JP4677789B2 - 作業車両用無段変速伝動制御装置 - Google Patents

作業車両用無段変速伝動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、無段変速機による作業車両用変速伝動装置を伝動停止位置を含む範囲で車速制御するための作業車両用無段変速伝動制御装置に関するものである。
従来のトラクタ等の作業車両の動力はエンジン出力を断接する主クラッチを介してトランスミッションで走行系と作業系とに変速伝動されていたが、速度制御特性と操作性とを改善するために、特許文献1に示すように、トロイダル式無段変速伝動機構をトランスミッションに内設し、制御装置によって変速制御する例が知られている。
このトロイダル変速伝動機構は、軸線方向に並んで軸支された入力用と出力用のディスクと、対向してトロイダル面を形成したディスク間に介設して変速伝動するパワーローラと、このパワーローラを進退駆動して伝動速度比を調節するシリンダ等から構成され、制御装置によりアクセルとブレーキの操作に応じてシリンダの油圧制御をすることにより、伝動停止のニュートラル状態および正逆転を含む幅広い速度幅の動力を効率良く無段階で変速伝動することができる。
上記無段変速機をトランスミッションに組み込むことにより、入力動力の断接を行う主クラッチを廃してトランスミッション部をコンパクト化し、伝動特性の改善を図るとともに、クラッチ操作を要することなく、アクセルとブレーキの操作で速度制御を容易化してオペレータの操作負担を軽減することができる。
しかし、上記構成のトランスミッションは、従来の主クラッチ付きの作業車両に必要であった主クラッチ操作用のペダルを持たず、操作方法が相違することから、その操作に習熟していないオペレータにとっては、緊急の際に戸惑いを生じさせるという問題があった。この問題は、従来の主クラッチ付きの作業車両と混在使用する作業環境においても避けられないものであり、その解決が待たれていた。
特開2003−72430号公報
解決しようとする問題点は、主クラッチを要しない無段変速機式のトランスミッションによる変速伝動装置の特性を生かすとともに、構成上の差を意識させことなく、緊急事態に適切に対処することが可能となる作業車両用無段変速伝動制御装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、 無段変速機(21)の伝動速度比を通電指令に応じて伝動停止位置を含む範囲で制御する伝動制御部と、この伝動制御部に対してブレーキ操作のためのブレーキペダル(c)の操作信号(82)に応じて所定の減速度(C1)で伝動速度比を通電指令(61)する減速処理部と、機体走行を前後進切替する前後進切替レバーを有し、上記伝動制御部が、バリエータ(21)と、仕切壁(9)の後側に続く遊星差動部(22)と、HiLo2つのクラッチによる高低切替部(23)とからなるトロイダル変速機構によって構成される作業車両用無段変速伝動制御装置(80)において、
上記減速処理部は、ブレーキペダル(c)の近傍に付加的に配置した付加ペダル(d)の操作信号(86)を入力としてこの付加ペダル(d)の操作信号(86)をブレーキペダル(c)の操作信号(82)とともに受けた場合に、別途設定した減速度(C2)で伝動速度比を通電指令し、
上記前後進切替レバーの操作により機体走行を前後進切替する際には、バリエータ制御とブレーキ制御とを併用した減速にすると共に、
トラクションフルードのサブタンク(91)を設け、温度センサによりバリエータ室内のトラクションフルードの温度が一定範囲を外れた場合に、上記高低切替部(23)の低速側のクラッチを滑らせるクラッチ制御を行うことを特徴とする。
上記構成の作業車両用無段変速伝動制御装置により、ブレーキペダルの操作信号を受けると、減速処理部は、所定の減速度で伝動制御部に伝動速度比を通電指令し、この通電指令に沿って伝動制御部が伝動停止のニュートラル状態を含む範囲で無段変速機の伝動速度比を制御することから、機体停止まで所定の減速度で減速され、その一方で、上記ブレーキペダル信号と合わせて付加ペダル信号を受けた場合は、減速処理部は、別途設定した減速度で伝動速度比を通電指令することにより、機体停止まで緊急停止等の別の減速度で減速される。
また、例えば、前進から後進に同レバーを操作すると、ブレーキ用電流制御比例減圧弁の電流を車速に応じて設定し、ブレーキを掛けるとともにバリエータを前進から後進になるように出力を制御する。
