JP4675087B2 - 酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法、および該製造方法により調製された酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、並びに水性接着剤 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、穏和な条件下で、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系エマルジョン中で酢酸ビニルをシード重合しても、優れた低温成膜性と高い接着強度とを備え、低温養生時においても高い接着強さ(低温接着強さ)を発揮するとともに、透明な皮膜を形成することができ、且つ良好な安定性を有する酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを製造することができる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法、および該製造方法により調製された酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、並びに水性接着剤を提供することにある。
ゲル分率(質量%)=(W 2 /W 1 )×100]を提供する。
(a):割合(X)が5質量%以上且つ10質量%未満である場合、ゲル分率(Y)が40質量%以上である
(b):割合(X)が10質量%以上且つ25質量%未満である場合、ゲル分率(Y)が15質量%以上である
(i):所定量の酢酸ビニルを、シード重合させながら、滴下により反応系内に導入する
(ii):所定量の酢酸ビニルを、シード重合開始前に、予め反応系内に導入する
(iii):所定量の酢酸ビニルのうち、一部の酢酸ビニルを、シード重合開始前に、予め反応系内に導入し、且つ残部の酢酸ビニルを、シード重合させながら、滴下により反応系内に導入する
(a):割合(X)が5質量%以上且つ10質量%未満である場合、ゲル分率(Y)が40質量%以上(好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは45質量%〜90質量%)である
(b):割合(X)が10質量%以上且つ25質量%未満である場合、ゲル分率(Y)が15質量%以上(好ましくは17質量%以上、さらに好ましくは17質量%〜90質量%)である
工程(A):酢酸ビニルをすべて反応系内に導入するのに要する時間に対して25%の時間までの間において、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン中で、前記条件(a)又は(b)を満足する条件下で、酢酸ビニルをすべて反応系内に導入するのに要する時間に対して25%の時間までに導入する酢酸ビニルの酢酸ビニル全導入量に対する割合(X)が5質量%以上且つ25質量%未満となるように、酢酸ビニルを反応系内に導入して、酢酸ビニルをシード重合する工程
工程(B):酢酸ビニルをすべて反応系内に導入するのに要する時間に対して25%の時間経過後において、残部の酢酸ビニルを反応系内に導入して、酢酸ビニルをシード重合する工程
(i):所定量の酢酸ビニルを、シード重合させながら、滴下により反応系内に導入する
(ii):所定量の酢酸ビニルを、シード重合開始前に、予め反応系内に導入する
(iii):所定量の酢酸ビニルのうち、一部の酢酸ビニルを、シード重合開始前に、予め反応系内に導入し、且つ残部の酢酸ビニルを、シード重合させながら、滴下により反応系内に導入する
本発明で用いられるE−PVacエマルジョン(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン)は、酢酸ビニルをすべて反応系内に導入するのに要する時間に対して25%の時間までに導入する酢酸ビニルの酢酸ビニル全導入量に対する割合(X)に応じて、ゲル分率(Y)が規定されている。具体的には、E−PVacエマルジョンとしては、割合(X)が5質量%以上且つ10質量%未満の場合は、ゲル分率(Y)が40質量%以上のE−PVacエマルジョンを用いており、また、割合(X)が10質量%以上且つ25質量%未満の場合は、ゲル分率(Y)が15質量%以上のE−PVacエマルジョンを用いている。
ゲル分率(質量%)=(W2/W1)×100
本発明では、シード重合は、前記E−PVacエマルジョンと、好ましくは保護コロイドとを含む水系エマルジョン中、重合開始剤の存在下で行うことができる。なお、シード重合では、モノマー成分として、酢酸ビニル以外の重合性不飽和単量体(「他のモノマー」と称する場合がある)を用いることもできる。このような他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類(アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類)、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸アミド類、オレフィン類、ジエン類、不飽和ニトリル類などが挙げられる。他のモノマーは単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。
保持率(%)=[低温(5℃)接着強さ(N/mm2)/常態接着強さ(N/mm2)]×100
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計付きの反応容器に、水:500質量部を入れ、撹拌下、これに、商品名「クラレポバール224」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:45質量部、商品名「クラレポバール117」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:10質量部、及び酒石酸:1質量部を加えて溶解させ、80℃に保った。PVA(商品名「クラレポバール224」および商品名「クラレポバール117」)が完全に溶解した後、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン(商品名「スミカフレックスS−467HQ」住友化学工業株式会社製;固形分:65質量%、ゲル分率:45質量%)を150質量部添加した。液温が80℃まで上がったところで、触媒[35質量%過酸化水素水:1質量部を水:20質量部に溶解させた水溶液]と、酢酸ビニルモノマー:180質量部とを、別々の滴下槽から2時間かけて連続的に滴下した。なお、酢酸ビニルモノマーは、反応を開始させ始めてから30分後までの30分間(すなわち、酢酸ビニルを滴下し始めてから30分後までの30分間)に、酢酸ビニルモノマー全量の5質量%(すなわち、9質量部)を連続的に滴下し、また、反応開始30分後(反応を開始させ始めてから30分後)から2時間後までの90分間に、酢酸ビニルモノマー全量の95質量%(すなわち、171質量部)を連続的に滴下した。