JP4700547B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドルのオン/オフ操作に応じて各極の可動接点を固定接点にそれぞれ接離させる多極型の回路遮断器に関するものである。
従来より、ハンドルのオン/オフ操作に応じて各極の可動接点を固定接点にそれぞれ接離させる多極型の回路遮断器が提供されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に示される回路遮断器は3極型であり、そのうちの1極(中性線接続用)はハンドルのオン/オフ操作には連動せず、残りの2つの電圧極をハンドルのオン/オフ操作に連動して開閉できるようになっている。2つの電圧極は、可動接点および固定接点からなる接点部をハンドル操作に応じて接離する接点開閉機構が各極毎に別々の機構で構成されて、別々のケースに組み込まれており、各極のハンドルが連結部材を介して連結されている。また回路遮断器は、各電圧極毎に過電流を検出して接点部をトリップさせるトリップ機構を備えており、各極のトリップ機構を連動して動作させる連動機構を設けてある。而して、この回路遮断器では、連結部材を介して連結された各極のハンドルを操作することで、各極の接点部を連動してオン/オフさせることができる。また何れかの電圧極に過電流が流れて、トリップ機構がトリップ動作を行うと、連動機構により他の電圧極のトリップ機構が連動してトリップ動作を行うことで、全ての電圧極の接点部を強制的に開極させることができる。
しかしながら、この回路遮断器では各極毎に接点開閉機構を別々の機構で構成して、別々のケースに納めているので、各極の接点部を連動させるために、各極のハンドルを連結する連結部材や、各極のトリップ機構を連動させる連動機構が必要になり、部品点数が増加してコストアップを招くという問題があった。
そこで、本出願人は、1つの接点開閉機構で複数極の接点部を開閉させるようにした回路遮断器を提案している(例えば特願2005−154703号参照)。すなわち、1つのケースに各極の接点部をそれぞれ収納する収納室を複数設け、固定接点と、固定接点に接離する可動接点が設けられた可動接触子とを各収納室に収納するとともに、各収納室に跨って配置されたクロスバーに各極の可動接触子を保持させており、1つのハンドルのオン/オフ操作に応じてクロスバーを動作させることで、各極の可動接触子を駆動し、接点部を連動してオン/オフさせている。なおクロスバーには、可動接点が固定接点と接触した際に接圧を与える接圧ばねが設けられている。またクロスバーは開極ばねによって各極の接点部を開極する方向に付勢されている。また接点開閉機構は、後述のラッチ部材と係止することにより、ラッチ部材と係止する部位を支点として動作し、ハンドルのオン/オフ操作をクロスバーに伝達して接点部を接離させるリンク機構を備えている。ラッチ部材は、リンク機構と係止することによって、接圧ばね及び開極ばねによるリンク機構の均衡を崩す方向の勢力を蓄積した状態でリンク機構の均衡を保持している。そして、過電流遮断装置が、接点部に流れる過電流を検出すると、ラッチ部材を駆動してリンク機構との係止状態を解除することにより、リンク機構の均衡を崩して開極動作を行わせ、各極の接点部を強制的に開極させている。
特開平8−138517号公報(段落番号[0012]−[0019]、及び、第1図)
上述の回路遮断器では、1つのクロスバーに複数極の可動接点板を保持させ、1つの接点開閉機構がハンドル操作に応じてクロスバーを動作させることで、接点部を開閉しているため、各極の接点部に接圧を与える接圧ばねのばね力がクロスバーに加わることになり、また各極の接点部が開極する方向にクロスバーを付勢する開極ばねのばね力も大きくする必要があった。そのため、ラッチ部材とリンク機構とが係止している状態では、ラッチ部材に加わる接圧ばね及び開極ばねの勢力が大きくなり、過電流の発生時に過電流遮断装置がラッチ部材をリンク機構から引き外す動作を行う場合に、ラッチ部材が外れにくくなって、トリップ動作の妨げになる虞があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、過電流が流れた際にトリップ動作を行わせるためのラッチ部材を駆動しやすくした回路遮断器を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、各極の固定接点に接離する可動接点をそれぞれ具備した複数の可動接触子と、各可動接点が各固定接点に接触した際の接圧を付与する接圧ばねを各可動接触子との間に保持した状態で各可動接触子を支持し、各可動接触子を連動して動作させるクロスバーと、各極の可動接点が固定接点から開極する方向にクロスバーを付勢する開極ばねと、オン/オフ操作のためのハンドルをオン操作位置およびオフ操作位置の間で回動自在に支持するハンドル支持枠と、複数のリンクで構成され、ハンドルの回動動作をクロスバーに伝達することにより、ハンドルのオン/オフ操作に応じて可動接点を固定接点に接離させるリンク機構と、接圧ばね及び開極ばねによるリンク機構の均衡を崩す方向の勢力を蓄積した状態でリンク機構の均衡を保持するラッチ部材と、固定接点および可動接点間に過電流が流れるとラッチ部材を駆動してリンク機構の均衡を崩し、可動接点を固定接点から強制的に開極させる過電流遮断機構と、接圧ばね及び開極ばねによるリンク機構の均衡を崩す方向の勢力よりも弱い勢力であって、接圧ばね及び開極ばねによる勢力と