JP4654583B2 - 振動波モータ - Google Patents

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Description

本発明は、振動子の駆動面に進行性振動波を生じさせ、この進行性振動波により振動子に加圧接触した移動子を駆動する振動波モータに関するものである。
従来、振動波モータとしては、例えば、振動子と、この振動子に加圧接触した移動子とを備えたものが知られている。振動子は、圧電効果を示す圧電体と、この圧電体に接合された弾性体とを備えており、圧電体の伸縮を利用して、弾性体の駆動面に進行性振動波を発生させる。この進行性振動波により、弾性体の駆動面には楕円運動が生じるので、楕円運動の波頭に加圧接触した移動子は駆動される。
このような振動波モータは、低回転でも高トルクを有するという特徴があるため、振動波モータを適宜の駆動装置に搭載した場合には、この駆動装置のギアを省略することができ、例えば、ギア騒音をなくしたり、位置決め精度を向上できる等の利点がある。
振動子は、上述したように、圧電体と弾性体とを備え、この圧電体と弾性体とは、接着剤等により強固に接着(接合)されている。弾性体の圧電体接合面とは反対側の駆動面側には、略等間隔に等幅の溝が設けられている。この溝により、弾性体内部に生じる曲げ振動の中立面が圧電体側にシフトし、その結果、弾性体の駆動面側に発生する進行性振動波の振幅が拡大する。
弾性体に発生する進行性振動波は、圧電体の励振より生じる二つの曲げ振動の定在波を合成することにより得られる。この曲げ振動(定在波)の振動振幅を大きくすることにより、振動波モータの性能を高めることができる。このため、振幅の大きい曲げ振動(定在波)を得るために、例えば、振動子の溝数を進行性振動波の波数の倍数になるように設計して、各波の振動が一様になるようにする方法が知られている。
図5は、従来の振動波モータにおける異音の発生原理を説明するための概念図である。
Aは、弾性体に略等間隔で形成された溝部12aと、この溝部12a間に形成され、振動面12cを含む突起部12bとにそれぞれ対応している。なお、この溝部12aの数は、進行性振動波の波数の倍数とする。
Bは、弾性体に発生する進行性振動波であって、この進行性振動波の波頭部が突起部12bを通過するときの波形を示している。
Cは、弾性体に発生する進行性振動波であって、この進行性振動波の波頭部が溝部12aを通過するときの波形を示している。
この波形B,Cによれば、進行性振動波の波頭部が溝部12aを通過するときの振幅よりも、突起部12bを通過するときの振幅は増幅されており、かつ、この進行性振動波の全ての波頭部(ここでは、3つ)が同時に突起部12bを通過した状態(波形B)から溝部12aを通過した状態(波形C)に切り替わるために、移動子に必要以上の上下動の動きが瞬間的に生じる。
これにより、振動波モータにおいて、振動子と移動子とが接触しない瞬間が各波で同時に発生し、例えば、振動振幅が大きくなったとき(すなわち、振動波モータの回転速度が大きくなったとき)に、異音が発生することがあった。
この異音の発生を防止するために、振動子の溝数と、進行性振動波の波数とを互いに素の関係にすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、この場合には、振動のQ値(いわゆる共振の鋭さを表す値)が小さくなり、十分な定在波の振動振幅が得られず、振動波モータの性能が低下してしまう場合があった。
特公平5−30149号公報
本発明の課題は、駆動性能を維持しつつ、高回転時における異音の発生を防止できる振動波モータを提供することである。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、2つの相に分けられ、前記2つの相のそれぞれに入力される駆動信号により、前記2つの相から発生する互いにずれた2つの振動が励振される圧電体と、前記圧電体に接合され、前記位相がずれた2つの振動が合成されて駆動面に進行性振動波を生じる弾性体とを有する振動子と、前記弾性体の駆動面に加圧接触され、前記進行性振動波によって駆動される移動子と、を備えた振動波モータであって、前記弾性体は、その駆動面側に複数の溝部を有し、前記進行性振動波の波数は9であり、前記溝部の数と前記進行性振動波の波数との最大公約数は3であること、を特徴とする振動波モータである。
