JP4663262B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

この発明は熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンのエバポレータとして好適に使用される熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
従来、カーエアコン用エバポレータとして、1対の皿状プレートを対向させて周縁部どうしをろう付してなる複数の偏平中空体が並列状に配置され、隣接する偏平中空体間にルーバ付きコルゲートフィンが配置されて偏平中空体にろう付された、所謂積層型エバポレータが広く用いられていた。ところが、近年、エバポレータのさらなる小型軽量化および高性能化が要求されるようになってきた。
そして、このような要求を満たすエバポレータとして、本出願人は、先に、互いに間隔をおいて配置された冷媒入出側タンクと冷媒ターン側タンクとの間に、両タンクの長さ方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が、通風方向に間隔をおいて2列設けられ、各熱交換管群を構成する熱交換管の両端部がそれぞれ両タンクに接続され、冷媒入出側タンク内が、仕切壁により通風方向に並んだ冷媒入口ヘッダ室と冷媒出口ヘッダ室とに仕切られ、両ヘッダ室内にそれぞれ1つの熱交換管群を構成する熱交換管が連通させられ、冷媒入出側タンクの冷媒入口ヘッダ室に流入した冷媒が、熱交換管を通って冷媒ターン側タンクに流入し、ここで流れ方向を変えて熱交換管を通って冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室に流入するようになされ、冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室内が、冷媒通過穴を有する仕切板によって熱交換管が臨む第1の空間と冷媒が流出する第2の空間とに区画されているエバポレータを提案した(特許文献1参照)。このエバポレータにおいては、冷媒出口ヘッダ室内の冷媒通過穴を有する仕切板の働きにより、各熱交換管群を構成する熱交換管の冷媒流通量を均一化し、これによりエバポレータの熱交換性能の向上が図られている。
しかしながら、本発明者等が種々検討した結果、上記公報記載のエバポレータにおいても、各熱交換管群を構成する熱交換管の冷媒流通量の均一化が十分ではなく、エバポレータの熱交換性能向上効果が十分得られないことが判明した。
特開2003−75024号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、熱交換性能の優れた熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
1)互いに間隔をおいて配置された冷媒入出側タンクと冷媒ターン側タンクとの間に、両タンクの長さ方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が、通風方向に間隔をおいて複数列設けられ、各熱交換管群の熱交換管の両端部がそれぞれ両タンクに接続され、冷媒入出側タンク内が、仕切壁により通風方向に並んだ冷媒入口ヘッダ室と冷媒出口ヘッダ室とに区画され、両ヘッダ室内にそれぞれ少なくとも1列の熱交換管群の熱交換管が連通させられ、冷媒入出側タンクの冷媒入口ヘッダ室に流入した冷媒が、熱交換管を通って冷媒ターン側タンクに流入し、ここで流れ方向を変えて熱交換管を通って冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室に流入するようになされた熱交換器において、
冷媒ターン側タンク内に、冷媒入口ヘッダ室から冷媒入口ヘッダ室に連通するすべての熱交換管への冷媒の分流を均一化する冷媒分流均一化部材が設けられており、冷媒分流均一化部材が、冷媒ターン側タンク内を通風方向に2つの空間に区画する分流制御板からなり、前記両空間が分流制御板に形成された冷媒通過穴を介して相互に連通させられ、分流制御板の両端部にそれぞれ冷媒堰き止め部分が設けられるとともに、両冷媒堰き止め部分間に1または2以上の冷媒通過穴を有する冷媒通過部分が設けられ、冷媒入口ヘッダ室内に連通した熱交換管が冷媒ターン側タンク内の一方の空間に連通するとともに、冷媒出口ヘッダ室内に連通した熱交換管が冷媒ターン側タンク内の他方の空間に連通している熱交換器。
2)分流制御板に形成された冷媒通過穴を通過する冷媒の流れが、風の流れに対して対向流となる上記1)記載の熱交換器。
3)分流制御板の各冷媒堰き止め部分の長さが、分流制御板の全長の15%以上であり、冷媒通過部分に形成されたすべての冷媒通過穴の総面積が130〜510mmである上記1)または2)記載の熱交換器。
4)分流制御板の各冷媒堰き止め部分の長さが、分流制御板の全長の15%以上であり、冷媒通過部分に形成された冷媒通過穴の数と、各熱交換管群の熱交換管の数との比率である開口率が20〜75%である上記1)または2)記載の熱交換器。
5)分流制御板の各冷媒堰き止め部分の長さが、分流制御板の全長の15%以上であり、冷媒通過部分に形成されたすべての冷媒通過穴の総面積が130〜510mmであり、冷媒通過部分に形成された冷媒通過穴の数と、各熱交換管群の熱交換管の数との比率である開口率が20〜75%である上記1)または2)記載の熱交換器。
6)冷媒ターン側タンクが、熱交換管が接続されたアルミニウム製の第1部材と、第1部材における熱交換管とは反対側の部分にろう付されたアルミニウム押出形材製の第2部材とよりなり、分流制御板が第2部材に一体に形成されている上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
7)第1部材が少なくとも片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートよりなる上記6)記載の熱交換器。
