JP4306060B2 - スペーサー用感放射線性樹脂組成物およびスペーサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルに用いるスペーサーを形成するための感放射線性樹脂組成物、およびスペーサーに関する。さらに詳しくは、強度に優れた硬化物を与えることができ、それ故スペーサーの形成に好適な感放射線性樹脂組成物およびそれにより得られたスペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶パネルには2枚の基板の間隔を一定に保つために所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサー粒子が使用されている。これらスペーサー粒子は、ガラス基板上にランダムに散布されるため、有効画素部内に上記スペーサーが存在すると、スペーサーの写り込みがあったり、入射光が散乱を受け液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。これらの問題を解決するためにスペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が使用されるようになってきた。この方法によれば、感光性樹脂を基板に塗布し所定のマスクを介し紫外線を照射した後、現像してドット状やストライプ状のスペーサーを形成することができる。これによると有効画素部以外の場所にスペーサーを形成することができ上記問題を解決できる。
【0003】
液晶ディスプレイの製造プロセスにおいて、カラーフィルターなどの基板上にフォトリソグラフィーによりスペーサーを形成した基板と、対向側の基板を張り合わせる工程では、熱硬化性のシール剤を基板周辺に印刷法等で塗布し加熱プレスすることによりシール剤を硬化させ2枚の基板を張り合わせる。その際、スペーサーが加熱プレスにより破壊されたり、破壊されないまでも圧縮により生じた歪みがそのまま回復せず残留歪みとして残った場合、目的としたセルギャップが得られない等の問題が生じる。このように液晶パネル用のスペーサーには液晶パネルを通常使用する常温での強度とあわせ、加熱時の圧縮特性も重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明の目的は、強度、耐熱寸法安定性、耐熱圧縮特性等に優れるスペーサーを形成しうる液晶パネルのスペーサー用感放射線性樹脂組成物、およびそれから得られる液晶パネルのスペーサーを提供することにある。本発明の他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有モノマー、および(a3)マレイミド系モノマーの共重合体、[B]2官能または3官能以上の(メタ)アクリレート、並びに[C]感放射線性ラジカル発生剤を含有することを特徴とする液晶パネルのスペーサー用感放射線性樹脂組成物(以下、単に「スペーサー用感放射線性樹脂組成物」という)によって達成される。上記共重合体[A]成分は、(a1)、(a2)および(a3)成分の他に(a4)その他のモノマー成分の共重合体であることができる。
【0006】
本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物により形成された液晶スペーサー(以下、単に「スペーサー」という)によって達成される。なお、本発明における「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を含むものを意味する。以下、本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物の各成分について詳述する。
【0007】
共重合体[A]
共重合体[A]は、化合物(a1)、化合物(a2)、化合物(a3)および場合により化合物(a4)を溶媒中で、重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって製造することができる。本発明で用いられる共重合体「A」は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%含有している。この構成単位が5重量%未満である場合、得られるスペーサーの耐熱性、耐薬品性、表面硬度が低下する傾向にある。一方50重量%を超えると、スペーサー用感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下することがある。
【0008】
化合物(a1)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;およびこれらジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0009】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られるスペーサーの強度が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合はスペーサー用感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0010】
化合物(a2)としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−エチルグリシジル、メタクリル酸−β−プロピルグリシジル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが共重合反応性および得られるスペーサーの強度を高める点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0011】
本発明で用いられる共重合体「A」は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、好ましくは2〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%含有している。この構成単位が2重量%未満では得られるスペーサーの耐熱性、耐薬品性、表面硬度が低下する傾向にある。この構成単位が50重量%を超えると、スペーサー用感放射線性樹脂組成物を塗膜とする工程における成膜性が低下する傾向にある。マレイミド系モノマー(a3)としては、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミドを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
共重合体[A]は、上記(a1)、(a2)および(a3)成分に由来する構造単位からなることができあるいはそれ以外の他のモノマー成分(a4)に由来する構成単位を含有してなるものであってもよい。
【0013】
かかる他のモノマー成分(a4)としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル メタクリレート(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルメタクリレートといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなどのメタクリル酸環状アルキルエステル;シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル アクリレート(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルアクリレートといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環状アルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル;およびスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
【0014】
これらのうち、スチレン、t−ブチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエンなどが共重合反応性の点から好ましい。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0015】
共重合体[A]の製造に用いられる溶媒としては、具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0016】
共重合体[A]の製造に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1'−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0017】
本発明で用いられる共重合体[A]は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)が、通常、2×103〜5×105、好ましくは5×103〜1×105であることが望ましい。Mwが2×103未満であると、得られる被膜は、耐熱性、表面硬度が低下する傾向にある。一方5×105を超えると、現像性が低下する傾向にある。
