JP4664106B2 - ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
従来から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の汎用樹脂からなる型内発泡成形体は包装用緩衝材、農産箱、魚箱、自動車部材、建築材料、土木材料等として幅広く使用されてきた。しかしながら、これらの汎用樹脂からなる型内発泡成形体は、使用後に自然環境下で放置された場合、土中の微生物により分解されることが殆どないので、環境汚染の問題を引き起こす虞がある。
上記環境問題を解決するために、土中の微生物により分解される生分解樹脂の開発が行なわれてきた。その中の一つとして、微生物分解性ポリ乳酸系樹脂がある。該ポリ乳酸系樹脂は、微生物分解性を有する上に人体に対する安全性にも優れているので、例えば外科用の縫合糸として実用化されており、長年にわたる実績を収めている。しかも近年、ポリ乳酸系樹脂の原料である乳酸が、とうもろこし等を原料とする発酵法により、大量かつ安価に製造されるようになったことから、ポリ乳酸系樹脂を原料とする発泡体の開発が行なわれている。
ポリ乳酸系樹脂からなる発泡体に関する先行技術としては、特表平5−508669号公報、特開平4−304244号公報、特開平5−139435号公報、特開平5−140361号公報、特開平9−263651号公報等の押出発泡体に関するもの、特開平5−170965号公報、特開平5−170966号公報、特開2000−136261号公報(特許文献1)等の発泡粒子に関するものが挙げられる。
上記ポリ乳酸系樹脂発泡体に関する先行技術の中でも発泡粒子に関するものは、形状的な制約を比較的受けずに所望の形状の発泡体を得ることができ、軽量性、緩衝性、断熱性などの目的に応じた物性設計も容易であるため実用性のあるものとして特に有望である。
しかし、特許文献1等に記載のポリ乳酸系樹脂からなる型内発泡成形体は発泡性の非発泡樹脂粒子を金型内に充填し熱風により該樹脂粒子を発泡させると同時に粒子同士を相互に融着せしめたものであるため、型内発泡成形体の部分部分の密度ばらつきが大きく、発泡粒子同士の融着性、寸法安定性が不充分で機械的物性に劣るものであった。
上記特許文献1等に記載の型内発泡成形体の問題点を解決し、発泡粒子同士の融着性、寸法安定性、機械的物性に優れたポリ乳酸型内発泡成形体を提供することを目的として、本発明者等は先に、結晶性のポリ乳酸系樹脂を用いて、該ポリ乳酸系樹脂が結晶化していない状態の発泡粒子を製造し、該発泡粒子を用いて型内発泡成形体を得ることを試みた(特許文献2)。具体的には、吸熱量と発熱量との差が0〜30J/gであり、且つ発熱量が15J/g以上であるポリ乳酸系樹脂発泡粒子を開発した。このことにより得られた発泡粒子は、特許文献1に記載のものに比較すると型内成形時の発泡粒子相互の融着性、二次発泡性の点で遥かに優れているものであった。
特開2000−136261号公報 特開2004−83890号公報
しかしながら、特許文献2のポリ乳酸系樹脂発泡粒子は融着性が向上したとはいっても、型内成形する際、より融着性を高めようとして高温のスチーム圧力で加熱すると、得られた型内成形体の表面が加熱により溶けた状態となるものであった。そこで、発泡粒子相互の融着性を満足しつつ、低温のスチーム圧で成形できる発泡粒子が要望されている。
本発明は、発泡粒子相互の融着性に優れ、低温(低圧スチーム)で型内成形が可能なポリ乳酸系樹脂発泡粒子及びその発泡粒子を用いて得られるポリ乳酸系樹脂型内発泡成形体(以下、単に型内発泡成形体ともいう。)、並びに低密度の発泡粒子が容易に得られる該発泡粒子の製造方法を提供することを、その課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、融着性改良剤を発泡粒子に含有させれば、融着性を満足させながら低温のスチーム圧力で成形できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明によれば、以下に示すポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法が提供される。
〔1〕 水性媒体中でポリ乳酸系樹脂粒子に無機系物理発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸したポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させる発泡工程とを含む発泡粒子の製造方法であって、該発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に下記i)〜vii)から選ばれた単一または複数の混合物からなる融着性改良剤を添加することを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。

i)炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸から選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド及び/又はそのアセチル化物を75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステル、からなるグリセリン誘導体
ii)下記化学式(1)で示される化合物からなるエーテルエステル誘導体
R(OR’)nOOC−R”−COO(R’O)mR (1)
(式中、Rはアルキル基を示し、R’はアルキレン基を示し、R”はアルキレン基を含む2価の有機基を示し、m及びnは各々独立に1〜500を表す。)
iii)トリエチレングリコールジアセテートからなるグリコール酸誘導体
iv)アセチルクエン酸トリブチルからなるクエン酸誘導体
v)ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、からなるアジピン酸誘導体
vi)下記化学式(2)で表される化合物からなるロジン誘導体
Ro−COO−((CHR (CHR −O) ((CHR l’ (CHR m’ −O) n’ −R (2)
(式中、Roはロジン類残基、R 、R 、R 、R は水素原子またはメチル基、R は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アシル基、l、l’は0〜6の整数、m、m’は0〜6の整数(ただし、1≦l+m≦6、1≦l’+m’ ≦6)、n、n’は0〜7の整数(ただし、1≦n+n’ ≦7)を表す。)
vii)下記化学式(3)で表される化合物からなるテトラヒドロフルフリルアルコール誘導体
Th−OOC−R (3)
(式中、Thはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、ロジン残基、一般式(4):−COOThまたは一般式(5):−X−(COOY)n(Xはアリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基または少なくとも1つの水素がアシル化水酸基に置換されていても良いアルキレン基もしくはアルケニレン基、Yはアルキル基またはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、nは1〜4の整数を表す)で表される置換基を表す。)


〔2〕 該融着性改良剤が、炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸から選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド及び/又はそのアセチル化物を75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステル、からなるグリセリン誘導体から選ばれた単一または複数の混合物であることを特徴とする前記〔1〕に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。

〔3〕 該融着性改良剤がグリセロールジアセトモノカプリレートであることを特徴とする前記〔1〕に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。
本発明の請求項1により得られる発泡粒子は、融着性改良剤を含有するので、含有しない発泡粒子に比較すると、ポリ乳酸系樹脂の結晶成分の有無や結晶化の進み方にかかわらず低温のスチーム圧力で成形できる。
本発明の請求項1により得られる発泡粒子は、ポリ乳酸系樹脂の特定の吸熱量(Rendo)が5J/g以上である場合、耐熱性に優れており、得られる型内発泡成形体に優れた耐熱性を付与することができるものとなる
本発明の請求項1により得られる発泡粒子は、比(Bexo/Bendo)が0.2を超え、かつ該吸熱量(Bendo)が5J/g以上である場合、結晶化が進んでいないので低温のスチーム圧力であっても発泡粒子相互を融着することができるものとなる
本発明の請求項1により得られる発泡粒子は、特定の誘導体から選ばれた単一または複数の混合物を融着性改良剤として含有することにより、該融着性改良剤はポリ乳酸系樹脂との相溶性に優れるので、より低温のスチーム圧力であっても成形できるものとなる
本発明の請求項1により得られる発泡粒子を用いた型内発泡成形体は、二次発泡性が良好な前記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を相互に融着することにより得られるものなので、発泡粒子相互の隙間が少なく、外観が良好であり、使用後は土中で優れた生分解性を示すものである。
本発明の請求項に係わるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法によれば、発泡剤含浸工程で水性媒体中に融着性改良剤を添加することによって発泡粒子に融着性改良剤を含有させるので、特別な工程を経ないでも前記発泡粒子を得ることができる。
以下、本発明に係るポリ乳酸系樹脂発泡粒子、ポリ乳酸系樹脂型内発泡成形体及び該発泡粒子の製造方法について詳細に説明する。
本発明により得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子(以下、単に「発泡粒子」ともいう。)の基材樹脂は、ポリ乳酸系樹脂である。該ポリ乳酸系樹脂とは、乳酸成分単位を50モル%以上含むポリマーをいう。このものには、例えば、(1)乳酸の重合体、(2)乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、(3)乳酸と脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とのコポリマー、(4)乳酸と他の脂肪族多価カルボン酸とのコポリマー、(5)乳酸と脂肪族多価アルコールとのコポリマー、(6)前記(1)〜(5)の何れかの組み合わせによる混合物等が包含される。尚、上記乳酸の具体例としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの環状2量体であるL−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド又はそれらの混合物を挙げることができる。