滴下終了後、さらに1.5時間撹拌し、重合を完結させた。その後、室温まで冷却して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。なお、この酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの固形分は、35質量%であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−400HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:58質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−455HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:90質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−510HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:1質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:17質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:30質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計付きの反応容器に、水:500質量部を入れ、撹拌下、これに、商品名「クラレポバール224」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:45質量部、商品名「クラレポバール117」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:10質量部、及び酒石酸:1質量部を加えて溶解させ、80℃に保った。PVA(商品名「クラレポバール224」および商品名「クラレポバール117」)が完全に溶解した後、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン(商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:17質量%)を150質量部添加した。液温が80℃まで上がったところで、触媒[35質量%過酸化水素水:1質量部を水:20質量部に溶解させた水溶液]と、酢酸ビニルモノマー:180質量部とを、別々の滴下槽から2時間かけて連続的に滴下した。なお、酢酸ビニルモノマーは、反応を開始させ始めてから30分後までの30分間(すなわち、酢酸ビニルを滴下し始めてから30分後までの30分間)に、酢酸ビニルモノマー全量の10質量%(すなわち、18質量部)を連続的に滴下し、また、反応開始30分後(反応を開始させ始めてから30分後)から2時間後までの90分間に、酢酸ビニルモノマー全量の90質量%(すなわち、162質量部)を連続的に滴下した。滴下終了後、さらに1.5時間撹拌し、重合を完結させた。その後、室温まで冷却して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。なお、この酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの固形分は、35質量%であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:30質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−467HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:65質量%、ゲル分率:45質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−400HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:58質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−455HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:90質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−510HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:1質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計付きの反応容器に、水:500質量部を入れ、撹拌下、これに、商品名「クラレポバール224」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:45質量部、商品名「クラレポバール117」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:10質量部、及び酒石酸:1質量部を加えて溶解させ、80℃に保った。PVA(商品名「クラレポバール224」および商品名「クラレポバール117」)が完全に溶解した後、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン(商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:17質量%)を150質量部添加した。液温が80℃まで上がったところで、触媒[35質量%過酸化水素水:1質量部を水:20質量部に溶解させた水溶液]と、酢酸ビニルモノマー:180質量部とを、別々の滴下槽から2時間かけて連続的に滴下した。なお、酢酸ビニルモノマーは、反応を開始させ始めてから30分後までの30分間(すなわち、酢酸ビニルを滴下し始めてから30分後までの30分間)に、酢酸ビニルモノマー全量の15質量%(すなわち、27質量部)を連続的に滴下し、また、反応開始30分後(反応を開始させ始めてから30分後)から2時間後までの90分間に、酢酸ビニルモノマー全量の85質量%(すなわち、153質量部)を連続的に滴下した。滴下終了後、さらに1.5時間撹拌し、重合を完結させた。その後、室温まで冷却して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。