JP4668872B2 - 研削加工方法及び研削加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は研削加工技術に関し、特に、光学機器に使用される軸対称非球面レンズの高精度光学素子の製作や、このような光学素子の成形に用いる光学素子成形用金型の成形面部の製作に好適である、形状精度及び表面粗さ精度が非常に高い研削加工の技術に関する。
軸対称のレンズ、プリズムなどといった光学部品やこのような光学部品を成形加工する金型には、非常に高い形状精度と表面粗さ精度とが必要とされている。
このような高精度の光学部品を研削加工する技術として、例えば特許文献1に開示されている技術が知られている。この技術について、図7を用いて説明する。
図7に示す従来の研削加工装置は、軸対称な形状の被研削加工物101を回転軸中心に保持して回転するワークスピンドル102と、このワークスピンドル102と相対向して配設されワークスピンドル102と接離する方向に、ワークスピンドル102の回転軸の中心に対して所定の角度で形成された傾斜台103上に載置された研削スピンドル104とを備えている。そして、この研削スピンドル104は、被研削加工物101を研削加工する、円柱形状の工具砥石105を保持している。
この装置を用いて行われる研削加工では、例えば被研削加工物101の被加工面が凹面形状の場合には、工具砥石105の研削作用点における、X軸とZ軸との2軸からなる平面に投影される工具砥石105先端の円弧形状の曲率半径を、被研削加工物101の直径方向の最小曲率半径より小さいものとし且つ上記被研削加工物101の曲率半径になるべく近いものとする。こうすると被研削加工物101と工具砥石105とが内接するので、実際には三日月形状の線接触に近い状態で研削加工がされる。これにより、加工中の単位時間における工具砥石105の砥粒一つ一つに掛かる負荷が軽減するので、砥石磨耗が抑えられる。また、このことにより、切込み量の増加や加工送り速度の高速度化といった加工負荷を高めることができるので、加工時間の短縮にも寄与する。
特開平8−229792号公報
しかしながら、例えば被研削加工物101の被加工面が凸面形状の場合には、被研削加工物101と円柱形状した工具砥石105とは外接するため、実際には点接触に近い状態で研削加工がされることになる。従って、この場合には、加工中の単位時間における工具砥石の砥粒一つ一つに掛かる負荷は増大するため、砥石磨耗が大きく発生するので加工の安定性が小さくなる。従って高精度な加工面形状を得ることができない。
この場合において、工具砥石101の磨耗を抑えるためには、切込み量を少なくする、若しくは加工送り速度を下げるという方策が一般的である。しかし、このようにして加工負荷を下げると、加工時間が延びてしまう問題がある。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、被研削加工物の被加工面が凹面凸面のいずれに係わらず任意形状をした軸対称の非球面形状の研削加工に際し、砥石の磨耗を抑えることで、加工効率を向上させて加工時間を短縮することである。
本発明の態様のひとつである研削加工方法は、回転させている被研削加工物の被加工面に対し、先端の断面形状が円弧形状を呈している円筒形状の工具砥石を回転させながら相対的に移動させて軸対称非球面の研削を行う研削加工方法であって、上記被研削加工物の加工点位置の面に対する垂直軸と上記被研削加工物の回転軸とのなす第一の角度と、該垂直軸と上記工具砥石の回転軸とのなす第二の角度とを、該被研削加工物の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて算出し、上記被研削加工物の回転軸と上記工具砥石の回転軸である上記円筒形状における中心の軸とからなる角度の制御を、上記第一の角度及び上記第二の角度と、上記被加工面の形状に基づく初期の角度とに基づいて行う、ことを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
