JP4665942B2 - 半導体力学量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、梁構造の可動部と固定部を有し、例えば、可動部と固定部の間の容量変化を検出することにより、加速度、ヨーレート、振動等の力学量を検出する半導体力学量センサに関する。
従来、梁構造の可動部を有する半導体力学量センサとして、貼り合わせ基板を用いたサーボ制御式の差動容量型加速度センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、基板(支持用基板)上に可動部をなす梁構造体と固定部を形成して構成されており、梁構造体と固定部の間の容量変化を検出することにより力学量を検出する。梁構造体は、第1のアンカー部と、この第1のアンカー部により梁部を介して支持され加速度を受けて変位する質量部を有しており、この質量部には可動電極が設けられている。また、固定部は、基板上に第2のアンカー部により固定され可動電極と対向する形状の固定電極を有している。さらに、上記した基板は、半導体基板の上に貼り合わせ用薄膜、絶縁膜および導電性薄膜が形成された構造となっており、第1、第2のアンカー部は、導電性薄膜で構成されている。
特開平9−211022号公報
本発明者等がこの加速度センサについてさらに検討を進めたところ、導電性薄膜と絶縁膜や貼り合わせ用薄膜との間に生じる寄生容量がセンサの感度に大きく影響を及ぼすことが分かった。すなわち、梁構造体と固定部の間の容量を検出する場合、センサの出力は、(静電容量の変化分)/(全静電容量+寄生容量)で表されるが、上記したように貼り合わせ用薄膜が電気的に浮遊した状態では寄生容量が大きくなるため、センサの感度が小さくなってしまう。
また、梁構造の可動部と固定部を有する半導体力学量センサは、一般にエッチング等の半導体製造技術を用いて、支持用基板の上に形成された素子形成膜(素子形成用基板)に対して可動部と固定部を画定する溝を形成することにより、製造されるものであるが、可動部(梁構造体)と固定部とからなるセンサ素子部の外周には、センサ素子部以外の素子形成膜部分、即ち外周部が存在する。
そして、この外周部も支持用基板の上に支持されてはいるが、電気的に浮遊した状態であるため、貼り合わせ用薄膜の場合と同様に、センサの出力を変動させることがある。
本発明は上記問題に鑑みたもので、センサ素子部の外周部に存在する外周部による寄生容量によってセンサ感度が低下するのを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、支持用基板(1、301)の上に形成された素子形成膜(200、302)を、該素子形成膜に形成された溝を介して、可動部(2A)を有し該可動部の変位に伴う容量変化を検出するセンサ素子部と、該センサ素子部の外周に配置された外周部(201、313)とに画定し、該外周部に、制御回路から電圧が印加されることによって、該外周部の電位を固定する手段(202、350〜352)を備えており、
センサ素子部は、可動部(2A)に設けられた可動電極(304、305)と、可動電極と対向配置され支持用基板(301)に固定支持された固定電極(306、307)とから構成される容量検出部(304〜307)を有し、
可動電極から、可動電極と固定電極との間の容量変化を出力するようになっており、
外周部の電位を固定する手段(350〜352)において固定する電位を可動電極と同電位とすることを特徴としており、外周部による寄生容量によってセンサ感度が低下するのを防止することができる。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載のセンサにおいて、センサ素子部が複数個の容量検出部(304〜307)を備えたものとした場合に、上記外周部の電位を固定する手段(350、351)を、該複数個の容量検出部の各々に対応して設けたことを特徴としている。それによって、個々の容量検出部に任意の電位を付与でき、各容量検出部に合わせて寄生容量に溜まる電荷を制御できる、即ち、各容量検出部に発生するオフセットをより効率良く制御できる。
また、請求項3記載の発明では、請求項2記載のセンサにおいて、容量検出部(304〜307)を2個とし、且つ個々の該容量検出部が略同レベルの大きさの容量変化を伴うものとした場合に、第1の容量検出部(304、306)とこれに対応する外周部の電位を固定する手段(350)との距離、および、第2の容量検出部(305、307)とこれに対応する外周部の電位を固定する手段(351)との距離を略同じとしたことを特徴としている。
それによって、第1の容量検出部及び第2の容量検出部に対応する各々の外周部の電位を固定する手段に対して、各々印加する電圧を同じにでき、制御が容易となる。また、請求項4記載の発明では、第1の容量検出部(304、306)と第2の容量検出部(305、307)とを結ぶ線と直交する対称軸に対して、各々の外周部の電位を固定する手段(350、351)を対称に配置したことを特徴としており、請求項3記載のセンサにおける距離の関係を効率的に実現できる。
また、請求項5記載の発明では、請求項2〜請求項4記載のセンサにおいて、センサ素子部を、各々の容量検出部(304〜307)毎に設けられた容量変化を引き出すためのパッド(310、311)と、各々の該容量検出部と各々の該パッドとを電気的に接続する導体部(310a、311a)とを含んでなるものとした場合に、各々の該導体部の抵抗値を略同じとし、且つ、各々の該導体部の周囲に位置する溝(S2)を略同じ容積で形成したことを特徴としている。
例えば溝の幅や深さ等を調整して各々の導体部の周囲に位置する溝の容積を略同じとすることで、各々の導体部と外周部との寄生容量を略同じとし、且つ各々の導体部の抵抗値を略同じとしているから、オフセットを発生しにくい構造とできる上、各外周部の電位を固定する手段に印加する電圧を同じとできるため、センサの制御が容易となる。
