JP4701431B2 - 異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体ならびにその製造方法および用途 - Google Patents

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Description

この出願の発明は、異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体ならびにその製造方法および用途に関するものであり、さらに詳しくは従来にない高密度化、高硬度化、高純度化、高比表面積、高導電性、ラージスケール化、パターニング化を達成した配向カーボンナノチューブよりなる部分を備えた配向カーボンナノチューブ・バルク構造体ならびにその製造方法および用途に関するものである。
新しい電子デバイス材料や、光学材料、導電性材料、生体関連材料等として機能性材料の展開が期待されているカーボンナノチューブ(CNT)については、その収率、品質、用途、量産性、製造方法等の検討が精力的に進められている。
カーボンナノチューブを上記のような機能性材料として実用化させていくためには、その一つの手段として、多数本のカーボンナノチューブが集合したバルク集合体とし、このバルク集合体のサイズをラージスケール化させるとともに、純度、比表面積、導電性、密度、硬度などの特性の向上を図り、所望の形状にパターニング化できるようにすることが考えられる。また、カーボンナノチューブの量産性を著しく向上させることも必要である。
このような課題を解決すべく、この出願の発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、金属触媒の存在下にカーボンナノチューブを化学気相成長(CVD)させる方法において、反応雰囲気中に水蒸気を微量添加することにより、従来の方法に比べ、純度が高く、著しくラージスケール化した配向カーボンナノチューブ・バルク集合体が得られることを見出し、非特許文献1等において報告した。
Kenji Hata et al, Water-Assisted Highly Efficient Synthesis of Impurity-Free Single-Walled Carbon Nanotubes, SCIENCE, 2004.11.19, vol.306, p.1362-1364
上記非特許文献1において報告した配向カーボンナノチューブ・バルク集合体は、たとえば、純度が精製処理なしで99.98mass%であり、比表面積が約1000m/gであり、高さ(長さ)も約2.5mm程度で、多数の単層カーボンナノチューブが集合して成長しているものであった。
ところが、この配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を、よりすぐれた特性を有する機能性材料として応用するためには、上記報告の構造体の密度は約0.03g/cm程度であり、機械的にもろいため、強度、硬度をより向上させる必要がある。また、取扱性や加工性などについても、さらに検討の余地があった。
また、パターニングされた配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を、その電気的性質、熱的性質、機械的性質、気体吸収性等を利用した各種物品への応用するに際し、場所によって密度や硬度等の諸性質がコントロールされたバルク構造体として利用できることが望ましいケースがある。また、配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の形状もカーボンナノチューブの有するすぐれた性質を維持しつつ所望の形状に容易にコントロールできることも望まれている。しかしながら、これまで提案されている配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、そのような要望に応えるには至っていないのが実情である。
そこで、この出願の発明は、以上のような背景から、場所によって密度や硬度等の諸性質がコントロールされた配向カーボンナノチューブ・バルク構造体ならびにその製造方法およびその応用を提供することを課題としている。
また、この出願の発明は、カーボンナノチューブの有するすぐれた性質を維持しつつ所望の形状に容易にパターン化された配向カーボンナノチューブ・バルク構造体ならびにその製造方法およびその応用を提供することを別の課題としている。
この出願は、上記の課題を解決するものとして以下の発明を提供する。
〔1〕 複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向し、密度が0.3〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有することを特徴とする異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔2〕 高密度部分と低密度部分の中間の密度部分を1又は複数有することを特徴とする上記〔1〕に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。〔3〕 高密度部分と低密度部分が規則的に配置されていることを特徴とする上記〔1〕に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔4〕 高密度部分と低密度部分とその中間の密度部分が規則的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔5〕 複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向し、密度が0.3〜1.5g/cmである最高密度部分と0.001〜0.2g/cmである最低密度部分との間で連続的又は段階的に変化していることを特徴とする異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔6〕 カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブであることを特徴とする上記〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔7〕 カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブであることを特徴とする上記〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔8〕 カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブと二層および三層以上のカーボンナノチューブが混在したものであることを特徴とする上記〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔9〕 蛍光X線で測定した純度が98%以上であることを特徴とする上記〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔10〕 高密度部分の比表面積が600〜2600m/gであることを特徴とする上記〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔11〕 高密度部分が未開口であり、比表面積が600〜1300m/gであることを特徴とする上記〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔12〕 