JP3975683B2 - 電磁駆動弁を有する内燃機関 - Google Patents

電磁駆動弁を有する内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP3975683B2
JP3975683B2 JP2001081435A JP2001081435A JP3975683B2 JP 3975683 B2 JP3975683 B2 JP 3975683B2 JP 2001081435 A JP2001081435 A JP 2001081435A JP 2001081435 A JP2001081435 A JP 2001081435A JP 3975683 B2 JP3975683 B2 JP 3975683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
valve
internal combustion
combustion engine
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001081435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001336432A (ja
Inventor
誠人 小木曽
功 松本
正明 田中
泰志 伊藤
正司 勝間田
啓二 四重田
秀之 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001081435A priority Critical patent/JP3975683B2/ja
Publication of JP2001336432A publication Critical patent/JP2001336432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3975683B2 publication Critical patent/JP3975683B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02T10/18

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関のトルクを制御する技術に関し、特に吸気弁及び排気弁を電磁力によって開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関のトルクを制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載される内燃機関では、吸排気弁の開閉駆動に起因した機械損失の防止、吸気のポンピング損失の防止、正味熱効率の向上等を目的として、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを任意に変更可能な動弁機構の開発が進められている。
【0003】
上記した動弁機構としては、例えば、磁性体からなり吸気排気弁に連動して進退動作するアーマチャと、励磁電流が印加されたときに前記アーマチャを閉弁方向へ吸引する閉弁用電磁石と、励磁電流が印加されたときに前記アーマチャを開弁方向へ吸引する開弁用電磁石と、前記アーマチャを閉弁方向へ付勢する閉弁側戻しばねと、前記アーマチャを開弁方向へ付勢する開弁側戻しばねとを備えた電磁駆動式の動弁機構が知られている。
【0004】
このような電磁駆動式動弁機構によれば、従来の動弁機構のように機関出力軸(クランクシャフト)の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必要がないため、吸排気弁の駆動に起因した機関出力の損失が防止される。
【0005】
更に、上記したような電磁駆動装置によれば、従来の動弁機構のように機関出力軸の回転と連動して吸排気弁を開閉駆動する必要がなく、開弁用電磁石と閉弁用電磁石に対する励磁電流の印加タイミングを変更することによって吸排気弁を任意の時期に開閉させることが可能となるため、吸気絞り弁(スロットル弁)を用いることなく各気筒の吸入空気量を制御することが可能となる。この結果、スロットル弁に起因した吸気のポンピング損失が抑制される。
【0006】
一方、上記したような電磁駆動式動弁機構では、各気筒内で混合気が燃焼された際に発生する燃焼圧力、言い換えれば各気筒で発生されるトルクを内燃機関の運転状態や車両の走行条件等に応じて精度良く制御することも重要である。
【0007】
このような要求に対し、従来では、特開平10−37727号公報に記載されているような多気筒エンジンの吸・排気弁制御装置が提案されている。
前記したような多気筒エンジンの吸・排気弁制御装置は、内燃機関の各気筒毎に設けられた電磁式吸・排気弁をエンジン動作状態に応じて各々自動開閉制御する多気筒エンジンの吸・排気制御装置において、各々の気筒に吸入される吸入空気量が互いに等しくなるように吸気弁又は排気弁の開閉タイミングを補正することにより、全ての気筒内で発生するトルクを均一化しようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような多気筒エンジンの吸・排気弁制御装置では、全ての気筒のトルクを均一にしつつ内燃機関全体のトルクが制御されているため、内燃機関全体のトルクを増減させる場合には、全気筒のトルクが一括して増減されることになり、その際のトルクの増減幅が大きくなり易く、加減速ショック等を誘発する場合がある。
【0009】
また、上記したような多気筒エンジンの吸・排気弁制御装置では、内燃機関とこの内燃機関に併設される変速機とが互いの作動状態に応じて制御されていないため、内燃機関およびまたは変速機の作動状態に起因して車両の加減速ショックなどが発生する場合がある。
【0010】
本発明は、上記したような事情に鑑みてなされたものであり、電磁力を利用して吸排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関において、1気筒単位にトルクを制御することができる技術を提供することにより、内燃機関の運転状態およびまたは車両の走行条件などに応じた精度の高いトルク制御を実現することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、電磁力を利用して吸排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関において、内燃機関と変速機との一方を他方の作動状態に応じて制御することができる技術を提供することにより、より精度の高いトルク制御を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記したような課題を解決するために以下のような手段を採用した。
先ず、第1の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、
電磁力を利用して内燃機関の吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構と、
前記内燃機関に要求される目標機関トルクに従って1気筒当たりに要求される目標気筒トルクを算出する目標気筒トルク算出手段と、
前記目標気筒トルク算出手段によって算出された目標気筒トルクに従って吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングを決定するバルブタイミング決定手段と、
前記バルブタイミング決定手段によって決定された開閉タイミングに従って前記電磁駆動式動弁機構を制御する弁制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0013】
このように構成された電磁駆動弁を有する内燃機関では、内燃機関の運転状態や該内燃機関を搭載した車両の走行条件などをパラメータとして目標機関トルクが決定されると、その目標機関トルクに基づいて1気筒当たりに要求される目標気筒トルクが算出され、次いで目標気筒トルクに従って吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングが決定される。
【0014】
この場合、各気筒の吸気弁およびまたは排気弁は、1気筒当たりに要求される目標気筒トルクに基づいて決定された開閉タイミングで開閉駆動されることになり、各気筒が目標気筒トルクに応じたトルクを発生することになる。すなわち、内燃機関のトルクは、気筒単位に制御されることになる。
【0015】
この結果、内燃機関のトルクがきめ細かく制御されることになり、例えば、内燃機関のトルクを増減させる場合には、各気筒のトルクを燃焼順序(点火順序)に従って徐々に増減させることにより、内燃機関のトルクをリニアに増減させることも可能となる。
【0016】