【0018】
2官能または3官能以上の(メタ)アクリレート[B]
本発明で用いられる2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートのうち、上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。その市販品としては、例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0019】
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−402、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同M−1310、同TO−1450,同M−1600、同M−1960、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120、同MAX−3510(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。これらの2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0020】
本発明で用いられる感放射線性ラジカル発生剤[C]としては、感放射線性ラジカル重合開始剤を挙げることができる。感放射線ラジカル重合開始剤としては、例えばベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α'−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2'−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド;およびジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物が挙げられる。
【0021】
これら感放射線ラジカル重合開始剤の市販品としては、たとえばIRGACURE−184、同369、同500、同651、同907、同1700、同819、同124、同1000、同2959、同149、同1800、同1850、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KAYACURE−DETX 、同 MBP、同 DMBI 、同 EPA、同 OA(以上、日本化薬(株)製)、LUCIRIN TPO(BASF Co.LTD 製)、VICURE−10、同55(以上、STAUFFER Co.LTD 製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD 製)、SANDORAY 1000(SANDOZ Co.LTD 製)、DEAP(APJOHN Co.LTD 製)、QUANTACURE−PDO、同 ITX、同 EPD(以上、WARDBLEKINSOP Co.LTD 製)等が挙げられる。また、これら感放射線ラジカル重合開始剤と感放射線増感剤とを併用することによって酸素による失活の少ない、高感度のスペーサー用感放射線性樹脂組成物を得ることも可能である。
【0022】
スペーサー用感放射線性樹脂組成物の調製
本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体[A]、多官能性モノマー[B]および感放射線性ラジカル発生剤[C]の各成分を混合することによって調製される。本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物は、有利には、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば共重合体[A]、多官能性モノマー[B]、感放射線性ラジカル発生剤[C]および必要に応じ、その他の配合剤を、所定の割合で混合することにより、溶液状態のスペーサー用感放射線性樹脂組成物を調製することができる。
【0023】
本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物は、共重合体[A]100重量部に対して、多官能性モノマー[B]を、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜120重量部の割合で含有する。また感放射線性ラジカル発生剤[C]は、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは3〜35重量部の割合で含有される。多官能性モノマー[B]が10重量部未満の場合は、塗膜の平坦化性が十分得られない。150重量部を超える場合は、基板との密着性が低下する。感放射線性ラジカル発生剤「C」が1重量部未満の場合は、耐熱性、表面硬度、耐薬品性が得られない。40重量部を超える場合は塗膜の透明性の低下が見られる。
【0024】
本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、共重合体[A]、多官能性モノマー[B]および感放射線性ラジカル発生剤[C]の各成分を溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0025】
これらの溶剤の中で、溶解性、各成分との反応性および塗膜の形成のしやすさから、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エステル類およびジエチレングリコール類が好ましく用いられる。
【0026】
さらに前記溶媒とともに高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外に他の成分を含有していてもよい。
【0027】
ここで、他の成分としては、塗布性を向上するための界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができ、その具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルホスホン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。また、これらの市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471、同F476(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC 170C、FC−171、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成(株)製)、フタージェントFT−100、同FT−110、同FT−140A、同FT−150、同FT−250、同FT−251、同FTX−251、同FTX−218、同FT−300、同FT−310、同FT−400S(以上、(株)ネオス製)等を挙げることができる。また、シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レシリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げることができる。
【0028】
その他にも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、
【0029】
(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社油脂化学工業(株)製)などが挙げられる。これらの界面活性剤は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5重量部を超える場合は、塗布時の膜あれが生じやすくなる。
【0030】
また基体との接着性を向上させるために接着助剤を使用することもできる。このような接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用され、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられ、具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。このような接着助剤は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が20重量部を超える場合は、耐熱性が低下しやすい。
【0031】
上記のように調製されたスペーサー用感放射線性樹脂組成物は、孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
【0032】
液晶パネルスペーサーの形成方法
次に、本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物を用いて、本発明の液晶パネルスペーサーを形成する方法について詳述する。本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物はスペーサーの形成に好適に使用することができ、そのように使用することは従来知られていない。基板上のカラーフィルタ表面に本発明のスペーサー用感放射線性樹脂組成物溶液を塗布し、加熱により溶媒を除去することによって、塗膜が形成される。カラーフィルタ表面へのスペーサー用感放射線性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を採用することができる。
