカット条件を満たしていることとなり、S102へと進む。また、速度制限フューエルカット条件を満たしているか否かの判断においては、例えば車両速度SPDと車両速度の上限値SPDMAXとを比較し、SPDがSPDMAXを越える場合は、速度制限フューエルカット条件を満たしていることとなり、S102へと進む。フューエルカット条件は、上述までの条件に限られず、内燃機関1において燃料噴射弁3からの燃料噴射を停止すると判断されるその他の条件を含むものである。
S102においては、各気筒2#nにおいて、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態にあるか否かを判断する。尚、図中「閉停止」とは、閉弁且つ動作停止状態を意味し、その他の図においても、同様とする。ここで、各気筒2#nの吸排気弁が、全て閉弁且つ動作停止状態にある場合は、既に排気浄化触媒17の触媒劣化抑制制御は行われていることになるため、S109へと進み、本制御は終了する。各気筒の吸排気弁が、閉弁且つ動作停止状態となっていない場合は、吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気が供給されないようにする必要があり、S103へと進む。
S103では、フューエルカットが実行される。従って、ECU23から燃料噴射弁3にフューエルカット指令が出され、燃料噴射弁3からの燃料の噴射が停止する。また、フューエルカットが実行中であることを意味するためにフューエルカットフラグXFCの値を1とする。尚、XFCの値が0のときは、フューエルカットが実行されていないことを表す。S103の処理が終了すると、S104へ進む。
S104では、各気筒2#nの吸気弁2aおよび2bを、吸気側可変動弁機構21aを介して閉弁且つ動作停止状態とする。尚、先述のとおり、各気筒2#nの吸気弁2aおよび2bが開弁状態である場合は、該吸気弁が閉弁後に、閉弁且つ動作停止状態となる。S104の処理が終了すると、S105へ進む。
S105では、クランクポジションセンサ19からの出力パルスCA0を取得する。ここで、出力パルスCA0は、S104において吸気弁を閉弁且つ動作停止状態としたときの内燃機関1のクランクシャフトの回転位相である。S105の処理が終了すると、S106へ進む。
S106では、クランクポジションセンサ19からの出力パルスCA1を取得する。出力パルスCA1は、処理S106が実行される毎に更新される値である。S106の処理が終了すると、S107へ進む。
S107では、S105で取得したCA0とS106で取得したCA1との差を比較し、その差がΔCA以上であればS108へ進み、ΔCAより小さい場合はS106へと戻る。従って、S105で取得したCA0を基準とすると、S106で取得するCA1が、少なくとも所定のクランクシャフトの回転角に相当する出力パルス分(ΔCA)だけ、CA0を越えて初めてS108へと進む。
S108では、各気筒2#nの排気弁を、閉弁且つ動作停止状態とする。これにより各
気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態となり、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気が供給されるのを阻止することが可能となる。処理S108の処理が終了すると、S109へと進み、本制御が終了する。
また、S101において、減速時フューエルカット条件を満たすか否かを判断した結果、該条件を満たさないと判断された場合は、S101からS110へと進む。ここで、S110では、フューエルカットフラグXFCの値が1か否かが判断される。フューエルカットフラグXFCの値が1の場合は、フューエルカットが実行されている状態において、内燃機関1の運転状況がフューエルカット条件を満たしていないこととなる。即ち、フューエルカットの実行を中止し、燃料噴射弁3からの燃料噴射を再開する運転状況となっていることを意味する。従って、S110からS111へと進み、燃料噴射を再開するフューエルカット復帰制御が行われる。尚、フューエルカット復帰制御については、後述する。
またS110で、フューエルカットフラグXFCの値が1ではないと判断される場合は、内燃機関1の運転状況はフューエルカットを行う必要の無い状況であるため、S109へ進み、本制御を終了する。
ここで、図7に示す制御フローチャートにおいてS101からS108に至る処理が行われた場合の、内燃機関1の各気筒2#nのバルブリフト量の推移、各気筒2#nにおける爆発燃焼の様子等を図8に基づいて説明する。図8上段においては、ECU23から燃料噴射弁3に対して出されるフューエルカット指令および吸気弁および排気弁に対して出される各運転指令のタイミングが示されている。図8中段においては、図8上段に示される各指令に対応する各気筒2#nでのバルブリフト量推移および燃料噴射の様子が示されている。ここで、図8中段における横軸の表示は、図6中段における横軸の表示と実質的に同一である。
S101において減速フューエルカット条件を満たすと判断され、且つS102において各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態にあると判断されなければ、S103でフューエルカットが実行されるが、この時点が図8における時間t=T1にあたる。これと同時に、時間t=T1において、図7のS104が処理され、通常動作状態にある各気筒2#nの吸気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。
時間t=T1において、気筒2#3および気筒2#4の吸気弁は、開弁状態であるため、時間t=T1において即時に閉弁且つ動作停止状態となるのではなく、各吸気弁が閉弁後に閉弁且つ動作停止状態となるのは、先述の通りである。更に、時間t=T1における内燃機関1のクランクシャフトのクランクポジションCA0が、S105において取得される。
その後、繰り返し該クランクポジションCA1が取得され、該CA1がCA0よりΔCA以上大きくなった時点において、S108に従い各気筒2#nの排気弁が閉弁且つ停止状態とされる。この時点が図8における時間t=T2にあたる。この時間t=T2は、フューエルカットが実行された直後に最も遅く燃焼ガスが生成される気筒(図8においては気筒2#4)において、フューエルカット直前に噴射された燃料が爆発燃焼した直後の排気行程周辺の時間であって、気筒2#4の排気弁が既に開弁している時間である。即ち、このような時間t=T2において、各気筒2#nの排気弁を開弁且つ閉弁状態とすべく、ECU23から排気側可変動弁機構21bへ命令が出されると、気筒2#4の排気弁は開弁状態であるか、または既にフューエルカット実行直後の排気行程が終了しているため、フューエルカット直前に噴射された燃料が爆発燃焼して生じた燃焼ガスを、確実に内燃機関1の排気管側に排出した後に、排気弁を閉じることとなる。他の気筒においては、フュ
ーエルカット実行直後において、気筒2#4より早く排気行程を迎えているため、該燃焼ガスを、内燃機関1の排気管側に既に排出しており、各気筒内に残存する燃焼ガスの量は気筒2#4と比べ非常に少ないと考えられる。
即ち、S107におけるΔCAとは、フューエルカット実行直後から、フューエルカット直後に最も遅く燃焼ガスが生成される気筒において、フューエルカット実行直前に噴射された燃料が爆発燃焼することにより発生する燃焼ガスを、内燃機関1の排気管側へ排出するのに要する時間に相当するクランクシャフトの進み角である。従って、時間t=T2においては、各気筒2#n内には燃焼ガスはほぼ残存していないこととなり、その状態で各気筒2#nの排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。従って、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気を供給することを回避することで、触媒劣化を抑制するとともに、フューエルカット実行直後に発生する燃焼ガスの内燃機関1等への影響も抑制することができる。
ここで、特に時間t=T2を、図8における(A)で表される時間とする。(A)で表せる時間とは、フューエルカット実行直後の排気行程周辺において気筒2#4の排気弁が開弁している間であって、且つ気筒2#4の次に排気行程を迎える気筒、即ち気筒2#1の排気弁が開弁し始めるまでの時間である。即ち、フューエルカット実行後に、最後に燃焼ガスが生成される気筒の排気弁が、フューエルカット実行直後の排気行程周辺において開弁している間であって、且つ該気筒の次に排気行程を迎える気筒の排気弁が開弁し始める前の時間において、ECU23から排気側可変動弁機構21bに、排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする指令を出すことで、フューエルカット実行直後に各気筒2#nにおいて、排気行程を一度だけ迎えた後に、吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態となる。その結果、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気を供給することを回避することで、触媒劣化を抑制するとともに、フューエルカット実行直後に発生する燃焼ガスの内燃機関1等への影響も抑制することができ、更に、燃焼ガスを排出しない状態の排気行程を回避することで、各気筒2#n内から排気管を介して排気浄化触媒17に至る空間における空気の流れを遮断することが可能となるため、排気浄化触媒17の放熱を抑制することも可能となる。その結果、フューエルカット実行中において、排気浄化触媒17の温度低下による触媒能力の低下を防止することになる。
