JP4687295B2 - 光学装置及びプロジェクタ - Google Patents
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また、前記第3の色光の光量が前記第1の色光および前記第2の色光の光量よりも多く設定されている場合であっても、光学装置の第3の色光の光路内には放熱用部材が配設されているので、第3の色光の光量が多く、発熱量が多くても射出側偏光板などの冷却を効率的に行うことができる。
なお、この放熱用部材(熱伝導性部材ともいう)は、例えば水晶やサファイア等で形成され、熱伝導率が、概ね6.2〜10.6W・m−1・K−1であることが好ましい。
この本発明によれば、第3の色光が緑色光であり、第1の色光と第2の色光が赤色光及び青色光のいずれかであるので、一般的に使用される光源から射出される光束の熱の発生が高いとされる緑色光の色合成光学装置内の光路長を、他の青光や赤光の色合成光学装置内の光路長よりも短く設定し、緑色光の光路に放熱用部材を容易に配設することができるため、熱の発生量が多い緑色光の偏光板等を効率よく冷却することができ、前記した効果をより好適に奏することができる。
そして、プロジェクタの小型化により、製造コストの削減をも効率的に図ることができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(I)光学系の構成:
図1には本実施形態のプロジェクタ1の光学系4の模式図を示す。プロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調光学装置(光学変調装置)および色合成光学装置を一体化した光学装置44と、投写光学装置としての投写レンズ3とを備えている。光学部品41〜44等は、所定の照明光軸Aが設定された図示しない光学部品用筐体内に位置決め調整されて収納されている。
なお、光源からは、第3の色光(本実施形態では緑色光)の光量が第1の色光および第2の色光(赤色光及び青色光)の光量よりも多い光束を射出するようにしてもよい。
この偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束及びS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射ミラーによって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子414の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出される光束を、一方向の偏光光束に揃えることができるため、後記する光学装置44で利用する光源光の利用率を向上することができる。
また、射出側偏光板443Gは、プリズム集合体444Xに配設された放熱用部材450に配設されている。
なお、これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443(偏光膜443R,443G,443B)は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
次に、色合成光学装置444を備えた光学装置44の構造を、図面に基づいて説明する。
図2は、第1実施形態に係る色合成光学装置444を備えた光学装置44の構造を示す模式図である(なお、図2にあっては、投写光学装置である投写レンズ3等も記載されている)。
主プリズム444Mは、2つの接合面が略X字状に交差するようにして接続された4つのプリズム(第1プリズム444A,第2プリズム444B,第3プリズム444C、及び第4プリズム444D)を備え、4つのプリズムの接合面に垂直な平面方向で切断した場合に2つの長辺と2つの短辺とを有する横長長方形となる断面形状を有する。
2つの副プリズム444Nは、主プリズム444Mの該横長長方形となる断面形状の2つの短辺側(断面が三角形状の第1プリズム444A、第2プリズム444Bの底辺側)の側面にそれぞれ接続される。
また、プリズム集合体444Xのうち緑色光が入射する第3プリズム444Cの入射面444C0(第3の入射面)には、プリズム集合体444Xを構成する材料より熱伝導性のよい放熱用部材450が配設されている。
これにより、プリズム集合体444Xの接合面に垂直な断面形状は、略等脚台形となる。また、プリズム集合体444Xの断面形状の略等脚台形の平行な辺のうち長辺側の側面が第3の入射面(入射面444C0)で、短辺側の側面が射出面444D0となり、プリズム集合体444Xの断面形状の略等脚台形の長さが等しい2辺側の側面がそれぞれ第1の入射面(入射面444A0)と第2の入射面(入射面444B0)となる。
この主プリズム444Mは、液晶パネル441R側に入射面444A0(第1の入射面)を有する副プリズム444Nが接続される第1プリズム444A、液晶パネル441B側に入射面444B0(第2の入射面)を有する副プリズム444Nが接続される第2プリズム444B、液晶パネル441G側に入射面444C0(第3の入射面)を有する第3プリズム444C、および合成された色光を射出する射出面444D0を有する第4プリズム444Dが配列して構成されている。
ここで、放熱用部材450は、透光性を備えた熱伝導性部材であり、プリズム集合体444X(主プリズム444M,副プリズム444N)を構成する材料より熱伝導性のよい材料で構成され、例えば、プリズム集合体444Xが硼珪酸ガラス等で構成される場合には、放熱用部材450は、サファイアや水晶等の材料で構成されるようにすればよい。
また、一般に、この放熱用部材450を構成する材料の熱伝導率は、概ね6.2〜10.6W・m−1・K−1であることが好ましい。
そして、この合成されたカラー画像が、投写光学装置である投写レンズ3から射出されることになる。