前記(2)における他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられる。また、前記(3)(5)における脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等が挙げられる。また、前記(3)(4)における脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
さらに、本発明における基材樹脂は、結晶性のポリ乳酸系樹脂(i)10重量部以上90重量部以下と、非結晶性のポリ乳酸系樹脂(ii)10重量部以上90重量部以下とからなる(但し、(i)と(ii)との合計が100重量部である)ことが好ましい。
結晶性のポリ乳酸系樹脂(i)の割合が10重量部未満の場合は得られる型内発泡成形体の耐熱性が不十分となる虞があり、結晶性のポリ乳酸系樹脂(i)の割合が90重量部を超える場合は、成形時の発泡粒子相互の融着性を十分にするため高温のスチームが必要となる虞がある。かかる観点から、結晶性のポリ乳酸系樹脂(i)の下限としては20重量部以上が好ましく、30重量部以上がより好ましい。一方、その上限としては80重量部以下が好ましく、70重量部未満がより好ましい。但し、結晶性のポリ乳酸系樹脂(i)と非結晶性のポリ乳酸系樹脂(ii)との合計が100重量部である。
上記発泡粒子の基材樹脂であるポリ乳酸系樹脂は、上述したポリ乳酸系樹脂の中でも、加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における吸熱量(Rendo)が5J/g以上のものが好ましい。
該吸熱量が5J/g未満の場合は、結晶成分が少なすぎて、加熱雰囲気下での変形がし難い等の耐熱性、剛性等を有する型内発泡成形体が得られない虞れがある。この観点から、吸熱量が10J/g以上のものが好ましく、15J/g以上のものがより好ましく、20J/g以上のものがさらに好ましい。一方、その上限は結晶成分が多い場合は、結晶化させるために手間と時間がかかる等取り扱いが難しい虞れや結晶化してしまった発泡粒子は、高温のスチームでなければ発泡粒子相互が融着せず、得られた型内発泡成形体の表面は凹凸状となる虞れがある。この観点から、吸熱量が50J/g以下のものが好ましく、40J/g以下のものがより好ましく、特に30J/g未満のものが好ましい。なお、一般に吸熱量はマイナスの値で表示されるが本明細書でいう吸熱量は絶対値のことをいう。
本明細書において、ポリ乳酸系樹脂の示差走査熱量測定における吸熱量(Rendo)は、ポリ乳酸系樹脂についてJIS K7122(1987年)に記載される熱流束示差走査熱量測定によって求められる値とする。但し、ポリ乳酸系樹脂1〜4mgを試験片とし、試験片の状態調節およびDSC曲線の測定は以下の手順にて行う。試験片をDSC装置の容器に入れ、200℃まで加熱溶融させ、その温度に10分間保った後、110℃まで2℃/minの冷却速度にて冷却し、その温度に120分間保った後、40℃まで2℃/minの冷却速度にて冷却する熱処理後、再度、2℃/minの加熱速度にて融解ピーク終了時より約30℃高い温度まで加熱溶融させる際にDSC曲線を得る。尚、ポリ乳酸系樹脂の吸熱量(Rendo)は、図1に示すように、該DSC曲線の吸熱ピークの低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点aとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点bとして、点aと点bとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とする。また、ベースラインはできるだけ直線になるように装置を調節することとし、どうしても図2に示すようにベースラインが湾曲してしまう場合は、吸熱ピークの低温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して高温側へ延長する作図を行い、該湾曲した低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点a、吸熱ピークの高温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して低温側へ延長する作図を行い、該湾曲した高温側ベースラインへ吸熱ピークが戻る点を点bとする。
なお、上記吸熱量(Rendo)の測定において、試験片の状態調節およびDSC曲線の測定条件として、110℃での120分間の保持、2℃/minの冷却速度および2℃/minの加熱速度を採用する理由は、ポリ乳酸試験片の結晶化を極力進ませて、完全に結晶化した状態、或いは、それに近い状態に調整されたものの吸熱量(Rendo)を該測定にて求めることを目的としている為である。以上、試験片としてポリ乳酸系樹脂を用いた場合について説明したが、発泡粒子を脱泡した樹脂を試験片として吸熱量を測定することもできる。
尚、本明細書において結晶性ポリ乳酸とは、前述のポリ乳酸の吸熱量(Rendo)の測定手順により得られるDSC曲線において2J/gを超える吸熱ピークが現れるものとする。該結晶性ポリ乳酸の吸熱量(Rendo)は通常20〜80J/gである。また、本明細書における非結晶性ポリ乳酸とは、前述のポリ乳酸の吸熱量(Rendo)の測定手順により得られるDSC曲線において2J/g以下の吸熱ピークが現れるもの或いは吸熱ピークが現れないものである。
本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂の製造方法の具体例としては、例えば、乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許第5,310,865号に示されている製造方法)、乳酸の環状二量体(ラクチド)を重合する開環重合法(例えば、米国特許2,758,987号に開示されている製造方法)、乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状2量体、例えば、ラクチドやグリコリドとε−カプロラクトンを、触媒の存在下、重合する開環重合法(例えば、米国特許4,057,537号に開示されている製造方法)、乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許第5,428,126号に開示されている製造方法)、乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とポリマーを、有機溶媒存在下に縮合する方法(例えば、欧州特許公報第0712880 A2号に開示されている製造方法)、乳酸重合体を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行うことによりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で、固相重合を行う方法、等を挙げることができるが、その製造方法は、特に限定されない。また、少量のグリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて、共重合させても良く、又ポリイソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げてもよい。また、ペンタエリスリット等の多価脂肪族アルコールに代表される分岐化剤にて分岐化させたものであってもよい。
また、本発明により得られる発泡粒子を構成する基材樹脂には、本発明の目的、効果を阻害しない範囲において他の樹脂を添加することができる。ポリ乳酸と他の樹脂との混合樹脂中にはポリ乳酸が50重量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上である。
尚、ポリ乳酸と混合できる他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、中でも脂肪族エステル成分単位を少なくとも35モル%含む生分解性脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましい。この場合の脂肪族ポリエステル系樹脂としては、上記ポリ乳酸系樹脂以外のヒドロキシ酸重縮合物、ポリカプロラクトン等のラクトンの開環重合物、及びポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)等の脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸との重縮合物等が挙げられる。
上記発泡粒子は、該融着性改良剤を含有する。融着性改良剤を含有する発泡粒子は、結晶成分の有無や結晶化が進んだ発泡粒子にかかわらず、融着性改良剤を含有しない発泡粒子に比較すると、低温のスチームで成形することができる。得られるポリ乳酸系樹脂型内発泡粒子成形体が耐熱性に優れ、高温雰囲気下での変形が少なく、圧縮強度の低下が少ないものであるために、発泡粒子内部より表面に多くの融着性改良剤が存在することが好ましく、表面のみに融着性改良剤が存在することがより好ましい。
本発明者らは、発泡粒子における内部の発熱量(Bi)と表層の発熱量(Bs)との関係に着目して検討したところ、融着性改良剤を含有してない場合、(Bi−Bs)/(Bi)>0.6であるのに対し、融着改良剤をする場合、(Bi−Bs)/(Bi)≦0.6となり、このことにより、低温のスチーム圧力で成形できることを発見した。
なお、低温のスチーム圧力で成形できるメカニズムは定かではないが、改良剤を含有する発泡粒子の場合、その表層の発熱量が低下しないことによると考えられる。つまり、融着性改良剤が存在すると、発泡粒子表面の結晶化が進まないため、低温のスチーム圧力で成形できると考えられる。従って、発泡粒子における表層の発熱量(Bs)が大きく、内部の発熱量(Bi)と表層の発熱量(Bs)との差が内部の発熱量(Bi)よりも十分に小さければ、表層の結晶化が進んでいないことを示すのでより低温のスチーム圧力で成形することができる。
上記観点から、発泡粒子表面の発熱量(Bs)と内部の発熱量(Bi)との関係は、下記(1)を満たすことが好ましく、下記(2)式を満たすことがより好ましく、下記(3)式を満たすことが更に好ましい。