ここで、上述の図7および図8におけるフューエルカット時触媒劣化抑制制御においては、各気筒2#nの吸気弁を、フューエルカット実行時に閉弁且つ動作停止状態としているが、閉弁且つ動作停止状態とせずに通常動作状態のままでもよい。そのような場合にも、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気を供給することを回避することで、触媒劣化を抑制するとともに、フューエルカット直後に発生する燃焼ガスの内燃機関1等への影響も抑制することは可能である。但し、各気筒2#nの排気弁は通常動作状態であるため、吸気行程において各気筒2#nと吸気管へ至る空間において、吸気弁の開閉に伴い空気の流れが発生するため、吸気弁の開弁時に吸気音が発生する場合がある。
<第二の実施例>
本発明に係る第二の実施例を以下に示す。第二の実施例は、各気筒2#nの排気弁の可変動弁機構を、第一の実施例における排気側可変動弁機構21bに代わり、電磁駆動弁で構成される可変動弁機構としたものである。該電磁駆動弁では、内部に設けられた電磁コイルに励磁電流が印加されることにより、電磁コイルが発生する磁場によって軸方向に力を受けるプランジャが、軸方向に進退し、以てプランジャ先端に設けられた弁体が開閉駆動されることになる。この場合、電磁コイルに印可される励磁電流の印加タイミングや励磁電流の大きさを変更することで、弁体の開弁時期等が変更される。
尚、一の電磁駆動弁が、一の排気弁もしくは吸気弁を構成する場合は、個々の電磁駆動
弁を制御することによって、気筒毎に吸気弁もしくは排気弁の開閉特性を変更することが可能となる。従って、各気筒2の排気弁2cと2dの開閉特性を変更可能とする排気側可変動弁機構21bおよび、吸気弁2aと2bの開閉特性を変更可能とする吸気側可変動弁機構21aが、個々に電磁駆動弁で構成される場合は、個々の吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能となる。また、電磁駆動弁によって構成される可変動弁機構21の場合は、気筒2における吸排気カムが存在しないため、図1に示すカム角センサ22も存在しないこととなる。
図9は、フューエルカットが実行される際に行われる、排気浄化触媒17の触媒劣化を抑制するための制御フローチャートであり、更に図10は、図9に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御が実行された際の、各気筒2#nの吸排気弁のバルブリフト量等の推移を示すものである。以下に、この2図に従い説明を行う。
図9に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御であり、ECU23によって本制御が実行されることが本発明における排気弁制御手段および吸気弁制御手段に相当する。ここで、S120において内燃機関1の運転状況が減速時フューエルカット条件か否かが判断される。フューエルカット条件については、図7に示すS101と同様である。S120において減速フューエルカット条件を満たしていると判断される場合は、S121へと進む。減速時フューエルカット条件を満たしていないと判断される場合はS129へと進む。
S121においては、各気筒2#nにおいて、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態にあるか否かを判断する。ここで、各気筒2#nの吸排気弁が、全て閉弁且つ動作停止状態にある場合は、既に排気浄化触媒17の触媒劣化抑制制御は行われていることになるため、S128へと進み、本制御は終了する。各気筒2#nの吸排気弁が、閉弁且つ動作停止状態となっていない場合は、吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることで、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気が供給されないようにする必要があり、S122へと進む。
S122では、フューエルカットが実行される。従って、ECU23から燃料噴射弁3にフューエルカット指令が出され、燃料噴射弁3からの燃料の噴射が停止する。また、フューエルカットが実行中であることを意味するためにフューエルカットフラグXFCの値を1とする。S122の処理が終了すると、S123へ進む。
S123では、各気筒2#nの吸気弁2cおよび2dを、吸気側可変動弁機構21aを介して閉弁且つ動作停止状態とする。尚、先述のとおり、各気筒2#nの吸気弁2cおよび2dが開弁状態である場合は、該吸気弁が閉弁後に、閉弁且つ動作停止状態となる。S123の処理が終了すると、S124へ進む。
S124では、各気筒2#nにおいて、排気行程中にある気筒Sを検出する。具体的には、クランクポジションセンサ19およびカム角センサ22からの出力パルスを基に、各気筒2#nが迎えている行程を検出する。尚、排気行程を迎える気筒が複数ある場合は、その中で最も行程が進んでいる気筒を気筒Sとして検出し、また最も排気行程が進んでいる気筒が複数ある場合は、その複数の気筒を気筒Sとする。S124の処理が終了すると、S125へと進む。
S125では、S124で検出した気筒Sについて、気筒Sの排気弁が閉弁されたか否かを判断する。これにより、気筒Sで発生した燃焼ガスを排気管側へ排出したか否かが判断されることとなる。気筒Sの排気弁が閉弁されている場合は、S126へ進む。気筒Sの排気弁が閉弁されていない場合は、気筒Sの排気弁が閉弁されるまで、S125の処理
が繰り返される。
S126では、排気行程が終了した気筒Sにおいて、気筒Sの排気弁のみを閉弁且つ停止状態とすべく、ECU23から排気側可変動弁機構21bを構成する電磁駆動弁へ指令を出し、それに従い、気筒Sの排気弁が閉弁且つ停止状態となる。S126の処理が終了すると、S127へ進む。
S127では、各気筒の吸排気弁が全て閉弁且つ停止状態となっているか否かを判断する。各気筒の吸排気弁が全て閉弁且つ停止状態となっていない場合は、S124へ戻り、再度排気行程中にある気筒Sの検出を行う。各気筒の吸排気弁が全て閉弁且つ停止状態となっている場合は、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気が供給されるのを阻止することが可能となっているため、S128へと進み、本制御が終了する。
また、S120において、減速時フューエルカット条件を満たすか否かを判断した結果、該条件を満たさないと判断された場合は、S120からS129へと進む。ここで、S129では、フューエルカットフラグXFCの値が1か否かが判断される。フューエルカットフラグXFCの値が1の場合は、前記S110の場合と同様、S130へと進み、燃料噴射を再開するフューエルカット復帰制御が行われる。尚、フューエルカット復帰制御については、後述する。
またS129で、フューエルカットフラグXFCの値が1ではないと判断される場合は、内燃機関1の運転状況はフューエルカットを行う必要の無い状況であるため、S128へ進み、本制御を終了する。
ここで、図9に示す制御フローチャートにおいてS120からS127に至る処理が行われ場合の、内燃機関1の各気筒2#nのバルブリフト量の推移、各気筒2#nにおける吸排気弁の開閉の様子等を図10に基づいて説明する。図10上段においては、ECU23から燃料噴射弁3に対して出されるフューエルカット指令および吸気弁および排気弁に対して出される各運転指令のタイミングが示されている。図10中段においては、図10上段に示される各指令に対応する各気筒2#nでのバルブリフト量推移および燃料噴射の様子が示されている。ここで、図10中段における横軸の表示は、図6中段における横軸の表示と実質的に同一である。
S120において減速フューエルカット条件を満たすと判断され、且つS121において各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態にあると判断されなければ、S122でフューエルカットが実行されるが、この時点が図10における時間t=T3にあたる。これと同時に、時間t=T3において、図9のS123が処理され、通常動作状態にある各気筒2#nの吸気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。
時間t=T3において、気筒2#3および気筒2#4の吸気弁は、開弁状態であるため、時間t=T3において即時に閉弁且つ動作停止状態となるのではなく、各吸気弁が閉弁後に閉弁且つ動作停止状態となるのは、先述の通りである。ここで、処理S124によって、内燃機関1の各気筒2#nの中で排気行程中である気筒が検出される。本実施例の場合は、気筒2#1が排気行程中であるので、気筒2#1が気筒Sとされる。このとき、気筒Sにおいては、フューエルカット実行前に噴射された燃料によって生じた燃焼ガスが、該排気行程によって、内燃機関1の排気管側へと排出されている。
