JP4667881B2 - 車両ブレーキ情報表示装置 - Google Patents

Description

この発明は、指令値と指令値に応答して出力される応答値とを表示するようにした車両ブレーキ情報表示装置に関するものである。

従来の情報表示装置においては、例えば速度計と回転計との間に情報表示部が設けられている。そして、情報表示部には速度や回転数を含む各種センサによる現在の測定値や測定値の推移トレンドがバーグラフやデジタル値で表示される（例えば、特許文献１参照）。

特開２００１−１２１９８９号公報（第５頁、図４）

従来の情報表示装置では、現在の測定値や測定値の推移トレンドをバーグラフ等で情報表示部に表示するが、応答値のみが表示されて指令値が表示されないので、指令値に対して正常に応答しているのか否かの判断をするのが困難であるという問題点があった。

この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、指令値に対する応答値が正常か否かの判断を容易に行うことができる車両ブレーキ情報表示装置を提供することを目的としたものである。

この発明に係る車両ブレーキ情報表示装置は、鉄道車両のブレーキノッチに対応する値を指令値として表示する、色分けされた目盛を有する第１の表示手段と、上記鉄道車両に加わるブレーキ力を応答値として表示する目盛を有する第２の表示手段とを有し、上記双方の目盛が相対するように配置された情報表示装置、上記ブレーキノッチに指令を与える指令手段、及び上記指令手段からの指令値を上記鉄道車両の車両重量に比例したブレーキ力に変換して上記鉄道車両の基礎ブレーキ装置に加えるとともに上記基礎ブレーキ装置からフィードバックされたブレーキシリンダ圧力を上記指令値に対する応答値に変換する演算手段を備え、上記演算手段は、上記指令値を上記第１の表示手段に表示させると同時に、上記応答値を上記第２の表示手段に表示する際に、上記第１及び第２の表示手段の目盛表示位置が一致するように、上記第２の表示手段の目盛のフルスケールの値を、上記応答値が、上記ブレーキノッチに全ブレーキが指令されたときの正常値の場合の値に設定するものである。

この発明は、ブレーキ指令値と指令値に相当したブレーキ応答値が相対するように配置したことにより、応答値が指令値の通りであるか否かの判断を容易に行うことができ、ブレーキ力の指令値に対する応答値のブレーキ力が正常に作用しているか否かを容易に判断することができる。

実施の形態１．
図１は、この発明を実施するための実施の形態１における車両ブレーキ情報表示装置を示す説明図、図２及び図３は図１の情報表示装置の要部を示したものである。なお、図２（ａ）は空車時でブレーキ力が作用していない「ゆるめ」時の表示を示し、図２（ｂ）は空車時で８ノッチの指令値のブレーキ力が作用している「全ブレーキ」時の表示を示している。図３（ａ）は満車時でブレーキ力が作用していない「ゆるめ」時の表示を示し、図３（ｂ）は満車時で８ノッチの指令値のブレーキ力が作用している「全ブレーキ」時の表示を示している。
図１において、車両駆動用電動機が搭載されていない付随車（Ｔｃ車）と、駆動用電動機が搭載されている電動車（Ｍ車）とが連結されて、図示左方に走行している。
図１から図３において、先頭車のＴｃ車にはレール１上の車輪２ａ〜２ｄに対して、被制御対象手段である空気系の基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄが配置されている。ブレーキハンドル等の指令手段４から出力されたブレーキ力を指令する指令値が演算手段５に入力される。

演算手段５は車両重量に比例したブレーキ力を被制御対象手段である基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄに指令する。基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄはブレーキシリンダ圧力を発生して所定のブレーキ力を各車輪２ａ〜２ｄに作用させる。基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄからフィードバックされたブレーキシリンダ圧力を、指令値に対する応答値として演算手段５でブレーキ力（Ｎ：ニュートン）に変換する。そして、指令値及び応答値が情報表示装置６に表示される。情報表示装置６は、例えば図２（ａ）に示すように指令値が表示される第１の表示手段６ａと、応答値が表示される第２の表示手段６ｂとで構成されている。
一方、後方のＭ車には、レール１上の各車輪７ａ〜７ｄに対して、それぞれ空気系の基礎ブレーキ装置８ａ〜８ｄが配置されている。先頭車の指令手段４から出力されたブレーキ力の指令値が渡り線９ａを介して第２の演算手段１０に入力される。第２の演算手段１０は最初に電力変換手段１１に各駆動用電動機１２ａ〜１２ｄによる回生ブレーキを指令する。そして、回生ブレーキ力が不足する分を基礎ブレーキ装置８ａ〜８ｄにより各車輪７ａ〜７ｄに空気ブレーキ力を作用させる。なお、回生ブレーキ力の余剰分は渡り線９ｂを介して先頭車の演算手段５にフィードバックする。

