JP7302159B2 - 粘着付与剤及び粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
広い用途に利用されている。また、その被着対象物も、プラスチック、紙類、金属、ガラス及び陶器など様々な物質に対して適用される。
一方、近年のエレクトロニクス技術の飛躍的進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)などの種々のフラットパネルディスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として使用されるようになってきた。
これらの表示装置は、一般的にはガラス、ポリカーボネート等の透明プラスチック材料を粘着剤で貼り合せた積層構造を有する。このため、粘着剤にはこれらの材料に対して十分な接着強度を示すと共に、透明性に優れたものであることが要求され、一般にはアクリル系の粘着剤が使用されているが、その接着強度や密着性等についてはさらなる改善が望まれている。
例えば、特許文献3には、カルボキシル基を有する主ポリマーとアミノ基を有する低分子アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物が開示されている。また、特許文献4には、親水性の高い(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルを主成分とするポリマー及びアミノ基又はアミド基を有する低分子量アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物からなる粘着剤層が、高温・高湿下においても透明性確保等に有効である旨が記載されている。
一方、特許文献3及び特許文献4に記載の粘着剤組成物では、粘着強度の向上は見られるものの、例えば、ガラスへの接着強度が低い等、被着体によっては十分な接着強度が得られないものもあり、改善が望まれている。
〔1〕ガラス転移温度(Tg)が60~200℃であり、数平均分子量が500~20,000であり、かつ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比率が1.05~1.30であるビニル重合体(A)を含む粘着付与剤。
〔2〕前記ビニル重合体(A)がリビングラジカル重合で製造された重合体である〔1〕に記載の接着付与剤の製造方法。
〔3〕〔1〕に記載の粘着付与剤及びアクリル系粘着性ポリマー(B)を含む粘着剤組成物。
〔4〕前記粘着剤組成物のガラス転移温度(Tg)が-80~10℃である〔3〕に記載の粘着剤組成物。
〔5〕前記粘着剤組成物をセパレ-タ-に塗工した後、乾燥させて得られる粘着層において、当該粘着層全体のガラス転移温度(Tg)が-80~10℃であり、当該粘着層のX線光電子分光分析により得られる、表層部分から計算されるガラス転移温度(Tg)が40℃以上であり、かつ、前記表層部分のガラス転移温度(Tg)が、前記粘着層全体のガラス転移温度(Tg)よりも30℃以上高い、〔3〕又は〔4〕に記載の粘着剤組成物。
Tgが60℃未満であると、高温条件下で各種被着体への接着強度が十分でなく耐久性に劣る場合があり、また、原料単量体の制約等から、一般にTgが200℃を超えることはない。
なお、本発明では、示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分で測定した値をガラス転移温度(Tg)とする。
Mnが20,000を超えると、アクリル系粘着性ポリマーとの相溶性が悪くなる恐れがあり、Mnが500未満の重合体を製造するには、重合開始剤や連鎖移動剤を多量に用いる必要があり、生産性が悪くなる恐れがある。
これらの中でも、アクリル系粘着性ポリマー(B)との相溶性が良好となる点から(メタ)アクリル系化合物を主体とするのが好ましい。(メタ)アクリル系化合物の使用量は、ビニル重合体(A)を構成する全単量体において、10~100質量%の範囲が好ましく、30~95質量%の範囲がより好ましく、50~90質量%の範囲がさらに好ましい。
これらの中でも、比較的Tgを高く設定することができ、粘着シートの浮きや剥がれを抑制する効果が高く、オレフィン系の被着体への接着性が良好となる点から(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸アダマンチルが好ましい。
前記不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステルとしては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等のジアルキルエステルが挙げられる。
前記ビニルエステル化合物としては、メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル、桂皮酸ビニル等が挙げられる。
前記ビニルエーテル化合物としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル-n-ブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。
例えば、リビングラジカル重合およびリビングアニオン重合等の各種制御重合法を利用する方法や、再沈殿方法、クロマトグラフィーにより分離する方法等を挙げることができる。これらの中でも、操作が簡便であり、広い単量体に対して適応することができる観点から、リビングラジカル重合が好ましい。
リビングラジカル重合法の種類についても特段の制限はなく、可逆的付加-開裂連鎖移動重合法(RAFT法)、ニトロキシラジカル法(NMP法)、原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、有機テルル化合物を用いる重合法(TERP法)、有機アンチモン化合物を用いる重合法(SBRP法)、有機ビスマス化合物を用いる重合法(BIRP法)及びヨウ素移動重合法等の各種重合方法を採用することができる。これらの内でも、重合の制御性と実施の簡便さの観点から、RAFT法、NMP法及びATRP法が好ましい。