高密度部分が開口しており、比表面積が1300〜2600m/gであることを特徴とする上記〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔13〕 高密度部分のメソポア径が1.0〜5.0nmであることを特徴とする上記〔1〕から〔12〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔14〕 高密度部分のビッカース硬さが5〜100HVであることを特徴とする上記〔1〕から〔13〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔15〕 高密度部分が基板上に垂直配向もしくは水平配向していることを特徴とする上記〔1〕から〔14〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔16〕 高密度部分が基板上に基板面に対して斜め方向に配向していることを特徴とする上記〔1〕から〔14〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔17〕 高密度部分の配向方向とそれに垂直な方向で光学的特性、電気的特性、機械的特性および熱的特性の少なくともいずれかにおいて異方性を有することを特徴とする上記〔1〕から〔16〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔18〕 高密度部分のX線回折測定したときの配向方向とそれに垂直な方向の(100)、(110)、(002)ピークの強度比が、1:2〜1:100であることを特徴とする上記〔1〕から〔17〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔19〕 高密度部分の形状が、薄膜であることを特徴とする上記〔1〕から〔18〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔20〕 高密度部分の形状が、断面が円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)の柱状であることを特徴とする上記〔1〕から〔18〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔21〕 高密度部分の形状が、ブロック状であることを特徴とする上記〔1〕から〔18〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔22〕 高密度部分の形状が、針状であることを特徴とする上記〔1〕から〔18〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
〔23〕上記〔1〕から〔22〕のいずれかの異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を製造する方法であって、金属触媒の存在下にカーボンナノチューブを化学気相成長(CVD)させる方法において、複数のカーボンナノチューブを配向成長させ、得られた複数のカーボンナノチューブの一部を水にさらして収縮を起こさせた後、乾燥させることにより、密度が0.3〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を製造することを特徴とする異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
〔24〕 収縮を起こさせる開始位置を異ならせることにより形状の相違した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を得ることを特徴とする上記〔23〕に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
〔25〕 複数のカーボンナノチューブを収縮を起こさせた後、乾燥させる際に、異なる方向から異なる大きさの圧力を加えることを特徴とする上記〔23〕または〔24〕に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
〔26〕 成形型を用いて配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の形状を制御することを特徴とする上記〔23〕から〔25〕のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
〔27〕 複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向し、密度が0.3〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有する、異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体より構成されていること特徴とする機能性製品。
〔28〕 高密度部分が軸状に形成され、その一端部から低密度部分が複数の毛状に広がっている清掃用刷毛であることを特徴とする上記〔27〕に記載の機能性製品。
〔29〕 モーターのブラシであることを特徴とする上記〔27〕に記載の機能性製品。〔30〕 モーターの整流子であることを特徴とする上記〔27〕に記載の機能性製品。〔31〕 モーターの電気接点であることを特徴とする上記〔27〕に記載の機能性製品。
〔32〕 擦動部材を構成することを特徴とする上記〔27〕に記載の機能性製品。
〔33〕 光学部材であることを特徴とする上記〔27〕に記載の機能性製品。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、高密度部分と低密度部分を有してなり、高密度部分は、非特許文献1においてこの出願の発明者らが提案した配向カーボンナノチューブ・バルク集合体に比べ、密度が約20倍以上と極めて高く(0.2g/cm以上)、硬度も約100倍以上ときわめて大きな、従来にない高強度の構造体であり、その高密度部分は、ふわふわした感じの材料でなく、いわゆる「固体」としての様相を呈する新規な構造体である。
また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、触媒や副生成物の混入などが抑えられた高純度比されたもので、比表面積も600〜2600m/g程度と代表的なポーラス材料である活性炭やSBA−15と同程度の値であり、また通常のポーラス材料が絶縁体であるのに対して、高い導電性を有し、またシート状にした場合には可撓性を持つ。また非特許文献1において作製された配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を用いて、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を作製した場合、カーボン純度が99.98%以上の材料が作製できた。
さらに、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、純度、密度、硬度、比表面積、導電性、加工性などの特性においてすぐれ、ラージスケール化が可能なため、マイクロモーターの整流子、ブラシ、接点や、工業的過程で発生する微細な塵埃を除去するための微細な清掃道具(刷毛状部材)等、様々な用途への適用が期待できる。