また、請求項6記載の発明では、請求項1記載のセンサにおいて、センサ素子部が2個の容量検出部(304〜307)を備え、個々の該容量検出部を略同レベルの大きさの容量変化を伴うものとした場合に、外周部の電位を固定する手段(352)を、第1の容量検出部(304、306)と第2の容量検出部(305、307)とを結ぶ線と直交する対称軸上に配置したことを特徴としている。
それによれば、1つの外周部の電位を固定する手段によって、これと各容量検出部との距離を同じにできるから、1つの外周部の電位を固定する手段に電圧を印加することで、各容量検出部に合わせて寄生容量に溜まる電荷を制御できる。また、各容量検出部に各々、外周部の電位を固定する手段を設ける場合では、それに対応した配線等が必要であり、また、各外周部の電位を固定する手段の間で生じる微小な電位差によって外周部の電位の変動が起こりうるが、本発明では、そのようなことが無く、簡単で安定した制御が可能となる。
た、請求項記載の発明は、請求項1〜請求項記載のセンサにおいて、その外周部(201、313)において、外周部の電位を固定する手段(202、350〜352)よりも外縁側に絶縁溝(360)を形成し、該絶縁溝の外縁側と内縁側とを絶縁するようにしたことを特徴としている。
それによれば、外周部の電位を固定する手段により固定された外周部の固定電位は、外周部のうち該絶縁溝よりも外縁側には印加されない。従って、外周部の外縁側即ちセンサの外周部分に導電性物質等が付着した場合でも、上記固定電位は、絶縁溝よりも外縁側を伝わって支持用基板側へリーク電流を発生させないので、変動しないという効果がある。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態にかかる加速度センサの平面図を示す。図2に、図1のA−A断面図を示す。
図1、図2において、基板1の上面には、単結晶シリコン(単結晶半導体材料、本発明でいう素子形成膜)200を溝により分離して形成された可動部をなす梁構造体2Aと固定部2Bが配置されている。梁構造体2Aは、基板1側から突出する4つのアンカー部3a、3b、3c、3dにより架設されており、基板1の上面において所定間隔を隔てた位置に配置されている。アンカー部3a〜3dはポリシリコン薄膜よりなる。アンカー部3aとアンカー部3bとの間には、梁部4が架設されており、アンカー部3cとアンカー部3dとの間には梁部5が架設されている。
また、梁部4と梁部5との間には、長方形状をなす質量部(マス部)6が架設されている。質量部6には上下に貫通する透孔6aが設けられている。この透孔6aを設けることにより、後述する犠牲層エッチングの際にエッチング液の進入を行い易くすることができる。さらに、質量部6における一方の側面(図1においては左側面)からは4つの可動電極7a、7b、7c、7dが突出している。この可動電極7a〜7dは、棒状をなし、等間隔をおいて平行に延びている。また、質量部6における他方の側面(図1においては右側面)からは4つの可動電極8a、8b、8c、8dが突出している。この可動電極8a〜8dは、棒状をなし、等間隔に平行に延びている。ここで、梁部4、5、質量部6、可動電極7a〜7d、8a〜8dは、後述する犠牲層酸化膜の一部もしくは全部をエッチング除去することにより、可動するようになっている。
また、可動電極7a〜7dが形成された側において、基板1の上面には、第1の固定電極9a、9b、9c、9dおよび第2の固定電極11a、11b、11c、11dが固定されている。第1の固定電極9a〜9dは、基板1側から突出するアンカー部10a、10b、10c、10dにより支持されており、梁構造体2Aの各可動電極(棒状部)7a〜7dの一方の側面に対向して配置されている。また、第2の固定電極11a〜11dは、基板1側から突出するアンカー部12a、12b、12c、12dにより支持されており、梁構造体2Aの各可動電極(棒状部)7a〜7dの他方の側面に対向して配置されている。
同様に、可動電極8a〜8dが形成された側において、基板1の上面には、第1の固定電極13a、13b、13c、13dおよび第2の固定電極15a、15b、15c、15dが固定されている。第1の固定電極13a〜13dは、アンカー部14a、14b、14c、14dにより支持され、かつ梁構造体2Aの各可動電極(棒状部)8a〜8dの一方の側面に対向して配置されている。また、第2の固定電極15a〜15dは、基板1側から突出するアンカー部16a、16b、16c、16dにより支持されており、梁構造体2Aの各可動電極(棒状部)8a〜8dの他方の側面に対向して配置されている。
また、基板1の上面には、電極取出部27a、27b、27c、27dが形成され、電極取出部27a〜27dは基板1から突出するアンカー部28a、28b、28c、28dにより支持されている。基板1は、図2に示すようにシリコン基板30の上に、酸化膜31を介し、貼り合わせ用薄膜(ポリシリコン薄膜)32、絶縁膜(シリコン酸化膜)33、絶縁膜34、導電性薄膜(例えばリン等の不純物をドーピングしたポリシリコン薄膜)35、および絶縁膜36が積層され、導電性薄膜35が絶縁膜34、36の内部に埋め込まれた構造となっている。ここで、絶縁膜34、36は、後述する犠牲層エッチングを行う際のエッチング液で浸食されにくい薄膜で構成されている。例えば、エッチング液としてHF(フッ素水素酸)を用いる場合には、シリコン酸化膜に比べ浸食量が小さいシリコン窒化膜を、絶縁膜34、36として用いる。
アンカー部3a、3bは、図2に示すように、導電性薄膜35で構成されており、この図2に示されない他のアンカー部3c、3d、10a〜10d、12a〜12d、14a〜14d、16a〜16d、28a〜28dも同様に、導電性薄膜35で構成されている。また、導電性薄膜35は、第1の固定電極9a〜9dと電極取出部27aの間、第1の固定電極13a〜13dと電極取出部27bの間、第2の固定電極11a〜11dと電極取出部27cの間、および第2の固定電極15a〜15dと電極取出部27dの間を、それぞれ電気的に接続する配線を形成するとともに、下部電極(静電気力相殺用固定電極)26を形成している。この下部電極26は、基板1の上面部における梁構造体2Aと対向する領域に形成されている。
