JP4687902B2 - 感光性樹脂組成物、表示パネル用スペーサーおよび表示パネル - Google Patents
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Description
そこで、これらの問題を解決するために、スペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が採用されるようになってきた。この方法は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、所定のマスクを介して紫外線を露光したのち現像して、ドット状やストライプ状のスペーサーを形成するものであり、画素形成領域以外の所定の場所にのみスペーサーを形成することができるため、前述したような問題は基本的には解決される。
基板サイズが小型、例えば370mm×470mm以下の場合、感光性樹脂組成物は基板***に滴下され、スピン塗布法により塗布される。この方法では、塗布に多量の感光性樹脂組成物溶液を必要とし、さらに大型基板には対応できないという欠点がある。
基板サイズが960mm×1,100mm以下の場合は、感光性樹脂組成物溶液の省液を目的として、スリット&スピン法で塗布が行われている。この方法はスリットノズルから感光性樹脂組成物溶液を基板面に塗布し、その後基板を回転することにより、均一な塗膜を形成する。この方法の場合、省液には効果があるが、第五世代以降の基板サイズへの対応は難しい。
本発明の他の目的は、上記感光性樹脂組成物溶液から形成された表示パネル用スペーサーおよびそれを備えた表示パネルを提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
アルカリ可溶性共重合体〔A〕、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物〔B〕、感放射線性重合開始剤〔C〕および溶剤〔D〕を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記溶剤〔D〕が、
下記式(1)
で表される化合物2〜20重量%、
ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールメチルエチルエーテルの少なくともいずれか一方30〜75重量%、および
沸点が100℃〜150℃の溶剤20〜55重量%を含有する混合溶剤でありそしてスリットダイコーターにより基板に塗布される、ことを特徴とする前記感光性樹脂組成物によって達成される。
本発明によると、前記目的および利点は、第二に、
本発明の感光性樹脂組成物から形成された表示パネル用スペーサーによって達成される。
本発明によると、前記目的および利点は、第三に、
本発明の表示パネル用スペーサーを備えた表示パネルによって達成される。
ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールメチルエチルエーテルの少なくともいずれか一方30〜75重量%、および
沸点が100℃〜150℃の溶剤20〜55重量%を含有する混合溶剤〔D〕からなる。
上記〔A〕成分は、例えば(a1)エチレン性不飽和カルボン酸および/またはエチレン性不飽和カルボン酸無水物と(a2)エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物と(a3)他のエチレン性不飽和化合物との共重合体(以下、「共重合体〔A〕」という。)からなる。
共重合体〔A〕を構成する各成分のうち、(a1)エチレン性不飽和カルボン酸および/またはエチレン性不飽和カルボン酸無水物(以下、これらをまとめて「不飽和カルボン酸系単量体(a1)」という。)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;前記ジカルボン酸の無水物等を挙げることができる。
これらの不飽和カルボン酸系単量体(a1)のうち、共重合反応性、得られる共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
不飽和カルボン酸系単量体(a1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体〔A〕において、不飽和カルボン酸系単量体(a1)に由来する繰返し単位の含有率は、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。不飽和カルボン酸系単量体(a1)に由来する繰返し単位の含有率が5重量%未満であると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなりすぎるおそれがある。
エポキシ基含有単量体(a2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体〔A〕において、エポキシ基含有単量体(a2)に由来する繰返し単位の含有率は、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜60重量%、特に好ましくは30〜50重量%である。エポキシ基含有単量体(a2)に由来する繰返し単位の含有率が10重量%未満であると、得られるスペーサーの強度が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、得られる共重合体の保存安定性が低下する傾向がある。
共重合体〔A〕において、他の単量体(a3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体〔A〕において、他の単量体(a3)に由来する繰返し単位の含有率は、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは30〜50重量%である。他の単量体(a3)に由来する繰返し単位の含有率が10重量%未満であると、得られる共重合体の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超えると、得られる共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性が低下する傾向がある。
共重合体〔A〕は、例えば、不飽和カルボン酸系単量体(a1)、エポキシ基含有単量体(a2)および他の単量体(a3)を、適当な溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下で重合することにより製造することができる。
共重合体〔A〕の製造に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
エーテル類として、例えばテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテルとして、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコールとして、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
ジプロピレングリコールとして、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなど;
ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体〔A〕のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。Mwが2,000未満であると、得られる被膜の現像性、残膜率等が低下したり、またパターン形状、耐熱性等が損なわれるおそれがあり、一方100,000を超えると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれるおそれがある。
感光性樹脂組成物における〔B〕成分は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、「重合性化合物〔B〕」という。)である。
重合性化合物〔B〕としては、特に限定されるものではないが、単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルが、重合性が良好であり、得られるスペーサーの強度が向上する点から好ましい。
前記単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等を挙げることができ、また市販品として、例えば、アロニックスM−101、同M−111、同M−114(東亜合成(株)製);KAYARAD TC−110S、同TC−120S(日本化薬(株)製);ビスコート158、同2311(大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
特に9官能以上の(メタ)アクリレートは、アルキレン直鎖および脂環構造を有し、2個以上のイソシアネート基を含む化合物と分子内に1個以上の水酸基を含有する3官能、4官能および5官能の(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタンアクリレート化合物が挙げられる。
これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルのうち、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルがさらに好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
前記単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
感光性樹脂組成物において、重合性化合物〔B〕の使用量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは50〜140重量部、さらに好ましくは60〜120重量部である。重合性化合物〔B〕の使用量が50重量部未満では、現像時に現像残りが発生するおそれがあり、一方140重量部を超えると、得られるスペーサーの硬度が低下する傾向がある。
感放射線重合開始剤は、放射線に感応して、〔B〕エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の重合を開始しうる活性種を生じる成分である。
このような感放射線重合開始剤としては、例えば、感放射線ラジカル重合開始剤が好ましい。
前記感放射線ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4−(α,α’−ジメトキシアセトキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルフォリノ−1−(4−メチルチオフェニル)−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等を挙げることができる。
これらの感放射線ラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記感放射線ラジカル重合開始剤と共に、感放射線増感剤を1種以上併用することによって、空気中の酸素による失活の少ない、高感度の感放射線性樹脂組成物を得ることも可能である。
〔B〕重合性化合物の使用量が10重量部未満では、膜厚の均一な塗膜を形成することが困難となる傾向があり、一方150重量部を超えると、基板との密着性が低下する傾向がある。また、〔C〕感放射線重合開始剤の使用量が1重量部未満では、耐熱性、表面硬度や耐薬品性が低下する傾向があり、一方40重量部を超えると、透明性が低下する傾向がある。
感光性樹脂組成物は、その使用に際して、共重合体〔A〕、重合性化合物〔B〕、感放射線重合開始剤〔C〕等の構成成分を適当な溶剤に溶解してなる、組成物溶液として調製されるのが好ましい。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤〔D〕としては、感光性樹脂組成物を構成する各成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものが用いられる。
このような溶剤としては、上述した共重合体〔A〕を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
このような溶剤のうち、スリットダイコーターを用いて感光性樹脂組成物の塗布を行うために、塗膜表面のモヤムラの抑制に有効な点から、下記式(1)
で表される化合物を含有する混合溶剤が用いられる。全混合溶剤100重量部に占める上記式(1)で表される化合物の含量は2〜20重量%である。2重量%未満であると、モヤムラに対して効果がなく、20重量%を超えると、減圧乾燥時間が長くなり、パネルの生産性が悪化する。
上記式(1)で表される化合物としては、例えばベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、2−メチルフェネチルアルコール、2、4−ジメチルベンジルアルコール、4−エチルベンジルアルコール、4−フェニル−1−ブタノール、5−フェニル−1−ペンタノール、4−ブチルベンジルアルコール、6−フェニル−1−ヘキサノール、2,3、4,5,6−ペンタメチルベンジルアルコールを挙げることができる。これらのうち、特にベンジルアルコールが、沸点やその他組成物の溶解性の点から望ましい。
また、パネルの生産性の点から減圧乾燥時間は短い方が好ましい。減圧乾燥時間を短くする観点から、混合溶剤は、上記式(1)で表される化合物のほかに沸点(1気圧における沸点、以下同じ。)が100℃〜150℃の溶剤を含有する。沸点が100℃未満の場合、溶剤臭気が問題になることがあり、150℃を超える場合は減圧乾燥時間の短縮に効果がない。全混合溶剤100重量部に占める沸点が100℃〜150℃の溶剤が占める含量は20〜55重量%である。20重量%未満の場合は減圧乾燥時間の短縮に効果がなく、55重量%を超えた場合保存安定性が悪化することがある。併用できる沸点が100℃〜150℃の溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、トルエン、クロロベンゼン、プロピルアセテート等が挙げられる。
感光性樹脂組成物には、本発明の所期の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、前記成分以外の添加剤を配合することもできる。
例えば、塗布性を向上するために、界面活性剤を配合することができる。その界面活性剤は、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができ、その具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルホスホン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。