尚、目標気筒トルク算出手段は、内燃機関の全ての気筒の目標気筒トルクを個々の気筒別に算出するようにしてもよい。この場合、バルブタイミング決定手段は、目標気筒トルク算出手段によって算出された気筒別の目標気筒トルクに従って、全ての気筒の吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングを気筒別に決定することになる。
【0017】
ここで、内燃機関の目標トルクは、例えば、機関負荷や内燃機関の回転数等をパラメータとして決定される基本目標トルクを、種々の補正要素を考慮して補正された値である。
【0018】
上記した補正要素としては、自動変速機(A/T)の変速に伴う加減速ショックの発生を抑制するための加減速ショック抑制トルク、エアコンディショナ用のコンプレッサのように内燃機関の出力の一部を利用して作動する補機類の作動と非作動との切り換えに伴う加減速ショックの発生を抑制するための加減速ショック抑制トルク、無段変速機(CVT)の慣性モーメントの大きさに起因した加減速ショックの発生を抑制するための加減速ショック抑制トルク、内燃機関を搭載した車両の走行速度が所定の上限値に達した際の減速制御に伴うショックを抑制するための減速ショック抑制トルク等を例示することができる。
【0019】
また、第1の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、上記した、電磁駆動式動弁機構、目標気筒トルク算出手段、バルブタイミング決定手段、弁制御手段に加え、目標気筒トルク算出手段によって算出された目標気筒トルクに従って、各気筒の燃料噴射量およびまたは燃料噴射時期を決定する燃料噴射制御手段を更に備えるようにしてもよい。
【0020】
これは、目標気筒トルクに従って各気筒の吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングが決定されると、各気筒の吸入空気量が互いに異なる場合も考えられるため、そのような場合には各気筒の燃料噴射量は、個々の気筒の吸入空気量に見合った量とする必要があるからである。
【0021】
また、第1の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、上記した、電磁駆動式動弁機構、目標気筒トルク算出手段、バルブタイミング決定手段、弁制御手段に加え、内燃機関の吸気通路に設けられて該吸気通路内を流れる空気量を調節する吸気絞り弁と、目標気筒トルク算出手段によって算出された目標気筒トルクに従って吸気絞り弁の開度を決定する吸気絞り弁開度決定手段とを更に備えるようにしてもよい。
【0022】
この場合、電磁駆動式動弁機構と吸気絞り弁とを併用して内燃機関の吸入空気量、言い換えれば内燃機関の負荷を制御することが可能となり、目標気筒トルクを実現する上で必要となる気筒別の吸入空気量をより正確に確保することが可能となる。
【0023】
また、第1の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、上記した、電磁駆動式動弁機構、目標気筒トルク算出手段、バルブタイミング決定手段、弁制御手段に加え、内燃機関の吸気通路内に発生する吸気管負圧の大きさを検出する吸気管負圧検出手段を更に備えるようにしてもよい。
【0024】
この場合、前記バルブタイミング決定手段は、前記目標気筒トルク算出手段によって算出された目標気筒トルクと前記吸気管負圧検出手段によって検出された吸気管負圧の大きさとに基づいて、吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングを決定することになる。
【0025】
これは、車両の制動装置を構成するブレーキブースタや内燃機関の排気の一部を吸気系へ還流する排気再循環装置(EGR装置)等のように、吸気管負圧を作動源として動作する装置に対して、所望の吸気管負圧を供給しつつ内燃機関のトルクを制御するためである。
【0028】
また、第2の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、電磁力を利用して内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構と、前記内燃機関の出力軸に接続され、変速比を変更可能な変速機と、前記内燃機関に要求される目標機関トルクと前記変速機の作動状態に従って内燃機関の全気筒の目標気筒トルクを個々の気筒別に算出する目標気筒トルク算出手段と、前記目標気筒トルク算出手段によって算出された目標気筒トルクに従って全気筒の吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングを決定するバルブタイミング決定手段と、前記バルブタイミング決定手段によって決定された気筒別の開閉タイミングに従って前記電磁駆動式動弁機構を制御する弁制御手段と、を備えるようにしてもよい。
【0029】
この場合、内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉タイミングが変速機の作動状態に対応した開閉タイミングとなるように電磁駆動式動弁機構が制御されることになる。その結果、電磁駆動式動弁機構は、変速機の作動状態に応じて作動するようになり、変速機の作動に伴う加減速ショックの発生等を抑制し易くなる

【0030】
また、第2の発明において、変速機としては、慣性トルクを有するとともに変速比を自動的に変更可能な自動変速機や、慣性トルクを有するとともに変速比を連続的に無段階で変更可能な無段変速機などを例示することができる。このように変速機が慣性トルクを有する場合に、吸気弁と排気弁の少なくとも一方の開閉タイミングが変速機の作動状態に対応した開閉タイミングとなるように制御されると、変速機の慣性トルクに伴う加減速ショックを抑制することも容易となる。
【0031】
また、第2の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、変速機の作動に伴う加減速ショックの抑制に要する加減速ショック抑制トルクを算出する加減速ショック抑制トルク算出手段を更に備えるようにしてもよい。この場合、吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉タイミングが前記の加減速ショック抑制トルクを発生させるのに適した開閉タイミングとなるように電磁駆動式動弁機構が制御されることが好ましい。
【0032】
その際、目標気筒トルク算出手段は、前記目標機関トルクに加減速ショック抑制トルク算出手段によって算出された加減速ショック抑制トルクを加算して内燃機関のトルクスケジュールを決定するとともに、前記トルクスケジュールに従って前記内燃機関の全気筒の目標トルクを個々の気筒別に算出するようにしてもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る内燃機関を搭載した車両のパワートレーンの概略構成を示す図である。
図1において、前記車両のパワートレーンは、車両の駆動源たる内燃機関(E/G)1と、前記内燃機関(E/G)1の機関出力軸(クランクシャフト)に接続され該クランクシャフトの回転トルクを増幅させるトルクコンバータ(T/C)101と、前記トルクコンバータ(T/C)101の出力軸に接続され該出力軸の回転速度を連続的且つ無段階に変速する無段変速機(CVT)102と、無段変速機(CVT)102の出力軸に接続されたプロペラシャフト103と、プロペラシャフト103と接続され該プロペラシャフト103の回転トルクをドライブシャフト105を介して駆動輪たる車輪106へ伝達するディファレンシャルギヤ104とを備えている。
【0035】
前記した無段変速機(CVT)102としては、回転軸方向へ移動自在な可動回転体と固定回転体とを組み合わせてなる可変プーリを2つ備えるとともに、これら2つの可変プーリを連結するベルトと、油圧を利用して各可変プーリの可動回転体を変位させて各可変プーリの溝幅を変化させることによりベルトの巻き掛け半径を変更するアクチュエータとを備え、一方の可変プーリの回転軸をトルクコンバータ(T/C)101の出力軸と連結し、他方の可変プーリの回転軸をプロペラシャフト103と連結して構成されるベルト式の無段変速機(CVT)を例示することができる。
【0036】
上記したようなベルト式の無段変速機(CVT)では、図示しないアクチュエータがベルトの張力を一定に維持しつつ各可変プーリの溝幅(言い換えれば、ベルトの巻き掛け半径)を変更することにより、トルクコンバータ(T/C)101の出力軸に対するプロペラシャフト103の変速比を連続的に変更することが可能である。
【0037】
また、無段変速機(CVT)102の他の例としては、トロイダル面を備えた一対のディスクの間にパワーローラを介在させ、パワーローラを傾動させて該パワーローラとディスクとの接触点の半径を変化させることによりディスク間の変速比を変更するトロイダル式の無段変速機(CVT)102を例示することもできる。
