JP4681136B2 - インバータ制御方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はインバータ制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように回路を構成し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するシステムに適用されるインバータ制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られているように、インバータ回路はトランジスタのスイッチング制御により直流電源を可変周波数、可変電圧の交流電力に高効率に変換する回路である。
【0003】
そして、インバータ回路は、例えば、モータの回転数やトルクを制御する必要のある家電機器や産業機器に広く応用されている。
【0004】
また、一般には、交流電源を直流電源に変換するために回路構成が簡単なダイオードブリッジ回路が採用され、整流後の電圧リプルを除去するために大容量の平滑用コンデンサが使用されている。
【0005】
そして、この場合には、電源側の力率低下や高調波の増大などの不都合が発生するため、このような不都合の発生を防止し、もしくは抑制するために、ダイオードブリッジ回路の入力側もしくは直流側にインダクタンスの大きな力率改善リアクトルを接続する(図8参照)。
【0006】
また、最近では、電源力率や電源高調波に対する特性の高性能化を目的として、スイッチングトランジスタおよびダイオードなどからなるチョッパをダイオードブリッジ回路の直流側に設けることが提案されている(図9参照)。
【0007】
このようなインバータ回路を採用した場合には、大容量の平滑用コンデンサ、力率改善リアクトルが必要であり、これらを採用することに伴ってサイズが大型化し、しかもコストアップを招いてしまうという不都合がある。
【0008】
また、電源高調波特性の高性能化を達成するためにはチョッパ回路が必要であり、さらなるコストアップを招いてしまうという不都合がある。
【0009】
さらに、大容量の平滑用コンデンサとしては一般的に電解コンデンサが採用されるので、電解コンデンサの寿命が短いことに起因してダイオードブリッジ回路を含むインバータ回路の寿命が短くなり、しかも電解コンデンサの温度特性に起因してダイオードブリッジ回路を含むインバータ回路の使用環境が制約されるという不都合がある。
【0010】
このような不都合を解消するために、整流部の大容量な平滑用コンデンサを省略(以下、これを単相コンデンサレスインバータと略称する)し、d軸電流を電源周波数の2倍周波で変化させ、弱め界磁制御によりモータ端子電圧を低下させ、これにより、直流電圧が脈動し、大きく低下した場合にも、モータ電流を流し込めるようにし、インバータ入力(整流回路入力)の電流通電幅を広げることによって、高入力力率化、および電源高調波特性の高性能化を達成するようにしたインバータ制御方法(「高入力力率のダイオード整流回路を持つPMモータのインバータ制御法」、高橋勲、平成12年電気学会全国大会、p1591参照、以下、論文1と略称する)が提案されている。
【0011】
このインバータ制御方法によれば、整流部に接続されたインバータの出力を所望の波形に制御することにより、整流部の入力力率向上ならびに高調波レス化を達成することができ、しかも、従来これらを達成するために必要とされていた大容量電解コンデンサ、リアクトル、チョッパを不要にすることができる。
【0012】
また、前記論文1に基づいたインバータ制御方法として、「PMモータの高速弱め界磁制御を用いたダイオード整流回路の高効率化」、芳賀、高橋、平成12年電気学会産業応用部門全国大会(以下、論文2と略称する)、および「PMモータの高速弱め界磁法による単相ダイオード整流回路の高入力力率化」、芳賀、高橋、平成12年電気学会半導体電力変換研究会SPC−00−64(以下、論文3と略称する)が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
論文1のインバータ制御方法は原理的にダイオード整流回路のコンデンサの容量を極めて小さくし、直流電圧vdcは電源周波数の2倍の周波数で大きく脈動する。このため、インバータ電圧を所定値に制御するためには、直流電圧を検出し、これと制御演算の結果得られる指令電圧との比に基づいて信号波を算出し、算出した信号波に基づいてPWM制御を行う必要がある。このように直流電圧との比に基づいて信号波を求める方法は、例えば、特開昭59−169383号公報などに記載されている。
【0014】
図10は、論文2、論文3で示された制御ブロックの構成を概略的に示す図である。
【0015】
モータ電流iu、iv、iw、モータの回転位置角θm、d−q軸電流指令Id*、iq*を入力とする電流制御演算部において所定の制御演算を行って必要なインバータの出力相電圧指令vu*、vv*、vw*を出力する。そして、出力相電圧指令vu*、vv*、vw*を除算部に供給して直流電圧vdcに基づく除算を行って信号波eu、ev、ewを得、信号波eu、ev、ewと搬送波信号発生部からの信号(搬送波)とを減算部に供給し、減算部の出力をコンパレータに供給することにより、”0”または”1”のPWM信号として出力する。
【0016】
上記の一連の処理はアナログ演算器の組み合わせによって実現することができる。
【0017】