この角度α及び角度βは、光学装置44を構成する入射側偏光板442、液晶パネル441、及び射出側偏光板443から射出される各色光が合成され光学像を形成するように、適切な角度に決定される。
なお、これらはいずれも2つのダイクロイックミラー層460aまたはダイクロイックミラー層460bにより反射される2つの色光の光路長となる。
なお、本実施形態において、光路長とは、幾何学的な長さと屈折率との積から求められる光学的な長さをいう。
まず、液晶パネル441Gから射出された緑色光は、透光性を備えた放熱用部材450を通過して、第3プリズム444Cの入射面444C0(第3の入射面)に入射する。第3プリズム444Cに入射した緑色光は、2つのダイクロイックミラー層460aおよび460bを透過して、第1プリズム444A及び第2プリズム444Bを透過して第4プリズム444Dに入射される。
同様に、液晶パネル441Bから射出された青色光は、副プリズム444Nの光入射端面(入射面444B0:第2の入射面)から入射され、副プリズム444Nを通過して第2プリズム444Bに入射される。
また、第2プリズム444Bに入射された青色光は、一部はダイクロイックミラー層460aを透過しさらに第4プリズム444Dを透過しダイクロイックミラー層460bにより反射され、残りの部分は直接ダイクロイックミラー層460bにより反射されて、第4プリズム444Dに入射される。
前記した第1実施形態によれば、下記の効果を好適に奏することができる。
(1)色合成光学装置444のプリズム集合体444Xが、液晶パネル441Rから射出され副プリズム444Nに入射し主プリズム444Mを通って射出される赤色光のプリズム集合体444X内の光路長(第1の入射面444A0から射出面444D0までの光路長)と、液晶パネル441Bから射出され副プリズム444Nに入射し主プリズム444Mを通って射出される青色光のプリズム集合体444X内の光路長(第2の入射面444B0から射出面444D0までの光路長)とがそれぞれ同一に設定される一方、液晶パネル441Gから射出され副プリズム444Nは介さずに主プリズム444Mを通って射出される緑色光のプリズム集合体444X内の光路長(第3の入射面444C0から射出面444D0までの光路長)は、赤色光及び青色光のプリズム集合体444X内の光路長よりも短く設定されている。このようなプリズム集合体444Xの構成により、プリズム集合体444X内の緑色光の光路長の他の色光の光路長より短い分の光路長を有する放熱用部材450を緑色光の光路内に配設することができる。よって、図2に示すように、射出側偏光板443Gを放熱用部材450に配設させることにより、射出側偏光板443Gの冷却を効率的に行うことができる。
また、色合成光学装置444の冷却を放熱用部材450を配設することにより実施できるため、光学装置44を冷却する冷却ファンの数量および送風量等を増加させる必要がないので、プロジェクタ1に具備される冷却ファンの小型化を図ることができ、これによりプロジェクタ1の小型化を図ることが可能となる。
そして、プロジェクタ1の小型化により、製造コストの削減をも効率的に図ることができる。
すなわち、光学装置44の第3の色光の光路内には放熱用部材450が配設されているので、第3の色光の光量が多く、発熱量が多くても射出側偏光板443Gの冷却を効率的に行うことができる。
次に、本発明に係る第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図3及び図4に示すように、本実施形態の光学系の構造及び色合成光学装置444の構造は、プリズム集合体444Xを構成する各プリズム444A2,444B2,444C2,444D2の形状が、第1実施形態の各プリズム444A,444B,444C,444Dの形状と異なり、これにより副プリズム444Nを必要としないこととなる一方、これ以外は第1実施形態の光学系4及び光学装置44の構造と共通するものである。
このプリズム集合体444Xは、液晶パネル441Rから射出された色光が入射する光入射面444A0(第1の入射面)を有する第1プリズム444A2、液晶パネル441Bから射出された色光を入射する光入射面444B0(第2の入射面)を有する第2プリズム444B2、液晶パネル441Gから射出された光束が入射する光入射面444C0(第3の入射面)を有する第3プリズム444C2、および合成された色光を射出する射出面444D0を有する第4プリズム444D2が配列して構成されている。
同様に、第2プリズム444B2には、液晶パネル441Bから射出される青色光の光束が入射する。この第2プリズム444B2の入射面444B0(第2の入射面)が、液晶パネル441Bから射出される青色光についての、色合成光学装置444全体の光束入射端面にもなる。
よって、プリズム集合体であるプリズム集合体444Xは、接合面に垂直な平面方向で切断した場合の断面形状が横長の略等脚台形状となる。
このようにして、プリズム集合体444X内の緑色光の光路長の他の色光の光路長より短い分の光路長を有する放熱用部材450を配設することができ、射出側偏光板443Gを放熱用部材450に形成させることにより射出側偏光板443Gの冷却を効率的に行うことができる。
前記した第2実施形態によれば、前記した(1)〜(8)と略同様の効果のほか、下記の効果を奏することができる。
(9)副プリズム444Nを必要とせず、プリズムの数を4つとすることができるので、前記した第1実施形態の色合成光学装置444と比較して部材の削減を図ることができ、この部材削減により製品コストの削減を行うことが可能となる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。
