JPH08151560A - 再剥離型粘着剤及びその粘着部材 - Google Patents

再剥離型粘着剤及びその粘着部材

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JPH08151560A
JPH08151560A JP31917594A JP31917594A JPH08151560A JP H08151560 A JPH08151560 A JP H08151560A JP 31917594 A JP31917594 A JP 31917594A JP 31917594 A JP31917594 A JP 31917594A JP H08151560 A JPH08151560 A JP H08151560A
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sensitive adhesive
pressure
adhesive
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acrylic
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Application number
JP31917594A
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English (en)
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Masayuki Satake
正之 佐竹
Tetsuo Komata
哲夫 小俣
Makoto Kojima
誠 小島
Hozumi Tanaka
穂積 田中
Hiroko Yamamoto
裕子 山本
Kiyouko Izumi
今日子 泉
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐光・候性、耐油性、耐老化性、耐熱性等の
接着特性を損なうことなく、しかも耐湿特性の低下を伴
うことなく再剥離性能が向上したアクリル系の粘着剤、
及びその粘着部材の開発。 【構成】 一般式(A);CH2=C(R1)COOR2
(ただし、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数が2〜
14のアルキル基である。)で表わされるアクリル系単
量体50〜98重量%と、一般式(B)又は(C); (ただし、R3又はR4は、水素又は1価の有機基であ
る。)で表わされるイミド系単量体50〜2重量%から
なり、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が40%
未満のアクリル系共重合体を成分とする再剥離型粘着
剤、及び支持基材上にかかる粘着剤からなる層を有する
粘着部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐湿特性に優れる再剥
離型粘着剤、及びその粘着部材に関する。
【0002】
【従来の技術】作業現場での塗布乾燥工程等を要しない
簡便性や良作業衛生性等の利点に着目されて粘着剤、な
いしその粘着部材は、種々の分野で多種多様な用途に使
用され、それに応じて各種のものが開発提案されてい
る。その中で、アクリル系ポリマーを主成分とするアク
リル系粘着剤は、耐光・候性、耐油性、耐老化性、耐熱
性、接着力や凝集力等の接着特性に優れることから、プ
ラスチックや紙等からなる支持基材に付設して広範な用
途に使用されている。
【0003】かかる粘着剤の主要な用途に表面保護等の
目的で仮着して必要に応じ再剥離できることが要求され
るものがある。すなわち例えば、金属板や化粧板、ガラ
ス板やプラスチック板等の種々の物品からなる被着体に
表面保護材等として仮着して、損傷や塵埃の付着、酸化
による変質等を防止し、その目的を終えて被着体を実用
に供する際にはその表面保護材等が剥離される再剥離が
必須の用途がある。
【0004】かかる再剥離型の粘着部材における粘着剤
にあっては、仮着時に剥がれ等を生じることのない充分
な接着力を保持しつつ、再剥離時に糊成分等の汚染物質
が被着体に残存しないで容易に再剥離できることが剥離
後の洗浄工程の省略等の点より強く望まれる。
【0005】しかしながら、従来のアクリル系再剥離型
粘着剤にあっては、被着体に対する接着力が経時的に上
昇して剥離作業の能率を低下させたり、再剥離が困難と
なる難点があった。また、剥離後に被着体に汚染物質を
残存させる糊残りなどの問題が発生しやすい難点もあっ
た。
【0006】アクリル系ポリマーに極性基含有の単量体
を共重合させて凝集力等を改善して前記の難点を克服す
ることもなされているが、粘着剤の耐湿特性の低下を伴
う問題点があった。耐湿特性に乏しいと多湿環境下で接
着力が経時的に大きく変化し、屋外等での使用における
信頼性に乏しくて耐光・候性等に優れるアクリル系再剥
離型粘着剤の利点を充分に活かされないこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐光・候
性、耐油性、耐老化性、耐熱性等の接着特性を損なうこ
となく、しかも耐湿特性の低下を伴うことなく再剥離性
能が向上したアクリル系の粘着剤、及びその粘着部材の
開発を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(A);CH2=C(R1)COOR2(ただし、R1は水