また、PWM信号の”1”に対応してインバータの上アームトランジスタ(直流部+側にコレクタ端子が接続されたトランジスタ)がオンするとする。電圧形インバータの上アームトランジスタに対し、下アームトランジスタは排他的にオン制御される。
【0018】
図11は信号波、搬送波、および両者の比較結果として出力されるPWM信号の関係をu相に着目して示す図である。
【0019】
図11を参照して、図中のパルス幅τu(PWM信号が”1”となる時間)と信号波レベルeuとの関係を考えると、数1となる。ここでは、信号波の周波数に比べ、搬送波の周波数が十分高く、搬送波周期の間は、信号波レベルeuは一定であると仮定している。
【0020】
【数1】
【0021】
図12(a)は、インバータ回路の1相分を示す図であり、図12(b)はインバータ出力電圧を示す図である。
【0022】
これらの図から分かるように、PWM信号”1”に応答してVdc、”0”に応答して0が出力される。したがって、搬送波周期Tc間のインバータ出力電圧の平均電圧は、数2と求めることができる。
【0023】
【数2】
【0024】
ここで、u相指令電圧vu*と信号波euとの間には数3の関係があるので、数3と数2から、数4となる。
【0025】
【数3】
【0026】
【数4】
【0027】
以上から、図10の構成を採用すれば、直流電圧の変動の影響を受けることなく、所望の出力電圧をインバータから供給することができることが分かる。
【0028】
しかし、図10の制御ブロックの処理をマイコンで行い、インバータをPWM制御する場合には、入出力部に、図13に示すように所定の制御周期に応答して動作するサンプラーが挿入され、演算処理を離散的に行うことになる。この結果、電圧制御精度が低下してしまうという不都合が発生する。
【0029】
アナログ回路により上記の演算処理を行えば、絶えず演算が実行され、直流電圧を含む各検出諸量の変化はPWM波形にリアルタイムに反映され、上記の不都合は生じない。しかし、アナログ演算回路は調整が複雑な上に、演算項目の数に比例して回路規模が大きくなるなどの不都合を生じるので、コストが重視され、大量生産する家電機器などに採用することが困難である。
【0030】
この結果、マイコンを用いた制御が採用され、上述のように電圧制御精度の低下を招いてしまうのである。
【0031】
さらに説明する。
【0032】
文献1のインバータ制御をマイコンにより行う場合の電流制御処理を、図14のフローチャートに基づいて説明する。
【0033】
ステップSP1において、ブラシレスDCモータの回転子の回転位置信号θm(n)、直流電圧vdc(n)、モータ電流iu(n)、iv(n)、iw(n)の検出量、およびd−q軸指令電流id(n)*、iq(n)*を入力する。
ここで、(n)はサンプラーでの入出力タイミングを表す添え字である。
【0034】
そして、ステップSP2において、従来公知の3相→d−q変換演算を行って現在の(サンプル点nの)d−q軸電流id(n)、iq(n)を算出する。次いで、ステップSP3において、d−q軸各々の指令電流と検出電流(算出値)との偏差εd(n)、εq(n)を演算する。
【0035】
ステップSP4において、得られた偏差εd(n)、εq(n)をPI(比例・積分)演算してd−q軸電圧指令vd(n)、vq(n)を算出し、ステップSP5において、従来公知のd−q→3相変換演算を行って各相電圧指令vu(n)*、vv(n)*、vw(n)*を算出する。
【0036】
そして、ステップSP6において、各相電圧指令vu(n)*、vv(n)*、vw(n)*と直流電圧vdc(n)とに基づいて数5の演算を行って各相のパルス幅τu(n+1)、τv(n+1)、τw(n+1)を算出し、PWMタイマに記憶し、そのまま元の処理に戻る。
【0037】
なお、図示を省略しているが、数5のパルス幅演算結果が負になった場合にはパルス幅を0に、Tcを越えた場合にはパルス幅をTcに、それぞれ設定する処理が行われる。
【0038】
【数5】
【0039】
PWMタイマは図11と等価な処理を行って所定のパルス信号を出力する。
【0040】
図15はマイコン処理とインバータ出力電圧との時間関係を説明する図である。
【0041】
図15中のサンプル点nにおいて前記処理(電流制御処理)が開始し(図中の▲1▼参照)、演算所要時間経過後(図中の▲2▼参照)に演算が終了し、パルス幅がPWMタイマに記憶される。そして、このパルス幅は、サンプル点(n+1)においてPWM信号に反映される{PWMの搬送波周期(=PWMタイマに記憶されたパルス幅をPWMタイマカウンタにロードして、カウンタ動作を再開させる間隔)と電流制御処理の演算周期を同じにし、演算開始タイミングと同期させている}。
【0042】
このため、図15中(A)に示すように直流電圧が変化すると、サンプル点nの直流電圧vdc(n)の除算により算出したパルス幅τ(n+1)が出力されるn+1からn+2までの期間の平均電圧vdc(n+3/2)(=数6)と指令電圧との間には、直流電圧変化に基づく誤差が発生し、その誤差率は数7で与えられる。
【0043】
【数6】
【0044】
【数7】
【0045】
図16は誤差電圧を数7によりシミュレーションした結果を示す図である。ここで、電源電圧は単相200V、50Hz、演算周期ΔT、搬送波周期Tcは共に250μsとしている。
【0046】
従来の大容量コンデンサを有するインバータの制御(特開昭59−169383号公報参照)で考えられていた負荷や入力電源電圧の変動に伴う直流電圧の変動は一般に20%程度であるのに対し、単相コンデンサレスインバータ(例えば、文献1参照)においては、直流電圧が0〜電源電圧実効値の1.41倍の範囲で大きく脈動する。
