JP4658892B2 - 移動ロボット、並びに、移動ロボットの制御装置、移動ロボットの制御方法及び移動ロボットの制御プログラム - Google Patents
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Description
そこで、従来、このような問題に対して、移動ロボットが電波の届かない場所に移動した場合に、移動ロボットが、予め移動中に取得した電波強度に基づいて作成した電波強度マップを参照して、無線通信の可能な地点まで自律的に移動する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、移動ロボットが、他の移動ロボットを介して電波を中継することで、通信可能領域を拡大する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2で開示された技術は、他の移動ロボットを介して電波を中継することで通信可能領域を拡大させるため、1台の移動ロボットを動作させる場合では、移動ロボットが電波の届かない場所に移動すると、無線通信が復旧しないという問題がある。
そして、移動ロボットは、位置認識手段によって、現在の位置(自己位置)を認識する。例えば、位置認識手段は、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)受信器等によって、移動ロボット自身の現在の位置を認識する。
この無線状態の良否判定は、例えば、無線強度が予め定めた基準を下回った場合、再送回数が予め定めた回数を超過した場合等の各状態を数値化し、重み付けした数値により判定する。
そして、移動ロボットは、自己位置移動指示手段によって、復旧位置までの移動を移動制御手段に指示することで、移動機構が駆動され、無線通信の接続が可能な位置まで移動することができる。
そして、移動ロボットは、復旧位置探索手段によって、親機探索手段で探索された無線親機のうちで自己位置から近い無線親機の順に、当該無線親機に対応する総合無線環境データにおいて予め定めた基準を満たし、かつ、自己位置に最も近い位置を探索する。
さらに、制御装置は、監視手段によって、無線環境の状態を監視する。この無線環境には、無線強度、データの送受信のエラー回数、再送回数等を用いることができ、これらの無線環境によって、無線通信を行う際の無線状態の良否を判定することが可能になる。
そして、制御装置は、探索手段によって、無線環境の状態が、無線通信が切断された状態となった場合に、無線環境マップに含まれている無線環境データを参照することで、無線通信の接続が可能な位置(復旧位置)を探索する。
そして、制御装置は、自己位置移動指示手段によって、復旧位置までの移動を移動制御手段に指示することで、移動機構が駆動され、無線通信の接続が可能な位置まで移動ロボットを移動させることができる。
請求項1、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の発明によれば、移動ロボットは、無線親機との通信が切断された場合であっても、無線環境マップによって、自律的に無線通信を復旧できる場所に移動することができる。また、本発明によれば、複数の無線環境データによって、無線環境の状態を把握することができるため、単一の無線環境データで復旧位置を選定する場合に比べて、より精度のよい復旧位置を選定することができる。
[移動ロボット制御システム]
はじめに、本発明の実施形態に係る移動ロボット制御システムについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る移動ロボット制御システムの構成を示すシステム構成図である。
図1に示すように、移動ロボット制御システムAは、タスクを実行する移動領域に配置された移動ロボットRと、この移動ロボットRと無線通信によって接続された無線親機1と、無線親機1にネットワーク4を介して接続された管理用コンピュータ3、記憶部5及び端末7とを備えている。なお、タスクを実行する移動領域に配置された移動ロボットR及び無線親機1の数は本実施形態に限定されるものではない。
なお、無線強度等の無線環境によっては、移動ロボットRと無線親機1との無線通信が切断されることがある。そこで、移動ロボットRは、無線通信が切断された場合、通信が復旧可能な位置に自律移動する。