請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記減速処理部は、付加ペダルの操作信号を単独で受けた場合に限り、スロープセンサで検出した機体の前後傾斜に応じ、急傾斜ほど緩やかに減速させると共に、PTO伝動系の出力停止動作を通電指令することを特徴とする。
前記減速処理部に付加ペダル信号を単独で受けると、スロープセンサで検出した機体の前後傾斜に応じ、急傾斜ほど緩やかに減速されると共に、減速処理部の通電指令によりPTO伝動系の出力が停止される。
本発明は、以下の効果を奏する。
請求項1の構成の作業車両用無段変速伝動制御装置により、ブレーキペダル信号と合わせて付加ペダル信号を受けた場合は、減速処理部は、別途設定した減速度で伝動速度比を通電指令することにより、機体停止まで別の減速度で減速される。したがって、主クラッチ付き作業車両におけるクラッチ操作を伴う緊急停止に相当する減速度を別途設定することにより、緊急停止の際に主クラッチ付き作業車両と同様の操作性が確保されるので、主クラッチ付き作業車両との差を意識することなく緊急事態に対処することができるとともに、主クラッチを要しないコンパクトな構成の無段変速機式伝動機の特性を生かすことができる。
また、前後進切替レバーの操作により前後進切替する際には、バリエータ制御とブレーキ制御とを併用した減速にするので、ローダ作業のように前後進を繰り返す作業において、前後進の際に急激な負荷がバリエータにかかるのを防止して耐久性を向上させるとともに、円滑な前後進切替えができ、作業フィーリングを向上することができる。
また、トラクションフルードのサブタンクを設けて温度センサによりバリエータ室内のトラクションフルードの温度が一定範囲を外れた場合に、高低切替部の低速側のクラッチを滑らせるクラッチ制御を行うので、サブタンクを設けることでトラクションフルード温度はディスクとローラの接触点温度にリニアに反応するため、例えば、温度が80度を超えるとバリエータに滑りが発生すると予測されるが、クラッチディスクを滑らせることによりバリエータの破損を防止することができる。

請求項2の構成の場合は、前記減速処理部に付加ペダル信号を単独で受けると、スロープセンサで検出した機体の前後傾斜に応じ、急傾斜ほど緩やかに減速させると共に、減速処理部の通電指令によりPTO伝動系の出力が停止される。したがって、専用のスイッチを要することなく、付加ペダルによってPTO伝動系の伝動を操作することができる。

本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を適用した作業車両の一例を示す農用トラクタの側面図である。
農用トラクタは、前輪aと後輪bとを備えた機体の前部にエンジンを搭載し、このエンジンの回転動力をトランスミッション(変速伝動装置)1に伝達し、そのミッションケース2内のミッション機構で適宜減速された動力を前輪aと後輪bとに伝達するとともに、後部のPTO軸pを介して作業機Wに出力するように構成している。
また、ステアリングハンドルhの前側に運転状態を表示するモニタm、同ステアリングハンドルhの下側に前後進切替レバー、アクセルレバーL、ブレーキペダルc、クラッチペダル相当の付加ペダルd等の操作具類、トランスミッション1の上部に操縦席qが配置され、後述の制御装置により自動変速可能に構成される。そのほか、ミッションケース2の後部には上下方向に回動可能にリフトアームjを設け、昇降リンクkを介して作業機Wを昇降可能に構成する。
(変速伝動系)
トランスミッション1は、その軸線展開要部断面図を図2に示すように、ミッションケース2内に、その前段のケース入力軸3、PTO伝動軸4、走行伝動軸5、中段のPTO中間軸6、前輪出力軸7等を前後方向に平行に軸支し、それぞれに必要な伝動機構を構成することにより、受けたエンジン動力を走行系と作業系に変速出力するものである。また、ミッションケース2は鋳物製で、フロント、ミッド、リヤ等に分割構成され、そのフロントケース2aには、前端を閉じる前蓋2fを設け、後端側に内部を横断するようにして前後の区画A,Bに仕切る仕切壁9を形成してミッドケース2bへと接続する。
個々の構成部材については、ケース入力軸3は、ミッションケース2の前端部の前蓋2fに軸支されてエンジン動力を受ける。PTO伝動軸4は、ケース入力軸3から動力を受けるギヤ4aを前端部に備えるとともに逆転規制用のワンウェイクラッチ11を備えて作業機動力を伝動し、さらに仕切壁9を貫通してミッションケース2内を縦断するように後方まで延び、その後端部にPTOクラッチ12等を備える。