【0047】
そして、直流電圧の変化が20%程度の場合の誤差は10%以下であるのに対し、特に直流電圧の低い(直流電圧がピーク値280Vの半分以下となる)期間で誤差が大きくなる(約20%〜150%)ことが分かる。
【0048】
文献1の”図2”に示されるように、電源力率を向上し、入力電流の波形歪を低減するには、直流電圧を0V近傍まで下げるIPMモータの弱め界磁制御が必要である。すなわち、直流電圧が低い期間においても所望の界磁電流に制御するための高精度な電圧制御が必要になる。
【0049】
【発明の目的】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、マイコンを用いた演算処理を行った場合でも電圧制御精度の低下を防止することができるインバータ制御方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0050】
【課題を解決するための手段】
請求項1のインバータ制御方法は、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧たる直流電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータに供給し、インバータの出力電圧または出力電流を負荷に供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するシステムにおいて、負荷の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測し、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点から前記その次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行う方法である。
【0051】
請求項2のインバータ制御方法は、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するシステムにおいて、モータの制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測し、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点から前記その次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行う方法である。
【0052】
請求項3のインバータ制御方法は、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するシステムにおいて、モータの制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルまでの前記直流電圧を予測し、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行い、前記直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行う方法である。
【0053】
請求項4のインバータ制御方法は、予測した前記直流電圧が存在し得る値である場合に前記直流電圧が単調変化する領域であると判定する方法である。
【0054】
請求項5のインバータ制御装置は、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧たる直流電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータに供給し、インバータの出力電圧または出力電流を負荷に供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するものであって、負荷の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測する予測手段と、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点から前記その次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行うパルス幅演算手段とを含むものである。
【0055】
請求項6のインバータ制御装置は、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するものであって、モータの制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測する予測手段と、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点から前記その次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行うパルス幅演算手段とを含むものである。
【0056】
請求項7のインバータ制御装置は、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するものであって、モータの制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルの前記直流電圧を予測する予測手段と、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うパルス幅演算手段とを含み、前記パルス幅演算手段として、前記直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うものを採用するものである。