なお、このとき、上記第二の角度の算出を、上記曲率半径と、円筒形状である上記工具砥石の先端の円弧形状の中心を結ぶ径と、該工具砥石の先端の円弧形状における曲率半径と、に基づいて行うようにしてもよい。
また、前述した本発明に係る研削加工方法において、上記工具砥石は旋回可能であり、 上記研削を開始する前に、上記工具砥石の先端における円弧形状を呈している該工具砥石の先端と、該工具砥石の旋回軸とを予め一致させておく、ようにしてもよい。
また、前述した本発明に係る研削加工方法において、上記工具砥石は旋回可能であり、上記研削を開始する前に、上記工具砥石の先端における円弧形状の曲率中心と、円弧形状を呈している該工具砥石の先端とを予め一致させておく、ようにしてもよい。
また、前述した本発明に係る研削加工方法において、上記角度の制御により、上記工具砥石の研削作用点が該工具砥石先端の円弧形状に沿って包絡しながら移動するようにしてもよい。
また、本発明の別の態様のひとつである研削加工装置は、回転させている被研削加工物の被加工面に対し、先端の断面形状が円弧形状を呈している円筒形状の工具砥石を回転させながら相対的に移動させて軸対称非球面の研削を行う研削加工装置であって、上記被研削加工物と該工具砥石とを相対的に移動させる移動手段と、上記被研削加工物の加工点位置の面に対する垂直軸と上記被研削加工物の回転軸とのなす第一の角度と、該垂直軸と上記工具砥石の回転軸とのなす第二の角度とを、該被研削加工物の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて算出し、上記被研削加工物の回転軸と上記工具砥石の回転軸である上記円筒形状における中心の軸とからなる角度の制御を、上記第一の角度及び上記第二の角度と、上記被加工面の形状に基づく初期の角度とに基づいて行う制御手段と、を有することを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
本発明によれば、以上のようにすることにより、被研削加工物の被加工面が凹面凸面のいずれに係わらず任意形状をした軸対称の非球面形状の研削加工に際し、砥石の磨耗が抑えられる結果、加工効率が向上するので加工時間が短縮されるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず図1について説明する。同図は、本発明に係る研削加工装置を実施する超精密加工装置の構成を示している。
この超精密加工装置4は、Z軸ステージ1及びX軸ステージ2と、B軸テーブル3と、不図示の制御コントローラとを備えている。ここで、Z軸ステージ1はZ軸方向の移動制御を行うテーブルであり、X軸ステージ2はX軸方向の移動制御を行うテーブルである。また、B軸テーブル3は、Y軸を中心として回転する軸であるB軸方向に回転するテーブルであり、X軸ステージ2上における位置であってZ軸ステージ1と対向する位置に載置されている。なお、これらによるX軸方向、Z軸方向、及びB軸方向の各方向の移動は、不図示の制御コントローラで同期制御することができる。
超精密加工装置4のZ軸ステージ1上には、Z軸方向と平行な向きに主軸回転軸aを持ち、被研削加工物8を回転させる主軸回転装置5が備え付けられている。また、B軸テーブル3の上には、X軸とZ軸とからなる平面上に工具回転軸bを持ち、工具砥石7を回転させる工具回転装置6が配置されている。つまり、Z軸ステージ1、X軸ステージ2、及びB軸テーブル3は、被研削加工物8と工具砥石7とを相対的に移動させる移動手段としての機能を有している。
工具回転装置6は、ACサーボモータ若しくはエアータービンスピンドルを用いて構成される。なお、工具回転装置6には、図示していないが、X軸方向の移動調整を行うX軸調整機構、Z軸方向の移動調整を行うZ軸調整機構、及びY軸方向の移動調整を行うY軸調整機構が備え付けられている。
工具回転装置6に円筒形状をしており、この円筒形状の先端に、ダイヤモンド砥粒またはCBN(Cubic Boron Nitride :立方晶窒化ホウ素)砥粒を含んでいる、レジンボンド素材、メタルボンド素材、及びビトリフアイドボンド素材のうちのいずれからなる工具砥石7が取り付けられている。この工具砥石7の形状の概観を図2に示す。