管理用コンピュータ3は、後記する端末7から入力されるタスクデータに基づいて、移動ロボットRにタスクを実行させるため、このタスクの内容を含む実行命令信号を生成し、移動ロボットRに出力するものである。このタスクデータは、移動ロボットRに実行させるタスクに関するデータであり、例えば、運搬する物品の依頼元や配達先等に関する情報、道案内する訪問者の訪問先や訪問者に関する情報等を含んでいる。
なお、管理用コンピュータ3としては、例えば、汎用のPC(Personal Computer)を用いることができる。
なお、記憶部5としては、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置、半導体メモリ装置等を用いることができる。
なお、無線親機1と、管理用コンピュータ3と、記憶部5と、端末7とは、ネットワーク4を介して接続されるのではなく、そのすべて又は一部が一体化された構成でもよい。
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係る移動ロボットRの外観について説明する。以下の説明において、移動ロボットRの前後方向にX軸、左右方向にY軸、上下方向にZ軸をとる。
本発明の実施形態に係る移動ロボットRは、自律移動型の2足移動ロボットである。この移動ロボットRは、管理用コンピュータ3から送信された実行命令信号(タスク指令)に基づいて、タスクを実行するものである。
続いて、移動ロボットRの駆動構造について説明する。図3は、図2の移動ロボットの駆動構造を模式的に示す斜視図である。なお、図3における関節部は、当該関節部を駆動する電動モータにより示されている。
図3に示すように、左右それぞれの脚部R1は、6個の関節部11R(L)〜16R(L)を備えている。左右12個の関節は、股部(脚部R1と胴部R2との連結部分)の脚部回旋用(Z軸まわり)の股関節部11R,11L(右側をR、左側をLとする。また、R,Lを付さない場合もある。以下同じ。)、股部のピッチ軸(Y軸)まわりの股関節部12R,12L、股部のロール軸(X軸)まわりの股関節部13R,13L、膝部のピッチ軸(Y軸)まわりの膝関節部14R,14L、足首のピッチ軸(Y軸)まわりの足首関節部15R,15L、及び、足首のロール軸(X軸)まわりの足首関節部16R,16Lから構成されている。そして、脚部R1の下には足部17R,17Lが取り付けられている。
図3に示すように、胴部R2は、移動ロボットRの基体部分であり、脚部R1、腕部R3及び頭部R4と連結されている。すなわち、胴部R2(上体リンク53)は、股関節部11R(L)〜13R(L)を介して脚部R1と連結されている。また、胴部R2は、後記する肩関節部31R(L)〜33R(L)を介して腕部R3と連結されている。また、胴部R2は、後記する首関節部41,42を介して頭部R4と連結されている。
また、胴部R2は、上体回旋用(Z軸まわり)の関節部21を備えている。
図3に示すように、左右それぞれの腕部R3は、7個の関節部31R(L)〜37R(L)を備えている。左右14個の関節部は、肩部(腕部R3と胴部R2との連結部分)のピッチ軸(Y軸)まわりの肩関節部31R,31L、肩部のロール軸(X軸)まわりの肩関節部32R,32L、腕部回旋用(Z軸まわり)の肩関節部33R,33L、肘部のピッチ軸(Y軸)まわりの肘関節部34R,34L、手首回旋用(Z軸まわり)の腕関節部35R,35L、手首のピッチ軸(Y軸)まわりの手首関節部36R,36L、及び手首のロール軸(X軸)まわりの手首関節部37R,37Lから構成されている。そして、腕部R3の先端には把持部(ハンド)71R,71Lが取り付けられている。
図3に示すように、頭部R4は、首部(頭部R4と胴部R2との連結部分)のY軸まわりの首関節部41と、首部のZ軸まわりの首関節部42と、を備えている。首関節部41は頭部R4のチルト角を設定するためのものであり、首関節部42は頭部R4のパンを設定するためのものである。
また、各関節部の電動モータは、その出力を減速・増力する減速機(図示せず)を介して前記した大腿リンク51R(L)、下腿リンク52R(L)等を相対変位させる。これら各関節部の角度は、関節角度検出手段(例えば、ロータリエンコーダ)によって検出される。
次に、図4を参照して、移動ロボットの構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る移動ロボットの構成を示したブロック図である。
図4に示すように、移動ロボットRは、前記した脚部R1、胴部R2、腕部R3及び頭部R4に加えて、カメラC,C、スピーカS、マイクMC、画像処理部110、音声処理部120、移動制御部130、記憶部140、無線通信部150及び主制御部200を備えている。