【0057】
請求項8のインバータ制御装置は、前記パルス幅演算手段として、予測した前記直流電圧が存在し得る値である場合に前記直流電圧が単調変化する領域であると判定し、前記直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うものを採用するものである。
【0058】
【作用】
請求項1のインバータ制御方法であれば、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータに供給し、インバータの出力電圧または出力電流を負荷に供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するに当たって、負荷の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との直流電圧検出値から次サンプルの直流電圧を予測し、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うのであるから、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができる。
【0059】
請求項2のインバータ制御方法であれば、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するに当たって、モータの制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との直流電圧検出値から次サンプルの直流電圧を予測し、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うのであるから、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができる。
【0060】
請求項3のインバータ制御方法であれば、直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うのであるから、直流電圧が単調変化しない領域において直流電圧を予測してパルス幅演算を行うことに伴う予測誤差の発生を未然に防止することができるほか、請求項2と同様の作用を達成することができる。
【0061】
請求項4のインバータ制御方法であれば、予測した直流電圧が存在し得る値である場合に直流電圧が単調変化する領域であると判定するのであるから、直流電圧が単調変化する領域であることを簡単に判定することができ、ひいては、請求項3と同様の作用を達成することができる。
【0062】
請求項5のインバータ制御装置であれば、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータに供給し、インバータの出力電圧または出力電流を負荷に供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するに当たって、予測手段により、負荷の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との直流電圧検出値から次サンプルの直流電圧を予測し、パルス幅演算手段により、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うことができる。
【0063】
したがって、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができる。
【0064】
請求項6のインバータ制御装置であれば、ダイオード整流回路とインバータとを含み、ダイオード整流回路の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路の出力端子間に接続されるコンデンサの容量を設定し、インバータの出力電圧または出力電流をモータに供給すべくマイコンを用いてインバータを制御するに当たって、予測手段により、モータの制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との直流電圧検出値から次サンプルの直流電圧を予測し、パルス幅演算手段により、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うことができる。
【0065】
したがって、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができる。
【0066】
請求項7のインバータ制御装置であれば、前記パルス幅演算手段として、直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うものを採用するのであるから、直流電圧が単調変化しない領域において直流電圧を予測してパルス幅演算を行うことに伴う予測誤差の発生を未然に防止することができるほか、請求項6と同様の作用を達成することができる。
【0067】
請求項8のインバータ制御装置であれば、前記パルス幅演算手段として、予測した直流電圧が存在し得る値である場合に直流電圧が単調変化する領域であると判定し、直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うものを採用するのであるから、直流電圧が単調変化する領域であることを簡単に判定することができ、ひいては、請求項7と同様の作用を達成することができる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明のインバータ制御方法およびその装置の実施の態様を詳細に説明する。