8)冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室内が、分流制御補助板によって熱交換管が臨む第1の空間と冷媒が流出する第2の空間とに区画され、前記両空間が相互に連通させられている上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
9)分流制御補助板に1または2以上の冷媒通過穴が形成され、前記2つの空間が冷媒通過穴によって連通させられている上記8)記載の熱交換器。
10)冷媒入出側タンクが、熱交換管が接続されたアルミニウム製の第1部材と、第1部材における熱交換管とは反対側の部分にろう付されたアルミニウム押出形材製の第2部材とよりなり、仕切壁および分流制御補助板が第2部材に一体に形成されている上記8)または9)記載の熱交換器。
11)第1部材が少なくとも片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートよりなる上記10)記載の熱交換器。
12)冷媒入出側タンクの一端部に、冷媒入口ヘッダ室に連通する冷媒入口および冷媒出口ヘッダ室の第2の空間に連通する冷媒出口が設けられている上記8)〜11)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
13)各熱交換管群が、7本以上の熱交換管からなる上記1)〜12)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
14)圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、エバポレータが、上記1)〜13)のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる冷凍サイクル。
15)上記14)記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両。
上記1)および2)の熱交換器によれば、冷媒分流均一化部材の働きにより、冷媒入出側タンクの冷媒入口ヘッダ室に接続された熱交換管の冷媒流通量が均一化され、熱交換器の熱交換性能が向上する。
上記3)〜5)の熱交換器によれば、冷媒入出側タンクの冷媒入口ヘッダ室に接続された熱交換管の冷媒流通量が一層均一化され、熱交換器の熱交換性能が向上する。
上記6)の熱交換器によれば、冷媒ターン側タンクの分流制御板が、アルミニウム押出形材製の第2部材と一体に形成されているので、冷媒ターン側タンク内に分流制御板を設ける作業が簡単になる。
上記7)のエバポレータによれば、第1部材の少なくとも片面のろう材層を利用し、第1部材と第2部材とをろう付して冷媒ターン側タンクを形成するのと同時に、第1部材と熱交換管とをろう付して冷媒ターン側タンクに熱交換管を接続することができるので、製造作業が簡単になる。
上記8)および9)の熱交換器によれば、分流制御補助板の働きにより、冷媒入出側タンクの冷媒入口ヘッダ室に接続された熱交換管の冷媒流通量が一層均一化されるとともに、冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室に接続された熱交換管の冷媒流通量が均一化され、熱交換器の熱交換性能が一層向上する。
上記10)の熱交換器によれば、冷媒入出側タンクの仕切壁および分流制御補助板が第2部材に一体に形成されているので、冷媒入出側タンク内に仕切壁および分流制御補助板を設ける作業が簡単になる。
上記11)の熱交換器によれば、第1部材の少なくとも片面のろう材層を利用し、第1部材と第2部材とをろう付して冷媒入出側タンクを形成するのと同時に、第1部材と熱交換管とをろう付して冷媒入出側タンクに熱交換管を接続することができるので、製造作業が簡単になる。
上記12)の熱交換器のように、冷媒入出側タンクの一端部に、冷媒入口ヘッダ室に連通する冷媒入口および冷媒出口ヘッダ室の第2の空間に連通する冷媒出口が設けられていると、各熱交換管群を構成する熱交換管の冷媒流通量の不均一化が顕著になるが、この場合であっても、上記1)〜5)、8)および9)のうちのいずれかの構成を備えておれば、熱交換管の冷媒流通量を均一化することが可能になる。
上記13)の熱交換器のように、各熱交換管群が、7本以上の熱交換管からなると、各熱交換管群を構成する熱交換管の冷媒流通量の不均一化が顕著になるが、この場合であっても、上記1)〜5)、8)および9)のうちのいずれかの構成を備えておれば、熱交換管の冷媒流通量を均一化することが可能になる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明をエバポレータに適用したものである。
なお、以下の説明において、図1および図2の上下、左右をそれぞれ上下、左右といい、熱交換管群の隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1に矢印Xで示す方向、図4および図5の右側)を前、これと反対側を後というものとする。
図1〜図5はこの発明によるエバポレータの全体構成を示し、図6および図7は要部の構成を示し、図8はこの発明によるエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す。
図1〜図3において、エバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製冷媒入出側タンク(2)およびアルミニウム製冷媒ターン側タンク(3)と、両タンク(2)(3)間に左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数、ここでは7本以上のアルミニウム製熱交換管(4)からなり、かつ前後方向に間隔をおいて配置された複数列、ここでは2列の熱交換管群(5)と、各熱交換管群(5)の隣接する熱交換管(4)どうしの間の通風間隙、および各熱交換管群(5)の左右両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(6)と、左右両端のコルゲートフィン(6)の外側に配置されてコルゲートフィン(6)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(7)とを備えている。