【0038】
前記した無段変速機(CVT)102には、該無段変速機(CVT)102の入力軸の回転速度に対応した電気信号を出力する入力側回転速度センサ201と、該無段変速機(CVT)102の出力軸の回転速度に対応した電気信号を出力する出力側回転速度センサ202とが取り付けられている。
【0039】
次に、内燃機関(E/G)1は、複数の気筒21を備えたガソリンエンジンであり、図2に示すように、複数の気筒21及び冷却水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1aとを備えている。
【0040】
前記シリンダブロック1bには、機関出力軸たるクランクシャフト23が回転自在に支持され、このクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装填されたピストン22と連結されている。
【0041】
各気筒21のピストン22の上方には、ピストン22の頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成されている。前記シリンダヘッド1aには、燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加するためのイグナイタ25aが接続されている。
【0042】
前記シリンダヘッド1aには、2つの吸気ポート26の開口端と2つの排気ポート27の開口端とが燃焼室24に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が吸気ポート26に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられている。
【0043】
前記シリンダヘッド1aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気弁28が進退自在に設けられている。各吸気弁28には、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電磁駆動機構30と記す)が取り付けられている。
【0044】
前記シリンダヘッド1aには、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排気弁29が進退自在に設けられている。各排気弁29には、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電磁駆動機構31と記す)が取り付けられている。
【0045】
ここで、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31の具体的な構成について述べる。尚、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31とは同様の構成であるため、吸気側電磁駆動機構30のみを例に挙げて説明する。
【0046】
図3は吸気側電磁駆動機構30の構成を示す断面図である。図3において内燃機関(E/G)1のシリンダヘッド1aは、シリンダブロック1bの上面に固定されるロアヘッド10と、このロアヘッド10の上部に設けたアッパヘッド11とを備えている。
【0047】
前記ロアヘッド10には、各気筒21に対応した吸気ポート26が形成され、各吸気ポート26の燃焼室24側の開口端には、吸気弁28の弁体28aが着座する弁座12が設けられている。
【0048】
ロアヘッド10には、各吸気ポート26の内壁面からこのロアヘッド10の上面にかけて断面円形の貫通孔が形成され、この貫通孔には、この貫通孔に挿通される吸気弁28の弁軸28bを進退自在に保持する筒状のバルブガイド13が挿入されている。
【0049】
アッパヘッド11には、第1コア301及び第2コア302が嵌入される断面円形のコア取付孔14が設けられ、このコア取付孔14は前記バルブガイド13と軸心が同一となる位置にある。コア取付孔14は下部が径大に形成され、その上部の径小部14aと下部の径大部14bを備えている。
【0050】
前記径小部14aには、軟磁性体からなる環状の第1コア301と第2コア302とが所定の間隙303をおいて軸方向に直列に嵌挿されている。これらの第1コア301の上端と第2コア302の下端には、それぞれフランジ301aとフランジ302aが形成されており、第1コア301は上方から、また第2コア302は下方からそれぞれコア取付孔14に嵌挿され、フランジ301aとフランジ302aがコア取付孔14の縁部に当接することにより第1コア301と第2コア302の位置決めがされて、前記間隙303が所定の距離に保持されるようになっている。
【0051】
第1コア301の上方には、筒状のアッパキャップ305が設けられている。このアッパキャップ305は、その下端に形成されたフランジ部305aにボルト304を貫通させてアッパヘッド11上面に固定されている。この場合、フランジ部305aを含むアッパキャップ305の下端が第1コア301の上面周縁部に当接した状態で固定されることになり、その結果、第1コア301がアッパヘッド11に固定されることになる。
【0052】
一方、第2コア302の下部には、コア取付孔14の径大部14bと略同径の外径を有する環状体からなるロアキャップ307が設けられている。このロアキャップ307にはボルト306が貫通し、そのボルト306により前記径小部14aと径大部14bの段部における下向きの段差面に固定されている。この場合、ロアキャップ307が第2コア302の下面周縁部に当接した状態で固定されることになり、その結果、第2コア302がアッパヘッド11に固定されることになる。
【0053】
前記第1コア301の前記間隙303側の面に形成された溝部には、第1の電磁コイル308が把持されており、前記第2コア302の間隙303側の面に形成された溝部には第2の電磁コイル309が把持されている。その際、第1の電磁コイル308と第2の電磁コイル309とは、前記間隙303を介して向き合う位置に配置されるものとする。
【0054】
前記間隙303には、該間隙303の内径より径小な外径を有する環状の軟磁性体からなるアーマチャ311が配置されている。このアーマチャ311の中空部には、該アーマチャ311の軸心に沿って上下方向に延出した円柱状のアーマチャシャフト310が固定されている。このアーマチャシャフト310は、その上端が前記第1コア301の中空部を通ってその上方のアッパキャップ305内まで至るとともに、その下端が第2コア302の中空部を通ってその下方の径大部14b内に至るよう形成され、前記第1コア301及び前記第2コア302によって軸方向へ進退自在に保持されている。
【0055】
前記アッパキャップ305内に延出したアーマチャシャフト310の上端部には、円板状のアッパリテーナ312が接合されるとともに、前記アッパキャップ305の上部開口部にはアジャストボルト313が螺着され、これらアッパリテーナ312とアジャストボルト313との間には、アッパスプリング314が介在している。尚、前記アジャストボルト313と前記アッパスプリング314との当接面には、前記アッパキャップ305の内径と略同径の外径を有するスプリングシート315が介装されている。
【0056】
一方、前記径大部14b内に延出したアーマチャシャフト310の下端部には、吸気弁28の弁軸28bの上端部が当接している。前記弁軸28bの上端部の外周には、円盤状のロアリテーナ28cが接合されており、そのロアリテーナ28cの下面とロアヘッド10の上面との間には、ロアスプリング316が介在している。
【0057】
このように構成された吸気側電磁駆動機構30では、第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に励磁電流が印加されていないときは、アッパスプリング314からアーマチャシャフト310に対して下方向(すなわち、吸気弁28を開弁させる方向)への付勢力が作用するとともに、ロアスプリング316から吸気弁28に対して上方向(すなわち、吸気弁28を閉弁させる方向)への付勢力が作用し、その結果、アーマチャシャフト310及び吸気弁28が互いに当接して所定の位置に弾性支持された状態、いわゆる中立状態に保持されることになる。
【0058】
尚、アッパスプリング314とロアスプリング316の付勢力は、前記アーマチャ311の中立位置が前記間隙303において前記第1コア301と前記第2コア302との中間の位置に一致するよう設定されており、構成部品の初期公差や経年変化等によってアーマチャ311の中立位置が前記した中間位置からずれた場合には、アーマチャ311の中立位置が前記した中間位置と一致するようアジャストボルト313によって調整することが可能になっている。
【0059】