さらに、移動ロボットRは、自己位置を検出するため位置検出手段として、方向を認識するジャイロセンサSR1と、座標を認識するGPS受信器SR2とを備えている。
カメラC,Cは、映像をデジタルデータとして取り込むものであり、例えばカラーCCD(Charge Coupled Device)カメラが使用される。カメラC,Cは、左右並列に配置され、撮影した画像は画像処理部110に出力される。このカメラC,Cは、頭部R4の内部に配設される。
スピーカSは、後記する音声合成部121により生成された音声を出力するものである。このスピーカSは、頭部R4の内部に配設される。
画像処理部110は、カメラC,Cが撮影した画像を処理して、撮影された画像から移動ロボットRの周囲の状況を把握するため、周囲の障害物や人物の認識を行うものである。この画像処理部110は、ステレオ処理部111、移動体抽出部112及び顔認識部113を含んで構成される。
移動体を抽出するために、移動体抽出部112は、過去の数フレーム(コマ)の画像を記憶しており、最も新しいフレーム(画像)と、過去のフレーム(画像)とを比較して、パターンマッチングを行い、各画素の移動量を計算する。そして、移動体抽出部112は、視差画像において、カメラC,Cから所定の距離範囲内で、移動量の多い画素を含んだ領域に人物がいると推定し、その所定距離範囲のみの領域を元の画像(原画像)から移動体の画像として抽出し、顔認識部113へ出力する。
この認識された顔の位置は、移動ロボットRが移動するときの情報として、また、その人とコミュニケーションを取るための情報として、主制御部200に出力される。さらに、人が認識された旨、あるいはその人の位置(顔の位置)は、無線通信部150に出力され、無線親機1を介して、管理用コンピュータ3に送信される。
マイクMCは、移動ロボットRの周囲の音を集音するものである。この集音された音は、後記する音声認識部122に音声信号として出力される。
音声処理部120は、音声合成部121と、音声認識部122とを備えている。
音声合成部121は、主制御部200が決定し、出力してきた文字情報を含んだ発話指令により、予め記憶している音声データと文字情報との対応関係に基づいて、文字情報から音声データを生成し、スピーカSに出力するものである。
音声認識部122は、マイクMCから音声データが入力され、予め記憶している音声データと文字情報との対応関係に基づいて、音声データから文字情報を生成し、主制御部200に出力するものである。
移動制御部130は、移動ロボットRを構成する構造(駆動構造)である脚部R1、胴部R2、腕部R3及び頭部R4を駆動制御するものであって、脚部制御部131、胴部制御部132、腕部制御部133及び頭部制御部134を備えている。
脚部制御部131は、主制御部200の指示に従い脚部R1を駆動し、胴部制御部132は、主制御部200の指示に従い胴部R2を駆動し、腕部制御部133は、主制御部200の指示に従い腕部R3を駆動し、頭部制御部134は、主制御部200の指示に従い頭部R4を駆動する。
記憶部(無線環境マップ記憶手段、移動履歴記憶手段)140は、ハードディスク、半導体メモリ等の記憶装置であって、移動ロボットRが移動する移動領域の地図データと、この移動領域における無線環境に関連する複数の無線環境データとを含んだ無線環境マップを記憶するものである。また、記憶部140は、移動ロボットRの移動経路を示す移動履歴(例えば、地図データ上の位置座標等)を記憶するものでもある。
無線環境マップは、地図データと、無線環境に関連する複数の無線環境データで構成された総合無線環境データとを対応付けたものである。この総合無線環境データは、無線通信における接続環境の良好度を示す情報である。
図5に示すように、本実施形態では、総合的に無線環境の良好度を評価するために、無線環境データとして、無線強度と、ノイズフロアと、エラー回数と、再送回数と、通信速度とを用い、それぞれの無線環境データに重み付けして、総合無線環境データとしている。
そして、(無線強度/ノイズフロア)>1のときは、(無線強度/ノイズフロア)×0.8 を総合無線環境データへの寄与とする。すなわち、無線強度が100%で、ノイズフロアが1%の場合が、最も無線環境が良好なときであり、100/1×0.8=80(%)である。
また、(無線強度/ノイズフロア)≦1のときは、ノイズレベルが無線強度(信号レベル)よりも大きく、無線環境が極めて悪い状況であるとして、総合無線環境データへの寄与は“0”(%)とする。
