JP2006170601A - エバポレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィンの表面に発生した凝縮水の排水性に優れたエバポレータを提供する。
【解決手段】 エバポレータ1は、幅方向が前後方向を向くように左右方向に間隔をおいて配置された複数の偏平状熱交換管12と、隣り合う熱交換管12どうしの間に配置されたコルゲートフィン14とを備えている。コルゲートフィン14の前後両側縁部のうち少なくとも前側縁部を、熱交換管12よりも前後方向外方に突出させる。コルゲートフィン14の熱交換管12からの突出量をXmm、熱交換管12の管高さである左右方向の厚みをYmmとした場合、0.11Y≦X≦1.0Yの関係を満足させる。
【選択図】 図8

Description

この発明は、たとえば自動車の冷凍サイクルであるカーエアコンに組み込まれるエバポレータに関する。
この明細書および特許請求の範囲において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1、図3および図6に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。また、後方から前方を見た際の上下、左右(図2の上下、左右)を上下、左右というものとする。
従来、カーエアコン用エバポレータとして、1対の皿状プレートを対向させて周縁部どうしをろう付してなる複数の偏平中空体が並列状に配置され、隣接する偏平中空体間にルーバ付きコルゲートフィンが配置されて偏平中空体にろう付された、所謂積層型エバポレータが広く用いられていた。ところが、近年、エバポレータのさらなる小型軽量化および高性能化が要求されるようになってきた。
そして、このような要求を満たすエバポレータとして、本出願人は、先に、間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が前後方向に並んで2列配置されるとともに、ルーバ付きコルゲートフィンが隣接する熱交換管間に配置されることにより構成された熱交換コア部と、熱交換コア部の上端側に配置された冷媒入出用タンクと、熱交換コア部の下端側に配置された冷媒ターン用タンクとを備えており、冷媒入出用タンク内が仕切壁により前側に位置する冷媒入口ヘッダ部と後側に位置する冷媒出口ヘッダ部とに区画され、冷媒入口ヘッダ部の一端部に冷媒入口が形成されるとともに、冷媒出口ヘッダ部における冷媒入口と同一端部に冷媒出口が形成され、冷媒ターン用タンク内が仕切壁により前側に位置する冷媒流入ヘッダ部と後側に位置する冷媒流出ヘッダ部とに仕切られ、冷媒ターン用タンクの仕切壁に長さ方向に間隔をおいて複数の冷媒通過穴が形成され、前側の熱交換管群の熱交換管の上端部が冷媒入口ヘッダ部に、後側の熱交換管群の熱交換管の上端部が冷媒出口ヘッダ部にそれぞれ接続され、前側の熱交換管群の熱交換管の下端部が冷媒流入ヘッダ部に、後側の熱交換管群の熱交換管の下端部が冷媒流出ヘッダ部にそれぞれ接続され、冷媒入出用タンクの冷媒入口ヘッダ部に流入した冷媒が、前側の熱交換管群の熱交換管を通って冷媒ターン用タンクの冷媒流入ヘッダ部内に流入し、ついで仕切壁の冷媒通過穴を通って冷媒流出ヘッダ部内に流入し、さらに後側の熱交換管群の熱交換管を通って冷媒入出用タンクの冷媒出口ヘッダ部に流入するようになされているエバポレータを提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載のエバポレータにおいては、小型軽量化および高性能化が図られているので、従来の積層型エバポレータに比較してコルゲートフィンの表面に多くの凝縮水が発生し、エバポレータの単位体積あたりの凝縮水量が多くなり、その結果凝縮水が飛散したり、あるいは凝縮水がコルゲートフィンの表面で氷結して熱交換性能が低下したりするおそれがある。ところで、エバポレータにおいては、フィン表面に発生した凝縮水は通常、隣り合うルーバ間の間隙を通って落下するようになっており、排水性を高めるにはルーバの長さを長くすればよい。ところが、特許文献1のエバポレータのように、小型軽量化を図るためには、隣接する熱交換管の間隔も小さくする必要があるので、ルーバ長さを長くすることにも限界がある。
特開2003−75024号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、フィンの表面に発生した凝縮水の排水性に優れたエバポレータを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
1)幅方向が前後方向を向くように左右方向に間隔をおいて配置された複数の偏平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたフィンとを備えたエバポレータにおいて、
フィンの前後両側縁部のうち少なくとも前側縁部が熱交換管よりも前方に突出しているエバポレータ。
2)フィンの前側縁部のみが、熱交換管よりも前方に突出している上記1)記載のエバポレータ。
3)フィンの熱交換管からの突出量をXmm、熱交換管の管高さである左右方向の厚みをYmmとした場合、0.11Y≦X≦1.0Yの関係を満たす上記1)または2)記載のエバポレータ。
4)フィンの熱交換管からの突出量をXmm、熱交換管の管高さである左右方向の厚みをYmmとした場合、0.3Y≦X≦0.8Yの関係を満たす上記1)または2)記載のエバポレータ。
5)フィンが突出した側の熱交換管の端面が、横断面において管高さ方向の中央部が外方に突出した部分円筒面である上記1)〜4)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
6)フィンが突出した側の熱交換管の端面が、左右両側面と直角をなす平坦面である上記1)〜4)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
7)熱交換管におけるフィンが突出した側の端面と、左右両側面との連接部に丸みが付けられている上記6)記載のエバポレータ。
8)フィンが、波頂部、波底部および波頂部と波底部とを結ぶ連結部とよりなるとともに、連結部に複数のルーバが通風方向に並んで形成されているコルゲートフィンからなり、フィンが突出した側の端部に位置するルーバが、熱交換管におけるフィンが突出した側の端よりも前後方向内側に位置している上記1)〜7)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