また、前記アーマチャシャフト310及び前記弁軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ311が前記間隙303の中間位置に位置するときに、前記弁体28aが全開側変位端と全閉側変位端との中間の位置(以下、中開位置と称する)となるように設定されている。
【0060】
前記した吸気側電磁駆動機構30では、第1の電磁コイル308に励磁電流が印加されると、第1コア301と第1の電磁コイル308とアーマチャ311との間に、アーマチャ311を第1コア301側へ変位させる方向の電磁力が発生し、第2の電磁コイル309に励磁電流が印加されると、第2コア302と第2の電磁コイル309とアーマチャ311との間にアーマチャ311を前記第2コア302側へ変位させる方向の電磁力が発生する。
【0061】
従って、上記した吸気側電磁駆動機構30では、第1の電磁コイル308と第2の電磁コイル309とに交互に励磁電流が印加されることにより、アーマチャ311が進退し、以て弁体28aが開閉駆動されることになる。その際、第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に対する励磁電流の印加タイミングと励磁電流の大きさを変更することにより、吸気弁28の開閉タイミングを制御することが可能となる。
【0062】
ここで、図2に戻り、前記内燃機関(E/G)1の各吸気ポート26は、該内燃機関(E/G)1のシリンダヘッド1aに取り付けられた吸気枝管33の各枝管と連通している。前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するためのサージタンク34に接続されている。前記サージタンク34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス36と接続されている。
【0063】
前記吸気管35には、該吸気管35内を流れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ44が取り付けられている。前記吸気管35において前記エアフローメータ44より下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を調整するスロットル弁39が設けられている。このスロットル弁39は、本発明に係る吸気絞り弁の一実施態様である。
【0064】
前記スロットル弁39には、ステッパモータ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ41と、アクセルペダル42に機械的に接続され該アクセルペダル42の操作量に対応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ43とが取り付けられている。
【0065】
一方、前記内燃機関(E/G)1の各排気ポート27は、前記シリンダヘッド1aに取り付けられた排気枝管45の各枝管と連通している。前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて図示しないマフラーと接続されている。
【0066】
前記排気枝管45には、該排気枝管45内を流れる排気の空燃比、言い換えれば排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられている。
【0067】
前記排気浄化触媒46は、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、流入排気の空燃比が理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0068】
また、内燃機関(E/G)1は、クランクシャフト23の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタイミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクランクポジションセンサ51と、内燃機関(E/G)1の内部に形成された冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52とを備えている。
【0069】
このように構成されたパワートレーンには、無段変速機(CVT)102及びトルクコンバータ(T/C)101を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU、以下、CVT−ECUと称する)200や、内燃機関(E/G)1を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU、以下、E−ECUと称する)20等からなる制御ユニットが併設されている。
【0070】
前記したCVT−ECU200には、前述した入力側回転速度センサ201、出力側回転速度センサ202等の各種センサが電気配線を介して接続されるとともに、無段変速機(CVT)102に内蔵された図示しない変速用アクチュエータやトルクコンバータ(T/C)101に内蔵されてロックアップクラッチの係合と非係合とを切り換えるロックアップ用アクチュエータ(図示せず)等が電気配線を介して接続され、CVT−ECU200が各種センサの出力信号をパラメータとして無段変速機(CVT)102の変速制御やトルクコンバータ(T/C)101のロックアップクラッチの係合と非係合との切換制御を行うことが可能となっている。
【0071】
一方、前記したE−ECU20には、前述したスロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジションセンサ51、水温センサ52等の各種センサが電気配線を介して接続され、各センサの出力信号がE−ECU20に入力されるようになっている。
【0072】
更に、前記E−ECU20には、イグナイタ25a、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40等が電気配線を介して接続され、E−ECU20が各種センサの出力信号値をパラメータとしてイグナイタ25a、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40等を制御することが可能になっている。
【0073】
前記したCVT−ECU200とE−ECU20とは、通信回線を介して接続され、相互に信号を送受信することによって内燃機関(E/G)1と無段変速機(CVT)102とを協調制御することが可能となっている。
【0074】
CVT−ECU200とE−ECU20との協調制御では、先ず、E−ECU20がアクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)と、出力側回転速度センサ202の出力信号値から換算される車両の走行速度(車速)とをパラメータとして、車両に要求される駆動力(目標車両駆動力)を算出する。
【0075】
E−ECU20は、前記目標車両駆動力と前記車速とに加え、エアコンディショナ用コンプレッサ等のように内燃機関(E/G)1の出力の一部を利用して作動される補機類の作動状態をパラメータとして、内燃機関(E/G)1に要求される出力(目標機関出力)を算出する。
【0076】
続いて、E−ECU20は、前記目標機関出力を達成する上で、排気エミッション及び燃料消費量が最も少なくなるように目標機関回転数と目標機関トルクを決定する。E−ECU20は、前記目標機関回転数をCVT−ECU200へ送信する。
【0077】
CVT−ECU200は、E−ECU20からの目標機関回転数を受信すると、その目標機関回転数と車速とをパラメータとして無段変速機(CVT)102の変速スケジュールを決定する。
【0078】
一方、E−ECU20は、前記目標機関トルクに、内燃機関(E/G)1の機関回転数に応じて定まる内燃機関(E/G)1の慣性トルク(機関慣性トルク)と、無段変速機(CVT)102の入力軸の回転数に応じて定まるCVT慣性トルクと、トルクコンバータ(T/C)101におけるロックアップクラッチの係合と非係合との切り換え動作やCVT−ECU200の変速動作に起因して発生する加減速ショックを抑制するための加減速ショック抑制トルクと、図示しないトラクション制御ユニットやABS制御ユニット等からの加減速要求に起因して発生する加減速ショックを抑制するための加減速ショック抑制トルクと、車両の走行速度が所定の上限値に達した際に発生する減速要求に起因した減速ショックを抑制するための減速ショック抑制トルクとを加算して、所定期間(例えば、クランクシャフト23が2回転する期間)のトルクスケジュールを決定する。
【0079】
尚、上記したような種々の加減速ショック抑制トルクは、予め実験的に求められた値であり、E−ECU20に内蔵されたROM又はCVT−ECU200に内蔵されたROMにマップとして記憶されるようにしてもよい。
【0080】
