JP4656866B2 - レンジフード - Google Patents
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Description
本発明は汚染空気（燃焼ガス、上昇気流等）の捕獲効率の向上を図るレンジフード、更に詳しくはＩＨクッキングヒータ用として好適なレンジフードに関するものである。
今日、加熱調理器具として使用されているのは都市ガス、ＬＰガス等を燃料とするガス器具、電気コンロ、ＩＨクッキングヒータ等である。
ガス器具は、調理する鍋等からの湯気と共に二酸化炭素や場合によっては一酸化炭素等の有害物質を含む燃焼ガス（汚染空気）が発生する。
電気コンロ、ＩＨクッキングヒータは、燃焼ガスを発生しないが、湯気、調理臭を含む上昇気流（汚染空気）が発生する。
従来、レンジフードには、下向開放部を有するフード体の背部から平面視コの字状の誘動流吹き出し管を高さ調節可能に垂設することによって、その誘動流吹き出し管から誘動流を上方に吹き出して、その誘動流で汚染空気をフード体内に誘動する構成のものが知られている（例えば特許文献１）。
ガス器具は、調理する鍋等からの湯気と共に二酸化炭素や場合によっては一酸化炭素等の有害物質を含む燃焼ガス（汚染空気）が発生する。
電気コンロ、ＩＨクッキングヒータは、燃焼ガスを発生しないが、湯気、調理臭を含む上昇気流（汚染空気）が発生する。
従来、レンジフードには、下向開放部を有するフード体の背部から平面視コの字状の誘動流吹き出し管を高さ調節可能に垂設することによって、その誘動流吹き出し管から誘動流を上方に吹き出して、その誘動流で汚染空気をフード体内に誘動する構成のものが知られている（例えば特許文献１）。
前記先行技術はフード体の背部から高さ調節可能な平面視コの字状の誘動流吹き出し管から誘動流を上方に吹き出して、その誘動流で汚染空気をフード体の捕捉空間に捕捉する構成である。
しかしながら、このような構成のレンジフードでは加熱調理時に発生する汚染空気を効果的に誘動するために誘動流吹き出し管を出きるだけ下方に位置させた状態で使用される。
そのため、その誘動流が上昇に伴って弱まるので、上昇するに従って拡散する汚染空気のフード本体外部への漏洩を防止できず、効果的な漏洩防止策とは言い難いものであった。
特にＩＨクッキングヒータは、上昇気流が弱いため、排気手段の吸引力が作用する以前の段階でその汚染空気が四方に放散してキッチンの天井等に付着して汚し、キッチンを不快にする。
また、ガス器具は、調理する鍋等からの湯気と共に燃焼ガスを発生させ、その燃焼ガスの熱でフード体を暖め、電気コンロは、汚染空気の熱でフード体を暖める。それによって共に湯気の湿度を低下させるため、結露を生じることはない。
しかしながら、前記するＩＨクッキングヒータは、燃焼ガスを伴わないことから、調理時に発生する湯気がフード体に付着して結露し、それが徐々に大きな粒となり、やがてＩＨクッキングヒータ上に滴下し、汚してしまう。
特開２００２−１６８４９６号公報
しかしながら、このような構成のレンジフードでは加熱調理時に発生する汚染空気を効果的に誘動するために誘動流吹き出し管を出きるだけ下方に位置させた状態で使用される。
そのため、その誘動流が上昇に伴って弱まるので、上昇するに従って拡散する汚染空気のフード本体外部への漏洩を防止できず、効果的な漏洩防止策とは言い難いものであった。
特にＩＨクッキングヒータは、上昇気流が弱いため、排気手段の吸引力が作用する以前の段階でその汚染空気が四方に放散してキッチンの天井等に付着して汚し、キッチンを不快にする。
また、ガス器具は、調理する鍋等からの湯気と共に燃焼ガスを発生させ、その燃焼ガスの熱でフード体を暖め、電気コンロは、汚染空気の熱でフード体を暖める。それによって共に湯気の湿度を低下させるため、結露を生じることはない。
しかしながら、前記するＩＨクッキングヒータは、燃焼ガスを伴わないことから、調理時に発生する湯気がフード体に付着して結露し、それが徐々に大きな粒となり、やがてＩＨクッキングヒータ上に滴下し、汚してしまう。
