JP4704944B2 - ミリ波伝送システム及び換気ダクト - Google Patents

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Description

本発明は、送信すべき伝送信号を、換気ダクトを介して建造物内に配置された受信装置に送信するミリ波伝送システム、及び、このシステムを構築するのに好適な換気ダクトに関する。
従来より、広帯域な信号を高品質に無線伝送するために、送信装置側では、受信装置側に送信すべき伝送信号をミリ波帯にアップコンバートして、そのアップコンバートした伝送信号(以下、ミリ波信号ともいう)を送信アンテナから放射し、受信装置側では、送信アンテナから送信されたミリ波信号を受信アンテナにて受信し、受信した信号を、受信装置側で周波数変換することにより、元の伝送信号を復元するように構成されたシステムが知られている。そして、例えば、送信装置を共同住宅等のビルの屋上に設置して、各戸のベランダ等に配置された受信装置に伝送信号を送信するようにされている。
しかし、ミリ波帯(例えば60GHz)の電波は水分による吸収減衰が大きいために、雨天時には、十分な強度のミリ波信号を受信装置において受信できない可能性があった。そして、雨の影響を受けることなく伝送信号を送信するためには、ビルの内部で信号を送信すればよいが、ビルの内部は障害物が多く、単にビル内の空間に電波を放射しただけでは、電波は障害物によって遮蔽されて減衰してしまう。
そこで、このような問題を解決し、ビル内の受信装置に効率よく信号を送信する方法としては、従来より、換気ダクト等のビルの配管内に電波を伝播させるシステムが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特表2001−523810号公報
しかしながら、換気及び吸気のために一般的に使用されている換気ダクトは、空気を十分に流通させるために細いものでも直径が5センチ程度はあることから、波長の短い(例えば、60GHzの電波の波長は約5mm)ミリ波帯の電波を伝播させる管としては適しておらず、配管内でも電波が減衰してしまう。このため、上記提案のシステムを使用した場合には、障害物を回避することはできるけれども、送信装置と受信装置との間の距離によっては、十分な強度の信号をビル内に配置された受信装置に送信できないおそれがあった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、伝送信号を、換気ダクトを介して建造物内の部屋に設置された受信装置に送信するミリ波伝送システムにおいて、換気ダクト内におけるミリ波帯の電波の損失を低減することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、
送信すべき伝送信号をミリ波帯に周波数変換し、該周波数変換後のミリ波伝送信号を送信アンテナから放射する送信装置を備え、
該送信アンテナからの放射電波を、建造物内に配管された換気ダクトを介して、該建造物内の複数の部屋に設置された受信装置まで伝送するミリ波伝送システムであって、
前記換気ダクト内には、前記放射電波を、当該換気ダクトの末端側の部屋に設けられた換気口まで導くためのミリ波伝送用の導波管が設けられ、
前記送信装置は、前記導波管に前記放射電波を入射可能に配置されると共に、
前記換気ダクトの一部は、前記末端側の部屋に至る通気路を、前記末端側の部屋とは異なる部屋に設けられた換気口へと分岐させる分岐管にて構成され、
前記分岐管内に設けられる導波管には、当該分岐管により形成される通気路の分岐方向に開口して、当該導波管にて前記末端側の部屋まで伝送される電波の一部を、前記分岐方向に位置する換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射孔が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミリ波伝送システムにおいて、
前記導波管において、前記換気ダクトの末端側の端部には、当該導波管により末端側まで伝送された放射電波を、当該末端側の換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射器が設けられていることを特徴とする。
一方、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のミリ波伝送システムにおいて、前記換気ダクトには、換気用の通気路として、吸気専用の吸気路と排気専用の排気路とが設けられていることを特徴とする。