9)フィンが突出した側の端部に位置するルーバと、熱交換管におけるフィンが突出した側の端との距離が1mm以下である上記8)記載のエバポレータ。
10)フィン高さである波頂部と波底部との直線距離が7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチである連結部のピッチが1.3〜1.8mmである上記8)または9)記載のエバポレータ。
11)コルゲートフィンの波頂部および波底部が、平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部に連なったアール状部分とよりなり、アール状部分の曲率半径が0.7mm以下である上記8)〜10)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
12)熱交換管の厚みである管高さが0.75〜1.5mmである上記1)〜11)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
13)左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなり、かつ前後方向に並んで複数列設けられた熱交換管群を備えており、フィンが、すべての熱交換管群に跨るように、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されている上記1)〜12)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
14)熱交換管の一端側における前側に配置され、かつ少なくとも1列の熱交換管群が接続された冷媒入口ヘッダ部と、熱交換管の一端側において冷媒入口ヘッダ部の後側に配置され、かつ残りの熱交換管群が接続された冷媒出口ヘッダ部と、熱交換管の他端側に配置され、かつ冷媒入口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第1の中間ヘッダ部と、熱交換管の他端側において第1の中間ヘッダ部の後側に配置され、かつ冷媒出口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第2の中間ヘッダ部とを備えており、両中間ヘッダ部どうしが相互に連通させられている上記13)記載のエバポレータ。
15)冷媒入口ヘッダ部と冷媒出口ヘッダ部、および2つの中間ヘッダ部が、それぞれ1つのタンク内を仕切手段により前後方向に区画することにより形成されている上記14)記載のエバポレータ。
16)圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、エバポレータが、上記1)〜15)のうちのいずれかに記載のエバポレータからなる冷凍サイクル。
17)上記16)記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両。
上記1)、2)および5)〜7)のエバポレータによれば、フィンの前後両側縁部のうち少なくともいずれか一方が、熱交換管よりも前後方向外方に突出しているので、熱交換管におけるフィンの突出した側の端面の左右両側縁部と、フィンの突出した部分との間に入り隅部分が形成されることになり、フィンの表面に発生した凝縮水は、表面張力により上記入り隅部分に引き寄せられるように流れ、その後上記入り隅部分および熱交換管の端面を伝って下方に流れ落ちる。したがって、フィン表面に発生した凝縮水の排水性が向上し、凝縮水の飛散や、凝縮水の氷結による熱交換性能の低下が防止される。特に、フィン表面に発生した凝縮水は、隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる風により通風方向下流側、すなわち前側に流れやすくなっているので、上記2)のエバポレータの場合に効果的である。
上記3)および4)のエバポレータによれば、フィン表面に発生した凝縮水の排水性が確実に向上し、上記4)のエバポレータによれば凝縮水の排水性は一層優れたものになる。
上記8)のエバポレータによれば、フィンが突出した側の端部に位置するルーバが、熱交換管におけるフィンが突出した側の端よりも前後方向内側に位置しているので、フィンの表面に発生した凝縮水は、表面張力により上記入り隅部分にスムーズに引き寄せられることになり、排水性が向上する。すなわち、コルゲートフィンの連結部上面に発生した凝縮水は、隣り合うルーバ間の間隙を通って連結部下面を経て熱交換管の表面に至り、熱交換管の表面とコルゲートフィンの接合部に沿って表面張力により上記入り隅部分にスムーズに引き寄せられる。フィンが突出した側の端部に位置するルーバが熱交換管の端面よりも前後方向外側に位置していると、このルーバの部分には凝縮水が滞留するおそれがある。
上記9)のエバポレータによれば、上記8)の効果が最も優れたものになる。
上記10)のエバポレータによれば、通気抵抗の増大を抑制しつつ熱交換性能を向上させ、両者のバランスを良好にすることができる。
上記11)のエバポレータによれば、通気抵抗の増大を抑制しつつ熱交換性能を向上させ、両者のバランスを良好にすることができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1および図2はこの発明によるカーエアコン用エバポレータの全体構成を示し、図3〜図8は要部の構成を示す。
図1および図2において、フロン系冷媒を使用するカーエアコンに用いられるエバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製冷媒入出用タンク(2)およびアルミニウム製冷媒ターン用タンク(3)と、両タンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
冷媒入出用タンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置する冷媒入口ヘッダ部(5)と後側(通風方向上流側)に位置する冷媒出口ヘッダ部(6)とを備えている。冷媒入出用タンク(2)の冷媒入口ヘッダ部(5)にアルミニウム製冷媒入口管(7)が接続され、同じく冷媒出口ヘッダ部(6)にアルミニウム製冷媒出口管(8)が接続されている。冷媒ターン用タンク(3)は、前側に位置する冷媒流入ヘッダ部(9)(第1の中間ヘッダ部)と後側に位置する冷媒流出ヘッダ部(11)(第2の中間ヘッダ部)とを備えている。
