JP4671706B2 - 遊星歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動変速機や無段変速機に用いられる遊星歯車装置、特にギヤ騒音の低減構造に関するものである。
従来、特許文献1には、無段変速機の前後進切替機構として、入力側に連結されたサンギヤと、出力側に連結されたリングギヤと、キャリアをケースに対して係止する前進用ブレーキと、キャリアとサンギヤとを連結する後進用クラッチとを備えた、シングルピニオン方式の遊星歯車装置が開示されている。前進時には、前進用ブレーキを締結し後進用クラッチを解放することにより、入力側から入力された駆動力が逆転されかつ減速されて出力側へと伝達され、後進時には、後進用クラッチを締結し前進用ブレーキを解放することにより、入力側と出力側とが直結される。
図6は特許文献1に記載された遊星歯車装置の構造を示す。
遊星歯車装置100のサンギヤ101は入力軸102に結合され、サンギヤ101とかみ合うピニオンギヤ103はピニオン軸104を介してキャリア105によって支持されている。キャリア105の前側には円板状のキャリアプレート106が固定され、その内径側を入力軸102に回転自在に支持するとともに、その外径側を前進用ブレーキ107のブレーキハブ106aとして使用し、さらに中間部に後進用クラッチ108のクラッチバブ106bを固着している。後進用クラッチ108のクラッチディスクを締結する油圧ピストン109はクラッチドラム110の中に配置され、クラッチドラム110の内周端部が入力軸102に連結されている。前進用ブレーキ107のブレーキ板107aを締結する油圧ピストン111は変速機ケース112に内壁に形成された凹部113に収容されている。ピニオンギヤ103とかみ合うリングギヤ114の内径部は駆動プーリ115のプーリ軸116の内側にスプライン嵌合している。
上記のように前進用ブレーキ107のブレーキ板107aの一方であるディスクの内周部はキャリア106aにスプライン嵌合し、ブレーキ板107aの他方であるプレートの外周部はケース112にスプライン嵌合している。
しかし、前進時に前進用ブレーキ107が締結されると、ピニオンギヤ103の噛合振動(ギヤ音)がキャリア106aからブレーキ板107aを介してケース112に伝達してしまい、ケース112から騒音が発生するという問題がある。
特許文献1と同様の問題は、特許文献2に記載のような遊星歯車装置においても発生する。
この遊星歯車装置はダブルピニオン方式とされたものであり、入力軸とキャリアとの間に設けられる直結クラッチと、リングギヤと変速機ケースとの間に設けられる逆転ブレーキとを備えており、サンギヤは入力側である入力軸と結合され、キャリアは出力側である駆動プーリと結合されている。
前進時には、直結クラッチを締結することにより、入力軸とキャリアとが直結され、入力軸の回転がそのまま駆動プーリへ伝達される。後進時には、逆転ブレーキを締結することにより、リングギヤと変速機ケースとが固定されて入力軸の回転が逆転されて駆動プーリへ伝達される。
この遊星歯車装置の場合も、逆転ブレーキのブレーキ板の一方が直接ケースにスプライン嵌合しているため、後進時に逆転ブレーキを締結すると、ピニオンギヤの噛合振動(ギヤ音)がリングギヤからブレーキ板を介してケースに伝達し、ケースから騒音が発生する。
特開2002−327828号公報 特開平10−184834号公報
そこで、本発明の目的は、ピニオンギヤの噛合振動がケースに伝達するのを抑制し、ケースから発生する騒音を低減できる遊星歯車装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ケースの内部に収容され、1つの回転要素が静止部材に対してブレーキを介して締結・解放可能に構成された遊星歯車装置において、上記静止部材は上記ケースに固定されたオイルポンプ本体であり、上記オイルポンプ本体には、上記ブレーキのブレーキ板の外周側をスプライン支持するブレーキ板支持部が一体に形成され、上記ブレーキ板支持部の外周と上記ケースの内周との間に隙間が設けられ、上記ブレーキ板の一側面を押圧して上記ブレーキを締結させる油圧ピストンが上記ケース内に配置され、上記油圧ピストンの押圧力に対して上記ブレーキ板の反対側側面を支えるストッパ部が上記オイルポンプ本体に一体に形成されていることを特徴とする遊星歯車装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、ケースの内部に収容され、1つの回転要素が静止部材に対してブレーキを介して締結・解放可能に構成された遊星歯車装置において、 