請求項2の発明は、2つの相に分けられ、前記2つの相のそれぞれに入力される駆動言号により、前記2つの相から発生する互いにずれた2つの振動が励振される圧電体と、前記圧電体に接合され、前記位相がずれた2つの振動が合成されて駆動面に進行性振動波を生じる弾性体とを有する振動子と、前記弾性体の駆動面に加圧接触され、前記進行性振動波によって駆動される移動子と、を備えた振動波モータであって、前記弾性体は、その駆動面側に複数の溝部を有し、前記進行性振動波の波数は8であり、前記溝部の数と前記進行性振動波の波数との最大公約数は4であること、を特徴とする振動波モータである。
請求項3の発明は、2つの相に分けられ、前記2つの相のそれぞれに入力される駆動信号により、前記2つの相から発生する互いにずれた2つの振動が励振される圧電体と、前記圧電体に接合され、前記位相がずれた2つの振動が合成されて駆動面に進行性振動波を生じる弾性体とを有する振動子と、前記弾性体の駆動面に加圧接触され、前記進行性振動波によって駆動される移動子と、を備えた振動波モータであって、前記弾性体はその駆動面側に複数の溝部を有し、前記進行性振動波の波数は10であり、前記溝部の数と前記進行性振動波の波数との最大公約数は5であること、を特徴とする振動波モータである。
請求項の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、前記圧電体前記2つの相から発生する前記振動は、互いに位相が1/4波長ずれること、特徴とする振動波モータである。
請求項の発明は、請求項4に記載の振動波モータにおいて、前記2つの相の間には、前記振動の1/4波長分間隔があること、を特徴とする振動波モータである。
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、前記圧電体は、前記振動の1/2波長毎に分極が交互となっていること、を特徴とする振動波モータである。
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、前記進行性振動波の複数の波頭部のうち、前記溝部にある波頭部と前記溝部にない波頭部とが同時に存在すること、を特徴とする振動波モータである。
本発明の振動波モータは、(1)駆動信号により励振される圧電体に接合され、励振により駆動面に進行性振動波を生じ、その駆動面側に複数の溝部が形成された弾性体を有する振動子と、この弾性体の駆動面に加圧接触され、進行性振動波によって駆動される移動子とを備え、溝部の数と進行性振動波の波数との最大公約数は、進行性振動波の波数よりも小さく1よりも大きい整数であるので、溝部の数は、進行性振動波の波数の倍数ではなく、かつ、溝部の数と進行性振動波の波数とは、互いに素(2つの整数が1以外の公約数を持たないこと)の関係ではない。
このため、弾性体の駆動面に発生する進行性振動波の波頭部の全てが同時に、溝部を通過することがなく、かつ、進行性振動波の波頭部の少なくとも1つが溝部を通過するので、駆動性能を維持しつつ、高回転時における異音の発生を防止できる。
(2)進行性振動波の波数が8である場合には、最大公約数を4、2のいずれかとし、同じく、波数が9である場合には、最大公約数を3とし、さらに、波数が10である場合には、最大公約数を5、2のいずれかとしたので、異音が発生しない最大駆動回転数を高めることができる。
本発明は、駆動性能を維持しつつ、高回転時における異音の発生を防止するという目的を、弾性体の駆動面側に形成された複数の溝部の数と、弾性体の駆動面側に発生する進行性振動波の波数との最大公約数を、進行性振動波の波数よりも小さくすることによって実現する。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。なお、以下の実施例では、振動波モータとして、超音波の振動域を利用した超音波モータを一例として説明する。
図1は、本発明による超音波モータを示す概略図である。
図2は、本実施例の超音波モータの振動子及び移動子の外観図である。
超音波モータ10は、例えば、振動子11と移動子17とを備え、振動子11側を固定とし、移動子(相対運動部材)17側を回転駆動する形態となっており、振動子11の下側には、緩衝部材14と、加圧板15と、加圧部材16と、支持部材19A等とが配置され、移動子17の上側には、振動吸収部材18と、回転部材19B等とが配置されている。