このように構成された車両ブレーキ情報表示装置においては、情報表示装置６は、空車時には図２のように、例えば減速度が８段階（ノッチ：Ｎ）で各表示手段６ａ，６ｂに表示される。図１及び図２において、例えば空車時に運転士等により最大ブレーキ力の８ノッチ（Ｎ）が指令されると、演算手段５は台車（図示せず）に配置された空気ばね（図示せず）の圧力から車両重量を算出し、Ｍ車の第２の演算手段１０からフィードバックされた回生ブレーキ分を差し引いて、車両重量に比例したブレーキ力を被制御対象手段の基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄに指令する。さらに、演算手段５は指令手段４からの指令値及び基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄのブレーキシリンダ圧力をブレーキ力（Ｎ：ニュートン）に変換した応答値を各表示手段６ａ，６ｂに表示させる。例えば、空車時は図２（ａ）に示すようにブレーキ力のフルスケールが、例えば３７，０００Ｎ（ニュートン）である。ブレーキ力が作用していない「ゆるめ」時は図２（ａ）に示す通りであるが、空車時に８ノッチの「全ブレーキ」が指令されると、図２（ｂ）に示すように第１の表示手段６ａは８ノッチ分の目盛りが色の変化等で表示されるとともに、応答値のブレーキ力が第２の表示手段６ｂに表示される。この場合、図２（ｂ）に示すように第１の表示手段６ａに表示された指令値と第２の表示手段６ｂに表示された応答値とが一致していれば、被制御対象手段の基礎ブレーキ装置３ａ〜３ｄによるブレーキ力は正常に作用していると判断される。

満車時においては、図３に示すように車両重量に対応してブレーキ力のフルスケールが、例えば４５，０００Ｎ（ニュートン）として表示される。なお、図３（ａ）はブレーキ力が作用していない、即ち指令値が零のときであり、図３（ｂ）は８ノッチの「全ブレーキ」が指令されたときの表示を示している。
以上のように、鉄道車両に対するブレーキ力の指令値が表示される第１の表示手段６ａの目盛りと、指令値に応答した応答値のブレーキ力が表示される第２の表示手段６ｂの目盛りとが相対するように配置されていることにより、ブレーキ力の指令値に対する応答値のブレーキ力が正常に作用しているか否かを容易に判断することができる。
また、鉄道車両の車両重量に対応して第２の表示手段６ｂの目盛りを設定することにより、車両重量に応じた応答値が正常か否かを容易に判断することができる。
実施の形態１において、鉄道車両におけるブレーキ力の指令値と応答値との表示について説明したが、鉄道車両のブレーキ力の表示以外の被制御対象手段に対する指令値及び応答値に適用しても同様の効果を期待することができる。

この発明の実施の形態１に係る車両ブレーキ情報表示装置を示す説明図である。 図１の情報表示装置の要部を示した構成図である。 図１の情報表示装置の図２とは異なる表示における要部を示した構成図である。

１ レール、２ａ〜２ｄ 車輪、３ａ〜３ｄ 基礎ブレーキ装置、
４ 指令手段、５ 演算手段、６ 情報表示装置、６ａ 第１の表示手段、
６ｂ 第２の表示手段、７ａ〜７ｄ 車輪、８ａ〜８ｄ 基礎ブレーキ、
９ａ、９ｂ 渡り線、１０ 第２の演算手段、１１ 電力変換手段、
１２ａ〜１２ｄ 駆動用電動機。

Claims (2)

1. 鉄道車両のブレーキノッチに対応する値を指令値として表示する、色分けされた目盛を有する第１の表示手段と、上記鉄道車両に加わるブレーキ力を応答値として表示する目盛を有する第２の表示手段とを有し、上記双方の目盛が相対するように配置された情報表示装置、
   上記ブレーキノッチに指令を与える指令手段、及び
   上記指令手段からの指令値を上記鉄道車両の車両重量に比例したブレーキ力に変換して上記鉄道車両の基礎ブレーキ装置に加えるとともに上記基礎ブレーキ装置からフィードバックされたブレーキシリンダ圧力を上記指令値に対する応答値に変換する演算手段
   を備え、
   上記演算手段は、上記指令値を上記第１の表示手段に表示させると同時に、上記応答値を上記第２の表示手段に表示する際に、上記第１及び第２の表示手段の目盛表示位置が一致するように、上記第２の表示手段の目盛のフルスケールの値を、上記応答値が、上記ブレーキノッチに全ブレーキが指令されたときの正常値の場合の値に設定することを特徴とする車両ブレーキ情報表示装置。
2. 上記鉄道車両に電動車が連結されているとき、上記電動車側に、上記指令手段からの指令値を電力変換手段を経て上記電動車の回生ブレーキ力に変換するとともに上記回生ブレーキ力の余剰分を上記演算手段にフィードバックする第２の演算手段を備えたことを特徴とする請求項１に記載の車両ブレーキ情報表示装置。

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