図5において、項目が「通信速度」の欄には、数値範囲が{1,2,5.5,11}[Mbps]の場合と、数値範囲が{6,9,12,18,24,36,48,54}[Mbps]の換算表が定められている。前者は、IEEE802.11bに準拠する規格の無線LANアダプタを用いた場合の換算表であり、後者は、IEEE802.11g又はIEEE802.11aに準拠する規格の無線LANアダプタを用いた場合の換算表である。
すなわち、速い通信速度で通信を確立することができるほど、良好な無線環境であり、高い数値が割り当てられている。
なお、他の規格や方式の通信手段を用いる場合は、適宜に通信速度に対応した換算式を決めるようにすればよい。
このように、無線強度以外の無線環境に関連するデータを含めた無線環境データに、重み付けして算出した総合無線環境データを用いることにより、より適切に無線環境を表すことができる。特に、エラー回数や再送回数は、通信が確立した状態で、そのときの無線環境の状態を評価することができるので、通信が確立できなくなる状態を適確に判断することができる。
また、図6(b)に示した無線環境マップの例では、図6(a)で示した地図データ(フロアマップ)に、所定間隔のグリッドを設定し、グリッドの格子点ごとに、図5で説明した総合無線環境データを対応付けている。
このように地図データに総合無線環境データを対応付けることで、移動ロボットRは、どの場所が、無線環境が良好であるのかを認識することが可能になる。
例えば、図7に示すように、無線親機1が2台配置されている場合、図7(a)に示した無線親機1Aの無線環境マップと、図7(b)に示した無線親機1Bの無線環境マップとで、グリッドの各格子点において、総合無線環境データの値が大きい無線親機1を対応付けたマップ(無線親機マップ〔図7(c)〕)とする。また、この無線親機マップは、無線環境マップと同様、記憶部140に記憶しておく。
なお、無線親機1が複数存在する場合は、複数の無線環境マップと無線親機マップとを併せて無線環境マップと呼ぶこととする。
このように、複数の無線親機1が存在する場合、移動ロボットRは、通信状態が良好な無線親機1を選択することが可能になる。
図4に戻って、移動ロボットRの構成について説明を続ける。
無線通信部150は、無線親機1を介して、管理用コンピュータ3との間でデータ(タスク指令等)の送受信を行うものである。
ここで、図8を参照して無線通信部150の構成について説明する。図8は、無線通信部の構成を示す構成図である。
図8に示すように、無線通信部150は、無線インタフェース部151、プロトコル制御部152、無線環境検出部153と、アンテナ部Tとを備えている。なお、アンテナ部Tは、頭部R4の内部に配設されている。
また、送信時には、無線インタフェース部151は、プロトコル制御部152からデータを入力し、無線波に変換してアンテナ部Tを介して、無線親機1に送信する。
また、プロトコル制御部152における受信時のエラー回数、送信時の再送回数及び送受信時の通信速度が、それぞれ無線環境検出部153のエラー回数検出部153c、再送回数検出部153d及び通信速度検出部153bによって測定される。
この無線インタフェース部151及びプロトコル制御部152は、一般的な無線LANアダプタを用いることができる。
このように無線通信部150を構成することで、記憶部140に記憶されている無線環境マップを更新することが可能になる。なお、移動ロボットRにおいて、無線環境マップを更新しない場合は、無線環境検出部153を構成から省略することも可能である。
図4に戻って、移動ロボットの構成について説明を続ける。
主制御部200は、移動ロボットR全体の動作を制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えた、コンピュータである。
この主制御部200は、管理用コンピュータ3から送信されるタスク指令を解析し、そのタスク指令に基づいた動作を、移動制御部130に指示することで、一連のタスクを自律的に実行させる。なお、主制御部200は、タスクを実行することで移動した位置を、移動履歴として、記憶部140に記憶する。
また、主制御部200は、無線通信部150から出力される無線状態を監視し、無線状態が劣化した場合に、その復旧動作を行うための制御も行う。
図9に示すように、主制御部200は、位置認識部201、監視部202、探索部203及び動作指示部204を備えている。
なお、この基準(総合無線環境データの値)は、一例であって、例えば、無線通信の精度を高めたい場合には、基準値を高くする。