熱交換コア部(4)は、左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管(12)からなる熱交換管群(13)が、前後方向に並んで複数列、ここでは2列配置されることにより構成されている。各熱交換管群(13)の隣接する熱交換管(12)どうしの間の通風間隙、および各熱交換管群(13)の左右両端の熱交換管(12)の外側にはそれぞれコルゲートフィン(14)が配置されて熱交換管(12)にろう付されている。左右両端のコルゲートフィン(14)の外側にはそれぞれアルミニウム製サイドプレート(15)が配置されてコルゲートフィン(14)にろう付されている。そして、前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の上下両端は冷媒入口ヘッダ部(5)および冷媒流入ヘッダ部(9)に接続され、往き側冷媒流通部となっている。後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の上下両端部は冷媒出口ヘッダ部(6)および冷媒流出ヘッダ部(11)に接続され、戻り側冷媒流通部となっている。
図3および図4に示すように、冷媒入出用タンク(2)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(12)が接続されたプレート状の第1部材(16)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(16)の上側を覆う第2部材(17)と、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ両部材(16)(17)の両端に接合されて左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(18)(19)とよりなり、右側キャップ(19)の外面に、冷媒入口ヘッダ部(5)および冷媒出口ヘッダ部(6)に跨るように、前後方向に長いアルミニウム製のパイプジョイントプレート(21)がろう付されている。パイプジョイントプレート(21)に、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)が接続されている。
第1部材(16)は、その前後両側部分に、それぞれ中央部が下方に突出した曲率の小さい横断面円弧状の湾曲部(22)を有している。各湾曲部(22)に、前後方向に長い複数の管挿通穴(23)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前後両湾曲部(22)の管挿通穴(23)は、それぞれ左右方向に関して同一位置にある。前側湾曲部(22)の前縁および後側湾曲部(22)の後縁に、それぞれ立ち上がり壁(22a)が全長にわたって一体に形成されている。また、第1部材(16)の両湾曲部(22)間の平坦部(24)に、複数の貫通穴(25)が左右方向に間隔をおいて形成されている。
第2部材(17)は下方に開口した横断面略m字状であり、左右方向に伸びる前後両壁(26)と、前後両壁(26)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒入出用タンク(2)内を前後2つの空間に区画する仕切手段としての仕切壁(27)と、前後両壁(26)および仕切壁(27)の上端どうしをそれぞれ一体に連結する上方に突出した2つの略円弧状連結壁(28)とを備えている。第2部材(17)の後壁(26)の下端部と仕切壁(27)の下端部とは、分流用抵抗板(29)により全長にわたって一体に連結されている。分流用抵抗板(29)の後側部分における左右両端部を除いた部分には、左右方向に長い複数の冷媒通過穴(31A)(31B)が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成されている。仕切壁(27)の下端は前後両壁(26)の下端よりも下方に突出しており、その下縁に、下方に突出しかつ第1部材(16)の貫通穴(25)に嵌め入れられる複数の突起(27a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。突起(27a)は、仕切壁(27)の所定部分を切除することにより形成されている。
左側キャップ(18)の前側には、冷媒入口ヘッダ部(5)内に嵌め入れられる右方突出部(32)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒出口ヘッダ部(6)の分流用抵抗板(29)よりも上側の空間(6a)内に嵌め入れられる上側右方突出部(33)と分流用抵抗板(29)よりも下側の空間(6b)内に嵌め入れられる下側右方突出部(34)とが上下に間隔をおいて一体に形成されている。また、左側キャップ(18)の前後両側縁と上縁との間の円弧状部に、右方に突出した係合爪(35)がそれぞれ一体に形成されている。さらに、左側キャップ(18)の下縁の前側部分および後側部分にそれぞれ右方に突出した係合爪(36)が一体に形成されている。右側キャップ(19)は左側キャップ(18)と左右対称形であり、冷媒入口ヘッダ部(5)内に嵌め入れられる左方突出部(37)、冷媒出口ヘッダ部(6)の分流用抵抗板(29)よりも上側の空間(6a)内に嵌め入れられる上側左方突出部(38)と分流用抵抗板(29)よりも下側の空間(6b)内に嵌め入れられる下側左方突出部(39)、および上下の係合爪(41)(42)が一体に形成されている。右側キャップ(19)の前側の左方突出部(37)の底壁に冷媒入口(43)が形成され、同じく後側の上側左方突出部(38)の底壁に冷媒出口(44)が形成されている。