このようにして変速スケジュール及びトルクスケジュールが決定されると、CVT−ECU200が前記変速スケジュールに基づいて無段変速機(CVT)102の変速制御を実行するとともに、E−ECU20が前記トルクスケジュールに基づいて本実施の形態の要旨となる気筒別のトルク制御を実行することになる。
【0081】
以下では、本実施の形態に係る気筒別トルク制御について述べる。
E−ECU20は、気筒別トルク制御を実行するにあたり、図4に示すようなトルク制御ルーチンを実行する。この気筒別トルク制御ルーチンは、E−ECU20に内蔵されたROMに予め記憶されているルーチンであり、所定時間(例えば、クランクシャフト23が720°回転する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0082】
気筒別トルク制御ルーチンでは、E−ECU20は、S401において、最新のトルクスケジュールを入力する。
【0083】
S402では、E−ECU20は、前記S401で入力した最新のトルクスケジュールに基づいて、作動させるべき気筒21(作動気筒21)及び休止させるべき気筒21(休止気筒21)を決定する。
【0084】
S403では、E−ECU20は、前記作動気筒21に要求される目標気筒トルクを個々の作動気筒別に決定する。
例えば、内燃機関(E/G)1のトルクを増加させるべくトルクスケジュールが決定されている場合には、E−ECU20は、各作動気筒21のトルクが点火順序に従って徐々に増加するように個々の作動気筒21の目標気筒トルクを決定する。
【0085】
また、内燃機関(E/G)1のトルクを減少させるべくトルクスケジュールが決定されている場合には、E−ECU20は、個々の作動気筒21のトルクが点火順序に従って徐々に減少するように個々の作動気筒21の目標気筒トルクを決定する。
【0086】
S404では、E−ECU20は、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31と燃料噴射弁32とイグナイタ25aとスロットル用アクチュエータ40との各々に対する制御信号値を決定する。
【0087】
その際、E−ECU20は、図5に示すような制御信号値算出処理ルーチンに従って、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32、イグナイタ25a、スロットル用アクチュエータ40に対する制御信号値を決定することになる。
【0088】
制御信号値算出処理ルーチンでは、E−ECU20は、先ずS501において、排気浄化触媒46が既に活性状態にあるか否かを判別する。
排気浄化触媒46の活性状態を判定する方法としては、内燃機関(E/G)1が始動された時点から現時点に至るまでの運転時間が所定時間以上であれば排気浄化触媒46が活性状態にあると判定する方法、内燃機関(E/G)1が始動された時点から現時点に至るまでの吸入空気量の積算値が所定量以上であれば排気浄化触媒46が活性状態にあると判定する方法、排気浄化触媒46に該排気浄化触媒46の床温に対応した電気信号を出力する触媒温度センサを取り付け、その触媒温度センサの出力信号値(触媒床温)が所定の活性温度以上であれば排気浄化触媒46が活性状態にあると判定する方法等を例示することができる。
【0089】
前記S501において排気浄化触媒46が活性状態にあると判定した場合は、E−ECU20は、S502へ進み、該E−ECU20のRAMに設定された吸気管負圧発生フラグ記憶領域に“1”が記憶されていないか否かを判別する。
【0090】
前記した吸気管負圧発生フラグ記憶領域は、例えば、図示しないブレーキブースタに負圧を供給する必要が生じた場合、図示しない燃料タンクで発生した蒸発燃料を内燃機関(E/G)1の吸気系へ還流させる必要が生じた場合等のように、サージタンク34内に吸気管負圧を発生させる必要が生じた場合には“1”が記憶され、サージタンク34内に吸気管負圧を発生させる必要がない場合には“0”が記憶される領域である。
【0091】
前記S502において前記吸気管負圧発生フラグ記憶領域に“1”が記憶されていないと判定した場合、すなわち前記吸気管負圧発生フラグ記憶領域に“0”が記憶されている場合には、E−ECU20は、S503へ進み、機関回転数やアクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)等から内燃機関(E/G)1の運転状態が低負荷運転領域にあるか否かを判別する。
【0092】
前記S503において内燃機関(E/G)1の運転状態が低負荷運転領域にあると判定した場合は、E−ECU20は、S504へ進み、目標気筒トルクを満たしつつ内燃機関(E/G)1の燃料消費量が最も少なくなるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、イグナイタ25aの各々に対する制御量を決定する。
【0093】
すなわち、E−ECU20は、各気筒21で燃焼される混合気の空燃比が酸素過剰な空燃比(リーン空燃比)となり、且つ、排気ポート27から燃焼室24を介して吸気ポート26へ排気を還流させる、いわゆる内部EGRの量が多くなるように制御量を決定する。
【0094】
例えば、E−ECU20は、
(1)スロットル弁開度:
吸気のポンピングロスを防止するために全開に設定
(2)燃料噴射量:
目標気筒トルクに相当する量に設定
(3)点火時期:
最もトルクが出やすい時期(すなわち、混合気の燃焼によって発生する燃焼圧力がクランクシャフト23の回転トルクに変換される効率が最も高くなる時期)に設定
(4)吸気弁開弁時期:
内部EGR量が増加する時期(例えば、直前の排気行程で燃焼室24内に残留した既燃ガスを吸気ポート26へ吹き出させないために比較的遅い時期)
(5)吸気弁閉弁時期:
燃焼が不安定とならない範囲で充填効率が最大となる時期に設定
(6)排気弁開弁時期:
混合気の燃焼によって発生した燃焼圧力がピストン22の下降動作に効果的に反映される時期(例えば排気下死点近傍)に設定
(7)排気弁閉弁時期:
内部EGR量が増加する時期(例えば、既燃ガスの一部を燃焼室24内に残留させるために比較的早い時期)に設定
されるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、点火栓25の制御量を決定する。
【0095】
また、前記S503において内燃機関(E/G)1の運転状態が低負荷運転領域にないと判定した場合、言い換えれば、内燃機関(E/G)1の運転状態が中・高負荷運転領域にあると判定した場合は、E−ECU20は、S505へ進み、各気筒21の燃焼室24内の温度を低下させて窒素酸化物(NOx)の発生量を減少させるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、イグナイタ25aの各々に対する制御量を決定する。
【0096】
すなわち、E−ECU20は、内部EGR量を増加させ、混合気の空燃比を燃料過剰な空燃比(リッチ空燃比)とし、更に各気筒21の圧縮比を低下させるように各制御量を決定する。
【0097】
例えば、E−ECU20は、
(1)スロットル弁39開度:
必要最低限の吸気が確保できる範囲内で最小となる開度に設定
(2)燃料噴射量:
目標気筒トルクに相当する量に設定
(3)点火時期:
燃焼圧力が低くなるよう遅角した時期に設定
(4)吸気弁28開弁時期:
内部EGR量が増加する時期(例えば、直前の排気行程で燃焼室24内に残留した既燃ガスを吸気ポート26へ吹き出させないために比較的遅い時期)
(5)吸気弁28閉弁時期:
圧縮比が低下する時期(例えば、吸気下死点後の遅い時期)に設定
(6)排気弁29開弁時期:
高温の既燃ガスが早期に排出されるよう比較的早い時期に設定
(7)排気弁29閉弁時期:
内部EGR量が増加する時期(例えば、既燃ガスの一部を燃焼室24内に残留させるために比較的早い時期)に設定
されるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、点火栓25の制御量を決定する。
【0098】
尚、内燃機関(E/G)1の運転状態が中・高負荷運転領域にあるときに、車両の走行速度が所定の上限値に達すると、E−ECU20は、車両の走行速度が前記上限値以下となるように目標気筒トルクを減量補正し、補正後の目標気筒トルクに従って、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、イグナイタ25aの各々に対する制御信号値を決定するようにしてもよい。
【0099】
また、前記S502において前記吸気管負圧発生フラグ記憶領域に“1”が記憶されていると判定した場合は、E−ECU20は、S506へ進み、スロットル弁39下流の吸気通路(サージタンク34)に所望の吸気管負圧が発生するようにスロットル用アクチュエータ40を制御するとともに、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、燃料噴射弁32、及び、イグナイタ25aの各々に対する制御量を決定する。