次に、請求項4に記載の発明は、建造物内に配管され、該建造物内の部屋を換気するための換気ダクトであって、
当該換気ダクト内には、ミリ波帯の電波を、当該換気ダクトの末端側の部屋に設けられた換気口まで導くためのミリ波伝送用の導波管が設けられると共に、
当該換気ダクトの一部は、前記末端側の部屋に至る通気路を、前記末端側の部屋とは異なる部屋に設けられた換気口へと分岐させる分岐管にて構成され、
前記分岐管内に設けられる導波管には、当該分岐管により形成される通気路の分岐方向に開口して、当該導波管にて前記末端側の部屋まで伝送される電波の一部を、前記分岐方向に位置する換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射孔が設けられていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の換気ダクトにおいて、
前記導波管において、当該換気ダクトの末端側の端部には、当該導波管により末端側まで伝送されたミリ波帯の電波を、当該末端側の換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射器が設けられていることを特徴とする。
一方、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の換気ダクトにおいて、当該換気ダクトには、換気用の通気路として、吸気専用の吸気路と排気専用の排気路とが設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載のミリ波伝送システムにおいては、建造物内に配管された換気ダクト内に、送信アンテナから放射される放射電波を換気ダクトの末端側の部屋に設けられた換気口まで導くためのミリ波伝送用の導波管が設けられており、一方、送信装置が、この導波管に放射電波を入射可能に配置されている。そして、送信装置は、送信すべき伝送信号をミリ波帯に周波数変換し、この周波数変換後のミリ波伝送信号を送信アンテナから上記導波管に入射する。
従って、請求項1に記載のミリ波伝送システムによれば、送信すべきミリ波伝送信号が、ミリ波伝送用の導波管にて伝送されるので、換気ダクト内でのミリ波帯の放射電波の損失を低減することができる。また、導波管が換気ダクト内に設けられているので、換気ダクトの外形は、従来の換気ダクトと同じ形状にすることができる。また、導波管設置工事と換気ダクト設置工事を同時に行えるので、設置工事が容易である。
また、換気ダクトの一部は、末端側の部屋に至る通気路を、末端側の部屋とは異なる部屋に設けられた換気口へと分岐させる分岐管にて構成されており、この分岐管内に設けられる導波管には、当該分岐管により形成される通気路の分岐方向に開口した放射孔が設けられている。
このため、請求項1に記載のミリ波伝送システムによれば、換気ダクトを、末端側の部屋に設けられた換気口と、換気ダクトにて形成される通気路が通る部屋に設けられた換気口との複数の換気口に接続することができ、しかも、換気ダクト内の導波管を介して、各換気口から各部屋に設けられた受信装置にミリ波帯の電波を放射させることができる。
請求項2に記載のミリ波伝送システムにおいては、導波管において、換気ダクトの末端側の端部には、当該導波管により末端側まで伝送された放射電波を、当該末端側の換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射器が設けられている。従って、請求項2に記載のミリ波伝送システムによれば、送信装置から放射されたミリ波帯の放射電波が導波管の末端側で反射することによる損失を低減でき、ミリ波帯の放射電波を、より効率よく受信装置に送信することができる。
請求項3に記載のミリ波伝送システムにおいては、換気ダクトには、換気用の通気路として、吸気専用の吸気路と排気専用の排気路とが設けられている。従って、請求項3に記載のミリ波伝送システムによれば、1つの換気ダクトで、吸気及び排気をすることができると共に、送信装置から放射されたミリ波帯の放射電波を効率よく伝播させることができる。
請求項4に記載の換気ダクトにおいては、ミリ波帯の電波を、当該換気ダクトの末端側の部屋に設けられた換気口まで導くためのミリ波伝送用の導波管が設けられている。また、当該換気ダクトの一部は、末端側の部屋に至る通気路を、末端側の部屋とは異なる部屋に設けられた換気口へと分岐させる分岐管にて構成され、この分岐管内に設けられる導波管には、当該分岐管により形成される通気路の分岐方向に開口して、当該導波管にて末端側の部屋まで伝送される電波の一部を、分岐方向に位置する換気口から対応する部屋に放射させる放射孔が設けられている。従って、請求項4に記載の換気ダクトによれば、本発明のシステムを構築できる。