また、前記以外の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤や、市販品として、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.57、95(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の配合量が5重量部を超えると、塗布時に膜荒れを生じやすくなる傾向がある。
また、基体との密着性をさらに向上させるために、接着助剤を配合することができる。
これらの接着助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
接着助剤の配合量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。接着助剤の配合量が20重量部を超えると、現像残りが生じやすくなる傾向がある。
また、耐熱性向上のため、N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物および2官能以上のエポキシ基を1分子中に有する化合物を添加することができる。前記N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。これらのうち特に、N,N,N’,N’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。前記N−(アルコキシメチル)メラミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(i−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等を挙げることができる。これらのうち特に、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましい。これらの市販品としては、ニカラックN−2702、MW−30M(以上 三和ケミカル(株)製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物は、特に、液晶パネルやタッチパネルなどの表示パネル用スペーサーを形成するための材料として好適である。
感光性樹脂組成物を用いて表示パネル用スペーサーを形成する際には、組成物溶液を基板の表面に塗布したのち、プレベークして溶剤を除去することにより、塗膜を形成する。
組成物溶液の塗布方法は、スリットダイ塗布法である。
また、プレベークの条件は、各構成成分の種類、配合割合などによっても異なるが、例えば70〜90℃で1〜15分間程度である。
次いで、プレベークされた塗膜に、所定パターンのマスクを介し露光して重合させたのち、現像液により現像し、不要な部分を除去して、パターンを形成する。
露光に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を適宜に選択できるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
前記現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アルカノールアミン;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環族3級アミン;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族3級アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ性化合物の水溶液を使用することができる。
また、前記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加することもできる。
現像後、例えば流水洗浄等により、例えば30〜90秒間洗浄して、不要な部分を除去したのち、圧縮空気や圧縮窒素を吹きつけて乾燥させることにより、所定のパターンが形成される。
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、スチレン5重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル32重量部を仕込んで、窒素置換したのち、さらに1,3−ブタジエン5重量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合させて、共重合体〔A−1〕の溶液を得た。
この溶液の固形分濃度は33.1重量%であり、共重合体〔A−1〕のMwは11,000であった。
合成例2
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル200重量部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、スチレン5重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル32重量部を仕込んで、窒素置換したのち、さらに1,3−ブタジエン5重量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合させて、共重合体〔A−2〕の溶液を得た。
この溶液の固形分濃度は33.0重量%であり、共重合体〔A−2〕のMwは11,000であった。
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル100重量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を仕込み、引き続いてメタクリル酸10重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、スチレン5重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル40重量部を仕込んで、窒素置換したのち、さらに1,3−ブタジエン5重量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合させて、共重合体〔A−3〕の溶液を得た。
この溶液の固形分濃度は33.2重量%であり、共重合体〔A−3〕のMwは10,000であった。
合成例4
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル100重量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル100重量部を仕込み、引き続いてメタクリル酸10重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、スチレン5重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル40重量部を仕込んで、窒素置換したのち、さらに1,3−ブタジエン5重量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合させて、共重合体〔A−4〕の溶液を得た。
この溶液の固形分濃度は33.1重量%であり、共重合体〔A−4〕のMwは10,000であった。
