JP4667195B2 - 接着剤組成物および接着部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐光性や、耐久性、耐湿性を具備した接着特性を有する接着剤組成物に関し、特にポリカーボネート製の被着体に対する接着性に優れる接着剤組成物および該接着剤組成物を用いた接着部材に関する。
近年、耐衝撃性が高く透明なプラスチックであるポリカーボネートが、光ディスクや偏光板などの光学的板状部材の構成材料として好適であるとして、多用されている。かかるポリカーボネート製の板状部材の上には、その保護のため、あるいは部品などの接合を行うために、各種接着剤が適用されている。例えばかかる接着剤の適用形態として、感圧性接着部材、いわゆる粘着シートや粘着テープが多用されている。
接着剤や接着部材が適用される対象であるポリカーボネート製の板状部材は、前述のように、光学用途に用いられるので、そこに用いられている接着剤にも紫外線等が照射されることになる。そのため、接着剤層が経時的に変色したり、その接着剤層中に泡が発生する場合があった。このような変色や泡の発生によって、ポリカーボネート製の板状部材などの製品の外観が損なわれるばかりでなく、接着性の低下が生じることがあり、例えば、ポリカーボネート製の板状部材から接着部材の剥離が生じる虞がある。従来、接着部材の接着剤層には、耐光性に優れるアクリル系接着剤やアクリル系粘着剤が用いられているが、吸湿による接着性の低下が問題になっていた。
かかる問題点に対して、従来、ポリカーボネート製被着体用の粘着剤として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに部分架橋を施した接着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。その他にも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、更にマクロモノマーを添加した粘着剤や、カルボキシル基とアミノ基との架橋を利用した粘着剤などが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特表平8−504229号公報 特開平10−310754号公報 特開2002−327160号公報
しかしながら、従来の接着剤、粘着剤には、初期接着性の低下、極性基に起因する耐湿性および耐久性の低下、さらにはコストアップを回避できないなどの問題点があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属製、アクリル樹脂やポリエステルなどのプラスチック製の各種被着体に対して、特にポリカーボネート製被着体に対して、耐光性、耐候性などの低下を伴うことなく、耐水接着力の向上を図ることができる接着剤組成物および該接着剤組成物を用いて得られた接着部材を提供することにある。
すなわち、本発明の接着剤組成物は、重量平均分子量が20万以上のアクリル系重合体(A)を主成分とする接着剤組成物であって、前記アクリル系重合体(A)が、その構成単量体成分(B)として、少なくとも下記一般式(1)
Figure 0004667195

(式中、Rは水素またはメチル基、Rは炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、Rは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基又は環状炭化水素基、あるいは、アルコキシ基の炭素数が1〜8のアルコキシアルキル基である。)で表されるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を20重量%以上含有することを特徴とする。
また、本発明においては、前記構成単量体成分(B)として、前記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を20〜100重量%と、該カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)と共重合し得る他種の単量体(B−2)を0〜80重量%とを合計で100重量%となるように含有することができる。
本発明の別の態様の接着剤組成物は、重量平均分子量が20万以上のアクリル系重合体(A)を主成分とする接着剤組成物であって、前記アクリル系重合体(A)が、その構成単量体成分(B)として、上記一般式(1)で表わされるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を0〜99重量%と、下記一般式(2)
Figure 0004667195

(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に水素もしくはアルキル基である。)で表されるカーボネート基含有単量体(B−3)を1〜40重量%と、上記他種の単量体(B−2)を0〜99重量%とを合計で100重量%となるように含有することができる。
本発明において、前記アクリル系重合体(A)のガラス転移温度が−20℃以下であり、ゲル分率が20%以上であることが好ましい。
また、前記アクリル系重合体(A)の含有量は50重量%〜100重量%であることが好ましい。