図4〜図6に示すように、冷媒入出側タンク(2)は、少なくとも外面(下面)にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(4)が接続されたプレート状の第1部材(8)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(8)の上側を覆う第2部材(9)と、左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(11)(12)とよりなり、前側に位置する冷媒入口ヘッダ室(13)と後側に位置する冷媒出口ヘッダ室(14)とを備えている。
第1部材(8)は、その前後両側部分に、それぞれ中央部が下方に突出した曲率の小さい横断面円弧状の湾曲部(15)を有している。各湾曲部(15)に、前後方向に長い複数の管挿通穴(16)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前後両湾曲部(15)の管挿通穴(16)は、それぞれ左右方向に関して同一位置にある。前側湾曲部(15)の前縁および後側湾曲部(15)の後縁に、それぞれ立ち上がり壁(17)が全長にわたって一体に形成されている。また、第1部材(8)の両湾曲部(15)間の平坦部(18)に、複数の貫通穴(19)が左右方向に間隔をおいて形成されている。
第2部材(9)は下方に開口した横断面略m字状であり、左右方向に伸びる前後両壁(21)(22)と、前後両壁(21)(22)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒入出側タンク(2)内を前後2つの空間に仕切る仕切壁(23)と、前後両壁(21)(22)および仕切壁(23)の上端どうしをそれぞれ一体に連結する上方に突出した2つの略円弧状連結壁(24)とよりなる。後壁(22)および仕切壁(23)の下端部どうしは、分流制御補助板(25)により全長にわたって一体に連結されている。なお、分流制御補助板(25)は後壁(22)および仕切壁(23)と別体のものが後壁(22)および仕切壁(23)に固着されていてもよい。分流制御補助板(25)の後側部分における左右両端部を除いた部分には、左右方向に長い複数の冷媒通過穴(26)(26A)が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成されている。左右方向の中央部の冷媒通過穴(26A)の長さは、後側熱交換管群(5)の隣接する熱交換管(4)どうしの間隔よりも短くなっており、後側熱交換管群(5)の左右方向の中央部の隣接する2本の熱交換管(4)間に形成されている。また、他の冷媒通過穴(26)の長さは中央部の冷媒通過穴(26A)の長さよりも長くなっている。分流制御補助板(25)下面の後縁部に、下方に突出した凸条(25a)が全長にわたって一体に形成されるとともに、前壁(21)内面の下縁部に、下方に突出した凸条(21a)が全長にわたって一体に形成されている。仕切壁(23)の下端は両凸条(21a)(25a)の下端よりも下方に突出しており、その下縁に下方に突出しかつ第1部材(8)の貫通穴(19)に嵌め入れられる複数の突起(23a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。突起(23a)は、仕切壁(23)の所定部分を切除することにより形成されている。
各キャップ(11)(12)はベア材からプレス、鍛造または切削などにより形成されたものであり、左右方向内面に第1および第2部材(8)(9)の左右両端部が嵌め入れられる凹所が形成されている。右側キャップ(12)には、冷媒入口ヘッダ室(13)に通じる冷媒流入口(12a)と、冷媒出口ヘッダ室(14)における分流制御補助板(25)よりも上方の部分に通じる冷媒流出口(12b)が形成されている。また、右側キャップ(12)に、冷媒流入口(12a)に通じる冷媒入口(27a)および冷媒流出口(12b)に通じる冷媒出口(27b)を有するアルミニウム製冷媒入出部材(27)がろう付されている。
そして、両部材(8)(9)が、第2部材(9)の突起(23a)が第1部材(8)の貫通穴(19)に挿通されてかしめられるとともに、第2部材(9)の凸条(21a)(25a)と第1部材(8)の立ち上がり壁(17)とが係合した状態で、第1部材(8)のろう材層を利用して相互にろう付され、さらに両キャップ(11)(12)がシート状ろう材を用いて第1および第2部材(8)(9)にろう付されることにより冷媒入出側タンク(2)が形成されており、第2部材(9)の仕切壁(23)よりも前側の空間が冷媒入口ヘッダ室(13)、同じく仕切壁(23)よりも後側の空間が冷媒出口ヘッダ室(14)となっている。また、冷媒出口ヘッダ室(14)が、分流制御補助板(25)により上下両空間(14a)(14b)に区画されており、これらの空間(25a)(25b)は冷媒通過穴(26)(26A)により連通させられている。
図4、図5および図7に示すように、冷媒ターン側タンク(3)は、少なくとも外面(上面)にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(4)が接続されたプレート状の第1部材(28)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(28)の下側を覆う第2部材(29)と、左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(31)とよりなり、前側に位置する冷媒流入側ヘッダ室(32)と後側に位置する冷媒流出側ヘッダ室(33)とを備えている。
