JP4681722B2 - 波付け管用シールド材取付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
波付け管外周部へ、管継ぎ手との密着性向上を目的とするシールド材を取り付ける装置及びそのリング状シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
土木用の給水、排水用のパイプ類の接続方法には、継ぎ手を用いる方法と管端部を管外径以上に拡幅させ、その端部に外径の未拡幅の他の端部を挿入せしめる方法があるが、波付け管では管端の拡幅の困難性から一般には継ぎ手を用いて接続する方法が用いられている。
【0003】
しかし、継ぎ手を用いた場合にその中を水などの液体が流動した時に波付け管外周寸法と継ぎ手内径寸法の誤差によりそのままでは水漏れが生じる。その為、水漏れ防止用のシールド材としてリング状のゴムパッキングを管外周に装着する方法が取られる場合があるが、取り付ける方法は手作業により管端部よりゴムパッキングを拡幅しながら挿入する方法や拡幅ジグを内側より挿入しリングを拡大しながら挿入する方法が取られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
また、外径が大きくなるとリング状のゴムパッキングを拡幅させるには大きな力が必要となり人手で取り付けるのは事実上困難であり、ゴム弾性を有する棒状のシールド材を巻き付け、その端部を接着あるいは重ね合わせてその外周部から継ぎ手を取り付けていた。
【0005】
その為、シールド材の密着性が弱く防水性能が低下したり、シールド材の取り付け作業を配管した施工現場で行わなければならない事、施工の信頼性等の種々の問題点が有り、工場あるいはパイプ在庫場所より出荷する以前にシールド材を簡単に、確実な防水性能を持って取り付ける方法が待たれていた。
【0006】
また拡幅ジグをリング状シールド材に内挿し拡大させる方法はジグ上のシールド材を滑らせなければならなく、シールド材下底部を痛めることになり密着性に悪影響を与え、また場合によってはシールド材が回転してしまうため回転しても密着性に影響の少ない丸などの断面形状のものしか利用できなく、防水性という面では不十分であった。
【0007】
本発明は、このような従来のシールド材の取付方法における問題点を解決するものであり、密着性を強化するために、高弾性のシールド材を取り付けることを可能にするものであり、またシールド材の断面にリブ状突起を取り付けたりした異形状のシールド材をも取付可能にすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を解決するために本発明では、波付け管外周部にリング状のシールド材を取り付ける装置において、シールド材との接触部が、シールド材の側面の形状と同様か、又は側面及び内側の面と同様な形状であり、少なくともシールド材側面に接触し、シールド材を外側の面方向から保持する4以上の爪と、各爪の開閉及び移動を行う回転軸とを有する保持受け装置を備え、前記回転軸を回転させることにより、前記爪によってシールド材を挟み付けて保持した後、各爪を相互に離れる方向に移動させて前記シールド材を波付け管の外径よりも大きくなるまで拡幅し、波付け管をシールド材のリング内の所定位置まで移動後、前記爪がシールド材を開放し波付け管に取り付ける構成とした。
【0009】
これにより、こすれ等によりシールド材の下底部を傷つけずに、また回転も与えずに所定の位置へ取付を可能とした。また、保持受け装置の爪の形状はシールド材の外周部の形状と概ね同一とすることにより、密着性を重視するようなシールド材の形状にも、形状を痛めずに拡幅し取付を可能にし、また保持受け具の開閉機構はリング状シールド材を確実に保持し、大口径管用のリングのように拡幅する際に強い力を必要とするような場合にも受け具が解放しないよう保持受け具の開閉にはバネ等の外部の力を使用せず保持受け具の回転軸の回転にて締め付けるように行った。
【0010】
これによりシールド材の形状を色々なものが使用できるようにし、シールド材外周面(C)にリブ状の突起物を有する弾性体を用いる事を可能とした。
【0011】
シールド材の形状は、波付け管の谷部を埋めるリング状であり、シールド材を装着した状態で、接続部品とシールド材、シールド材と波付け管が同時に隙間無く圧着される状態になれば良く、一般な弾性体を用いる事が出来る。シールド材の断面形状は、接続部品と本体外周部の密着性を補うもので図5に示す様に、従来の円形(51)のものも使用できるが接続部品との密着性を良くするために、外側面(D)にリブ状の突起物(53)を有するもの、波付け管側面とシールド材との密着性を良くするために側面(54)にリブ状の突起物を有するもの、波付け管形状とほぼ同一(52)のもの等が使用できる。またリブ状の突起物の形状は半円、四角、三角形状など何でも良く、波付け管と接続部品とで圧着された場合にリブ形状が変形しこの間に隙間が生じなくなればよい。
【0012】
使用する弾性体としては、ゴム、エラストマーと呼ばれるものが挙げられる。また、ゴムとしては天然ゴム、合成ゴムが有るが合成ゴムではブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリサルファイドゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ケイ素ゴム、ウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム等が挙げられ、エラストマーとしてはポリスチレン系、ポリオレフィン系、PVC系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、フッ素ポリマー系、ホモポリマー系アイオノマー系、アロイ系エラストマー等が挙げられる。