さらにまた、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法によれば、化学気相成長(CVD)法を用いた簡便な手段により、上記のようなすぐれた特性を有し、種々の用途への適用が期待できる配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を量産性よく製造することができる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向した配向カーボンナノチューブ・バルク集合体をパターニングしたものであり、高密度部分と低密度部分よりなることを特徴とする。
この配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の典型的な実施形態としては、次のようなものを挙げることができる。
<1>高密度部分と低密度部分より構成され、高密度部分の密度の下限が0.2g/cm、より好ましくは0.3g/cm、さらに好ましくは0.4g/cmであり、上限が1.0g/cm、より好ましくは1.2g/cm、さらに好ましくは1.5g/cmであり、低密度部分の密度の下限が0.001g/cm、より好ましくは0.005g/cm、さらに好ましくは0.01g/cmであり、上限が0.05g/cm、より好ましくは0.1g/cm、さらに好ましくは0.2g/cmであること。
<2>上記<1>において、高密度部分と低密度部分の中間の密度部分を1又は複数有すること。
<3>密度の下限が0.2g/cm、より好ましくは0.3g/cm、さらに好ましくは0.4g/cmであり、上限が上限が1.0g/cm、より好ましくは1.2g/cm、さらに好ましくは1.5g/cmである最高密度部分と、密度の下限が0.001g/cm、より好ましくは0.005g/cm、さらに好ましくは0.01g/cmであり、上限が0.05g/cm、より好ましくは0.1g/cm、さらに好ましくは0.2g/cmである最低密度部分との間で連続的に変化していること。
<4>密度の下限が0.2g/cm、より好ましくは0.3g/cm、さらに好ましくは0.4g/cmであり、上限が上限が1.0g/cm、より好ましくは1.2g/cm、さらに好ましくは1.5g/cmである最高密度部分と、密度の下限が0.001g/cm、より好ましくは0.005g/cm、さらに好ましくは0.01g/cmであり、上限が0.05g/cm、より好ましくは0.1g/cm、さらに好ましくは0.2g/cmである最低密度部分との間で段階的に変化していること。
この出願の発明の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、カーボンナノチューブの高密度部分の特長と、低密度部分の特長を利用することができる光学分野、電気・電子分野、機械分野、エネルギー貯蔵分野等の各種分野への適用が期待できる。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の密度の範囲は、十分な機械的強度を持たせるため必要な範囲であり、このような密度の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、ふわふわした感じの材料でなく、いわゆる「固体」としての様相を呈するものとなっている。この高密度部分は、これまでに提案された配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の密度に比べて極めて大きなものとなっている。図1に、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の電子顕微鏡(SEM)写真像(a)を、非特許文献1で作成した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体(以下、先に提案した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体とも称する)の写真像(b)と比較して示す。この例では、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の密度は先に提案した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の密度に比べて約20倍程度大きくなっている。
また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の低密度部分の密度範囲は、高密度部分とは異なる性質が利用できる範囲となっている。
図2に、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の一例のX線回折データを示す。図中Lは配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の配向方向に沿ってX線を照射したときのデータ、Tは配向方向に垂直な方向からX線を照射したときのデータである。X線回折データで(100)、(011)、(002)回折ピークのL方向とT方向の強度比より良好な配向をしていることが確認された。(100)、(110)ピークは配向方向に垂直な方向(T方向)からX線を入射した場合、配向方向(L方向)に沿ってX線を照射したときと比して強度が高く、強度比は例えば図2の場合、(100)ピーク、(110)ピークともに5:1であった。これは配向方向に垂直な方向からX線を入射した場合に、カーボンナノチューブを構成するグラファイト格子が見えるからである。逆に、(002)ピークの場合は、配向方向(L方向)に沿ってX線を入射すると、配向方向に垂直な方向(T方向)からX線を入射したときに比して、強度が強く、強度比は、例えば図2の場合、17:1であった。これは配向方向(L方向)に沿ってX線を照射した場合に、カーボンナノチューブ同士の接点が見えるからである。
また、図3にこの出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の配向方向(L方向)に沿ってX線を照射した場合の低角度のX線回折データ例を示す。この例の場合、格子定数が約4.4nmの構造であることがわかる。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分を構成するカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであってもよいし、二層カーボンナノチューブであってもよいし、単層カーボンナノチューブと二層あるいは三層以上のカーボンナノチューブが適当な割合で混在したものであってもよい。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法については上記した第〔25〕から第〔28〕の発明の方法により製造することができ、その詳細については後述する。これらの方法で得られた配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、純度が問題となる用途に用いる場合、その純度は、好ましくは98mass%以上、より好ましくは99mass%以上、さらに好ましくは99.9mass%以上とすることができる。この出願の発明者らが非特許文献1で提案した製造方法を利用すれば、精製処理を行わなくても上記のような高純度な配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を得ることができる。このような純度の高い配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、不純物がほとんど混入されていないため、カーボンナノチューブ本来の特性を発揮することができる。