冷媒ターン側タンク(3)は、頂面(3a)、前後両側面(3b)および底面(3c)を有しており、冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)は、前後方向の中央部が最高位部(34)となるとともに、最高位部(34)から前後両側に向かって徐々に低くなるように全体に横断面円弧状に形成されている。冷媒ターン側タンク(3)の前後両側部分に、頂面(3a)における最高位部(34)の前後両側から前後両側面(3b)まで伸びる溝(35)が、左右方向に間隔をおいて複数形成されている。各溝(35)の底面は平坦面である。各溝(35)における冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)に存在する第1部分(35a)の深さは、その全長にわたって等しくなっている。各溝(35)の第1部分(35a)の両側面はそれぞれ上方に向かって左右方向外方に傾斜しており、各溝(35)の第1部分(35a)の溝幅は、溝底から開口に向かって徐々に広がっている。また、各溝(35)の縦断面において、第1部分(35a)の底面の形状は、冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)の最高位部(34)側から前後方向外側に向かって下方に湾曲した円弧状となっている。
各溝(35)における冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)と前後両側面(3b)との連接部(3d)に存在する第2部分(35b)の底面は、前後方向外側に向かって下方に傾斜している。第2部分(35b)の底面は、第1部分(35a)の底面の端部に連なっている。各溝(35)における冷媒ターン側タンク(3)の前後両側面(3b)に存在する第3部分(35c)の底面は垂直となっている。各溝(35)の第3部分(35c)の幅は溝底から開口まで同一である。
第1部材(28)は、前後方向の中央部が上方に突出した横断面円弧状であり、その前後両側縁に垂下壁(28a)が全長にわたって一体に形成されている。そして、第1部材(28)の上面が冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)となり、垂下壁(28a)の外面が冷媒ターン側タンク(3)の前後両側面(3b)となっている。第1部材(28)の前後両側において、前後方向中央の最高位部(34)から垂下壁(28a)の下端にかけて溝(35)が形成されている。第1部材(28)の前後中央の最高位部(34)を除いた前後両側部分における隣接する溝(35)どうしの間に、それぞれ前後方向に長い管挿通穴(36)が形成されている。前後の管挿通穴(36)は左右方向に関して同一位置にある。第1部材(28)の前後方向中央の最高位部(34)に、複数の貫通穴(37)が左右方向に間隔をおいて形成されている。第1部材(28)は、アルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことによって、垂下壁(28a)、溝(35)、管挿通穴(36)および貫通穴(37)を同時に形成することによりつくられる。
第2部材(29)は上方に開口した横断面略w字状であり、前後方向外側に向かって上方に湾曲した左右方向に伸びる前後両壁(38)(39)と、冷媒ターン側タンク(3)内を前後2つの空間に仕切る垂直状の仕切壁(41)と、前後両壁(38)(39)および仕切壁(41)の下端どうしをそれぞれ一体に連結する2つの連結壁(42)とよりなる。そして、連結壁(42)外面が冷媒ターン側タンク(3)の底面(3c)となり、前後両壁(38)(39)の外面が前後両側面(3b)と底面(3c)との連接部(3e)となっている。前後両壁(38)(39)の上端面における前後方向内縁に、それぞれ上方に突出した凸条(38a)(39a)が全長にわたって一体に形成されている。
仕切壁(41)の上端は前後両壁(38)(39)の上端よりも上方に突出しており、その上縁に、上方に突出しかつ第1部材(28)の貫通穴(37)に嵌め入れられる複数の突起(41a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。また、仕切壁(41)の中央部よりも若干左側の部分における隣り合う突起(41a)間の部分には、それぞれその上縁から冷媒通過用切り欠き(41b)が形成されている。突起(41a)および切り欠き(41b)は、仕切壁(41)の所定部分を切除することにより形成されている。
各キャップ(31)はベア材からプレス、鍛造または切削などにより形成されたものであり、左右方向内面に第1および第2部材(28)(29)の左右両端部が嵌め入れられる凹所を有している。
そして、両部材(28)(29)が、第2部材(29)の突起(41a)が貫通穴(37)に挿通されてかしめられるとともに、第1部材(28)の垂下壁(28a)と第2部材(29)の凸条(38a)(39a)とが係合した状態で、第1部材(28)のろう材層を利用して相互にろう付され、さらに両キャップ(31)がシート状ろう材を用いて第1および第2部材(28)(29)にろう付されることにより冷媒ターン側タンク(3)が形成されている。第2部材(29)の仕切壁(41)の切り欠き(41b)の上端開口は第1部材(28)によって閉じられ、これにより冷媒通過穴(43)が形成されている。なお、冷媒通過穴(43)としては、仕切壁(41)に形成された切り欠き(41b)の上端開口を第1部材(28)によって閉じたものに代えて、仕切壁(41)に形成された貫通穴からなるものとすることができる。そして、第2部材(29)の仕切壁(41)が、冷媒通過穴(43)を有し、かつ冷媒ターン側タンク(3)を前側の冷媒流入側ヘッダ室(32)と、後側の冷媒流出側ヘッダ室(33)とを仕切る冷媒分流均一化部材としての分流制御板(44)となっている。