上記静止部材は上記ブレーキのブレーキ板の外周側をスプライン支持するドラム状部品であり、上記ドラム状部品は上記ケースに固定されたオイルポンプ本体に対して防振材を介して接合されており、上記ドラム状部品の外周と上記ケースの内周との間に隙間が設けられ、上記ブレーキ板の一側面を押圧して上記ブレーキを締結させる油圧ピストンが上記ケース内に配置され、上記油圧ピストンの押圧力に対して上記ブレーキ板の反対側側面を支えるストッパ部が上記ドラム状部品に一体に形成されていることを特徴とする遊星歯車装置を提供する。
請求項1では、ブレーキ板の外周側がオイルポンプ本体のブレーキ板支持部にスプライン嵌合しているため、ブレーキを締結した状態ではピニオンギヤの噛合振動(ギヤ音)はブレーキを介してオイルポンプ本体に伝達される。しかし、オイルポンプ本体は鋳鉄などの質量体で構成されているため、その質量効果により振動が減衰する。しかも、ブレーキ板支持部の外周とケースの内周との間に隙間が設けられているため、ブレーキ板支持部からケースへ振動が直接伝達されることがない。その結果、ケースから発生するギヤ騒音を低減できる。
請求項2では、ブレーキ板の外周側がドラム状部品にスプライン嵌合しているため、ブレーキを締結した状態ではピニオンギヤの噛合振動(ギヤ音)はドラム状部品に伝達される。オイルポンプ本体はケースに固定されているが、オイルポンプ本体とドラム状部品との間には防振材が介在しており、この防振材によりオイルポンプ本体へ伝わる振動が効果的に減衰するとともに、オイルポンプの質量効果によっても減衰する。さらに、ドラム状部品とケースとの間には隙間があるので、ドラム状部品の振動がケースに直接伝達されることがない。このようにオイルポンプ本体の質量効果と防振材の防振効果との相乗効果により、ケースに伝達される振動が抑制され、ギヤ騒音を低減できる。さらに、防振材の変形により、ブレーキ板の偏心をも吸収できる効果がある。
防振材としては、公知のゴムを使用できる。ゴムの加硫接着によってオイルポンプ本体とドラム状部品とを簡単に接合できる。
本発明では、ブレーキ板の一側面を押圧してブレーキを締結させる油圧ピストンをケース内に配置し、油圧ピストンの押圧力に対してブレーキ板の反対側側面を支えるストッパ部をオイルポンプ本体またはドラム状部品に一体に形成している。
ブレーキ板は油圧ピストンによって一側面が押されるので、その反対側側面を支えるために、変速機ケースの溝にスナップリングを装着するのが一般的である。しかし、ブレーキ板に圧力がかかる部分とスナップリングを嵌合させる溝とが半径方向にオフセットしているため、スナップリングに捩れなどの変形が発生しやすい。そのため、スナップリングの内側に厚肉なフランジ部品を配置する必要があり、スペース効率が悪いという問題がある。
これに対し、ブレーキ板の軸方向端部を変速機ケースに固定されたオイルポンプ本体またはドラム状部品のストッパ部で支えるようにすれば、スナップリングや厚肉なフランジ部品が不要になるとともに、油圧ピストンの圧力を軸方向に対向して支えることができるので、ブレーキ板の変形が少なく、耐久性が向上するという利点がある。
本発明でブレーキ板とは、ディスクとプレートの何れであってもよい。プレートの外周側が静止部材にスプライン嵌合し、ディスクの内周側が回転要素にスプライン嵌合する場合には、プレートがブレーキ板に相当する。
本発明におけるオイルポンプ本体とは、オイルポンプの回転部材(ポンプギヤやロータなど)を除く静止部品のことであり、オイルポンプボデーあるいはオイルポンプカバーのいずれであってもよい。
本発明のブレーキは、前進用ブレーキあるいは後進用ブレーキのいずれであってもよい。例えば、シングルピニオン方式の遊星歯車装置の場合、キャリアとケースとの間に前進用ブレーキが設けられ、ダブルピニオン方式の遊星歯車装置の場合、リングギヤとケースとの間に後進用ブレーキが設けられる。
以上のように、請求項1では、ピニオンギヤの噛合振動がブレーキ板を介してオイルポンプ本体に伝達されても、オイルポンプ本体の質量効果により振動が減衰され、しかもブレーキ板支持部からケースへ振動が直接伝達されることがないため、ケースの振動を抑制でき、ギヤ騒音を低減できる。