ここで、処理S125によって、気筒Sの排気弁が閉弁となる時間t=T4において、処理S126が行われることにより、気筒2#1の排気弁が閉弁且つ動作停止状態とされる。従って、気筒2#1においては、フューエルカット直前に噴射された燃料によって生
じた燃焼ガスを、排気行程において内燃機関1の排気管側へ排出した後に、排気弁を閉弁且つ動作停止状態とするため、該燃焼ガスを気筒内へ封印することはない。
この後に、処理S127によって、気筒2#2、2#3、2#4の吸排気弁がまだ閉弁且つ動作停止状態となっていないと判断され、各気筒において、S124からS126までの処理が順次行われ、気筒2#2、2#3、2#4のそれぞれの排気弁が閉弁となる時間t=T5、T6、T7において、各気筒2#nの排気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。
従って、フューエルカット実行直後に各気筒2#nにおいて、排気行程を一度だけ迎えた後に、吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態となる。その結果、排気浄化触媒17へ酸素濃度の高い排気を供給することを回避することで、触媒劣化を抑制するとともに、フューエルカット実行直後に発生する燃焼ガスの内燃機関1等への影響も抑制することができ、更に、燃焼ガスを排出していない状態の排気行程を回避することで、各気筒2#n内から排気管を介して排気浄化触媒17に至る空間における空気の流れを遮断することが可能となるため、排気浄化触媒17の放熱を抑制することも可能となる。その結果、フューエルカット実行中において、排気浄化触媒17の温度低下による触媒能力の低下を防止することになる。
ここで、上述の図9および図10におけるフューエルカット時触媒劣化抑制制御においては、各気筒2#nの吸気弁を、フューエルカット実行時に閉弁且つ動作停止状態としているが、閉弁且つ動作停止状態とせずに通常動作状態のままでもよい。また、各気筒2#nの吸気側可変動弁機構21aに代わり、電磁駆動弁で構成される可変動弁機構を用いてもよい。この場合、処理S123において、各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とすべき指令を、時間t=T3にECU23が出すのではなく、フューエルカット実行直前に噴射された燃料を、各気筒における吸気行程で各気筒内へ吸入した後に、各気筒2#n毎に吸気弁を閉弁且つ動作停止状態とする指令を出すようにする。
<第三の実施例>
本発明に係る第三の実施例を以下に示す。第一の実施例および第二の実施例において、各気筒2#nの吸排気弁を全て閉弁且つ動作停止状態とすることによって、排気浄化触媒17の保護を図るとともに、フューエルカット直後に発生する燃焼ガスによる内燃機関1等への負荷を軽減することが可能となるのは、先述の通りである。しかし、各気筒2#nの吸排気弁全てを閉弁且つ動作停止状態とするため、ポンプ損失が発生しなくなり、その結果内燃機関1の減速性が悪化する。そこで、第三の実施例には、例えば、第一の実施例または第二の実施例で、各気筒2#nの吸排気弁を全て閉弁且つ動作停止状態とする場合において、内燃機関1の減速性を向上するための実施例を示す。
第三の実施例においては、吸気側可変動弁機構21aおよび排気側可変動弁機構21bを、第一の実施例と同様に、図3および図4に示される可変動弁機構とする。図11は、フューエルカット実行時に減速性が要求される際に行われる、減速性を向上させる制御フローチャートであり、更に図12は、図11に示すフューエルカット時減速性向上制御が実行された際の、各気筒2#nの吸排気弁のバルブリフト量等の推移を示すものである。以下に、この2図に従い説明を行う。
図11に示すフューエルカット時減速性向上制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御であり、ECU23によって本制御が実行されることが本発明における減速性向上手段に相当する。ここで、S140において、フューエルカットフラグXFCの値が1か否かを判断する。XFCの値が1と判断されれば、S141へ進む。XFCの値が1ではない場合は、フューエルカットが実行されていないため、S146へ進
み、本制御を終了する。
S141では、ECU23から減速性の向上要求が出されているか否かを判断する。具体的には、内燃機関1を搭載する車両の速度を減速させる必要があるとき、または該車両が降坂状態となったときに、ECU23が内燃機関1の出力を抑制し、該車両の減速を行う必要があると判断する場合に、減速性の向上要求がECU23から出される。この一連のECU23による減速の必要性の判断が、本発明における減速判断手段に相当する。この減速性の向上要求がECU23から出された場合はS142へ進み、該減速性の向上要求が出されない場合は、S146へ進み、本制御を終了する。
S142では、各気筒2#nの全吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態か否かが判断される。各気筒2#nの全吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態である場合はS143へと進み、各気筒2#nの全吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態でない場合、例えば、各気筒2#nの吸気弁又は排気弁の一方は閉弁且つ動作停止状態であって、他方が通常動作状態である場合、一定のポンプ損失が発生していると考えられるため、S146へ進み、本制御を終了する。
S143では、フューエルカット実行に伴い閉弁且つ動作停止状態にある排気弁を、排気側可変動弁機構21bにおける可動カムフォロワ43とロッカーアーム41とを締結することによって通常動作状態とする。これによって、各気筒2#nの概ね排気行程において排気弁が開弁することになるため、ポンプ損失が発生し、減速性が向上する。S143の処理が終了すると、S144へ進む。
S144では、S141と同様に、この時点においてECU23から減速性の向上要求が出されているか否かを判断する。減速性の向上要求がECU23から出し続けられている場合、ポンプ損失を発生し続ける必要があるため、S143へと戻り、各気筒2#nの排気弁を通常動作状態とし続ける。一方で、ECU23から減速性の向上要求が出されていない場合は、S145へ進む。
S145では、S143において通常動作状態とされた各気筒2#nの排気弁を、閉弁且つ動作停止状態とする。これにより、ポンプ損失が解消するとともに、各気筒2#nから排気管を介して排気浄化触媒17へ至る空間において、再び空気の流れを遮断することにより、排気浄化触媒17の放熱の抑制を図ることが可能となる。S145の処理が終了すると、S146へ進み、本制御を終了する。
ここで、図11に示す制御フローチャートにおいてS140からS143に至る処理が行われ場合の、内燃機関1の各気筒2#nのバルブリフト量の推移、各気筒2#nにおける爆発燃焼の様子を図12に基づいて説明する。図12上段においては、ECU23から燃料噴射弁3に対して出されるフューエルカット指令、前記減速判断手段に従いECU23から出される減速性向上要求および吸気弁および排気弁に対して出される各運転指令のタイミングが示されている。図12中段においては、図12上段に示される各指令に対応する各気筒2#nでのバルブリフト量推移および燃料噴射の様子が示されている。ここで、図12中段における横軸の表示は、図6中段における横軸の表示と実質的に同一である。ここで、時間t=T8において、フューエルカットが実行され、時間t=T8以降にはフューエルカット時触媒劣化抑制制御が実行され、各気筒2#nの吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態となるが、この点については図7および図8に基づいて説明した通りである。
ここで、S140においてフューエルカットフラグの値が1と判断され、且つS141において減速性の向上要求がECU23からあると判断されるが、この時点が図12における時間t=T9にあたる。これと同時に、時間t=T9において、図11のS142が
処理される。そこで、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態であれば、S143が処理され、各気筒2#nの排気弁が通常動作状態とされる。本実施例においては、t=T9において、既に排気行程を迎えている気筒2#4においては、可動カムフォロワ43は摺動孔47に沿ってスライドしているため、ロックピン45によって可動カムフォロワ43とロッカーアーム41とを締結することはできない。従って、次に排気行程を迎える気筒2#1から順次、排気行程において各気筒2#nの排気弁が開弁されることとなる。