(Bi−Bs)/(Bi)≦0.6 (1)
(Bi−Bs)/(Bi)≦0.55 (2)
(Bi−Bs)/(Bi)≦0.5 (3)
尚、発泡粒子の表層とは、発泡粒子の表層部分全面を切除し、削除された部分が元の発泡粒子の重量の5分の1以下である部分をいう。それに対して内部の発泡層は、表層部分全面を切除し、さらに切り出して、元の発泡粒子の粒子重量の4分の1以下となるように切り出した部分をいう。
上記発泡粒子の表層のサンプルとしては、表層部分をカッターナイフ、ミクロトーム等を用いて切削処理を行い表層部分を集めたものを用いる。但し、この際の留意点としては1個の発泡粒子の表層部分全面を必ず切除し且つ1個の発泡粒子から切除した表層部分の重量が元の発泡粒子の粒子重量の5分の1以下、好ましくは元の発泡粒子の粒子重量の5分の1〜7分の1となるように切除する。切除した表層部分の重量が元の発泡粒子の粒子重量の5分の1を超える場合、内部発泡層を多量に含有することとなり表層部分の発熱量を正確に測定できない虞がある。更に1個の発泡粒子から得られる表層部分が2〜4mgに満たない場合は上記操作を繰り返し複数個の発泡粒子を用いる必要がある。
一方、内部発泡層のサンプルは、カッターナイフ等で発泡粒子の表層の切削処理を行い表層を取り除いたものを用いる。内部発泡層のサンプルを調製する際の留意点としては、1個の発泡粒子の表層部分全面を必ず切除した上、発泡粒子の重心とできる限り同じ重心をもつように内部発泡層を切り出す。この際、切り出された内部発泡層は、元の発泡粒子の粒子重量の4分の1以下とする必要があり(好ましくは4分の1〜6分の1)、且つ元の発泡粒子の形状とできる限り相似の関係にあることが好ましい。更に1個の発泡粒子から得られる内部発泡層が2〜4mgに満たない場合は上記操作を繰り返し複数個の発泡粒子を用いる必要がある。
尚、内部の発熱量(Bi)と表層の発熱量(Bs)の測定方法は、後述する発泡粒子の発熱量(Bexo)と同じ測定方法である。
本明細書でいう融着性改良剤とは、添加することによりポリ乳酸系樹脂の中間点ガラス転移温度を低下させる機能を有するものをいう。具体的には、使用する融着性改良剤の種類と量にもよるが、中間点ガラス転移温度を0.5〜20℃低下させるものが好ましく、1〜15℃低下させるものがより好ましい。尚、該中間点ガラス転移温度は、後述する測定方法を採用する。
本発明で用いられる融着性改良剤としては熱可塑性樹脂の可塑剤として用いられているものが挙げられ、ポリ乳酸との相溶性との観点から、グリセリン誘導体、エーテルエステル誘導体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘導体、アジピン酸誘導体、ロジン誘導体、テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体から選ばれた単一または複数の混合物挙げられる。
前記グリセリン誘導体としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
該グリセリン脂肪酸エステルは、炭素数8〜16の飽和脂肪酸を有するジアセチルモノアシルグリセロールを75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステルである。不飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド、飽和脂肪酸から構成される脂肪酸ジグリセライドや脂肪酸トリグリセライドは、ポリ乳酸との相溶性に劣る為に本発明の効果が得られない虞れがある。好ましいグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸から選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド及び/又はそのアセチル化物を75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。さらに好ましく用いられるものとしては、ポリ乳酸への相溶性が特に良好な炭素数8〜10の飽和脂肪酸モノグリセライドのアセチル化物が挙げられ、例えば、グリセリンジアセトモノカブリレート、グリセリンジアセトモノカブレート、グリセリンジアセチルモノラウレート、グリセリントリアセテート、グリセリントリブチレート、グリセリントリプロピオネート、及びその類似のものが挙げられ、これらの中でも発泡粒子からブリードアウトしても人体に影響の少ない等の安全性の高いグリセリン誘導体が好ましく、中でもグリセロールジアセトモノカプリレートが好ましく用いられ、具体的には、理研ビタミン(株)社製「商品名リケマールPL−019」が市販されている。
前記エーテルエステル誘導体としては、下記化学式(1)で示されるものが挙げられる。
R(OR’)nOOC−R”−COO(R’O)mR (1)
(1)式において、Rはアルキル基を示し、R’はアルキレン基を示し、R”はアルキレン基を含む2価の有機基を示し、m及びnは各々独立に1〜500を示す。
(1)式のRで表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルへキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等の炭素数1〜20のものが挙げられる。
また、R’で表されるアルキレンとしては、例えばエチレン、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン等の炭素数2〜8のものが挙げられる。
前記グリコール酸誘導体としては、トリエチレングリコールジアセテートの他、その類似のものが利用できる。
前記クエン酸誘導体としては、アセチルクエン酸トリブチルの他、その類似のものが利用できる。
前記アジピン酸誘導体としては、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペートの他、その類似のものが挙げられる。
前記ロジン誘導体としては、下記化学式(2)で表される化合物が挙げられる。
Ro−COO−((CHR(CHR−O)((CHRl’(CHRm’−O)n’−R (2)
(式中、Roはロジン類残基、R、R、R、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アシル基、l、l’は0〜6の整数、m、m’は0〜6の整数(ただし、1≦l+m≦6、1≦l’+m’ ≦6)、n、n’は0〜7の整数(ただし、1≦n+n’ ≦7)を表す。)
具体的には、例えば、ジエチレングリコールロジンエステル、ジエチレングリコールロジンエステルアセテート、トリエチレングリコールロジンエステル、テトラエチレングリコールロジンエステル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルロジンエステル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルロジンエステルが挙げられる。
前記テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体としては、下記化学式(3)で表される化合物が挙げられる。
Th−OOC−R (3)
(式中、Thはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、ロジン残基、一般式(4):−COOThまたは一般式(5):−X−(COOY)n(Xはアリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基または少なくとも1つの水素がアシル化水酸基に置換されていても良いアルキレン基もしくはアルケニレン基、Yはアルキル基またはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、nは1〜4の整数を表す)で表される置換基を表す。)
具体的には、例えば、コハク酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、アジピン酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、セバシン酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、ドデカン二酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、フタル酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステルが挙げられる。
上記発泡粒子においては、加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における発泡粒子の発熱量(Bexo)と吸熱量(Bendo)との比(Bexo/Bendo)が0.2を超え、かつ該吸熱量(Bendo)が5J/g以上であることが好ましい。該比(Bexo/Bendo)が0.2未満であると、結晶化が進んだものとなり加熱する際、高温のスチームを必要とするため金型が開かないように型締め力が高い特殊な成形機を用いなければならない虞やその高温のスチームにより部分的な溶融が発生しそれにより収縮し、表面凹凸のない型内発泡成形体を得る成形範囲が狭くなる虞がある。また型内成形に必要なスチームの供給量も多大であり生産性が悪い虞がある。上記観点から、該比(Bexo/Bendo)は0.25以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、通常その上限は1である。
また、吸熱量(Bendo)と発熱量(Bexo)との差(Bendo−Bexo)が0J/g以上30J/g未満であり、かつ該吸熱量(Bendo)が5J/g以上であることが好ましい。上記差(Bendo−Bexo)は、昇温時に発泡粒子の結晶部分が融解する際に吸収するエネルギーである吸熱量(Bendo)と、昇温時に結晶部分の融解に先立って発泡粒子の結晶化していない部分が結晶化することにより放出されるエネルギーである発熱量(Bexo)の差を表し、該差が小さいほど発泡粒子の結晶化が進んでいないことを意味し、該差が大きいほど発泡粒子の結晶化が進んでいることを意味する。差(Bendo−Bexo)が30J/g以上であると、型内成形の際、発泡粒子の二次発泡が悪化し、発泡粒子相互の融着性が悪い型内発泡成形体となる虞や成形圧力を上げすぎて得られる型内発泡成形体の表面が溶融する虞がある。これに対し、差(Bendo−Bexo)が前記範囲であれば、成形が容易で、型内発泡成形体の表面平滑性が優れたものとなる。上記観点から好ましくは25J/g以下、より好ましくは20J/g以下である。なお、差(Bendo−Bexo)は0J/gであっても構わない。差(Bendo−Bexo)の値が小さいほど発泡粒子の型内成形時の加熱温度を低くできるが、あまり低すぎると型内成形時の温度調整が難しくなり、得られる型内発泡成形体の収縮率が不均一となる虞がある。