【0069】
図1はこの発明のインバータ制御方法の一実施態様の要部を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、図14のフローチャートのステップSP6の処理に代えて行われる。
【0070】
ステップSP1において、直流電圧vdc(n−1)、vdc(n)を入力し、ステップSP2において、数8の演算を行ってサンプル点(n+1)から(n+2)までの期間の平均電圧vdc(n+3/2)を予測し、ステップSP3において、予測された平均電圧vdc(n+3/2)と各相電圧指令とに基づいて数9の演算を行って各相パルス幅を算出してPWMタイマに記憶し、そのまま元の処理に戻る。
【0071】
【数8】
【0072】
【数9】
【0073】
この実施態様を採用すれば、直流電圧vdc(n)に代えて平均電圧vdc(n+3/2)採用してパルス幅を算出するのであるから、直流電圧が電源周波数の2倍の周波数で脈動するシステムにおいて、マイコンを用いてパルス幅演算を行う場合における電圧制御精度を高めることができる。
【0074】
なお、図示は省略しているが、数9のパルス幅演算結果が負になった場合もしくはTcを越えた場合には、従来と同様にパルス幅を0もしくはTcに設定する処理が行われる。また、vdc(n+3/2)が0となった場合にも、パルス幅をTcに設定する処理が行われる。
【0075】
図2はこの発明のインバータ制御装置の一実施態様の要部を示すブロック図である。
【0076】
このインバータ制御装置は、交流電源1を入力とする単相ダイオード整流回路2と、単相ダイオード整流回路2の出力端子間に接続されるコンデンサ3と、単相ダイオード整流回路2の出力端子間に接続される3相インバータ4と、3相インバータ4の出力が供給されるモータ5と、直流電圧を検出するとともに、検出した直流電圧を少なくとも1サンプル期間だけ保持する直流電圧検出保持部7と、検出した直流電圧vdc(n)および1サンプル前に検出した直流電圧vdc(n−1)に基づいて数8の演算を行ってサンプル点(n+1)から(n+2)までの期間の平均電圧vdc(n+3/2)を予測する予測部8と、相電圧指令、予測された平均電圧vdc(n+3/2)、搬送波周期Tcに基づき、数9の演算を行って各相のパルス幅を算出する第1パルス幅演算部9と、算出された各相のパルス幅を記憶するPWMタイマ10と、PWMタイマ10から出力されるタイマ信号に基づいてインバータ制御信号を出力し、図示しないドライバ回路を通して3相インバータ4の各相のトランジスタを制御すべく3相インバータ4に供給する波形制御部11とを有している。
【0077】
そして、単相ダイオード整流回路2の出力電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、コンデンサ3の容量を設定している。
【0078】
上記の構成のインバータ制御装置を採用した場合にも、直流電圧vdc(n)に代えて平均電圧vdc(n+3/2)採用してパルス幅を算出するのであるから、直流電圧が電源周波数の2倍の周波数で脈動するシステムにおいて、マイコンを用いてパルス幅演算を行う場合における電圧制御精度を高めることができる。
【0079】
図3はこの発明のインバータ制御方法の他の実施態様の要部を説明するフローチャートである。
【0080】
ステップSP1において、入力電圧位相θs(n)を入力し、ステップSP2において、入力電圧位相θs(n)が180°を越えているか否かを判定し、入力電圧位相θs(n)が180°を越えていると判定された場合には、ステップSP3において、入力電圧位相θs(n)から180°を減算して新たな入力電圧位相θs(n)を算出する。
【0081】
ステップSP2において入力電圧位相θs(n)が180°を越えていないと判定された場合、またはステップSP3の処理が行われた場合には、ステップSP4において、入力電圧位相θs(n)がθ0<θs(n)<θ1、またはθ2<θs(n)<θ3であるか否か{入力電圧位相θs(n)が単調変化領域か否か}を判定する。具体的には、図4中aで示すように入力電圧が与えられ、bで示すような直流電圧が与えられた場合に、θ0を1〜2サンプル以上で可能な限り小さい値に設定し、θ1を、入力電圧が最大となる点の位相よりも1〜2サンプル以上小さく、かつ可能な限り大きい値に設定し、θ2を、入力電圧が最大となる点の位相よりも1〜2サンプル以上大きく、かつ可能な限り小さい値に設定し、θ3を、入力電圧が減少して0になる点の位相よりも1〜2サンプル以上小さく、かつ可能な限り大きい値に設定する。
【0082】
ステップSP4において入力電圧位相θs(n)がθ0<θs(n)<θ1、またはθ2<θs(n)<θ3であると判定された場合には、ステップSP5において、直流電圧vdc(n−1)、vdc(n)を入力し、ステップSP6において、数8によりサンプル点(n+1)から(n+2)までの期間の平均電圧vdc(n+3/2)を予測し、ステップSP7において、数9により各相パルス幅τu(n+1)、τv(n+1)、τw(n+1)を算出してPWMタイマに記憶する。
【0083】
逆に、ステップSP4において入力電圧位相θs(n)がθ0<θs(n)<θ1でなく、しかもθ2<θs(n)<θ3でないと判定された場合には、ステップSP8において、数5により各相パルス幅τu(n+1)、τv(n+1)、τw(n+1)を算出してPWMタイマに記憶する。