本実施例では、ECU23からの減速性の向上要求に対して、フューエルカット実行時において閉弁且つ動作停止状態にある各気筒2#nの排気弁を、通常動作状態とすることによって、ポンプ損失を発生させ、減速性の向上を図るが、排気弁に代わり吸気弁を閉弁且つ動作停止状態から通常動作状態としても、ポンプ損失が発生し、減速性の向上を図ることが可能である。また、本実施例では、吸排気弁の可変動弁機構として、図3および図4に示される可変動弁機構を採用しているが、電磁駆動弁から構成され各気筒2#n毎に開閉特性を変更可能とする可変動弁機構を用いてもよい。その場合、ECU23からの減速性の向上要求に対して、吸気弁または排気弁の何れか一方を各気筒毎に通常動作状態とすればよい。
<第四の実施例>
本発明に係る第四の実施例を以下に示す。第四の実施例は、第三の実施例と同様、フューエルカット実行時において各気筒2#nの吸排気弁全てが閉弁且つ動作停止状態となっている状態において、減速性を向上するための実施例である。尚、本実施例においては、吸気側可変動弁機構21aは図3および図4に示す可変動弁機構であり、排気側可変動弁機構21bは電磁駆動弁から構成され各気筒2#n毎に開閉特性を変更可能とする可変動弁機構である。図13は、フューエルカット実行時に減速性が要求される際に行われる、減速性を向上させる制御フローチャートであり、更に図14は、図13に示すフューエルカット時減速性向上制御が実行された際の、各気筒2#nの吸排気弁のバルブリフト量等の推移を示すものである。以下に、この2図に従い説明を行う。
図13に示すフューエルカット時減速性向上制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御であり、ECU23によって本制御が実行されることが本発明における減速性向上手段に相当する。ここで、S140において、フューエルカットフラグXFCの値が1か否かを判断する。XFCの値が1と判断されれば、S151へ進む。XFCの値が1ではない場合は、フューエルカットが実行されていないため、S158へ進み、本制御を終了する。
S151では、ECU23から減速性の向上要求が出されているか否かを判断する。その具体的な判断方法は、第三の実施例において示した通りである。この減速性の向上要求がECU23から出された場合はS152へ進み、該減速性の向上要求が出されない場合は、S158へ進み、本制御を終了する。
S152では、各気筒2#nの全吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態か否かが判断される。各気筒2#nの全吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態である場合はS153へと進み、各気筒2#nの全吸排気弁が閉弁且つ動作停止状態でない場合、S158へ進み、本制御を終了する。
S153では、内燃機関1の各気筒S#n毎に、それぞれが迎えている行程を検出する。具体的には、クランクポジションセンサ19やカム角センサ22の出力パルスを基に、その行程を検出する。S153において、吸気行程又は爆発行程を迎えている気筒と判断された気筒S#nにおいてはS154に進み、吸気行程又は爆発行程を迎えていない気筒
と判断された気筒S#nにおいてはS155へ進む。
S154では、吸気行程又は爆発行程を迎えている気筒S#nの排気弁を開弁し、S155では、吸気行程又は爆発行程を迎えていない気筒S#nの排気弁を閉弁する。これにより、フューエルカット実行時において、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態となっている場合に、各気筒2#nの排気弁を吸気過程および爆発過程に開弁し、その他の行程を迎えている場合は各気筒2#nの排気弁を閉弁することになる。この排気弁の開閉によりポンプ損失を発生させ、内燃機関1の減速性の向上を図る。S154およびS155の処理が終了すると、S156へ進む。
S156では、S151と同様に、この時点においてECU23から減速性の向上要求が出されているか否かを判断する。減速性の向上要求がECU23から出し続けられている場合、ポンプ損失を発生し続ける必要があるため、S153へと戻り、各気筒S#nが迎える行程を判別して、吸気行程又は爆発行程を迎えていれば該気筒の排気弁を開弁し、そうでなければ該気筒の排気弁を閉弁する。一方で、ECU23から減速性の向上要求が出されていない場合は、S157へ進む。
S157では、S154において開弁状態とされた気筒S#nの排気弁を、閉弁且つ動作停止状態とする。これにより、ポンプ損失が解消するとともに、各気筒2#nから排気管を介して排気浄化触媒17へ至る空間において、再び空気の流れを遮断することにより、排気浄化触媒17の放熱の抑制を図ることが可能となる。S157の処理が終了すると、S158へ進み、本制御を終了する。
ここで、図13に示す制御フローチャートにおいてS150からS156に至る処理が行われ場合の、内燃機関1の各気筒2#nのバルブリフト量の推移、各気筒2#nにおける爆発燃焼の様子を図14に基づいて説明する。図14上段においては、ECU23から燃料噴射弁3に対して出されるフューエルカット指令、前記減速判断手段に従いECU23から出される減速性向上要求および吸気弁および排気弁に対して出される各運転指令のタイミングが示されている。図14中段においては、図14上段に示される各指令に対応する各気筒2#nでのバルブリフト量推移および燃料噴射の様子が示されている。ここで、図14中段における横軸の表示は、図6中段における横軸の表示と実質的に同一である。ここで、時間t=T10において、フューエルカットが実行され、時間t=T10以降にはフューエルカット時触媒劣化抑制制御が実行され、各気筒2#nの吸排気弁が各気筒毎に閉弁且つ動作停止状態となるが、この点については図9および図10に基づいて説明した通りである。
ここで、S150においてフューエルカットフラグの値が1と判断され、且つS151において減速性の向上要求がECU23からあると判断されるが、この時点が図14における時間t=T11にあたる。これと同時に、時間t=T11において、図13のS152が処理される。そこで、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態であれば、S153が処理され、各気筒2#nに対して、フューエルカット時開弁指令が出される。即ち、各気筒2#nにおいて吸気行程又は爆発行程を迎える気筒の排気弁は開弁され、その他の行程を迎える気筒の排気弁は閉弁される。
本実施例では、時間t=T11の後に、爆発行程を迎える気筒2#2と吸気行程を迎える気筒2#4においては、排気弁を開弁し、排気行程を迎える気筒2#1と圧縮行程を迎える気筒2#3においては、排気弁は閉弁される。その後に、次の行程で爆発行程を迎える気筒2#3と吸気行程を迎える気筒2#1においては、排気弁を開弁し、排気行程を迎える気筒2#2と圧縮行程を迎える気筒2#4においては、排気弁は閉弁される。S156において、ECU23から減速性の向上要求が無いと判断されるまで、上記の開閉弁動
作が繰り返される。
このように、各気筒2#nにおいて、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態となっている場合に、排気行程又は圧縮行程によって為された圧縮仕事を、それぞれ吸気行程又は爆発行程において気筒外部へ放出することで、ポンプ損失を発生させ、以て減速性の向上を図る。
ここで、本実施例においては、ECU23からの減速性の向上要求があった後に、各気筒2#nの排気弁を開弁1サイクルにおいて、吸気行程および爆発行程の二行程でポンプ損失を発生させるため、大きな減速性を得ることが可能となるが、吸気行程または爆発行程の何れか一方の行程のみでポンプ損失を発生してもよい。
また、本実施例では、減速性の向上要求があった場合、各気筒2#nの排気弁を開閉させているが、吸気側可変動弁機構21aが電磁駆動弁等で構成され各気筒毎に吸気弁の開閉特性を変更可能とする可変動弁機構である場合は、排気弁に代わり吸気弁を同様に吸気行程および爆発行程において開弁、その他の行程で閉弁させてもよい。その場合、排気側可変動弁機構21bは図3および図4に示される可変動弁機構、または電磁駆動弁等で構成され各気筒毎に吸気弁の開閉特性を変更可能とする可変動弁機構の何れであってもよく、該可変動弁機構によって各気筒2#nの排気弁は、閉弁且つ動作停止状態を維持している。
<第五の実施例>
ここで、第三の実施例および第四の実施例に示すフューエルカット時減速性向上制御は、内燃機関とは別に補助動力源を備え、内燃機関と補助動力源の少なくとも何れか一を駆動源として駆動輪を駆動するハイブリッド機構を有する車両においても適用は可能である。しかし、ハイブリッド機構を有する車両であって、減速時に車両の有する運動エネルギーを電気エネルギーとして蓄電池に充電し、補助動力源の駆動源とする機構を有するハイブリッド機構においては、フューエルカット時減速性向上制御によって車両の減速を行うと、蓄電池への充電を行うことができない。そこで、本発明の第五の実施例として、ハイブリッド機構を有する車両におけるフューエルカット時減速性向上制御を以下に示す。図15は、ハイブリッド機構を表すブロック図を、図16はハイブリッド機構を有する車両におけるフューエルカット時減速性向上制御のフローチャートを示しており、以後この2図に従い、本制御の説明を行う。