走行伝動軸5はケース入力軸3からカウンタ軸8を介して同方向の回転動力を受けるギヤ5bを前段側に備え、トロイダル変速機構によるバリエータ21、仕切壁9の後側に続く遊星差動部22、HiLo2つのクラッチからなる高低切替部23、ドライブピニオン24等を同一軸線上に備えて構成する。
PTO中間軸6は、ミッションケース2の中段位置から後端に及び、その前部にPTO中間軸6の回転方向を正逆に切替える切替部31を備える。この切替部31は、PTOクラッチ12を介してPTO中間軸6の前部に伝動された動力の回転方向を切替え、正転動力または逆転動力を切替伝動する。
前輪出力軸7は、走行伝動軸5の後段部からの分岐動力を受けるギヤ7aを後端部に備え、前部には油圧制御によって増速切替する前輪増速用クラッチ32を備えてミッションケース2の前部に前輪動力を出力する。
走行伝動軸5に備えたバリエータ21はミッションケース2の前側区画A内に配置する。このバリエータ21は、前後配置の2つの入力ディスク41,42と、その間に配置した出力ディスク43と、互いの対向面を円環凹面状のトロイダル曲面に形成してこれらの対向面間に120°の等分周間隔で介設するパワーローラ44…等を備え、後述の制御装置により油圧で伝動比が制御される。
トランスミッション1の油圧系統は、ミッションケース2内を横断する仕切壁9によって前後に仕切られたそれぞれの区画A,Bについて油圧系を個々に構成することによって個別に作動油を供給する。前側の区画Aの油圧系は、専用作動油を要する走行伝動軸5の前段部のバリエータ21を分掌し、他の区画Bの油圧系は、一般の作動油による走行伝動軸5の後段部およびその他の作業機系の伝動機器を分掌する。
(油圧制御系)
上記トランスミッション1及びその他の搭載機器の油圧系について説明すると、図3の油圧系統図に示すように、オイルポンプ21aにより、各パワーローラ44…にその油圧シリンダ44a、44bのシリンダロッド44sの軸端から専用作動油を供給する。この作動油により、入力ディスク41,42と出力ディスク43との間の伝動を確保するべく、潤滑と冷却を行う。
油圧シリンダは3つのパワーローラ44…について1つのマスタシリンダ44aと2つのスレーブシリンダ44bを1組とし、これを出力ディスク43の前面側と後面側にそれぞれ配置する。これらシリンダの伸縮動作制御のために、オイルポンプ21aからの作動油を制御する電磁比例減圧弁61,61を設け、この電磁比例減圧弁61,61からパイロットピストンに油圧を受ける設定圧可変のレデュースバルブ62,62を伸縮の両方向について対称に設け、それぞれのモード1ダンパ44d、44dとチェックバルブ44c、44cを介してマスタシリンダ44a,44aに作動油を供給し、このマスタシリンダ44a,44aからモード3ダンパ44eを介してスレーブシリンダ44b…を連動制御し、各パワーローラ44…を進退駆動することによってその伝動傾斜角度を制御する。モード1ダンパ44dは、走行伝動軸5の軸線方向の撓みによる油圧振動を防止し、モード3ダンパ44eは、ピストン間の油圧配管振動を防止する。
また、伸縮制御圧を受けるシャトル弁63を介設してその高圧側をバリエータ21のエンドロードに供給することにより同油圧シリンダ44a、44bの作動圧と連動して油圧をエンドロード用の内部ピストンに供給する。このシャトル弁63は、エンドロード圧によるパイロット制御によってその応答性を確保し、かつ、シリンダ圧の高い方の圧力と略同圧として過負荷圧を防止しつつ各パワーローラ44…の転動接触圧を調整する。これらの専用作動油は前側区画A内に限定して循環使用する。
その他の一般の作動油による油圧系は、ミッションケース2の後側区画Bの範囲、すなわち、走行伝動軸5の後段部の前輪増速用クラッチ32等、PTO伝動軸4の作業系制御用のPTOクラッチ12等の機器の潤滑および油圧制御、および、ブレーキ制御シリンダ71、作業機昇降用油圧シリンダ72、作業機ローリング油圧シリンダ73、パワステシリンダ74、その他の作業用アクチュエータの作動油をオイルポンプ70により供給制御する。また、走行伝動軸5の後段部のHiLoクラッチによる高低切替部23は、その後段の走行出力軸56に油圧制御弁76、76から制御油圧を供給することによってHi―Lo切替え変速を行う。
(制御装置)