なお、この酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの固形分は、35質量%であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:30質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例9と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−467HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:65質量%、ゲル分率:45質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例9と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−400HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:58質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例9と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−455HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:90質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例9と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−510HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:1質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例9と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計付きの反応容器に、水:500質量部を入れ、撹拌下、これに、商品名「クラレポバール224」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:45質量部、商品名「クラレポバール117」[株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA)]:10質量部、及び酒石酸:1質量部を加えて溶解させ、80℃に保った。PVA(商品名「クラレポバール224」および商品名「クラレポバール117」)が完全に溶解した後、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン(商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:17質量%)を150質量部添加した。液温が80℃まで上がったところで、触媒[35質量%過酸化水素水:1質量部を水:20質量部に溶解させた水溶液]と、酢酸ビニルモノマー:180質量部とを、別々の滴下槽から2時間かけて連続的に滴下した。なお、酢酸ビニルモノマーは、反応を開始させ始めてから30分後までの30分間(すなわち、酢酸ビニルを滴下し始めてから30分後までの30分間)に、酢酸ビニルモノマー全量の20質量%(すなわち、36質量部)を連続的に滴下し、また、反応開始30分後(反応を開始させ始めてから30分後)から2時間後までの90分間に、酢酸ビニルモノマー全量の80質量%(すなわち、144質量部)を連続的に滴下した。滴下終了後、さらに1.5時間撹拌し、重合を完結させた。その後、室温まで冷却して、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。なお、この酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの固形分は、35質量%であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「デンカスーパーテックスNS300」(電気化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:30質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例14と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−467HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:65質量%、ゲル分率:45質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例14と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−400HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:58質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例14と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−455HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:90質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例14と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンとして、商品名「スミカフレックスS−510HQ」(住友化学工業株式会社製;固形分:55質量%、ゲル分率:1質量%)を150質量部用いたこと以外は、実施例14と同様にして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(固形分:35質量%)を得た。
各実施例及び各比較例で用いられた各エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンについて、ゲル分率(質量%)を次のようにして求めた。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンを、フッ素系樹脂製板上に、乾燥後の厚み(膜厚)が200μmとなる塗布量で塗布した後、室温(20〜25℃)で乾燥させて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンによるフィルムを得た。このフィルムを細かく切断した後、この細かく切断された形態のフィルムを、50℃の雰囲気下において、フィルムの質量(このフィルムの質量を「W1」とする)に対して100倍量のトルエン中に浸漬させて、5時間処理し、その後、200メッシュの金網で濾過した。金網上の濾過残渣をトルエンにて洗浄させた後、乾燥させて、トルエンに対して不溶なトルエン不溶分(このトルエン不溶分の質量を「W2」とする)を得た。そして、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンのゲル分率(質量%)を、次式により求めた。