また、請求項5に記載の換気ダクトにおいては、導波管において、当該換気ダクトの末端側の端部には、当該導波管により末端側まで伝送されたミリ波帯の電波を、当該末端側の換気口から対応する部屋に放射させる放射器が設けられているので、請求項2に記載のシステムを構築できる。
一方、請求項6に記載の換気ダクトによれば、換気用の通気路として、吸気専用の吸気路と排気専用の排気路とが設けられているので、請求項3に記載のシステムを構築できる。
以下に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
参考例
図1(a)は、本発明の前提となる参考例のミリ波伝送システム全体の構成を表すブロック図である。
参考例のミリ波伝送システムは、図1(a)に示すように、住宅等の屋上に設置された衛星放送受信用のBS/CSアンテナ2、及び、地上ディジタル放送受信用のUHFアンテナ3からの出力を、住宅の天井裏等に設けられた換気ダクト50を介して住宅内の部屋に配信するものであり、換気ダクト50内に設置された送信機10と、部屋に設置された受信機30とを備える。
換気ダクト50は、例えばステンレス、アルミ、鋼等の金属材からなり、長さや内部構成等が異なる複数の同径の管が接合されて構成されている。詳述すると、本実施形態の換気ダクト50は、直線状の円筒からなる通気管50aと、直線状の円筒からなり、送信機10の取付部が設けられた送信機固定管50bと、直線状の円筒からなり、内部に導波管52aが設けられた導波管付直線管50cと、直角に曲げられた円筒からなり、その一端が円錐状に広がるように形成されると共に、内部にこの円筒に沿って導波管52bが設けられた導波管付ベンド管50dと、から構成されている。
導波管付直線管50cの内部に設けられた導波管52aは、図1(b)に示すように、ミリ波を伝播させるために好適な形状として直径X1(周波数60GHzでは、X1は14mm)の金属の円筒により構成されている。
一方、導波管付ベンド管50dの内部に設けられた導波管52bは、導波管52aと同様に直径X1の金属の円筒からなり、内径X4(周波数60GHzではX4はR20mm)、で外側の管に沿って曲げられている。また、この管の円錐状に広がった側における導波管52bの端部には、図1(c)に示すように、開口端が直径X3(周波数60GHzではX3は20mm)、導波管端から開口端までの長さがX2(周波数60GHzでは、X2は16mm)に形成されたホーン54が図示しないフランジにより接合されている。
そして、上記各管は、通気管50a、送信機固定管50b、導波管付直線管50c、導波管付ベンド管50dの順に図示しないフランジやバンド等で接合されており、通気管50aの、送信機固定管50bと接合された端と反対側が、住宅の外に面する通気口に接続されている。一方、導波管付ベンド管50dの円錐状に開口した端部が、部屋の換気口に接続されている。なお、このとき、導波管付ベンド管50dの内部に設けられたホーン54は、部屋に向けて開口されている。
ここで、送信機固定管50bには送信機10が取り付けられており、送信機固定管50bは、送信機10のアンテナ12を導波管付直線管50cの導波管52aに向けて、導波管付直線管50cと接合されている。また、導波管付直線管50c及び導波管付ベンド管50dが接合される際には、まず、内部の各導波管52a、52bが図示しないフランジにより接合された後、外側の管が接合されるので、送信機10から放射される電波は、互いに接合された導波管52a、52bを介してホーン54まで低損失で伝播される。
ここで、図1(b)は、導波管付直線管50cの断面図であり、図1(c)は、導波管52bの換気口側の端部に形成されたホーン54の拡大図である。
次に、BS/CSアンテナ2は、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)を介して配信される衛星放送を受信するオフセット型のパラボラアンテナであり、反射鏡2aと、支持腕を介して反射鏡2aの焦点位置に配置された受信ユニット2bとから構成されている。