パイプジョイントプレート(21)は、右側キャップ(19)の冷媒入口(43)に通じる短円筒状冷媒流入口(45)と、同じく冷媒出口(44)に通じる短円筒状冷媒流出口(46)とが一体に形成されている。冷媒流入口(45)の外径は冷媒流出口(46)の外径よりも小さくなっている。パイプジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)に、冷媒入口管(7)の一端部に形成された縮径部が差し込まれてろう付され、同じく冷媒流出口(46)に、冷媒出口管(8)の一端部に形成された縮径部が差し込まれてろう付されている。図示は省略したが、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)の他端部には、両管(7)(8)に跨るように膨張弁取付部材が接合されている。
冷媒入出用タンク(2)の第1および第2部材(16)(17)と、両キャップ(18)(19)と、パイプジョイントプレート(21)とは次のようにしてろう付されている。すなわち、第1および第2部材(16)(17)は、第2部材(17)の突起(27a)が第1部材(16)の貫通穴(25)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(16)の前後の立ち上がり壁(22a)の上端部が第2部材(17)の前後両壁(26)の下端部に係合させられた状態で、第1部材(16)のろう材層を利用して相互にろう付されている。両キャップ(18)(19)は、前側の突出部(32)(37)が両部材(16)(17)における仕切壁(27)よりも前側の空間内に、後側の上突出部(33)(38)が両部材(16)(17)における仕切壁(27)よりも後側でかつ分流用抵抗板(29)よりも上側の空間内に、および後側の下突出部(34)(39)が仕切壁(27)よりも後側でかつ分流用抵抗板(29)よりも下側の空間内にそれぞれ嵌め入れられ、上側の係合爪(35)(41)が第2部材(17)の連結壁(28)に係合させられ、下側の係合爪(36)(42)が第1部材(16)の湾曲部(22)に係合させられた状態で、両キャップ(18)(19)のろう材層を利用して第1および第2部材(16)(17)にろう付されている。パイプジョイントプレート(21)は、右側キャップ(19)のろう材層を利用して右側キャップ(19)にろう付されている。こうして、冷媒入出用タンク(2)が形成されており、第2部材(17)の仕切壁(27)よりも前側が冷媒入口ヘッダ部(5)、同じく仕切壁(27)よりも後側が冷媒出口ヘッダ部(6)となっている。また、冷媒出口ヘッダ部(6)は分流用抵抗板(29)により上下両空間(6a)(6b)に区画されており、これらの空間(6a)(6b)は冷媒通過穴(31A)(31B)により連通させられている。右側キャップ(19)の冷媒出口(44)は冷媒出口ヘッダ部(6)の上部空間(6a)内に通じている。さらに、パイプジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)が冷媒入口(43)に、冷媒流出口(46)が冷媒出口(44)にそれぞれ連通させられている。
図3および図5に示すように、冷媒ターン用タンク(3)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(12)が接続されたプレート状の第1部材(48)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(48)の下側を覆う第2部材(49)と、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(51)とよりなる。
冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)は、前後方向の中央部が最高位部(52)となるとともに、最高位部(52)から前後両側に向かって徐々に低くなるように全体に横断面円弧状に形成されている。冷媒ターン用タンク(3)の前後両側部分に、頂面(3a)における最高位部(52)の前後両側から前後両側面(3b)まで伸びる溝(53)が、左右方向に間隔をおいて複数形成されている。
第1部材(48)は、前後方向の中央部が上方に突出した横断面円弧状であり、その前後両側縁に垂下壁(48a)が全長にわたって一体に形成されている。そして、第1部材(48)の上面が冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)となり、垂下壁(48a)の外面が冷媒ターン用タンク(3)の前後両側面(3b)となっている。第1部材(48)の前後両側において、前後方向中央の最高位部(52)から垂下壁(48a)の下端にかけて溝(53)が形成されている。第1部材(48)の最高位部(52)を除いた前後両側部分における隣接する溝(53)どうしの間に、それぞれ前後方向に長い管挿通穴(54)が形成されている。前後の管挿通穴(54)は左右方向に関して同一位置にある。第1部材(48)の最高位部(52)に、複数の貫通穴(55)が左右方向に間隔をおいて形成されている。第1部材(48)は、アルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことによって、垂下壁(48a)、溝(53)、管挿通穴(54)および貫通穴(55)を同時に形成することによりつくられる。
第2部材(49)は上方に開口した横断面略w字状であり、前後方向外側に向かって上方に湾曲した左右方向に伸びる前後両壁(56)と、前後両壁(56)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒ターン用タンク(3)内を前後2つの空間に区画する仕切手段としての垂直状仕切壁(57)と、前後両壁(56)および仕切壁(57)の下端どうしをそれぞれ一体に連結する2つの連結壁(58)とを備えている。仕切壁(57)の上端は前後両壁(56)の上端よりも上方に突出しており、その上縁に、上方に突出しかつ第1部材(48)の貫通穴(55)に嵌め入れられる複数の突起(57a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。また、仕切壁(57)における隣り合う突起(57a)間には、それぞれその上縁から冷媒通過用切り欠き(57b)が形成されている。突起(57a)および切り欠き(57b)は、仕切壁(57)の所定部分を切除することにより形成されている。
第2部材(49)は、前後両壁(56)、仕切壁(57)および連結壁(58)を一体に押出成形した後、仕切壁(57)を切除して突起(57a)および切り欠き(57b)を形成することにより製造される。