上記発泡粒子においては、加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における発泡粒子の吸熱量(Bendo)は5J/g以上であることが好ましい。この吸熱量(Bendo)が大きいほど発泡粒子の結晶成分が多く、結晶化の程度が高くなりうる能力があり、それにより耐熱性に優れたものとなる可能性がある。該吸熱量(Bendo)が5J/g未満の場合は結晶成分が少なすぎて、所望する耐熱性、剛性等を有する型内発泡成形体が得られない。この観点から、吸熱量(Bendo)は10J/g以上であることが好ましく、15J/g以上であることがより好ましく、20J/g以上であることが更に好ましい。一方、その上限は、結晶成分が多い場合、型内成形する際、高温のスチームが必要となり特殊な成形機を用いなけばならないことから、吸熱量(Bendo)は50J/g以下が好ましく、40J/g以下がより好ましく、30J/g未満が特に好ましい。
また、発泡粒子の吸熱量(Bendo)にもよるが加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における発熱量(Bexo)は5J/g以上であることが好ましい。この発熱量(Bexo)が大きいほど、結晶性の発泡粒子であっても、その結晶化が進んでいないことを意味する。該発熱量(Bexo)が5J/g未満の場合は、結晶性成分が少ないか結晶化が進みすぎており、結晶性成分が少ない場合、高温の雰囲気中で変形し易い等の耐熱性が劣るものとなる。また、結晶化が進みすぎた場合、型内成形する際、発泡粒子相互の融着性を高めるために高温のスチームが必要となる虞れ或いはその高温のスチームにより部分的な溶融が発生して収縮し、表面凹凸のない型内発泡成形体を得る成形範囲が狭くなる虞がある。この観点から発熱量(Bexo)は8J/g以上が好ましく、10J/g以上であることが更に好ましい。一方、結晶化させるために必要なエネルギーが大きくなる虞や、結晶化させるための時間が長くなる虞れがあることから、発熱量(Bexo)は50J/g以下が好ましく、40J/g以下がより好ましく、30J/g未満が特に好ましい。
尚、本明細書において発泡粒子の発熱量(Bexo)および吸熱量(Bendo)は、JIS K7122(1987年)に記載される熱流束示差走査熱量測定によって求められる値とする。但し、発泡粒子1〜4mgの試験片とし、該試験片の状態調節およびDSC曲線の測定は以下の手順にて行う。
試験片をDSC装置の容器に入れ、熱処理を行わず、2℃/minの加熱速度にて40℃から200℃まで昇温する際のDSC曲線を得る。尚、発泡粒子の発熱量(Bexo)は該DSC曲線の発熱ピークの低温側のベースラインから発熱ピークが離れる点を点cとし、発熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点dとして、点cと点dとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とする。また、発泡粒子の吸熱量(Bendo)は、該DSC曲線の吸熱ピークの低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点eとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点fとして、点eと点fとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とする。
但し、該DSC曲線におけるベースラインはできるだけ直線になるように装置を調節することする。また、どうしてもベースラインが湾曲してしまう場合は、発熱ピークの低温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して高温側へ延長する作図を行い、該湾曲した低温側のベースラインから発熱ピークが離れる点を点c、発熱ピークの高温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して低温側へ延長する作図を行い、該湾曲した高温側ベースラインへ発熱ピークが戻る点を点dとする。更に、吸熱ピークの低温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して高温側へ延長する作図を行い、該湾曲した低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点e、吸熱ピークの高温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して低温側へ延長する作図を行い、該湾曲した高温側ベースラインへ吸熱ピークが戻る点を点fとする。
例えば、図3に示す場合には、上記の通り定められる点cと点dとを結ぶ直線とDSC曲線に囲まれる部分の面積から発泡粒子の発熱量(Bexo)を求め、上記の通り定められる点eと点fとを結ぶ直線とDSC曲線に囲まれる部分の面積から発泡粒子の吸熱量(Bendo)を求める。また、図4に示すような場合には、上記のように点dと点eを定めることが困難である為、上記の通り定められる点cと点fとを結ぶ直線とDSC曲線との交点を点d(点e)と定めることにより、発泡粒子の発熱量(Bexo)及び吸熱量(Bendo)を求める。また、図5に示すように、吸熱ビークの低温側に小さな発熱ピークが発生するような場合には、発泡粒子の発熱量(Bexo)は、図5中の第1の発熱ピークの面積Aと第2の発熱ピークの面積Bとの和から求められる。即ち、該面積Aは第1の発熱ピークの低温側のベースラインから発熱ピークが離れる点を点cとし、第1の発熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点dとして、点cと点dとを結ぶ直線とDSC曲線に囲まれる部分の面積Aとする。そして、該面積Bは第2の発熱ピークの低温側のベースラインから第2の発熱ピークが離れる点を点gとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点fとして、点gと点fとを結ぶ直線とDSC曲線との交点を点eと定め、点gと点eとを結ぶ直線とDSC曲線に囲まれる部分の面積Bとする。一方、図5において、発泡粒子の吸熱量(Bendo)は点eと点fとを結ぶ直線とDSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とする。
なお、上記発熱量(Bexo)および吸熱量(Bendo)の測定において、DSC曲線の測定条件として、2℃/minの加熱速度を採用する理由は、発熱ピークと吸熱ビークとをなるべく分離し、正確な吸熱量(Bendo)および(Bendo−Bexo)を熱流束示差走査熱量測定にて求める際に、2℃/minの加熱速度が好適であるという発明者の知見に基づくものである。
本発明においては、前述したように、特定範囲内の発熱量(Rexo)を有する基材樹脂が用いられることが好ましい。更に、該基材樹脂とする発泡粒子を、発熱量(Bexo)と吸熱量(Bendo)との比(Bexo/Bendo)と、その差(Bendo−Bexo)が特定範囲となるように調整することが好ましい。これらの比(Bexo/Bendo)及び差(Bendo−Bexo)は、前述したように、基材樹脂の結晶化の度合いに依存するので、基材樹脂を構成するポリ乳酸系樹脂として結晶性のポリ乳酸系樹脂を含むものを使用すると、本発明方法で用いる発泡粒子を好適に構成することができる。詳しくは、(イ)結晶性のポリ乳酸系樹脂のみからなるもの、(ロ)結晶性のポリ乳酸系樹脂と非結晶性のポリ乳酸系樹脂とからなるものが挙げられる。また、(Rendo)の調整方法としては、(ハ)本発明にて特定される基材樹脂の吸熱量(Rendo)を有する結晶性のポリ乳酸系樹脂を選択する方法、(ニ)結晶性の異なる2種以上の結晶性のポリ乳酸系樹脂同士をブレンドする方法、(ホ)1種又は2種以上の結晶性のポリ乳酸系樹脂と、1種又は2種以上の非結晶性のポリ乳酸系樹脂をブレンドする方法等が挙げられる。
本発明方法においては、上記(イ)、(ロ)のポリ乳酸系樹脂の中でも、発泡粒子の吸熱量(Bendo)及び発熱量(Bexo)の調整の容易さの点で(ロ)の結晶性のポリ乳酸系樹脂と非結晶性のポリ乳酸系樹脂とからなるものを基材樹脂として使用することが好ましい。かかる基材樹脂は、非晶性のポリ乳酸系樹脂を含有しているため、発泡粒子を型内成形する際、発泡粒子相互の融着性、二次発泡性が向上し、表面平滑性に優れた型内発泡成形体が得られる。
一方、上記発泡粒子の発熱量(Bexo)は発泡粒子を得るまでの熱履歴によって異なってくる。発泡粒子の発熱量(Bexo)は、発泡粒子を得るために使用される樹脂粒子の急冷条件、該樹脂粒子の発泡剤の含浸条件、該樹脂粒子の発泡条件、或いは発泡粒子の養生条件等により異なってくることから、各条件の制御で発泡粒子の発熱量(Bexo)を調整することができる。詳しくは、該樹脂粒子を急冷することにより発泡粒子の発熱量(Bexo)は大きくなり、該樹脂粒子へ発泡剤を含浸させる際の雰囲気温度をガラス転移温度より高くすることや、該樹脂粒子を加熱発泡させる際の加熱時間を長くすることにより発泡粒子の発熱量(Bexo)は小さくなる。また発泡粒子を高温条件で養生することによっても、発泡粒子の発熱量(Bexo)は小さくなる。これらの方法、更に必要に応じてその他の方法を組み合わせることにより発泡粒子の発熱量(Bexo)を調整できる。
従って、上記発泡粒子についての差(Bendo−Bexo)の調整は、用いるポリ乳酸系樹脂の結晶性及び樹脂粒子作製条件、該樹脂粒子への発泡剤含浸条件、該樹脂粒子の加熱時間条件、発泡粒子の養生条件等により行うことができる。
本発明における発泡粒子の見かけ密度は、型内成形後の収縮率が大きくなる虞れがあることから0.016g/cm以上が好ましく、0.021g/cm以上がより好ましい。一方、その上限は発泡粒子の密度のばらつきが大きくなり易く、型内にて加熱成形する際の発泡粒子の膨張性、融着性、ばらつきに繋がり得られる型内発泡成形体の物性低下の虞があることから0.630g/cm以下が好ましく、0.420g/cm以下がより好ましい。
本明細書における発泡粒子の見かけ密度は次のように測定する。
23℃のエタノールの入ったメスシリンダーを用意し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置した500個以上の発泡粒子(発泡粒子群の重量W1)を金網などを使用して沈めて、エタノール水位上昇分より読みとられる発泡粒子群の容積V1(cm)にてメスシリンダーに入れた発泡粒子群の重量W1(g)を割り算することにより求める(W1/V1)。