また、前記共重合しうる他種の単量体(B−2)は、カルボキシル基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、酸無水物系単量体、及び、前記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)以外のアクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1つであることができる。
本発明の接着部材は、支持基材の片面もしくは両面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物から得られた接着剤層を有することを特徴とする。
ここで、前記接着剤層は、ポリカーボネート製被着体に対する耐水接着力として初期接着力の50%以上の接着力を有することが好ましい。
本発明によれば、金属製、アクリル樹脂やポリエステルなどのプラスチック製の各種被着体に対して、特にポリカーボネート製被着体に対して、耐光性、耐候性などを損なうことなく、耐水接着力の向上を図ることができる接着剤組成物および該接着剤組成物を用いて得られた接着部材を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明について詳細に説明する。
前述のように、本発明の接着剤組成物は、重量平均分子量が20万以上のアクリル系重合体(A)を主成分とする接着剤組成物であって、このアクリル系重合体(A)が、その構成単量体成分(B)として、少なくとも下記一般式(1)で表されるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を20重量%以上含有する。カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)の含有量が20重量%未満では、被着体表面への接着性が不十分になる。
Figure 0004667195

(式中、Rは水素またはメチル基、Rは炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、Rは炭素数が1〜18の、直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基、ベンジル基などの環状炭化水素基、又は、アルコキシ基の炭素数が1〜8のアルコキシアルキル基である。)
本発明においては、上記構成単量体成分(B)として、上記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を20〜100重量%と、該カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)と共重合し得る他種の単量体(B−2)を0〜80重量%とを合計で100重量%となるように含有してもよい。
あるいはまた、上記構成単量体成分(B)として、上記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を0〜99重量%と、下記一般式(2)で表されるカーボネート基含有単量体(B−3)を1〜40重量%と、上記他種の単量体(B−2)を0〜99重量%とを合計で100重量%となるように含有してもよい。カーボネート基含有単量体(B−3)の含有量が40重量%以下であれば、粘着剤の柔軟性が低下することがなく、また、接着性が低下することもない。
Figure 0004667195

(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に水素もしくはアルキル基である。)
上記一般式(1)中の炭素数が1〜6のアルキレン基を示すRとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などを挙げることができる。また、同式(1)中のRとしては、炭素数が1〜18の、アルキル基、フェニル基、ベンジル基、アルコキシアルキル基などが挙げられ、炭素数が1〜18のアルキル基である場合には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられ、アルコキシ基の炭素数が1〜8のアルコキシアルキル基である場合には、メトキシエチル基、メトキシブチル基などが挙げられる。
本発明に用いられるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)は、一種類からなるものでも複数種を混合したものでもよい。
一般式(1)で表されるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)の合成方法としては、エステル交換反応などによる方法も可能であるが、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと、炭素数が1〜18のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、アルコキシアルキル基などを有する各種クロロフォーメイト化合物とから脱塩酸縮合反応により合成する方法が最も好ましい。より具体的には、無水状態で、ヒドロキシル基含有アルキルの(メタ)アクリル酸エステルと各種クロロフォーメイト化合物とを、トリエチルアミンやピリジンの如き活性水素を有しないアルカリ性化合物を含有するトルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどの炭化水素系溶媒中で、室温もしくはさらに低温で、脱塩酸縮合反応することによって得ることができる。