ゲル分率(質量%)=(W2/W1)×100
各実施例及び各比較例で得られた各酢酸ビニル樹脂系エマルジョンについて、下記の方法により、保存安定性、JIS基準による最低造膜温度、多孔質材に対する低温成膜性について評価した。評価結果は、表1〜4に示した。なお、表1〜4において、「EVAのゲル分率(質量%)」は、各実施例及び各比較例で用いられたエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンのゲル分率(質量%)を意味しており、また、「反応初期のVacの滴下割合(質量%)」は、反応を開始させ始めてから30分後までの30分間に、酢酸ビニルモノマーを滴下した割合(酢酸ビニルモノマー全量に対する割合)(質量%)を意味している。
各実施例及び各比較例で得られた各酢酸ビニル樹脂系エマルジョンについて、BH型粘度計を用いて、温度:23℃の条件下、ローターNo.5を用い、回転数:10r/minの条件で、粘度(Pa・s)を測定した。該粘度を「初期粘度」とする。
増粘倍率=50℃×30日後の粘度/初期粘度
成膜試験器(理研精機製作所製の装置品名「M.F.T.試験装置」;型番「LT」)を使用して、JIS K 6804(7.6 最低造膜温度の項)に準拠して測定した。従って、この測定では、成膜する際に塗布する基材(基板)としては、金属材(非多孔質材)が用いられている。
恒温恒湿器(タバイ エスペック株式会社製の型式「LHU−112T」)を、0℃に設定し、試料(各実施例及び各比較例で得られた各酢酸ビニル樹脂系エマルジョン)、合板(厚さ3mm;タイプ1)、ガラス棒を、7日間保存した。アルコール温度計を用いて、各試料の温度を測定したところ、2℃であった。また、表面温度計(佐藤計量器株式会社製の型式「SK−1250MC」)を用いて、合板の表面温度を測定したところ、2℃であった。2℃、60%RHの雰囲気下で、この表面温度が2℃の合板の表面に、各試料を、ガラス棒(2℃)を用いて、乾燥後の厚みが300μmとなる塗布量で均一に塗布して、同一の雰囲気下で1日間放置して、皮膜を形成させた。この皮膜について、目視で透明性を確認し、下記の基準により、各試料について、多孔質材に対する低温成膜性を評価した。
◎:乾燥皮膜が、全面的に、綺麗に透明である。
○:乾燥皮膜が、一部で半透明となっている。
△:乾燥皮膜が、全面的に、半透明である。
×:乾燥皮膜が、全面的に、白くなっており、不透明である。
Claims (5)
- エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン中で、酢酸ビニルをシード重合して酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを製造する方法であって、酢酸ビニルをすべて反応系内に導入するのに要する時間に対して25%の時間までに導入する酢酸ビニルの酢酸ビニル全導入量に対する割合(X)と、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンのゲル分率(Y)とが、下記の条件(a)又は(b)となる条件下で、割合(X)が5質量%以上且つ25質量%未満となるように、酢酸ビニルを反応系内に導入して、酢酸ビニルをシード重合することを特徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法[但し、ゲル分率(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンを、フッ素系樹脂製板上に、乾燥後の厚み(膜厚)が200μmとなる塗布量で塗布した後、室温(20〜25℃)で乾燥させて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョンによるフィルムを得た後、このフィルムを細かく切断し、50℃の雰囲気下において、フィルムの質量(「W 1 」とする)に対して100倍量のトルエン中に浸漬させて、5時間処理し、その後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の濾過残渣をトルエンにて洗浄して乾燥させ、トルエン不溶分(質量を「W 2 」とする)を得て、次式により求めたものである。
ゲル分率(質量%)=(W 2 /W 1 )×100]。
(a):割合(X)が5質量%以上且つ10質量%未満である場合、ゲル分率(Y)が40質量%以上である
(b):割合(X)が10質量%以上且つ25質量%未満である場合、ゲル分率(Y)が15質量%以上である - 酢酸ビニルをすべて反応系内に導入するのに要する時間に対して25%の時間までの間において、酢酸ビニルを下記の方法(i)〜(iii)のうちの何れかの方法で反応系内に導入する請求項1記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法。
(i):所定量の酢酸ビニルを、シード重合させながら、滴下により反応系内に導入する
(ii):所定量の酢酸ビニルを、シード重合開始前に、予め反応系内に導入する
(iii):所定量の酢酸ビニルのうち、一部の酢酸ビニルを、シード重合開始前に、予め反応系内に導入し、且つ残部の酢酸ビニルを、シード重合させながら、滴下により反応系内に導入する - 割合(X)が10質量%以上且つ20質量%以下である請求項1又は2記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法。
- エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン中で、酢酸ビニルをシード重合して得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンであって、請求項1〜3の何れかの項に記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法により調製されたことを特徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
- 酢酸ビニル樹脂系エマルジョンからなる水性接着剤であって、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンが、請求項4記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンであることを特徴とする水性接着剤。
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