次に、本発明のポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得る製造方法について説明する。 本発明の製造方法においては、融着改良剤を含ませたポリ乳酸系樹脂粒子(以下、単に「樹脂粒子」ともいう。)を発泡させる。融着改良剤を含ませた樹脂粒子を用いると、含まない樹脂粒子を用いる場合より、同じ発泡剤の含浸量で低密度の発泡粒子が得られるので、生産効率に優れる発泡粒子の製造方法である。
本発明の発泡粒子を得る製造方法は、1)ポリ乳酸系樹脂と所望の添加剤を溶融混練して樹脂粒子を作製する樹脂粒子作製工程、2)樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程、3)発泡剤を含浸した樹脂粒子を発泡させる発泡工程、また、4)上記1)と2)を合わせたポリ乳酸系樹脂、所望の添加剤及び発泡剤を、押出機を用いて溶融混練して発泡剤を含浸した樹脂粒子を作製する発泡性樹脂粒子作製工程の組合せからなる。
融着改良剤は、1)〜4)のいずれかの工程で樹脂粒子に含有させればよい。
具体的には、例えば、前記1)の樹脂粒子作製工程において、ポリ乳酸系樹脂と所望の添加剤、さらには融着改良剤を添加して溶融混練して樹脂粒子を作製する方法が挙げられる。樹脂粒子作製工程については、後に詳述する。
また前記2)の発泡剤含浸工程の中で、或いはその前やその後に融着改良剤を樹脂粒子の少なくとも表層に含有させる方法が挙げられる。
また3)の発泡工程において、発泡性樹脂粒子を予備発泡機を用いて加熱媒体にて発泡させる場合、例えば、融着性改良剤を樹脂粒子の表面に付着させるように霧状に吹付けると同時に或いは霧状に吹付けた後に加熱媒体を予備発泡機に注入して発泡させる方法や、融着性改良剤を添加した加熱媒体を予備発泡機に注入して発泡させながら、融着改良剤を樹脂粒子の表面に吹き付ける方法が挙げられる。また、密閉容器を用いて水性媒体中で樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤が含浸された樹脂粒子を低圧領域に水性媒体ととも放出し、発泡させる方法(分散媒放出発泡法)で樹脂粒子を発泡させる場合、水性媒体中に融着改良剤を添加し、樹脂粒子の少なくとも表面に融着改良剤を含有させる方法が挙げられる。
また4)の発泡工程において、ポリ乳酸系樹脂、発泡剤、所望の添加剤、さらには融着性改良剤を添加したポリ乳酸系樹脂組成物を、押出機を用いて溶融混練して発泡剤を含浸した樹脂粒子を作製する方法が挙げられる。
また、予め発泡粒子を作製し、該発泡粒子の少なくとも表層に融着性改良剤を含有させても構わない。例えば、加圧ニーダーで発泡粒子の表面を溶融させ、霧状に融着改良剤を吹付けて発泡粒子の少なくとも表面に融着性改良剤を含ませる方法や、加圧ニーダーで発泡粒子の表面を溶融させ、予め融着性改良剤を含ませたポリ乳酸系樹脂の微粒子をふりかけて発泡粒子の少なくとも表層に融着性改良剤を含ませる方法等が挙げられる。但し、この方法には、特殊な装置を用いなければならない上に、工程数が増えるという欠点がある。生産性を考慮すれば、前述した1)〜4)の工程の中で樹脂粒子の少なくとも表層に融着性改良剤を含有させることが好ましい。
即ち前記した中でも、本発明に係る発泡粒子は、水性媒体中でポリ乳酸系樹脂粒子に無機系物理発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸したポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させる発泡工程とを含む製造方法であって、該発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に融着性改良剤を添加することにより発泡粒子に融着性改良剤を含有させる方法により製造することが好ましい。この方法によれば、工程数を増やす必要がなく、装置を増設することなく、従来の設備で製造可能である。また、得られる発泡粒子の気泡径が均一になり、全ての発泡粒子の表層にむらなく融着性改良剤を含有させることができる。
本発明においては、前記の方法の中から、発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に融着性改良剤を添加することにより発泡粒子に融着性改良剤を含有させる方法が選択される。
前記樹脂粒子製造工程においては、結晶性のポリ乳酸系樹脂を含むポリ乳酸系樹脂で構成される基材樹脂を原料として樹脂粒子を製造する。具体的には、該原料を押出機に投入して、基材樹脂を加熱して溶融混練した後、ストランド状に押出し、該ストランド状の押出物を水没させることにより冷却した後、適宜の長さに切断するか、又は押出したストランドを適宜長さに切断後または切断と同時に、冷却することによって得ることができる。その他、基材樹脂から樹脂粒子を製造する方法としては、押出機を用いて基材樹脂を加熱して溶融混練した後、板状または塊状に押出し、該押出物を冷却プレス等により冷却した後、該冷却樹脂を破砕したり、格子状に破断することによっても得ることができる。尚、上記の樹脂粒子を作る際の冷却は、以降の工程にて得られる発泡粒子の発熱量(Bexo)及び発泡粒子の吸熱量(Bendo)についての差(Bendo−Bexo)の調整の容易さの点から水没させる等により急冷することが好ましい。
樹脂粒子の1個当りの重量は、0.05〜10mg、好ましくは0.1〜4mgがよい。該粒子重量がこの範囲より小さくなると、その樹脂粒子の製造が困難になる。一方、該粒子重量がこの範囲より大きくなると、発泡剤の均一な含浸が難しくなり、得られる発泡粒子の中心部の密度が大きくなる虞がある。また該樹脂粒子の形状は特に制約されず、柱状(ペレット状)の他、球形状、棒状等の各種の形状にすることができる。
基材樹脂を上記の通り押出機で溶融混練しストランド状等に押出す工程において、基材樹脂が吸湿性を有するものである場合、基材樹脂を予め乾燥させておくことが好ましい。多量の水分を保有した樹脂を押出機に投入すると、樹脂粒子中に、それを発泡させたときに発泡粒子の気泡の均一性に悪影響を及ぼす気泡が混入したり、押出機で溶融混練する場合に基材樹脂の物性低下が起こりメルトフローレイト(MFR)が極端に大きくなってしまう虞がある。
また、基材樹脂の劣化を抑制するために、ベント口付き押出し機を使用して、真空吸引して基材樹脂から水分を除去する方法も採用できる。
また、基材樹脂のMFRが極端に大きくならないように、前記押出温度条件の上限温度を設定する。
本発明の基材樹脂は、例えば、黒、灰色、茶色、青色、緑色等の着色顔料又は染料を添加して着色したものであってもよい。着色した基材樹脂より得られた着色樹脂粒子を用いれば、着色された発泡粒子及び成形体を得ることができる。
着色剤としては、有機系、無機系の顔料、染料などが挙げられる。このような、顔料及び染料としては、従来公知の各種のものを用いることができる。
また、基材樹脂には、気泡調整剤として、例えばタルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、ほう酸亜鉛、水酸化アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の無機物をあらかじめ添加することができる。上記基材樹脂に着色顔料、染料又は無機物等の添加剤を添加する場合は、添加剤をそのまま基材樹脂に練り込むこともできるが、通常は分散性等を考慮して添加剤のマスターバッチを作り、それと基材樹脂とを混練することが好ましい。着色顔料又は染料の添加量は着色の色によっても異なるが、通常、基材樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部とするのが好ましい。また、無機物の添加量は、基材樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部、更に0.02〜1重量部とすることが好ましい。無機物を基材樹脂に添加することにより、発泡倍率の向上効果を得ることができる。
また、本発明方法では、難燃剤、帯電防止剤、耐候剤、増粘剤等の添加剤の混合も可能である。尚、製品が使用後に廃棄されることを想定すると、顔料及び気泡調整剤等の添加剤の高濃度添加は好ましくない。
また、得られた樹脂粒子は高温、高湿条件下を避けて加水分解が進行しないような環境下で保存することが好ましい。
次に、前記樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程について説明する。該発泡剤含浸工程においては、水性媒体中でポリ乳酸系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。即ち、密閉容器内に水性媒体を入れて、これに樹脂粒子と発泡剤を添加して攪拌することにより樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。
上記水性媒体としては、好ましくは水が使用され、より好ましくはイオン交換水が使用されるが、水に限らずポリ乳酸系樹脂を溶解せず且つ樹脂粒子の分散が可能で、融着改良剤の効果を阻害しない溶媒又は液体であれば使用することができる。水以外の水性媒体としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられる。水性媒体には、水と有機溶媒、例えば前記アルコールとの混合液が包含される。
前記発泡剤としては、従来公知のもの、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソヘキサン、ノルマルヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン、1,1−ジフロロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン等の有機系物理発泡剤や、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等の無機系物理発泡剤が挙げられるが、なかでもオゾン層の破壊がなく且つ安価な無機系物理発泡剤が好ましく、特に窒素、空気、二酸化炭素が好ましい。本発明においては、発泡剤の使用量に対して、より小さな見かけ密度の発泡粒子が得られる点から二酸化炭素が更に好ましい。また、二酸化炭素とイソブタンといった、二種以上の発泡剤を使用することもできる。
本発明においては、前記の発泡剤の中から、無機系物理発泡剤が選択される。
本発明方法においては、発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に融着性改良剤を添加する。