一般式(1)で表されるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)は、例えば、脱塩酸縮合反応において使用される、上記ヒドロキシル基含有アルキルの(メタ)アクリル酸エステルにおけるアルキル基の種類、具体的には、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、ヘキシル基などの炭素数が1〜6のアルキル基の種類によって、式中のRの構造が決定される。また、例えば、脱塩酸縮合反応において使用されるクロロフォーメイト化合物の有する炭素数1〜18のアルキル基の種類により、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ベンジル基、フェニル基、メトキシエチル基、メトキシブチル基などのアルキル基の種類によって、式中のRの構造が決定される。これらのアルキル基の種類を適宜選択することによって各種構造式のカーボネート基含有アクリル系単量体が得られる。
上記一般式(2)で表されるカーボネート基含有単量体(B−3)の具体例としては、1,2−ジアルキルビニレンカーボネート、1−アルキルビニレンカーボネート、1,2−ジ(ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル)ビニレンカーボネート、1−ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテルビニレンカーボネートなどが挙げられる。
上記の他種の単量体(B−2)としては、カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)やカーボネート基含有単量体(B−3)と共重合し得るものであれば、特に限定せずに用いることができる。例えば、他種の単量体(B−2)としては、カルボキシル基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、酸無水物系単量体、アミド系単量体、アミノ基含有単量体、酢酸ビニルもしくはスチレン又はこれらの誘導体、ビニル系単量体、シアノアクリレート系単量体、アクリル酸エステル類などが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物系単量体などが挙げられる。
ヒドロキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどが挙げられる。
また、自己架橋型の他種の単量体(B−2)としては、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸プロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸プロピルジメトキシシラン、(メタ)アクリル酸プロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル酸アルキルポリアルコキシシランなどが挙げられ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド系化合物が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドの如きN−置換(メタ)アクリルアミドなどのアミド系単量体、ジアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有単量体、酢酸ビニル、スチレン、それらの誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルボン酸アミド類などのビニル系単量体なども、他種の単量体(B−2)として挙げられる。
さらにまた、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系単量体、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系単量体、メチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどの、上記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)とは異なるアルキル(メタ)アクリレートなども、共重合しうる他種の単量体(B−2)として挙げられる。
これらの共重合しうる他種の単量体(B−2)は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
アクリル系重合体(A)は分子間架橋剤を用いて架橋処理されてもよく、この場合には、分子間架橋剤と反応しうる官能基を有する単量体が、上記他種の単量体(B−2)として用いられることが好ましい。このような分子間架橋剤と反応しうる官能基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸や無水マレイン酸などで代表されるカルボキシル基含有単量体、酸無水物系単量体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルで代表される水酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