また、監視部202は、無線通信部150において、総合無線環境データを算出しない場合は、無線強度、データのエラー回数、再送回数等によって、無線通信の状態を判定することとしてもよい。
ここでは、動作指示部204は、自己位置移動指示部204a、アンテナ部移動指示部204b、逆行指示部204c、移動停止指示部204d、減速指示部204e及び手引き動作指示部204fを備えている。
また、例えば、移動ロボットRは、図10(c)に示すように、その場で360°(度)回転することで、アンテナ部Tの方向で無線環境の良好な場所を探索し、無線通信の復旧を試みる。また、例えば、移動ロボットRは、図10(d)に示すように、その場から前後左右、あるいは、斜め前後の八方向に1歩ずつ移動することで、移動ロボットRの周辺位置で無線環境の良好な場所を探索し、無線通信の復旧を試みる。
図9に戻って、主制御部200の構成について説明を続ける。
すなわち、減速指示部204eは、移動制御部130に対して、時速1.08kmで移動を行うように指示する。
これにより、無線通信が切断される状態となる割合を減らすことができる。
図9に戻って、主制御部200の構成について説明を続ける。
より具体的には、手引き動作指示部204fは、図12に示すように、人Hが移動ロボットRの手(腕部R3の先端に設けられた把持部(ハンド)71R)を引いて誘導することで、無線通信が可能な位置に移動させる。
以上、主制御部200の機能構成について説明したが、主制御部200は、コンピュータを、前記した各手段として機能させる制御プログラムによって、動作させることができる。
次に、移動ロボットRの動作について説明する。なお、ここでは、主に移動ロボットが無線環境を監視し、無線通信の切断復旧を行う動作について説明する。
最初に、図13を参照(適宜図4及び図9参照)して、移動ロボットRの無線環境の変化に伴う全体動作について説明する。図13は、本発明に係る移動ロボットの無線環境の変化に伴う全体動作を示すフローチャートである。
一方、ステップS2において、「低下」状態と判定された場合、移動ロボットRは、主制御部200の減速指示部204eから移動制御部130に指示を与えることで、移動速度を減速する(ステップS4)。
このとき、移動ロボットRは、減速を行った旨を管理用コンピュータ3に通知することとしてもよい。
その後、又は、無線通信部150で算出された総合無線環境データの値が、無線環境マップの値と同じである場合(ステップS5でYes)、移動ロボットRは、ステップS3の動作を実行する。
そして、移動ロボットRは、無線環境マップを使用して、無線切断復旧動作を行う(ステップS9)。なお、この無線環境マップを使用した無線切断復旧の動作については、図14を参照して、後で説明を行うこととする。
このとき、移動ロボットRは、無線切断が復旧した旨を管理用コンピュータ3に通知することとしてもよい。その後、移動ロボットRは、ステップS3に進む。
以上の動作によって、移動ロボットRは、タスク動作実行中に、無線環境が劣化した位置に移動した場合であっても、無線通信を行うことが可能な位置に適宜移動することができる。
次に、図14を参照して、移動ロボットRが、無線環境マップを使用して行う無線切断復旧動作について説明する。図14は、本発明の実施形態に係る移動ロボットにおいて無線環境マップを使用して無線通信の切断復旧を行う動作を示すフローチャートである。なお、この動作は、図13で説明したステップS9の動作に相当する。
まず、移動ロボットRは、探索部203の親機探索部203aによって、移動ロボットRの位置から予め定めた距離(例えば、20m)以内に位置する無線親機を探索し、親機リストを生成する(ステップS20)。
具体的には、移動ロボットRは、復旧位置探索部203bによって、親機リストから移動ロボットRに最も近い無線親機を探索する(ステップS21)。なお、このとき、復旧位置探索部203bは、該当する無線親機を後の探索対象から除外するため、親機リストから削除しておく。
そして、探索した位置が予め定めた距離よりも遠い場合(ステップS23でNo)、移動ロボットRは、無線環境マップを使用した無線切断復旧ができないものと判定し、ステップS29に進む。
一方、探索した位置が予め定めた距離以内である場合(ステップS23でYes)、移動ロボットRは、当該探索位置を無線通信の復旧位置と決定する(ステップS24)。