具体的には、密閉容器内において発泡剤の存在下で樹脂粒子と共に融着性改良剤を水性媒体中分散媒に分散させ、水性媒体中を温度調整しつつ攪拌して、樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、同時に融着性改良剤を含浸させる。この方法によれば、発泡粒子の表層に融着性改良剤を均一に含ませることができ、さらには均一な気泡形状の発泡粒子を得ることができる。
この方法の場合、該融着性改良剤は、発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に分散させることが容易なことから、液体が好ましい。
上記融着性改良剤の添加量は、融着性改良剤の種類や目的とするスチーム圧力にもよるが概ね樹脂粒子100重量部に対し0.2〜3重量部が好ましい。0.2重量部未満では発泡する際の倍率向上に寄与し難くなる虞れがある。この観点から0.3重量部以上が好ましく、0.4重量部以上がより好ましい。一方、3重量部を超えると、得られる発泡粒子がべとつきだして埃が付着しやすくなったり、その発泡粒子から得られる型内発泡成形体の高温雰囲気下での圧縮強度が低下する虞れがある。この観点から2.5重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましい。
以下、発泡剤として二酸化炭素を使用する場合について説明する。
二酸化炭素の含浸量は、通常、2.5〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは3.5〜15重量%である。含浸量が少なすぎる場合は、十分に樹脂粒子を発泡させられない虞があり、一方、含浸量が多すぎる場合は、得られた発泡粒子の型内成形時の膨張性や融着性が不十分となる虞がある。これは、樹脂粒子の結晶化が進行し易くなるためと考えられる。
二酸化炭素の含浸温度は、好ましくは10〜50℃、更に好ましくは20〜40℃である。特に、発泡剤に二酸化炭素を使用する場合の含浸温度は、二酸化炭素の含浸量を(X重量%)とすると、(−0.6X+50)以下の温度であることが好ましい。(−0.6X+50)を超えると、特に結晶性の高いポリ乳酸系樹脂では極度な結晶化の進行により発泡倍率の向上が期待できなくなる可能性がある。また、得られた発泡粒子を型内成形する際に、発泡粒子の膨張性、発泡粒子相互の融着性が低下する虞や高温のスチームで成形しなければならず、それにより表面が凹凸状の型内発泡成形体となる虞がある。
また、樹脂粒子への二酸化炭素含浸工程における樹脂粒子雰囲気の二酸化炭素の圧力は、目的とする発泡粒子の見かけ密度(発泡倍率)によっても変わってくるが、通常は0.05〜0.50MPaGであり、含浸時間は0.2〜7時間である。
本明細書の樹脂粒子における二酸化炭素の含浸量(重量%)は下記(4)式によって求められる。
二酸化炭素の含浸量(重量%)
={樹脂粒子に含浸した二酸化炭素の重量(g)×100}/
{二酸化炭素含浸前の樹脂粒子重量(g)+樹脂粒子に含浸した二酸化炭素重量(g)} (4)
(4)式における樹脂粒子に含浸した二酸化炭素の重量は二酸化炭素含浸前後の樹脂粒子の重量差から求められ、樹脂粒子の重量測定は0.0001gの位まで計測することとする。
次に、発泡剤を含浸させた樹脂粒子を発泡させる発泡工程について説明する。
発泡工程では、大きく分けて、2つの方法がある。1つは、(a)密閉容器内において発泡剤の存在下で樹脂粒子を分散媒体に分散させるとともに、その内容物を温度調整しつつ攪拌して、その樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、その内容物を密閉容器の圧力より低圧の領域に放出し発泡させる発泡剤含浸工程と発泡工程とを連続で行なういわゆる分散媒放出発泡方法、もう1つは、(b)発泡性樹脂粒子を加熱し発泡させる方法が挙げられる。中でもほぼ球状の発泡粒子が効率よく得られることから発泡性粒子を加熱し発泡させる方法(b)が好ましい。
発泡性粒子を加熱し発泡させる方法としては、従来公知の方法が採用できるが、通常は密閉容器内に発泡性粒子を充填し水蒸気を導入して発泡させる方法が好ましい。尚、密閉容器にはわずかに内部の加熱媒体を排気させる開孔弁が備わっていると、密閉容器内の雰囲気温度を容易に一定に保つことができ、密度が均一な発泡粒子が得られ易いことから好ましい。
前記方法(b)において、発泡剤が含浸している発泡性粒子を加熱する際の雰囲気温度、すなわち発泡温度は、通常、基材樹脂の(Tg−50)℃〜(Tg+50)℃、好ましくは(Tg−40)℃〜(Tg+40)℃である。発泡温度が前記範囲より低いと、十分な発泡が起こり難く、また前記範囲より高いと発泡粒子の独立気泡率が低下してしまい良好な成形性を示す発泡粒子が得られにくいといった問題が発生する。発泡剤が二酸化炭素の場合、含浸することにより中間点ガラス転移温度以下においても発泡する。その場合の発泡温度は基材樹脂の(Tg−30)℃〜(Tg+30)℃、好ましくは(Tg−20)℃〜(Tg+20)℃である。尚、前記Tgは中間点ガラス転移温度である。
尚、本明細書において中間点ガラス転移温度(Tg)の測定はJIS K 7121(1987年)により熱流束示差走査熱量測定にて得られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度として求められる値である。尚、中間点ガラス転移温度を求めるための測定条件は、JIS K7121(1987年)の3.試験片の状態調節(3)記載の『一定の熱処理を行った後、ガラス転移温度を測定する場合』に準拠して試験片をDSC装置の容器に入れ、0℃から200℃まで加熱速度10℃/minにて昇温して加熱溶解させ、直ちに0℃まで冷却速度10℃/minにて冷却する状態調整を行ない、次に加熱速度10℃/minにて0℃から200℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から求められる。
尚、得られた発泡粒子は高温、多湿条件下を避けて加水分解しないような条件下で保存することが好ましい。
また、上記の操作によって得られた発泡粒子は特開2003−64213号公報等に記載の方法によりゲル化処理をおこなっても構わない。但し、本発明の発泡粒子は、生産性、リサイクル性等の観点からゲル化処理をおこなっていないもの、所謂、無架橋の発泡粒子であることが好ましく、無架橋の発泡粒子は型内発泡成形体において、上記のように顕著な効果を更に奏する。本明細書でいう無架橋とは、不溶分の割合が試料の5重量%以下の場合をいうが、その不溶分の割合は、試料の3重量%以下であることが好ましく、0重量%であることが最も好ましい。その不溶分の割合が少ないほど再利用し易い。
本明細書における樹脂粒子及び発泡粒子の不溶分の割合は、次のように測定される。樹脂粒子又は発泡粒子約1gを試料とし、試料重量W3を秤量する。次に秤量した試料と100mlのクロロホルムを150mlのフラスコに入れ、大気圧下で10時間、62℃の条件にて加熱環流した後、得られた加熱処理物が十分に熱い50℃以上の状態のうちに200メッシュの金網を有する吸引濾過装置を用いて濾過処理する。得られた金網上の濾過処理物を80℃のオーブン中で30〜40トールの条件下にて8時間乾燥する。この際に得られた乾燥物重量W2を測定する。この重量W2のサンプル重量W3に対する重量比の百分率(W2/W3)×100%を不溶分とする。
尚、発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体の場合、不溶分の割合は、型内発泡成形体表面を含まないように縦5mm×横5mm×高さ5mmの直方体を複数切り出し、測定用のサンプルとした以外は発泡粒子の場合と同様にして測定される。
次に、本発明にて得られる発泡粒子を用いて、型内発泡成形体を成形する方法について説明する。
該方法においては、発泡粒子を相互に融着させて型内発泡成形体を得る成形工程と、該成形工程で得られた型内発泡成形体を養生させる養生工程を含む工程により型内発泡成形体を製造することが好ましい。
上記成形工程においては、発泡粒子を型内に充填した後に、スチーム、熱風等の加熱媒体により該発泡粒子を加熱して発泡粒子を相互に融着させることが好ましい。このように、加熱成形すると発泡粒子は相互に融着し、一体となった型内発泡成形体が得られる。この場合の成形用の型としては慣用の金型や特開2000−15708号に記載の連続成形装置に使用されているスチールベルトが用いられる。また、加熱手段としては、通常スチームが用いられ、その加熱速度は発泡粒子表面が溶融する温度にできればよい。
本発明の融着性改良剤を含む発泡粒子は、従来の(融着性改良剤を含まない)発泡粒子のスチーム圧より、0.01〜0.2MPaG低圧のスチームで成形できる。
型内発泡成形体を製造する場合、型内に供する発泡粒子に予め空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガスにより気体を付与しておくことが好ましい。又、ブタン等の有機ガスも使用できる。前記した中でも二酸化炭素を用いると内圧付与する時間が少なくて済むので、好ましい。気体を付与した発泡粒子を成形用発泡粒子として用いることにより、成形の際、発泡粒子相互の隙間が少なくなる等の二次発泡性や、金型と同じ形状となる等の成形性や、得られる型内発泡成形体の回復性が向上する。該気体は、好ましくは0.3〜4mol/(1000g発泡粒子)、更に好ましくは0.7〜4mol/(1000g発泡粒子)の範囲内で付与する。
尚、本明細書において、発泡粒子内の気体量(mol/1000g発泡粒子)は下記(5)式によって求められる。
発泡粒子内の気体量(mol/1000g発泡粒子)=
{気体増加量(g)×1000}/{気体の分子量(g/mol)×発泡粒子重量(g)} (5)
(5)式中の気体増加量(g)は次のように求める。
成形機に充填される、気体を付与することにより内部圧力が高められた発泡粒子を500個以上取り出して60秒以内に相対湿度50%、23℃の大気圧下の恒温恒湿室に移動し、その恒温恒湿室内の秤に乗せ、該発泡粒子を取り出して120秒後の重量を読み取る。このときの重量をQ(g)とする。次に、該発泡粒子を相対湿度50%、23℃の大気圧下の同恒温恒湿室内にて240時間放置する。発泡粒子内の高い圧力の気体は時間の経過とともに気泡膜を透過して外部に抜け出すため発泡粒子の重量はそれに伴って減少し、240時間後では平衡に達しているため実質的にその重量は安定している。上記240時間後の該発泡粒子の重量を同恒温恒湿室内にて測定し、このときの重量をS(g)とする。上記のいずれの重量も0.0001gまで読み取るものとする。この測定で得られたQ(g)とS(g)の差を(5)式中の気体増加量(g)とする。
上記成形工程で得られた型内発泡成形体は、前記養生工程において、温度[Tg+5]〜[Tg+30]℃の雰囲気下に保持することが好ましい。