また、図1、図2に示すように、電極取出部3aの上方には、アルミ薄膜よりなる電極パッド(ボンディングパッド)43が設けられている。また、電極取出部27a〜27dの上面には、アルミ薄膜よりなる電極パッド(ボンディングパッド)44a、44b、44c、44dがそれぞれ設けられている。上記した構成において、梁構造体2Aの可動電極7a〜7dと第1の固定電極9a〜9dの間に第1のコンデンサが、また梁構造体2Aの可動電極7a〜7dと第2の固定電極11a〜11dの間に第2のコンデンサがそれぞれ形成される。同様に、梁構造体2Aの可動電極8a〜8dと第1の固定電極13a〜13dの間に第1のコンデンサが、また梁構造体2Aの可動電極8a〜8dと第2の固定電極15a〜15dの間に第2のコンデンサがそれぞれ形成される。
そして、第1、第2のコンデンサの容量に基づき、図示しない制御回路によって、梁構造体2Aに作用する加速度が検出される。具体的には、可動電極と固定電極により2つの差動型静電容量を形成し、図12の回路により、加速度が検出される。また、本実施形態では、図1、図2に示すように、貼り合わせ用薄膜32の電位を固定するために、電位取出部50が形成され、この電位取出部50は基板1から突出するアンカー部51により支持されている。このアンカー部51も導電性薄膜35で構成されている。また、この電位取出部50が形成されている部位においてシリコン酸化膜33、絶縁膜34に開口部52が形成されており、その部分で貼り合わせ用薄膜32は、アンカー部51を介し電位取出部50に電気的に接続されている。また、電位取出部50の上方には、アルミ薄膜よりなる電極パッド(ボンディングパッド)53が設けられている。このことにより、貼り合わせ用薄膜32の電位を固定することができるため、寄生容量を低減し、センサ感度の減少を防止することができる。
次に、上記した半導体加速度センサの製造方法について、図1中のB−B断面を用いた工程図に従って説明する。まず、図3(a)に示すように、第1の半導体基板としての単結晶シリコン基板60を用意する。そして、トレンチエッチングによりシリコン基板60に溝61を形成する。この溝61は、梁構造体2Aと固定部2Bを画定するためのものである。
次に、図3(b)に示すように、犠牲層用薄膜としてのシリコン酸化膜62をCVD法などにより成膜し、さらにシリコン酸化膜62の表面を平坦化する。次に、図3(c)に示すように、シリコン酸化膜62に対しフォトリソグラフィを経て一部エッチングして凹部63を形成する。その後表面の凹凸を増大させるためと犠牲層エッチング時のエッチングストッパとするためにシリコン窒化膜64を成膜する。
そして図3(d)に示すように、シリコン酸化膜62とシリコン窒化膜64の積層体に対しフォトリソグラフィを経てドライエッチングなどによりアンカー部形成領域に開口部65a、65b、65c、65d、65eを形成する。この開口部65a〜65eは、梁構造体と下部電極とを接続するため、および固定電極および電極取出部と配線パターンとを接続するためのものである。
引き続き、図3(e)に示すように、開口部65a〜65eを含むシリコン窒化膜64の上にポリシリコン薄膜を成膜し、その後、リン拡散などにより不純物を導入し、さらに、フォトリソグラフィを経てアンカー部、配線、下部電極のパターン66a、66b、66c、66d、66e、66f、66gを形成する。このように、開口部65a〜65eを含むシリコン窒化膜64上の所定領域に導電性薄膜として不純物ドープトポリシリコン薄膜66(66a〜66g)を形成する。ポリシリコン薄膜の膜厚は1〜2μm程度である。
この工程(開口部を含むシリコン窒化膜64上の所定領域に不純物ドープトポリシリコン66を形成する工程)において、ステッパの下部パターン分解能を満たす程度にポリシリコン薄膜66が薄い(1〜2μm)ので、ポリシリコン薄膜66の下でのシリコン窒化膜64の開口部65a〜65eの形状を透視することができ、フォトマスク合わせを正確に行うことができる。
そして図4(a)に示すように、ポリシリコン薄膜66およびシリコン窒化膜64の上にシリコン窒化膜67を成膜し、さらにその上にシリコン酸化膜68を成膜する。この後、図4(b)に示すように、フォトリソグラフィを経て、シリコン酸化膜68とシリコン窒化膜67に対し開口部69をドライエッチング等により形成する。
そして、図4(c)に示すように、開口部69を含むシリコン酸化膜68上に貼り合わせ用薄膜としてのポリシリコン薄膜70を成膜する。このポリコン薄膜70は開口部69によりポリシリコン薄膜66aに繋がっているため、これにより電気的にポリシリコン薄膜70の電位を取り出すことができる。次に、図4(d)に示すように、貼り合わせのためにポリシリコン薄膜70の表面を機械的研磨などにより平坦化し、ポリシリコン薄膜70上に貼り合わせを容易にするためにシリコン酸化膜71を成膜する。
次に、図4(e)に示すように、第2の半導体基板としての単結晶シリコン基板(支持基板)72を用意し、ポリシリコン薄膜70の表面とシリコン基板72とを貼り合わせる。そして、図5(a)に示すようにシリコン基板60、72を表裏逆にし、図5(b)に示すように、シリコン基板60側を機械的研磨などを行い薄膜化する。この際、溝61内のシリコン酸化膜62の層が出現するまで研磨を行う。このようにシリコン酸化膜62の層が出現するまで研磨を行うと、研磨における硬度が変化するため、研磨の終点を容易に検出することができる。