そして、受信ユニット2bは、反射鏡2aにて集波された放送/通信衛星(BS/CS)からの送信電波を受信して、その受信信号(例えば、周波数11.7GHz〜12.75GHzの放送信号)を、元の周波数よりも低い所定周波数(例えば、1032〜2071MHz)の中間周波信号(BS/CS−IF)にダウンコンバートして出力する。
次に、BS/CSアンテナ2の受信ユニット2bから出力された中間周波信号は、UHFアンテナ3にて受信された地上ディジタル放送信号(以下、UHF信号ともいう)と混合器5にて混合され、混合された信号が、同軸ケーブルからなる伝送線L1を介して送信機10に入力される(以下、受信ユニット2bから出力された中間周波信号と、UHF信号とが混合された信号を、単に放送信号(470〜2071MHz)ともいう)。
そして、送信機10は、入力された放送信号を受信機30側に送信すべき伝送信号として取り込み、これをミリ波帯(本参考例では60GHz)にアップコンバートしてアンテナ12から導波管52に向けて放射する。なお、本参考例においては、送信機10のアンテナ12は、一面が凸状に形成された誘電体レンズからなるレンズアンテナを使用している。
また、BS/CSアンテナ2の受信ユニット2bと送信機10を接続する伝送線L1上には、受信ユニット2bと送信機10とに電源を供給するための電源挿入器4が設けられており、受信ユニット2bと送信機10とは、この電源挿入器4及び伝送線L1を介して電源装置6から供給される直流の電源電圧(例えば、DC15V)を受けて動作する。
一方、受信機30は、導波管52により、部屋に設けられた換気口まで導かれ、ホーン54から放射されるミリ波帯の放射電波を、アンテナ32で受信し、その受信信号をダウンコンバートすることにより、BS/CSアンテナ2の受信ユニット2bから出力された中間周波信号(BS/CS−IF)、及び、UHFアンテナ3にて受信されたUHF信号を復元し、同軸ケーブルからなる伝送線L2を介して接続されたディジタルチューナ8等の受信端末に出力する。また、ディジタルチューナ8は、受信した放送信号を、テレビ(TV)9で視聴可能な信号に変換してTV9に入力する。
ところで、一般にディジタルチューナ8等のディジタル放送受信端末は、同軸ケーブルを介して外部の機器に電源を供給できるようにするために、伝送線L2が接続される受信信号の入力端子から電源電圧(例えば、DC15V)を出力できるように構成されている。そして、本参考例の受信機30は、ディジタルチューナ8などのディジタル放送受信端末から、伝送線L2を介して供給される直流の電源電圧を受けて動作する。
次に、図2は、送信機10及び受信機30の構成を表すブロック図である。
図2に示すように、送信機10には、受信ユニット2bから出力された中間周波信号(BS−CS/IF)、UHFアンテナ3にて受信されたUHF信号、及び、電源装置6から供給される電源電圧(DC15V)を、伝送線L1を介して入力するための入力端子T1と、この入力端子T1に入力された信号の中から、直流信号成分(つまり、電源電圧DC15V)を取り出し、内部回路に供給する電源分離フィルタ14と、電源分離フィルタ14を通過してきた放送信号(BS/CS−IF、UHF信号)を増幅する増幅回路16と、水晶等を利用して周波数変換用の基準となる一定周波数の基準信号を発生する基準発振器18と、制御電圧により発振周波数を制御可能な電圧制御型の可変発振回路(VCO)を備え、基準発振器18からの基準信号と、VCOから出力される高周波信号の一部を方向性結合器を介して取り込み、外部から入力される周波数制御信号に従って、この高周波信号と基準発振器18が発生した基準信号とを分周又は逓倍して位相比較することにより、所定周波数の高周波信号を出力するPLL発振器20と、PLL発振器20から出力される高周波信号を周波数逓倍して放送信号をミリ波帯にアップコンバートするのに必要な所定周波数(本参考例では59GHz)の信号を出力する逓倍器22と、が設けられている。
また、送信機10には、さらに、増幅回路16にて増幅された放送信号と逓倍器22からの出力信号とを混合するミキサ24が設けられており、このミキサ24にて、入力された放送信号がミリ波帯(本参考例では60GHz)の伝送信号にアップコンバートされる。さらに、ミキサ24の出力側には、信号抽出フィルタ(以下、BPFともいう)26が設けられており、ミキサ24からの出力のうち、逓倍器22からの出力信号よりも周波数が高い周波数帯(60GHz帯)の伝送信号のみを通過可能に構成されており、60GHz帯の伝送信号が選択的に抽出される。