制御装置は、図4の入出力制御系統図に示すように、その制御処理部80についてスイッチやセンサを入力側とし、各油圧機器の油圧制御弁、機器駆動用モータ等を出力側として接続し、設定された入力条件に応じて制御対象機器を駆動制御することにより、トランスミッション1を含む走行機器および機体に搭載した作業機器を稼動制御する。
制御装置80による機体の走行制御処理は、バリエータ21の伝動比制御のための伝動制御部により、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ81の信号に応じてバリエータ21の伝動速度比を変更するように、ローラソレノイド61によるローラシリンダの油圧制御を介してパワーローラ44の進退動作を制御するとともに、クラッチソレノイド76による油圧制御を介してHiLoクラッチ23を切替え、速度レンジを切替える。
走行機体の制動制御処理は、オペレータが制動操作したブレーキペダルcの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ82の信号に応じて所定の減速度となるように減速処理部を構成し、パワーローラ44の進退動作による伝動速度比の変更を指令しつつ、ブレーキソレノイド71vによって油圧制御されるブレーキを介して走行機体を制動する。このブレーキソレノイド71vは、機体がモード切替スイッチ85により作業モードに設定され、且つ、PTOスイッチ12sがONの時、即ち圃場作業と想定される状況時にブレーキペダルcの踏み込みが検出されると、操向内側の後輪bを制動するように構成されている。
また、作業機動力の制御のためにPTOスイッチ12sを入力としてその信号に応じてPTO用ソレノイド12vによる油圧制御を介して断接動作するPTOクラッチ12でPTO出力を制御するほか、主クラッチ付き作業車両の主クラッチペダルと同様に配置した付加ペダルdをPTOクラッチ12操作用のクラッチペダルとし、この付加ペダルdの踏み込み操作を検出する付加ペダルセンサ86の信号を受けた場合にPTO出力を停止するように制御する。
さらに、減速処理部は、ブレーキペダルセンサ82の信号と付加ペダルセンサ86の信号を同時に受けた場合に、緊急停止のために別途設定した比較的急な減速度で伝動速度比を変更指令するとともにPTO出力を停止するように構成する。また、付加ペダルdを踏み込んだ場合は、機体の前後傾斜を検出するスロープセンサ83の信号により、地面の傾斜による加速度分又は減速度分を考慮した減速度とし、且つPTOクラッチ12を切るように操作する。詳しくは、前後傾斜が大きい時には小さな減速度で減速させ、前後傾斜が小さい時には大きな減速度で減速させる。
上記制御装置80の減速処理部により、図5のブレーキ特性図に示すように、ブレーキペダルcを操作した時T0は、機体停止まで所定の減速度(緩減速)C1で制動され、その一方で、上記ブレーキペダルcと合わせて付加ペダルdを同時に操作した場合は、前記と比較して急減速に設定した緊急停止のための別の減速度C2で制動され、また、同時にPTOクラッチ12も切れる。
したがって、緊急停止の際に主クラッチ付き作業車両と同様の操作性が確保されるので、車両構成の差を意識することなく緊急事態に対処することができるとともに、主クラッチを要しないコンパクトな構成の無段変速機式のトランスミッション1の特性を生かすことができる。また、付加ペダルdを単独で操作した場合は、スロープセンサ83で検出した機体の前後傾斜に応じた緩い減速度で、即ち、急傾斜ほど緩やかに減速させるとともに、PTO伝動系の出力が停止される。
これにより、操作パネル上のスイッチの操作を要することなく、付加ペダルdによってPTO伝動系を切替操作することができる。
バリエータ21の構成は、図6に拡大縦断面図を示すように、伝動上手側(図の左方)から、3つのディスクが入力軸付のインプットフロント41、アウトプット43、貫通ボス付のインプットリヤ42の順に一線上に配置し、アウトプット43の前後にローラフロント44とローラリヤ44を介設する。
このように構成することにより、バリエータ21は、後ろ側から順にミッションケース2内に簡単に組み付けすることができるとともに、寸法公差等を吸収してディスクとローラとの相互の位置決めを容易に、かつ、正確に調整することができる。
アウトプットディスク43は、その拡大正面図(a)と断面側面図(b)を図7に示すように、凸部43aと凹部43bを等ピッチに形成した回転検出歯43a、43bを外径の全周に一体に形成することにより、低コストで確実な回転検出が可能となる。