この後、図5(c)に示すように、アルミ電極82を成膜・フォトリソグラフィを経て形成する。最後に、図5(d)に示すように、HF系のエッチング液によりシリコン酸化膜62をエッチング除去し、可動電極を有する梁構造を可動とする。つまり、エッチング液を用いた犠牲層エッチングにより所定領域のシリコン酸化膜62を除去してシリコン基板60を可動構造体とする。この際、エッチング後の乾燥の過程で可動部が基板に付着するのを防止するため、パラジクロロベンゼン等の昇華剤を用いる。
このようにして、埋込SOI基板を用い、配線パターンおよび下部電極を絶縁体分離により形成した半導体加速度センサを形成することができる。なお、上記した実施形態においては、犠牲層用薄膜としてシリコン酸化膜62を用い、導電性薄膜としてシリコン薄膜66を用いているから、犠牲層エッチング工程において、HF系エッチング液を用いた場合、シリコン酸化膜62はHFにて溶けるが、ポリシリコン薄膜66は溶けないので、HF系エッチング液の濃度や温度を正確に管理したり、エッチングの終了を正確に時間管理にて行う必要がなく、製造が容易になる。
なお、本第1実施形態においては、以下のような変形例も可能である。上記した製造方法においては、アンカー部の下にシリコン窒化膜67(図2におけるシリコン窒化膜34)を形成することによって、犠牲層エッチング時に上層側のシリコン窒化膜64(図2におけるシリコン窒化膜36)がオーバーエッチングされても、アンカー部が剥がれるのを防止することができる。但し、シリコン酸化膜68をなくすようにすれば、シリコン酸化膜64を省略することができる。この場合、ポリシリコン薄膜66にシリコン窒化膜67のみが形成されるので、開口部69における貼り合わせのためのポリシリコン薄膜70の段差が小さくなり、平坦化研磨を容易にすることができる。この場合の構造を図2に対比して図6に示す。
また、本実施形態では、電極取出部3a、27a〜27d、電位取出部50の上面に電極パッド43、44a〜44d、53を設けるものを示したが、図7に示すように、センサチップの片側に電極パッド104〜108を設けるようにしてもよい。この場合、電極パッド104は、導電性薄膜35を用いた配線101によって梁構造体2Aと電気的に接続される。また、電極パッド105は、導電性薄膜35を用いた配線102によって固定電極9a〜9d、13a〜13dと電気的に接続され、電極パッド106は、導電性薄膜35を用いた配線103によって固定電極11a〜11d、15a〜15dと電気的に接続される。
また、電極パッド107は、その下のアンカー部をなす導電性薄膜35を介し貼り合わせ用薄膜32と電気的に接続されており、電極パッド108は、表面側のシリコン基板の電位を固定するために設けられている。このように構成した場合、図に示すように、配線101と102が交差する箇所が生じる。このとき、図8(a)、(b)に示すように、その交差箇所を絶縁膜108で囲み、配線101を、シリコン基板をバイパスして形成する、すなわちシリコン基板を介した架設構造とすることが考えられる。なお、図8において(b)は(a)のC−C断面図である。このような構造とするためには、図3(a)の工程において配線が交差する箇所を囲むように溝を形成し、図3(b)の工程でその溝をシリコン酸化膜で埋め、図3(d)の工程で配線をバイパスさせるところに開口部を形成するようにすればよい。しかしながら、このような方法を用いると、余分な溝をシリコン基板に形成することになるため、エッチング液の進入等による断線や構造体の側壁加工精度に変化が生じる。
そこで、図9(a)、(b)に示すように、シリコン酸化膜33およびシリコン窒化膜34に開口部を設け、配線101を、貼り合わせ用薄膜32によりバイパスする形で形成すれば、上記したようにシリコン基板に余分な溝を形成する必要がないため、構造体の側壁加工精度の変化を抑えることができる。なお、図9において(b)は(a)のD−D断面図である。
(第2実施形態)
本第2実施形態に係る加速度センサを図10に示す。本センサの平面構成は上記図1と同じであり、図10は本センサを上記図2と同じ断面にて示したものである。本センサは上記第1実施形態を変形したものであり、上記第1実施形態と異なる点は酸化膜31を備えない点である。以下、この点について述べる。上記図2に対して酸化膜31が無い場合、貼り合わせ用薄膜32は、シリコン基板30と接合され電気的に接続されているものの、シリコン基板30がチップ化された後、実装された時にパッケージとシリコン基板30は、シリコン基板30裏面(図10の下側)にある自然酸化膜等の影響から非常に高い接触抵抗を持つと考えられる。
そこで、本実施形態のように、酸化膜31が無い場合も、貼り合わせ用薄膜32の電位(及び接続されたシリコン基板30の電位)を取り出すことで、寄生容量を低減でき、センサ感度の低下を防止することができる。
(第3実施形態)
上述した第1及び第2実施形態を含め、センサ構造に寄生する寄生容量について検討した。本第3実施形態は、この検討に基づいたものである。本実施形態では、可動電極と寄生容量を形成するセンサ構造の各部位について検証し、寄生容量の影響を排除する点をより詳細に説明する。
図11は、上記両実施形態のセンサにおける寄生容量の等価回路を説明する説明図である。図11において、支持Si基板はシリコン基板30、素子形成膜は梁構造体2Aと固定電極9a〜9d、11a〜11d、13a〜13d、15a〜15d(つまりセンサ素子部)との外周に溝S1を介して位置する外周部201(図1及び図2参照)を示し、下部電極は上記の下部電極26を示し、ストッパとは図示されていないもので、可動電極7a〜7d、8a〜8dが過度に動くことを防止するものである。
ここで、外周部201は、図2に示す様に、第2の導電性薄膜35に固定された単結晶シリコン200からなり、単結晶シリコン200における固定部2Bの一部である。また、図11中、固定電極1は第1の固定電極9a〜9d、13a〜13dを示し、固定電極2は第2の固定電極11a〜11d、15a〜15dを示し、可動電極は可動電極7a〜7d、8a〜8dを示し、C1’、C2’は、各々上記第1のコンデンサの容量、第2のコンデンサの容量を示し、C1〜C15は各部位間に生ずる寄生容量である。これら寄生容量は、単に電極部だけでなく配線につくものも含まれている。