つまり、ミキサ24からの出力信号には、逓倍器22からの出力信号よりも高周波側に周波数変換された伝送信号と、逓倍器22からの出力信号よりも低周波側に周波数変換された伝送信号との、2種類の伝送信号が含まれることから、本参考例ではBPF24を介して、逓倍器22からの出力信号よりも周波数が高い60GHz帯の伝送信号のみを、受信機30に送信すべき伝送信号として選択的に抽出するようにしている。
そして、BPF26を通過した伝送信号は、ミリ波用の増幅回路28に入力され、この増幅回路28にて所定レベルまで増幅された後、アンテナ12から導波管52に入射され、導波管52を介して、ホーン54、つまり、部屋の換気口まで伝播される。
一方、受信機30は、部屋の換気口に接続された換気ダクト50内に設けられたホーン54から放射され、アンテナ32により受信した受信信号を増幅するミリ波用の増幅回路34と、水晶等を利用して周波数変換用の基準となる一定周波数の基準信号を発生する基準発振器36と、制御電圧により発振周波数を制御可能な電圧制御型の可変発振回路(VCO)を備え、基準発振器36からの基準信号と、VCOから出力される高周波信号の一部を方向性結合器を介して取り込み、外部から入力される周波数制御信号に従って、この高周波信号と基準発振器36が発生した基準信号とを分周又は逓倍して位相比較することにより、所定周波数の高周波信号を出力するPLL発振器38と、PLL発振器38から出力される高周波信号を周波数逓倍して、ミリ波帯の受信信号を元の周波数帯にダウンコンバートするのに必要な所定周波数(本参考例では59GHz)の信号を出力する逓倍器40と、が設けられている。
また、受信機30には、さらに、増幅回路34にて増幅された受信信号と、逓倍器40からの出力信号と、を混合するミキサ42が設けられており、このミキサ42にて、入力されたミリ波帯(本参考例では60GHz)の受信信号が、元の周波数帯にダウンコンバートされる。さらに、ミキサ42の出力側には、信号抽出フィルタ(以下、BPFとする)44が設けられており、BPF44は、ミキサ42からの出力のうち、送信機10にてアップコンバートされる前の放送信号のみを選択的に通過させる。
そして、BPF44を通過した伝送信号は、増幅回路46に入力され、この増幅回路46にて所定レベルまで増幅された後、出力端子T2まで伝送され、出力端子T2から部屋に設置されたディジタルチューナ8(もしくは、他のディジタル放送受信端末)へと出力される。
なお、出力端子T2には、ディジタルチューナ8(もしくは、他のディジタル放送受信端末)から供給される電源電圧(DC15V)が入力されることから、増幅回路46と出力端子T2の間の伝送路には、出力端子T2に入力された電源電圧(DC15V)を取り出し、受信機30の内部回路に供給する電源分離フィルタ48が設けられている。
以上説明したように、上記参考例のミリ波伝送システムにおいては、ミリ波帯の電波を、部屋に設けられた換気口まで導くための導波管52が、換気ダクト50内に設けられており、一方、送信機10が、この導波管52に電波を入射可能に配置されている。そして、送信機10は、BS/CSアンテナ2の受信ユニット2bから出力される中間周波信号、及び、UHFアンテナ3にて受信されたUHF信号をミリ波帯に周波数変換し、周波数変換後の伝送信号を、導波管52に入射する。
従って、上記参考例のミリ波伝送システムによれば、送信すべき伝送信号が、この導波管52にて伝送されるので、換気ダクト50内での放射電波の損失を低減することができる。また、導波管52が換気ダクト50内に設けられているので、換気ダクト50の外形は、従来の換気ダクトと同じ形状にすることができる。さらに、導波管設置工事と換気ダクト設置工事を同時に行えるので、設置工事が容易である。
また、導波管52の換気口側の端部には、導波管52により導かれた放射電波を、部屋に向けて放射するホーン54が設けられている。従って、送信機10から放射された放射電波が、ホーン54により放射されるので、例えば、ホーン54が無い場合に導波管端で発生する電波の反射による損失を低減でき、伝送信号をより効率よく受信機30に送信することができる。
なお、上記参考例において、送信機10は本発明の送信装置に相当し、アンテナ12は本発明の送信アンテナに相当し、受信機30は本発明の受信装置に相当し、ホーン54は本発明の放射器に相当する。
[実施形態]
上記参考例においては、住宅内において、換気ダクトが、通気口と1つの換気口との間で接続されている場合について説明したが、本発明の実施形態においては、換気ダクトが、複数の換気口に接続される。なお、本実施形態において、送信機10及び受信機30の構成及び設置状態は、上記参考例と同様であるため、本実施形態においては、換気ダクトの構成についてのみ説明する。図3(a)は、本発明が適用されたミリ波伝送システムの構成を表す構成図である。