また、重合反応を安定的に行う観点から、RAFT剤1molに対するラジカル重合開始剤の使用量の下限は、0.01molである。よって、RAFT剤1molに対するラジカル重合開始剤の使用量は、0.01mol以上0.5mol以下の範囲が好ましく、0.05mol以上0.2mol以下の範囲がより好ましい。
一方、反応温度が100℃以下であれば、副反応が抑制できるとともに、使用できる開始剤や溶剤に関する制限が緩和される。
次いで、上記重合前駆体を加熱下で二次解離することにより、ビニル系単量体をリビング重合することができる。この場合、重合前駆体は分子内に2以上の活性点を有するため、より分子量分布の狭い重合体を得ることができる。また、ニトロキシド化合物の使用量は、用いる単量体及びニトロキシド化合物の種類等により適宜調整される。
一方、上記ニトロキシドラジカルの添加量が多すぎると重合が進行しない場合がある。上記ニトロキシド化合物1molに対する上記ニトロキシドラジカルのより好ましい添加量は0.01~0.5molの範囲であり、さらに好ましい添加量は0.05~0.2molの範囲である。
アクリル系粘着性ポリマー(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主要構成単位として含む重合体であり、そのガラス転移温度(Tg)は、-80~10℃の範囲にあることが好ましい。Tgが、-80~10℃の範囲にあれば、得られる粘着剤組成物は、凝集力に優れ、曲面接着性等も良好である。
さらに、アクリル系粘着性ポリマー(B)は、十分な凝集力と接着性を発揮する観点から、重量平均分子量(Mw)が100,000以上であることが好ましく、250,000以上であることがより好ましく、400,000以上であることがさらに好ましい。
溶液重合法による場合、有機溶剤及びビニル単量体を反応器に仕込み、有機過酸化物、アゾ系化合物等の熱重合開始剤を添加して、50~300℃に加熱して共重合することにより目的とするビニル重合体(A)を得ることができる。当該ビニル重合体は、有機溶剤に溶解された溶液として使用しても良いし、加熱減圧処理等により溶剤を留去して用いても良い。
単量体を含む各原料の仕込み方法は、すべての原料を一括して仕込むバッチ式の初期一括仕込みでもよく、少なくとも一つの原料を連続的に反応器中に供給するセミ連続仕込みでもよく、全原料を連続供給し、同時に反応器から連続的に生成樹脂を抜き出す連続重合方式でもよい。
また、レドックス型重合開始剤として、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄等を還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、tert-ブチルハイドロパーオキサイド等を酸化剤としたものを用いることができる。
粘着剤組成物における粘着付与剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー(B)100質量部に対する当該粘着付与剤の使用量は、好ましくは0.5~60質量部であり、より好ましくは1~40質量部であり、さらに好ましくは1~30質量部である。
粘着付与剤の使用量を0.5質量部以上とすることにより各種被着体への接着強度が十分向上する傾向にあり、60質量部以下とすることにより、良好な接着力を得ることができる。
Tgが-80~10℃の範囲であれば、高圧・高温条件下での各種被着体への接着強度に優れる。
また、粘着剤組成物をセパレ-タ-に塗工した後、乾燥させて得られる粘着層において、粘着層全体のガラス転移温度(Tg)が、-80~10℃であり、粘着層のX線光電子分光分析により得られる、表層部分から計算されるガラス転移温度(Tg)が40℃以上であり、かつ、表層部分のガラス転移温度(Tg)が、前記粘着層全体のガラス転移温度(Tg)よりも30℃以上高いことが好ましい。
この条件であれば、高圧・高温条件下での各種被着体への接着強度に優れた粘着剤となる。
前記脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。
脂環族イソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、水添化MDI(H12MDI)等が挙げられる。
また、変性イソシアネートとしては、上記イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。
例えば、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解した溶剤型粘着剤組成物の形態として用いてもよいし、水媒体中にアクリル系粘着性ポリマー及び粘着付与剤が分散したエマルション型粘着剤組成物の形態として用いてもよい。
上記溶液型粘着剤組成物及びエマルション型粘着剤組成物の場合、用いられる有機溶剤または水等の媒体は、粘着剤組成物100質量部に対して通常20~80質量部である。
本発明における粘着付与剤は、ロジン系樹脂やテルペン系樹脂等の一般的な粘着付与樹脂と異なり、UV硬化の際に硬化阻害を生じない。このため、UV硬化等の光硬化型粘着剤組成物に用いた場合には、硬化性に悪影響を及ぼさず接着強度等の粘着特性を改善することができる。
又、活性エネルギー線による感度を向上させるため、光増感剤を併用することもできる。
光増感剤としては、安息香酸系及びアミン系光増感剤等が挙げられる。これらは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
光開始剤及び光増感剤の使用量は、単官能及び/又は多官能の(メタ)アクリル酸系単量体100質量部に対して0.01~10質量部が好ましい。
基材としては、紙類、フィルム、布、不織布、及び金属箔等を用いることができ、粘着剤組成物の塗工は直接これらの基材上に行っても良いし、離型紙等に塗工して乾燥した後に基材に転写しても良い。
粘着シートに形成される粘着剤の厚み(乾燥後の膜厚)は用途により選択されるが、通常は1~300μmの範囲であり、5~250μmの範囲が好ましく、10~200μmの範囲が更に好ましい。