図15において、内燃機関1のクランクシャフトは出力軸74に連結され、出力軸74は動力分割機構64に連結されている。動力分割機構64は、動力伝達軸75を介して補助動力源であるモータジェネレータ62と連結されるとともに、動力伝達軸76を介してもう一つの補助動力源であるモータジェネレータ63とも連結されている。ここで、前記動力分割機構64は、例えば、ピニオンギヤを回転自在に支持するプラネタリキャリヤと、プラネタリキャリヤの外側に配置されたリングギヤと、プラネタリキャリヤの内側に配置されたサンギヤとを備えた遊星歯車(プラネタリギヤ)で構成され、プラネタリキャリヤの回転軸が前記出力軸74と連結され、リングギヤの回転軸が前記動力伝達軸76と連結され、サンギヤの回転軸が前記動力伝達軸75と連結されている。
前記モータジェネレータ63に連結される動力伝達軸76には、減速機65が連結され、減速機65には、ドライブシャフト67を介して駆動輪66が連結されている。減速機65は、複数の歯車を組み合わせて構成され、動力伝達軸76の回転速度を減速して、内燃機関1、モータジェネレータ62及びモータジェネレータ63において発生したトルクをドライブシャフト67伝達する。
前記モータジェネレータ62は、インバータ68と電気的に接続され、インバータ68は、更に蓄電池69と電気的に接続されている。モータジェネレータ62は、交流同期型の電動機で構成され、励磁電流が印加されるとトルクを発生するとともに、外部からトルクが加えられると、例えば前記内燃機関1から動力分割機構64を介して運動エネルギーが入力されると、その運動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって電力を発生させる。発生した電力はインバータ68を介して蓄電池69へ蓄積される。ここで、モータジェネレータ62は、内燃機関1の始動時に蓄電池69から電力が印加されることで駆動し、それに従い内燃機関1が駆動する。従って、内燃機関1のスタータモータとして作用する。蓄電池69は、複数のニッケル水素バッテリを直列に接続して構成されている。
前記モータジェネレータ63は、前記モータジェネレータ62と並列してインバータ68と電気的に接続され、インバータ68は、蓄電池69と電気的に接続されている。モータジェネレータ63は、交流同期型の電動機で構成され、前記モータジェネレータ62で発電された電力およびまたは蓄電池69に蓄積されている電力が印加されると、印加される電力の大きさに応じたトルクを発生させ、動力伝達軸76を回転駆動させる。またモータジェネレータ63は、車両の減速時に発電機として作用し、駆動輪66からドライブシャフト67及び減速機65を介して動力伝達軸76に伝達される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する、いわゆる回生発電を行う。
前記インバータ68は、複数のパワートランジスタを組み合わせて構成される電力変換装置であり、モータジェネレータ62において発電された電力の蓄電池69への印加と、モータジェネレータ63において発電された電力の蓄電池69への印加と、モータジェネレータ62で発電された電力のモータジェネレータ63への印加と、蓄電池69に蓄電された電力のモータジェネレータ62への印加と、蓄電池69に蓄電された電力のモータジェネレータ63への印加とを選択的に切り換え、実行する。
上記のような構成のハイブリッド機構には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるエンジンECU71(図1におけるECU23に相当)と、モータジェネレータ62およびモータジェネレータ63に対して電力を供給するインバータ68を制御するための電子制御ユニットであるモータECU72と、蓄電池69を制御するための電子制御ユニットである蓄電池ECU73と、エンジンECU71、モータECU72および蓄電池ECU73を含めたハイブリッド機構全体を総合的に制御するための電子制御ユニットであるハイブリッドECU70が併設されている。
上記のハイブリッド機構において、フューエルカット時の内燃機関1の減速性の向上要求がエンジンECU71から出された場合に行う減速性向上制御を、以下に説明する。図16に示される制御フローチャートは、図11に示すフューエルカット時減速向上制御のフローチャートに、一部の処理を追加したものである。従って、図11に示す制御フローチャートと共通する処理については、同一の参照番号を付することで、説明を省略する。
図16に示すハイブリッド車フューエルカット時減速性向上制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御であり、ECU23によって本制御が実行されることが本発明における減速性向上手段に相当する。ここで、S142において、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態となっていると判断された場合は、S160に進む。S160では、ハイブリッド機構の蓄電池69の残存する充電電圧と所定の電圧値V1とを比較する。所定の電圧値V1は、例えば蓄電池69の最大蓄電値電圧を表し、蓄電池69の充電電圧がV1より低い場合は、蓄電池69はまだ電気エネルギーを蓄積することが可能であることを意味し、蓄電池69の充電電圧がV1以上である場合は、蓄電池69は電気エネルギーを蓄積する必要はない状態であることを意味する。
そこで、S160において、蓄電池69の充電電圧がV1以上である場合は、S143へ進み、図11に示されるフューエルカット時減速性向上制御と同様に各気筒2#nの排気弁を通常動作状態とすることで、ポンプ損失を発生させ、減速性の向上を図る。一方で、S160において、蓄電池69の充電電圧がV1より低い場合は、S161へ進み、車両の有する運動エネルギーを補助動力源であるモータジェネレータ62または63を介して回生させることで、蓄電池69に電気エネルギーの蓄積、即ち充電を行う。S161において充電を行った後は、S146へ進み、本制御を終了する。
このように、フューエルカット時における減速性向上制御を行うにあたり、蓄電池69の充電電圧が所定の電圧値より低い場合は、蓄電池の充電を優先的に行うこととなり、蓄電池69の充電電圧が所定の電圧値以上である場合は、蓄電池の充電は行わずに、減速性の向上が図られる。尚、本実施例においては、図11に示されるフューエルカット時減速性向上制御に一部の処理を追加しているが、図13に示されるフューエルカット時減速性向上制御に、同様の一部の処理を追加してもよい。この場合、図13におけるS152において、各気筒2#nの吸排気弁が全て閉弁且つ動作停止状態となっていると判断された場合に、図16におけるS160に相当する処理を挿入し、蓄電池69の充電電圧の値に従い、減速性の向上を図るか、または蓄電池69の充電を行うかを切り替える。
<第六の実施例>
ここで、内燃機関1が機関停止する際に、停止時における内燃機関1のクランクシャフトの回転位置によっては、各気筒2#nにおいて吸排気弁の両弁が開弁状態となっている状態で、機関停止している場合がある。このような場合であって、内燃機関1の機関停止時において、排気浄化触媒17の触媒温度が高温である場合、吸排気弁の両弁が開弁状態となっている気筒を介して、内燃機関1の吸気管側から酸素濃度の高い排気が排気浄化触媒17へ供給されることで、排気浄化触媒17の触媒劣化が促進される。そこで、本発明の第六の実施例として、内燃機関の機関停止時における触媒劣化を抑制する制御(以後、内燃機関停止時触媒劣化抑制制御という)を、図17に示す内燃機関停止時触媒劣化抑制制御フローチャートに従い、以下に説明する。
図17に示す内燃機関停止時触媒劣化抑制制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御である。ここで、図17に示す制御フローチャートにおいて、S102からS108までの処理は、図7に示す制御フローチャートにおけるS101からS108までの処理と同様である。従って、同一の処理については同一の参照番号を付すことで、その説明を省略する。
ここで、S170では、内燃機関停止条件を満たしているか否かが判断される。具体的には、ECU23から内燃機関1の機関停止信号が出されているか否かを判断する。S170において、内燃機関停止条件を満たしていると判断されるとS171へ進み、内燃機関停止条件を満たしていないと判断されると図7に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御が実行される。
S171では、排気浄化触媒17の触媒温度と所定の温度TC1とを比較する。所定の温度TC1とは、排気浄化触媒17が酸素濃度の高い排気に曝された際に、触媒劣化を起こす虞のある触媒温度である。従って、排気浄化触媒17の触媒温度がTC1以上であれば、酸素濃度の高い排気に曝されることで触媒劣化の虞があり、排気浄化触媒17の触媒温度がTC1より低い場合は、触媒劣化の虞がないことを意味する。ここで、排気浄化触媒17の触媒温度の推定は、冷却水温度センサ18によって得られる内燃機関1の冷却水温度に従い、推定する。また、この他に、排気浄化触媒17の上流側および下流側における排気温度に従い、推定してもよい。S171で排気浄化触媒17の触媒温度が所定の温