そして、上記両実施形態のセンサにおいては、可動電極と固定電極との間の容量変化を可動電極からの出力として得るものであるが、その検出原理について、図12を用いて説明する。なお、図12においても、固定電極1、固定電極2、可動電極、C1’、C2’は、上記図11と同様に定義されている。図12に示す検出回路はスイッチトキャパシタ回路と呼ばれる回路であり、初めキャパシタCfをスイッチSWにより短絡しておく。このとき、固定電極1、2に印加する電圧は、それぞれVと0ボルトであり、可動電極はOPアンプ(図12中、OPAで図示)によりV/2が印加されている。次に、スイッチSWをオフとした後に固定電極1、2に印加する電圧を反転させると固定電極1、2と可動電極間の電荷のバランスが変化し、その変化量がキャパシタCfにチャージされる。このときのキャパシタCfの値が容量変化として電圧に変換されて出力される。
従って、図11に示す様に、可動電極に対して生ずる寄生容量C1〜C10及びC12のうち、電位が固定されていない寄生容量が出力に影響する。具体的には電位変動により寄生容量にチャージされる電荷量が変化するため、その影響でキャパシタCfにチャージされる電荷量が変動し、出力が変動してしまう。このとき、可動電極と寄生容量を形成する部位のうち、下部電極は可動電極が基板1に貼り付かないことを目的とし、また、ストッパも可動電極の可動範囲を規制するものであり、可動電極と接触の可能性があるため、接触した際にも可動電極が貼り付くことを防止することを目的としており、これらストッパ、下部電極は可動電極と同じ電位が与えられている。従って、寄生容量C4、C12のチャージ量は変化しないため出力に影響しない。
また、固定電極と可動電極の配線間に形成される寄生容量C5、C6、C8も固定電極に所定電位が印加されるものであるため、出力には影響がない。従って、残りの寄生容量、すなわち、貼合Poly−Si(貼り合わせ用薄膜32)と素子形成膜(外周部201)とが可動電極と形成する寄生容量C1、C7、C10及びC2、C3、C9が、出力に影響する。
上記第1及び第2実施形態では、これら寄生容量のうち、寄生容量C1、C7、C10の影響をなくすべく、貼合Poly−Siの電位を固定するようにしたものである。本第3実施形態では、素子形成膜(外周部201)の電位を固定するようにして、寄生容量の影響をなくすようにしたことを特徴としている。素子形成膜即ち外周部201と可動電極とで形成される寄生容量は、主に、上記図1に示す梁部4、5に空隙S1を介して隣接する領域にて形成される。この空隙S1は10μm以下のオーダーである。空隙S1の間隔が狭いことにより、寄生容量の影響が大きくでるようになる。
そこで、上記図1及び図2に示す様に、外周部201に、外周部201の電位を固定する手段としてのパッド202を設ける。このパッド202に図示しない制御回路から電圧を印加し、外周部201の電位(素子形成膜電位)を固定することで、外周部201と可動電極とで形成される寄生容量のチャージ量変化がなくなり、その寄生容量による出力電圧の変動を抑制することができる。なお、パッド202はアルミ薄膜等よりなるものとできる。
尚、当然ではあるが、より好ましい形態として、本実施形態にて説明した外周部201の電位を取ることと、上記第1及び第2実施形態にて説明した貼り合わせ用薄膜32の電位を取ることを同時に実施することで、寄生容量の影響を十分排除できる。また、さらに好ましい形態として、外周部201あるいは貼り合わせ用薄膜32の固定する電位としては、可動電極7a〜7d、8a〜8dに印加される電位、つまり図12に示すOPアンプの非反転入力端子に印加されているV/2を印加することが望まれる。それは、外周部201や貼り合わせ用薄膜32が可動電極と同電位であれば寄生容量に電荷がチャージアップしないため、出力への電荷変動の影響により十分に排除できるためである。なお、OPアンプの非反転入力端子印加電圧は0〜Vの間であれば良い。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、主として、外周部の電位を固定する手段(以下、外周部電位固定手段という)を設けることについて述べたが、本実施形態は、この外周部電位固定手段を、上記実施形態とは異なる構成を有する加速度センサ、即ち、SOIウエハを用いた容量式加速度センサに適用したものである。
ここで、この種の考えられる加速度センサJ1を図13に示す。図13において、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A断面図、(c)は(a)中のB−B断面図である。このセンサJ1は、支持用基板としての第1のシリコン基板301と素子形成膜としての第2のシリコン基板302とがSiO2 からなる絶縁膜303を介して貼り合わされてなるSOIウェハ300を加工したものである。
そして、上記実施形態と同様、第2のシリコン基板(素子形成膜)302において、可動電極304、305、固定電極306、307、アンカー部308、309、固定電極に対して電位を印加するパッド310、311、可動電極からの出力を取り出すパッド312、及び各配線(導体部)310a、311a等のセンサ構造に必要な構造、即ちセンサ素子部が形成され、このセンサ素子部の外周には溝S2を介して外周部313が存在する。
具体的には、2箇所のアンカー部308、309が、第1のシリコン基板301に絶縁膜303を介して支持されている。各アンカー部308、309には折り曲げ形状の梁314、315が懸架されている。さらに各梁314、315の間にはこれら各梁314、315に接続された長方形状の質量部316が存在している。