そして、移動ロボットRは、監視部202によって、無線環境が切断状態から復旧したかどうかを判定する(ステップS27)。ここで、切断状態から復旧した場合(ステップS27でYes)、移動ロボットRは、無線切断復旧動作を終了し、ステップS10(図13参照)の動作を実行する。
一方、探索対象となる無線親機が存在しない(親機リストが「空」である)場合(ステップS28でNo)、移動ロボットRは、無線環境マップを使用した無線切断復旧ができないものと判定し、アンテナ部の位置又は方向を変化させることで復旧を試みる動作(アンテナ部移動による無線切断復旧動作)を行う(ステップS29)。なお、このアンテナ部移動による無線切断復旧の動作については、図15を参照して、後で説明を行うこととする。
次に、図15を参照して、移動ロボットRが、アンテナ部Tを移動させることで行う無線切断復旧動作について説明する。図15は、本発明の実施形態に係る移動ロボットにおいてアンテナ部を移動させることで無線通信の切断復旧を行う動作を示すフローチャートである。なお、この動作は、図14で説明したステップS29の動作に相当する。
そして、アンテナ部移動指示部204bは、アンテナ部Tを備えている頭部を左右方向に振る旨を、移動制御部130に指示することで、移動ロボットRの頭部を左右に振らせる(ステップS41)。そして、監視部202が、無線環境が切断状態から復旧したかどうかを判定する(ステップS42)。なお、この復旧判定は、頭部が左に振られた状態と、右に振られた状態でそれぞれ判定する。
この段階で、切断状態から復旧した場合(ステップS42でYes)、移動ロボットRは、無線切断復旧動作を終了する。
この段階で、切断状態から復旧した場合(ステップS44でYes)、移動ロボットRは、無線切断復旧動作を終了する。
この段階で、切断状態から復旧した場合(ステップS46でYes)、移動ロボットRは、無線切断復旧動作を終了する。
この段階で、切断状態から復旧した場合(ステップS48でYes)、移動ロボットRは、無線切断復旧動作を終了する。
以上の動作によって復旧した場合、移動ロボットRは、その旨を管理用コンピュータ3に通知し、次のタスク指令を待つことが望ましい。
以上説明したように、移動ロボットRは、アンテナ部Tを移動させることで、無線通信の復旧を試みることができ、無線環境マップを使用した無線切断復旧を補完することができる。
次に、図16を参照して、移動ロボットRが、移動履歴を使用して行う無線切断復旧動作について説明する。図16は、本発明の実施形態に係る移動ロボットにおいて移動履歴を使用して無線通信の切断復旧を行う動作を示すフローチャートである。なお、この動作は、図15で説明したステップS49の動作に相当する。
そして、移動ロボットRは、移動経路を戻ることを周囲に告知するため、音声合成部121によって、例えば、「無線復旧するため1mバックします」と発話する(ステップS61)。
その後、監視部202は、無線環境が切断状態から復旧したかどうかを判定する(ステップS63)。
以上の動作によって復旧した場合、移動ロボットRは、その旨を管理用コンピュータ3に通知し、次のタスク指令を待つことが望ましい。
以上説明したように、移動ロボットRは、移動経路を戻ることで、無線通信の復旧を試みることができ、無線環境マップを使用した無線切断復旧を補完することができる。
次に、図17を参照して、移動ロボットRが、人に誘導されることで復旧可能な位置まで戻る動作について説明する。図17は、本発明の実施形態に係る移動ロボットにおいて手引き誘導により無線通信の切断復旧を行う動作を示すフローチャートである。なお、この動作は、図16で説明したステップS64の動作に相当する。
そして、手引き動作指示部204fは、移動ロボットRの手(腕部R3の先端に設けられた把持部(ハンド)71R)を前方に差し出す旨を、移動制御部130に指示することで、移動ロボットRの手を前方に差し出させる(ステップS81)。
その後、移動ロボットRは、移動制御部130によって、手を引かれた方向及び力の大きさに基づいて、移動歩行と速度を決定し移動する(ステップS82)。
その後、監視部202は、無線環境が切断状態から復旧したかどうかを判定する(ステップS83)。
そして、切断状態から復旧した場合(ステップS83でYes)、移動ロボットRは、無線切断復旧動作を終了する。一方、切断状態から復旧していない場合(ステップS83でNo)、移動ロボットRは、ステップS80に戻って動作を継続する。
これによって、緊急時には、人が、移動ロボットRの動作を待つことなく、任意の位置に移動させることができる。