振動子11は、弾性体12と、弾性体12に接合され、後述する電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子や電歪素子等を例とした電気機械変換素子(以下、圧電体という)13とを備えている。この振動子11には、進行性振動波(以下、進行波という)が発生するが、本実施例では、一例として、9波の進行波として説明する。
弾性体12は、共振先鋭度が大きな金属材料からなり、その形状は、円環形状となっている。この弾性体12は、圧電体13が接合される面とは反対側の面(すなわち、移動子17と対向する面)に、溝部12aが切ってあり、突起部(溝部12aがない箇所)12bの先端面が、駆動面12cとなり、移動子17に加圧接触される。なお、この溝部12aの数と突起部12bの数とは同じ数となる。
また、弾性体12に溝部12aを形成する理由は、進行波の中立面をできる限り圧電体13側に近づけ、これにより、駆動面12cの進行波の振幅を増幅させるためである。
圧電体13は、円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれており、各相においては、1/2波長毎に分極が交互となった要素が並べられていて、A相とB相との間には1/4波長分間隔が空くようにしてある。
圧電体13の下側には、上述したように、緩衝部材14と、加圧板15と、加圧部材16と、支持部材19A等とが配置されている。緩衝部材14は、圧電体13の下側に配置され、振動子11の振動を加圧板15や加圧部材16に伝えないようするための部材であって、例えば、不織布、フェルト等が使用されている。
加圧板15は、加圧部材16の加圧を受けるための板である。加圧部材16は、加圧板15の下側に配置され、加圧力を発生させる部材である。なお、本実施例では、加圧部材16を皿バネとしたが、これに限られず、コイルバネ、ウェーブバネ等を用いてもよい。支持部材19Aは、この超音波モータ10を、固定側に支持する部材である。
移動子17は、アルミニウム等の軽金属からなり、摺動面17aの表面には、耐摩耗性向上のための表面処理が施されている。この移動子17の上側には、上述したように、移動子17の加圧方向の振動を吸収するために、ゴム等の振動吸収部材18が配置されている。この振動吸収部材18の上側には、ベアリング等の回転部材19Bが配置されている。
図3は、本実施例による超音波モータ10の駆動制御装置を示すブロック図である。
駆動制御装置20は、例えば、発振部21と、制御部22と、移相部23と、増幅部24,25と、検出部26等とを備えている。
発振部21は、制御部22の指令により、所望の周波数の駆動信号を発生する。移相部23は、発振器21で発生した駆動信号を90゜位相の異なる2つの駆動信号に分ける。増幅部24,25は、移相部23によって分けられた2つの駆動信号を、それぞれ所望の電圧に昇圧する。増幅部24,25からの駆動信号は、超音波モータ10に伝達され、この駆動信号の印加により、振動子11に進行波が発生し、移動子17が駆動される。
検出部26は、光学式リニアエンコーダ等を含み、移動子17の駆動によって駆動される被駆動体(不図示)の位置や速度を検出すると共に、この検出信号を制御部22に出力する。
制御部22は、CPUからの駆動指令に基づいて、超音波モータ10の駆動を制御するものであって、例えば、検出部26からの検出信号を受け、その値に基づいて位置情報と速度情報とを得て、被駆動体が目標位置に位置決めされるように、発振器21の周波数を制御する。
つぎに、駆動制御装置20の動作を説明する。
まず、制御部22に目標位置が伝達される。発振部21は、駆動信号を発生し、この駆動信号は、移相部23により90゜位相の異なる2つの駆動信号に分割され、増幅部24,25により、所望の電圧に増幅される。増幅部24,25により増幅された駆動信号は、超音波モータ10の圧電体13に印加され、圧電体13は、励振される。この励振によって、圧電体13に接合された弾性体12には、9次の曲げ振動が発生する。
圧電体13は、A相とB相とに分けられており、駆動信号は、それぞれA相とB相に印加される。A相から発生する9次曲げ振動とB相から発生する9次曲げ振動とは、位置的な位相が1/4波長ずれるようになっており、また、A相の駆動信号とB相の駆動信号とは、90゜位相がずれているために、2つの曲げ振動が合成されて、9波の進行波となる。
進行波の波頭部には楕円運動が生じている。ここで、移動子17は、駆動面12cに加圧接触されているので、この楕円運動によって摩擦的に駆動される。なお、移動子17は、進行波の進行方向とは逆方向の駆動力を弾性体12から得ており、この駆動力は、例えば、進行波の波頭部が弾性体12に形成された突起部12bを通過したときに得られる。