分流制御板(44)の左右両側部分に、それぞれ冷媒通過穴(43)の存在しない冷媒堰き止め部分(45A)(45B)が、分流制御板(44)の両端から所定長さにわたって設けられるとともに、両冷媒堰き止め部分(45A)(45B)間に1または2以上、ここでは2以上の冷媒通過穴(43)が形成された冷媒通過部分(46)が設けられている。右側の冷媒堰き止め部分(45B)の長さは左側の冷媒堰き止め部分(45A)の長さよりも長く、分流制御板(44)の全長の略半分となっている。各冷媒堰き止め部分(45A)(45B)の長さは、分流制御板(44)の全長の15%以上であり、冷媒通過部分(46)に形成されたすべての冷媒通過穴(43)の総面積が130〜510mmであることが好ましい。なお、各冷媒堰き止め部分(45A)(45B)の長さの上限は、分流制御板(44)の全長の78%であることが好ましい。また、冷媒通過部分(46)に形成された冷媒通過穴(43)の数と、各熱交換管群(5)の熱交換管(4)の数との比率である開口率は20〜75%であることが好ましい。各冷媒堰き止め部分(45A)(45B)の長さが分流制御板(44)の全長の15%未満であると、各熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒流通量の均一化を十分に行うことができないおそれがある。また、冷媒通過部分(46)に形成されたすべての冷媒通過穴(43)の総面積が130mm未満であると通路抵抗が大幅に増大して性能に悪影響を及ぼすおそれがあり、510mmを越えると分流制御機能が働かなくなるおそれがある。さらに、冷媒通過部分(46)に形成された冷媒通過穴(43)の数と、各熱交換管群(5)の熱交換管(4)の数との比率である開口率が20%未満であると通路抵抗が大幅に増大して性能に悪影響を及ぼすおそれがあり、75%を越えると分流制御機能が働かなくなるおそれがある。
前後の熱交換管群(5)を構成する熱交換管(4)はアルミニウム押出形材で形成されたベア材からなり、前後方向に幅広の偏平状で、その内部に長さ方向に伸びる複数の冷媒通路(4a)が並列状に形成されている。また、熱交換管(4)の前後両端壁は外方に突出した円弧状となっている。前側の熱交換管群(5)の熱交換管(4)と、後側の熱交換管群(5)の熱交換管(4)とは、左右方向の同一位置に来るように配置されており、熱交換管(4)の上端部は冷媒入出側タンク(2)の第1部材(8)の管挿通穴(16)に挿通されて第1部材(8)のろう材層を利用して第1部材(8)にろう付され、同じく下端部は冷媒ターン側タンク(3)の第1部材(28)の管挿通穴(36)に挿通されて第1部材(28)のろう材層を利用して第1部材(28)にろう付されている。
ここで、熱交換管(4)の左右方向の厚みである管高さは0.75〜1.5mm、前後方向の幅である管幅は12〜18mm、周壁の肉厚は0.175〜0.275mm、冷媒通路(4a)どうしを仕切る仕切壁の厚さは0.175〜0.275mm、仕切壁のピッチは0.5〜3.0mm、前後両端壁の外面の曲率半径は0.35〜0.75mmであることが好ましい。
なお、熱交換管(4)としては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、アルミニウム製電縫管の内部にインナーフィンを挿入することにより複数の冷媒通路を形成したものを用いてもよい。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より***状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ***状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成したものを用いてもよい。この場合、コルゲートフィンはベア材からなるものを用いる。
コルゲートフィン(6)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものであり、その波頭部と波底部を連結する連結部に、前後方向に並列状に複数のルーバ(6a)が形成されている。コルゲートフィン(6)は前後両熱交換管群(5)に共有されており、その前後方向の幅は前側熱交換管群(5)の熱交換管(4)の前側縁と後側熱交換管群(5)の熱交換管(4)の後側縁との間隔をほぼ等しくなっている。ここで、コルゲートフィン(6)のフィン高さである波頭部と波底部との直線距離は7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチである連結部のピッチは1.3〜1.8mmであることが好ましい。
エバポレータ(1)は、各構成部材を組み合わせて仮止めし、すべての構成部材を一括してろう付することにより製造される。
エバポレータ(1)は、圧縮機およびコンデンサとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したエバポレータ(1)において、図8に示すように、圧縮機、コンデンサおよび減圧手段を通過した気液混相の2層冷媒が冷媒入出部材(27)の冷媒入口(27a)および右側キャップ(12)の冷媒流入口(12a)を通って冷媒入出側タンク(2)の冷媒入口ヘッダ室(13)内に入る。
冷媒入口ヘッダ室(13)内に送り込まれた冷媒は、前側熱交換管群(5)の左右両端寄りの熱交換管(4)内に流入しやすくなるが、冷媒ターン側タンク(3)の分流制御板(44)の両端部に冷媒堰き止め部分(45A)(45B)が設けられているために、左右両端寄りの熱交換管(4)内を流れる冷媒に抵抗が付与されることになり、熱交換管(4)に均一に分流して冷媒通路(4a)内に流入し、冷媒通路(4a)内を下方に流れて冷媒ターン側タンク(3)の冷媒流入側ヘッダ室(32)内に入る。