【0100】
例えば、E−ECU20は、
(1)スロットル弁39開度:
吸気管負圧が必要負圧となる開度に設定
(2)燃料噴射量:
目標気筒トルクに相当する量に設定
(3)点火時期:
トルクが最も出やすい時期に設定
(4)吸気弁28開弁時期:
吸気管負圧が発生し易い時期(例えば、吸気上死点)に設定
(5)吸気弁28閉弁時期:
吸気管負圧が発生し易い時期(例えば、吸気下死点)に設定
(6)排気弁29開弁時期:
排気効率およびまたは機関出力が高くなる時期(例えば、排気下死点)に設定
(7)排気弁29閉弁時期:
排気効率およびまたは機関出力が高くなる時期(例えば、排気上死点)に設定されるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、点火栓25の制御量を決定する。
【0101】
ところで、スロットル弁39の開度を全開位置に固定した上で吸排気弁28、29の開閉タイミングを変更することにより内燃機関(E/G)1の吸入空気量を制御する、いわゆるノンスロットル運転制御では、サージタンク34内の圧力(吸気管圧力)が常に略大気圧となるため、吸気管圧力が略大気圧であることを前提にして吸排気弁28、29の開閉タイミングを制御すれば、内燃機関(E/G)1の吸入空気量を所望の量とすることが可能である。
【0102】
しかしながら、吸気管負圧を発生させる必要が生じた場合のように、スロットル弁39の開度と吸排気弁28、29の開閉タイミングとの双方を制御して内燃機関(E/G)1の吸入空気量を制御する必要が生じた場合には、実際の吸気管圧力に応じて吸排気弁28、29の開閉タイミングを制御する必要がある。
【0103】
そこで、サージタンク34に圧力センサを取り付け、スロットル弁39の開度と吸排気弁28、29の開閉タイミングとの双方を制御して内燃機関(E/G)1の吸入空気量を制御する必要が生じた場合には、E−ECU20は、前記圧力センサの出力信号値(実際の吸気管圧力)に基づいて吸排気弁28、29の開閉タイミングを制御するようにしてもよい。
【0104】
次に、前記S501において排気浄化触媒46が活性状態にないと判定した場合は、E−ECU20は、S507へ進み、排気中に含まれる未燃燃料成分(HC)の量が低減されるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、イグナイタ25aの各々に対する制御量を決定する。
【0105】
すなわち、E−ECU20は、混合気の空燃比がリーン空燃比となり、吸気管負圧の低下によって燃料の霧化が促進されるとともに、排気の逆流によって吸気枝管33及び吸気ポート26内の雰囲気温度が上昇するように各制御量を決定する。
【0106】
例えば、E−ECU20は、
(1)スロットル弁39開度:
必要最低限の吸気が確保できる範囲内で最小となる開度に設定
(2)燃料噴射量:
目標気筒トルクに相当する量に設定
(3)点火時期:
最もトルクが出やすい時期に設定
(4)吸気弁28開弁時期:
吸気ポート26から燃焼室24内へ流入する吸気の流速が最も早くなる時期(例えば、ポンピングロスが許容量を越えない範囲で最も遅い時期)
(5)吸気弁28閉弁時期:
圧縮比が最も高くなる時期(例えば、吸気下死点)に設定
(6)排気弁29開弁時期:
混合気の燃焼期間が長くなるように比較的遅い時期に設定
(7)排気弁29閉弁時期:
排気の一部が吸気ポート26及び吸気枝管33へ逆流するように比較的遅い時期に設定
されるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、点火栓25の制御量を決定する。
【0107】
尚、前述した制御量算出処理ルーチンでは、排気浄化触媒46が未活性状態にあるときに、排気中に含まれる未燃燃料成分を低減させるべくHC低減制御を実行する例について述べたが、排気浄化触媒46の早期活性化を図るべく触媒暖機制御を実行するようにしても良い。
【0108】
その場合の触媒暖機制御では、E−ECU20は、例えば、各気筒21から排出される排気の温度が高くなるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、点火栓25の制御量を決定するようにしてもよい。
【0109】
例えば、E−ECU20は、
(1)スロットル弁39開度:
混合気の燃焼が不安定とならない範囲で最大の吸気を確保できる開度に設定
(2)燃料噴射量:
目標気筒トルクに相当する量に設定
(3)点火時期:
混合気の燃焼が不安定とならない範囲内で最も遅角した時期に設定
(4)吸気弁28開弁時期:
EGR量が少なくなる時期に設定
(5)吸気弁28閉弁時期:
吸気下死点近傍に設定
(6)排気弁29開弁時期:
高温の既燃ガスを排出するために比較的早い時期に設定
(7)排気弁29閉弁時期:
燃焼室24内に残留する既燃ガス量が最も少なくなる時期に設定
されるように、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、スロットル用アクチュエータ40、燃料噴射弁32、及び、点火栓25の制御量を決定するようにしてもよい。
【0110】
このようにE−ECU20が図5に示すような制御量算出処理ルーチンを実行することにより、本発明に係るバルブタイミング決定手段、燃料噴射時期制御手段、及び吸気絞り弁開度決定手段が実現されることになる。
【0111】
ここで図4のトルク制御ルーチンに戻り、E−ECU20は、前述したS404の制御信号値算出処理を実行し終えると、S405へ進み、前記S404で決定された制御信号値に従って、個々の作動気筒21の吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31と燃料噴射弁32とイグナイタ25aとを制御するとともに、スロットル用アクチュエータ40を制御する。更に、E−ECU20は、休止気筒21の吸気弁28及び排気弁29が全閉となり且つ燃料噴射弁32及び点火栓25の作動が停止されるように、休止気筒21の吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31と燃料噴射弁32とイグナイタ25aとを制御する。
【0112】
このようにE−ECU20が図4に示すような気筒別トルク制御ルーチンを実行することにより、本発明に係る目標気筒トルク算出手段及び弁制御手段が実現されることになる。
【0113】
以上の述べた実施の形態では、吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミングを気筒別に独立して制御することができるため、内燃機関(E/G)1のトルクを気筒単位に制御することが可能となる。
【0114】
このような制御によれば、例えば、内燃機関(E/G)1のトルクを増加させる場合に、全ての気筒21のトルクを一括して増加させると、図6に示すように内燃機関(E/G)1のトルクが段階的に増加することになるが、個々の気筒21別にトルクを増加させると、図7に示すように内燃機関(E/G)1のトルクを比較的リニアに増加させることができ、ドライバビリィティを向上させることが可能である。
【0115】
更に、本実施の形態では、内燃機関(E/G)1の慣性トルク、無段変速機(CVT)102の慣性トルク、加減速ショック抑制トルクを考慮して目標気筒トルクを算出しているため、無段変速機(CVT)102の慣性トルクや変速動作に起因した加減速ショックの発生を抑制することが可能となり、ドライバビリィティを一層向上させることが可能となる。
【0116】
また、本実施の形態では、目標気筒トルクを実現する際に、吸排気弁28、29の開閉タイミングに加えて、燃料噴射量、スロットル弁開度、及び、点火時期を制御することにより、内燃機関(E/G)1のトルク制御の精度を一層高めることができる。
【0117】
<他の実施の形態>
上記した実施の形態では、個々の気筒21別に目標気筒トルクを設定する例について述べたが、本実施の形態では、任意の時期に1気筒分の目標気筒トルクを設定する例について述べる。
【0118】
全ての気筒21に関して気筒別の目標気筒トルクを設定する場合には、1サイクル中(クランクシャフト23が2回転する期間)に気筒数分の目標気筒トルクを設定する必要があるため、E−ECU20の演算負荷が高くなる。特に、クランクシャフト23の回転速度が高くなる高回転運転時には、単位時間当たりのE−ECU20の演算負荷が非常に高くなる。
【0119】
そこで、本実施の形態では、任意の時期に1気筒分の目標気筒トルクを設定し、設定された目標気筒トルクを適当な気筒21(例えば、全ての気筒21の中で最初に吸気行程を迎える気筒21)へ割り当てるようにした。
【0120】
具体的には、E−ECU20は、先ず、図8に示すようなバルブタイミング決定制御ルーチンを実行する。このバルブタイミング決定制御ルーチンは、所定の周期で繰り返し実行されるルーチンである。