反対方向にリンク機構を付勢する保持ばねとを備えて成ることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、リンク機構は、一端側をハンドルに連結すると共に他端側をクロスバーに連結したコ字型リンクと、コ字型リンクの他端側がハンドルのオン操作位置とオフ操作位置の間で移動可能な遊挿孔が形成されるとともに、ハンドル支持枠に回動自在に支持された第1のトリップリンクと、一方側が第1のトリップリンクに回動自在に支持されるとともに、他方側にラッチ部材と係止する係止部が設けられ、中間部にハンドル支持枠に支持された軸を遊挿させる長孔が形成された第2のトリップリンクとを備え、コ字型リンクの他端側を、クロスバーに設けた連結孔に挿通してあり、連結孔は、ハンドルのオン操作位置及びオフ操作位置では、ハンドルの操作でクロスバーを駆動可能な作動位置にコ字型リンクの他端側が位置し、過電流遮断機構が作動してリンク機構の均衡を崩した状態からオフ状態に移行するまでの間に、ハンドルの操作でクロスバーを駆動不可能なトリップ位置にコ字型リンクの他端側が位置し得るような形状に形成されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、保持ばねが、ハンドルの回動支点を回転軸とする捩りコイルばねからなり、捩りコイルばねの一端側を第1のトリップリンクに、他端側をコ字型リンクの一端側にそれぞれ係止させたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、第2のトリップリンクの係止部は、オフ状態ではラッチ部材と係止しておらず、ハンドルをオフ操作位置からオン操作位置に回転させる途中で、ラッチ部材と係止しており、捩りコイルばねは、ハンドルをオフ操作位置からオン操作位置に回転させる際に、係止部がラッチ部材と係止してからばね力が発生するように、捩りコイルばねの両端部と第1のトリップリンクおよびコ字型リンクとの間にクリアランスを設けたことを特徴とする。
ところで、回路遮断器の極数を増やすと、接圧ばねの数が増えて接圧ばねによるばね力が増加するため、接圧ばね及び開極ばねによるリンク機構の均衡を崩す方向の勢力が増加し、リンク機構の均衡を崩す方向にラッチ部材を駆動しにくくなるが、請求項1の発明によれば、保持ばねが、接圧ばね及び開極ばねによる勢力に比べて弱い勢力で、接圧ばね及び開極ばねによる勢力と反対方向にリンク機構を付勢しているので、過電流が流れた際にラッチ部材を駆動するのに必要な力を小さくして、ラッチ部材を駆動しやすくでき、確実にトリップ動作を行わせることができる。しかも、ラッチ部材を駆動しやすくするために、接圧ばねや開極ばねのばね力を弱める必要がないので、各極の可動接点が固定接点に接触した際に十分な接圧を付与できるとともに、過電流を検出して接点を強制開極する際に可動接点を固定接点から素早く開極させることができ、過電流発生時の遮断性能を低下させる虞もない。
また請求項2の発明によれば、ハンドルのオン操作位置およびオフ操作位置ではコ字型リンクの他端側が連結孔における作動位置に位置するので、ハンドルを回動させると、コ字型リンクの他端側でクロスバーを駆動して、可動接点を固定接点に接離させることができる。また、過電流遮断装置が、過電流を検出してラッチ部材を駆動すると、第2のトリップリンクの係止部がラッチ部材から外れて、クロスバーに連結されたコ字型リンクの他端側が連結孔におけるトリップ位置に移動するので、開極ばね及び接圧ばねのばね力によってクロスバーを開極方向へ移動させて、可動接点を固定接点から強制的に開極することができる。而して多極型でありながら、ハンドルにコ字型リンクのみを介してクロスバーを連結するだけで、複数極のオン/オフ操作およびトリップ動作を連動して行わせることができ、部品点数が少ない小型の回路遮断器を実現できる。
請求項3の発明によれば、ハンドルとともにハンドル支持枠に軸支され、一端側が第1のトリップリンクに、他端側がコ字型リンクの一端側にそれぞれ係止された捩りコイルばねで保持ばねを構成しているので、保持ばねを取り付ける作業を簡単に行うことができる。
さらに請求項4の発明によれば、ハンドルをオフ操作位置からオン操作位置に回転させる際に、捩りコイルばねによるばね力が最初から加わることがないので、ハンドルをオン操作する際に必要な力を低減することができる。
以下に本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りが無いかぎり、図5中の矢印a−bの方向を前後方向、矢印c−dの方向を左右方向、矢印e−fの方向を上下方向として説明を行う。
この回路遮断器の器体1は、図5〜図7に示すように上面が開口した電圧極収納部6と左側面が開口した中性極収納部(図示せず)とが左右方向に並べて設けられたボディ2と、電圧極収納部6の開口を塞ぐようにしてボディ2に取着される上カバー3と、中性極収納部の開口を塞ぐようにしてボディ2に取着される横カバー4と、ボディ2前部の下側角に設けた切欠部8を覆うようにしてボディ2に取着される下カバー5とで構成される。