度TC1以上である場合は、S102へ進み、排気浄化触媒17の触媒温度が所定の温度TC1より低い場合は、S173へ進む。
S171からS173へ進む場合は、内燃機関1の機関停止時において、排気浄化触媒17の触媒温度が所定の温度TC1より低いため、酸素濃度の高い排気に曝されても触媒劣化が生じるおそれがないため、内燃機関1を機関停止させる。S173の処理が終了すると、S174へ進み、本制御を終了する。
S171からS102へ進む場合、内燃機関1の機関停止時において、排気浄化触媒17の触媒温度が所定の温度TC1以上であるため、酸素濃度の高い排気に曝されることで、触媒劣化の虞がある。従って、図7に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御の処理S101において、減速時フューエルカット条件が満たされていると判断される場合と同様に、S102からS108の処理が行われ、フューエルカット直前に噴射された燃料によって生じた燃焼ガスを内燃機関1の排気管側へ排出した後に各気筒2#nの吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする。これにより、内燃機関の機関停止時において、排気浄化触媒17の触媒劣化を抑制することが可能となる。特に、第五の実施例で示したハイブリッド機構を有する車両において、内燃機関は停止した状態であって、補助動力源のみで車両が駆動している場合にも、本制御は好適に実行できる。
また本実施例は、図7に示すフューエルカット時触媒劣化抑制制御における処理S102からS108を利用することで、内燃機関1の機関停止時において、各気筒2#nの吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態とするが、処理S102からS108に代わり図9に示す処理S121からS127を用いても、同様に、内燃機関1の機関停止時において、各気筒2#nの吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態とすることが可能である。更に、本実施例では、各気筒2#nの吸排気弁を閉弁且つ動作停止状態としているが、排気弁または吸気弁のどちらか一方を閉弁かつ動作停止状態としてもよい。
<第七の実施例>
ここで、内燃機関1が始動する際、スタータモータ等の外部動力源によって内燃機関1を強制駆動するいわゆるクランキング駆動が行われる。このクランキング駆動が行われる期間、具体的にはECU23から内燃機関1に対して始動指令が出されてから、内燃機関1の各気筒2#nにおいて燃料噴射弁3より噴射された燃料が燃焼するまでの期間においては、各気筒2#nで燃料の燃焼が行われていないため内燃機関1は酸素濃度の高い排気を排気浄化触媒17へと排出することになり、排気浄化触媒17の触媒温度が高い場合、触媒劣化の虞が生じる。そこで、本発明の第七の実施例として、内燃機関の始動時における触媒劣化を抑制する制御(以後、内燃機関始動時触媒劣化抑制制御という)を、図18に示す内燃機関始動時触媒劣化抑制制御フローチャートに従い、以下に説明する。
図18に示す内燃機関始動時触媒劣化抑制制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御である。ここで、S180では、ECU23から内燃機関1へ始動指令が出されたか否かが判断される。S180において、ECU23から始動指令が出されたと判断されるとS181へ進み、ECU23から始動指令が出されていないと判断されるとS186へ進み、本制御を終了する。
S181では、触媒温度推定手段によって排気浄化触媒17の触媒温度が推定され、その触媒温度と所定の温度TC2とを比較する。触媒温度の推定にあたっては、第六の実施例と同様である。ここで、所定の温度TC2は、第六の実施例において示された所定の温度TC1と同様に、排気浄化触媒17が酸素濃度の高い排気に曝された際に、触媒劣化を起こす虞のある触媒温度を意味する。S181において、触媒温度が所定の温度TC2以上であると判断されればS182へ進み、触媒温度が所定の温度TC2より低いと判断さ
れればS187へと進む。
S182では、各気筒2#nの排気弁を排気側可変動弁機構21bを介して閉弁且つ動作停止状態とする。これにより、内燃機関1と排気浄化触媒17との間の空間において空気の流れを遮断することが可能となる。S182の処理が終了すると、S183へ進む。
S183では、内燃機関1の始動にあたり、スタータモータ等の外部動力源によって内燃機関1が強制駆動、即ちクランキング駆動される。S183の処理が終了すると、S184へ進む。
S184では、クランキング駆動される内燃機関1の機関回転数Neと所定の回転数Ntとが比較される。所定の回転数Ntとは、内燃機関1の各気筒2#nにおいて、噴射された燃料が爆発燃焼するまでに、クランキング駆動によって内燃機関1の機関回転数が立ち上がる機関回転数を意味する。従って、所定の回転数Ntは、内燃機関1の始動前の状態によって変動する。例えば、内燃機関1の停止に従い、該内燃機関1が備えられる車両が停止している状態では、所定の回転数Ntは比較的低い値となる。一方で、ハイブリッド機構を有する車両において、内燃機関1は停止しているが、該車両はハイブリッド機構の補助動力源によって該車両が駆動されている場合は、既に内燃機関1は一定の機関回転数で空転している。従って、このような場合の所定の回転数Ntは、前記一定の機関回転数より高い回転数となる。
S184において、クランキング駆動される内燃機関1の機関回転数Neが所定の回転数Ntより低いと判断される場合は、再びS183へと戻り、クランキング駆動が続けられる。一方で、機関回転数Neが所定の回転数Nt以上と判断される場合は、S185へ進む。本実施例では、機関回転数を基準としているが、機関回転数に代わり、該機関回転数に対応する時間を基準としてもよい。即ち、一定の時間が経過するまでは、該機関回転数は所定の回転数tに達していないと考えことで、一定の時間が経過するまではS183およびS184の処理を繰り返すようにしてもよい。
S185では、内燃機関1の機関回転数Neが、各気筒2#nにおいて燃料が爆発燃焼するに十分高められているため、各気筒2#nにおいて燃料の噴射が開始され、S182において閉弁且つ動作停止状態とされている排気弁を、排気側可変動弁機構21bを介して通常動作状態とする。S185の処理が終了すると、S186へ進み、本制御を終了する。
S181において、排気浄化触媒17の触媒温度が所定の温度TC2より低いと判断される場合は、排気浄化触媒17の触媒劣化の虞はないため、各気筒2#nの排気弁を閉弁且つ動作停止状態とする必要はなく、従ってS187において、外部駆動源によって内燃機関1のクランキング駆動が行われる。また、S187の処理が終了するとS188およびS189へ進み、先述したS184およびS185における処理と同様内燃機関1の機関回転数Neが、所定の回転数Nt以上となって燃料の噴射が開始される。S189の処理が終了すると、S186へ進み、本制御を終了する。
本制御により、内燃機関1の機関始動時において、排気浄化触媒17の触媒劣化を抑制することが可能となる。特に、第五の実施例で示したハイブリッド機構を有する車両において、内燃機関は停止した状態であって補助動力源のみで車両が駆動している状態から、内燃機関を始動させる場合にも、本制御は好適に実行できる。
ここで、本実施例においては、内燃機関1の始動時において、排気浄化触媒17の触媒温度が所定の温度TC2以上である場合は、各気筒2#nの排気弁を、排気側可変動弁機
構21bを介して閉弁且つ動作停止状態としているが、各気筒2#nの排気弁に代わって、各気筒2#nの吸気弁を、吸気側可変動弁機構21aを介して閉弁且つ動作停止状態としてもよい。また、吸排気弁ともに吸気側可変動弁機構および排気側可変動弁機構を介して、閉弁且つ動作停止状態としてもよい。この場合、クランキング駆動によって内燃機関1の機関回転数Neが所定の回転数Nt以上となれば、閉弁且つ動作停止状態となっている弁を、対応する可変動弁機構を介して通常動作状態とする。
<第八の実施例>
ここで、内燃機関1においてフューエルカットが実行され、各気筒2#nの排気弁および吸気弁が閉弁且つ動作停止状態となっている場合において、該フューエルカットを解除し、閉弁且つ動作停止状態にある吸気弁を、同様に閉弁且つ動作停止状態にある排気弁より早く通常動作状態とすると、前記各気筒における排気行程において圧縮された排気が、吸気弁の開閉に伴い吸気管側へ逆流し、吸気音が発生する虞がある。そこで、本発明の第八の実施例として、フューエルカット復帰時に閉弁且つ動作停止状態にある排気弁および吸気弁を通常動作状態とする制御(以後、フューエルカット復帰制御という)を、図19に示すフューエルカット復帰制御フローチャートに従い、以下に説明する。尚、本実施例において、内燃機関1の可変動弁機構としては、吸気側可変動弁機構21aおよび排気側可変動弁機構21bともに、図3および図4に示す可変動弁機構とする。