本実施形態の換気ダクト60は、上記参考例の換気ダクト50を構成する通気管50a、送信機固定管50b、導波管付直線管50cと、さらに、放射孔56が形成された導波管52cを備える放射孔付分岐管50eと、から構成されている。
放射孔付分岐管50eは、T字型に三方向に分岐された円筒であり、そのT字の鉛直方向の辺の端部(以下、分岐端ともいう)は、円錐状に広がるように形成されている。また、放射孔付分岐管50eのT字の水平方向には、導波管付直線管50cの内部に設けられた導波管52aと同様の直径X1の金属の円筒からなる導波管52cが設けられている。そして、導波管52cにおいて、放射孔付分岐管50eの分岐端から見通せる位置には、図3(c)に示すように、60GHzのミリ波を放射させるのに好適な形状の放射孔56が形成されている。
なお、放射孔56は、その孔から放射させたい電波の強度に応じて複数の形状が考えられるが、本実施形態においては、図3(c)に示すように、電波の伝播方向に平行な辺の長さがX6、他辺の長さがX5の長方形に形成されている。なお、X5は、放射電波の波長λの0.05〜0.06倍(周波数60GHzでは、約0.25mm〜0.30mm)、X6は、放射電波の波長λの1/3〜1/2(周波数60GHzでは、約1.67〜2.5mm)である。
そして、上記各管は、通気管50a、送信機固定管50b、導波管付直線管50c、の順に図示しないフランジやバンド等で接合されており、通気管50aの、送信機固定管50bと接合された端と反対側が、住宅の外に面する通気口に接続されている(図示なし)。一方、導波管付直線管50cの先には、通気口の位置に合わせて、導波管付直線管50c及び放射孔付分岐管50eが接合され、放射孔付分岐管50eの分岐端が、部屋の換気口に接続されている。なお、このとき、放射孔付分岐管50eの放射孔56は、換気口から見通せる位置に配置されている。
ここで、送信機固定管50bには、上記参考例と同様に送信機10が取り付けられており、送信機固定管50bは、送信機10のアンテナ12を導波管付直線管50cの導波管52aに向けて、導波管付直線管50cと接合されている。また、導波管付直線管50c及び放射孔付分岐管50eが接合される際には、まず、内部の各導波管52a、52cが図示しないフランジにより接合された後、外側の管が接合されるので、送信機10から放射される電波は、互いに接合された導波管52a、52cを介して放射孔56まで低損失で伝播される。
以上説明したように、本実施形態のミリ波伝送システムによれば、換気ダクト60(放射孔付分岐管50e)の分岐端から、その内部に設けられた導波管52(52c)を見通せる位置に、ミリ波の電波を放射するのに好適な放射孔56が設けられているので、換気ダクトに複数の換気口が接続されている場合にも、上記参考例と同様に、換気ダクト50内での放射電波を低損失で部屋まで送信することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
上記参考例及び実施形態のミリ波伝送システムにおいては、換気ダクト50,60を図1(b)に示すように円筒形のものとし、内部に設けられた導波管52も円形導波管としたが、換気ダクトの形状は上記に限定されるものではなく、ミリ波の電波を低損失で伝播可能な形状、かつ、製造可能な形状であれば、どのような形状でもよい。
例えば、図4(a)に示すように、円筒状の換気ダクト50の中心部に導波管52が設けられていてもよく、図4(b)に示すように、角筒状の換気ダクト50の内部に方形導波管(60GHzのミリ波であれば、例えば、JIS規格WRJ−620等)を設けるようにしてもよい。
また、図4(c)〜図4(e)のように、空気が流通する部分を2つに分割して吸気専用の吸気路と、排気専用の排気路と、を設けるようにしてもよい。そして、このようにすれば、1つの換気ダクトで、吸気及び排気をすることができると共に、導波管52により、送信機10から放射されたミリ波帯の放射電波を効率よく伝播させることができる。
なお、図4(d)の換気ダクト50の導波管52は、方形導波管または円形導波管と比較すると電波の損失は大きくなるが、電波を伝播する距離等に応じて適用することが可能である。