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに2-シアノ-プロピルドデシルトリチオカーボネートを7.69g、2,2’-アゾビス2-メチルブチロニトリル0.856g、メタクリル酸メチル160g、メタクリル酸イソボルニル40g、酢酸ブチル125.6gを仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、60℃の恒温槽で重合を開始した。6時間後、室温まで冷却し、メタノールで再沈殿精製をし、80℃で一晩真空乾燥をした。得られた固体の10gを50gのテトラヒドロフランに溶解し、200mLのフラスコ内に仕込み、さらに、アクリル酸シクロヘキシル1.86g、プロピルアミン2.13gを加えて、40℃で24時間反応させた。得られた溶液をメタノールで再沈殿精製し、80℃で一晩真空乾燥した。得られたビニル共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mnが8500、Mw/Mnが1.16であった。
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに2-シアノ-プロピルドデシルトリチオカーボネートを7.69g、2,2’-アゾビス2-メチルブチロニトリル1.284g、メタクリル酸メチル160g、メタクリル酸イソボルニル40g、酢酸ブチル200gを仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、60℃の恒温槽で重合を開始した。6時間後、室温まで冷却し、メタノールと水の比率が9対1の混合溶媒で再沈殿精製をし、80℃で一晩真空乾燥をした。得られた固体の10gを50gのテトラヒドロフランに溶解し、200mLのフラスコ内に仕込み、さらに、アクリル酸シクロヘキシル1.86g、プロピルアミン2.13gを加えて、40℃で24時間反応させた。得られた溶液をメタノールで再沈殿精製し、80℃で一晩真空乾燥した。得られたビニル共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mnが8220、Mw/Mnが1.24であった。
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに酢酸ブチル263質量部、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)1.1質量部からなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、メタクリル酸メチル202質量部、メタクリル酸イソボルニル50質量部、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)17質量部、酢酸ブチル90質量部からなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をメタノールと水の比率が8対2の割合の混合溶媒で再沈殿精製し、80℃で一晩真空乾燥した。得られたビニル共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mnが6050,Mw/Mnが1.54であった。
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに酢酸ブチル263質量部、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)1.1質量部からなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、メタクリル酸メチル202質量部、メタクリル酸イソボルニル50質量部、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)17質量部、酢酸ブチル90質量部からなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をメタノールで再沈殿精製し、80℃で一晩真空乾燥した。得られたビニル共重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mnが7100,Mw/Mnが1.38であった。
攪拌機、温度計を装着した3Lフラスコに、アクリル酸メトキシエチル468質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル30質量部、アクリル酸ブチル102質量部、酢酸エチル890質量部を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.11質量部を仕込み、5時間重合した。酢酸エチルを固形分濃度が30%となるように追加して、重合体B-1の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mnが125600,Mw/Mnが6.5であった。
攪拌機、温度計を装着した3Lフラスコに、アクリル酸メトキシエチル288質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル30質量部、アクリル酸ブチル102質量部、アクリル酸メチル180質量部、酢酸エチル890質量部を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を75℃に上昇し、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.10質量部を仕込み、5時間重合した。酢酸エチルを固形分濃度が30%となるように追加して、重合体B-1の酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mnが112000,Mw/Mnが7.2であった。
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC-8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
測定条件
カラム:東ソー社製TSKgel SuperMultiporeHZ-M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