素又はメチル基、R2は炭素数が2〜14のアルキル基
である。)で表わされるアクリル系単量体50〜98重
量%と、一般式(B)又は(C); (ただし、R3又はR4は、水素又は1価の有機基であ
る。)で表わされるイミド系単量体50〜2重量%から
なり、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が40%
未満のアクリル系共重合体を成分とすることを特徴とす
る再剥離型粘着剤、及び支持基材上にかかる粘着剤から
なる層を有することを特徴とする粘着部材を提供するも
のである。
【0009】
【作用】イミド系単量体を共重合体成分とする可溶解分
率が所定値未満のアクリル系共重合体を用いた上記構成
の粘着剤とすることにより、耐湿特性を低下させずに被
着体に対する接着力の経時上昇問題や剥離後の糊残り問
題などを克服できて再剥離性能を向上させることがで
き、耐光・候性、耐油性、耐老化性、耐熱性等の接着特
性に優れる再剥離型タイプのアクリル系再剥離型粘着剤
を得ることができる。その理由は不明であるが、イミド
系単量体の優れた耐水性と、当該単量体の適度な極性に
よる再剥離型粘着剤における適度な凝集力の発生による
ものと考えられる。
【0010】
【発明の構成要素の例示】本発明の再剥離型粘着剤は、
一般式(A);CH2=C(R1)COOR2(ただし、
1は水素又はメチル基、R2は炭素数が2〜14のアル
キル基である。)で表わされるアクリル系単量体50〜
98重量%と、一般式(B)又は(C); (ただし、R3又はR4は、水素又は1価の有機基であ
る。)で表わされるイミド系単量体50〜2重量%から
なり、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が40%
未満のアクリル系共重合体を成分とするものである。
【0011】前記した一般式(A)で表わされるアクリ
ル系単量体としては、そのR2として例えばエチル基、
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、イソ
オクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基の如き
炭素数が2〜14のアルキル基を有するアクリル酸又は
メタクリル酸のエステルなどがあげられる。
【0012】一般式(A)におけるR2の炭素数が2未
満ではガラス転移温度(Tg)の高いものとなって粘着
剤としての濡れ性が低下しタック(初期接着性)に乏し
くなる。一方、前記R2の炭素数が14を超えると粘着
剤の接着力が乏しくなる。
【0013】他方、前記の一般式(B)で表わされる単
量体はマレイミド系化合物であり、一般式(C)で表わ
される単量体はイタコンイミド系化合物であるが、その
3又はR4は、水素又は1価の有機基をとりうる。従っ
てR3又はR4が水素である場合、一般式(B)で表わさ
れる単量体はマレイミドそのものであり、一般式(C)
で表わされる単量体はイタコンイミドそのものである。
【0014】一方、1価の有機基からなるR3又はR4
例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基又はこれらの基にさらに官能基が導入
されたものなどがあげれる。そのR3又はR4の具体例と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、
オクチル基、ラウリル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフ
ェニル基、ニトロフェニル基、カルボキシフェニル基、
ヒドロキシフェニル基などがあげられる。
【0015】本発明で用いるアクリル系共重合体は、上
記した一般式(A)で表わされるアクリル系単量体成分
を50〜98重量%、好ましくは60〜97重量%含有
し、一般式(B)又は(C)で表わされるイミド系単量
体成分を50〜2重量%、好ましくは40〜3重量%、
特に30〜3重量%含有するアクリル系共重合体からな
るものである。
【0016】アクリル系共重合体における前記のアクリ
ル系単量体成分の含有量が50重量%未満ではTgの高
いものとなって粘着剤としての濡れ性が低下しタックに
乏しくなるし、98重量%を超えると一般式(B)又は
(C)で表わされるイミド系単量体成分の含有量に乏し
くて接着特性と耐湿性を両立させにくくなる。一方、当
該イミド系単量体成分の含有量が50重量%を超えると
低いTgに保持することが困難となってタックに乏しく
なりやすい。
【0017】本発明で用いるアクリル系共重合体には、
前記の一般式(A)で表わされるアクリル系単量体、及
び一般式(B)又は(C)で表わされるイミド系単量体
と共重合しうるD成分としての他種の単量体を共重合さ
せることもできる。D成分の共重合割合は、30重量%
以下、就中25重量%以下が好ましい。その共重合割合
が30重量%を超えると、上記した耐光・候性等のアク
リル系ポリマーとしての性能が発現しにくくなったり、
再剥離型粘着剤としての特性をバランスさせにくくなる
場合がある。
【0018】前記のD成分として用いる単量体は、当該
アクリル系単量体やイミド系単量体と共重合しうるもの
であればよい。その例としては、(メタ)アクリル酸や
カルボキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸や