以下、図1に示した超精密加工装置4を用いて行う、本発明に係る被研削加工物の研削加工の実施例について説明する。
まず実施例1について説明する。この実施例は、被加工面が凹面形状である被研削加工物の研削加工を行うものである。
本実施例においては、図2に示されている工具砥石7の先端外面側の円弧形状部分が研削作用点7−1となる。この研削作用点7−1となる工具砥石7先端外面側の円弧形状部分は、断面形状が高精度な円弧を持ったトーリック形状(R面取り形状)に成形(ツルーイング)を行っておき、更に、研削加工の開始前には目立て(ドレッシング)を行い、高精度な研削加工が行える状態にしておく。なお、このツルーイングやドレッシングは、CG砥石、WA砥石、超砥粒砥石、単石や多石からなるダイヤモンドドレッサ、その他金属等を用いて行う。
また、本実施例では、被加工面が凹面形状を呈している被研削加工物8の研削加工を行うので、円筒形状の工具砥石7の外径を、被研削加工物8の被加工面の最小曲率半径の2倍未満(理想的には45%程度)に設定する。
なお、図2において工具砥石7の内面側の円弧形状に示されている研削作用点7−2は実施例2におけるものであり、本実施例には無関係である。
次に、本実施例に係る研削加工の手順を説明する。この研削加工は、被研削加工物8の被加工面が凹面形状を呈している場合に行うものであり、本実施例における被研削加工物8の加工状態図である図3に示すように、工具砥石7の先端外面側の円弧形状部分を研削加工作用点7−1として加工を行うものである。
まず、前述したY軸調整機構を用いて工具砥石7の工具回転軸bのY軸方向の高さを調整し、主軸回転軸aに一致させる。次に、前述したX軸調整機構及びZ軸調整機構を用い、工具砥石7において研削作用点7−1になる先端の円弧形状の曲率中心若しくは該円弧形状の先端とB軸回転テーブル3のB軸旋回中心とを一致させる調整を行い、各軸方向の誤差を3μm以下にする。
以上の調整を終えたならば、被研削加工物8を主軸回転軸aに取付けて主軸回転軸a回りに軸回転させると共に、工具砥石7を工具回転軸b回りに高速に軸回転させる。
この状態で、X軸ステージ2、Z軸ステージ1、及びB軸ステージ3の3軸移動を不図示の制御コントローラで同時制御しながら、工具砥石7を被研削加工物8に当接させて研削加工を行う。このとき、工具砥石7の研削作用点7−1は工具砥石7の先端外面側の円弧形状部分となる。
制御コントローラによる上述した3軸の移動制御は、制御コントローラに予め格納しておいた加工NCプログラムに従って行われる。この加工NCプログラムの作成手順について説明する。
X軸方向とZ軸方向とに移動制御する加工NCプログラムは、X軸とZ軸との2軸の位置関係を表した下記の[数1]式(非球面式)より得られる点列に対し、各種の誤差、例えば、工具砥石7の磨耗や形状誤差、工具砥石7のB軸ステージ3のB軸旋回中心に対する調整誤差など、に基づいたオフセットを与えて作成する。
なお、上記[数1]式において、Z(x) はX位置におけるZ座標を示しており、f(x) は非球面式を示している。また、Rは曲率半径係数、Kは円錐定数、Ci は非球面係数である。
一方、B軸方向の角度は、下記の[数2]式から得られる点列に設定される。
なお、上記[数2]式において、B(x) はX位置におけるB軸角度を示している。また、f' (x)は上記[数1]式として示した非球面式f(x) の微分、dは円筒形状である工具砥石7の径(図3参照)、αは安全係数(本実施例においては0<α<1)、R(x) は被研削加工物8の加工点における直径方向の曲率半径(図3参照)、r0 は工具砥石7先端の円弧形状の曲率半径(図3参照)、そしてB0 は初期角度である。
この[数2]式において、右辺の第一項は被研削加工物8の加工点位置の面に対する垂直軸と被研削加工物8の回転軸aとのなす角を示している。また、右辺の第二項は、被研削加工物8の加工点における直径方向の曲率半径R(x) に基づいて決定される、加工点の垂直軸と工具砥石7の回転軸bとのなす角を示している。また、右辺の第三項である初期角度B0 は、被研削加工物8の被加工面の形状によって設定されるが、B軸の初期角度の設定誤差等が存在するため、安全係数α(0<α<1)を被研削加工物8の曲率半径R(x) に予め乗じておくようにする。