各キャップ(51)の前側には、冷媒流入ヘッダ部(9)内に嵌め入れられる左右方向内方への突出部(59)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒流出ヘッダ部(11)内に嵌め入れられる左右方向内方への突出部(61)が一体に形成されている。また、各キャップ(51)の前後両側縁と下縁との間の円弧状部にそれぞれ左右方向内方に突出した係合爪(62)が一体に形成され、同じく上縁に左右方向内方に突出した複数の係合爪(63)が前後方向に間隔をおいて一体に形成されている。
冷媒ターン用タンク(3)の第1および第2部材(48)(49)と、両キャップ(51)とは次のようにしてろう付されている。第1および第2部材(48)(49)が、第2部材(49)の突起(57a)が貫通穴(55)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(48)の前後の垂下壁(48a)の下端部が第2部材(49)の前後両壁(56)の上端部に係合させられた状態で、第1部材(48)のろう材層を利用して相互にろう付されている。両キャップ(51)は、前側の突出部(59)が両部材(48)(49)における仕切壁(57)よりも前側の空間内に、後側の突出部(61)が両部材(48)(49)における仕切壁(57)よりも後側の空間内にそれぞれ嵌め入れられ、上側の係合爪(63)が第1部材(48)に係合させられ、下側の係合爪(62)が第2部材(49)の前後両壁(56)に係合させられた状態で、各キャップ(51)のろう材層を利用して第1および第2部材(48)(49)にろう付されている。こうして、冷媒ターン用タンク(3)が形成されており、第2部材(49)の仕切壁(57)よりも前側が冷媒流入ヘッダ部(9)、同じく仕切壁(57)よりも後側が冷媒流出ヘッダ部(11)となっている。第2部材(49)の仕切壁(57)の切り欠き(57b)の上端開口は第1部材(48)によって閉じられ、これにより冷媒通過穴(64)が形成されている。
図6および図7に示すように、前後の熱交換管群(13)を構成する熱交換管(12)はアルミニウム押出形材からなる偏平状であり、その幅方向が前後方向を向くように左右方向に間隔をおいて配置されている。熱交換管(12)の内部に長さ方向に伸びる複数の冷媒通路(12a)が並列状に形成されている。熱交換管(12)の前後両端面は、それぞれ横断面において左右方向の厚みである管高さ方向の中央部が外方に突出した部分円筒面である。熱交換管(12)の上端部は冷媒入出用タンク(2)の第1部材(16)の管挿通穴(23)に挿通された状態で、第1部材(16)のろう材層を利用して第1部材(16)にろう付され、同じく下端部は冷媒ターン用タンク(3)の第1部材(48)の管挿通穴(54)に挿通された状態で、第1部材(48)のろう材層を利用して第1部材(48)にろう付されている。
ここで、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さ(h)は0.75〜1.5mm(図7参照)、前後方向の幅である管幅は12〜18mm、周壁の肉厚は0.175〜0.275mm、冷媒通路(12a)どうしを仕切る仕切壁の厚さは0.175〜0.275mm、仕切壁のピッチは0.5〜3.0mm、前後両端面の曲率半径は0.35〜0.75mmであることが好ましい。
なお、熱交換管(12)としては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、アルミニウム製電縫管の内部にインナーフィンを挿入することにより複数の冷媒通路を形成したものを用いてもよい。また、片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートのろう材層側に圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より***状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ***状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成したものを用いてもよい。
コルゲートフィン(14)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものであり、その波頂部および波底部を連結しかつ前後方向に伸びる略水平な連結部(14a)に、前後方向に間隔をおいて複数のルーバ(65)が並列状に形成されている。コルゲートフィン(14)は前後両熱交換管群(13)に共有されている。コルゲートフィン(14)の前側縁部は、前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の前端よりも前方(前後方向外方)に突出し、同じく後側縁部は後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端よりも後方(前後方向外方)に突出している。これらの突出部を(14b)で示す。この場合、前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の前端面とコルゲートフィン(14)の前方への突出部(14b)との間、および後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端面とコルゲートフィン(14)の後方への突出部(14b)との間にそれぞれ入り隅部分(66)が形成されることになり、コルゲートフィン(14)の表面に発生した凝縮水は、表面張力により入り隅部分(66)に引き寄せられるように流れ、その後入り隅部分(66)および熱交換管(12)の端面を伝って下方に流れ落ちる。したがって、コルゲートフィン(14)表面に発生した凝縮水の排水性が向上し、凝縮水の飛散や、凝縮水の氷結による熱交換性能の低下が防止される。なお、コルゲートフィン(14)表面に発生した凝縮水は、隣り合う熱交換管(12)どうしの間の通風間隙を流れる風により通風方向下流側、すなわち前側に流れやすくなっているので、コルゲートフィン(14)の前側縁部のみが、熱交換管(12)の前端よりも前方に突出しており、コルゲートフィン(14)の後側縁部は、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端よりも後方に突出しておらず、たとえば熱交換管(12)の後端面における左右方向の中央部と同一垂直平面内に位置していてもよい。コルゲートフィン(14)の後側縁部が、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端よりも前方に位置していると、熱交換管(12)におけるコルゲートフィン(14)が存在していない部分の表面において、凝縮水の氷結が発生するおそれがある。