電圧極収納部6には、図7に示すように内部を複数の隔壁で仕切ることによって複数(本実施形態では例えば3個)の収納室9が左右方向に並べて形成されており、各々の収納室9には前側部に電源側端子20aが、後側部に負荷側端子20bがそれぞれ収納されるとともに、各極の端子20a,20bの間に接点部30が電気的に接続されている(図1参照)。また電圧極収納部6には、ハンドル42の開閉操作に応じて各接点部30を連動して開閉させるための接点開閉機構40や、何れかの接点部30に異常電流が流れると各接点部30を連動して強制開極させる過電流遮断装置(電磁釈放装置50及び熱動釈放装置60)が収納されている。また中性極収納部には、図7に示すように電源側端子20c及び負荷側端子20dが前後方向の両側に収納されるとともに、地絡などによる異常電流を検知すると過電流遮断装置を動作させて電圧極側および中性極側の接点部を強制開極させる漏電遮断機構(図示せず)が収納されている。
ここで、電圧極収納部6に収納される電圧極側の構成について図1、図6及び図7を参照して説明する。各収納室9の前後方向の両端部には電源側端子20aおよび負荷側端子20bが配置されている。負荷側端子20bには熱動釈放装置60を構成するバイメタル61の一端部を固着した端子板29aが電気的に接続され、電源側端子20aには固定接点30aを備えた端子板29bが電気的に接続されている。固定接点30aは、可動接触子22に設けた可動接点30bとともに接点部30を構成し、可動接触子22は後述する接点開閉機構40の開閉動作に応じて固定接点30aに対して接離する。可動接触子22は、編組線よりなる接続線23aを介して、後述する電磁釈放装置50のコイル51の一端に電気的に接続されており、コイル51の他端は編組線よりなる接続線23bを介してバイメタル61の中間部に接続される。而して接点部30が閉極すると、電源側端子20a→接点部30→コイル51→バイメタル61→負荷側端子20bの経路で電流の流れる主電路が形成される。また、端子板29bにおいて固定接点30aよりも下側の部位は斜め下向きに突出して、導電板よりなるアーク走行板71の一部が重ねられている。アーク走行板71は、U字型のヨーク52の中央片の下側まで延長形成されており、ヨーク52の中央片とアーク走行板71との間には、開極時に発生するアークを消弧するための消弧グリッド72が配置されている。
接点開閉機構40は、板金に抜き加工および曲げ加工を施すことによって断面形状が逆U字型に形成され、中央の収納室9の上側に配置されるハンドル支持枠41を有し、このハンドル支持枠41にはハンドル42が回動自在に枢支されている(図1、図6及び図7参照)。ハンドル42は、図9に示すように略円柱状の回動体42aと、この回動体42aの周面に突設された矩形板状の突出片42bとを一体に備えている。ハンドル42は、ハンドル支持枠41の上面の切欠41aから突出片42bを上方に突出させた状態で、ハンドル支持枠41の左右両側壁の軸孔(図示せず)と回動体42aの中心に設けた軸孔42cとにハンドル軸43aを通すことによって、ハンドル支持枠41に回動自在に枢支されている。また回動体42aの下部には連結孔42eが形成され、この連結孔42eにはコ字型リンク11の一方の脚片11aを挿通させている。
なお電圧極収納部6の開口に取着される上カバー3の上面には図5に示すようにハンドル挿通孔3aが開口しており、このハンドル挿通孔3aを通して、ハンドル42の突出片42bが外部に突出する。この状態では、突出片42bがハンドル挿通孔3aの中で移動できる範囲で、ハンドル42がハンドル軸43aの回りに回動自在となっている。またハンドル挿通孔3aを通して外部に突出する突出片42bには、突出片42bよりも幅広に形成されたキャップ70が被着される。突出片42bには厚み方向の両側面に幅方向に伸びる溝42dが形成されており、突出片42bの先端部の断面形状が略T字状に形成されている。一方、キャップ70にはT字型のほぞ穴70aが形成されており、突出片42bの先端部をほぞ穴70aに係入させることで、キャップ70が突出片42bと結合されるようになっている。このように突出片42bに、突出片42bよりも幅広のキャップ70を取り付けることで操作性が向上するとともに、突出片42bを挿通させるために設けたハンドル挿通孔3aはキャップ70よりも幅狭にできるので、絶縁性を高めることができる。
またハンドル支持枠41には、図1及び図6に示すように各可動接触子22の上部を支持し、各可動接触子22を連動して動作させるクロスバー44が回動自在に取着されている。クロスバー44には、ハンドル支持枠41の左側壁の内側面に近接する部位から、後方に突出する連結片44eが形成されており、この連結片44eにはコ字型リンク11の他方の脚片11bが挿通される連結孔44dが開口している。連結孔44dは、長孔形状であって前側の端部が斜め下側に突出して略へ字状に形成されており、図1及び図2に示すようにコ字型リンク11の他方の脚片11bが連結孔44d内の後側端(この位置を作動位置と言う)に位置する場合は、ハンドル42の回動操作に応じてコ字形リンク11の脚片11bが連結孔44dの孔縁を押圧することでクロスバー44を回転させることができる。また、図3に示すようにコ字型リンク11の脚片11bが連結孔44d内の前側端(この位置をトリップ位置と言う)に位置する場合は、ハンドル42の回動操作によってクロスバー44を操作することができないため、接圧ばね46や開極ばね48の勢力を受けて、クロスバー44が開極方向に回動する。ハンドル42のオン操作位置およびオフ操作位置では、コ字型リンク11の他端11が連結孔44d内の作動位置に移動しており、この状態でハンドル42を回動させると、回動体42aの回動動作がリンク機構10(コ字型リンク11)を介してクロスバー44に伝えられ、クロスバー44が回動する。