ついで、冷媒は冷媒通過部分(46)の冷媒通過穴(43)を通って冷媒流出側ヘッダ室(33)内に入り、分流して後側熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(4a)内を上方に流れて冷媒入出側タンク(2)の冷媒出口ヘッダ室(14)の下部空間(14b)内に入る。ここで、分流制御補助板(25)によっても冷媒の流れに抵抗が付与されるので、冷媒流出側ヘッダ室(33)から後側熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)への分流が均一化されるとともに、冷媒入口ヘッダ室(13)から前側熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)への分流も一層均一化される。その結果、両熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒流通量が均一化される。
ついで、冷媒は分流制御補助板(25)の冷媒通過穴(26)(26A)を通って冷媒出口ヘッダ室(14)の上部空間(14a)内に入り、キャップ(12)の冷媒流出口(12a)および冷媒入出部材(27)の冷媒出口(27b)を通って流出する。そして、冷媒が前側熱交換管群(5)の熱交換管(4)の冷媒通路(4a)、および後側熱交換管群(5)の熱交換管(4)の冷媒通路(4a)を流れる間に、通風間隙を図1に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換をし、気相となって流出する。
このとき、コルゲートフィン(6)の表面に凝縮水が発生し、この凝縮水が冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)に流下する。冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)に流下した凝縮水は、キャピラリ効果により溝(35)の第1部分(35a)内に入り、溝(35)内を流れて第3部分(35c)の下端から冷媒ターン側タンク(3)の下方へ落下する。こうして、冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)とコルゲートフィン(6)の下端との間に多くの凝縮水が溜まることに起因する凝縮水の氷結が防止され、その結果エバポレータ(1)の性能低下が防止される。
上記第1の実施形態において、冷媒通過穴(43)を有し、かつ冷媒ターン側タンク(3)を前側の冷媒流入側ヘッダ室(32)と、後側の冷媒流出側ヘッダ室(33)とに仕切る分流制御板(44)が、冷媒入口ヘッダ室(13)に連通する前側熱交換管群(5)を構成する熱交換管(4)への冷媒の分流を均一化する冷媒分流均一化部材となっているが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図9はこの発明を適用したエバポレータの第2の実施形態を示す。
図9に示す実施形態の場合、冷媒ターン側タンク(3)内の分流制御板(44)の左右方向の中央部に冷媒通過部分(46)が設けられ、その左右両側にそれぞれ長さのほぼ等しい冷媒堰き止め部分(45A)(45B)が設けられている。各冷媒堰き止め部分(45A)(45B)の長さの分流制御板(44)の全長に対する比率、冷媒通過部分(46)に形成されたすべての冷媒通過穴(43)の総面積、および冷媒通過部分(46)に形成された冷媒通過穴(43)の数と、各熱交換管群(5)の熱交換管(4)の数との比率である開口率については、上記第1の実施形態と同じである。また、冷媒入出側タンク(2)の分流制御補助板(25)には、分流制御板(44)の各冷媒堰き止め部分(45A)(45B)と対応する部分に、左右方向に長い複数の冷媒通過穴(50)が左右方向に間隔をおいて形成されている。すべての冷媒通過穴(50)の長さは等しくなっている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
第2の実施形態の場合も、冷媒がエバポレータを流れる際に、各熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒流通量が均一化される。
図10はこの発明を適用したエバポレータの第3の実施形態を示す。
図10に示す実施形態の場合、冷媒ターン側タンク(3)内の分流制御板(44)の左右方向の中央部よりも左側寄りの部分に上記第1の実施形態の場合よりも若干長い冷媒通過部分(46)が設けられ、その左右両側に冷媒堰き止め部分(45A)(45B)が設けられている。右側の冷媒堰き止め部分(45B)の長さは左側の冷媒堰き止め部分(45A)の長さよりも長く、分流制御板(44)の全長の略半分となっている。また、左側の冷媒堰き止め部分(45A)の長さは、上記第1の実施形態の場合よりも短くなっている。各冷媒堰き止め部分(45A)(45B)の長さの分流制御板(44)の全長に対する比率、冷媒通過部分(46)に形成されたすべての冷媒通過穴(43)の総面積、および冷媒通過部分(46)に形成された冷媒通過穴(43)の数と、各熱交換管群(5)の熱交換管(4)の数との比率である開口率については、上記第1の実施形態と同じである。また、冷媒入出側タンク(3)の分流制御補助板(25)には、分流制御板(44)の左側の冷媒堰き止め部分(45A)と対応する部分に左右方向に長い1つの冷媒通過穴(51)が形成され、右側の冷媒堰き止め部分(45B)と対応する部分に左右方向に長い複数の冷媒通過穴(51)が左右方向に間隔をおいて形成されている。すべての冷媒通過穴(51)の長さは等しくなっている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
第3の実施形態の場合も、冷媒がエバポレータを流れる際に、各熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒流通量が均一化される。
図11はこの発明を適用したエバポレータの第4の実施形態を示す。