また、請求項2では、オイルポンプ本体の質量効果により振動が減衰されるだけでなく、オイルポンプ本体とドラム状部材との間に介在する防振材の防振効果によりさらに減衰され、ケースの振動を抑制でき、ギヤ音騒音をさらに効果的に低減できる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1〜図3は本発明にかかる遊星歯車装置を用いた無段変速機の一例を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、図1に示すように、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替機構4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などを備えている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、無端状張力帯と、この張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
無段変速機を構成する各部品は変速機ケース5の中に収容されている。トルクコンバータ2と前後進切替機構4との間には、オイルポンプ6が配置されている。このオイルポンプ6は、図2に示すように、ボルトB1により変速機ケース5の前側側面に固定されたポンプボデー7と、ボルトB2によりポンプボデー7の後側側面に固定されたポンプカバー8と、ポンプボデー7とポンプカバー8との間に収容されたポンプギヤ9とで構成されている。オイルポンプ本体部を構成するポンプボデー7およびポンプカバー8は鋳鉄などの質量体で形成されている。ポンプカバー8はケース5の内部に収容されているが、ポンプカバー8の外周とケース5の内周との間には所定の隙間δが設けられている。ポンプギヤ9はトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。なお、トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結され、ステータ2cはワンウエイクラッチ2dを介してポンプカバー8により支持されている。
前後進切替機構4は、図1に示すように、遊星歯車装置40と逆転ブレーキ50と直結クラッチ51とで構成され、遊星歯車装置40のサンギヤ41が入力回転部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42が出力回転部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車装置40はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、直結クラッチ51はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。直結クラッチ51を解放して逆転ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられる。逆に、逆転ブレーキ50を解放して直結クラッチ51を締結すると、遊星歯車装置40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結される。
なお、前後進切替機構4の具体的構造については後述する。
無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸(プーリ軸)10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた油圧サーボ12とを備えている。可動シーブ11bの外周部には、背面側へ延びるピストン部12aが一体に形成され、このピストン部12aの外周部が駆動軸10に固定されたシリンダ12bの内周部に摺接している。可動シーブ11bとシリンダ12bとの間に油圧サーボ12の作動油室12cが形成され、この作動油室12cへの油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