この質量部316から両側に棒状の可動電極304、305が伸びており、各可動電極304、305には、それぞれ固定電極306、307が対向して配置されている。ここで、図13中、質量部316の左側において互いに対向する可動電極304及び固定電極306により第1の容量検出部が構成され、質量部316の右側において互いに対向する可動電極305及び固定電極307により第2の容量検出部が構成される。つまり、本実施形態では、センサ素子部は2個の容量検出部を有する。
そして、本実施形態においても、上記実施形態と同様、可動電極304、305、梁314、315及び質量部316により、可動部としての梁構造体2Aが構成される。また、可動電極304、305はアンカー部309を介して可動電極パッド312に電気的に接続され、固定電極306は配線310aを介して固定電極パッド310に電気的に接続され、固定電極307は配線311aを介して固定電極パッド311に電気的に接続されている。
また、第1のシリコン基板301及び絶縁膜303は、その内周部が除去された空洞部300aを有する。図13にて示す様に、この空洞部300aは、可動電極304、305及び質量部316の下部、及び、固定電極306、307が可動電極と重なる領域の下部に形成されている。なお、図13(a)にて破線で示す枠は第1のシリコン基板301の開口部を示す。
このセンサJ1に対して、基板301の水平面方向に加速度が印加されると、質量部316が同じ水平方向に変位する。変位量は、質量部316の質量と梁314、315の復元力、各電極間の静電引力で決定される。変位量は容量の変化となるため、上記容量検出部における電極間の電荷量が変化することで、上記実施形態と同様、加速度を検出することができる。
尚、このようなセンサ構造の製造方法としては、SOIウェハ300における第2のシリコン基板302の表面からドライエッチング等によりエッチングを施し、可動電極、固定電極、パッド等を作成し、その後、第1のシリコン基板301側からKOH等のアルカリ溶液により異方性エッチングを施し、可動電極、固定電極が固定されている絶縁膜303をエッチング除去し、可動電極を含む梁構造体2Aを可動状態とすることで形成できる。
ところで、上記のように、この加速度センサJ1においては、空洞部300aが存在するため、支持用基板としての第1のシリコン基板301が可動電極や固定電極の下部には存在していない。従って、可動電極、固定電極の下部に貼り合わせ用薄膜が存在しないため、上記実施形態にて説明してきた貼り合わせ用薄膜32と可動電極とで形成されたような寄生容量は存在しない。
しかしながら、このSOI基板を用いた容量式加速度センサJ1の場合も、電極以外の部分については、電位が固定されていない(フローティング)状態のままであり、可動電極、固定電極間の容量検出部の容量以外に、外周部313による寄生容量が存在する。そのため、この寄生容量に蓄積される電荷を制御しないと、容量のカップリングにより、容量検出部の容量の電荷が変動し、精度よく加速度を検出できなかったり、出力電圧が変動するといった不具合が生じる。
この不具合について、図14を用いて具体的に説明する。図14は、図13に示す加速度センサJ1における等価回路を示す説明図である。図14中、固定電極1は固定電極306側、固定電極2は固定電極307側、可動電極は可動電極304、305を示し、固定電極と可動電極間の容量(容量検出部の容量)はC1’、C2’で示し、R1〜R5は各部の抵抗値を示す。この容量C1’、C2’が加速度により変化することになる。
このSOIウェハを用いた構造の場合、CK1、CK2、CK3の記号で示したような外周部313による寄生容量が存在する。よって、この寄生容量CK1〜CK3の電荷が変動しないようにする必要がある。しかし、従来構造では、寄生容量の片方の電位(つまり外周部313の電位)がフローティングの為、寄生容量CK1〜CK3に蓄積される電荷が外乱により変化し出力に影響を与えることが判明した。
従って、上記のSOIウェハを用いた容量式加速度センサJ1においては、外周部313と可動及び固定電極304〜307との間にて形成される寄生容量にのみ着目し、上述の実施形態のように外周部313の電位を固定すればよいこととなる。本第4実施形態では、外周部電位固定手段を用いた種々の例を示すものである。
なお、以下に示す各例は、上記の加速度センサJ1を変形したものであり、これと異なる部分について述べ、同一部分には図中、同一符号を付して説明を省略することとする。また、以下に示す各図においては、図13と同様、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A断面図、(c)は(a)中のB−B断面図を示す。
図15(a)、(b)、(c)に本実施形態の第1の例としての加速度センサの構成を示し、図16にこの加速度センサにおける等価回路を示す。この加速度センサは、素子形成膜としての第2のシリコン基板302における外周部313に、外周部313の電位を固定する手段としてのパッド350、351が形成されている。このパッド350、351も上記実施形態と同様、例えばアルミ薄膜等から構成することができる。
このパッド350、351により、上記実施形態と同様にして、外周部313の電位(素子形成膜電位)が固定されるため、寄生容量CK1〜CK3はある電位で固定され、外乱ノイズの影響を受け難くできる。ここで、パッド350、351は、2つの容量検出部の各々に対応して設けられている。2つの容量検出部のうち、固定電極306側を第1の容量検出部、固定電極307側を第2の容量検出部とする。パッド350は、外周部313と第1の容量検出部との間の寄生容量CK1、CK3について、パッド351は、外周部313と第2の容量検出部との間の寄生容量CK2、CK3について、それぞれ寄生容量を低減する。