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、風の流れで調理によって発生する汚染空気を捕獲するレンジフードにおいて、汚染空気の捕獲効率が優れたレンジフードを提供することにある。
他の目的とする処は、その風の流れを有効利用して結露を防止する構造簡単なＩＨクッキングヒータ用のレンジフードを提供することにある。
他の目的とする処は、その風の流れを有効利用して結露を防止する構造簡単なＩＨクッキングヒータ用のレンジフードを提供することにある。
前記課題を解決するために講じた技術的手段は、下面に汚染空気捕獲用凹部を設けたフード体内またはフード体外に調理で発生する汚染空気を吸気する排気手段を設置し、空気供給手段を連絡して前記フード体から風を吹き出し可能にしたレンジフードであって、前記汚染空気捕獲用凹部の下端部に湾曲面を形成すると共に、その湾曲面の外側位置に、鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状に吹き出す風吹き出し部を形成して、その風吹き出し部からの吹き出し風を上昇する汚染空気に衝突させ合流させてその汚染空気の流れをフード体内方向に方向変換するように構成して、前記吹き出し風で汚染空気の流れをフード体内方向に方向変換すると同時にその吹き出し風の一部を前記湾曲面によるコアンダ効果で汚染空気捕獲用凹部の凹面に沿って乾燥用の風として流すようにしていると、好適である（請求項１）。
前記請求項１記載の吹き出し風は、少なくとも調理で発生する水蒸気を含んだ汚染空気よりも湿度の低い空気を意味し、室内の空気や屋外の空気を吸引して送り出し、それを送り出す前段階で加熱したり、除湿すると更に乾燥用の風として最適なものである。
前記請求項１記載の吹き出し風は、少なくとも調理で発生する水蒸気を含んだ汚染空気よりも湿度の低い空気を意味し、室内の空気や屋外の空気を吸引して送り出し、それを送り出す前段階で加熱したり、除湿すると更に乾燥用の風として最適なものである。
上記手段によれば、吹き出し風の一部を、フード体のその汚染空気捕獲用凹部の下端部に形成されている湾曲面によるコアンダ効果で汚染空気捕獲用凹部の凹面に沿って流して吸込口に導いて、その凹面との間に湯気の付着を回避する境界層を形成して結露を防止する。
そして、レンジフードがＩＨクッキングヒータ用であると、好適なものである（請求項２）。
本発明は以上のように構成したから下記の利点がある。
上昇する汚染空気に斜めに衝突させる風を、フード体の下方開放縁部分や汚染空気捕獲用凹部の開放縁部分から鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状に吹き出して、その吹き出し風を合流させて汚染空気の流れを吹き出し風の勢力でフード体内方向に方向変換するようにしているので、加熱調理器具から発生して上昇するに従って拡散しようとするその汚染空気を外側に洩らさず捕獲でき、上昇気流が弱く排気手段の吸込力が作用する以前の段階でその汚染空気が四方に放散する特性を有するＩＨクッキングヒータであっても、汚染空気を外部に洩らさず、確実に捕獲することができる。
しかも、汚染空気捕獲用凹部下端の湾曲面によるコアンダ効果でその汚染空気捕獲用凹部の凹面に沿って流れるように構成して、その凹面との間に湯気の付着を阻止する境界層を形成するので、その吹き出し風の一部を有効利用して結露を確実に防止することができ、特にフード本体内に湯気が付着して結露するＩＨクッキングヒータ用のレンジフードとして最適なものである。
上昇する汚染空気に斜めに衝突させる風を、フード体の下方開放縁部分や汚染空気捕獲用凹部の開放縁部分から鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状に吹き出して、その吹き出し風を合流させて汚染空気の流れを吹き出し風の勢力でフード体内方向に方向変換するようにしているので、加熱調理器具から発生して上昇するに従って拡散しようとするその汚染空気を外側に洩らさず捕獲でき、上昇気流が弱く排気手段の吸込力が作用する以前の段階でその汚染空気が四方に放散する特性を有するＩＨクッキングヒータであっても、汚染空気を外部に洩らさず、確実に捕獲することができる。