【0033】
次いでこの塗膜は、加熱(プレベーク)される。加熱することによって、溶剤が揮発し、流動性のない塗膜が得られる。加熱条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常60〜120℃、10〜600秒間程度の幅広い範囲で使用できる。次に加熱された塗膜に所定パターンのマスクを介して放射線を照射した後、現像液により現像し、不要な部分を除去する。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどの環状アミン類のアルカリ類からなるアルカリ水溶液を用いることができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒、界面活性剤などを適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
【0034】
現像時間は、通常30〜180秒間である。また現像方法は液盛り法、ディッピング法などのいずれでもよい。現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、基板上の水分を除去し、パターン状被膜が形成される。続いて、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理をすることによって、液晶パネルスペーサーを得ることができる。
【0035】
【実施例】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン18重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびフェニルマレイミド22重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、28.2重量%であり、重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は27,000であった。
【0037】
合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびシクロヘキシルマレイミド20重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を3時間保持し共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、28.6重量%であり、重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は29,000であった。
【0038】
合成例3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン15重量部、メタクリル酸18重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびジシクロペンタニルメタクリレート27重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、28.1重量%であり、重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は26,000であった。
【0039】
実施例1
スペーサー用感放射線性樹脂組成物の調製
合成例1で得られた共重合体[A−1] 100重量部(固形分)と、成分[B]としてのKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)80重量部と、成分[C]としての2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア369;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)25重量部とを混合し、固形分濃度が35重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、孔径0.2μmのミリポアフィルタで濾過してスペーサー用感放射線性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
【0040】
(I)液晶パネルスペーサーパターンの形成
ガラス基板上にスピンナーを用いて、上記組成物溶液(S−1)を塗布した後、80℃で3分間ホットプレート上でプレベークして塗膜を形成した。上記で得られた塗膜に所定パターンマスク(10μm×10μm)を用いて、365nmでの強度が10mW/cm2である紫外線を30秒間照射した。この際の紫外線照射は酸素雰囲気下(空気中)で行った。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.2重量%水溶液で25℃で1分間現像した後、純水で1分間リンスした。これらの操作により、不要な部分を除去し、スペーサーパターン(残し)を解像することができた。上記で形成されたスペーサーパターンをオーブン中で220℃で60分間加熱し硬化させ高さ5μmのスペーサーパターンを得た。
【0041】
(II)液晶パネルスペーサー強度の評価
上記(I)で得られたスペーサーパターンの強度を微小圧縮試験機(MCTM−200、島津製作所製)を用いて評価した。直径50μmの平面圧子により、一定速度でスペーサーに荷重を加え(2.65mN/sec.)、スペーサーに割れ、破壊が生じたときの荷重(破壊荷重)、歪み(破壊歪み:破壊時の圧縮変位をスペーサー高で割った値を%で表したもの)を測定した(測定温度:25℃)。結果を表1に示す。
【0042】
(III)耐熱圧縮性の評価
上記(I)で得られたスペーサーパターンのおける耐熱圧縮性を微小圧縮試験機(MCTM−200、島津製作所製)を用いて評価した。160℃に加熱されたスペーサーに直径50μmの平面圧子により、一定速度で荷重を加え(0.28mN/sec.)、スペーサーが0.75ミクロン圧縮された時点で除荷を行い、回復率を求めた(回復率(%)=0.75ミクロン−残留歪み(ミクロン)/0.75ミクロン×100)。回復率が90%以上のとき、耐熱圧縮性が良好であるといえる。結果を表1に示す。
【0043】
(IV)耐熱寸法安定性の評価
上記(I)で形成したスペーサーパターンをオーブン中、250℃で60分加熱した。膜厚の寸法変化率を表1に示した。加熱前後の寸法変化率がで5%以内のとき、耐熱寸法安定性が良好であるといえる。
【0044】
実施例2
実施例1において、共重合体[A−1]の代わりに共重合体[A−2]を使用した他は、実施例1と同様にして組成物溶液(S−2)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0045】
実施例3
実施例1において、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア369;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)25重量部の代わりに2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)30重量部、2,4−ジエチルチオキサントン5重量部用いた他は、実施例1と同様にして組成物溶液(S−3)を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0046】
比較例1
実施例1において、共重合体[A−1]の代わりに共重合体[A−3]を使用した他は、実施例1と同様にして組成物溶液(R−1)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、強度、耐熱寸法安定性、耐熱圧縮特性等の諸物性に優れるスペーサーを形成できるスペーサー用感放射線性樹脂組成物、およびそれから得られる液晶パネルスペーサーが提供される。
Claims (3)
- [A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有モノマー、および(a3)マレイミド系モノマーの共重合体、[B]2官能または3官能以上の(メタ)アクリレート、並びに[C]感放射線性ラジカル発生剤を含有することを特徴とする液晶パネルのスペーサー用感放射線性樹脂組成物。
- 上記共重合体[A]が上記(a1)、(a2)、(a3)成分の他に、さらに(a4)その他のモノマーの共重合体である請求項1に記載の液晶パネルのスペーサー用感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の液晶パネルのスペーサー用感放射線性樹脂組成物より形成された液晶パネルスペーサー。
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