各可動接触子22は下端部を略へ字型に折曲することで可動接点30bが形成されるとともに、上端部を略Z字型に折曲することでばね受け片22aを形成してあり、ばね受け片22aをクロスバー44の各ばね受け凹所44aに収めてある。クロスバー44には、各ばね受け凹所44aの内面に対向して各ばね受け凹所44aの内面と略平行なストッパ片44bがそれぞれ形成されており、各極の可動接触子22のばね受け片22aとストッパ片44bとの間にコイルスプリングよりなる接圧ばね46をそれぞれ収めてある。またクロスバー44には、各可動接触子22におけるばね受け片22aと可動接点30bとの間の部位に当接する支点突起44cが突設されており、接圧ばね46が可動接触子22の上端部を図1中左側に付勢することで、可動接触子22の下端部、すなわち可動接点30bが図中右側に付勢されている。またハンドル支持枠41の左右両側壁に両端部が支持された軸43bを、捩りコイルばねよりなる開極ばね49の中心孔に挿通して、開極ばね49の一端側をハンドル支持枠41の上面に当接させるとともに、他端側をクロスバー44の上面に当接させており、この開極ばね49によってクロスバー44が開極方向に付勢されている。
またリンク機構10は、コ字型リンク11と第1のトリップリンク12と第2のトリップリンク13とで構成され、ハンドル42の回動動作をクロスバー44に伝達するようになっている。コ字型リンク11は略コ字型に形成され、一方の脚片11aをハンドル42の回動体42aに設けた連結孔42eに、他方の脚片11bをクロスバー44の連結孔44dにそれぞれ挿通させている。第1のトリップリンク12は、板金に抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成され、略Y字状であって二股に分かれた先端部分を連結することでコ字型リンク11の他方の脚片が遊挿される遊挿孔12cが形成され、縦棒部分の基部が軸43bに枢支された一対の回動片12aと、両回動片12aの二股に分かれた先端部分の片側縁間を連結する連結片12bとを一体に備えている。また第2のトリップリンク13は、中央片の両側縁から一方向に側片が突出した形状に形成されており、両側片にはハンドル支持枠41の両側壁に両端部が保持された軸43cを挿通させる長孔13aが長手方向の中間部に貫設されている。また第2のトリップリンク13の両側片は、長手方向の一端側で第1のトリップリンク12に設けた軸13bに軸支されるとともに、長手方向の他端側に後述するラッチ板47(ラッチ部材)の係止突片47bに係止する係止凹部13c(係止部)が設けてある。そして本実施形態では、ハンドル42を枢支するハンドル軸43aを、捩りコイルばねよりなる保持ばね58の中心孔に挿通することで、保持ばね58がハンドル軸43aに保持されており、オン状態では保持ばね58の一端側をコ字型リンク11の一端側(脚片11a)に係止させるとともに、他端側を第1のトリップリンク12の連結片12bに係止させており、保持ばね58の両端部を拡開させるような勢力が作用する。この保持ばね58のばね力は、接圧ばね46及び開極ばね48によるリンク機構10の均衡を崩す方向の勢力よりも弱い勢力に設定されており、接圧ばね46及び開極ばね48による勢力と反対方向にリンク機構10を付勢している。
ここで、第2のトリップリンク13の係止凹部13cがラッチ板47の係止突片47bと係止している状態、つまりラッチ板47がラッチされている状態では、接圧ばね46及び開極ばね49によるリンク機構10の均衡を崩す方向の勢力(実際には保持ばね58による反対方向のばね力を減じた勢力)を蓄積した状態でリンク機構10の均衡が保持されており、ハンドル42のオン操作位置及びオフ操作位置では、コ字型リンク11の他端側が連結孔44d内でハンドル42の操作によってクロスバー44を駆動可能な作動位置に位置するようになっている。一方、過電流遮断機構の作動によりラッチ板47の係止突片47bと第2のトリップリンク13との係止が外れると、リンク機構10の均衡が崩され、その直後にコ字型リンク11の他端側が連結孔44d内で、ハンドル42の操作によってクロスバー44を駆動不可能なトリップ位置に移動した後、接圧ばね46及び開極ばね49の勢力によりクロスバー44が開極方向に回転する。そして、接点が強制開極されると、コ字型リンク11の他端側が連結孔44d内で上述の作動位置に移動し、その後ハンドル42を用いて投入動作を行うと、ハンドル42のオン操作に応じてクロスバー44が回動して可動接点30bが固定接点30aに接触するようになっている。
また更に、ハンドル支持枠41には、図1及び図6に示すように各々のバイメタル61に対向配置される3本のラッチ板47が回動自在に支持されている。各ラッチ板47は帯板状に形成され、バイメタル61と反対側の面の中間部に軸受部47aが突設されており、軸受部47aの軸孔に通した連結ピン48を介して一体に連結されている。また中央のラッチ板47には、バイメタル61と反対側の面の中間部から略垂直な方向に突出する係止突片47bが突設されている。各ラッチ板47は、ハンドル支持枠41の左右両側壁に設けた支持溝41cに連結ピン48を枢支させることによって、ハンドル支持枠41に対して回動自在に取着されており(図6参照)、ラッチ板47が連結ピン48を中心として図1中右回りに回転すると、第2のトリップリンク13の係止凹部13cと係止突片47bとの係止状態が解除されるようになっている。なおラッチ板47の上端部は復帰ばね59によってバイメタル61側へ付勢されている。復帰ばね59は、ハンドル支持枠41に設けた軸43dが中心に通された捩りコイルばねからなり、復帰ばね59の一端側がハンドル支持枠41の上面に、他端側がラッチ板47の上部にそれぞれ当接している。