ここで、この明細書でいう純度とは、生成物中のカーボンナノチューブの質量%(mass%)で表される。かかる純度の測定は、蛍光X線を用いた元素分析結果より計測される。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、その高さ(長さ:カーボンナノチューブの長手方向の寸法))については用途に応じてその好ましい範囲は異なるが、ラージスケール化したものとして用いる場合には、下限については好ましくは5μm、さらに好ましくは10μm、特に好ましくは20μmであり、上限については好ましくは2.5mm、さらに好ましくは1cm、特に好ましくは10cmである。
また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、その比表面積が極めて大きく、好ましい値はその用途に応じて異なるが、大きな比表面積が望ましい用途の場合には、600〜2600m/g、より好ましくは800〜2600m/g、さらに好ましくは1000〜2600m/gである。また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、未開口のものにあっては、比表面積が600〜1300m/g、より好ましくは800〜1300m/g、さらに好ましくは1000〜1300m/gである。さらに、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、開口したものにあっては、比表面積が1300〜2600m/g、より好ましくは1500〜2600m/g、さらに好ましくは1700〜2600m/gである。
比表面積の測定は、吸脱着等温線の計測により行うことができる。その一例として、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分50mgについて、株式会社日本ベルのBELSORP-MINIを用いて77Kで液体窒素の吸脱着等温線(図4参照)を計測した(吸着平衡時間は600秒とした)。吸脱着等温線から比表面積を計測したところ、約1100m/gであった。また0.5以下の相対圧領域において直線性の吸脱着等温線が得られており、そのことから配向カーボンナノチューブ・バルク構造体中のカーボンナノチューブが未開口であることが分かる。
また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、開口処理を施すことにより、カーボンナノチューブの先端部が開口し、比表面積をより増大させたものとすることができる。図4の▲はこの出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の未開口のもの、△は開口したもの、●は先に提案した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の未開口のもの、○は開口したもの、×はメソポーラスシリカ(SBA−15)のデータである。この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分で開口したものは、約1900m/gもの極めて大きな比表面積を実現している。また、単位体積あたりの吸着量を図5に、単位体積あたりの吸着量と単位重量あたりの比表面積の関係を図6に示す。これらの図から、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は大きな比表面積、良好な吸着特性を示すことがわかる。
開口処理としては、ドライプロセスとしては、酸素や二酸化炭素、水蒸気による処理を用いることができる。ウェットプロセスを用いることができる場合には、酸による処理、具体的には過酸化水素での還流処理や、高温塩酸での切断処理等を用いることができる。
このような大きな比表面積を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、その大きな比表面積を有効に利用することができる各種用途において大きな有利性を発揮する。比表面積が小さすぎると、上記用途に使用した場合に、所望の特性が得られないことがあり、またその上限は高い程好ましいが、理論的に限界がある。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は、充填率が5〜50%、より好ましくは10〜40%、さらに好ましくは10〜30%のメソポーラス材料とすることができる。また、この場合、メソポア径が1.0〜5.0nmのものを含むことが好ましい。この場合のメソポアは配向カーボンナノチューブ・バルク構造体中のサイズで定義される。酸化処理等によって配向カーボンナノチューブ・バルク構造体中のカーボンナノチューブを開口させ、液体窒素の吸脱着等温線を計測し、吸着等温線からSFプロットを求めると、カーボンナノチューブのサイズに対応したメソポアを導出することができる。逆に上記実験事実より開口された、配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分はメソポア材料として機能することがわかる。メソポアの充填率は、カーボンナノチューブの被覆率で定義される。上記の範囲の充填率あるいはメソポア径分布であるとメソポーラス材料としての用途に好適に利用できるとともに、所要の強度を得ることができる。
通常のメソポーラス材料は絶縁体であるが、この出願の発明の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体における高密度部分は、高い導電性を有し、またシート状にした場合には可撓性を持つ。
また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分のビッカース硬さは5〜100HVであることが好ましい。このような範囲のビッカース硬さは代表的なメソボーラス材料であるグラファイトに匹敵する十分な機械的強度であり、機械的強度の必要な各種の用途において大きな有利性を示す。
また、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、基板上に設けてもよく、設けない状態で用いることもできる。基板上に設ける場合、基板表面に対して垂直な方向、もしくは水平な方向あるいは斜め方向に配向したものとすることができる。
さらに、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、配向方向とそれに垂直な方向で光学的特性、電気的特性、機械的特性、および熱的特性の少なくともいずれかにおいて異方性を示すことが好ましい。この配向カーボンナノチューブ・バルク構造体における配向方向とそれに垂直な方向の異方性の度合いは好ましくは1:3以上であり、より好ましくは1:5以上であり、特に好ましくは1:10以上である。その上限値は1:100程度である。また、X線回折測定したときの配向方向とそれに垂直な方向の(100)、(011)、(002)ピークの強度比が1:2〜1:100であることが好ましい。図2にその一例を示す。このような大きな異方性は、たとえば光学的特性の場合、光吸収率あるいは光透過率の偏光依存性を利用した偏光子への適用を可能とする。それ以外の特性の異方性についても、それぞれそれらの異方性を利用した各種物品等への適用が可能となる。