ここで分子間架橋剤としては公知の分子間架橋剤のいずれをも用いることができ、例えば、多官能性イソシアネート系化合物、多官能性エポキシ系化合物、多官能性メラミン系化合物、金属塩などで代表される多官能性化合物などを適宜用いることができる。
本発明においては、アクリル系重合体(A)は分子間架橋剤を用いずに得ることもできる。例えば、カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)と、共重合しうる他種の単量体(B−2)と、必要に応じてカーボネート基含有単量体(B−3)とを、電子線等の放射線により架橋処理して共重合体を形成してもよい。この場合には、共重合しうる他種の単量体(B−2)として上述の自己架橋型の単量体を用いることが好ましく、例えば、2個以上の結合手を有する単量体等が好ましく用いられる。
アクリル系重合体(A)は、エマルジョン重合法により合成されてもよく、この場合には、他種の単量体(B−2)として(メタ)アクリル酸アルキルポリアルコキシシラン(アルキル基は、メチル基、エチル基)化合物を使用することが好ましい。
本発明に用いられるアクリル系重合体(A)は、例えば、一般式(1)で表されるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)、他種の単量体(B−2)、及び、必要に応じて、一般式(2)で表されるカーボネート基含有単量体(B−3)やその他の添加剤等との混合物を用い、酢酸エチルやトルエンなどの一般的な溶液を用いた溶液重合法、水媒体による乳化重合法(エマルジョン重合法)、塊状重合法、懸濁重合法等の方法を適宜に用いて共重合させることにより形成することができる。例えば、溶媒または水の存在下で、熱分解による開始剤を用いてラジカルを発生させるか、紫外線照射によりラジカルを発生させる開始剤を用いてラジカルを発生させることにより重合を行うことができる。なお、塊状重合法を用いる場合には、紫外線照射による重合方式が好ましく適用される。
重合処理に際しては、適用される重合法に応じた熱重合開始剤、光重合開始剤等を適宜、必要に応じて用いる。その使用量は、適宜決定することができるが、一般的には共重合させる単量体の総重量に対して0.001〜5重量%の範囲内である。
本発明に用いられる熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドの如き有機過酸化物等が挙げられる。
また、用いられる熱重合開始剤として、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)の如きアゾ系化合物等も挙げられる。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α、α'−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2'−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1の如きケトン系若しくはアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾインエーテル系化合物等が挙げられる。
また、光重合開始剤として、ベンジルジメチルケタールの如きケタール系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソンの如きチオキサンソン系化合物、その他、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート等の化合物等も挙げられる。
また、水を媒体とするエマルジョン重合法では、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの如きノニオン系界面活性剤または/およびアルキル硫酸塩の如きアニオン系界面活性剤を用い、過硫酸塩の如き水溶性過酸化物や水溶性アゾ系開始剤を重合開始剤とし、その他としてメルカプタン化合物の如き重合調製剤や、前述の(メタ)アクリル酸アルキルポリアルコキシシランなどの架橋剤を加えて、通常の重合方法により、エマルジョン重合体を得ることができる。
本発明の接着剤組成物を用いて形成される接着剤層は、分子間架橋剤を用いる分子間架橋剤方式、自己架橋型単量体を用いる架橋方式、あるいはこれらを併用した複合架橋方式等を適宜用いて、必要に応じて架橋構造とすることができる。本発明の接着剤組成物を架橋処理することで、接着剤層の接着特性を調節することができ、例えば、耐熱接着性、耐久接着性等を改良することができ、また、接着部材を構成する支持基材への投錨性、密着性等を改良することができる。
ここで分子間架橋剤を用いる分子間架橋剤方式とは、アクリル系重合体(A)に分子間架橋剤を配合して乾燥工程やキュア工程(硬化工程)で加熱処理、あるいは、紫外線、電子線等の放射線を照射する放射線処理によって、通常は部分的に架橋状態の接着剤層を形成するものである。この場合分子間架橋剤の配合量は、分子間架橋剤と反応するアクリル系重合体中の官能基の種類や含有量によって、アクリル系重合体の分子量や分子量分布等によって、あるいは、再剥離性能が要求されるか否か等によって、適宜、決定されることが好ましい。一般には、アクリル系重合体100重量部当たり、分子間架橋剤を0.001〜20重量部用いることが好ましく、更に好ましくは0.01〜10重量部であり、特に好ましくは0.01〜5重量部である。