加工NCプログラムは、X軸ステージ2、Z軸ステージ1、及びB軸ステージ3が上記の[数1]式及び[数2]式に従って移動する制御を制御コントローラが行うように作成される。従って、制御コントローラは、この加工NCプログラムを実行することにより、被研削加工物8の回転軸aと工具砥石7の回転軸bとからなる角度を、被研削加工物8の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて制御しながら、被研削加工物8と工具砥石7との相対的な移動を、X軸ステージ2、Z軸ステージ1、及びB軸ステージ3に行わせる制御手段として機能する。
こうして作成された加工NCプログラムに従って被研削加工物8の研削加工を開始させると、研削作用点7−1が工具砥石7先端の円弧形状を包絡しながら移動して、凹面形状をした軸対称非球面形状の加工が行われる。この加工においては、図4に示すように、工具砥石7と被研削加工物8とが内接するように、且つ、研削作用点7−1である工具砥石7の先端外面側の曲率半径と被研削加工物8の曲率半径R(x) とが常に近くなるように設定されている。従って、研削加工は三日月形の線接触の状態でなされることになる。
このように、本実施例によれば、被研削加工物8の被加工面が凹面形状である場合に、工具砥石7と被研削加工物8とが内接するように、且つ、研削作用点7−1である工具砥石7先端の外面側の曲率半径と被研削加工物8の曲率半径とが常に近くなるように、工具砥石7と被研削加工物8とを相対移動させるので、両者の接触の状態が三日月形の線接触で研削加工を行うことができる。このように線接触の状態で研削加工を行うと、単位時間当りに研削に作用する砥粒数が増加するので、高負荷の加工が可能となる。従って、加工時間の大幅な短縮が図られる。
また、副次的な効果として、単位時間当たりに研削加工に作用する砥粒の数が増加するので、面粗さの向上も図られる。また、工具砥石7の先端の研削作用点7−1は、円弧形状を包絡しながら加工するので、工具砥石7の作用面積が増加する。従って、工具砥石7の磨耗も抑えられる。
次に、実施例2について説明する。この実施例は、被加工面が凸面形状である被研削加工物8の研削加工を行うものである。本実施例においては、図2に示されている工具砥石7の内面側の円弧形状部分が研削作用点7−2となる。
本実施例の実施においても図1に示した超精密加工装置を使用する。但し、本実施例における被研削加工物8の加工状態図である図5において、研削作用点7−2である工具砥石7の先端内面側の円弧形状部分の断面形状は、高精度な円弧を持ったトーリック形状としておく。なお、本実施例においては工具砥石7の大きさは任意のものでよいが、工具砥石7の内径は、被研削加工物8の被加工面の最大曲率半径の55%程度に設定することが理想的には望ましい。
次に、本実施例に係る研削加工の手順を説明する。この研削加工は、被研削加工物8の被加工面が凸面形状を呈している場合に行うものであり、図5に示すように、工具砥石7の先端内面側の円弧形状部分を研削加工作用点7−2として加工を行うものである。
まず、前述したX軸調整機構及びZ軸調整機構を用い、工具砥石7において研削作用点7−2になる先端の円弧の曲率中心若しくは該円弧形状の先端とB軸回転テーブル3のB軸旋回中心とを一致させる調整を行い、各軸方向の誤差を3μm以下にする。この調整は、例えば以下のように行う。
まず、円筒形状の工具砥石7先端の砥石作用点7−2が半円形状になるようにツルーイングする。次に、工具砥石7の肉厚tを、マイクロメータやノギスなどで直接測定して求める。若しくは、外径が既知である棒と超精密加工装置4の位置座標とを利用し、工具砥石7の内面側と外面側にそれぞれ棒を接触させ、そのときの超精密加工装置4のX軸ステージ2の移動量から棒の外径を引くことで、この肉厚tを求めてもよい。