例えば、前述した実施形態では、第3の入射面444C0から射出面444D0までの緑色光の光路長は、第1の入射面444A0から射出面444D0までの赤色光の光路長及び第2の入射面444B0から射出面444D0までの青色光の光路長よりも、放熱用部材450内の緑色光の光路長分短く設定されていたが、これに限定されない。液晶パネル441Gから射出面444D0までの緑色光の光路長と、液晶パネル441Rから射出面444D0までの赤色光の光路長と、液晶パネル441Bから射出面444D0までの青色光の光路長とが、全て同一となっていれば、第3の入射面444C0から射出面444D0までの緑色光の光路長が、第1の入射面444A0から射出面444D0までの赤色光の光路長及び第2の入射面444B0から射出面444D0までの青色光の光路長よりも、放熱用部材450内の緑色光の光路長分短く設定されていなくてもよい。つまり、各液晶パネル441R,441G,441Bから射出面444Dまでの各色光の光路中に介在するプリズム集合体444Xを構成する各プリズム以外の、放熱用部材450、空気層、その他の光学部品による光路長が各色光毎に相違している場合に、その相違分が解消され各液晶パネル441R,441G,441Bから射出面444Dまでのそれぞれの色光の光路長が同一になるように、プリズム集合体444Xを構成する各プリズムの形状を適宜設定してもよい。
例えば、前記した実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)では、色合成光学装置444において、プリズムは6つ(第1実施形態)または4つ(第2実施形態)で構成されていたが、これに限らず、2つ、3つ、5つまたは7つ以上で構成してもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 入射された第1〜第3の色光をそれぞれ画像情報に応じて変調する第1〜第3の光学変調装置と、前記第1〜第3の光学変調装置によって変調された前記第1〜第3の色光を合成する色合成光学装置とを備えた光学装置であって、
前記色合成光学装置は、相互に接続される複数のプリズムからなるプリズム集合体と、前記複数のプリズムの接続面のうち相互に交差する2つの接合面の一方の接続面に介装される第1のダイクロイックミラー層と他方の接続面に介装される第2のダイクロイックミラー層とを備え、
前記第1のダイクロイックミラー層は、前記第1の色光を反射し前記第2の色光と前記第3の色光とを透過し、
前記第2のダイクロイックミラー層は、前記第2の色光を反射し前記第1の色光と前記第3の色光とを透過し、
前記プリズム集合体は、前記第1〜第3の光学変調装置で変調された第1〜第3の色光をそれぞれ入射する第1〜第3の入射面と、合成された第1〜第3の光束を射出する射出面とを備え、
前記第3の色光の光量は、前記第1の色光および前記第2の色光の光量よりも多く設定されており、
前記第3の入射面には、当該プリズムを構成する材料より熱伝導性のよい放熱用部材が設けられ、
前記第1の入射面から前記射出面までの光路長及び前記第2の入射面から前記射出面までの光路長がそれぞれ同一に設定され、
前記第3の入射面から前記射出面までの光路長は、前記第1の入射面から前記射出面までの光路長及び前記第2の入射面から前記射出面までの光路長よりも、前記放熱用部材内の光路長分短いことを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記プリズム集合体は、前記2つの接続面が相互に交差するようにして接続された4つのプリズムで構成され前記接合面に垂直な断面形状が2つの長辺と2つの短辺を有する略長方形である主プリズムと、前記主プリズムの前記断面形状の前記2つの短辺側の側面にそれぞれ接続される2つの副プリズムとを備え、
前記プリズム集合体の前記接合面に垂直な断面形状は、略等脚台形であり、
前記プリズム集合体の前記断面形状の略等脚台形の平行な辺のうち長辺側の側面が前記第3の入射面で、短辺側の側面が前記射出面であり、
前記プリズム集合体の前記断面形状の略等脚台形の長さが等しい2辺側の側面がそれぞれ前記第1の入射面と第2の入射面であることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記プリズム集合体は、前記2つの接続面が相互に交差するようにして接続された4つのプリズムで構成され前記接合面に垂直な断面形状が略等脚台形であり、
前記プリズム集合体の前記断面形状の略等脚台形の平行な辺のうち長辺側の側面が前記第3の入射面で、短辺側の側面が前記射出面であり、
前記プリズム集合体の前記断面形状の略等脚台形の長さが等しい2辺側の側面がそれぞれ前記第1の入射面と第2の入射面であることを特徴とする光学装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
前記第3の色光が緑色光であり、
前記第1の色光が赤色光と青色光とのうちの一方であり、
前記第2の色光が赤色光と青色光とのうちの他方であることを特徴とする光学装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光学装置において、
前記放熱用部材には偏光板が配設されていることを特徴とする光学装置。 - 光源と、光源から射出された光束を第1〜第3の色光に分離する色分離光学装置と、前記色分離光学装置で分離された第1〜第3の色光をそれぞれの画像情報に応じて変調し変調された前記第1〜第3の色光を合成して射出する光学装置と、前記光学装置にて合成された画像光を拡大投写する投写光学装置を備えたプロジェクタであって、
前記光学装置は請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光学装置であることを特徴とするプロジェクタ。
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