形成される接着剤層は架橋処理により接着特性を調節することができる。例えば、20℃の酢酸エチルに対するアクリル系重合体のゲル分率が20%以上であり、好ましくは30%以上60%以下となるように架橋処理することが好ましい。
なお、本発明においてゲル分率とは、例えばアクリル系重合体1重量部を20℃の酢酸エチル100重量部に168時間浸漬した後、その液を200メッシュのポリアミド製等の濾過布を介して濾過し、その場合に濾過できなかったアクリル系共重合体(不溶解分)の乾燥重量を測定し、この値を百分率で示したものである。
本発明の接着剤組成物は、例えばアクリル系重合体を適当な有機溶剤に溶解させたものや溶液重合液等に基づく溶液タイプ、乳化重合液や懸濁重合液等に基づくエマルジョン若しくは分散液タイプ、などの適宜な形態に調製することができる。その調製に際しては必要に応じて、例えば天然若しくは合成のロジンやフェノールなどの樹脂類、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、ガラス繊維もしくはガラスビーズ、金属粉またはその他の無機粉末等からなる充填剤、顔料や着色剤等の添加剤、酸化防止剤等の、通常、接着剤や感圧性接着剤に配合されることのある適宜な配合剤を加えることができる。
また、必要に応じて、接着剤組成物には本発明の効果を阻害しない範囲内で、接着付与剤、老化防止剤、無機粒子、ポリマー粒子等を添加して接着特性を調整することができる。
本発明の接着部材は、支持基材の片面又は両面に、本発明の接着剤組成物を用いてなる接着剤層を設けたものであり、接着剤組成物としては上記適宜な形態に調製されたものを用いることができる。
接着部材を構成する支持基材としては、プラスチックフィルム、紙、織布、不織布、発泡体、金属箔等からなる適宜な薄葉体等が一般に用いられる。支持基材の片表面又は両表面には、剥離剤等による剥離性の付与処理、コロナ放電処理、下塗り剤等による接着力強化処理等の適宜な処理を施すことができる。ポリエチレン、ポリプロピレンの如き非極性物質からなる支持基材に対しては、接着力強化処理を施すことが、接着剤層が被着体に残存する糊残りを予防するうえで有効である。
支持基材の厚さは、特に限定されるものではなく、粘着部材が適用される用途等によって適宜決定されることが好ましいが、例えば、0.025mm〜10mmの範囲であることが好ましい。
支持基材上への接着剤層の付設は、流延方式や塗布方式などの適宜な方式で接着剤組成物を支持基材上に塗布し、それに乾燥処理や架橋処理等の必要な処理を施して接着剤層とする方式、あるいは、セパレータ、例えば薄葉体をシリコーン等の剥離剤で表面処理したもの、ポリプロピレン、ポリエチレンの如き弱接着性のフィルム等の上に上記に準じて形成した接着剤層を支持基材上に転着する方式等の適宜な方式で行うことができる。
接着剤層の厚さは、高接着力タイプ等の用途に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、1〜200μmの範囲で用途等に応じて適宜決定することができる。なお、粘着剤層は、基材全面に設けられていてもよいし、点状等の分布状態、あるいは、直線状や波線状の如く条状として部分的に設けられていてもよい。
本発明の接着部材は、接着剤層の表面の汚染を防ぐために、使用時まで接着剤層の表面を剥離ライナーにて被覆させておくことが好ましい。この剥離ライナーは、一般的に接着テープ等の接着部材に用いられるものを使用することができる。具体的には、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙等の表面に、シリコーン等の剥離性能を有する剥離剤をコーティングしたものや、上質紙にレジンをアンカーコートしたもの又はポリエチレンをラミネートしたもの等の表面にシリコーン等の剥離性能を有する剥離剤をコーティングしたものを使用することができる。
本発明の接着部材は、例えば、シート状やテープ状の形態として用いられる。
本発明の接着剤組成物は、カーボネート基含有アクリル系単量体を用いてなるアクリル系重合体を含有するので、耐湿特性を低下させずに金属やプラスチック等の各種の被着体、取り分けポリカーボネート面への接着力を向上させることができる。また、本発明によれば、耐光性、耐候性、耐油性、耐老化性、耐熱性等の特性を損なうことなく、各種の被着体への接着力を向上させることができる。したがって、本発明の接着剤組成物を用いれば、高接着力タイプの接着剤層を有する接着部材等を得ることができる。
本発明の接着部材が適用される被着体には、特に制限はない。被着体としては、ポリカーボネート製、ポリプロピレン製、ポリエステル製、ポリスチレン製、フェノール樹脂製、エポキシ樹脂製、ポリウレタン製、ABS樹脂製、アクリル樹脂製などの各種樹脂製の部材や、鉄、アルミニウム、銅、ニッケルおよびこれらの合金などの各種金属製の部材が、可能である。中でも、被着体がポリカーボネート製である場合に、本発明の接着部材は、その接着特性を顕著に発揮することができる。