しかも、汚染空気捕獲用凹部下端の湾曲面によるコアンダ効果でその汚染空気捕獲用凹部の凹面に沿って流れるように構成して、その凹面との間に湯気の付着を阻止する境界層を形成するので、その吹き出し風の一部を有効利用して結露を確実に防止することができ、特にフード本体内に湯気が付着して結露するＩＨクッキングヒータ用のレンジフードとして最適なものである。
次に本発明レンジフードの実施の形態を説明すると、実施の形態ではＩＨクッキングヒータ用のレンジフードを示している。
図１〜図４に基づいて説明すると、符号Ａはそのレンジフードである。各実施の形態では薄幅なタイプのレンジフードを示している。
このレンジフードＡは、図１、図２に示すように下面を開放した扁平薄箱状のフード体１の天板部１１に排気手段２を設置し、その排気手段２を前方から立設された幕板２１で隠し、下面開放部に汚染空気捕獲用凹部３を設けてその凹部３を加熱調理で発生した汚染空気の捕獲空間Ｓとし、その凹部３の天面部（底面）１３に吸込口１３１を開設して吸込口部材としてフィルタ４または排気手段２のファンを目隠しする目隠し板を係脱可能に備え、その凹部３の背後のフード体１内にチャンバー５を区画形成している。
前記排気手段２には、図１、図２に示すにように排気ダクトＤが接続されて、屋外に排気するようになっているが、排気ダクトＤを設けず室内への循環路を接続し、その循環経途中に脱臭手段を付設して屋内に循環するように構成しても良いものである。
このレンジフードＡは、図１、図２に示すように下面を開放した扁平薄箱状のフード体１の天板部１１に排気手段２を設置し、その排気手段２を前方から立設された幕板２１で隠し、下面開放部に汚染空気捕獲用凹部３を設けてその凹部３を加熱調理で発生した汚染空気の捕獲空間Ｓとし、その凹部３の天面部（底面）１３に吸込口１３１を開設して吸込口部材としてフィルタ４または排気手段２のファンを目隠しする目隠し板を係脱可能に備え、その凹部３の背後のフード体１内にチャンバー５を区画形成している。
前記排気手段２には、図１、図２に示すにように排気ダクトＤが接続されて、屋外に排気するようになっているが、排気ダクトＤを設けず室内への循環路を接続し、その循環経途中に脱臭手段を付設して屋内に循環するように構成しても良いものである。
前記汚染空気捕獲用凹部３は、図１、図２に示すように側周面２３と天面部（底面）１３とのコーナーに緩やかなガイド曲面３３を形成し、それに連続して前記吸込口１３１を開口している。
前記天面部１３は、図２に示すように後側に向かって下向き傾斜状になっている。
前記天面部１３は、図２に示すように後側に向かって下向き傾斜状になっている。
前記チャンバー５は、前記フィルタ４または目隠し板とフード体１の天板部１１上の排気手段２とを連絡する連絡路６を除いてフード体１内に前記凹部３背後を覆うように形成されており、幕板２１で隠れるように設けられた空気供給手段（シロッコファン）Ｂに連絡して、そのチャンバー５の前側部１５、左右側部２５、２５の長さ方向に沿って開孔した風吹き出し部７から風の流れを鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状に吹き出すようになっている。
前記空気供給手段Ｂは、図１に示すようにヒータまたは除湿手段を備えた構成にして、加熱したり除湿してエアーを前記チャンバー５に圧送するようになっていても良いものである。
ヒータを使用すると、その加熱風でチャンバー５を介して前記凹部３そのものが加熱されるため、結露の発生をより効果的に防止する上で有効である。
ヒータの場合には、火災の発生を考慮すると、ＰＴＣヒータを使用するのが好ましいものである。
ヒータを使用すると、その加熱風でチャンバー５を介して前記凹部３そのものが加熱されるため、結露の発生をより効果的に防止する上で有効である。
ヒータの場合には、火災の発生を考慮すると、ＰＴＣヒータを使用するのが好ましいものである。