イタコン酸、クロトン酸の如きカルボキシル基含有単量
体、無水マレイン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物系
単量体などがあげられる。
【0019】また、2−(メタ)アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸の如きスルホン酸含有単量
体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフ
ェートの如きリン酸含有単量体、(メタ)アクリルアミ
ドやN,N−ジメチルアクリルアミド等のN−置換(メ
タ)アクリルアミドの如きアミド系単量体、ジアミノエ
チル(メタ)アクリレートの如きアミノ基含有単量体、
酢酸ビニルやスチレンないしその誘導体、N−ビニルピ
ロリドンやN−ビニルカルボン酸アミド類の如きビニル
系単量体などもD成分としてあげられる。
【0020】さらに、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチルの如き水
酸基含有単量体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルやテ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レグリコール(メタ)アクリレートやポリプロピレング
リコール(メタ)アクリレート、(ポリ)フッ化(メ
タ)アクリレートやシリコーン(メタ)アクリレートの
如き一般式(A)で表わされるアクリル系単量体以外の
(メタ)アクリル酸エステル系単量体などもD成分とし
てあげられる。
【0021】加えて、一般式(B)で表わされるマレイ
ミド系単量体に対する一般式(C)で表わされるイタコ
ンイミド系単量体、又は一般式(C)で表わされるイタ
コンイミド系単量体に対する一般式(B)で表わされる
マレイミド系単量体などもD成分として用いうる。
【0022】前記において、アクリル系共重合体を分子
間架橋剤を介して架橋処理する場合には、例えば(メ
タ)アクリル酸や無水マレイン酸等で代表されるカルボ
キシル基含有単量体や酸無水物系単量体、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチルで代表される水酸基含有単
量体や(メタ)アクリル酸グリシジルなどの、分子間架
橋剤と反応しうる官能基を有する単量体がD成分として
特に好ましく用いうる。
【0023】前記の分子間架橋剤としては、例えば多官
能性イソシアネート系化合物、多官能性エポキシ系化合
物、多官能性メラミン系化合物、過酸化物、金属塩など
で代表される多官能性の適宜な化合物を用いることがで
き、公知の分子間架橋剤のいずれも用いうる。
【0024】一方、前記の如き分子間架橋剤を用いない
でアクリル系共重合体をD成分を介して、例えば電子線
等の放射線により架橋処理しうる共重合体組成とするこ
ともできる。その場合の自己架橋型D成分としては、例
えば2個以上の結合手を有する単量体などが用いられ
る。
【0025】前記自己架橋型D成分の具体例としては、
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0026】また、グリシジル(メタ)アクリレートの
如きエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、N
−メチロール(メタ)アクリルアミドやN−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドの如きアクリルアミド系化合物、
(メタ)アクリル酸プロピルトリメトキシシランや(メ
タ)アクリル酸プロピルジメトキシシラン、(メタ)ア
クリル酸プロピルトリエトキシシランの如き多官能性ア
ルコキシシラン、ジビニルベンゼンなども前記の自己架
橋型D成分としてあげられる。
【0027】なお、アクリル系共重合体を形成する一般
式(B)又は(C)で表わされるイミド系単量体が、そ
のR3又はR4として例えばカルボキシフェニル基やヒド
ロキシフェニル基の如く官能基を有して分子間架橋剤に
よる架橋処理が可能である場合には、D成分を用いない
で架橋処理が可能なアクリル系共重合体を得ることもで
きる。従って本発明においては、D成分を含有しないア
クリル系共重合体も用いうる。
【0028】本発明において用いるアクリル系共重合体
の調製は、例えば共重合体を形成するための1種又は2
種以上の各単量体の混合物に、溶液重合法や乳化重合
法、塊状重合法や懸濁重合法などの適宜な方法を適用し
て行うことができる。なお塊状重合法の場合には、紫外
線照射による重合方式が好ましく適用しうる。
【0029】前記の重合処理に際しては、重合法に応じ
た熱重合開始剤や光重合開始剤等の適宜な重合開始剤を
必要に応じて用いうる。その使用量は、適宜に決定して
よいが、一般には共重合させる単量体の総量の0.00
1〜5重量%とされる。
【0030】前記の熱重合開始剤の例としては、過酸化
ベンゾイルやt-ブチルパーベンゾエート、クメンヒド
ロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−n-プロピルパーオキシジカーボネートやジ
(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t