流速:600μL/min
得られた重合体のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計を用いて得られた熱流束曲線のベースラインと変曲点での接線の交点から決定した。熱流束曲線は試料約10mgを-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで250℃まで昇温し、引き続き-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで250℃まで昇温する条件で得た。
測定機器:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220
測定雰囲気:窒素雰囲気下
上記合成例1で得られた重合体A-1(2質量部)を酢酸エチルに溶解させた固形分濃度30質量%の重合体(A-1)溶液を、上記合成例3で得られた重合体B-1溶液と混合し、重合体A-1(2質量部)と重合体B-1(100質量部)を含む固形分30質量%の溶液を調製した。ここに、架橋剤としてタケネートD-110N(三井化学社製イソシアネート系架橋剤、固形分濃度75質量%)(0.08質量部)を混合し、粘着剤組成物を得た。
粘着フィルム試料から粘着剤を0.2g採取し、粘着剤の初期重量を秤量した。その粘着剤を50gの酢酸エチルに浸漬し、室温で16時間静置した。その後、200メッシュ金網でろ過し、メッシュに残った残分を80℃で3時間乾燥し、秤量した。初期の重量と残分の重量から、下式によりアクリル系粘着性ポリマー(B)に対するゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(残分の重量)/[(初期の重量)×(アクリル系粘着性ポリマー(B)の固形分)/(粘着剤組成物全体の固形分)]×100
粘着フィルム試料から剥離フィルムを剥がし、ガラスプレート(1mm厚)に転写し、もう一方の剥離フィルムを剥がした。23℃、50%RH条件下で1日静置した後、日本電色社製ヘイズメーター「ヘイズメーターNDH2000」(型式名)を使用してヘイズ値を測定することにより透明性を評価した。
粘着フィルム試料のX線光電子分光装置(XPS)測定によるO1sとC1sのピーク面積比から、粘着剤層の表層部分におけるビニル重合体(A)及びアクリル系粘着性ポリマー(B)の総量に対する、ビニル重合体(A)及びアクリル系粘着性ポリマー(B)の各質量分率(wA及びwB)を算出し、FOXの式に基づき表層部分のTgを算出した。
なお、XPS測定は以下の条件で測定した。
装置: アルバック・ファイ社製 PHI5000 VersaProbe
X線: Al-Kα (1486.6eV)
試料へのX線入射角: 0° (試料測定面の法線に対する角度)
光電子検出角: 45° (試料測定面の法線に対する角度)
粘着フィルム試料を易接着処理したPETフィルム(100μm)に転写して評価用の粘着シートを得た。被着体をポリメチルメタクリレート板(三菱ケミカル社製、アクリライトL001)、ポリカーボネート板(三菱ガス化学社製、ユーピロンNF-2000)とし、上記評価用の粘着シートを貼り合せ、卓上加圧脱泡装置TBR-200(千代田電気工業社製)を用いて、0.5MPa、50℃の条件下で20分間圧着した後、恒温槽付き引張り試験機ストログラフR型(東洋精機社製)を用いて、温度が85℃、剥離速度が300mm/min.の条件で、JIS Z-0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて粘着シートの180度剥離強度を測定し、接着強度とした。
表3に示す割合で、重合体A-1又はA-2と重合体B-1又はB-2を使用した以外は、実施例1と同様に、粘着剤組成物を調製して粘着フィルム試料を得た。得られた粘着フィルム試料について、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
表4に示す割合で、重合体A-3又はA-4と重合体B-1又はB-2を使用した以外は、実施例1と同様に、粘着剤組成物を調製して粘着フィルム試料を得た。得られた粘着フィルム試料について、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。
Claims (5)
- ガラス転移温度(Tg)が80~200℃であり、数平均分子量が3,000~20,000であり、かつ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比率が1.05~1.30であるビニル重合体(A)を含み、
前記ビニル重合体(A)を構成する単量体が、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸アダマンチルの少なくとも1つを含む粘着付与剤。 - 前記ビニル重合体(A)が、リビングラジカル重合で製造された重合体である請求項1に記載の粘着付与剤の製造方法。
- 請求項1に記載の粘着付与剤及びアクリル系粘着性ポリマー(B)を含む粘着剤組成物。
- 前記粘着剤組成物のガラス転移温度(Tg)が-80~10℃である請求項3に記載の粘着剤組成物。
- 前記粘着剤組成物をセパレ-タ-に塗工した後、乾燥させて得られる粘着層において、当該粘着層全体のガラス転移温度(Tg)が-80~10℃であり、当該粘着層のX線光電子分光分析により得られる、表層部分から計算されるガラス転移温度(Tg)が40℃以上であり、かつ、前記表層部分のガラス転移温度(Tg)が、前記粘着層全体のガラス転移温度(Tg)よりも30℃以上高い、請求項3又は請求項4に記載の粘着剤組成物。
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中村吉伸、ほか5名,アクリル系ブロックコポリマー/タッキファイヤ系のタック特性に及ぼす相構造の影響,日本接着学会誌,日本,2011年09月01日,Vol.47 No.9,Page.344-353 |
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