【0084】
そして、ステップSP7の処理、またはステップSP8の処理が行われた場合には、そのまま元の処理に戻る。
【0085】
なお、図示は省略しているが、数5並びに数9のパルス幅演算結果が負になった場合もしくはTcを越えた場合には、従来と同様にパルス幅を0もしくはTcに設定する処理が行われる。また、vdc(n+3/2)が0となった場合にも、パルス幅をTcに設定する処理が行われる。
【0086】
この実施態様においては、入力電圧位相θs(n)が直流電圧の極大点、極小点を中心とする所定範囲であるか否かを判定することができる。そして、入力電圧位相θs(n)がこれら所定範囲である場合において、数8に基づく平均電圧の予測を行うと、電圧の変化率極性が正から負もしくは負から正に変わることに起因して、平均電圧の予測結果には誤差が発生する。
【0087】
したがって、入力電圧位相θs(n)がこれら所定範囲でない場合(単調変化領域である場合)に、数8に基づいて平均電圧を精度良く予測し、数9に基づいて各相パルス幅を正確に算出することができる。逆に、入力電圧位相θs(n)がこれら所定範囲である場合に、数5に基づいて従来方法と同程度の精度で各相パルス幅を算出することができる。
【0088】
図5はこの発明のインバータ制御装置の他の実施態様の要部を示すブロック図である。
【0089】
このインバータ制御装置が図2のインバータ制御装置と異なる点は、入力電圧位相を検出するとともに、入力電圧位相が180°よりも大きい場合には180°を減算した値を入力電圧位相とする入力電圧位相検出部12と、入力電圧位相θs(n)がθ0<θs(n)<θ1、またはθ2<θs(n)<θ3であるか否かを判定する判定部13と、各相電圧指令、直流電圧、搬送波周期に基づいて数5により各相パルス幅を算出してPWMタイマ10に供給する第2パルス幅演算部14とをさらに含み、判定部13の判定結果に基づいて第1パルス幅演算部9、第2パルス幅演算部14を選択的に動作させるようにしている。具体的には、入力電圧位相θs(n)がθ0<θs(n)<θ1、またはθ2<θs(n)<θ3であると判定された場合に第1パルス幅演算部9を動作させ、入力電圧位相θs(n)がθ0<θs(n)<θ1、θ2<θs(n)<θ3の何れでもないと判定された場合に第2パルス幅演算部14を動作させる。
【0090】
上記の構成のインバータ制御装置を採用した場合には、入力電圧位相θs(n)が直流電圧の極大点、極小点を中心とする所定範囲であるか否かを判定することができる。
【0091】
したがって、入力電圧位相θs(n)がこれら所定範囲でない場合(単調変化領域である場合)に、数8に基づいて平均電圧を精度良く予測し、数9に基づいて各相パルス幅を正確に算出することができる。逆に、入力電圧位相θs(n)がこれら所定範囲である場合に、数5に基づいて従来方法と同程度の精度で各相パルス幅を算出することができる。
【0092】
図6はこの発明のインバータ制御方法のさらに他の実施態様の要部を説明するフローチャートである。
【0093】
ステップSP1において、直流電圧vdc(n−1)、vdc(n)および入力電圧の波高値vmを入力し、ステップSP2において、数8によりサンプル点(n+1)から(n+2)までの期間の平均電圧vdc(n+3/2)を予測し、ステップSP3において、平均電圧vdc(n+3/2)が0以上か否かを判定し、平均電圧vdc(n+3/2)が0以上であると判定された場合には、ステップSP4において、平均電圧vdc(n+3/2)が入力電圧の波高値vm以下か否かを判定する。
【0094】
そして、ステップSP4において平均電圧vdc(n+3/2)が入力電圧の波高値vm以下であると判定された場合には、ステップSP5において、数9により各相パルス幅τu(n+1)、τv(n+1)、τw(n+1)を算出してPWMタイマに記憶する。
【0095】
逆に、ステップSP3において平均電圧vdc(n+3/2)が0以上でないと判定された場合、またはステップSP4において平均電圧vdc(n+3/2)が入力電圧の波高値vm以下でないと判定された場合には、ステップSP6において、数5により各相パルス幅τu(n+1)、τv(n+1)、τw(n+1)を算出してPWMタイマに記憶する。
【0096】
そして、ステップSP5の処理、またはステップSP6の処理が行われた場合には、そのまま元の処理に戻る。
【0097】
なお、図示は省略しているが、数5並びに数9のパルス幅演算結果が負になった場合もしくはTcを越えた場合には、従来と同様にパルス幅を0もしくはTcに設定する処理が行われる。また、vdc(n+3/2)が0となった場合にも、パルス幅をTcに設定する処理が行われる。
【0098】
この実施態様においては、予測した平均電圧vdc(n+3/2)が採り得ない値になっている場合に直流電圧vdcの変化率の符号が変わったことを検出することができるので、数5に基づいて従来方法と同程度の精度で各相パルス幅を算出することができる。逆に、予測した平均電圧vdc(n+3/2)が存在し得る値である場合に直流電圧vdcの変化率の符号が変わっていないと判定できるので、数9に基づいて各相パルス幅を正確に算出することができる。
【0099】
図7はこの発明のインバータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0100】