次に、Y軸方向と平行に見ることができる不図示の工具顕微鏡を用い、工具砥石7の研削作用点7−2である円弧形状部分の面頂位置とB軸テーブル3のB軸旋回中心とを一致させる調整をX軸調整機構とZ軸調整機構とにより行う。この調整により、工具砥石7の工具作用点7−2である円弧形状の端部と、B軸旋回中心とが一致する。なお、ここで、更にZ軸調整機構で調整を行うことにより、上述したようにして求めた工具砥石7の肉厚tの半分だけ中心方向にオフセット移動させることで、工具砥石7の研削作用点7−2の円弧の曲率中心をB軸旋回中心に一致させることができる。
以上の調整を終えたならば、被研削加工物8を主軸回転軸aに取付けて主軸回転軸a回りに軸回転させると共に、工具砥石7を工具回転軸b回りに高速に軸回転させる。
この状態で、X軸ステージ2、Z軸ステージ1、及びB軸ステージ3の3軸移動を不図示の制御コントローラで同時制御しながら、工具砥石7で被研削加工物8の研削加工を行う。このとき、工具砥石7の研削作用点7−2は工具砥石7の先端内面側の円弧形状部分となる。
制御コントローラによる上述した3軸の移動制御は、制御コントローラに予め格納しておいた加工NCプログラムに従って行われる。この加工NCプログラムの作成手順について説明する。
X軸方向とZ軸方向とに移動制御する加工NCプログラムは、X軸とZ軸との2軸の位置関係を表した下記の[数3]式(非球面式)より得られる点列に対し、各種の誤差、例えば、工具砥石7の磨耗や形状誤差、研削作用点7−2である工具砥石7の先端内面側の円弧形状部分のB軸旋回中心に対する調整誤差など、に基づいたオフセットを与えて作成する。
なお、上記[数3]式において、Z(x) はX位置におけるZ座標を示しており、f(x) は非球面式を示している。また、Rは曲率半径係数、Kは円錐定数、Ci は非球面係数である。
一方、B軸方向の角度は、下記の[数4]式から得られる点列に設定される。
なお、上記[数4]式において、B(x) はX位置におけるB軸角度を示している。また、f' (x)は上記[数3]式として示した非球面式f(x) の微分、dは円筒形状である工具砥石7の径(図5参照)、αは安全係数(本実施例においてはα≧1)、R(x) は被研削加工物8の加工点における直径方向の曲率半径(図5参照)、r0 は工具砥石7先端の円弧形状の曲率半径(図5参照)、そしてB0 は初期角度である。ここで、初期角度B0 は、被研削加工物8の被加工面の形状によって設定されるが、B軸の初期角度の設定誤差や、工具砥石7のB軸旋回中心への合わせ込み誤差などの誤差が存在するため、安全係数α(α≧1)を被研削加工物8の曲率半径R(x) に予め乗じておくようにする。
加工NCプログラムは、X軸ステージ2、Z軸ステージ1、及びB軸ステージ3が上記の[数3]式及び[数4]式に従って移動する制御を制御コントローラが行うように作成される。従って、制御コントローラは、この加工NCプログラムを実行することにより、被研削加工物8の回転軸aと工具砥石7の回転軸bとからなる角度を、被研削加工物8の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて制御しながら、被研削加工物8と工具砥石7との相対的な移動を、X軸ステージ2、Z軸ステージ1、及びB軸ステージ3に行わせる制御手段として機能する。
こうして作成された加工NCプログラムに従って被研削加工物8の研削加工を開始させると、研削作用点7−2が先端の円弧形状を包絡しながら移動して、凸面形状をした軸対称非球面形状の加工が行われる。この加工においては、図6に示すように、工具砥石7と被研削加工物8とが内接するように、且つ、研削作用点7−2である工具砥石7の先端内面側の曲率半径と被研削加工物8の曲率半径R(x) とが常に近くなるように設定されている。従って、研削加工は三日月形の線接触の状態でなされることになる。
以上の点を除けば、本実施例に係る研削加工の手順は、実施例1におけるものと同様である。
このように、本実施例によれば、被研削加工物8の被加工面が凸面形状である場合に、工具砥石7と被研削加工物8とが内接するように、且つ、研削作用点7−2である工具砥石7の先端内面側の曲率半径と被研削加工物8の曲率半径とが常に近くなるように、工具砥石7と被研削加工物8とを相対移動させるので、両者の接触の状態が三日月形の線接触で研削加工を行うことができる。このように線接触の状態で研削加工を行うと、単位時間当りに研削に作用する砥粒数が増加するので、高負荷の加工が可能となる。従って、加工時間の大幅な短縮が図られる。