図11に示す実施形態の場合、冷媒ターン側タンク(3)内の分流制御板(44)の両冷媒堰き止め部分(45A)(45B)のうちの少なくともいずれか一方、ここでは両方にそれぞれ補助冷媒通過穴(60)が形成されている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。なお、第2および第3の実施形態においても、両冷媒堰き止め部分(45A)(45B)のうちの少なくともいずれか一方に補助冷媒通過穴が形成されていてもよい。
第4の実施形態の場合も、冷媒がエバポレータを流れる際に、各熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒流通量が均一化される。
図12はこの発明を適用したエバポレータの第5の実施形態を示す。
図12に示す実施形態の場合、エバポレータ(61)の冷媒入出側タンク(2)および冷媒ターン側タンク(3)は、それぞれ第1の実施形態の場合よりも右方に延長されており、この延長部分(2A)(3A)間にも左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数のアルミニウム製熱交換管(4)からなる前後2列の熱交換管群(5)が配置され、前後の熱交換管群(5)の熱交換管(4)の上下両端部は、冷媒入出側タンク(2)の延長部分(2A)における仕切壁(23)の前後両側部分と、冷媒ターン側タンク(3)の延長部分(3A)における仕切壁(41)の前後両側部分とにそれぞれ接続されている。
冷媒入出側タンク(2)の冷媒出口ヘッダ室(14)には分流制御補助板は設けられていない。また、冷媒入出側タンク(2)の延長部分(2A)の右端開口は、冷媒流入口および冷媒流出口を持たないキャップ(図示略)により閉鎖されている。冷媒ターン側タンク(3)の両ヘッダ室(32)(33)は、これらの延長部分(32A)(33A)との間で仕切板(62)により仕切られている。冷媒ターン側タンク(3)の延長部分(3A)の右端開口は、冷媒流入口および冷媒流出口を有するキャップ(図示略)により閉鎖されており、このキャップに、冷媒流入口に通じる冷媒入口および冷媒流出口に通じる冷媒出口を有する冷媒入出部材(図示略)がろう付されている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。なお、第1〜第4の実施形態においても、第5の実施形態のようにすることが可能である。
このエバポレータ(61)において、圧縮機、コンデンサおよび減圧手段を通過した気液混相の2層冷媒が冷媒入出部材の冷媒入口およびキャップの冷媒流入口を通って冷媒ターン側タンク(3)の冷媒流入側ヘッダ室(32)の延長部分(32A)内に入る。
延長部分(32A)内に送り込まれた冷媒は、延長部分(3A)に接続された前側熱交換管群(5)の熱交換管(4)の冷媒通路(4a)を通って上方に流れ、冷媒入口ヘッダ室(13)内に流入して冷媒入口ヘッダ室(13)内を左方に流れる。その後は第1の実施形態の場合と同様に、前側熱交換管群(5)の熱交換管(4)に均一に分流して冷媒通路(4a)内に流入し、冷媒通路(4a)内を下方に流れて冷媒ターン側タンク(3)の冷媒流入側ヘッダ室(32)内に入る。
ついで、冷媒は冷媒通過部分(46)の冷媒通過穴(43)を通って冷媒流出側ヘッダ室(33)内に入り、分流して後側熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(4a)内を上方に流れて冷媒入出側タンク(2)の冷媒出口ヘッダ室(14)内に入る。ついで、冷媒は、冷媒出口ヘッダ室(14)を右方に流れ、延長部分(2A)に接続された後側熱交換管群(5)の熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に入り、冷媒通路(4a)内を下方に流れて冷媒ターン側タンク(3)の冷媒流出側ヘッダ室(33)の延長部分(33A)に流入し、キャップの冷媒流出口および冷媒入出部材の冷媒出口を通って流出する。
第5の実施形態の場合も、冷媒がエバポレータを流れる際に、各熱交換管群(5)のすべての熱交換管(4)の冷媒流通量が均一化される。
図13はこの発明を適用したエバポレータの第6の実施形態を示す。
図13に示す実施形態の場合、分流制御板(44)に形成された冷媒通過穴(43)と、熱交換管(4)とは、左右方向にずれている。すなわち、冷媒通過穴(43)は隣り合う2本の熱交換管(4)間に位置している。その他の構成は第1の実施形態と同じである。なお、第2〜第5の実施形態においても、第6の実施形態のようにすることが可能である。
上記すべての実施形態においては、両タンク(2)(3)の前後両側部分間にそれぞれ1つの熱交換管群(5)が設けられているが、これに限るものではなく、両タンク(2)(3)の前後両側部分間にそれぞれ1または2以上の熱交換管群(5)が設けられていてもよい。また、上記すべての実施形態においては、最高位部(34)が冷媒ターン側タンク(3)の前後方向の中央部に位置しているが、これに限るものではなく、冷媒ターン側タンク(3)の前後方向の中央部から外れた位置にあってもよい。この場合も、最高位部の前後両側にそれぞれ1または2以上の熱交換管群が設けられる。さらに、上記すべての実施形態においては、冷媒入出側タンク(2)が上、冷媒ターン側タンク(3)が下となっているが、これとは逆に、冷媒入出側タンク(2)が下、冷媒ターン側タンク(3)が上にくるように用いられる場合がある。
この発明によるエバポレータの全体構成を示す斜視図である。 同じく後方から見た一部省略垂直断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 冷媒入出側タンクの分解斜視図である。 冷媒ターン側タンクの分解斜視図である。 図1のエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す図である。 この発明によるエバポレータの第2の実施形態を示す図8に相当する図である。 この発明によるエバポレータの第3の実施形態を示す図8に相当する図である。 この発明によるエバポレータの第4の実施形態を示す図8に相当する図である。 この発明によるエバポレータの第5の実施形態を示す図8に相当する図である。 この発明によるエバポレータの第6の実施形態を示す図2に相当する図である。