養生工程の温度が[Tg+5]℃未満の場合には、ポリ乳酸系樹脂を結晶化させるのに長時間必要であることや型内発泡成形体の耐熱性向上の効果がなく、耐熱性に劣った型内発泡成形体となる。この観点から、養生温度は[Tg+8]℃以上が好ましく、[Tg+10]℃以上がより好ましい。また、[Tg+30]℃よりも高い場合には、型内発泡成形体が変形を起こしてしまい、良好な型内発泡成形体を得ることが困難となる。この観点から[Tg+25]℃以下が好ましく、[Tg+20]℃以下がより好ましい。
また、養生工程で特定の雰囲気下で保持する時間としては耐熱性向上の観点から1時間以上が好ましく、3時間以上が好ましく、特に5時間以上が好ましい。一方、その上限は型内発泡成形体が変形や変色を起こさない観点から通常、36時間以下である。上記観点と生産性のバランスから24時間以下がより好ましく、特に12時間以下が好ましい。
また、養生工程の相対湿度は、相対湿度が高いと型内発泡成形体が加水分解を受けやすくなり、機械的物性に劣った型内発泡成形体となる虞があることから40%RH以下が好ましい。上記観点から30%RH以下がより好ましく、20%RH以下がさらに好ましい。一方、その下限は0%RHではその条件とするのに特別な装置が必要となる虞れがあることから5%RH以上が好ましい。
また、養生工程全体の時間を100%とした場合、上記観点から相対湿度が40RH%を超える時間が50%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。
養生する際、型内発泡成形体はそのままの形態でも良いが、温度が高いと型内発泡成形体が変形を起こす虞がある。そういった場合、形状を固定する冶具などで型内発泡成形体を固定することが好ましい。
上記養生工程によれば、基材樹脂の中間点ガラス転移温度を基準として結晶化させることも兼ねるので、効率よく耐熱性が向上した発泡成形体が得られる。養生工程での加熱媒体は通常熱風で行なわれる。
上記養生工程により得られた型内発泡成形体においては、加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における型内発泡成形体の発熱量(bFexo)と吸熱量(bFendo)との比(bFexo/bFendo)が0〜0.2であることが好ましく、該吸熱量(bFendo)と該発熱量(bFexo)との差(bFendo−bFexo)が10J/g以上の型内発泡成形体を得ることが好ましい。
かかる構成により結晶化が進み耐熱性に優れた型内発泡成形体が得られる。
該比(bFexo/bFendo)が0.2を超えると結晶化が進まないので、耐熱性が低い型内発泡成形体となる。上記耐熱性向上の観点から0.18以下が好ましく、0.16以下がより好ましく、0.14以下がさらに好ましく、特に0が好ましい。一方、その下限は比における発熱量(bFexo)が結晶化が完全に促進された場合、0であるので、通常、該比の下限は0である。
また、得られる型内発泡成形体の該吸熱量(bFendo)と該発熱量(bFexo)との差(bFendo−bFexo)は、実用的な耐熱性を向上させる観点から10J/g以上がより好ましく、15J/g以上がさらに好ましい。一方、その上限は基材樹脂の吸熱量によるが50J/g以下が好ましく、40J/g以下がより好ましく、特に30J/g未満が好ましい。
養生工程では、加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における該型内発泡成形体の発熱量(aFexo)が5J/g以上である該型内発泡成形体を養生する場合、加熱速度2℃/minでの示差走査熱量測定における型内発泡成形体の発熱量(bFexo)と該発熱量(aFexo)との比(bFexo/aFexo)が0〜0.7であることが好ましい。
養生工程前における型内発泡成形体の発熱量(aFexo)と養生工程後における型内発泡成形体の発熱量(bFexo)との比(bFexo/aFexo)が0.7を超える場合、得られる型内発泡成形体は、耐熱性の向上が不十分である。該比の下限は養生工程後に型内発泡成形体の発熱量(bFexo)が0に近いほど結晶化が進みその耐熱性が向上することから0.65以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.55以下がさらに好ましく、特に0が好ましい。
尚、発熱量(aFexo)と吸熱量(aFendo)の測定方法、及び発熱量(bFexo)と吸熱量(bFendo)の測定方法は、型内発泡成形体から採取した試料を用いる以外は前述した発熱量(Bexo)と吸熱量(Bendo)の測定方法と同じである。
以下、本発明にて得られる発泡粒子を用いて得られるポリ乳酸系樹脂型内発泡成形体について説明する。
上記発泡粒子を用いて得られる該発泡成形体は、二次発泡性が良好な発泡粒子より得られるので発泡粒子相互に隙間が少ないため、外観が良好な型内発泡成形体であり、使用後は土中で優れた生分解性を示す型内発泡成形体である。
さらに、型内発泡成形体の結晶化が促進されていることが耐熱性の向上の観点から好ましく、前述したように養生工程を行なう方法が工程を増やすことなく効率よく結晶化を高め、耐熱性を向上させることができるので好ましい。
本発明にて得られる発泡粒子より得られる型内発泡成形体の形状は特に制約されず、その形状は、例えば、容器状、板状、筒体状、柱状、シート状、ブロック状等の各種の形状にすることができる。また、寸法安定性、表面平滑性において優れたものである。
また、本発明にて得られる発泡粒子より得られる型内発泡成形体の見かけ密度は、0.023g/cm以上が好ましく、0.030g/cm以上がより好ましい。一方、その上限は0.900g/cm以下が好ましく、0.600g/cm以下がより好ましい。
本明細書における型内発泡成形体の見かけ密度は、型内発泡成形体の外形寸法から求められる体積VM(cm)にて型内発泡成形体の重量WM(g)を割り算する(WM/VM)ことにより求められる。
また、本発明にて得られる発泡粒子より得られる型内発泡成形体の空隙率は、目的にもよるが空隙率は3%以下が好ましく、1%以下が好ましく、0%が最も好ましい。上記空隙率であると通常使用される際は、加水分解が抑制され、使用後は土中で優れた生分解性を示すポリ乳酸系樹脂型内発泡成形体である。
なお、空隙率は下式で求められる値を採用する。
型内発泡成形体の空隙率(%)は、型内発泡成形体から切り出した試験片の外形寸法(25mm×25mm×100mm)より求めた体積をa(cm3)、該サンプルをアルコールを入れた目盛り付き容器のアルコール中に沈めた時の、目盛りの上昇分から求められるサンプルの真の体積をb(cm3 )とし、下記(6)式より求めた。
空隙率(%)={1−(b/a)}×100・・・(6)
本発明にて得られる発泡粒子より得られる型内発泡成形体は、前記した養生工程を行なうことによって耐熱性に優れたものとなる。具体的な耐熱性は90℃の雰囲気下で22時間における加熱寸法変化率の絶対値が4%以内であることが好ましく、3%以内であることがより好ましく、2%以内であることが更に好ましい。該加熱寸法変化率の絶対値が4%を超えると、90℃付近で用いる分野に使用し難いなど使用範囲が狭くなる虞れがある。
該型内発泡成形体は、例えば、魚箱、包装材料、自動車の内装材等に好ましく使用され、また生分解性なので、使用後に自然環境下で放置された場合であっても、土中の微生物により分解されるので、環境汚染の問題を引き起こすことがない。
次に、本発明を実施例によりさらに詳述に説明する。
実施例1〜4、比較例1〜4
<樹脂粒子の製造>
吸熱量(iendo)49J/gの結晶性ポリ乳酸(三井化学(株)製、レイシアH−100:表1では結晶性樹脂と表記した。)と吸熱量(iiendo0J/gの非結晶性ポリ乳酸(三井化学(株)製、レイシアH−280:表1では非結晶性樹脂と表記した。)とを表1に示す配合でブレンドし、このブレンド物にステアリン酸カルシウムを含有量が1000ppmとなるように添加し、両者を押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出した。次いでこのストランドを約25℃の水中で急冷固化させた後に切断して、長さ(L)/直径(D)が1.5、1個当たり約2mgの無架橋の樹脂粒子を得た。実施例1、2、4、比較例1、2及び4の基材樹脂の中間点ガラス転移温度は、57℃、実施例3、比較例3の中間点ガラス転移温度は、55℃であった。
得られた樹脂粒子の吸熱量(Rendo)(J/g)を前述した測定方法により測定した。測定装置は株式会社島津製作所製商品名「DSC―50」を用い、解析ソフトは「島津熱分析ワークステーションTA−60WS用部分面積解析プログラムversion1.52」を用いた。
樹脂粒子の吸熱量(Rendo)を測定した結果、前述した測定方法により図1に示したようなDSC曲線が得られた。吸熱量(Rendo)は、該DSC曲線の吸熱ピークの低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点aとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点bとして、点aと点bとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とした。吸熱量(Rendo)の測定値を表1に示した。
<発泡粒子の製造>
次に、5Lの内容積を有するオートクレーブに水3000mlと樹脂粒子1000gを投入し、さらに樹脂粒子100重量部に対し融着性改良剤として理研ビタミン(株)社製グリセロールジアセトモノカプリレート「商品名リケマールPL―019」を表1に示す量(重量部)添加した。
次に、表1の含浸条件の欄に示す含浸温度に調整した後、二酸化炭素(CO)を圧力調整弁を介してオートクレーブ内に圧入し、その圧力が表1の含浸条件の欄に示した含浸圧力になるように調整し、表1の含浸条件の欄に示す時間保持(保持時間)した。次に、オートクレーブ内の二酸化炭素を抜き出した後、発泡性樹脂粒子を取出した。この発泡性樹脂粒子の二酸化炭素(CO)含浸量を表1に示した。
この二酸化炭素が含浸した発泡性樹脂粒子を、圧力調整弁の付いた密閉容器内に充填した後、0.05MPaG(65℃)のスチームを5秒間導入して加熱し、膨張発泡した無架橋の発泡粒子を得た。この発泡粒子の見かけ密度、発熱量(Bexo)、吸熱量(Bendo)、比(Bexo/Bendo)及び差(Bendo−Bexo)を表1に示した。
発泡粒子の発熱量(Bexo)と吸熱量(Bendo)は前述した測定方法にて行なった。測定装置は株式会社島津製作所製商品名「DSC―50」を用い、「解析ソフトは島津熱分析ワークステーションTA−60WS用部分面積解析プログラムversion1.52」を用いた。