このインバータ制御装置が図2のインバータ制御装置と異なる点は、入力電圧の波高値vmを検出する波高値検出部15と、予測された平均電圧vdc(n+3/2)がvdc(n+3/2)≧0かつvdc(n+3/2)≦vmであるか否か(存在し得る値であるか否か)を判定する判定部16と、各相電圧指令、直流電圧、搬送波周期に基づいて数5により各相パルス幅を算出してPWMタイマ10に供給する第2パルス幅演算部17とをさらに含み、判定部16の判定結果に基づいて第1パルス幅演算部9、第2パルス幅演算部17を選択的に動作させるようにしている。具体的には、予測された平均電圧vdc(n+3/2)がvdc(n+3/2)≧0かつvdc(n+3/2)≦vmであると判定された場合に第1パルス幅演算部9を動作させ、予測された平均電圧vdc(n+3/2)がvdc(n+3/2)<0またはvdc(n+3/2)>vmである(採り得ない値である)と判定された場合に第2パルス幅演算部17を動作させる。
【0101】
上記の構成のインバータ制御装置を採用した場合には、予測した平均電圧vdc(n+3/2)が採り得ない値になっている場合に直流電圧vdcの変化率の符号が変わったことを検出することができるので、数5に基づいて従来方法と同程度の精度で各相パルス幅を算出することができる。逆に、予測した平均電圧vdc(n+3/2)が存在し得る値である場合に直流電圧vdcの変化率の符号が変わっていないと判定できるので、数9に基づいて各相パルス幅を正確に算出することができる。
【0102】
【発明の効果】
請求項1の発明は、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができるという特有の効果を奏する。
【0103】
請求項2の発明は、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができるという特有の効果を奏する。
【0104】
請求項3の発明は、直流電圧が単調変化しない領域において直流電圧を予測してパルス幅演算を行うことに伴う予測誤差の発生を未然に防止することができるほか、請求項2と同様の効果を奏する。
【0105】
請求項4の発明は、直流電圧が単調変化する領域であることを簡単に判定することができ、ひいては、請求項3と同様の効果を奏する。
【0106】
請求項5の発明は、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができるという特有の効果を奏する。
【0107】
請求項6の発明は、演算処理を離散的に行うにも拘わらず、電圧制御精度の低下を防止することができ、この結果、インバータ出力電圧を絶えず指令値どおりにすることができ、ひいては、整流回路の入力力率向上および高調波レス化の性能を最大限発揮させることができるという特有の効果を奏する。
【0108】
請求項7の発明は、直流電圧が単調変化しない領域において直流電圧を予測してパルス幅演算を行うことに伴う予測誤差の発生を未然に防止することができるほか、請求項6と同様の効果を奏する。
【0109】
請求項8の発明は、直流電圧が単調変化する領域であることを簡単に判定することができ、ひいては、請求項7と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインバータ制御方法の一実施態様の要部を説明するフローチャートである。
【図2】この発明のインバータ制御装置の一実施態様を示すブロック図である。
【図3】この発明のインバータ制御方法の他の実施態様の要部を説明するフローチャートである。
【図4】入力電圧位相に対する直流電圧、入力電圧の変化を示す図である。
【図5】この発明のインバータ制御装置の他の実施態様を示すブロック図である。
【図6】この発明のインバータ制御方法のさらに他の実施態様の要部を説明するフローチャートである。
【図7】この発明のインバータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図8】従来のパッシブフィルタ方式のインバータシステムの構成を示す図である。
【図9】従来のアクティブフィルタ方式のインバータシステムの構成を示す図である。
【図10】論文2、論文3で示された制御ブロックの構成を概略的に示す図である。
【図11】信号波、搬送波、および両者の比較結果として出力されるPWM信号の関係をu相に着目して示す図である。
【図12】インバータ回路の1相分、およびインバータ出力電圧を示す図である。
【図13】図10の制御ブロックの処理をマイコンで行い、インバータをPWM制御する場合の構成を示す図である。
【図14】文献1のインバータ制御をマイコンにより行う場合の電流制御処理を説明するフローチャートである。
【図15】マイコン処理とインバータ出力電圧との時間関係を説明する図である。
【図16】誤差電圧を数7によりシミュレーションした結果を示す図である。
【符号の説明】
2 単相ダイオード整流回路 3 コンデンサ
4 3相インバータ 5 モータ
7 直流電圧検出保持部 8 予測部
9 第1パルス幅演算部 13、16 判定部
Claims (8)
- ダイオード整流回路(2)とインバータ(4)とを含み、ダイオード整流回路(2)の出力電圧たる直流電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータ(4)に供給し、インバータ(4)の出力電圧または出力電流を負荷(5)に供給すべくマイコンを用いてインバータ(4)を制御するシステムにおいて、負荷(5)の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測し、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点から前記その次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行うことを特徴とするインバータ制御方法。