前記風吹き出し部７は、図３、図４に示すようにフード体１の開放縁である前記チャンバー５の下面部分に、フード外側に向けて上向き傾斜状の底面１７１を有する凹段部１７をプレス成形し、該凹段部１７の最低部から直角に立ち上がる立ち上がり面１７２に前記チャンバー５の前側部１５、左右側部２５、２５の長さ方向に沿い適宜間隔をおいて帯状孔をもって開孔している。
また、前記風吹き出し部７は、図４に示すように鉛直線よりも外向き傾斜状をもって開孔することによって、鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状に吹き出すようになっている。本実施の形態では吹き出し風Ｆの中心が鉛直線よりも内側に７０度程度内向き傾斜状に吹き出されるように開孔されて、前記凹段部１７の底面１７１をガイドにしてＩＨクッキングヒータの使用によって発生した汚染空気Ｑに吹き出し風Ｆを衝突させ合流させて、その吹き出し風Ｆの勢力で汚染空気Ｑの流れをフード体１内方向に方向変換するようになっている。
この風吹き出し部７からの吹き出し風の風速は、汚染空気Ｑの上昇風速と同程度にするのが好適なものである。
この風吹き出し部７からの吹き出し風の風速は、汚染空気Ｑの上昇風速と同程度にするのが好適なものである。
また、図４に示すように、前記凹段部１７の底面１７１に連続して前記汚染空気捕獲用凹部３の下端部に、その吹き出し風Ｆの流れの一部をコアンダ効果でその凹部３の凹面３’に沿うよう流す比較的大きな曲率の湾曲面（本実施の形態では半径５ｍｍにしている）１３２を形成している。
斯様なレンジフードＡ直下には、そのレンジフードＡの真下に調理器具としてＩＨクッキングヒータが配備されており、加熱調理によって発生して上昇するに従って拡散してフード体１外に漏洩しようとする水蒸気を含むその汚染空気Ｑにフード体１の下方開放縁部分から鉛直線よりも所要角度内側に向けた下向き傾斜状に吹き出した吹き出し風Ｆを衝突させ合流させてその汚染空気Ｑの流れをフード体１内の吸込口１３１方向に変換してフード体１外への汚染空気Ｑの洩れを防止して、捕獲効率を向上させ、その上、その吹き出し風Ｆの一部をコアンダ効果で湾曲面１３２から汚染空気捕獲用凹部３の凹面３’に沿って流して、その風の流れでその凹面３’及びそれに連続するフィルタ４または目隠し板を加温すると共に、湯気が付着しない境界層を形成して、結露しないようにする。
尚、前記吹き出し風Ｆの吹き出し角度は、図４の２点鎖線で示すように吹き出し風Ｆからの実際の吹き出しエリアＥの下端が鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状になるものであれば良く、例示する吹き出し風中心の内向き傾斜角度（７０度程度）に特定されるものではないものである。
Ａ：レンジフード ３：汚染空気捕獲用凹部
１３２：湾曲面 ７：風吹き出し部
３’：凹面 Ｆ：吹き出し風
Ｑ：汚染空気 ２：排気手段
１：フード体 Ｂ：空気供給手段
１３２：湾曲面 ７：風吹き出し部
３’：凹面 Ｆ：吹き出し風
Ｑ：汚染空気 ２：排気手段
１：フード体 Ｂ：空気供給手段
Claims (2)
- 下面に汚染空気捕獲用凹部を設けたフード体内またはフード体外に調理で発生する汚染空気を吸気する排気手段を設置し、空気供給手段を連絡して前記フード体から風を吹き出し可能にしたレンジフードであって、前記汚染空気捕獲用凹部の下端部に湾曲面を形成すると共に、その湾曲面の外側位置に、鉛直線よりも内側に向けて下向き傾斜状に吹き出す風吹き出し部を形成して、その風吹き出し部からの吹き出し風を上昇する汚染空気に衝突させ合流させてその汚染空気の流れをフード体内方向に方向変換するように構成して、前記吹き出し風で汚染空気の流れをフード体内方向に方向変換すると同時にその吹き出し風の一部を前記湾曲面によるコアンダ効果で汚染空気捕獲用凹部の凹面に沿って乾燥用の風として流すようにしていることを特徴とするレンジフード。
- 前記レンジフードがＩＨクッキングヒータ用であることを特徴とする請求項１記載のレンジフード。
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