前述した測定方法により、図3に示したようなDSC曲線が得られた。発泡粒子の発熱量(Bexo)は、該DSC曲線の発熱ピークの低温側のベースラインから発熱ピークが離れる点を点cとし、発熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点dとして、点cと点dとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とした。また、発泡粒子の吸熱量(Bendo)は、該DSC曲線の吸熱ピークの低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点eとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点fとして、点eと点fとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とした。
尚、該DSC曲線におけるベースラインはできるだけ直線になるように装置を調節した。
表1の二酸化炭素(CO)含有量は、前述した(5)式中の気体増加量を測定に用いた発泡粒子群の重量にて割り、100分率とした値を採用した。また、見かけ密度、発熱量(Bexo)、吸熱量(Bendo)、比(Bexo/Bendo)、差(Bendo−Bexo)、内部の発熱量(Bi)、表面の発熱量(Bs)及び内部と表面の差(Bi−Bs)は、前述した測定方法にて得られた値を採用した。
<型内成形>
得られた発泡粒子を用いて、次のように型内成形を行った。
発泡粒子を密閉容器内に充填し、二酸化炭素にて加圧し、二酸化炭素の含浸量が1.3mol/1000g)となるよう発泡粒子に付与した後、200(mm)×250(mm)×10(mm)の金型に圧縮率50%(圧縮前の発泡粒子の嵩体積(cm)−型締後の金型内容積(cm))×100/型締後の金型内容積(cm))[%]にて充填し、表1に示す成形圧力(スチーム圧)で型内成形した。
成形圧力(スチーム圧)は、0.05MPa(G)〜0.30MPa(G)まで0.01MPa(G)づつスチーム圧(スチーム温度)を変えて、各スチーム圧ごとに成形を実施し、融着率が0.8となる最低のスチームを採用した。
該融着率の具体的な測定は、まず、得られた型内発泡成形体を、カッターナイフで型内発泡成形体の厚み方向に約3mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から型内発泡成形体を破断した。次に、破断面に存在する発泡粒子の個数(n)と、材料破壊した発泡粒子の個数(b)を測定し、(n)と(b)の比(b/n)の値を融着率とした。実施例と比較例で得られた型内発泡成形体の空隙率は、3%であった。
実施例1、2と比較例1とを比較すると、融着改良剤が含有してなる実施例1、2の樹脂粒子は、比較例1と比較すると見かけ密度が低く、発泡倍率が出やすかった。実施例1、2で得られた発泡粒子は、比較例1と比較すると低温のスチームで成形できるものであった。
また、実施例1、2で得られた型内発泡成形体は、二次発泡に優れ、発泡粒子相互の隙間が少ないものであった。これに対し、比較例1、2で得られた型内発泡成形体は、加熱により損傷して表面が溶けてボイドが発生し、外観が悪いものであった。
実施例3と比較例3と比較すると、融着改良剤が含有してなる実施例3の発泡粒子は、低温のスチームで成形できることが分かる。
実施例3、比較例3で得られた型内発泡成形体は、基材樹脂の吸熱量(Rendo)が低いため、養生工程にて結晶化を促進させたとしても結晶化が向上せず、養生前と養生後の加熱寸法変化率での収縮が激しいもので耐熱性が低いものであった。
実施例4と比較例4とを比較すると、融着改良剤が含有してなる実施例4の発泡粒子は、低温のスチームで成形できることが分かる。
<二次発泡性>
表1に示した二次発泡性の評価は、以下に示す方法で評価した。
○:型内発泡成形体の表面において発泡粒子相互に隙間がなく、角の形状が金型の形状と同じ。
△:型内発泡成形体の表面において発泡粒子相互に隙間が少なく、角の形状が金型の形状より若干丸い。
×:型内発泡成形体の表面において発泡粒子相互に隙間が多く、角の形状が金型の形状より丸い。
<金型収縮率>
型内成形で用いた200(mm)×250(mm)×10(mm)の金型の寸法と金型の寸法に対応する各々の型内発泡成形体の寸法を用いて下式(7)より求め、その各々の100分率を相加平均した値を採用し、以下の通り評価した。
(金型寸法−型内発泡成形体寸法)/金型寸法×100=金型収縮率 (7)
◎:1%以下
○:1%を超え2%以下
△:2%を超え3%以下
<養生工程>
得られた型内発泡成形体を表1に示した養生条件で恒温器中で養生した。養生後、加熱を止め恒温器中で3時間放置し、23℃まで下げた。この際、相対湿度は30%RH以下であった。この型内発泡成形体から採取した発泡粒子の発熱量(bFexo)、吸熱量(bFendo)、比(bFexo/bFendo)、加熱寸法変化率を表1に示した。
尚、表1の発熱量(bFexo)と吸熱量(bFendo)の値は、前記発熱量(aFexo)と吸熱量(aFendo)と同様の測定にて得られた値を採用した。
加熱寸法変化率は、次のように測定した。
実施例及び比較例で得られた型内発泡成形体から試験片(厚み10mm×150mm×150mm)を切り取り、JIS K6767(1976年)の5.7加熱寸法変化に準拠し、試験片をエスペック株式会社(旧称タバイ エスペック株式会社)製、製品名「パーフェクトオーブンオリジナル」形式PH−401の恒温器にて90℃で22時間加熱後、直ちに取り出して23℃、1時間の雰囲気下で放置した。その試験片の寸法変化率を下記(8)式により算出した。
加熱寸法変化率(%)=[(X−Y)/X]×100 (8)
但し、Xは上記加熱寸法安定性の評価にて示した試験片の長さ(mm)であり、加熱前の型内発泡成形体の寸法を表わす。また、YはXに対応する部分の加熱後の長さ(mm)を表す。
Figure 0004664106
熱流束示差走査熱量計により求められる基材樹脂の吸熱量(Rendo)を示すDSC曲線の例示。 熱流束示差走査熱量計により求められる基材樹脂の吸熱量(Rendo)を示すDSC曲線の例示。 熱流束示差走査熱量計により求められる発泡粒子の発熱量(Bexo)及び吸熱量(Bendo)を示すDSC曲線の例示。 熱流束示差走査熱量計により求められる発泡粒子の発熱量(Bexo)及び吸熱量(Bendo)を示すDSC曲線の例示。 熱流束示差走査熱量計により求められる発泡粒子の発熱量(Bexo)及び吸熱量(Bendo)を示すDSC曲線の例示。

Claims (3)

  1. 水性媒体中でポリ乳酸系樹脂粒子に無機系物理発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸したポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させる発泡工程とを含む発泡粒子の製造方法であって、該発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に下記i)〜vii)から選ばれた単一または複数の混合物からなる融着性改良剤を添加することを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。

    i)炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸から選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド及び/又はそのアセチル化物を75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステル、からなるグリセリン誘導体
    ii)下記化学式(1)で示される化合物からなるエーテルエステル誘導体
    R(OR’)nOOC−R”−COO(R’O)mR (1)
    (式中、Rはアルキル基を示し、R’はアルキレン基を示し、R”はアルキレン基を含む2価の有機基を示し、m及びnは各々独立に1〜500を表す。)
    iii)トリエチレングリコールジアセテートからなるグリコール酸誘導体
    iv)アセチルクエン酸トリブチルからなるクエン酸誘導体
    v)ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、からなるアジピン酸誘導体
    vi)下記化学式(2)で表される化合物からなるロジン誘導体
    Ro−COO−((CHR (CHR −O) ((CHR l’ (CHR m’ −O) n’ −R (2)
    (式中、Roはロジン類残基、R 、R 、R 、R は水素原子またはメチル基、R は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アシル基、l、l’は0〜6の整数、m、m’は0〜6の整数(ただし、1≦l+m≦6、1≦l’+m’ ≦6)、n、n’は0〜7の整数(ただし、1≦n+n’ ≦7)を表す。)
    vii)下記化学式(3)で表される化合物からなるテトラヒドロフルフリルアルコール誘導体
    Th−OOC−R (3)
    (式中、Thはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、ロジン残基、一般式(4):−COOThまたは一般式(5):−X−(COOY)n(Xはアリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基または少なくとも1つの水素がアシル化水酸基に置換されていても良いアルキレン基もしくはアルケニレン基、Yはアルキル基またはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、nは1〜4の整数を表す)で表される置換基を表す。)
  2. 該融着性改良剤が、炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸から選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド及び/又はそのアセチル化物を75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステル、からなるグリセリン誘導体から選ばれた単一または複数の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 該融着性改良剤がグリセロールジアセトモノカプリレートであることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。
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