また、副次的な効果として、単位時間当たりに研削加工に作用する砥粒の数が増加するので、面粗さの向上も図られる。また、工具砥石7の研削作用点7−2は、円弧形状を包絡しながら加工するので、工具砥石7の作用面積が増加する。従って、工具砥石7の磨耗も抑えられる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
本発明に係る研削加工装置を実施する超精密加工装置の構成を示す図である。 工具砥石の形状の概観を示す図である。 実施例1における被研削加工物の加工状態を示す図である。 実施例1における工具砥石と被研削加工物との接触状態を説明する図である。 実施例2における被研削加工物の加工状態を示す図である。 実施例2における工具砥石と被研削加工物との接触状態を説明する図である。 従来の研削加工装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 Z軸ステージ
2 X軸ステージ
3 B軸テーブル
4 超精密加工装置
5 主軸回転装置
6 工具回転装置
7、105 工具砥石
7−1、7−2 工具砥石7の作用点
8、101 被研削加工物
a 主軸回転軸
b 工具回転軸
102 ワークスピンドル
103 傾斜台
104 研削スピンドル

Claims (6)

  1. 回転させている被研削加工物の被加工面に対し、先端の断面形状が円弧形状を呈している円筒形状の工具砥石を回転させながら相対的に移動させて軸対称非球面の研削を行う研削加工方法であって、
    上記被研削加工物の加工点位置の面に対する垂直軸と上記被研削加工物の回転軸とのなす第一の角度と、該垂直軸と上記工具砥石の回転軸とのなす第二の角度とを、該被研削加工物の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて算出し、
    上記被研削加工物の回転軸と上記工具砥石の回転軸である上記円筒形状における中心の軸からなる角度の制御を、上記第一の角度及び上記第二の角度と、上記被加工面の形状に基づく初期の角度とに基づいて行う、
    ことを特徴とする研削加工方法。
  2. 上記第二の角度の算出を、上記曲率半径と、円筒形状である上記工具砥石の先端の円弧形状の中心を結ぶ径と、該工具砥石の先端の円弧形状における曲率半径と、に基づいて行うことを特徴とする請求項に記載の研削加工方法。
  3. 上記工具砥石は旋回可能であり、
    上記研削を開始する前に、上記工具砥石の先端における円弧形状の曲率中心と、該工具砥石の旋回軸とを予め一致させておく、
    ことを特徴とする請求項1に記載の研削加工方法。
  4. 上記工具砥石は旋回可能であり、
    上記研削を開始する前に、上記工具砥石の先端における円弧形状を呈している該工具砥石の先端と、該工具砥石の旋回軸とを予め一致させておく、
    ことを特徴とする請求項1に記載の研削加工方法。
  5. 上記角度の制御により、上記工具砥石の研削作用点が該工具砥石先端の円弧形状に沿って包絡しながら移動することを特徴とする請求項1に記載の研削加工方法。
  6. 回転させている被研削加工物の被加工面に対し、先端の断面形状が円弧形状を呈している円筒形状の工具砥石を回転させながら相対的に移動させて軸対称非球面の研削を行う研削加工装置であって、
    上記被研削加工物と該工具砥石とを相対的に移動させる移動手段と、
    上記被研削加工物の加工点位置の面に対する垂直軸と上記被研削加工物の回転軸とのなす第一の角度と、該垂直軸と上記工具砥石の回転軸とのなす第二の角度とを、該被研削加工物の加工点における直径方向の曲率半径に基づいて算出し、上記被研削加工物の回転軸と上記工具砥石の回転軸である上記円筒形状における中心の軸とからなる角度の制御を、上記第一の角度及び上記第二の角度と、上記被加工面の形状に基づく初期の角度とに基づいて行う制御手段と、
    を有することを特徴とする研削加工装置。
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