そして、ラッチ板47の係止突片47bが第2のトリップリンク13の係止凹部13cと係止している状態では、つまりラッチ板47により第2のトリップリンク13をラッチしている状態では、ハンドル42の回動操作がリンク機構10を介してクロスバー44に伝達されるので、クロスバー44が回動駆動されて、接点部30を接離できるようになっている。一方、ラッチ板47によるラッチが外れると、ハンドル42が付勢ばね(図示せず)の付勢力によってオフ位置まで回動するとともに、クロスバー44が回動駆動されて、接点部30が開極する。ラッチ板47によるラッチが外れて接点部30が開極した後は、図2に示すオフ状態に戻り、その後のハンドル操作に応じて接点部30を開閉することが可能になる。
ここで、図2に示すオフ状態では、コ字型リンク11の他端側が連結孔44d内の作動位置に移動しているので、図1に示すようにハンドル42を右回りに一杯まで回転させると、ハンドル42の回転動作がコ字型リンク11を介してクロスバー44に伝えられ、クロスバー44が左回りに回動駆動されて、可動接触子22の可動接点30bが固定接点30aに接触する(閉極状態)。この時、コ字型リンク11の一方の脚片11aが、他方の脚片11bとハンドル軸43aを結ぶ線分を越えて反対側(図1中の左側)に移動するので、接圧ばね46及び開極ばね49のばね力によりハンドル42を右回りに付勢する力が発生し、ハンドル42がオン位置を保持する。
また図1に示すオン操作位置ではコ字型リンク11の他端側(脚片11b)が連結孔44d内の作動位置に移動しており、この状態から図2に示すようにハンドル42を左回りに回転させると、ハンドル42の回転動作がコ字型リンク11を介してクロスバー44に伝えられ、クロスバー44が右回りに回動駆動されて、可動接触子22の可動接点30bが固定接点30aから解離する(開極状態)。ハンドル42をオフ方向へ回転させる際に、コ字型リンク11の脚片11aが、脚片11bとハンドル軸43aを結ぶ線分を越えて反対側(図2中の右側)に移動すると、接圧ばね46及び開極ばね49のばね力によりハンドル42を左回りに付勢する力が発生するので、ハンドル42がオフ方向に回転させられて、オフ位置を保持する。
以上説明したようにハンドル支持枠41、リンク機構10、ラッチ板47などから、ハンドル42の開閉操作に応じて接点部30を開閉する接点開閉機構40が構成され、接点部30の閉極状態において上記の接点部30に短絡電流や過負荷電流などの異常な電流が流れたときには、電磁釈放装置50或いは熱動釈放装置60の作動により接点部30を強制的に開極させるようになっている。
電磁釈放装置50は、図1に示すように磁性材料により略U字型に形成されたヨーク52を備え、ヨーク52の内側にコイル51を収めてある。コイル51は絶縁材料により円筒状に形成されたコイル筒53の外周に巻装されている。コイル筒53の軸方向一端側(図1中左側)は開口しており、この開口部に固定鉄芯54が取着されている。またコイル筒53の内部には軸方向に移動自在となるように可動鉄芯(図示せず)が納装されており、可動鉄芯と固定鉄芯54との間にはコイルスプリングからなる復帰ばね56が介装され、可動鉄芯は復帰ばね56のばね力を受けて図中右方向に付勢されている。可動鉄芯には、軸方向の一端面(固定鉄芯54と反対側の面)に引掛ピン55が一体に設けられ、他端面には押圧ピン57が固着されている。引掛ピン55は、コイル筒53の軸方向他端側の端面に設けた透孔を通して外部に突出しており、その先端部には引掛ピン55の他の部位よりも大径の引掛ヘッド55aが形成されている。また、押圧ピン57は、固定鉄芯54とヨーク52とにそれぞれ設けた貫通孔に挿通され、ヨーク52から外部へ突出できるようになっている。
電磁釈放装置50は以上のような構成を有しており、コイル51に通電すると、固定鉄芯54−ヨーク52−可動鉄芯−固定鉄芯54を通る磁路の磁気抵抗を小さくするように可動鉄芯に対して固定鉄芯54との間で吸引力が作用するのであって、コイル51への通過電流が負荷の短絡時のような過大な電流であると、復帰ばね56のばね力に抗して可動鉄芯が固定鉄芯54に近付くように移動する。したがって、このように作動したときに電磁釈放装置50に開極動作を行わせることで、閉極状態の接点部30を強制的に開極させることができるのであって、接点開閉機構40とは以下のように結合されている。
すなわち、図1及び図6に示すように可動鉄芯に設けた引掛ピン55の先端部が、可動接触子22における可動接点30bとばね受け片22aとの間の部位に形成された引掛孔22bに挿通されており、コイル51への励磁によって可動鉄芯が固定鉄芯54に近付くように吸引されたときには、引掛ピン55の先端の引掛ヘッド55aが引掛孔22bの周部に係止されて可動接触子22を固定接点30aから引き離す向きに引張るようになっている。なお引掛孔22bは、引掛ヘッド55aよりも小径の係止孔と、引掛ヘッド55aよりも大径の導入孔とを連続させた形状(所謂だるま孔)に形成されており、組立時には導入孔に引掛ヘッド55aを通した後、引掛ピン55を係止孔に導入することで、係止孔の周部に引掛ヘッド55aが係止されるから、可動接触子22に電磁釈放装置50を容易に結合できる。また、可動鉄芯に固着された押圧ピン57の先端はラッチ板47の下側端に対向するように位置し、可動鉄芯が固定鉄芯54に吸引されて移動すると、押圧ピン57がラッチ板47の下端部を図1中左側に押圧し、ラッチ板47を連結ピン48の回りで図1中右回りに回転させ、第2のトリップリンク13との係止状態を解除させるようになっている。