従動プーリ21は、従動軸(プーリ軸)20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられた油圧サーボ22とを備えている。可動シーブ21bの外周部には、背面側へ延びるシリンダ部22aが一体に形成され、このシリンダ部22aの内周部に従動軸20に固定されたピストン22bが摺接している。可動シーブ21bとピストン22bとの間に油圧サーボ22の作動油室22cが形成され、この作動油室22cの油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。なお、作動油室22cには初期推力を与えるスプリング24が配置されている。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
上記構成よりなる無段変速機において、前進時には、逆転ブレーキ50を締結し直結クラッチ51を解放することにより、トルクコンバータ2から入力される駆動力が逆転されかつ減速されて駆動プーリ11へ伝達される。そして、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と同一方向に駆動される。
一方、後進時には、直結クラッチ51を締結し逆転ブレーキ50を解放することにより、遊星歯車装置40の入力側(サンギヤ41)と出力側(リングギヤ42)とが直結されるため、トルクコンバータ2から入力された駆動力がそのまま駆動プーリ11へ伝達され、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と逆方向に駆動される。
このように、3軸構成でコンパクトな無段変速機を実現できる。
ここで、前後進切替機構4の具体的構造について、図2,図3を参照しながら詳細に説明する。
キャリア44は円盤状のキャリアフランジ45と円環状のキャリアリム46とで構成されており、キャリアフランジ45の内径部はサンギヤ41とリングギヤ42との間を内径方向に延び、入力軸3に回転自在に支持されている。キャリアフランジ45にはキャリアリム46に向かって軸方向に突出する複数(例えば6個)の柱状部45aが一体に形成され、これら柱状部45aの間の空間に上記ピニオンギヤ43が配置されている。上記柱状部45aの先端面とキャリアリム46とは焼結にて金属結合され、キャリアフランジ45とキャリアリム46とは一体的に固定されている。なお、溶接、ロー付、ネジ止めなどによって固定してもよい。
上記キャリアフランジ45とキャリアリム46との間には、ピニオンギヤ43を支持するピニオン軸47が架け渡して支持されている。ピニオンギヤ43とピニオン軸47との半径方向隙間にはニードルベアリング48が配置され、ピニオンギヤ43はピニオン軸47に対して回転自在である。
キャリアリム46は、逆転ブレーキ50のブレーキハブと直結クラッチ51のクラッチドラムとを兼ねている。すなわち、キャリアリム46には、前側(エンジン側)に向かって軸方向に突出する円筒部46bが一体に形成されており、この円筒部46bの内周部に直結クラッチ51のクラッチ板51aの外径部がスプライン嵌合している。キャリアリム46の外周部には、逆転ブレーキ50のブレーキ板50aの内径部がスプライン嵌合している。
逆転ブレーキ50のピストン50bは、図2に示すように変速機ケース5の内側壁に形成された凹型の油圧室50cに収容され、この油圧室50cに供給される油圧によりピストン50bは作動され、ブレーキ板50aの一側面を押圧する。ブレーキ板50aの外周爪部50a1 は、図3に示すように静止部材であるポンプカバー8から後方へ一体に突設された櫛歯状のブレーキ板支持部8aの間のスプライン溝8cにスプライン嵌合している。さらに、外周爪部50a1 はブレーキ板支持部8aの間を突き抜けて変速機ケース5の内周面に形成されたスプライン溝5aにもスプライン嵌合している。このようにブレーキ板50aの外周爪部50a1 を変速機ケース5のスプライン溝5aにスプライン嵌合させるのは、次のような理由による。すなわち、一般にブレーキ板50aをケース5に挿入した後でポンプカバー8をケース5に組付けるが、ブレーキ板50aの外周爪部50a1 の位置がばらばらではポンプカバー8を組み付けることができないので、外周爪部50a1 の位置を揃えるためのガイドとしてスプライン溝5aを利用している。なお、外周爪部50a1 とスプライン溝5aとの半径方向および周方向の隙間は、外周爪部50a1 とブレーキ板支持部8aとの隙間より大きく設定され、組付状態で外周爪部50a1 がケース5に接触するのが防止される。ブレーキ板支持部8aを含むポンプカバー8の外周とケース5の内周との間には隙間δが設けられ、両者は接触していない。さらに、ポンプカバー8には、ピストン50bの圧力によって押されたブレーキ板50aの反対側側面を支える反力部であるストッパ部8bが一体に形成されている。このストッパ部8bはブレーキ板50aの半径方向ほぼ中心部を支持しており、ピストン50bの圧力を軸方向に対向して支えることができる。