図8に示すように、コルゲートフィン(14)の熱交換管(12)からの突出量をXmm、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さをYmmとした場合、0.11Y≦X≦1.0Yの関係を満たしていることが好ましく、0.3Y≦X≦0.8Yの関係を満たしていることが望ましい。X<0.11Yの場合、およびX>1.0Yの場合には、コルゲートフィン(14)表面に発生した凝縮水の排水性が十分ではなくなるおそれがある。また、コルゲートフィン(14)の突出部(14b)側の端部に位置するルーバ(65)は、熱交換管(12)の突出部(14b)側の端よりも前後方向内側に位置しており、このルーバ(65)と、熱交換管(12)の突出部(14b)側の端との距離Zは1mm以下であることが好ましい。
ここで、コルゲートフィン(14)のフィン高さ(H)である波頂部と波底部との直線距離は7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチ(P)である連結部(14a)のピッチは1.3〜1.8mmであることが好ましい。また、コルゲートフィン(14)の波頂部および波底部は、熱交換管(12)に密接状にろう付けされた平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部(14a)に連なったアール状部分とよりなるが、アール状部分の曲率半径(R)は0.7mm以下であることが好ましい(図7参照)。なお、1つのコルゲートフィンが前後両熱交換管群(13)に共有される代わりに、両熱交換管群(13)の隣り合う熱交換管(12)どうしの間にそれぞれコルゲートフィンが配置されていてもよい。この場合、各熱交換管群(13)の隣り合う熱交換管(12)どうしの間に配置されたコルゲートフィン(14)の前後両側縁部のうち少なくとも前側縁部を熱交換管よりも前後方向外方に突出させる。
コルゲートフィン(14)の熱交換管(12)からの突出量Xmmと、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さYmmとの関係を0.11Y≦X≦1.0Yとすることが好ましいことは、本発明者等が行った次のような実験の結果から判明したことである。
すなわち、熱交換管(12)の管高さ(h)が1.4mm、管幅が17mm、フィン高さ(H)が8mm、フィンピッチ(P)が1.5mmであるエバポレータを使用し、JIS D1618に準じた試験方法で熱性能測定時の通気抵抗を測定し、コルゲートフィン(14)の熱交換管(12)からの突出量と、通気抵抗との関係を求めた。なお、通気抵抗が増大するということは、フィン(14)の表面に発生した凝縮水の排水が効率良く行われないことを意味する。その結果を図9に示す。図9に示すグラフの通気抵抗は、上記突出量が0の場合を基準(100%)とした場合の比率を示す。図9に示すグラフから、凝縮水の排水が効率良く行われていると考えられる通気抵抗98%以下となるのは、上記突出量が0.154mm以上でかつ1.4mm以下の場合であり、この場合に凝縮水が排水されて通気抵抗が低減されていることが分かる。ここで、管高さが1.4mmであるから、コルゲートフィン(14)の熱交換管(12)からの突出量Xmmと、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さYmmとの関係が0.11Y≦X≦1.0Yを満たしている場合に通気抵抗が98%以下となることが判明した。さらに、図9に示すグラフから明らかなように、コルゲートフィン(14)の熱交換管(12)からの突出量Xmmと、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さYmmとの関係は0.3Y≦X≦0.8Yを満たしていることがより好ましく、突出量Xが0.5Y近傍であることが望ましいことが分かる。
エバポレータ(1)は、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)を除く各構成部材を組み合わせて仮止めし、すべての構成部材を一括してろう付することにより製造される。
エバポレータ(1)は、圧縮機およびコンデンサとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したエバポレータ(1)において、圧縮機、凝縮器および膨張弁を通過した気液混相の2層冷媒が、冷媒入口管(7)からパイプジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)および右側キャップ(19)の冷媒入口(43)を通って冷媒入口ヘッダ部(5)内に入り、分流して前側熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入する。
すべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入した冷媒は、冷媒通路(12a)内を下方に流れて冷媒ターン用タンク(3)の冷媒流入ヘッダ部(9)内に入る。冷媒流入ヘッダ部(9)内に入った冷媒は、仕切壁(57)の冷媒通過穴(64)を通って冷媒流出ヘッダ部(11)内に入る。
冷媒流出ヘッダ部(11)内に入った冷媒は、分流して後側熱交換管群(13)のすべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(12a)内を上方に流れて冷媒出口ヘッダ部(6)の下空間(6b)内に入る。ここで、分流用抵抗板(29)によって冷媒の流れに抵抗が付与されるので、冷媒流出ヘッダ部(11)から後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)への分流が均一化されるとともに、冷媒入口ヘッダ部(5)から前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)への分流も一層均一化される。その結果、両熱交換管群(13)の熱交換管(12)の冷媒流通量が均一化される。