図19に示すフューエルカット復帰制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御である。ここで、S190では、内燃機関1の各気筒2#nの吸気弁および排気弁が全て通常動作状態か否かが判断される。ここで、各気筒2#nの排気弁および吸気弁が全て通常動作状態であると、S197へ進み、本制御を終了する。一方で、各気筒2#nの各気筒2#nの排気弁および吸気弁の何れかが通常動作ではないと判断されると、S191へ進む。
S191では、閉弁且つ動作停止状態にある各気筒2#nの排気弁を、排気側可変動弁機構21bを介して通常動作状態とする。S191の処理が終了すると、S192へ進む。
S192では、クランクポジションセンサ19からの出力パルスCA2を取得する。ここで、出力パルスCA2は、S191において吸気弁を通常動作状態としたときの内燃機関1のクランクシャフトの回転位相である。S192の処理が終了すると、S193へ進む。
S193では、クランクポジションセンサ19からの出力パルスCA3を取得する。出力パルスCA3は、処理S193が実行される毎に更新される値である。S193の処理が終了すると、S194へ進む。
S194では、S192で取得したCA2とS193で取得したCA3との差を比較し、その差がΔCA2以上であればS195へ進み、ΔCA2より小さい場合はS193へと戻る。従って、S192で取得したCA2を基準とすると、S193で取得するCA3が、少なくとも所定のクランクシャフトの回転角に相当する出力パルス分(ΔCA2)だけ、CA2を越えて初めてS195へと進む。
S195では、フューエルカットが解除され、燃料噴射弁3より燃料の噴射が開始される。ここで、フューエルカットフラグXFLの値を0とする。S195の処理が終了すると、S196へ進む。
S196では、各気筒2#nの吸気弁を、吸気側可変動弁機構21aを介して、通常動
作状態とする。これにより各気筒2#nの排気弁および吸気弁の全てが通常動作状態となる。処理S196の処理が終了すると、S197へと進み、本制御が終了する。
ここで、図19に示す制御フローチャートにおいてS190からS196に至る処理が行われた場合の、内燃機関1の各気筒2#nのバルブリフト量の推移等を図20に基づいて説明する。図20上段においては、ECU23から燃料噴射弁3に対して出されるフューエルカット指令および吸気弁および排気弁に対して出される各運転指令のタイミングが示されている。図20中段においては、図20上段に示される各指令に対応する各気筒2#nでのバルブリフト量推移および燃料噴射の様子が示されている。ここで、図20中段における横軸の表示は、図6中段における横軸の表示と実質的に同一である。
ここで、S190において各気筒2#nの吸排気弁の何れかが通常動作状態ではないと判断されることで、S191において各気筒2#nの排気弁が通常動作状態とされるが、この時点が図20における時間t=T12にあたる。
時間t=T12において、気筒2#4は既に排気行程を迎えているため、排気側可変動弁機構21bにおける可動カムフォロワ43とロッカーアーム41とを、ロックピン45によって締結することはできない。従って、時間t=T12において、気筒2#4では排気弁は通常動作状態とならず、気筒2#1の排気弁より順次、通常動作状態となる。更に、時間t=T12における内燃機関1のクランクシャフトのクランクポジションCA2が、S192において取得される。
その後、繰り返しクランクポジションCA3が取得され、該CA2がCA3よりΔCA2以上大きくなった時点において、S194およびS195において、燃料噴射弁3からの燃料噴射が開始され、各気筒2#nの吸気弁が通常動作状態とされる。この時点が図20における時間t=T13にあたる。この時間t=T13は、フューエルカットが解除されるにあたり各気筒2#nの排気弁が通常動作状態とされた直後に最も遅く排気弁が開弁される気筒(図20においては気筒2#4)において、該排気弁の開弁が行われる排気行程以降の時間である。即ち、このような時間t=T13において、各気筒2#nの吸気弁を通常動作状態とすべく、ECU23から吸気側可変動弁機構へ命令が出されると、気筒2#4の吸気弁は通常動作状態とならずに、気筒2#4の次に吸気行程を迎える気筒2#1の吸気弁から順次、通常動作状態となる。
即ち、S194におけるΔCA2とは、フューエルカット解除にあたり、各気筒2#nの排気弁を通常動作状態とすべき指令がECU23から排気側可変動弁機構21bに出された直後から、各気筒2#nの吸気弁が通常動作状態となるまでに要する時間に相当するクランクシャフトの進み角である。時間t=T13以降において、各気筒2#nで燃料噴射が行われ、その後に各気筒2#nの吸気弁が開弁することで、各気筒2#nにおいて燃料の爆発燃焼が行われることとなる。
ここで、時間t=T13において、ECU23から各気筒2#nの吸気弁が通常動作状態となるべく、吸気側可変動弁機構21aに指令が出され、以降吸気弁が吸気行程において開弁する。このとき、フューエルカット実行時においては、吸気管9および吸気支管8の内部の圧力が大気圧となっているため、時間t=T13以降に通常動作状態とされる各気筒2#nの吸気弁が開弁すると同時に、急激に各気筒2#nの内部へ流入してしまい、その結果、各気筒2#nの内部において高体積効率の燃焼が行われるため、ショックが発生する。
そこで、図19に示されるフューエルカット復帰制御において、処理S196で各気筒2#nの吸気弁を通常動作状態とする際に、前記各気筒2#nへ流入する空気量を徐々に
多くなるように該吸気弁を通常動作状態とすることで、各気筒2#nに空気が急激に流入することによる急激な高体積効率の燃焼を抑えることが可能となる。
ここで、各気筒2#nへ流入する空気量を徐々に多くする手段が、本発明における流量調整手段に相当する。該流量調整手段には、各気筒2#nの吸気弁を通常動作状態とする際に、該吸気弁の作用角が小作用角から大作用角へと推移するように制御する手段、該吸気弁のリフト量が小リフト量から大リフト量へと推移するように制御する手段または該吸気弁の遅角量が大遅角量から小遅角量へと推移するように制御する手段がある。これらの手段は、図3および図4に示される可変動弁機構とは別の可変動弁機構で構成される。また、内燃機関1が、電磁駆動弁で構成される可変動弁機構を有している場合は、該電磁駆動弁を制御することで、吸気弁の作用角、リフト量、遅角量を制御することができる。
また、吸気弁の作用角、リフト量、遅角量の少なくとも一をパラメータとして、前記各気筒2#nへの流入吸気量が、前記吸気弁制御手段によって吸気弁が閉弁且つ動作停止状態となる以前、即ち吸気弁が通常動作状態である場合の前記各気筒2#nへの流入空気量に相当する空気量となるべくフィードバック制御を行ってもよい。
尚、本実施例においては、吸気側可変動弁機構21aおよび排気側可変動弁機構21bには、図3および図4に示される可変動弁機構を用いているが、電磁駆動弁で構成され、各気筒2#n毎に弁の開閉特性を変更可能とする可変動弁機構を用いてもよい。この際、フューエルカット復帰において各気筒の2#nの吸気弁を通常動作状態とする場合、各気筒2#n毎に通常動作状態となるべき指令がECU23から出される。
<第九の実施例>
ここで、フューエルカット復帰時において、各気筒2#nの吸気弁が通常動作状態とされ、該吸気弁が吸気行程において開弁することで、各気筒2#nの内部に空気が流入する。しかし、フューエルカット復帰直後において各気筒2#nに流入する空気は、内燃機関1の吸気支管8、または吸気管9であっても吸気支管8に近い場所に存在していた空気である。従って、該流入空気の流量はエアフローメータ10によって測定されていないことになる。そのような場合に、フューエルカット復帰後の燃料噴射弁3から噴射される燃料の量を、エアフローメータ10で検出された空気流量に従って算出した場合、フューエルカット直後はエアフローメータ10近傍の空気の流れは小さいため、算出される燃料の量も小さくなる。一方で、フューエルカット実行直後に各気筒2#nに流入する空気量は、吸気管9内の圧力が大気圧程度になっていると、多くなる。その結果、各気筒2#nの内部の混合ガスの濃度が過度に希薄なものとなり、排気浄化触媒17の触媒劣化が起こる虞がある。そこで、本発明の第九の実施例として、フューエルカット復帰時における燃料噴射弁3から噴射される燃料噴射量に関する制御(以後、フューエルカット復帰時燃料噴射制御という)を、図21に示すフューエルカット復帰時燃料噴射制御フローチャートに従い、以下に説明する。
図21に示すフューエルカット復帰時燃料噴射制御は、ECU23によって一定の間隔で繰り返し実行される制御である。S200においては、タイマーのカウントを開始する。ここで、該タイマーのカウントをTTとする。S200の処理が終了すると、S201に進む。
S201では、カウントを行っているタイマーの値TTと、所定の時間Tsとを比較する。ここで、所定の時間Tsとは、フューエルカット復帰後において、吸気支管8等に滞留していた空気が各気筒2#nに流入し始めてから、エアフローメータ10によって検出される空気流量によって各気筒2#nに流入する空気流量が正確に検出できるようになるまでに要する時間、即ちエアフローメータ10によって検出される空気流量に従って燃料