サンギヤ41の前側(エンジン側)には、図2に示すように直結クラッチ51のクラッチハブとなる円筒部41aが一体に突設されており、この円筒部41aの外周に直結クラッチ51のクラッチ板51aの内径部がスプライン嵌合している。ポンプカバー8の後面側には凹型の油圧室51bが形成され、この油圧室51bに供給される油圧によりピストン51cが作動され、直結クラッチ51は締結される。ピストン51cは断面コ字形に形成されており、クラッチ板51aと対面するピストン51cの側面には、相対回転を許容するスラストベアリング52が取り付けられている。そのため、ピストン51cの軸方向圧力はクラッチ板51aに効果的に伝達され、かつピストン51cが直結クラッチ51のクラッチ板51aと連れ回りするのが防止される。なお、クラッチ板51aの背後にはキャリアリム46が配置されているため、ピストン51cによって押されたクラッチ板51aの反対側側面をキャリアリム46の側面で支えることができる。ピストン51cの外周部の一部は、ポンプカバー8のスプライン溝部8cに係合して回転が規制されている。スラストベアリング52を支持するベアリングリテーナ53の内径部はピストン51cの側面にそって内径側へ延びている。ポンプカバー8にはリターンスプリング54の一端側がスプリングリテーナ55を介して支持されたており、リターンスプリング54の他端はピストン51cの端面に当接している。これにより、ピストン51cは油圧室51b方向に付勢される。
上記のように、逆転ブレーキ50のブレーキ板50aの外径部がスプライン嵌合するブレーキ板支持部8aが静止部材であるポンプカバー8に一体に形成されており、ポンプカバー8はポンプボデー7に固定され、さらにポンプボデー7はケース5に固定されている。ピニオンギヤ43の噛合振動はキャリアリム46、ブレーキ板50aを介してポンプカバー8に伝達されるが、ポンプカバー8およびポンプボデー7は鋳鉄などの質量体で構成されているため、その質量効果により振動が減衰する。しかも、ポンプカバー8とケース5との間には隙間δが設けられているため、ポンプカバー8からケース5へ振動が直接伝達されることがない。その結果、ケース5から発生するギヤ騒音を効果的に低減できる。
この実施例では、直結クラッチ51を締結する油圧ピストン51cが静止部材であるポンプカバー8内に配置されているので、油圧ピストン51cへの供給油路中に油漏れ防止用のシールリングを設ける必要がなく、フリクションロスを小さくできる。しかも、複雑な形状のクラッチドラムを省略することができ、構造を簡素化できて加工コストを低減できる。
図4は本発明にかかる遊星歯車装置の第2実施例を用いた前後進切替機構を示す。図4において、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この前後進切替機構4’では、ポンプカバー8の外周部に防振材であるゴム60を介してドラム状部材61が接合されている。この例では、ゴム60を介してポンプカバー8とドラム状部材61とが加硫接着されている。ドラム状部材61の後部には、櫛歯状のブレーキ板支持部61aが一体に形成されており、このブレーキ板支持部61aにブレーキ板50aの外周爪部がスプライン嵌合している。ブレーキ板50aの外周爪部はブレーキ板支持部61aの間を突き抜けてケース5のスプライン溝5aに嵌合している。また、ドラム状部材61にはフランジ状のストッパ部61bが形成されており、このストッパ部61bがピストン50bの押圧力に対してブレーキ板50aの反対側側面を支えている。ドラム状部材61の外周面はケース5の内周面に接触しておらず、両者の間には所定の隙間が設けられている。
この実施例の場合も、ポンプカバー8およびポンプボデー7の質量効果によりギヤ振動がケース5に伝達されるのが抑制されると同時に、ポンプカバー8とドラム状部品61との間に介在する防振ゴム60によってギヤ振動が効果的に減衰される。そのため、オイルポンプ本体の質量効果と防振ゴム60の防振効果との相乗効果により、ケース5に伝達される振動が大幅に抑制され、ギヤ騒音を効果的に低減できる。また、防振ゴム60の弾性変形により、ブレーキ板50aの偏心を吸収できる効果がある。