-ブチルパーオキシネオデカノエートやt-ブチルパーオ
キシビバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノ
イル)パーオキシドやジラウロイルパーオキシド、ジプ
ロピオニルパーオキシドやジアセチルパーオキシドの如
き有機過酸化物などがあげられる。
【0031】また、2,2'−アゾビスイソブチロニト
リルや2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボ
ニトリル)や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチ
ル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2'
−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−
アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2'−アゾ
ビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)の如き
アゾ系化合物なども熱重合開始剤の例としてあげられ
る。
【0032】一方、光重合開始剤の例としては、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ケトンやα−ヒドロキシ−α,α'−
ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノンや
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2−メチ
ル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モル
ホリノプロパン−1の如きケトン系ないしアセトフェノ
ン系化合物、ベンゾインエチルエーテルやベンゾインイ
ソプロピルエーテルの如きベンゾインエーテル系化合物
などがあげられる。
【0033】また、ベンジルジメチルケタールの如きケ
タール系化合物、ベンゾフェノンやベンゾイル安息香
酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン
の如きベンゾフェノン系化合物、チオキサンソンや2−
クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンや
2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキ
サンソンや2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−
ジエチルチオキサンソンや2,4−ジイソプロピルチオ
キサンソンの如きチオキサンソン系化合物、その他、カ
ンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノ
キシド、アシルホスフォナート等の化合物なども光重合
開始剤の例としてあげられる。
【0034】本発明の再剥離型粘着剤は、架橋処理によ
り、20℃の酢酸エチルに対するアクリル系共重合体の
可溶解分率が40%未満、好ましくは30%未満、特に
10%未満となるように調製したものである。当該可溶
解分率が40%以上の場合には、被着体に対する接着力
の経時上昇の大きいものとなりやすい。
【0035】前記の接着力の経時上昇を抑制した再剥離
型の粘着剤において、被着体に対する接着力は、当該可
溶解分率を高くするほど大きくすることができる。従っ
てその可溶解分率を40%より順次低下させるに従い被
着体に対する接着力を低下させることができ、これによ
り再剥離型粘着剤に要求される接着力の経時上昇の抑制
性を維持しつつ、被着体に対する接着力を調節すること
ができる。被着体に対する大きな接着力が要求されない
通例の用途には、当該可溶解分率を10%未満に調節し
たものが一般的に好ましく用いうる。
【0036】ちなみに、アクリル酸2−エチルヘキシル
80重量部、シクロヘキシルマレイミド10重量部、及
びアクリル酸3重量部を用いて調製したアクリル系共重
合体100重量部を、4官能性エポキシ系架橋剤3重量
部で架橋処理することにより、20℃の酢酸エチルに対
するアクリル系共重合体の可溶解分率を4.3%に調節
することができる。
【0037】なお前記の可溶解分率は、アクリル系共重
合体1重量部を20℃の酢酸エチル100重量部に16
8時間浸漬した後、その液を250メッシュのポリアミ
ド製等の濾過布を介して濾過し、その場合に濾過できな
かったアクリル系共重合体(不溶分)の乾燥重量を測定
してその重量からアクリル系共重合体の可溶解分を百分
率として求めることができる。
【0038】上記のように本発明の再剥離型粘着剤は、
分子間架橋剤の配合方式や自己架橋型単量体を共重合化
する方式、あるいはそれらを併用した複合方式などの適
宜な方式で架橋処理しうる組成として、その粘着剤を上
記した所定の可溶解分率の範囲に架橋処理したものであ
る。
【0039】前記において分子間架橋剤による方式は、
それを粘着剤に配合して加熱処理や、紫外線、電子線等
の放射線の照射処理を介して架橋状態の粘着剤を形成す
るものである。その分子間架橋剤の配合量は、それと反
応するアクリル系共重合体中の官能基の種類や含有量な