本発明の接着部材の被着体への被着方法としては、接着剤層が室温で接着性を有する場合には接着テープとしてそのまま被着体に貼り合わせればよい。さらに接着力を向上させたい場合や、接着剤層が室温において接着性が不十分な場合には、プレスやロールプレスなどで通常は100℃以下で加熱した状態で加圧して貼り合わせることにより貼り合わせ後の接着力を向上させることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、以下の実施例において、「部」は特にことわりがない限り「重量部」を意味する。
以下に示す実施例においてカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)として使用されるカーボネート基含有アクリル系単量体(1)〜(4)は、以下のようにして合成された。
(カーボネート基含有アクリル系単量体(1)の合成)
マグネチックスターラー付き300mLのフラスコに、アクリル酸2−ヒドロキシエチルを22.7g、ピリジンを16.7g、及び、脱水トルエンを90g入れ、フラスコを氷冷しつつ、メチルクロロフォーメイト17.3gを30分かけて滴下した。その後、氷冷を外して室温にて6時間撹拌した。ただし、反応は乾燥窒素気流下で行われた。
得られた反応液を蒸留水及びトルエンからなる溶媒で3回洗浄した後、さらに飽和食塩水及びトルエンからなる溶媒で1回洗浄し、次いで、分液ロートを用いて上澄み液を分取した。この分取した上澄み液を硫酸マグネシウムで処理した後、エバポレータで揮発成分を除去した。これをシリカゲルが充填されたカラムを用いて、ヘキサン/酢酸エチルの5:1(体積比)混合溶液を展開液として分別採取し、エバポレータで濃縮して、目標化合物であるアクリル酸エチル−メチルカーボネートを得た。この目標化合物の収率は82%であった。また、この目標化合物のNMRおよびIR分析から下記構造式(3)の化合物が得られたことが確認できた。
Figure 0004667195
(カーボネート基含有アクリル系単量体(2)の合成)
上記(カーボネート基含有アクリル系単量体(1)の合成)において、メチルクロロフォーメイト17.3gの代わりにブチルクロロフォーメイト25.0gを用いた以外は上記合成方法と同様にして、アクリル酸エチル−ブチルカーボネートを得た。この目標化合物の収率は85%であった。また、この目標化合物は、NMRおよびIR分析から下記構造式(4)の化合物であることが確認された。
Figure 0004667195
(カーボネート基含有アクリル系単量体(3)の合成)
上記(カーボネート基含有アクリル単量体(1)の合成)において、メチルクロロフォーメイト17.3gの代わりにメトキシブチルクロロフォーメイト30.5gを用いた以外は上記合成と同様にして、アクリル酸エチル−メトキシブチルカーボネートを得た。この目標化合物の収率は90%であった。また、この目標化合物は、NMRおよびIR分析から下記構造式(5)の化合物であることが確認された。
Figure 0004667195
(カーボネート基含有アクリル系単量体(4)の合成)
上記(カーボネート基含有アクリル単量体(1)の合成)において、メチルクロロフォーメイト17.3gの代わりにフェニルクロロフォーメイト28.7gを用いた以外は上記合成方法と同様にして、アクリル酸エチル−フェニルカーボネートを得た。この目標化合物の収率は85%であった。また、この目標化合物は、NMRおよびIR分析から下記構造式(6)の化合物であることが確認された。
Figure 0004667195
(実施例1)
環流冷却管、温度計、窒素導入口及び攪拌装置を備えた500mLの4口フラスコに、酢酸エチル100部を入れ、それに、カーボネート基含有アクリル系単量体(1)であるアクリル酸エチル−メチルカーボネート99部と、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.5部とからなるモノマー液、及び、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を加えた。系中を窒素置換し、撹拌しつつ、酢酸エチルを添加したり冷却することによって、重合温度を60℃±3℃の温度に保ち、この重合温度で8時間重合し、ついで、80℃で2時間重合させ、さらに酢酸エチルを加えてポリマー濃度30%のアクリル系重合体溶液を得た。
次に、得られたアクリル系重合体溶液に、トリメチロールプロパン1モルにヘキサメチレンジイソシアネート3モルを付加した付加物を、アクリル系重合体100部当たり1部の割合で加えて接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液を厚さ25μmのポリエステルフィルム上に塗布し、80℃で20分間乾燥させて、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材を形成した。