【0013】
【作用】
大口径シールド材の拡幅の為に大きな張力を必要とする場合や、シールド材の密着性を向上させる為のリブ付きの異形のシールド材を使用する場合において、シールド受け装置にシールド材を確実に保持することが出来、拡大装置の接触部がシールド材との接触部と同様な形状となっているので、弾性の大きなものも回転、よじれ等のない状態で波付け管の外周の所定位置に取り付けることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面によって説明する。図1は本発明の一実施例の構成図、図2、図3、図4はその動作の説明図である。図1において、1はシールド材を取り付けようとする波付け管、2、3はシールド材を拡幅する際に掴む保持受け装置の爪、4は爪開閉動作用のネジ付き回転軸、5は径伸縮動作用回転軸、6は弾性シールド材である。まず第一にシールド材保持受け装置はシールド材外径より大きな位置に有り、シールド材保持用の爪は開かれた状態である。
【0015】
次にシールド材は図2の27のシールド材受け台の上に置かれ、4方向(大口径管の場合は6ないし8方向がよい)より保持受け装置が保持用の爪を開放した状態で近づきシールド材を挟み付け保持する。図3、図4がその開閉機構である。この時、挟み付けの動作は、バネ圧によることも可能であるが、保持具の軸の回転のみで行えるようになっている。その為、その後のシールド材を拡幅せしめる際に加わる応力は爪部及び回転軸のみに加わり両爪間の開こうとする力に対抗する力は保持具及び回転軸部の材質的強度に依存することになり、バネ等の押さえ具に比べ大きな強度を与えることが可能となった。
【0016】
この時爪形状は図3に示すようにシールド材の断面形状と概ね一致させており、またこのシールド材が波付け管の装着された場合に図5の52に示すように波付け管外周部の形状と概ね一致させることが出来る。
【0017】
次に保持受け装置が外側に拡幅し、波付け管の外径より大きくなったところで停止し、そのリング内に横方向より波付け管が移動し所定位置で停止させる。この時、所定位置にはストッパー等を設け波付け管がストッパーに接触した際にセンサーが働き波付け管の移動を停止させると同時に保持受け装置がシールド材を径縮させながら管外径に近づき、直近に近づいたときにこれを開放しシールド材を管谷部に装着する。
【0018】
保持受け装置は、そのまま初期の状態まで戻り停止し、波付け管はシールド材が開放されると同時に当該装置より搬出される。
【0019】
【発明の効果】
以上、一実施例を上げて詳細に説明したように本発明によれば、シールド材を外周部から保持せしめる方法としたため、取付時にシールド材がこすれたり、回転したりせず、所定の位置にシールド材を取り付けることが出来、又保持受け装置の爪の形状を概ねシールド材の形状と一致させたため、リブ状の突起があったりした場合にも、外観形状を痛めずに密着性良くシールド材を取り付けられた。またシールド材の断面形状を自由に設計できるため、より密着性の良いシールド材の使用が可能となった。この為水などの液体を流動させるには十分な密着性を得る事が出来る。
【0020】
また図5の53,54のように上底部や側面部にリブ状の突起を付けたシールド材も使用可能となるため、波付け管や接続部品の寸法精度が悪い状態においても密着性の向上を図れる。この為大口径管のようにシールド材の拡幅の為に人が行える約500N程度以上の様な力を必要とするような管に、リング状シールド材の使用が可能になった。
【0021】
また強度の強い弾性体を用いたシールド材の取付が可能になった為従来方法では締め付け不十分により若干の水漏れ等が有ったが内圧水にも耐えられる接続が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の要部を示し、概略斜視図である。
【図2】同上のシールド材受け台の正面図である。。
【図3】シールド材保持具の爪の形状及びシールド材を保持した状態の側面図である。
【図4】同上のシールド材を開放した状態の側面図である。
【図5】シールド材形状を示す断面図である。
【図6】従来方法による取付図である。
【符号の説明】
1 波付け管本体、
2 保持受け装置爪
3 保持受け装置爪、
4 保持受け装置開閉回転軸、
5 リング状シールド材拡幅用回転軸、
6 リング状シールド材
27 シールド材受け台、
61 拡幅用ジグ
62 拡幅用ジグ
Claims (3)
- 波付け管外周部にリング状のシールド材を取り付ける装置において、
シールド材との接触部が、シールド材の側面の形状と同様か、又は側面及び内側の面と同様な形状であり、少なくともシールド材側面に接触し、シールド材を外側の面方向から保持する4以上の爪と、各爪の開閉及び移動を行う回転軸とを有する保持受け装置を備え、
前記回転軸を回転させることにより、前記爪によってシールド材を挟み付けて保持した後、各爪を相互に離れる方向に移動させて前記シールド材を波付け管の外径よりも大きくなるまで拡幅し、波付け管をシールド材のリング内の所定位置まで移動後、前記爪がシールド材を開放し波付け管に取り付けることを特徴とする波付け管用シールド材取付装置。 - 前記保持受け装置は、前記爪を開閉するための回転軸と、各爪を移動させるための他の回転軸とを備えることを特徴とする請求項1に記載の波付け管用シールド材取付装置。
- 前記シールド材は、側面又は外側の面にリブ状の突起物を有する弾性体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の波付け管用シールド材取付装置。
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