どにより適宜に決定しうる。一般には、アクリル系共重
合体100重量部あたり、0.01〜20重量部、就中
0.5〜15重量部が用いられる。
【0040】本発明の再剥離型粘着剤は、例えばアクリ
ル系共重合体を適宜な有機溶剤に溶解させたものや溶液
重合液等に基づく溶液タイプ、乳化重合液や懸濁重合液
等に基づくエマルジョンないし分散液タイプなどの適宜
な形態に調製することができる。その調製に際しては必
要に応じて、例えば天然ないし合成の樹脂類、ガラスの
繊維やビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充
填剤、顔料や着色剤等の添加剤、酸化防止剤などの、粘
着剤に配合されることのある適宜な配合剤を加えること
ができる。
【0041】本発明の粘着部材は、支持基材上に当該再
剥離型粘着剤からなる層を設けたものである。その支持
基材としては、プラスチックフィルム、紙、織布、不織
布、発泡体、金属箔等からなる適宜な薄葉体などが一般
に用いられる。支持基材の表面には、コロナ放電処理や
下塗剤等による接着力強化処理などの適宜な処理を施す
ことができる。ポリエチレンやポリプロピレンの如き非
極性物質からなる支持基材に対しては、接着力強化処理
を施すことが糊残り問題を予防するうえで有効である。
【0042】支持基材上への粘着剤層の付設は、流延方
式や塗布方式などの適宜な方式で粘着剤を支持基材上に
塗布し、それに乾燥処理や架橋処理などの必要な処理を
施して粘着剤層とする方式、あるいはセパレータ、例え
ば薄葉体を剥離剤で表面処理したものや、ポリプロピレ
ン、ポリエステルの如き弱接着性のフィルム等の上に前
記に準じて形成した粘着剤層を支持基材上に転着する方
式などの適宜な方式で行うことができる。
【0043】粘着剤層の厚さは、例えば表面保護やマス
キング、あるいはエレップ等の種々の用途に応じて適宜
に決定してよい。一般には1〜500μmの厚さとされ
る。なお粘着剤層は必要に応じて、支持基材上に点状等
の分布状態などとして部分的に設けることもできる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、特定のイミド系単量体
を共重合体成分とするアクリル系共重合体を用いたの
で、耐光・候性、耐油性、耐老化性、耐熱性等の接着特
性に優れ、しかも耐湿特性に優れて種々の被着体に対す
る接着力の経時変化が小さくて容易に再剥離できる高信
頼性の再剥離型粘着剤を得ることができる。
【0045】
【実施例】
実施例1 温度計、還流冷却管、窒素導入口及び撹拌機を備えた容
器に、酢酸エチル150部(重量部、以下同じ)を入
れ、それにアクリル酸2−エチルヘキシル80部、シク
ロヘキシルマレイミド10部、アクリル酸3部、及びア
ゾビスイソブチロニトリル0.5部を加えて窒素置換と
撹拌下に60℃で4時間、ついで80℃で2時間重合さ
せて、アクリル系共重合体溶液を得た(重合率99
%)。
【0046】次に前記のアクリル系共重合体溶液に、ア
クリル系共重合体100部あたり3部の4官能性エポキ
シ系架橋剤を加えて粘着剤溶液を調製し、それを厚さ2
5μmのポリエステルフィルム上に塗布し、80℃で2
0分間乾燥して厚さ10μmの粘着剤層を有する粘着部
材を得た。
【0047】実施例2 シクロヘキシルマレイミドの使用量を20部としたほか
は実施例1に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0048】実施例3 シクロヘキシルマレイミドの使用量を30部としたほか
は実施例1に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0049】実施例4 シクロヘキシルマレイミドに代えて、ラウリルマレイミ
ドを20部用いたほかは実施例1に準じて粘着剤溶液と
粘着部材を得た。
【0050】実施例5 シクロヘキシルマレイミドに代えて、ブチルマレイミド
を20部用いたほかは実施例1に準じて粘着剤溶液と粘
着部材を得た。
【0051】実施例6 シクロヘキシルマレイミドに代えて、イソプロピルマレ
イミドを20部用いたほかは実施例1に準じて粘着剤溶
液と粘着部材を得た。
【0052】実施例7 アクリル酸2−エチルヘキシルに代えて、アクリル酸n
-ブチルを用いたほかは実施例1に準じて粘着剤溶液と
粘着部材を得た。
【0053】実施例8 シクロヘキシルマレイミドに代えて、オクチルイタコン
イミドを10部用いたほかは実施例1に準じて粘着剤溶
液と粘着部材を得た。
【0054】実施例9 オクチルイタコンイミドの使用量を20部としたほかは
実施例8に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0055】実施例10 オクチルイタコンイミドの使用量を30部としたほかは
実施例8に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0056】実施例11 オクチルイタコンイミドに代えて、ブチルイタコンイミ
ドを20部用いたほかは実施例8に準じて粘着剤溶液と
粘着部材を得た。
【0057】実施例12 オクチルイタコンイミドに代えて、ラウリルイタコンイ
ミドを20部用いたほかは実施例8に準じて粘着剤溶液
と粘着部材を得た。
【0058】実施例13 オクチルイタコンイミドに代えて、シクロヘキシルイタ
コンイミドを20部用いたほかは実施例8に準じて粘着