噴射量を算出しても、過度に希薄な混合気が形成される虞がなくなるまでに要する時間を意味する。この所定の時間Tsは、内燃機関1の吸気支管8や吸気管9の形状またはフューエルカット復帰時の内燃機関1の機関回転速度に応じて算出される。
S201でタイマーの値TTが所定の時間Ts以下である場合は、まだ吸気支管8等に滞留している空気が各気筒2#n内部に流入し終えていないことを意味する。この場合、S202およびS203の処理が行われ、再びS201へと戻る。
S202では、各気筒2#nの内部に流入する空気流量を推定する。ここで、推定された空気流量を見込み吸気流量Gsという。この見込み吸気流量Gsは、少なくとも内燃機関1の機関回転数または内燃機関の機関温度のうち少なくとも一に基づいて推定する。これは、機関回転数が高くなるに従い、吸気枝管等を流れる空気流量が変動し、または機関温度に応じて、空気密度が変動するからである。尚、内燃機関1の機関温度を検出するには、冷却水温度センサ18からの出力信号を基に推定することが可能である。S202におけるECU23による処理が、本発明における流量推定手段に相当する。
S203では、S202で算出された見込み吸気流量Gsに応じた量の燃料噴射が行われる。これにより、フューエルカット直後においても、各気筒2#nに実際に流入する空気流量に近い見込み吸気流量Gsに従って燃料噴射量を算出するため、過度の希薄な混合気が形成される虞はない。
S201でタイマーの値TTが所定の時間Tsより大きい場合は、吸気支管8等に滞留している空気が既に各気筒2#n内部に流入したことを意味する。この場合、S204へ進む。
S204では、エアフローメータ10によって検出される吸気管9の空気流量Gaが検出される。本実施例では、エアフローメータ10によってGaを検出しているが、内燃機関1の機関回転数と吸気管9の内部の圧力に基づいて、吸気管9の内部の空気流量を推定してもよい。S204の処理が終了すると、S205へ進む。
S205では、S204において検出された吸気管流量Gaに応じた量の燃料噴射が行われる。S205の処理が終了すると、S206へ進み、本制御が終了する。
本制御により、フューエルカット復帰直後において、噴射すべき燃料の量をより正確に算出することができ、各気筒2#nの内部に形成される混合気が、過度に希薄となる虞は生じない。
本実施の形態に係る可変動弁機構を有する内燃機関の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係る可変動弁機構を有する内燃機関のシリンダヘッド近傍の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係る可変動弁機構を有する内燃機関において使用される可変動弁機構の概略構成を示す図である。 図3に示す可変動弁機構の断面図である。 図3に示す可変動弁機構において、弁の開閉特性の切り替え動作を示す図である。 従来の排気浄化触媒の触媒劣化を抑制する手段におけるフューエルカットおよび排気弁の開閉タイミングおよび該タイミングに応じた内燃機関の吸排気弁の開閉動作等を示す図である。 本実施の形態に係るフューエルカット時の排気浄化触媒の触媒劣化を抑制する制御を示すフロー図である。 図7に示す制御が実行されたときの、フューエルカットおよび排気弁の開閉タイミングおよび該タイミングに応じた内燃機関の吸排気弁の開閉動作等を示す図である。 第二の本実施形態に係るフューエルカット時の排気浄化触媒の触媒劣化を抑制する制御を示すフロー図である。 図9に示す制御が実行されたときの、フューエルカットおよび排気弁の開閉タイミングおよび該タイミングに応じた内燃機関の吸排気弁の開閉動作等を示す図である。 第三の本実施形態に係るフューエルカット時の減速性を向上する制御を示すフロー図である。 図11に示す制御が実行されたときの、フューエルカットおよび排気弁の開閉タイミングおよび該タイミングに応じた内燃機関の吸排気弁の開閉動作等を示す図である。 第四の本実施形態に係るフューエルカット時の減速性を向上する制御を示すフロー図である。 図13に示す制御が実行されたときの、フューエルカットおよび排気弁の開閉タイミングおよび該タイミングに応じた内燃機関の吸排気弁の開閉動作等を示す図である。 本実施の形態に係る可変動弁機構を有する内燃機関を一部に備えるハイブリッド機構の概略構成を示す図である。 第五の本実施形態に係るフューエルカット時の減速性を向上する制御を示すフロー図である。 第六の本実施形態に係るフューエルカット時の排気浄化触媒の触媒劣化を抑制する制御を示すフロー図である。 第七の本実施形態に係るフューエルカット時の排気浄化触媒の触媒劣化を抑制する制御を示すフロー図である。 第八の本実施形態に係るフューエルカット復帰時の制御を示すフロー図である。 図19に示す制御が実行されたときの、フューエルカットおよび排気弁の開閉タイミングおよび該タイミングに応じた内燃機関の吸排気弁の開閉動作等を示す図である。 第九の本実施形態に係るフューエルカット復帰時の燃料噴射の制御を示すフロー図である。
符号の説明
1・・・・内燃機関
2・・・・気筒
2a・・・・排気弁
2b・・・・排気弁
2c・・・・吸気弁
2d・・・・吸気弁
3・・・・燃料噴射弁
8・・・・吸気支管
9・・・・吸気管
10・・・・エアフローメータ
17・・・・排気浄化触媒
18・・・・冷却水温度センサ
19・・・・クランクポジションセンサ
21・・・・可変動弁機構
21a・・・・吸気側可変動弁機構
21b・・・・排気側可変動弁機構
23・・・・ECU
41・・・・ロッカーアーム
43・・・・可動カムフォロワ
45・・・・ロックピン
50・・・・排気カム
62・・・・モータジェネレータ
63・・・・モータジェネレータ
69・・・・蓄電池

Claims (7)

  1. 所定の運転状態のときに内燃機関への燃料の供給を停止する燃料供給停止手段による燃料供給停止状態が解除されるときに、前記内燃機関の各気筒の吸気弁の開閉に伴って前記各気筒へ流入する流入空気量を徐々に多くしながら、前記各気筒の吸気弁の開閉特性を変更可能な可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態から動作状態とする流量調整手段を備えることを特徴とする可変動弁機構を有する内燃機関。
  2. 前記流量調整手段は、前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態が解除されるときに、前記各気筒の吸気弁の作用角が小作用角から大作用角へと推移するように前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態から動作状態とする手段であることを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  3. 前記流量調整手段は、前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態が解除されるときに、前記各気筒の吸気弁のリフト量が小リフト量から大リフト量へと推移するように前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態から動作状態とする手段であることを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  4. 前記流量調整手段は、前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態が解除されるときに、前記各気筒の吸気弁の遅角量が大遅角量から小遅角量へと推移するように前記可変動弁機構を介して前記各気筒の吸気弁を閉弁且つ動作停止状態から動作状態とする手段であることを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  5. 前記燃料供給停止手段による燃料供給停止状態が解除されるときに、該燃料供給停止解除時から所定の時間が経過するまでの間に前記各気筒へ流入した流入空気量を推定する流量推定手段を更に備え、
    前記燃料供給停止解除時から所定の時間が経過するまでの間、前記流量推定手段によって推定された流入空気量に応じた前記各気筒における燃料噴射量で燃料噴射を行うことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  6. 前記流量推定手段は、前記内燃機関の機関回転数が高くなるに従い空気流量が変動することと、前記内燃機関の機関温度に応じて空気密度が変動することとの少なくとも一を加
    味して、前記各気筒への流入空気量を推定する手段であることを特徴とする請求項5に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  7. 前記内燃機関の吸気管を流れる空気量を検出する吸気管流量検出手段を更に備え、
    前記所定の時間が経過した後は、前記吸気管流量検出手段によって検出された空気量に応じた前記各気筒における燃料噴射量で燃料噴射を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
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