JP4700471B2 - 情報処理装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、CPUの性能向上、低電圧動作化とともにCPUでの電流消費が増大し、CPUに電源を供給するための電源制御素子の温度上昇も問題になっている。
このような問題を解決する一手段として特許文献1では、ライザーボード及びライザーブラケットから構成される領域分離部材によりパーソナルコンピュータ本体を高温領域と低温領域とに分離し、高温空間にはCPU冷却ファン、追加のファン、低温空間には電源装置ファンを適用して電子部品の冷却を行っている。
また、大電流の制御(近年のCPUの動作には100Aに達するものもある)を必要とする電源制御素子は、配線パターンのインピーダンスの影響を少なくするためにCPUの近傍に配置される必要があり、これらの素子の放熱に関しても効果的に行なわれなければならない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、基板実装の設計自由度を損なわずに、情報処理装置の筐体内から確実に熱い空気を外部に排出するCPU、電源制御素子などの発熱部の冷却機構を備えた情報処理装置、及びその製造方法を提供する。
また、請求項2の発明は、前記空気流規制部材はダクト本体と補助ダクトとから成り、該ダクト本体の空気流は前記排出部に達し、該補助ダクトの空気流は前記排出口に達するように流路を分割している請求項1に記載の情報処理装置を特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記空気流規制部材の内径は、吸気部側が大きく、排出部側が狭くなるように構成している請求項1に記載の情報処理装置を特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記排出口にエアフィルタを設けた請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置を特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5において、前記空気流規制部材は切欠き部を備え、組み付けの際、前記空気流供給部材または前記冷却ユニットと前記空気流規制部材の底面が接触しないようにしたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6において、前記冷却ユニットの一部を固定する冷却ユニット固定部を設け、該冷却ユニット固定部は、前記空気流規制部材に設けた切欠き部に対する蓋となる受け部を備えていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7において、前記空気流供給部材は、前記吸気部側の内径が排出部側の内径よりも大きいことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載された情報処理装置の製造方法であって、前記筐体に前記発熱部を含む部品を設置する工程と、該発熱部を冷却する前記放熱フィンと、前記空気流供給部材とを、受け部を有する冷却ユニット固定部に設置する工程と、前記受熱部を前記発熱部に接触させる工程と、前記空気流供給部材による空気流れを規制し、且つ前記冷却ユニット固定部と接する側に所定の切欠き部を有する空気流規制部材を、前記切欠き部を有する側とは反対側を支点に回動させることにより設置する工程と、前記冷却ユニット固定部の受け部により前記空気流規制部材の切欠き部に蓋をする工程と、を含むことを特徴とする。
図1乃至図6は本発明の冷却機構を適用する対象となる情報処理装置(未公知)の一例の構成説明図であり、図7乃至図13は本発明の冷却機構の具体的な構成説明図である。
まず、図1は本発明の冷却機構を適用する情報処理装置1の外観図である。
この情報処理装置1は、筐体の一部を構成する上部カバー2、筐体内を冷却するためのファンを取り付けるためのファン取り付け部3を有している。
情報処理装置1の前面カバー4には、多数の吸気孔を有する第1の吸気部10と第2の吸気部8が設けられている。なお、これらの吸気部10、8の裏面には、異物を筐体内に吸い込まないようにフィルターが設けられている。更に前面カバー4には、5インチのリムーバブルバッテリーユニット5、USB(Universal Serial Bus)端子6、7、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ9、5インチの光ディスクドライブ11、12、電源スイッチ13が設けられている。
図2は、図1の情報処理装置1から上部カバー2及び前面カバー4を取り外した状態を示す斜視図であり、筐体内部を説明するための図である。図2中、図1と同じ部分には同一符号を付している。
この情報処理装置1(100)は、3.5インチのハードディスクドライブ15、16を備えている。また、CPUやメモリなどを搭載したマザーボード17が筐体の側面に沿って設置されている。また、汎用のATX仕様の電源ユニット23を有しており、この源ユニット23にも不図示のファンを有する。さらに、マザーボードの拡張スロットに拡張カードを差す場合の拡張カード押さえ22を有する。なお、ファン取り付け部3には、サイズ80mmのファン、たとえば、日本電産製:製品コードD08A(不図示)が取り付けられることとなる。