ついで、冷媒は分流用抵抗板(29)の冷媒通過穴(31A)(31B)を通って冷媒出口ヘッダ部(6)の上部空間(6a)内に入り、右側キャップ(19)の冷媒出口(44)およびパイプジョイントプレート(21)の冷媒流出口(46)を通り、冷媒出口管(8)に流出する。そして、冷媒が前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の冷媒通路(12a)、および後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の冷媒通路(12a)を流れる間に、通風間隙を図1に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換をし、気相となって流出する。
このとき、コルゲートフィン(14)の表面に凝縮水が発生する。この凝縮水は、前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の前端面とコルゲートフィン(14)の前方への突出部(14b)との間、および後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端面とコルゲートフィン(14)の後方への突出部(14b)との間にそれぞれ形成された入り隅部分(66)に引き寄せられるように流れ、その後入り隅部分(66)および熱交換管(12)の端面を伝って下方に流れ落ち、冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)に流下する。冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)に流下した凝縮水は、キャピラリ効果により溝(53)内に入り、溝(53)内を流れて前後方向外側の端部から冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。こうして、冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)とコルゲートフィン(14)の下端との間に多くの凝縮水が溜まることに起因する凝縮水の氷結が防止され、その結果エバポレータ(1)の性能低下が防止される。
図10はエバポレータの他の実施形態を示す。
図10に示す実施形態の場合、コルゲートフィン(14)の後側縁部は、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端よりも後方に突出しておらず、熱交換管(12)の後端面における左右方向の中央部と同一垂直平面内に位置している。その他の構成は、上述した実施形態と同一であり、同一物および同一部分には同一符号を付す。なお、熱交換管(12)の後端面は部分円筒面であるから、コルゲートフィン(14)の後側縁部が、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端面における左右方向の中央部と同一垂直平面内に位置しているということは、熱交換管(12)後端面の最も後方に突出した部分が、コルゲートフィン(14)の後側縁部と同一垂直平面内に位置していることを意味するものとする。
この実施形態の場合、コルゲートフィン(14)表面に発生した凝縮水は、隣り合う熱交換管(12)どうしの間の通風間隙を流れる風により通風方向下流側、すなわち前側に流れやすくなっているので、コルゲートフィン(14)の後側縁部が、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端面よりも後方に突出していなくても、凝縮水の排水性にさほど影響を与えない。但し、コルゲートフィン(14)の後側縁部が、後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の後端面よりも前方に位置していると、熱交換管(12)におけるコルゲートフィン(14)が存在していない部分の表面において、凝縮水の氷結が発生することがある。
図11は熱交換管の変形例を示す。
図11(a)の熱交換管(12)の場合、コルゲートフィン(14)が突出した側、ここでは熱交換管(12)の前後両端面が、左右両側面と直角をなす平坦面となっている。
図11(b)の熱交換管(12)の場合、図11(a)の熱交換管(12)において、コルゲートフィン(14)が突出した側、ここでは熱交換管(12)の前後両端の平坦面と、左右両側面との連接部に丸みが付けられている。
上記2つの実施形態のエバポレータにおいては、両タンク(2)(3)の冷媒入口ヘッダ部(5)と冷媒流入ヘッダ部(9)との間、および冷媒出口ヘッダ部(6)と冷媒流出ヘッダ部(11)との間にそれぞれ1つの熱交換管群(13)が設けられているが、これに限るものではなく、両タンク(2)(3)の冷媒入口ヘッダ部(5)と冷媒流入ヘッダ部(9)との間、および冷媒出口ヘッダ部(6)と冷媒流出ヘッダ部(11)との間にそれぞれ1または2以上の熱交換管群(13)が設けられていてもよい。また、冷媒入出用タンクが下、冷媒ターン用タンクが上となって用いられることもある。
上記2つの実施形態のエバポレータにおいては、冷媒ターン用タンク(3)には、隣り合う熱交換管(12)間の部分において排水性向上のための溝(53)が形成されているが、これに限定されるものではなく、各熱交換管(12)と対応する位置に、排水性向上のための溝が形成されていてもよい。この場合、冷媒ターン用タンク(3)の頂面(3a)から前後両側面にかけて、各管挿通穴(54)の前後方向外端に連なって排水性向上のための溝が形成される。
さらに、この発明によるエバポレータは、圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器としての膨張弁、気液分離器としてのアキュムレータおよびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出て気液分離器を通過してきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とを備えており、かつCOのような超臨界冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルのエバポレータにも使用される。このような超臨界冷凍サイクルは、車両、たとえば自動車において、カーエアコンとして用いられる。