この接着部材をさらに40℃で7日間キュアして評価用の接着部材を作製した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、モノマー液を、カーボネート基含有アクリル系単量体(1)であるアクリル酸エチル−メチルカーボネート79部と、アクリル酸ブチル20部と、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.5部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にして接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、モノマー液を、カーボネート基含有アクリル系単量体(2)であるアクリル酸エチル−ブチルカーボネート99部と、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.5部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にして接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、モノマー液を、カーボネート基含有アクリル系単量体(3)であるアクリル酸エチル−3−メトキシブチルカーボネート94.0部と、ビニレンカーボネート5部と、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.5部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にして接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、モノマー液を、カーボネート基含有アクリル系単量体(3)であるアクリル酸エチル−3メトキシブチルカーボネート99.0部と、アクリル酸1部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にしてアクリル系重合体溶液を得た。これに、トリメチロールプロパン1モルにトルエンジイソシアネート3モル付加物を、アクリル系重合体100部当たり2部の割合で加えて接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−IIの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、モノマー液を、カーボネート基含有アクリル系単量体(4)であるアクリル酸エチル−フェニルカーボネート99.0部と、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.5部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にして接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、モノマー液を、アクリル酸ブチル98.0部と、アクリル酸1部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にしてアクリル系重合体溶液を得た。これに、トリメチロールプロパン1モルにトルエンジイソシアネート3モル付加物を、アクリル系重合体100部当たり2部の割合で加えて接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、モノマー液を、メタクリル酸ブチル98.0部と、メタクリル酸ヒドロキシブチル2部とからなるモノマー液に変更した以外は実施例1と同様にしてアクリル系重合体溶液を得た。このアクリル系重合体に、トリメチロールプロパン1モルにヘキサメチレンジイゾシアネート3モル付加物を、アクリル系重合体100部当たり2部の割合で加えて接着剤溶液を調製し、厚さ50μmの接着剤層を有する接着部材(評価用)を形成した。
得られた評価用の接着部材について、アクリル系重合体のガラス転移温度の測定と分子量の測定、接着力−Iの測定、及び、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
《評価試験》
各実施例および各比較例における測定及び評価は以下の方法に基づいて行った。
(ガラス転移温度の測定)
DSC法に基づいてアクリル系重合体のガラス転移温度を求めた。すなわち、接着剤層を室温から昇温速度10℃/分で昇温させ、示差走査熱量計にて吸発熱量を測定し、示差熱分析曲線を作成する。この示差熱分析曲線の変曲点の中間点の温度をガラス転移温度とした。
(接着力の測定)
(1)接着力−I
接着部材を幅10mmに切断して試料片を作製する。この試料片を、被着板として厚さ2mmのポリカーボネート板に80℃に加熱したゴムロールを用いて貼り合わせた後、23℃で60分間保存してその剥離力を測定し、初期接着力を求めた。また、更に23℃の水中に静置して5日間保持した後、水中から出し、濡れた状態の試料片について剥離力を測定し、耐水接着力とした。ただし、接着力は、23℃条件下、剥離速度50mm/分で、180度ピールを行って剥離力を測定したものであり、5点の測定値の平均値である。
(2)接着力−II
接着部材を幅10mmに切断して試料片を作製する。この試料片を、被着板として厚さ2mmのポリカーボネート板に23℃保存のゴムロールを用いて貼り合わせた後、23℃で60分間保存してその剥離力を測定し、初期接着力を求めた。また、この試料片について、上記接着力−Iの測定方法と同様にして耐水接着力を求めた。
(分子量の測定)
接着剤層から約10mgのアクリル系重合体を採取する。次いで、この採取したアクリル系重合体をジメチルホルムアミド(DMF)で溶解し、0.1%DMF溶液を作製する。これを十分に溶解させた後、0.45μmのフィルターで濾過し、試料液を作製する。この試料液を、測定器(下記測定条件)にて測定を行った。ポリスチレン換算の分子量を重量平均分子量とする。

測定条件:
装置 HLC8120GPC(東ソー株式会社製)
カラム G7000HXL+GMHXL+GMHXL(東ソー株式会社製)