また、第1の吸気部10で吸気されて第1の格子19を通過した空気を通す空気流規制部材としてのダクト18、空気流を冷却ユニットに供給する部材としてのCPU冷却用のファン(空気流供給部材)20、CPU冷却ユニット固定部21を備えている。ダクト18は板金により作られており、中部は空洞となっている。CPU冷却用のファン20としては、例えばサイズが92mmのファン、例えば、三洋電機製:製品コード9A0912F402を用いる。なお、CPU冷却ユニット固定部21は、情報処理装置1の筐体背面に、あるいは筐体背面の近傍に設置されており、筐体背面にはCPU冷却ユニット固定部21が設置される箇所にあわせてCPU冷却ユニット固定部21を通過した空気を外部に放出するための複数の孔があいている。
図4は、ダクト18の端部を示している。ダクト18において側の端部下側には、切欠き部18Aを有している。この切欠き部18Aを設けたことにより、ダクト18の情報処理装置1への組み付けが容易となる。すなわち、まず、CPU冷却用のファン20(空気流供給部材)及びCPU冷却ユニット固定部21を装置1に設置する。その後に、ダクト18を第1の格子19側を支点として回動すれば、切欠き部18Aがあるので、CPU冷却用のファン20あるいはCPU冷却ユニット固定部21に引っかかることなく、ダクト18を図2に示すような所定の位置に設置することができる。
すなわち、第1の吸気部10から吸気された空気は第1の格子19を介してダクト18内を通り、CPU冷却用のファン20及びCPU冷却ユニット固定部21(この部分で間接的にCPUの熱を奪うこととなる)に入り、筐体背面から排出される。このように、ダクト18、CPU冷却用のファン20、CPU冷却ユニット固定部21を直列に配置したので、障害となる空気抵抗も発生せずに、ダクト18内の空気はファン20に向かって、スムーズに移動し、効率的にCPUの冷却が可能となる。
なお、内径が全長に亘ってほぼ等しい上記ダクト18の代わりに、図6に示すような構造のダクトを使用してもよい。図6はダクト180、181を上から見た平面図である。(A)は、吸気口を大きくし、途中からその後直線状になるように形成したものであり、(B)は、吸気口を大きくし、徐々に開口を狭めていったものである。このようにすることによって、吸気する空気の量を増加させ、より冷却効果をあげることができる。
また、第2の吸気部8から吸気する空気は、主として各種ドライブ9、11、12、15、16やバッテリユニット5、マザーボード17に搭載された電子機器、電源ユニット23で発生する熱を外部に放出することができ、第1の吸気部10から吸気する空気は、CPUの冷却専用とすることができる。このため、発熱量の比較的小さい電子機器・電気機器については、ファン取り付け部3に設置されるファン及び電源ユニット23に設置されるファンにより冷却が可能となるとともに、他の電子機器と比較して発熱量が大きいCPUを効率的に、集中的に冷却することが可能となる。
さらに、CPU冷却ユニット24、25、26とマザーボード17は別体として構成されるので、マザーボード17内の電子機器の実装をCPUとの関係において比較的自由に行うことができる。なお、ヒートパイプ25内には水などの液体を充填するので、気体が冷却されて液体になったときに適切に受熱部26に戻す必要があることから、フィン24をCPUよりも高い位置に配置する必要がある。したがって、ダクト18、CPU冷却用のファン20、CPU冷却ユニット固定部21は、装置1の上部に配置する構成とした。このようすれば、CPUが筐体の上部に設置されない限り、CPUの冷却を効率的に行うことが出来る。なお、CPUを筐体の下部に配置する場合には、ダクト18、CPU冷却用のファン20、CPU冷却ユニット固定部21を下方に配置することができる。
なお、本実施の形態では、装置1の前面から吸気し、背面から排気を行っているがこれに限られず、装置の一方の側面から吸気し、他方の側面から排気するようにしてもよい。要は、空気の流れを阻害しないように規制し、それにより空気がスムーズに吸排気できるようにすればよい。
なお、本実施の形態では、ダクト18は板金にて製造しているが、これに限られず、例えば、ABS樹脂などであってもよい。なお、ダクト18のかわりに円筒状のパイプなどでもよい。要は、空気の流れを阻害しないように規制し、それにより空気がスムーズに吸排気できるものであればよい。
なお、本実施の形態では、CPU冷却ファン20は92mmのものを使用し、装置1全体を冷却する冷却ファンは80mmのものを使用しているが、これに限られないことはいうまでもない。
なお、本実施の形態では、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ9、リームバブルバッテリー5、光ディスクドライブ11、12、ハードディスクドライブ15、16を備えているが、これらは任意のものであって、これらの全てを備えていなければならないものではない。
図7は本発明の一実施形態に係る冷却機構を備えた情報処理装置の構成説明図であり、上部カバー及び前面カバーを除去した内部構成を示す斜視図である。
図1乃至図6に示した冷却機構にあっては、第1の吸気部10から吸気する空気をCPUの冷却専用とすることができるため、マザーボード17上のCPU33を冷却する効果は十分に得られるが、ダクト18により閉空間を形成する分だけCPU周辺の発熱部品に対する空気流が充分に得られなくなり、この点を改善する必要があった。
このような不具合を解消するため、図7の装置構成では、図8、図9に示した如き排気ユニットをダクト18の側面適所に取り付け、CPU33の空冷と同時に、CPUの周辺に設置されている電子部品への冷却風を確保するようにしている。