上記制御装置80による走行制御は、作業モードと走行モードとを切替可能とし、それぞれに最高車速を設定する。エンジンの制御は、スロットルを開閉するアクチュエータとしてモータを設けるとともに、アクセルペダルとアクセルレバーLにセンサを設け、走行モードにおいてはアクセルペダルの操作に応じた指示量に基づき、また作業モードにおいてはアクセルペダルとアクセルレバーLの操作の大きい方の指示量に基づきスロットルを制御する。
このように制御することにより、作業モードではアクセルレバーLによる一定出力を確保しつつアクセルペダルの踏み込み操作によりオペレータの意図を反映することができ、また、走行モードではアクセルペダルの踏み込み操作により幅広い速度調節が可能となる。したがって、アクセルレバーLの指示とアクセルペダルの指示の重なり、特に、アクセルレバーLで最高速に保持されている場合のアクセルペダルの踏み込みによる危険性を回避することができる。
また、上記の走行制御の構成において、作業モードにおいてはアクセルレバーLをエンジン回転数の設定器とし、アクセルペダルは車速増速調節用の車速設定器として構成する。
これにより、作業モードにおいてエンジン回転を一定に保ったままアクセルペダルの操作によって車速を簡単に自由に変更できるので、作業に応じて車速を変更する場合に作業性を向上することができる。
機体走行の前後進切替については、前後進切替レバーの操作により前後進切替の際の減速をバリエータ制御とブレーキ制御とを併用する。例えば、前進から後進に同レバーを操作すると、ブレーキ用電流制御比例減圧弁の電流を車速に応じて設定し、ブレーキを掛けるとともにバリエータ21を前進から後進になるように出力を制御する。
これにより、特にローダ作業のように前後進を繰り返す作業において、前後進の際に急激な負荷がバリエータ21にかかるのを防止して耐久性を向上させるとともに、円滑な前後進切替えができ、作業フィーリングを向上することができる。
クラッチ制御については、トラクションフルードのサブタンク(オイルタンク)91を設け、また温度センサによりバリエータ室内のトラクションフルードの温度が一定範囲を外れた場合に、低速側のクラッチを滑らせるように制御する。
これにより、サブタンク91を設けることでトラクションフルード温度はディスクとローラの接触点温度にリニアに反応するため、例えば、温度が80度を超えるとバリエータ21に滑りが発生すると予測されるので、クラッチディスクを滑らせることによりバリエータ21の破損を防止することができる。
図8は、ミッションケースのフランジ部の斜視図である。
分割構成のミッションケース2のミッドケース2bの前側フランジ2fを側方に張り出してバリエータ用のオイルポンプ21aの駆動軸線をミッションケース2の前後方向に取付け、PTO軸pから平歯車によって駆動し、この作動油をエンドロード、S1,S2シリンダに供給する。
図9は、オイルタンク91の接続構成図である。ミッションケース2にオイルタンク91を連通し、このオイルタンク91が機体中心よりオフセットしている場合に、両者間の連通パイプ91pを規定油面以下に配置し、ブリーザなしの給油口91sを形成したオイルタンク91側にサクションフィルタ92を設け、オイルポンプ21aから制御弁vを通過後の作動油をミッションケース2内に放出し、オイルタンク91側を気密としてミッションケース側にブリーザ2sを設ける。
上記オイルタンク91の構成により、オイルタンク91内の油面が確保されて機体の傾斜の影響が少なくなる。したがって、機体が傾斜した時の作動油の片寄りによりフィルタよりエアーを吸い込んで作動油が流れなくなるという事態を回避することができる。
また、図10のオイルタンクの別の接続構成図に示すように、上記構成のミッションケース2側にエアバルブ93を設け、規定油量を給油した後にオイルタンク91側の給油口91sのキャップを外してミッションケース2側からエアバルブ93により常に加圧する。加圧後にオイルタンク91側の給油口91sのキャップを締め、タンク内を気密に保つことにより、オイルタンク91とミッションケース2間に油面落差を形成することができる。この油面落差により、ミッションケース2側油面を下げた上で、オイルタンク91の底位置を大きく下げることなく、貯油量を確保することができる。