配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分のカーボンナノチューブ(フィラメント)の品質はラマン分光を測定することにより評価できる。ラマン分光の評価の一例を図7に示す。図7の(a)はラマンGバンドの異方性を示す図、(b)、(c)はラマンGバンドの測定結果を示す図である。図より、鋭いピークを持つGバンドが1592カイザーで観察され、グラファイト結晶構造が存在することがわかる。また、Dバンドは小さいことより、欠陥が少ない、高品質の良いグラファイト層が存在することがわかる。また、低波長側で、複数の単層カーボンナノチューブに起因するRBMモードが観察され、グラファイト層は単層カーボンナノチューブであることがわかる。これらのことから、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク集合体中に高品質の単層カーボンナノチューブが存在することが確認された。さらに、配向方向とそれに垂直な方向でのラマンGバンドの異方性は6.8倍違うことがわかる。
さらに、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、その形状が所定形状にパターニング化されたものであるが、その形状としては、たとえば薄膜、あるいは断面が円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)の柱状体、あるいは立方体、直方体等のブロック状、針状(尖った細長い円錐状のものも含む)のものをはじめとして、任意の形状にパターニングとすることができる。パターニングの仕方については後述する。
次に、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法について述べる。
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法は、金属触媒の存在下にカーボンナノチューブを化学気相成長(CVD)させる方法において、複数のカーボンナノチューブを配向成長させ、得られた複数のカーボンナノチューブの一部を液体にさらした後、乾燥させることにより、密度が0.2〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を製造することを特徴とする。
先ず、CVD法を用い複数のカーボンナノチューブを配向成長させる方法について述べる。
CVD法の原料炭素源としての炭素化合物としては、従来と同様に、炭化水素、なかでも低級炭化水素、たとえばメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン等が好適なものとして使用可能とされる。これらは1種もしくは2種以上のものであってよく、反応の条件として許容されるのであれば、メタノール、エタノール等の低級アルコールやアセトン、一酸化炭素等の低炭素数の含酸素化合物の使用も考慮される。
反応の雰囲気ガスは、カーボンナノチューブと反応せず、成長温度で不活性であれば、使用することができ、そのようなものとしては、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素、ネオン、クリプトン、二酸化炭素、塩素等や、これらの混合気体が例示でき、特にヘリウム、アルゴン、水素、およびこれらの混合気体が好ましい。
反応の雰囲気圧力は、これまでカーボンナノチューブが製造された圧力範囲であれば、適用することができ、102Pa以上107Pa(100大気圧)以下が好ましく、104Pa以上3×105Pa(3大気圧)以下がさらに好ましく、5×10Pa以上9×10Pa以下が特に好ましい。
反応系には、前記のとおりの金属触媒を存在させるが、この触媒としては、これまでカーボンナノチューブの製造に使用されたものであれば適宜のものを使用することができ、たとえば塩化鉄薄膜、スパッタで作製された鉄薄膜、鉄−モリブデン薄膜、アルミナ−鉄薄膜、アルミナ−コバルト薄膜、アルミナ−鉄−モリブデン薄膜等を例示することができる。
触媒の存在量としては、これまでにカーボンナノチューブが製造された量であればその範囲で使用することができ、たとえば鉄金属触媒を用いた場合には、厚さが0.1nm以上100nm以下が好ましく、0.5nm以上5nm以下がさらに好ましく、1nm以上2nm以下が特に好ましい。
触媒の配置は、上記のような厚みで金属触媒を配置させる方法であればスパッタ蒸着等適宜の方法を用いることができる。
CVD法における成長反応時の温度は、反応圧力、金属触媒、原料炭素源等を考慮することにより適宜定められる。
この出願の発明の方法では、触媒を基板上に配置して基板面に垂直に配向した複数のカーボンナノチューブを成長させることができる。この場合、基板としては、これまでカーボンナノチューブが製造されたものであれば適宜のものが使用可能であるが、たとえば以下のようなものを挙げることができる。
(1)鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、銀、金、白金、ニオブ、タンタル、鉛、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、インジウム、燐、アンチモン等の金属・半導体;これらの合金;これらの金属および合金の酸化物
(2)上記した金属、合金、酸化物の薄膜、シート、板、パウダーおよび多孔質材料
(3)シリコン、石英、ガラス、マイカ、グラファイト、ダイアモンド)などの非金属、セラミックス;これらのウェハ、薄膜
触媒のパターニング法としては、直接的または間接的に触媒金属をパターニングできる手法であれば適宜の手法を使用することができ、ウェットプロセスでもよくドライプロセスでもよく、たとえば、マスクを用いたパターニング、ナノインプリンティングを用いたパターニング、ソフトリソグラフィーを用いたパターニング、印刷を用いたパターニング、メッキを用いたパターニング、スクリーン印刷を用いたパターニング、リソグラフィーを用いたパターニングの他、上記のいずれかの手法を用いて、基板上に触媒が選択的に吸着する他の材料をパターニングさせ、他の材料に触媒を選択吸着させ、パターンを作成する方法でもよい。好適な手法は、リソグラフィーを用いたパターニング、マスクを用いた金属蒸着フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、マスクを用いた電子ビーム蒸着法による触媒金属パターニング、マスクを用いたスパッタ法による触媒金属パターニングである。
また、この出願の発明の方法では、非特許文献1に記載されている反応雰囲気中に水蒸気等の酸化剤を添加して多量の配向単層カーボンナノチューブを成長させるようにしてもよい。もちろん、この方法に限定されず、各種の方法を用いてもかまわない。
以上のようにして、液体にさらして乾燥させる処理を行う前の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を得ることができる。
この配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を基板から剥離する場合、剥離方法としては、物理的、化学的あるいは機械的に基板上から剥離する方法があり、たとえば電場、磁場、遠心力、表面張力を用いて剥離する方法;機械的に直接、基板より剥ぎ取る方法;圧力、熱を用いて基板より剥離する方法などが使用可能である。簡単な剥離法としては、ピンセットで直接基板より、つまみ、剥離させる方法がある。より好適には、カッターブレードなどの薄い刃物を使用して基板より切り離すこともできる。またさらには、真空ポンプ、掃除機を用い、基板上より吸引し、剥ぎ取ることも可能である。また、剥離後、触媒は基板上に残余し、新たにそれを利用してカーボンナノチューブを成長させることが可能となる。もちろん、基板上に配向カーボンナノチューブ・バルク構造体が形成された状態で次の処理に入ることもできる。