図3では、ブレーキ板50aの外周爪部50a1 がブレーキ板支持部8aの間を突き抜けて変速機ケース5のスプライン溝5aにスプライン嵌合した例を示したが、このような構造に限るものではない。
図5の(a)は、変速機ケース5の内周面にスプライン溝を形成せず、外周爪部50a1 を櫛歯状のブレーキ板支持部8aの外周面とほぼ同一高さとした例であり、図5の(b)は、櫛歯状ブレーキ板支持部に代えて、ポンプカバー8の内周面にスプライン溝8cを形成したものである。いずれの場合も、ポンプカバー8の外周面とケース5の内周面との間に隙間δが設けられている。
この実施例では、組付時にブレーキ板50aの外周爪部50a1 の位置を何らかの手段で揃えておく必要がある。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、シングルピニオン方式の遊星歯車装置について説明したが、ダブルピニオン方式やその他の如何なる方式の遊星歯車装置でも適用できる。すなわち、遊星歯車装置がケースの内部に収容され、かつ遊星歯車装置の1つの回転要素が静止部材に対しブレーキ装置を介して締結・解放可能に構成された構造であれば、適用可能である。したがって、無段変速機に限らず、一般の自動変速機にも適用できる。
ブレーキ板支持部は、ポンプカバーに限らず、ポンプボデーに設けることもできる。
上記実施例では、ポンプカバー8をポンプボデー7にボルトで固定し、さらにポンプボデー7をケース5にボルトで固定したが、ポンプボデー7をポンプカバー8にボルトで固定し、さらにポンプカバー8をケース5にボルトで固定してもよい。但し、実施例のようにブレーキ板支持部8aを設けたポンプカバー8をポンプボデー7を介してケース5に固定すれば、ギヤ騒音を減衰させる質量効果をより効果的に作用させることができる。
本発明にかかる遊星歯車装置が適用される無段変速機の一例のスケルトン図である。 図1の無段変速機に適用される遊星歯車装置の第1実施例の詳細断面図である。 図2のブレーキ板とブレーキ板支持部と変速機ケースとの係合関係を示す断面図である。 遊星歯車装置の第2実施例の半断面図である。 ブレーキ板とブレーキ板支持部と変速機ケースとの係合関係の他の実施例を示す断面図である。 従来の無段変速機の前後進切替機構の断面図である。
符号の説明
3 入力軸
4 前後進切替機構
5 ケース
6 オイルポンプ
7 ポンプボデー
8 ポンプカバー
8a ブレーキ板支持部
8b ストッパ部
40 遊星歯車装置
41 サンギヤ
42 リングギヤ
43 ピニオンギヤ
44 キャリア
50 逆転ブレーキ
50a ブレーキ板
50b ピストン
51 直結クラッチ
60 防振ゴム
61 ドラム状部材

Claims (2)

  1. ケースの内部に収容され、1つの回転要素が静止部材に対してブレーキを介して締結・解放可能に構成された遊星歯車装置において、
    上記静止部材は上記ケースに固定されたオイルポンプ本体であり、
    上記オイルポンプ本体には、上記ブレーキのブレーキ板の外周側をスプライン支持するブレーキ板支持部が一体に形成され、
    上記ブレーキ板支持部の外周と上記ケースの内周との間に隙間が設けられ、
    上記ブレーキ板の一側面を押圧して上記ブレーキを締結させる油圧ピストンが上記ケース内に配置され、
    上記油圧ピストンの押圧力に対して上記ブレーキ板の反対側側面を支えるストッパ部が上記オイルポンプ本体に一体に形成されていることを特徴とする遊星歯車装置。
  2. ケースの内部に収容され、1つの回転要素が静止部材に対してブレーキを介して締結・解放可能に構成された遊星歯車装置において、
    上記静止部材は上記ブレーキのブレーキ板の外周側をスプライン支持するドラム状部品であり、
    上記ドラム状部品は上記ケースに固定されたオイルポンプ本体に対して防振材を介して接合されており、
    上記ドラム状部品の外周と上記ケースの内周との間に隙間が設けられ、
    上記ブレーキ板の一側面を押圧して上記ブレーキを締結させる油圧ピストンが上記ケース内に配置され、
    上記油圧ピストンの押圧力に対して上記ブレーキ板の反対側側面を支えるストッパ部が上記ドラム状部品に一体に形成されていることを特徴とする遊星歯車装置。
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