【0121】
前記した所定の周期は、例えば、内燃機関(E/G)1の運転サイクルと非同期に決定される一定の周期であって、且つ、内燃機関(E/G)1が高回転運転状態にあるときにクランクシャフト23が2回転するのに要する時間より短い周期に設定されるようにしてもよい。
【0122】
バルブタイミング決定ルーチンでは、E−ECU20は、先ず、S801において、前述の実施の形態で述べたCVT−ECU200との協調制御によって算出された最新の目標機関トルクと内燃機関(E/G)1の機関回転数とを読み出す。
【0123】
S802では、E−ECU20は、前記S801で読み出された目標機関トルクに従って作動気筒21と休止気筒21とを決定する。
S803では、E−ECU20は、1つ当たりの作動気筒21に要求される目標気筒トルクを算出する。
【0124】
S804では、E−ECU20は、前記S803で算出された目標気筒トルクに従って、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31と燃料噴射弁32とイグナイタ25aとスロットル用アクチュエータ40との各々に対する制御信号値を1気筒分だけ決定する。
【0125】
吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31と燃料噴射弁32とイグナイタ25aとスロットル用アクチュエータ40とに対する制御信号の算出方法は、前述した実施の形態と同様であるため省略する。
【0126】
S805では、E−ECU20は、前記S804で算出された各種の制御信号値を該E−ECU20に内蔵されたRAMに記憶し、本ルーチンの実行を終了する。
【0127】
このようなバルブタイミング決定制御ルーチンをE−ECU20が実行することにより、RAMに記憶される制御信号値が所定周期毎に更新されることになる。
【0128】
一方、E−ECU20は、上記のバルブタイミング決定制御ルーチンとは別途に図9に示すような気筒別トルク制御ルーチンを実行する。この気筒別トルク制御ルーチンは、内燃機関(E/G)1の運転サイクルと同期した所定の周期毎(例えば、クランクポジションセンサ51が所定数のパルス信号を出力する度)に実行されるルーチンである。
【0129】
気筒別トルク制御ルーチンでは、E−ECU20は、先ずS901において、クランクポジションセンサ51の出力信号に基づいてクランクシャフト23の実際の回転位置(実クランク角)を判別する。
【0130】
S902では、E−ECU20は、前記S901で判別された実クランク角と、全ての気筒21のバルブタイミング決定時期(クランク角で表される値)とを比較して、実クランク角とバルブタイミング決定時期とが一致する気筒21が存在するか否かを判別する。
【0131】
ここで、バルブタイミング決定時期は、予め各気筒21毎に決定されている時期であって、例えば、各気筒21が吸気行程となる直前の時期(排気行程もしくは膨張行程)に設定されている。
【0132】
前記S902において実クランク角とバルブタイミング決定時期とが一致する気筒21が存在しないと判定した場合は、E−ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0133】
一方、前記S902において実クランク角とバルブタイミング決定時期とが一致する気筒21が存在すると判定した場合は、E−ECU20は、S903へ進む。
【0134】
S903では、E−ECU20は、前記S902において実クランク角とバルブタイミング決定時期とが一致すると判定された気筒21が作動気筒21であるか、あるいは休止気筒21であるかを判別する。
【0135】
前記S903においてバルブタイミング決定時期の気筒21が休止気筒21であると判定された場合は、E−ECU20は、S906へ進み、前記休止気筒21の運転を休止させるべく休止制御を実行する。
【0136】
休止制御では、例えば、E−ECU20は、前記休止気筒21をポンプ作動させない場合は、例えば、吸気弁28と排気弁29との少なくとも一方を全閉状態に保持すべく吸気側電磁駆動機構30及び排気側電磁駆動機構31を制御するとともに、燃料噴射及び点火を禁止すべく燃料噴射弁32及びイグナイタ25aを制御する。
【0137】
また、前記休止気筒21をポンプ作動させる場合には、E−ECU20は、例えば、該休止気筒21の吸気行程で吸気弁28が開弁するとともに排気行程で排気弁29が開弁するよう吸気側電磁駆動機構30及び排気側電磁駆動機構31を制御するとともに、燃料噴射及び点火を禁止すべく燃料噴射弁32及びイグナイタ25aを制御する。
【0138】
前記したS906の処理を実行し終えると、E−ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
一方、前記S903においてバルブタイミング決定時期の気筒21が作動気筒21であると判定された場合は、E−ECU20は、S904へ進み、前述したバルブタイミング決定制御ルーチンによって決定された最新の制御信号値を該E−ECU20のRAMから読み出す。
【0139】
S905では、E−ECU20は、前記作動気筒21の吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31と燃料噴射弁32と点火栓25とを前記S904で読み出された制御信号値に従って制御するとともに、スロットル用アクチュエータ40を前記S904で読み出された制御信号値に従って制御する。
【0140】
前記したS905の処理を実行し終えたE−ECU20は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
このような気筒別トルク制御ルーチンをE−ECU20が実行することにより、
内燃機関(E/G)1の運転サイクルと非同期に設定された1気筒分の目標気筒トルクが適当な気筒21に割り当てられることになる。
【0141】
従って、本実施の形態によれば、E−ECU20は、内燃機関(E/G)1の運転サイクルと非同期な周期で1気筒分の目標気筒トルクを設定すればよいので、E−ECU20の演算負荷を低減させることが可能となる。
【0142】
また、バルブタイミング決定制御の実行周期を最適化することにより、例えば、1サイクルの所要時間が長くなる低回転運転領域ではバルブタイミング決定制御が1サイクル中に気筒数と同数回実行され、1サイクルの所要時間が短くなる高回転運転領域ではバルブタイミング決定制御が1サイクル中に1回〜2回実行されるようにすることも可能である。
【0143】
この場合、低回転運転領域では、内燃機関(E/G)1のトルクが1気筒単位で制御され、高回転運転領域では、内燃機関(E/G)1のトルクが複数気筒単位で制御されることになる。
【0144】
ここで、高回転運転領域では、低回転運転領域に比して気筒間の点火間隔が短くなるため、複数気筒単位に内燃機関(E/G)1のトルクが制御されても、ドライバビリィティが悪化することはない。
【0145】
【発明の効果】
第1の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関では、内燃機関や該内燃機関を搭載した車両の走行条件などをパラメータとして目標機関トルクが決定されると、その目標機関トルクに従って各気筒で発生すべき目標気筒トルクが算出され、次いで目標気筒トルクに従って各気筒の吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングが決定され、以て各気筒の電磁駆動式動弁機構が制御されることになる。
【0146】
この結果、各気筒の吸気弁およびまたは排気弁は、目標気筒トルクに従って決定された開閉タイミングで開閉駆動されることになり、各気筒が目標気筒トルクに応じたトルクを発生することになる。
【0147】
従って、第1の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関によれば、内燃機関のトルクを気筒毎に制御することが可能となり、内燃機関の運転状態およびまたは車両の走行条件などに応じた精度の高いトルク制御が実現されることになる。
【0148】
第2の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関では、電磁駆動式動弁機構と変速機の一方が他方の作動状態に応じて制御されることになり、その結果、電磁駆動式動弁機構と変速機とが相互に連携して作動するようになる。
【0149】
従って、第2の発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関によれば、内燃機関およびまたは変速機の作動に伴う加減速ショック等の発生を抑制することが可能となり、より精度の高いトルク制御が実現され、以てドライバビリティを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる内燃機関を搭載した車両のパワートレーン系の概略構成を示す図