次に、バリエータ油圧回路については、図11の回路図に示すように、モード1ダンパ44dをアウト側についての片側絞りとして構成する。モード1ダンパ44dは、エンドロードの圧により、バリエータ支持軸が伸縮することによりクッションとして作用し、アウト側を絞ることにより、レデュースバルブ62により設定された圧力がシリンダ44aに安定して送られることからシリンダ44aの保持力が安定される。このようなモード1ダンパ44dの構成に対し、インとアウトの両側を等しく絞るように構成した場合では、シリンダ44aのイン側が流量不足となってシリンダ44aの保持力が不安定となるが、上記構成によってそのような事態を回避することができる。
モード1ダンパ44dは、その具体的な構成例のシリンダ断面図を図12に示すように、絞り44uとロードチェック44vに分割して構成する。
これにより、従来のインとアウトの両側で絞る一体構成の場合に必要な絞り量の加工精度と複雑な部品構成が不要となり、レイアウトと加工精度の自由度を得ることができる。
この場合において、独立した絞り44uに外周ねじ44pを形成して螺合装着し、この絞り44uを外部から操作して絞り量を調整可能に構成することにより、圧力センサ位置とシリンダとの内部通路による圧力差の補正、単体の加工精度の補正が容易となる。
この発明は、例えば、HSTやCVTといった他の無段変速装置を備えた作業車両にも利用することができる。
本発明の作業車両の側面図である。 トランスミッションの軸線展開要部断面図である。 作業車両機器の油圧系統図である。 制御装置の入出力制御系統図である。 減速処理部によるブレーキ特性図である。 バリエータの拡大縦断面図である。 アウトプットディスクの拡大正面図(a)と断面側面図(b)である。 ミッションケースのフランジ部の斜視図である。 オイルタンクの接続構成図である。 オイルタンクの別の接続構成図である。 バリエータの油圧回路図である。 モード1ダンパの構成例のシリンダ断面図である。
符号の説明
1 トランスミッション
2 ミッションケース
3 ケース入力軸
5 走行伝動軸
12 PTOクラッチ
12s PTOスイッチ
21 バリエータ(無段変速機)
22 遊星差動部
23 高低切替部
24 ドライブピニオン
41、42 入力ディスク
43 出力ディスク
44 パワーローラ
44a、44b 油圧シリンダ
61 ローラソレノイド(電磁比例減圧弁)
71 ブレーキ制御シリンダ
71v ブレーキソレノイド
76 クラッチソレノイド(油圧制御弁)
80 制御装置(作業車両用無段変速伝動制御装置)
82 ブレーキペダルセンサ
86 付加ペダルセンサ(クラッチペダルセンサ)
a 前輪
b 後輪
c ブレーキペダル
C1,C2 減速特性線
d 付加ペダル(クラッチペダル)
p PTO軸

Claims (2)

  1. 無段変速機(21)の伝動速度比を通電指令に応じて伝動停止位置を含む範囲で制御する伝動制御部と、この伝動制御部に対してブレーキ操作のためのブレーキペダル(c)の操作信号(82)に応じて所定の減速度(C1)で伝動速度比を通電指令(61)する減速処理部と、機体走行を前後進切替する前後進切替レバーを有し、上記伝動制御部が、バリエータ(21)と、仕切壁(9)の後側に続く遊星差動部(22)と、HiLo2つのクラッチによる高低切替部(23)とからなるトロイダル変速機構によって構成される作業車両用無段変速伝動制御装置(80)において、
    上記減速処理部は、ブレーキペダル(c)の近傍に付加的に配置した付加ペダル(d)の操作信号(86)を入力としてこの付加ペダル(d)の操作信号(86)をブレーキペダル(c)の操作信号(82)とともに受けた場合に、別途設定した減速度(C2)で伝動速度比を通電指令し、
    上記前後進切替レバーの操作により機体走行を前後進切替する際には、バリエータ制御とブレーキ制御とを併用した減速にすると共に、
    トラクションフルードのサブタンク(91)を設け、温度センサによりバリエータ室内のトラクションフルードの温度が一定範囲を外れた場合に、上記高低切替部(23)の低速側のクラッチを滑らせるクラッチ制御を行うことを特徴とする作業車両用無段変速伝動制御装置。
  2. 前記減速処理部は、付加ペダル(d)の操作信号(86)を単独で受けた場合に限り、スロープセンサ(83)で検出した機体の前後傾斜に応じ、急傾斜ほど緩やかに減速させると共に、PTO伝動系の出力停止動作を通電指令(61)することを特徴とする請求項1記載の作業車両用無段変速伝動制御装置。
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