組成物溶液の調製
共重合体〔A〕として合成例1で得た共重合体〔A−1〕の溶液100重量部(固形分として)、重合性化合物〔B〕としてKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)100重量部、光重合開始剤〔C〕として2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(商品名「IRGACURE 369」、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)15重量部を混合し、固形分濃度が25.5重量%になり、且つ溶剤としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ベンジルアルコールおよびエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの重量比が55:30:10:5になるように混合し、溶解したのち、孔径0.2μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルタでろ過して、組成物溶液(S−1)を調製した。
実施例1で調製した樹脂組成物溶液における粘度を、東京計器(株)製 ELD型粘度計を用いて測定した。その後、該組成物を25℃にて静置しつつ、25℃における溶液粘度を毎日測定した。調製直後の粘度を基準に5%増粘するのに要した日数を求め、この日数を表1に示した。この日数が20日以上のとき、保存安定性は良好といえる。
(II)減圧乾燥(VCD)時間の評価
550×650mmのクロム成膜ガラス上に、調製した組成物溶液を、スリットダイコーター(TR632105−CL、東京応化工業(株)製)を用いて硬化後の膜厚が4μmになるような条件で塗布した。その後、減圧度が常圧から0.5Torrに到達するまでの時間(以下VCD時間という)を測定した。VCD時間は短い方が有利である。
(III)塗布性(塗膜表面のモヤムラ)の評価
550×650mmのクロム成膜ガラス上に、調製した組成物溶液を、スリットダイコーターを用いて塗布した。0.5Torrまで減圧乾燥した後、ベーク炉中、100℃にて2分間プレベークして塗膜を形成し、さらに2000J/m2の露光量で露光することにより、クロム成膜ガラスの上面からの膜厚が4μmの膜を形成した。
膜表面をナトリウムランプにて照らし、目視にて塗布膜面を確認した。モヤムラがはっきりと確認できた場合は×、僅かに確認できた場合は△、殆ど確認されなかった場合は〇とした。
(IV)スリットノズルの乾き性評価
550×650mmのクロム成膜ガラス上に、調製した組成物溶液を、スリットダイコーターを用いて塗布した。塗布後はノズル先端の洗浄を行わずに、そのまま放置した。10分後、ノズル先端の洗浄をおこなうことなく同様の塗布を行い、(III)塗布性(塗膜表面のモヤムラ)の評価と同様な塗膜を作製した。
膜表面をナトリウムランプにて照らし、目視にて塗布膜面を確認した。縦筋ムラがはっきりと確認できた場合は×、僅かに確認できた場合は△、殆ど確認されなかった場合は〇とした。
実施例1において、〔A〕成分〜〔D〕成分として、表1に記載の通りの種類、量を使用した他は、実施例1と同様にして組成物溶液を調製した。組成物溶液の固形分濃度の調整においては、〔D〕成分の混合比が表1に記載のとおりとなるように行った。得られた組成物〔S−2〕〜〔S−16〕および〔s−1〕〜〔s−3〕につき、実施例1と同様にして樹脂液保存安定性の評価および塗布評価を行った結果を表1に示した。
実施例15および16は参考例である。
(B−1):KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
(B−2):KAYARAD DPHA−40H(日本化薬(株)製)
(C−1):2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア369)
(C−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
(C−3):2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(C−4):4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(C−5):2−メルカプトベンゾチアゾール
(D−1):ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
(D−2):ジエチレングリコールジメチルエーテル
(D−3):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−4):プロピレングリコールモノメチルエーテル
(D−5):ベンジルアルコール
(D−6):エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
(D−7):ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
表1中、−印は、該成分が添加されていないことを示す。
Claims (7)
- アルカリ可溶性共重合体〔A〕、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物〔B〕、感放射線性重合開始剤〔C〕および溶剤〔D〕を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記溶剤〔D〕が、
下記式(1)
で表される化合物2〜20重量%、
ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールメチルエチルエーテルの少なくともいずれか一方30〜75重量%、および
沸点が100℃〜150℃の溶剤20〜55重量%を含有する混合溶剤でありそしてスリットダイコーターにより基板に塗布される、ことを特徴とする前記感光性樹脂組成物。 - 前記アルカリ可溶性共重合体〔A〕が、(a1)エチレン性不飽和カルボン酸および/またはエチレン性不飽和カルボン酸無水物と(a2)エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物と(a3)他のエチレン性不飽和化合物との共重合体である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物〔B〕が、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルである、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 混合溶剤が、沸点が180℃〜250℃の溶剤(上記式(1)で表される化合物を除く。)を3〜15重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から形成された表示パネル用スペーサー。
- 請求項5に記載の表示パネル用スペーサーを備えた表示パネル。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の、スリットダイコーターにより基板に塗布される感光性樹脂組成物としての使用。
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