- ダイオード整流回路(2)とインバータ(4)とを含み、ダイオード整流回路(2)の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路(2)の出力端子間に接続されるコンデンサ(3)の容量を設定し、インバータ(4)の出力電圧または出力電流をモータ(5)に供給すべくマイコンを用いてインバータ(4)を制御するシステムにおいて、モータ(5)の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測し、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点からその次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行うことを特徴とするインバータ制御方法。
- ダイオード整流回路(2)とインバータ(4)とを含み、ダイオード整流回路(2)の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路(2)の出力端子間に接続されるコンデンサ(3)の容量を設定し、インバータ(4)の出力電圧または出力電流をモータ(5)に供給すべくマイコンを用いてインバータ(4)を制御するシステムにおいて、モータ(5)の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルの前記直流電圧を予測し、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行い、
前記直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うことを特徴とするインバータ制御方法。 - 予測した前記直流電圧が存在し得る値である場合に前記直流電圧が単調変化する領域であると判定する請求項3に記載のインバータ制御方法。
- ダイオード整流回路(2)とインバータ(4)とを含み、ダイオード整流回路(2)の出力電圧たる直流電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータ(4)に供給し、インバータ(4)の出力電圧または出力電流を負荷(5)に供給すべくマイコンを用いてインバータ(4)を制御するシステムにおいて、負荷(5)の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測する予測手段(7)(8)と、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点からその次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行うパルス幅演算手段(9)(13)(16)とを含むことを特徴とするインバータ制御装置。
- ダイオード整流回路(2)とインバータ(4)とを含み、ダイオード整流回路(2)の出力電圧たる直流電圧が電源周波数の2倍周波で大きく脈動するように、ダイオード整流回路(2)の出力端子間に接続されるコンデンサ(3)の容量を設定し、インバータ(4)の出力電圧または出力電流をモータ(5)に供給すべくマイコンを用いてインバータ(4)を制御するシステムにおいて、モータ(5)の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルからその次のサンプルまでの平均的な前記直流電圧を予測する予測手段(7)(8)と、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいて前記次サンプル点からその次のサンプル点までのパルス幅を決定するパルス幅演算を行うパルス幅演算手段(9)(13)(16)とを含むことを特徴とするインバータ制御装置。
- ダイオード整流回路(2)とインバータ(4)とを含み、ダイオード整流回路(2)の出力電圧たる直流電圧を電源周波数の2倍周波で大きく脈動する状態でインバータ(4)に供給し、インバータ(4)の出力電圧または出力電流を負荷(5)に供給すべくマイコンを用いてインバータ(4)を制御するシステムにおいて、負荷(5)の制御演算処理の1サンプル前と現在のサンプル点との前記直流電圧の検出値から次サンプルの前記直流電圧を予測する予測手段(7)(8)と、負荷制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うパルス幅演算手段(9)(13)(16)とを含み、
前記パルス幅演算手段(9)(13)は、前記直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うものであることを特徴とするインバータ制御装置。 - 前記パルス幅演算手段(9)(16)は、予測した前記直流電圧が存在し得る値である場合に前記直流電圧が単調変化する領域であると判定し、前記直流電圧が単調変化する領域においてのみ、モータ制御演算処理により得られたインバータ電圧指令と予測した前記直流電圧に基づいてパルス幅演算を行うものである請求項7に記載のインバータ制御装置。
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