検出部26は、移動子17の駆動により駆動される被駆動体に配置されており、検出部26から発生した電気パルスの信号が制御部22に伝達される。制御部22は、この信号に基づいて、現在の位置と現在の速度を得ることができ、これらの位置情報、速度情報及び目標位置情報に基づいて、発振部21の駆動周波数を制御する。
図4は、本実施例による超音波モータ10の性能を、溝部12aの数と進行波の波数とに基づいて比較した図である。
本実施例の弾性体12の駆動面12c側には、周方向に沿って、等間隔で等幅の溝部12aを48個形成して、突起部12bも48個形成した(以下、溝数48といい、溝数で説明する)。ここで、溝数48とは、進行波の波数9に対して、最大公約数が3(すなわち、波数9よりも小さい)となる関係であり、さらに詳しくは、溝数48は、進行波の波数9の倍数ではなく、かつ、溝数48と進行波の波数9とは、互いに素(2つの整数が1以外の公約数を持たないこと)の関係ではない(後述する「NO.2」に対応)。
さらに、本件発明者は、進行波の波数9が生じる振動子11において、溝数を変更した試作品を作製して、各試作品を用いた超音波モータの性能と高回転時の異音について調査した。
超音波モータの性能を示すものとして、定格周波数を入力した時の(≒最大駆動回転数NHが得られる周波数)の最大効率(%)や、最低駆動回転数NL(rpm)と最大駆動回転数NH(rpm)との比(NH/NL比)等がある。
なお、最大駆動回転数NHとは、異音が発生しない最大駆動回転数であって、その値は、大きい方が好ましい。また、NH/NL比については、その値が大きいと制御性がよいことを示し、例えば、アプリケーション組み込み時に停止時間が短く、停止精度がよくなる。
「NO.1」では、図示のように、溝数54(進行波の波数9の倍数)であって、サンプル「1−1,1−2,1−3」を用いて超音波モータの性能を比較した。
「NO.2」では、上述したように、溝数48(進行波の波数9との最大公約数が3であって、進行波の波数9の倍数ではなく、かつ、進行波の波数9とは互いに素の関係ではない)であって、サンプル「2−1,2−2,2−3」を用いて超音波モータの性能を比較した。
「NO.3」では、溝数47(進行波の波数9と互いに素の関係である)であって、サンプル「3−1,3−2,3−3」を用いて超音波モータの性能を比較した。
「NO.4」では、溝数45(進行波の波数9の倍数)であって、サンプル「4−1,4−2,4−3」を用いて超音波モータの性能を比較した。
以下、上述した「NO.1〜4」を比較すると共に、超音波モータの性能を溝数と進行波の波数とに基づいて説明する。
「NO.1,4」は、「NO.2,3」に比べて、最大効率は大きいが、異音が発生しない最大駆動回転数が小さい。
「NO.3」は、「NO.1,4」に比べて、異音が発生しない最大駆動回転数は大きいが、最大効率が小さい。
これに対して、「NO.2」は、「NO.1,4」と最大効率が略同じで、さらに、異音が発生しない最大駆動回転数は「NO.1,3,4」よりも大きい。
溝数が波数の倍数の関係である「NO.1,4」について説明する。
「NO.1,4」の最大効率が大きい理由としては、溝数が波数の倍数の関係であるために、曲げ振動の定在波の各波の振動が一様になっており、その結果、高いQ値が得られると共に、大きな振動振幅が得られる点が挙げられる。
一方、振動振幅が大きくなった場合(すなわち、回転速度が速くなった場合)に、異音が発生しやすくなるのは、進行性振動波の波頭部が溝部12aを通過するときの振幅と、突起部12bを通過するときの振幅とが異なり、かつ、各波が同時に溝部12a(突起部12b)を通過した状態から突起部12b(溝部12a)を通過した状態に切り替わるために、移動子17に上下動の動きが生じるからである。これにより、振動子11と移動体17とが接触しない瞬間が発生して、異音が発生することが想定される。
溝数と波数とが互いに素の関係である「NO.3」について説明する。
「NO.3」の異音が発生しない最大駆動回転数が、「NO.1,4」に比べて大きい理由としては、溝数と波数とが素の関係であり、進行性振動波の各波の波頭部がばらばらに溝部12a(突起部12b)を通過した状態から突起部12b(溝部12a)を通過した状態に切り替わるために、移動子17に上下動の動きが生じ難いからである。
一方、「NO.3」では、溝数と波数とが互いに素の関係であるので、定在波発生時の各波の振動が一様でなく、Q値が小さくなり、その結果、大きな振動振幅が得られないために、最大効率が小さくなる。