この出願の発明の方法では、上記のようにして作製した複数の配向したカーボンナノチューブの一部を液体にさらした後、乾燥させることにより目的の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を得る。得られる構造体の形状は、液体にさらす前の配向カーボンナノチューブ・バルクの集合体の形状や、液体にさらす開始点、さらす液体の量、成形型の使用等により、それぞれ特徴のある各種形状に制御することができる。
ここで複数の配向したカーボンナノチューブをさらす液体としては、カーボンナノチューブと親和性があり、カーボンナノチューブを湿潤状態とした後、乾燥させたときに残留しないものを使用することが好ましい。このような液体としては、たとえば水、アルコール類(イソプロパノール、エタノール、メタノール)、アセトン類(アセトン)、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサン、DMF(ジメチルホルムアミド)等を用いることができる。
複数の配向したカーボンナノチューブの一部を上記の液体にさらす方法としては、たとえば配向カーボンナノチューブ集合体の上部表面に液滴を少しずつたらし、最終的には配向カーボンナノチューブ集合体の所要部分が水滴に含有されるまでその操作を繰り返す、ピペット等を用いて、基板表面を液体で濡らし、配向カーボンナノチューブ集合体が基板と接する点から液体を含浸、配向カーボンナノチューブ集合体の一部を液中に浸す、液体を蒸発させ、蒸気を配向カーボンナノチューブ集合体の一部を、方向性をもって晒す、霧吹き等を用いて、配向カーボンナノチューブ集合体の一部に液体を晒す方法等を用いることができる。また、液体にさらした後に乾燥させる方法としては、たとえば室温下で自然乾燥、真空に引き乾燥、または、ホットプレートなどで加熱する方法等を用いることができる。
複数の配向したカーボンナノチューブの一部を液体にさらすと、これらの部分は少し収縮し、乾燥させるときにかなり収縮して、高密度部分を有するパターニングされた配向カーボンナノチューブ・バルク構造体となる。この場合、収縮には異方性があり、たとえば一例を図8に示す。図8には、左側に非特許文献1の方法で作製した配向カーボンナノチューブ・バルク集合体、右側にその配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を水にさらした後に乾燥させて構造体(高密度部分に相当)としたものが示されている。配向方向がz方向、配向方向に垂直な面内にx方向、y方向が規定されている。収縮のイメージを図9に示す。さらには、溶液に晒す際に弱い外部圧力をかけることにより、配向カーボンナノチューブ・バルク集合体の形状を制御して構造体とすることが可能である。たとえば、配向方向に垂直なx方向から弱い圧力をかけながら溶液含浸、乾燥をおこなうと主にx方向に収縮した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分が得られる。同様に配向方向zから斜めに弱い圧力をかけながら溶液含浸、乾燥をおこなうと主にz方向に収縮した薄膜状の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分が得られる。上記プロセスは、配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を成長させた基板から取り除いた、別の基板上で行うこともでき、その場合、任意の基板と、高い密着性を持たせた配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を作ることが可能である。たとえば金属上で薄膜状の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を作成した場合、高い導電性が、設置した金属電極との間で得られ、例えばヒーター、キャパシター電極などの導電性材料としての用途に好適に利用できる。この場合圧力はピンセットでつまむ程度の弱い力でよく、カーボンナノチューブにダメージを与えない。また、圧力のみではカーボンナノチューブにダメージを与えないで、同等の収縮率を持たせて圧縮することはできず、溶液を使うことは好適な配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を作るうえで非常に大事である。
また、複数の配向したカーボンナノチューブの一部を水にさらした後に乾燥させて、高密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を作製したものにおける高密度部分のラマン測定データを図10に一例として示す。この図から、乾燥後には水が残留していないことがわかる。
次に、高密度部分と低密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体のいくつかの作製例について説明する。
図9にも示したように、成長直後の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体の一部を液体にさらした後、乾燥させると、その部分は収縮を起こし、たとえば液体をさらす前の密度の約20倍程度の高密度部分になることが分かっている。また、同じ形状の配向カーボンナノチューブ集合体でも液体にさらす開始点を変えると全く異なった形状となることも分かっている。また、収縮は液体にさらす前の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体のアスペクト比(縦横比)や表面の存在や形状にも依存する。さらに、小さいアスペクト比の柱状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体は液体にさらした後、乾燥させるとその軸に沿った空洞を形成する。大きなアスペクト比の柱状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体は収縮の開始位置等に極端に影響がある。これらの種々の条件を考慮すると、高密度部分と低密度部分を有する任意の形状の配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を作製することができる。
図11にいくつかの形状例を示す。
(a):触媒を円形にパターニングし、カーボンナノチューブの成長を行い、基板上でピラー構造状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を合成する。その際、配向カーボンナノチューブ・バルク集合体と基板の密着度が低いように合成を行う。配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を成長させた、基板表面を極微量の液体で濡らし、配向カーボンナノチューブ集合体が基板と接する点から液体を含浸させ、下部を収縮させ、高密度化する。その際、与える液体の量を制御し、上部は成長後の低密度の状態を保持させる。基板と配向カーボンナノチューブ・バルク集合体の相互作用が弱いため、収縮時に配向カーボンナノチューブ・バルク集合体が基板からはがれ、バルーン状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体が構造体化して形成される。