また、上記参考例及び実施形態においては、BS/CSアンテナ2にて受信された衛星放送信号やUHFアンテナ3にて受信された地上ディジタル放送信号をミリ波帯に周波数変換して伝送する無線伝送システムについて説明したが、本発明において、伝送信号としては、放送信号に限定されるものではなく、例えば、無線LAN用の電波を、ミリ波帯に周波数変換して伝送するようにしてもよい。
参考例のミリ波伝送システムが適用された住宅の構成を示す構成図である。 送信機10及び受信機30の構成を表すブロック図である。 実施形態のミリ波伝送システムが適用された住宅の構成を示す構成図である。 換気ダクト50の断面形状の例を示す説明図である。
符号の説明
2…BS/CSアンテナ、2a…反射鏡、2b…受信ユニット、3…UHFアンテナ、4…電源挿入器、5…混合器、6…電源装置、8…ディジタルチューナ、9…TV、10…送信機、12…アンテナ、14…電源分離フィルタ、16…増幅回路、18…基準発振器、20…PLL発振器、22…逓倍器、24…ミキサ、26…BPF、28…増幅回路、30…受信機、32…アンテナ、34…増幅回路、36…基準発振器、38…PLL発振器、40…逓倍器、42…ミキサ、44…BPF、46…増幅回路、48…電源分離フィルタ、50…換気ダクト、50a…通気管、50b…送信機固定管、50c…導波管付直線管、50d…導波管付ベンド管、50e…放射孔付分岐管、52…導波管、54…ホーン、56…放射孔、60…換気ダクト、T1…入力端子、T2…出力端子

Claims (6)

  1. 送信すべき伝送信号をミリ波帯に周波数変換し、該周波数変換後のミリ波伝送信号を送信アンテナから放射する送信装置を備え、
    該送信アンテナからの放射電波を、建造物内に配管された換気ダクトを介して、該建造物内の複数の部屋に設置された受信装置まで伝送するミリ波伝送システムであって、
    前記換気ダクト内には、前記放射電波を、当該換気ダクトの末端側の部屋に設けられた換気口まで導くためのミリ波伝送用の導波管が設けられ、
    前記送信装置は、前記導波管に前記放射電波を入射可能に配置されると共に、
    前記換気ダクトの一部は、前記末端側の部屋に至る通気路を、前記末端側の部屋とは異なる部屋に設けられた換気口へと分岐させる分岐管にて構成され、
    前記分岐管内に設けられる導波管には、当該分岐管により形成される通気路の分岐方向に開口して、当該導波管にて前記末端側の部屋まで伝送される電波の一部を、前記分岐方向に位置する換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射孔が設けられていることを特徴とするミリ波伝送システム。
  2. 前記導波管において、前記換気ダクトの末端側の端部には、当該導波管により末端側まで伝送された放射電波を、当該末端側の換気口から該換気口が設けられた部屋に放射させる放射器が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のミリ波伝送システム。
  3. 前記換気ダクトには、換気用の通気路として、吸気専用の吸気路と排気専用の排気路とが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミリ波伝送システム。
  4. 建造物内に配管され、該建造物内の部屋を換気するための換気ダクトであって、
    当該換気ダクト内には、ミリ波帯の電波を、当該換気ダクトの末端側の部屋に設けられた換気口まで導くためのミリ波伝送用の導波管が設けられると共に、
    当該換気ダクトの一部は、前記末端側の部屋に至る通気路を、前記末端側の部屋とは異なる部屋に設けられた換気口へと分岐させる分岐管にて構成され、
    前記分岐管内に設けられる導波管には、当該分岐管により形成される通気路の分岐方向に開口して、当該導波管にて前記末端側の部屋まで伝送される電波の一部を、前記分岐方向に位置する換気口から放射させる放射孔が設けられていることを特徴とする換気ダクト。
  5. 前記導波管において、当該換気ダクトの末端側の端部には、当該導波管により末端側まで伝送されたミリ波帯の電波を、当該末端側の換気口から放射させる放射器が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の換気ダクト。
  6. 当該換気ダクトには、換気用の通気路として、吸気専用の吸気路と排気専用の排気路とが設けられていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の換気ダクト。
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