このように、外周部電位固定手段としてのパッドが個々の容量検出部に対応して設けられているため、個々の容量検出部に任意の電位を付与でき、各容量検出部に合わせて寄生容量に溜まる電荷を制御できる。即ち、各容量検出部に発生するオフセットをより効率良く制御できる。また、本例では、2つの容量検出部は略同レベルの大きさの容量変化を伴うようになっている。このことは、具体的には、図16に示す各容量検出部の容量C1’とC2’の容量変化の大きさが同じとなるように、梁構造(例えば梁の形状や各電極の数等)を設定することで可能である。
そして、第1の容量検出部(304、306)とこれに対応するパッド350との距離、および、第2の容量検出部(305、307)とこれに対応するパッド351との距離は略同じとしており、第1の容量検出部及び第2の容量検出部に対応する各々のパッド350、351に印加する電圧を同じにできる。つまり、固定電極1との寄生容量(CK1)に印加される電圧と固定電極2との寄生容量(CK2)に印加される電圧を等しくすることができる。
具体的には、各パッド350、351は、図15に示す様に、第1の容量検出部と第2の容量検出部とを結ぶ線と直交する対称軸(図示例ではセンサチップの中心線B−Bに相当)に対し、左右対称に配置されている。左右対称でない場合、図16においてR4とR5が異なることになる。よって、寄生容量CK1とCK2に印加される電圧が異なることになり、オフセット電圧に影響を与える。
また、本例のセンサ素子部においては、各々の容量検出部毎に、容量変化を引き出すためのパッドとしての固定電極パッド310、311を設け、各々の容量検出部と各々のパッド310、311とを電気的に接続する導体部としての配線310a、311aとが備えられている。ここにおいて、各々の配線310a、311aの抵抗値を略同じとし、且つ、各々の配線310a、311aの周囲に位置する溝S2を、例えば溝の幅や深さ等を調整することにより略同じ容積で形成している。
このように、各々の配線310a、311aの周囲に位置する溝S2の容積を略同じとすることで、図16に示す寄生容量CK1とCK2を略同じとし、且つ抵抗値R1とR2を略同じとでき、オフセットを発生しにくい構造とできる上、各パッド350、351に印加する電圧を同じとできるため、センサの制御が容易となる。
次に、本実施形態の第2の例を図17(a)、(b)、(c)に示す。本例の加速度センサにおいては、外周部電位固定手段としてのパッド352が1つであり、このパッド352が、上記対称軸(図示例ではセンサチップの中心線B−Bに相当)上に配置されていることが特徴である。パッド352を該対称軸上に配置したため、上記図15に示す第1の例と比べて以下の利点がある。
上記第1の例では回路チップ(制御回路)とのワイヤボンド配線数がパッド310〜312、350及び351に対応して5本であるのに対し、本第2の例ではパッド310〜312及び352に対応して4本になり、製造上の作業時間が短縮される。また、本例では外周部電位固定手段としてのパッド352が一つであるため、外周部313の電位が安定しやすい。第1の例の場合、外周部電位固定手段としてのパッド350、351が2箇所存在するため、この2箇所で微小な電位差が生じると、この間で電流が発生し、外周部313の電位が変動する。
次に、この第2の例の変形として本実施形態の第3の例を図18(a)、(b)、(c)に示す。この加速度センサでは、外周部313において、外周部電位固定手段としてのパッド352よりも外縁側に絶縁溝360を形成し、絶縁溝360の外縁側と内縁側とを絶縁するようにしたことを特徴としている。それによって、パッド352により固定された外周部313の電位は、外周部313のうち絶縁溝360よりも外縁側には印加されない。よって、外周部313の外縁側即ちセンサの外周側面に、Siのかすや導電性の物質等が付着しても、上記固定された外周部313の電位は、絶縁溝360よりも外縁側を伝わって支持用基板301側へリーク電流を発生させないので、変動しないという効果がある。
また、この加速度センサは、ウェハ内に複数個の単位で形成された後、ダイシングカットにより、チップ単位に切断されるのであるが、このセンサチップ外周の絶縁溝360の効果として、ウエハをチップに切断する時のブレードの位置合わせマークとして使用できる。更にダイシングカット時のチッピングの進行を止めることができる。
なお、この絶縁溝360は、一本のみならず、複数溝でも同様の効果が得られる。また、上記第1及び第2の例及び上記第1〜第3実施形態に述べた加速度センサに適用することも可能である。また第2の例において、図17(b)、(c)に示す第1のシリコン基板301の幅、即ちセンサチップにおけるフレーム幅F1、F2、F3、F4を同じとすれば、センサチップに発生する温度変化による歪みが均一となり、温度特性が安定する効果がある。このことは、上記第1及び第3の例でも同様である。
また、図19に示す本実施形態の第4の例のように、可動部(梁構造体)の下に支持用基板としての第1のシリコン基板301が存在したものであっても、本実施形態の各例は適用可能であり、同様な効果が得られる。なお、図19は、上記図15、17、18の(b)に対応した断面を示す。また、本実施形態においても、上記第3実施形態にて述べたように、外周部電位固定手段としてのパッド350〜352に印加する電圧を可動電極と同じとし、外周部313の電位を可動電極と同電位とすることが好ましい。