(b):触媒を円形にパターニングし、カーボンナノチューブの成長を行い、基板上でピラー構造状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を合成する。その際、配向カーボンナノチューブ・バルク集合体と基板の密着度が高いように合成を行う。配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を成長させた、基板表面を極微量の液体で濡らし、配向カーボンナノチューブ集合体が基板と接する点から液体を含浸させ、下部を収縮させ、高密度化する。その際、与える液体の量を制御し、上部は成長後の低密度の状態を保持させる。基板と配向カーボンナノチューブ・バルク集合体の相互作用が強いため、収縮時においても配向カーボンナノチューブ・バルク集合体が基板に保持され、臼状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体が構造体化して形成される。
(c):(b)と同じ操作を、角型状の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体に対しておこなうことにより形成される。
(d):配向カーボンナノチューブ集合体をピンセットを用いて基板から剥離、手、およびピンセットを用いて、長手方向に配向方向がそろうように劈開することにより、形状を棒状に加工して、棒の下部をピンセットでつまみ、ピンセットでつまんだ部位にごく微量の水分を晒し、水分に晒された一部のみを収縮、高密度化させ、170℃に温度保持させたホットプレート上に置くことにより乾燥させる。
次に、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の応用例をいくつか例示するが、もちろんこれらに限定されない。。
<1>CNTブラシ(刷毛)
<2>整流子の接点
<3>整流子の軸
この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分は従来の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体ないし構造体に比べて密度が著しく大きく且つ硬度も大きい。高密度部分と低密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体は、高密度部分と低密度部分がそれぞれ超高純度、超熱伝導性、高比表面積、優れた電子・電気的特性、光学特性、超機械的強度、超高密度などの様々な物性・特性を有することから、上記以外にも種々の技術分野に応用することができる。
以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によってこの出願の発明が限定されることはない。
〔実施例1〕CNTブラシ(刷毛)
以下の条件において、CVD法により配向カーボンナノチューブ集合体を成長させた。
炭素化合物 :エチレン;供給速度100sccm
雰囲気(ガス)(Pa):ヘリウム、水素混合ガス;供給速度1000sccm
圧力1大気圧
水蒸気添加量(ppm):150ppm
反応温度(℃):750℃
反応時間(分):10分
金属触媒(存在量):鉄薄膜;厚さ1nm
基板:シリコンウェハー
なお、基板上への触媒の配置はスパッタ蒸着装置を用い、厚さ1nmの鉄金属を蒸着することにより行った。
次に、上記で作製した配向カーボンナノチューブ集合体をピンセットを用いて基板から剥離、手、およびピンセットを用いて、長手方向に配向方向がそろうように劈開することにより、形状を棒状に加工して、棒の下部をピンセットでつまんだ。ピンセットでつまんだ部位にごく微量の水分を晒し、水分に晒された一部のみを収縮、高密度化させ、170℃に温度保持させたホットプレート上に置くことにより乾燥させ、図12に示すように、高密度部分が取っ手部分で、水にさらさなかったところが低密度部分の刷毛先であり、両部分が界面で一体構造を保持したまま結合している、この出願の発明に係る配向カーボンナノチューブ・バルク構造体よりなるCNTブラシ(刷毛)を得た。
得られた配向カーボンナノチューブ・バルク構造体(CNTブラシ)における高密度部分(取っ手)と低密度部分(刷毛先)の特性を、比較して表1に示す。

また、実施例1の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体の純度は99.98%であった。
次に、図13に示すイメージの、実施例1のCNTブラシ(刷毛)と窒化シリコンボールとの摩擦特性について調べてみた。摩擦特性の測定対象は金、高配向熱分解黒鉛(HOPG)、配向カーボンナノチューブ・バルクシート(高密度)とした。その結果を図14に示す。この図から、実施例1のCNTブラシの低摩耗性が確認された。
〔実施例2〕モーター用電気接点(ブラシ)
実施例1において、成長直後の配向カーボンナノチューブ・バルク集合体を配向方向が長手方向になるように短冊状の形状にカットし、その中央部付近を水にさらした後、乾燥させ、図15に示すような形状の整流子を形成した。この整流子は4つの扇型状の部分からなり、各扇型状部分のうち中心側は高密度部分、周辺側は低密度部分になっており、図16のような構成でテストを行ったところ、銅整流子と低摩擦の良好な接触を行う電気接点の役割を行うことが確認された。ちなみに高密度部分の密度は0.5g/cm、低密度部分の密度は0.03g/cmであった。また、CNTモーター用電気接点は軸の役割も行うことができる。
配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の電子顕微鏡(SEM)写真像を示す図である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分のX線回折データを示す図である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分に配向方向に垂直な方向からX線を照射した場合の低角度のX線回折データ例を示す図である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の液体窒素吸脱着等温曲線である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の単位体積あたりの吸着量を示す図である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分の単体積あたりの吸着量と単位重量あたりの比表面積の関係を示す図である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の高密度部分のラマン分光の評価結果の一例を示す図である。 複数の配向カーボンナノチューブを液体にさらす前とさらして乾燥させた前後の様子を示す図である。 複数の配向カーボンナノチューブを液体にさらす前とさらして乾燥させた後での変化の様子を示すイメージ図である。 複数の配向カーボンナノチューブを水にさらして乾燥させた後のラマン測定データを示す図である。 配向カーボンナノチューブ・バルク構造体のいくつかの形状例を示す図である。 実施例1のCNTブラシ(刷毛)の構造を示す図である。 実施例1のCTNブラシ(刷毛)の摩擦特性を従来の窒化シリコンボールと比較する場合の概念図である。 実施例1のCTNブラシ(刷毛)の摩擦特性を従来の窒化シリコンボールと比較した結果を示す図である。 実施例2のモーター用電気接点を示す図である。 実施例2のモーター用電気接点を用いたテストの説明図である。

Claims (33)