一方、熱動釈放装置60は、上述したようにバイメタル61を備え、バイメタル61の下端部は端子板29aに固着され、上端部にはバイメタル61の湾曲方向に挿通された調整ねじ62が螺合する。調整ねじ62はラッチ板47の上端部に対向し、主電路を流れる過大な電流によってバイメタル61が湾曲したときには調整ねじ62の先端部でラッチ板47を押圧することにより、ラッチ板47を連結ピン48の回りで図1中右回りに回転させ、第2のトリップリンク13との係止状態を解除させるようになっている。
ところで、バイメタル61は、通過電流に対する湾曲の程度(動作感度)が、バイメタル61の素材のばらつきや接続線23bの接続位置などによって変化するから、熱動釈放装置60の動作感度(すなわち、熱動釈放装置60が作動するときの主電路の通過電流)がばらつかないようにするには、バイメタル61からラッチ板47側への調整ねじ62の突出量を調整することが必要になる。そこで、上カバー3にはバイメタル61に螺合した調整ねじ62の近傍に調整用窓3bを形成してあり、この調整用窓3bに図6に示す蓋63を着脱自在に取り付けてある。而して組立後には蓋63を外し、調整用窓3bを開放した状態として調整ねじ62を操作するのである。尚、調整ねじ62を一旦調節した後には調整ねじ62を操作する必要がないから、調整用窓3bを蓋63で閉塞して、調整ねじ62を不用意に操作したり、塵埃などの異物が器体1内に侵入するのを防止している。
また電源側端子20aと負荷側端子20bとは、それぞれ導電性を有する板金を折曲して断面略ロ字型に形成した端子金具27と、端子金具27の上片に螺挿した引締めねじ28と、引締めねじ28の下端に当接する端子板21とで構成される。各端子金具27は、器体1に形成された水平断面角形の端子収納室32に上下に移動可能となるように収納されている。すなわち端子収納室32は端子金具27よりも高さ寸法が大きく、かつ端子金具27は端子収納室32で回り止めされて上下方向にのみ移動可能となっている。また、端子収納室32の上壁には引締めねじ28の頭部が通り抜けることのない程度の直径を有したねじ操作孔33が形成されている。而して、ねじ操作孔33にドライバの先端部などを挿入して引締めねじ28を回転させると、引締めねじ28の回転方向に応じて端子金具27が上下に移動するのであって、端子金具27の下片と端子板21との距離を変えることができる。すなわち、端子収納室32の下壁と端子板21との間の部位に対応して器体1の周壁に貫設された接続用孔34を通して電線やブスバーのような配線部材を挿入した後に、引締めねじ28を回転させて端子金具27の下片を端子板21に近付けることで、配線部材を端子金具27の下片と端子板21との間に挟持させ、配線部材との電気的接続を行うようになっている。
本実施形態の回路遮断器は以上のような構造を有しており、電圧極側の電圧極収納部6の内部を隔壁で仕切ることによって複数の収納室9を一方向に並べて形成してあり、外部より電圧極収納部6の上面の開口を通して各々の収納室9に各極の電圧極側接点部30と電圧極側入出力端子(電源側端子20aおよび負荷側端子20b)とを収納し、各収納室9に跨るようにして接点開閉装置40及び過電流遮断装置を配設した後、電圧極収納部6の開口に上カバー3を取着することによって組立が行われるので、各極の接点部30と電圧側入出力端子(端子20a,20b)とを別個の器体に組み込んだ後で各々の器体を連結する場合に比べて、組立の手間が少なく、組立作業性を向上させた回路遮断器を実現できる。しかもボディ2には、複数極の電圧極側接点部30を収納する電圧極収納部6と、接地極側接点部を収納する中性極収納部とが各収納室9の配列方向に並べて横並びに設けられており、電圧極側の回路と接地極側の回路を別々の器体に収納する場合に比べて、ボディ2の製造に必要な材料が少なくて済み、材料費を低減できる。
次にこの回路遮断器の動作について説明する。図1は電圧極側の接点部30の閉極状態を示し、ハンドル42のキャップ70をハンドル軸43aの回りで右方向に倒してある。この時、ラッチ板47は復帰ばね59のばね力によって連結ピン48の回りで図中左回りに付勢され、バイメタル61に設けた調整ねじ62の先端にラッチ板47の上端部が対向した状態に保たれるとともに、ラッチ板47が、接圧ばね46及び開極ばね49によるリンク機構10の均衡を崩す方向の勢力から保持ばね58による反対方向のばね力を減じた勢力を蓄積した状態で第2のトリップリンク13と係止することでリンク機構10の均衡を保持している。またクロスバー44が左回りに回動して、クロスバー44に保持された各可動接触子22の可動接点30bが固定接点30aに接触している。
一方、図2に示すように、ハンドル42のキャップ70をハンドル軸43aの回りで図中左側に倒すと接点部30は開極状態になる。すなわち、ハンドル42をハンドル軸43aの回りで左回りに回転させることにより、ハンドル42の回転動作がコ字型リンク11を介してクロスバー44に伝達されて、クロスバー44が図中右回りに回転し、クロスバー44に保持された各可動接触子22の可動接点30bが固定接点30aから解離するのである。すなわちハンドル42の開閉操作によって電圧極側の各極の接点部30が開閉されるのである。なおオフ操作状態においては、ラッチ板47の係止突片47bが第2のトリップリンク13から開離している。またハンドル42の開閉操作によって接地極側の接点部(図示せず)も連動して開閉されるようになっている。