なお、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。ここでは、移動ロボットRは、無線環境マップを参照して復旧位置に移動しても無線通信が接続できない場合、順次、アンテナ部の移動、移動履歴に基づく逆行、手引き誘導モードによる移動の各動作を行うこととしたが、この順番は入れ替えることも可能であるし、省略することとしてもよい。
また、ここでは、移動ロボットとして、脚部により移動する2速移動ロボットを例に説明したが、移動機構としては、脚部のみならず、脚部に相当する移動機構、例えば、車輪、無限軌道等であっても構わない。
3 管理用コンピュータ
5 記憶部
7 端末
110 画像処理部
120 音声処理部
130 移動制御部(移動制御手段)
140 記憶部(無線環境マップ記憶手段、移動履歴記憶手段)
150 無線通信部
200 主制御部(制御装置)
201 位置認識部(位置認識手段)
202 監視部(監視手段)
203 探索部(探索手段)
203a 親機探索部(親機探索手段)
203b 復旧位置探索部(復旧位置探索手段)
204 動作指示部
204a 自己位置移動指示部(自己位置移動指示手段)
204b アンテナ部移動指示部(アンテナ部移動指示手段)
204c 逆行指示部(逆行指示手段)
204d 移動停止指示部(移動停止指示手段)
204e 減速指示部(減速指示手段)
204f 手引き動作指示部(手引き動作指示手段)
A 移動ロボット制御システム
R 移動ロボット
R1 脚部(移動機構)
T アンテナ部
Claims (8)
- 無線通信により無線親機から送信されるタスク指令に基づいて、移動制御手段が脚部又は脚部に相当する移動機構を駆動制御することで、自律的に移動する移動ロボットにおいて、
移動領域の地図データと、当該移動領域における無線環境に関連する複数の無線環境データで構成された総合無線環境データとを対応付けた無線環境マップを記憶した無線環境マップ記憶手段と、
前記移動領域内における自己位置を認識する位置認識手段と、
前記無線環境の状態を監視する監視手段と、
この監視手段で監視された無線環境の状態が、前記無線通信が切断された状態となった場合に、前記無線環境マップに基づいて、前記無線通信の接続が可能な復旧位置を探索する探索手段と、
前記認識された自己位置から、前記探索手段で探索された復旧位置までの移動を前記移動制御手段に指示する自己位置移動指示手段と、を備え、
前記無線環境マップには、さらに、複数の前記無線親機の位置情報と、前記無線親機ごとに対応した前記総合無線環境データとが対応付けられており、
前記探索手段が、
前記無線環境マップに基づいて、前記自己位置から予め定められた距離以内に位置する無線親機を探索する親機探索手段と、
前記無線環境マップに基づいて、前記親機探索手段で探索された無線親機のうちで前記自己位置から近い無線親機の順に、当該無線親機に対応する総合無線環境データにおいて予め定めた基準を満たし、かつ、前記自己位置に最も近い位置を探索し、前記復旧位置とする復旧位置探索手段と、
を備えていることを特徴とする移動ロボット。 - 前記移動制御手段は、前記移動機構を含む駆動構造を制御することで、動作を制御するものであり、
前記探索手段で前記復旧位置を探索できない場合に、無線の電波を送受信するアンテナ部の位置又は方向を変化させるように、予め定めた動作を前記移動制御手段に指示するアンテナ部移動指示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。 - 当該移動ロボットの移動経路を示す移動履歴を記憶する移動履歴記憶手段と、
前記探索手段で前記復旧位置を探索できない場合に、前記移動履歴に基づいて、予め定めた移動量だけ前記移動経路を逆に戻るように前記移動制御手段に指示する逆行指示手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。 - 前記探索手段で前記復旧位置を探索できない場合に、前記自己位置の移動を停止するように前記移動制御手段に指示する移動停止指示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
- 前記監視手段で監視された無線環境の状態が、予め定めた基準より劣化した場合に、移動速度を減速するように前記移動制御手段に指示する減速指示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