なお、本発明は、上記した半導体加速度センサに限らず、半導体ヨーレートセンサなどの他の半導体力学量センサにも適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体加速度センサの平面構成を示す図である。 図1中のA−A断面図である。 図1に示す半導体加速度センサの製造方法を示す工程図である。 図3に続く工程を示す工程図である。 図4に続く工程を示す工程図である。 上記第1実施形態の変形例にかかる半導体加速度センサの断面構成を示す図である。 上記第1実施形態の他の変形例にかかる半導体加速度センサの平面構成を示す図である。 図7に示す他の変形例において、配線101と配線102を交差させる箇所の第1の構成例を示す図である。 図7に示す他の変形例おいて、配線101と配線102を交差させる箇所の第2の構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体加速度センサの断面構成を示す図である。 上記第1及び第2実施形態に係る半導体加速度センサにおける寄生容量の等価回路の説明図である。 上記第1及び第2実施形態に係る半導体加速度センサにおける検出原理の説明図である。 SOIウエハを用いた容量式加速度センサを示す図である。 図13に示す加速度センサにおける等価回路を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る半導体加速度センサの第1の例を示す図である。 図15に示す加速度センサにおける等価回路を示す説明図である。 上記第3実施形態に係る半導体加速度センサの第2の例を示す図である。 上記第3実施形態に係る半導体加速度センサの第3の例を示す図である。 上記第3実施形態に係る半導体加速度センサの第4の例を示す図である。
符号の説明
1…基板、2A…梁構造体、2B…固定部、3a〜3d…第1のアンカー部、4、5…梁部、6、316…質量部、7a〜7d、8a〜8d、304、305…可動電極、9a〜9d、11a〜11d、13a〜13d、15a〜15d、306、307…固定電極、10a〜10d、12a〜12d、14a〜14d、16a〜16d…第2のアンカー部、50、51、202、350〜352…パッド、60…第1の半導体基板、61…溝、62…犠牲層薄膜としてのシリコン酸化膜、64、67…シリコン窒化膜、65a〜65e…開口部、66…導電性薄膜としてポリシリコン薄膜、70…貼り合わせ用薄膜としてのポリシリコン薄膜、72…第2の半導体基板、200…単結晶シリコン、201、313…外周部、302…第2のシリコン基板、310、311…固定電極パッド、310a、311a…配線、360…絶縁溝、S2…溝。

Claims (7)

  1. 支持用基板(1、301)とこの支持用基板の上に形成された素子形成膜(200、302)とから構成され、
    前記素子形成膜は、前記素子形成膜に形成された溝を介して、可動部(2A)を有し該可動部の変位に伴う容量変化を検出するセンサ素子部と、該センサ素子部の外周に配置された外周部(201、313)とに画定されており、
    前記外周部には、制御回路から電圧が印加されることによって、前記外周部の電位を固定する手段(202、350〜352)が備えられており、
    前記センサ素子部は、前記可動部(2A)に設けられた可動電極(304、305)と、前記可動電極と対向配置され前記支持用基板(301)に固定支持された固定電極(306、307)とから構成される容量検出部(304〜307)を有し、
    前記可動電極から、前記可動電極と前記固定電極との間の容量変化を出力するようになっており、
    前記外周部の電位を固定する手段(350〜352)において固定する電位を前記可動電極と同電位とすることを特徴とする半導体力学量センサ。
  2. 前記センサ素子部は、複数個の前記容量検出部(304〜307)を備えており、前記外周部の電位を固定する手段(350、351)は、前記複数個の容量検出部の各々に対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体力学量センサ。
  3. 前記容量検出部(304〜307)は2個であり、個々の前記容量検出部は略同レベルの大きさの容量変化を伴うものであり、
    第1の容量検出部(304、306)とこれに対応する前記外周部の電位を固定する手段(350)との距離、および、第2の容量検出部(305、307)とこれに対応する前記外周部の電位を固定する手段(351)との距離は略同じであることを特徴とする請求項2に記載の半導体力学量センサ。
  4. 前記第1の容量検出部(304、306)と前記第2の容量検出部(305、307)とを結ぶ線と直交する対称軸に対して、各々の前記外周部の電位を固定する手段(350、351)は対称に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体力学量センサ。
  5. 前記センサ素子部は、各々の前記容量検出部(304〜307)毎に設けられた容量変化を引き出すためのパッド(310、311)と、各々の前記容量検出部と各々の前記パッドとを電気的に接続する導体部(310a、311a)とを含んでなり、
    各々の前記導体部の抵抗値が略同じであり、且つ、各々の前記導体部の周囲に位置する前記溝(S2)は略同じ容積で形成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の半導体力学量センサ。
  6. 前記センサ素子部は2個の前記容量検出部(304〜307)を備え、個々の前記容量検出部は略同レベルの大きさの容量変化を伴うものであり、
    前記外周部の電位を固定する手段(352)は、前記第1の容量検出部(304、306)と前記第2の容量検出部(305、307)とを結ぶ線と直交する対称軸上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体力学量センサ。
  7. 前記外周部(201、313)において、前記外周部の電位を固定する手段(202、350〜352)よりも外縁側には絶縁溝(360)が形成され、該絶縁溝の外縁側と内縁側とは絶縁されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の半導体力学量センサ。
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