剤溶液と粘着部材を得た。
【0059】実施例14 4官能性エポキシ系架橋剤の使用量を1部としたほかは
実施例2に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0060】実施例15 4官能性エポキシ系架橋剤の使用量を0.5部としたほ
かは実施例2に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0061】比較例1 シクロヘキシルマレイミドに代えて、N−ビニルピロリ
ドンを20部用いたほかは実施例1に準じて粘着剤溶液
と粘着部材を得た。
【0062】比較例2 シクロヘキシルマレイミドに代えて、アクリルアミドを
20部用いたほかは実施例1に準じ粘着剤溶液と粘着部
材を得た。
【0063】比較例3 シクロヘキシルマレイミドを用いずにアクリル酸の使用
量を20部としたほかは実施例1に準じて粘着剤溶液と
粘着部材を得た。
【0064】比較例4 4官能性エポキシ系架橋剤の使用量を0.04部とした
ほかは実施例2に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0065】比較例5 4官能性エポキシ系架橋剤の使用量を0.1部としたほ
かは実施例2に準じて粘着剤溶液と粘着部材を得た。
【0066】比較例6 シクロヘキシルマレイミドに代えて、オクチルイタコン
イミドを20部用いたほかは比較例4に準じて粘着剤溶
液と粘着部材を得た。
【0067】評価試験 実施例、比較例で得た粘着剤溶液、粘着部材について次
の特性を調べた。 可溶解分率 各実施例、各比較例の粘着部材に準じて、ポリエステル
フィルムに代わるセパレータ上に粘着剤層を形成し、そ
の粘着剤層の1gをセパレータ上より収集してそれを2
0℃の酢酸エチル100gに168時間浸漬した後、そ
の液を250メッシュのポリアミド製濾過布を介して濾
過し、その場合に濾過できなかった不溶分の乾燥重量を
測定してその重量から可溶解分を百分率として求めた。
【0068】接着力 幅20mmの粘着部材をステンレス板(SUS 304 BA)に1
kgのゴムローラを一往復させて圧着し、20℃下に20
分間(初期物)又は50℃下に5日間保存後20℃下に
雰囲気温度まで冷却したもの(保存物)についてその剥
離に要する力を測定した(180度ピール、剥離速度3
00mm/分、20℃)。
【0069】耐水性 前記の保存物を20℃の蒸留水中に4日間浸漬して取り
だし、その粘着部材の状態を調べた。
【0070】前記の結果を表1、表2に示した。表よ
り、本発明の再剥離型粘着剤が良好な再剥離性能を示し
て、耐湿特性に優れていることがわかる。
【表1】
【0071】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 穂積 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 山本 裕子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 泉 今日子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(A)で表わされるアクリ
    ル系単量体50〜98重量%と一般式(B)又は(C)
    で表わされるイミド系単量体50〜2重量%からなり、
    20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が40%未満の
    アクリル系共重合体を成分とすることを特徴とする再剥
    離型粘着剤。 一般式(A);CH2=C(R1)COOR2(ただし、
    1は水素又はメチル基、R2は炭素数が2〜14のアル
    キル基である。) 一般式(B); (ただし、R3は水素又は1価の有機基である。) 一般式(C); (ただし、R4は水素又は1価の有機基である。)
  2. 【請求項2】 一般式(A)で表わされるアクリル系単
    量体及び一般式(B)又は(C)で表わされるイミド系
    単量体と共重合しうる他種の単量体を30重量%以下含
    有するアクリル系共重合体を成分とする請求項1に記載
    の再剥離型粘着剤。
  3. 【請求項3】 支持基材上に請求項1又は2に記載の再
    剥離型粘着剤からなる層を有することを特徴とする粘着
    部材。
JP31917594A 1994-11-28 1994-11-28 再剥離型粘着剤及びその粘着部材 Pending JPH08151560A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077388A (ja) * 2005-08-18 2007-03-29 Nitto Denko Corp 金属面貼付用感圧性接着シート類
JP2007077387A (ja) * 2005-08-18 2007-03-29 Nitto Denko Corp ガラス面貼付用感圧性接着シート類およびガラス製光学部材

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JP2007077388A (ja) * 2005-08-18 2007-03-29 Nitto Denko Corp 金属面貼付用感圧性接着シート類
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