(1)(61):エバポレータ
(2):冷媒入出側タンク
(3):冷媒ターン側タンク
(4):熱交換管
(5):熱交換管群
(6):コルゲートフィン
(8):第1部材
(9):第2部材
(13):冷媒入口ヘッダ室
(14):冷媒出口ヘッダ室
(27):冷媒入出部材
(27a):冷媒入口
(27b):冷媒出口
(28):第1部材
(29):第2部材
(32):冷媒流入側ヘッダ室
(33):冷媒流出側ヘッダ室
(43):冷媒通過穴
(44):分流制御板(冷媒分流均一化部材)
(45A)(45B):冷媒堰き止め部分
(46):冷媒通過部分

Claims (15)

  1. 互いに間隔をおいて配置された冷媒入出側タンクと冷媒ターン側タンクとの間に、両タンクの長さ方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が、通風方向に間隔をおいて複数列設けられ、各熱交換管群の熱交換管の両端部がそれぞれ両タンクに接続され、冷媒入出側タンク内が、仕切壁により通風方向に並んだ冷媒入口ヘッダ室と冷媒出口ヘッダ室とに区画され、両ヘッダ室内にそれぞれ少なくとも1列の熱交換管群の熱交換管が連通させられ、冷媒入出側タンクの冷媒入口ヘッダ室に流入した冷媒が、熱交換管を通って冷媒ターン側タンクに流入し、ここで流れ方向を変えて熱交換管を通って冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室に流入するようになされた熱交換器において、
    冷媒ターン側タンク内に、冷媒入口ヘッダ室から冷媒入口ヘッダ室に連通するすべての熱交換管への冷媒の分流を均一化する冷媒分流均一化部材が設けられており、冷媒分流均一化部材が、冷媒ターン側タンク内を通風方向に2つの空間に区画する分流制御板からなり、前記両空間が分流制御板に形成された冷媒通過穴を介して相互に連通させられ、分流制御板の両端部にそれぞれ冷媒堰き止め部分が設けられるとともに、両冷媒堰き止め部分間に1または2以上の冷媒通過穴を有する冷媒通過部分が設けられ、冷媒入口ヘッダ室内に連通した熱交換管が冷媒ターン側タンク内の一方の空間に連通するとともに、冷媒出口ヘッダ室内に連通した熱交換管が冷媒ターン側タンク内の他方の空間に連通している熱交換器。
  2. 分流制御板に形成された冷媒通過穴を通過する冷媒の流れが、風の流れに対して対向流となる請求項1記載の熱交換器。
  3. 分流制御板の各冷媒堰き止め部分の長さが、分流制御板の全長の15%以上であり、冷媒通過部分に形成されたすべての冷媒通過穴の総面積が130〜510mm である請求項1または2記載の熱交換器。
  4. 分流制御板の各冷媒堰き止め部分の長さが、分流制御板の全長の15%以上であり、冷媒通過部分に形成された冷媒通過穴の数と、各熱交換管群の熱交換管の数との比率である開口率が20〜75%である請求項1または2記載の熱交換器。
  5. 分流制御板の各冷媒堰き止め部分の長さが、分流制御板の全長の15%以上であり、冷媒通過部分に形成されたすべての冷媒通過穴の総面積が130〜510mm であり、冷媒通過部分に形成された冷媒通過穴の数と、各熱交換管群の熱交換管の数との比率である開口率が20〜75%である請求項1または2記載の熱交換器。
  6. 冷媒ターン側タンクが、熱交換管が接続されたアルミニウム製の第1部材と、第1部材における熱交換管とは反対側の部分にろう付されたアルミニウム押出形材製の第2部材とよりなり、分流制御板が第2部材に一体に形成されている請求項1〜5のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  7. 第1部材が少なくとも片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートよりなる請求項6記載の熱交換器。
  8. 冷媒入出側タンクの冷媒出口ヘッダ室内が、分流制御補助板によって熱交換管が臨む第1の空間と冷媒が流出する第2の空間とに区画され、前記両空間が相互に連通させられている請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  9. 分流制御補助板に1または2以上の冷媒通過穴が形成され、前記2つの空間が冷媒通過穴によって連通させられている請求項8記載の熱交換器。
  10. 冷媒入出側タンクが、熱交換管が接続されたアルミニウム製の第1部材と、第1部材における熱交換管とは反対側の部分にろう付されたアルミニウム押出形材製の第2部材とよりなり、仕切壁および分流制御補助板が第2部材に一体に形成されている請求項8または9記載の熱交換器。
  11. 第1部材が少なくとも片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートよりなる請求項10記載の熱交換器。
  12. 冷媒入出側タンクの一端部に、冷媒入口ヘッダ室に連通する冷媒入口および冷媒出口ヘッダ室の第2の空間に連通する冷媒出口が設けられている請求項8〜11のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  13. 各熱交換管群が、7本以上の熱交換管からなる請求項1〜12のうちのいずれかに記載の熱交換器。
  14. 圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、エバポレータが、請求項1〜13のうちのいずれかに記載の熱交換器からなる冷凍サイクル
  15. 請求項14記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両
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