即ち、図8はダクトに配置する排気ユニット(冷却ユニット)の一例を示す外観斜視図であり、図9はその装着状態を示す平面図である。
この排気ユニットは、CPU33空冷用のダクト18の側面に排気口18aを設けると共に、排気口18aにファン34を取り付け、CPU近傍の電源制御素子などの冷却のための空気流を十分に与えることを考慮したものである。
排気ユニットを設けたダクト18の側面と対面する位置にはCPU搭載用プリント基板であるマザーボード17が配置され、マザーボード17上には発熱素子(発熱部)30〜32と、CPU33が搭載され、CPU33に接触配置された受熱部26はヒートパイプ25を介してフィン24と連結されている。
図9に示した例では、第1の吸気部10を介して筐体外部から取り込まれ、ダクト18内を流れる空気流の一部は、ダクト側面に取り付けられた排気口18aに設けた排気ユニット(ファン、ブロアなど)によりマザーボード17側に直接導かれ、特に発熱の大きいCPU33周辺に配置されている発熱素子30、31、32などを冷却する。ダクト18側面の排気口18aから排気された空気流は、マザーボード17の周辺を経てファン取り付け部3に取り付けられたファンにより筐体外へ放出される。
なお、補助ダクト18−2を形成する方法としては、ダクト18の流路を二つに分割しても良いし、ダクト18の外側に個別のダクトを設けてもよい。
また、ダクト18の吸気口と側面排気口18aに夫々エアフィルタを設ければ、各エアフィルタの厚みを減らすことができるので、ダクト内に吸気するときの空気抵抗を少なくすることができ、CPU側の冷却効果と、安全性・信頼性確保の両立を図ることができる。
異物混入を防止するエアフィルタ29については、その空気抵抗により、冷却用の風量、風速が低下するため、冷却効果のみを考慮した場合は無くすことが好ましい。しかしながら、排気口18aから発熱部品30〜32に向けて直接供給される空気中には埃などの細かい異物が入っているため、回路素子の性能を維持するためにエアフィルタ29が必要になる。なお、図示した構成においては、電子回路部分がなく、放熱用のラジエータである受熱部26に空気を供給する場合は、塵埃などの混入はさほど問題なく、ダクト18の吸気口に配設されているパンチングメタル状の遮蔽板で異物の進入を防ぐ程度で充分である。
Claims (9)
- 筐体と、
前記筐体内に配置された発熱部と、
前記発熱部に接触させる受熱部と、該受熱部とヒートパイプを介して接続される放熱フィンと、該放熱フィンを冷却する第1の冷却ファンと、で構成された冷却ユニットと、
前記筐体の一側面に設けた空気を吸気する吸気部と、
前記吸気部と対向する側面に設けた空気を排出する排出部と、
空気流を規制する空気流規制部材と、を有し、
前記吸気部、前記空気流規制部材、前記第1の冷却ファン、前記放熱フィン、前記排出部の順に直列に配置して、
前記空気流規制部材の側面には前記受熱部を配置する側に空気を排出する排出口を設け、前記発熱部近傍を冷却するように前記排出口に第2の冷却ファンを設けたことを特徴とする情報処理装置。 - 前記空気流規制部材はダクト本体と補助ダクトとから成り、該ダクト本体の空気流は前記排出部に達し、該補助ダクトの空気流は前記排出口に達するように流路を分割していることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記空気流規制部材の内径は、吸気部側が大きく、排出部側が狭くなるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記排出口にエアフィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
- 前記筐体は、前記吸気部とは異なる第2の吸気部と、前記排出部とは異なる第2の排出部を有し、前記発熱部及び前記発熱部以外で発生した熱を該第2の排出部から筐体外部へ排出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
- 前記空気流規制部材は切欠き部を備え、該空気流規制部材を組み付ける際、前記空気流供給部材または前記冷却ユニットと前記空気流規制部材の底面が接触しないようにしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
- 前記冷却ユニットの一部を固定する冷却ユニット固定部を設け、該冷却ユニット固定部は、前記空気流規制部材に設けた切欠き部に対する蓋となる受け部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
- 前記空気流供給部材は、前記吸気部側の内径が排出部側の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報処理装置。
- 請求項1乃至8の何れか一項に記載された情報処理装置の製造方法であって、
前記筐体に前記発熱部を含む部品を設置する工程と、
該発熱部を冷却する前記放熱フィンと、前記空気流供給部材とを、受け部を有する冷却ユニット固定部に設置する工程と、
前記受熱部を前記発熱部に接触させる工程と、
前記空気流供給部材による空気流れを規制し、且つ前記冷却ユニット固定部と接する側に所定の切欠き部を有する空気流規制部材を、前記切欠き部を有する側とは反対側を支点に回動させることにより設置する工程と、
前記冷却ユニット固定部の受け部により前記空気流規制部材の切欠き部に蓋をする工程と、を含むことを特徴とする情報処理装置の製造方法。
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