ところで、図1に示した閉極状態において、過負荷状態になってバイメタル61に過大な電流が流れてバイメタル61が湾曲すると、図3に破線で示すようにバイメタル61に螺合した調整ねじ62によってラッチ板47の上端部が図中右側に押圧される。また、負荷側での短絡などによりコイル51に過大な電流が流れて可動鉄芯が固定鉄芯54に吸引されると、ラッチ板47の下端部が可動鉄芯に取着された押圧ピン57によって図中左側に押圧される。あるいはまた、負荷側で漏電が生じると、接地極側に設けた漏電遮断機構が接地極の接点を開極させるとともに、図7及び図8に示す連動レバー80を図8中の下向きに移動させて、ラッチ板47の上端部を図1中の右側に押圧する。いずれの場合もラッチ板47は連結ピン48を中心として図1中の右回りに回転することになり、ラッチ板47と第2のトリップリンク13との係止状態が解除される。この時、リンク機構10の平衡が崩れて、コ字型リンク11の他端側が、連結孔44d内において、ハンドル42の操作でクロスバー44を駆動不可能なトリップ位置に位置するので、接圧ばね46及び開極ばね49の勢力によってクロスバー44が図1中の右回りに回動し、接点部30が開極されるのである。なお図3はラッチ板47が回転して、トリップ動作が行われた直後の状態を示している。
トリップ動作によってラッチ状態が解除されて接点部30が開極すると、ハンドル42はハンドル軸43aの回りで自由に回転できるようになるから、付勢ばねのばね力によってハンドル42がオフ位置に復帰する。また、このとき接点部30の開極によって電磁釈放装置50、熱動釈放装置60のいずれも元の状態に復帰するから、トリップ動作が行われた後はハンドル42を操作してオフ状態に切り替えたときと同様の状態に戻ることになり、その後ハンドル42を用いてオン操作を行うと接点部30を閉極させることができる。
以上説明したように本実施形態の回路遮断器では、1つの接点開閉機構40により複数極の接点部30の開閉を行うことができるのであるが、回路遮断器の極数を増やすと、接圧ばね46の数が増えて接圧ばね46によるばね力が増加するため、接圧ばね46及び開極ばね49によるリンク機構10の均衡を崩す方向の勢力が増加し、過電流の発生時にリンク機構10の均衡を崩す方向にラッチ板47を駆動しにくくなる。それに対して本実施形態では、保持ばね58が、接圧ばね46及び開極ばね49による勢力に比べて弱い勢力で、接圧ばね46及び開極ばね49による勢力と反対方向にリンク機構10を付勢しているので、過電流が流れた際にラッチ板47を駆動するのに必要な力を小さくして、過電流遮断機構によりラッチ板47を駆動しやすくでき、確実にトリップ動作を行わせることができる。しかも、ラッチ板47を駆動しやすくするために、接圧ばね46や開極ばね49のばね力を弱める必要がないので、各極の可動接点30bが固定接点30aに接触した際に十分な接圧を付与できるとともに、過電流を検出して接点部30を強制開極する際に可動接点30bを固定接点30aから素早く開極させることができ、過電流発生時の遮断性能を低下させる虞もない。
図8は第3のトリップリンク13とラッチ板47とのラッチ部位に加わる荷重とハンドル42の回転角との関係を示しており、図中のアはラッチ部位にかかる荷重、イは接圧ばね46と開極ばね49による荷重、ウは開極ばね49のみによる荷重をそれぞれ示している。ハンドル42をオフ位置(0度)からオン位置(63度)まで回転させる場合、オフ位置から回転角が6度までの範囲ではラッチ板47と第2のトリップリンク13とが係止しておらず、保持ばね58の両端部もコ字型リンク11及び第1のトリップリンク12に接していないので、ラッチ部位には荷重が加わらず、ハンドル操作時の必要な力を低減している。その後、ハンドル42の回転角が6度になると、ラッチ板47と第2のトリップリンク13とが係止するので、開極ばね49のばね荷重がラッチ部位に加わり、回転角の増加に伴ってラッチ部位に加わる荷重が増加する。そして回転角が29度になると可動接点30bが固定接点30aに接触するので、回転角が29度から63度までの範囲では接圧ばね46による荷重がラッチ部位にかかることになる。また回転角が29度になると、保持ばね58の両端部がコ字型リンク11及び第1のトリップリンク12に接し、接圧ばね46及び開極ばね49による勢力と反対方向の勢力をラッチ機構に付与するので、ラッチ部位に加わる荷重(図中のア)を、接圧ばね46及び開極ばね49による勢力に比べて低減することができる(図中のイ)。ここで、ラッチ板47が第2のトリップリンク12と係止してから保持ばね48のばね力が作用するように、保持ばね48の両端とコ字形リンク11及び第2のトリップリンク12との間にクリアランスを設けているので、ハンドル42をオフ操作位置からオン操作位置に回転させる際に、保持ばね48によるばね力が最初から加わることがなく、ハンドル42をオン操作する際に必要な力を低減することができる。