この発明によるエバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示すエバポレータを後方から見た中間部を省略した垂直断面図である。 一部を省略した図2のA−A線拡大断面図である。 冷媒入出用タンクの部分の分解斜視図である。 冷媒ターン用タンクの部分の分解斜視図である。 図3のB−B線拡大断面図である。 熱交換コア部の一部分を示す拡大斜視図である。 図6の部分拡大図である。 コルゲートフィンの熱交換管からの突出量Xmmと、熱交換管の左右方向の厚みである管高さYmmとの関係を求めるために行った実験結果を示すグラフである。 この発明によるエバポレータの他の実施形態を示す図6相当の図である。 熱交換管の変形例を示す図8相当の図である。
符号の説明
(1):エバポレータ
(2):冷媒入出用タンク
(3):冷媒ターン用タンク
(5):冷媒入口ヘッダ部
(6):冷媒出口ヘッダ部
(9):冷媒流入ヘッダ部(中間ヘッダ部)
(11):冷媒流出ヘッダ部(中間ヘッダ部)
(12):熱交換管
(13):熱交換管群
(14):コルゲートフィン
(14a):連結部
(14b):突出部
(65):ルーバ

Claims (17)

  1. 幅方向が前後方向を向くように左右方向に間隔をおいて配置された複数の偏平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されたフィンとを備えたエバポレータにおいて、
    フィンの前後両側縁部のうち少なくとも前側縁部が、熱交換管よりも前後方向外方に突出しているエバポレータ。
  2. フィンの前側縁部のみが、熱交換管よりも前方に突出している請求項1記載のエバポレータ。
  3. フィンの熱交換管からの突出量をXmm、熱交換管の管高さである左右方向の厚みをYmmとした場合、0.11Y≦X≦1.0Yの関係を満たす請求項1または2記載のエバポレータ。
  4. フィンの熱交換管からの突出量をXmm、熱交換管の管高さである左右方向の厚みをYmmとした場合、0.3Y≦X≦0.8Yの関係を満たす請求項1または2記載のエバポレータ。
  5. フィンが突出した側の熱交換管の端面が、横断面において管高さ方向の中央部が外方に突出した部分円筒面である請求項1〜4のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  6. フィンが突出した側の熱交換管の端面が、左右両側面と直角をなす平坦面である請求項1〜4のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  7. 熱交換管におけるフィンが突出した側の端面と、左右両側面との連接部に丸みが付けられている請求項6記載のエバポレータ。
  8. フィンが、波頂部、波底部および波頂部と波底部とを結ぶ連結部とよりなるとともに、連結部に複数のルーバが通風方向に並んで形成されているコルゲートフィンからなり、フィンが突出した側の端部に位置するルーバが、熱交換管におけるフィンが突出した側の端よりも前後方向内側に位置している請求項1〜7のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  9. フィンが突出した側の端部に位置するルーバと、熱交換管におけるフィンが突出した側の端との距離が1mm以下である請求項8記載のエバポレータ。
  10. フィン高さである波頂部と波底部との直線距離が7.0mm〜10.0mm、同じくフィンピッチである連結部のピッチが1.3〜1.8mmである請求項8または9記載のエバポレータ。
  11. コルゲートフィンの波頂部および波底部が、平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部に連なったアール状部分とよりなり、アール状部分の曲率半径が0.7mm以下である請求項8〜10のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  12. 熱交換管の厚みである管高さが0.75〜1.5mmである請求項1〜11のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  13. 左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなり、かつ前後方向に並んで複数列設けられた熱交換管群を備えており、フィンが、すべての熱交換管群に跨るように、隣り合う熱交換管どうしの間に配置されている請求項1〜12のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  14. 熱交換管の一端側における前側に配置され、かつ少なくとも1列の熱交換管群が接続された冷媒入口ヘッダ部と、熱交換管の一端側において冷媒入口ヘッダ部の後側に配置され、かつ残りの熱交換管群が接続された冷媒出口ヘッダ部と、熱交換管の他端側に配置され、かつ冷媒入口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第1の中間ヘッダ部と、熱交換管の他端側において第1の中間ヘッダ部の後側に配置され、かつ冷媒出口ヘッダ部に接続されている熱交換管が接続された第2の中間ヘッダ部とを備えており、両中間ヘッダ部どうしが相互に連通させられている請求項13記載のエバポレータ。
  15. 冷媒入口ヘッダ部と冷媒出口ヘッダ部、および2つの中間ヘッダ部が、それぞれ1つのタンク内を仕切手段により前後方向に区画することにより形成されている請求項14記載のエバポレータ。
  16. 圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、エバポレータが、請求項1〜15のうちのいずれかに記載のエバポレータからなる冷凍サイクル。
  17. 請求項16記載の冷凍サイクルが、エアコンとして搭載されている車両。
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