  1. 複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向し、密度が0.3〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有することを特徴とする異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  2. 高密度部分と低密度部分の中間の密度部分を1又は複数有することを特徴とする請求項1に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  3. 高密度部分と低密度部分が規則的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  4. 高密度部分と低密度部分とその中間の密度部分が規則的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  5. 複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向し、密度が0.3〜1.5g/cmである最高密度部分と0.001〜0.2g/cmである最低密度部分との間で連続的又は段階的に変化していることを特徴とする異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  6. カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  7. カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  8. カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブと二層および三層以上のカーボンナノチューブが混在したものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  9. 蛍光X線で測定した純度が98%以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  10. 高密度部分の比表面積が600〜2600m/gであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  11. 高密度部分が未開口であり、比表面積が600〜1300m/gであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  12. 高密度部分が開口しており、比表面積が1300〜2600m/gであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  13. 高密度部分のメソポア径が1.0〜5.0nmであることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  14. 高密度部分のビッカース硬さが5〜100HVであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  15. 高密度部分が基板上に垂直配向もしくは水平配向していることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  16. 高密度部分が基板上に基板面に対して斜め方向に配向していることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  17. 高密度部分の配向方向とそれに垂直な方向で光学的特性、電気的特性、機械的特性および熱的特性の少なくともいずれかにおいて異方性を有することを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  18. 高密度部分のX線回折測定したときの配向方向とそれに垂直な方向の(100)、(110)、(002)ピークの強度比が、1:2〜1:100であることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  19. 高密度部分の形状が、薄膜であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  20. 高密度部分の形状が、断面が円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)の柱状であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  21. 高密度部分の形状が、ブロック状であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  22. 高密度部分の形状が、針状であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体。
  23. 請求項1から請求項22のいずれかの異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を製造する方法であって、金属触媒の存在下にカーボンナノチューブを化学気相成長(CVD)させる方法において、複数のカーボンナノチューブを配向成長させ、得られた複数のカーボンナノチューブの一部を水にさらして収縮を起こさせた後、乾燥させることにより、密度が0.3〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を製造することを特徴とする異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
  24. 収縮を起こさせる開始位置を異ならせることにより形状の相違した配向カーボンナノチューブ・バルク構造体を得ることを特徴とする請求項23に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
  25. 複数のカーボンナノチューブを収縮を起こさせた後、乾燥させる際に、異なる方向から異なる大きさの圧力を加えることを特徴とする請求項23または24に記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
  26. 成形型を用いて配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の形状を制御することを特徴とする請求項23から25のいずれかに記載の異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法。
  27. 複数のカーボンナノチューブが所定の方向に配向し、密度が0.3〜1.5g/cmである高密度部分と0.001〜0.2g/cmである低密度部分を有する、異なる密度部分を有する配向カーボンナノチューブ・バルク構造体より構成されていること特徴とする機能性製品。
  28. 高密度部分が軸状に形成され、その一端部から低密度部分が複数の毛状に広がっている清掃用刷毛であることを特徴とする請求項27に記載の機能性製品。
  29. モーターのブラシであることを特徴とする請求項27に記載の機能性製品。
  30. モーターの整流子であることを特徴とする請求項27に記載の機能性製品。
  31. モーターの電気接点であることを特徴とする請求項27に記載の機能性製品。
  32. 擦動部材を構成することを特徴とする請求項27に記載の機能性製品。
  33. 光学部材であることを特徴とする請求項27に記載の機能性製品。
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