- 移動領域の地図データと、当該移動領域における無線環境に関連する複数の無線環境データで構成された総合無線環境データとを対応付けた無線環境マップを記憶した無線環境マップ記憶手段を備え、無線通信により無線親機から送信されるタスク指令に基づいて、移動制御手段が脚部又は脚部に相当する移動機構を駆動制御することで、自律的に移動する移動ロボットを制御する制御装置であって、
前記移動領域内における自己位置を認識する位置認識手段と、
前記無線環境の状態を監視する監視手段と、
この監視手段で監視される状態が、前記無線通信が切断された状態となった場合に、前記無線環境マップに基づいて、前記無線通信の接続が可能な復旧位置を探索する探索手段と、
前記認識された自己位置から、前記探索手段で探索された復旧位置までの移動を前記移動制御手段に指示する自己位置移動指示手段と、を備え、
前記無線環境マップには、さらに、複数の前記無線親機の位置情報と、前記無線親機ごとに対応した前記総合無線環境データとが対応付けられており、
前記探索手段が、
前記無線環境マップに基づいて、前記自己位置から予め定められた距離以内に位置する無線親機を探索する親機探索手段と、
前記無線環境マップに基づいて、前記親機探索手段で探索された無線親機のうちで前記自己位置から近い無線親機の順に、当該無線親機に対応する総合無線環境データにおいて予め定めた基準を満たし、かつ、前記自己位置に最も近い位置を探索し、前記復旧位置とする復旧位置探索手段と、
を備えていることを特徴とする移動ロボットの制御装置。 - 移動領域の地図データと、当該移動領域における無線環境に関連する複数の無線環境データで構成された総合無線環境データとを対応付けた無線環境マップを記憶した無線環境マップ記憶手段を備え、無線通信により無線親機から送信されるタスク指令に基づいて、移動制御手段が脚部又は脚部に相当する移動機構を駆動制御することで、自律的に移動する移動ロボットの制御方法であって、
位置認識手段により、前記移動領域内における自己位置を認識する位置認識ステップと、
前記無線通信が切断された状態となった場合に、探索手段により、前記無線環境マップに基づいて、前記無線通信の接続が可能な復旧位置を探索する探索ステップと、
移動指示手段により、前記認識された自己位置から、前記探索手段で探索された復旧位置までの移動を前記移動制御手段に指示する自己位置移動指示ステップと、を含み、
前記無線環境マップには、さらに、複数の前記無線親機の位置情報と、前記無線親機ごとに対応した前記総合無線環境データとが対応付けられており、
前記探索ステップは、
前記無線環境マップに基づいて、前記自己位置から予め定められた距離以内に位置する無線親機を探索する親機探索ステップと、
前記無線環境マップに基づいて、前記親機探索ステップで探索された無線親機のうちで前記自己位置から近い無線親機の順に、当該無線親機に対応する総合無線環境データにおいて予め定めた基準を満たし、かつ、前記自己位置に最も近い位置を探索し、前記復旧位置とする復旧位置探索ステップと、
を含んでいることを特徴とする移動ロボットの制御方法。 - 移動領域の地図データと、当該移動領域における無線環境に関連する複数の無線環境データで構成された総合無線環境データとを対応付けた無線環境マップを記憶した無線環境マップ記憶手段を備え、無線通信により無線親機から送信されるタスク指令に基づいて、移動制御手段が脚部又は脚部に相当する移動機構を駆動制御することで、自律的に移動する移動ロボットを制御するために、コンピュータを、
前記移動領域内における自己位置を認識する位置認識手段、
前記無線環境の状態を監視する監視手段、
この監視手段で監視される状態が、前記無線通信が切断された状態となった場合に、前記無線環境マップに基づいて、前記無線通信の接続が可能な復旧位置を探索する探索手段、
前記認識された自己位置から、前記探索手段で探索された復旧位置までの移動を前記移動制御手段に指示する移動指示手段、として機能させ、
前記無線環境マップには、さらに、複数の前記無線親機の位置情報と、前記無線親機ごとに対応した前記総合無線環境データとが対応付けられており、
前記探索手段が、
前記無線環境マップに基づいて、前記自己位置から予め定められた距離以内に位置する無線親機を探索し、前記無線環境マップに基づいて、前記探索された無線親機のうちで前記自己位置から近い無線親機の順に、当該無線親機に対応する総合無線環境データにおいて予め定めた基準を満たし、かつ、前記自己位置に最も近い位置を探索し、前記復旧位置とすることを特徴とする移動ロボットの制御プログラム。
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