【図2】 内燃機関(E/G)の構成を示す図
【図3】 吸気側電磁駆動機構の構成を示す図
【図4】 気筒別トルク制御ルーチンを示すフローチャート図
【図5】 制御量算出処理ルーチンを示すフローチャート図
【図6】 全ての気筒をまとめてトルク制御した場合のトルクの変化を示す図
【図7】 個々の気筒別にトルク制御した場合のトルクの変化を示す図
【図8】 他の実施の形態におけるバルブタイミング決定制御ルーチンを示すフローチャート図
【図9】 他の実施の形態における気筒別トルク制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
20・・・ECU
26・・・吸気ポート
27・・・排気ポート
28・・・吸気弁
29・・・排気弁
30・・・吸気側電磁駆動機構
31・・・排気側電磁駆動機構
33・・・吸気枝管
34・・・サージタンク
35・・・吸気管
36・・・エアクリーナボックス
39・・・スロットル弁
40・・・スロットル用アクチュエータ
41・・・スロットルポジションセンサ
42・・・アクセルペダル
43・・・アクセルポジションセンサ
102・・無段変速機(CVT)
200・・CVT−ECU

Claims (4)

  1. 電磁力を利用して内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構と、
    前記内燃機関の出力軸に接続され、変速比を変更可能な変速機と、
    前記内燃機関に要求される目標機関トルクと前記変速機の作動状態に従って内燃機関の全気筒の目標気筒トルクを個々の気筒別に算出する目標気筒トルク算出手段と、
    前記目標気筒トルク算出手段によって算出された目標気筒トルクに従って全気筒の吸気弁およびまたは排気弁の開閉タイミングを決定するバルブタイミング決定手段と、
    前記バルブタイミング決定手段によって決定された気筒別の開閉タイミングに従って前記電磁駆動式動弁機構を制御する弁制御手段と、
    を備えることを特徴とする電磁駆動弁を有する内燃機関。
  2. 前記変速機は、慣性トルクを有するとともに、変速比を自動的に変更可能な自動変速機であることを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
  3. 前記変速機は、慣性トルクを有するとともに、変速比を連続的に無段階で変更可能な無段変速機であることを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
  4. 前記変速機の作動に伴う加減速ショックの抑制に要する加減速ショック抑制トルクを算出する加減速ショック抑制トルク算出手段を更に備え、
    前記目標気筒トルク算出手段は、前記目標機関トルクに前記加減速ショック抑制トルク算出手段によって算出された加減速ショック抑制トルクを加算して前記内燃機関のトルクスケジュールを決定するとともに、前記トルクスケジュールに従って前記内燃機関の全気筒の目標トルクを個々の気筒別に算出することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
JP2001081435A 2000-03-21 2001-03-21 電磁駆動弁を有する内燃機関 Expired - Lifetime JP3975683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001081435A JP3975683B2 (ja) 2000-03-21 2001-03-21 電磁駆動弁を有する内燃機関

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-78954 2000-03-21
JP2000078954 2000-03-21
JP2001081435A JP3975683B2 (ja) 2000-03-21 2001-03-21 電磁駆動弁を有する内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001336432A JP2001336432A (ja) 2001-12-07
JP3975683B2 true JP3975683B2 (ja) 2007-09-12

Family

ID=26587997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001081435A Expired - Lifetime JP3975683B2 (ja) 2000-03-21 2001-03-21 電磁駆動弁を有する内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3975683B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094987A (ja) 2001-09-20 2003-04-03 Toyota Motor Corp エンジンおよび変速機の制御装置
JP5659997B2 (ja) * 2011-10-11 2015-01-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
KR102066631B1 (ko) * 2015-08-12 2020-01-15 대우조선해양 주식회사 선박의 차등 엔진시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001336432A (ja) 2001-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100404773B1 (ko) 전자구동밸브를 가지는 내연기관
USRE41758E1 (en) Internal combustion engine having a variable valve train
JP3562415B2 (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
JP2001336431A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP3975683B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2002221037A (ja) 筒内噴射式ガス燃料内燃機関
JP4214659B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001234769A (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
JP4382588B2 (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
JP4258089B2 (ja) 内燃機関
JP4218169B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JPH03100361A (ja) ディーゼルエンジンの排気ガス還流制御装置
JP2001193504A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2007113553A (ja) 内燃機関の燃料消費量検知装置
JP2001182564A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP4258955B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2017172355A (ja) エンジンおよびその制御方法
JP2006037907A (ja) 内燃機関
JP2001295673A (ja) 分割吸気系を備えた内燃機関
JP2001234771A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001214767A (ja) 内燃機関
JP5412755B2 (ja) 車両用エンジンの制御装置及び制御方法
JP2001263011A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2002227673A (ja) 電磁駆動弁の制御装置
JP2001355461A (ja) 内燃機関の電磁駆動式動弁機構

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3975683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term