またハンドル42のオン操作位置およびオフ操作位置ではコ字型リンク11の脚片11bが連結孔44dにおける作動位置に位置するので、ハンドル42を回動させると、コ字型リンク11の脚片11bでクロスバー44を駆動して、可動接点30bを固定接点30aに接離させることができる。また、過電流遮断装置が、過電流を検出してラッチ板47を駆動すると、第2のトリップリンク13の係止凹所13cがラッチ板47の係止突片47bから外れて、クロスバー44に連結されたコ字型リンク11の脚片11bが連結孔44dにおけるトリップ位置に移動するので、開極ばね46及び接圧ばね49のばね力によってクロスバー44を開極方向へ移動させて、可動接点30bを固定接点30aから強制的に開極することができる。而して多極型でありながら、ハンドル42にコ字型リンク11のみを介してクロスバー44を連結するだけで、複数極のオン/オフ操作およびトリップ動作を連動して行わせることができ、部品点数が少ない小型の回路遮断器を実現できる。
さらに、保持ばね58は、ハンドル42とともにハンドル支持枠41に軸支され、一端側が第1のトリップリンク12に、他端側がコ字型リンク11の一端側の脚片11aにそれぞれ係止された捩りコイルばねで構成されているので、保持ばね58を取り付ける作業を簡単に行うことができる。
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されるものではない。
本実施形態の回路遮断器の電圧極を示し、オン状態の断面図である。 同上のオフ状態の断面図である。 同上のトリップ直後の状態を示す断面図である。 同上を示し、ハンドルをオフ操作位置からオン操作位置へ回転させる途中の断面図である。 同上の回路遮断器の外観斜視図である。 同上の回路遮断器の上カバーを外した状態の外観斜視図である。 同上の回路遮断器の上カバーを外した状態の上面図である。 同上のハンドルの回転角とラッチ部材に加わるばね加重との関係を示す図である。 同上に用いるハンドルの分解斜視図である。
符号の説明
10 リンク機構
11 コ字型リンク
12 第1のトリップリンク
13 第2のトリップリンク
22 可動接触子
30 接点部
30a 固定接点
30b 可動接点
41 ハンドル支持枠
42 ハンドル
44 クロスバー
46 接圧ばね
47 ラッチ板
49 開極ばね
58 保持ばね
50 電磁釈放装置
60 熱動釈放装置

Claims (4)

  1. 各極の固定接点に接離する可動接点をそれぞれ具備した複数の可動接触子と、各可動接点が各固定接点に接触した際の接圧を付与する接圧ばねを各可動接触子との間に保持した状態で各可動接触子を支持し、各可動接触子を連動して動作させるクロスバーと、各極の可動接点が固定接点から開極する方向にクロスバーを付勢する開極ばねと、オン/オフ操作のためのハンドルをオン操作位置およびオフ操作位置の間で回動自在に支持するハンドル支持枠と、複数のリンクで構成され、ハンドルの回動動作をクロスバーに伝達することにより、ハンドルのオン/オフ操作に応じて可動接点を固定接点に接離させるリンク機構と、接圧ばね及び開極ばねによるリンク機構の均衡を崩す方向の勢力を蓄積した状態でリンク機構の均衡を保持するラッチ部材と、固定接点および可動接点間に過電流が流れるとラッチ部材を駆動してリンク機構の均衡を崩し、可動接点を固定接点から強制的に開極させる過電流遮断機構と、接圧ばね及び開極ばねによるリンク機構の均衡を崩す方向の勢力よりも弱い勢力であって、接圧ばね及び開極ばねによる勢力と反対方向にリンク機構を付勢する保持ばねとを備えて成ることを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記リンク機構は、一端側を前記ハンドルに連結すると共に他端側をクロスバーに連結したコ字型リンクと、コ字型リンクの他端側がハンドルのオン操作位置とオフ操作位置の間で移動可能な遊挿孔が形成されるとともに、ハンドル支持枠に回動自在に支持された第1のトリップリンクと、一方側が第1のトリップリンクに回動自在に支持されるとともに、他方側に前記ラッチ部材と係止する係止部が設けられ、中間部にハンドル支持枠に支持された軸を遊挿させる長孔が形成された第2のトリップリンクとを備え、コ字型リンクの他端側を、クロスバーに設けた連結孔に挿通してあり、前記連結孔は、ハンドルのオン操作位置及びオフ操作位置では、ハンドルの操作でクロスバーを駆動可能な作動位置にコ字型リンクの他端側が位置し、前記過電流遮断機構が作動してリンク機構の均衡を崩した状態からオフ状態に移行するまでの間に、ハンドルの操作でクロスバーを駆動不可能なトリップ位置にコ字型リンクの他端側が位置し得るような形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. 前記保持ばねが、ハンドルの回動支点を回転軸とする捩りコイルばねからなり、捩りコイルばねの一端側を第1のトリップリンクに、他端側をコ字型リンクの一端側にそれぞれ係止させたことを特徴とする請求項2記載の回路遮断器。
  4. 前記第2のトリップリンクの係止部は、オフ状態ではラッチ部材と係止しておらず、ハンドルをオフ操作位置からオン操作位置に回転させる途中で、ラッチ部材と係止しており、前記捩りコイルばねは、ハンドルをオフ操作位置からオン操作位置に回転させる際に、前記係止部が前記ラッチ部材と係止してからばね力が発生するように、捩りコイルばねの両端部と第1のトリップリンクおよびコ字型リンクとの間にクリアランスを設けたことを特徴とする請求項3記載の回路遮断器。
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