カラム温度 40℃
溶離液 DMF
流速 0.80mL/min
標準試料 ポリスチレン
(ゲル分率の測定)
接着部材上の接着剤層からサンプルを採取し、これを秤量してその重量(W1グラム)を求めた。次いで、このサンプルを23℃の酢酸エチル溶液(100倍量)中に168時間浸漬し、可溶解分を抽出した。その後、不溶解分(残渣)を200メッシュのポリアミド製の濾過布を用いて濾過し、濾過できなかった不溶解分を120℃で2時間乾燥させて、この乾燥後の重量(W2)を秤量し、次式によりゲル分率を求めた。

(W2/W1)×100=ゲル分率(%)
Figure 0004667195
表1から明らかなように、実施例1〜6の接着部材は、被着体であるポリカーボネート板に対して初期接着力および耐水接着力ともに高い水準に維持されており、優れた耐湿性を維持しつつ高い接着力を発揮することが確認できた。
一方、本発明に係るカーボネート基含有アクリル系単量体を含有しない比較例1では、耐水接着力に劣っており、比較例2では、初期接着力及び耐水接着力両方が劣るものであることが分かった。
本発明の接着剤組成物および接着部材は、接着剤組成物に、カーボネート基含有アクリル系単量体を構成単量体成分の少なくとも一部とするアクリル系重合体を用いている。その結果、本発明の接着剤組成物および接着部材は、各種プラスチックや木材や金属などの各種被着体、とりわけポリカーボネート製被着体の表面への接着性に優れるばかりでなく、被着後の耐光性、耐候性、耐水性などに優れ、光ディスクや偏光板などの精密光学製品用の接着シート、粘着シートに好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 重量平均分子量が20万以上のアクリル系重合体(A)を主成分とする接着剤組成物であって、
    前記アクリル系重合体(A)が、その構成単量体成分(B)として、少なくとも下記一般式(1)
    Figure 0004667195

    (式中、Rは水素またはメチル基、Rは炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、Rは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基又は環状炭化水素基、あるいは、アルコキシ基の炭素数が1〜8のアルコキシアルキル基である。)で表されるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を20重量%以上含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記構成単量体成分(B)として、前記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を20〜100重量%と、該カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)と共重合し得る他種の単量体(B−2)を0〜80重量%とを合計で100重量%となるように含有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 重量平均分子量が20万以上のアクリル系重合体(A)を主成分とする接着剤組成物であって、前記アクリル系重合体(A)が、その構成単量体成分(B)として、請求項1記載の一般式(1)で表わされるカーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)を0〜99重量%と、下記一般式(2)
    Figure 0004667195

    (式中、R21及びR22は、それぞれ独立に水素もしくはアルキル基である。)で表されるカーボネート基含有単量体(B−3)を1〜40重量%と、前記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)と共重合し得る他種の単量体(B−2)を0〜99重量%とを合計で100重量%となるように含有することを特徴とする接着剤組成物。
  4. 前記アクリル系重合体(A)のガラス転移温度が−20℃以下であり、ゲル分率が20%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記アクリル系重合体(A)の含有量が50重量%〜100重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記共重合しうる他種の単量体(B−2)が、カルボキシル基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、酸無水物系単量体、及び、前記カーボネート基含有アクリル系単量体(B−1)以外のアクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  7. 支持基材の片面もしくは両面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物から得られた接着剤層を有することを特徴とする接着部材。
  8. 前記接着剤層が、ポリカーボネート製被着体に対する耐水接着力として初期接着力の50%以上の接着力を有することを特徴とする請求項7に記載の接着部材。

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