つぎに、上述したように、溝数と波数との最大公約数が波数よりも小さく、さらに詳しくは、溝数は波数の倍数ではなく、かつ、溝数と波数とは互いに素の関係ではない「NO.2」について説明する。
「NO.2」は、溝数と波数との最大公約数が3になるような関係であり、この場合には、曲げ振動の定在波の発生時に、9波のうち3つの波の振動が一様になる(同じ振動が3グループに分けられる)。このため、「NO.2」では、ある程度のQ値が確保され、振動振幅が低下することはなく、その結果、「NO.1,4」と略同様の最大効率を得ることができる。
また、「NO.2」では、進行性振動波の各波の波頭部が、3グループ毎に溝部12a(突起部12b)を通過した状態から突起部12b(溝部12a)を通過した状態に切り替わるために、移動子17の上下動が「NO.1,4」に比べて小さなり、その結果、異音の発生しない最大駆動回転数が大きくなる。
したがって、本実施例によれば、「NO.2」のように、溝数と波数との最大公約数が波数よりも小さくなるように、溝数と波数との関係を設定することにより、定在波の振動振幅が確保され、かつ、高回転時の移動子17の瞬間的な上下動を抑えることができ、その結果、定格周波数を入力したときの最大効率を高めると共に、異音の発生しない最大駆動回転数を大きくすることができ、さらに、NH/NL比を大きくでき、例えば、停止時間が短く、停止精度のよい超音波モータ10を得ることができる。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲である。
上述した超音波モータ10では、9波の進行波で、弾性体12の駆動面側に48個の溝部12aが形成された場合について説明したが、これに限られず、進行波の波数が8、10である場合についても溝数と進行波の波数との関係を考慮することにより、同様な効果を得られる。
(1)進行波の波数が8である場合に、溝数を44(すなわち、溝数が波数の倍数ではなく、かつ、互いに素の関係ではない数)にすると、この場合には、溝数と波数との最大公約数は4であり、波数よりも小さいので、例えば、効率等の性能がよく、高回転時においても異音が発生しない超音波モータを得ることができる。
(2)進行波の波数が10である場合に、溝数を55(すなわち、溝数が波数の倍数ではなく、かつ、互いに素の関係ではない数)にすると、この場合には、溝数と波数との最大公約数は5であり、波数よりも小さいので、例えば、効率等の性能がよく、高回転時においても異音が発生しない超音波モータを得ることができる。
本発明による超音波モータを示す概略図である。 本実施例の超音波モータの振動子及び移動子の外観図である。 本実施例による超音波モータ10の駆動制御装置を示すブロック図である。 本実施例による超音波モータ10の性能を、溝部12aの数と進行波の波数とに基づいて比較した図である。 従来の振動波モータにおける異音の発生原理を説明するための概念図である。
符号の説明
10 超音波モータ
11 振動子
12 弾性体
12a 溝部
12b 突起部
12c 駆動面
13 圧電体
14 緩衝部材
15 加圧板
16 加圧部材
17 移動子
18 振動吸収部材
19A 支持部材
19B 回転部材
20 駆動制御装置
21 発振部
22 制御部
23 移相部
24,25 増幅部
26 検出部

Claims (7)

  1. 2つの相に分けられ、前記2つの相のそれぞれに入力される駆動信号により、前記2つの相から発生する互いにずれた2つの振動が励振される圧電体と、前記圧電体に接合され、前記位相がずれた2つの振動が合成されて駆動面に進行性振動波を生じる弾性体とを有する振動子と、
    前記弾性体の駆動面に加圧接触され、前記進行性振動波によって駆動される移動子と、
    を備えた振動波モータであって、
    前記弾性体は、その駆動面側に複数の溝部を有し、
    前記進行性振動波の波数は9であり、前記溝部の数と前記進行性振動波の波数との最大公約数は3であること、
    を特徴とする振動波モータ。
  2. 2つの相に分けられ、前記2つの相のそれぞれに入力される駆動言号により、前記2つの相から発生する互いにずれた2つの振動が励振される圧電体と、前記圧電体に接合され、前記位相がずれた2つの振動が合成されて駆動面に進行性振動波を生じる弾性体とを有する振動子と、
    前記弾性体の駆動面に加圧接触され、前記進行性振動波によって駆動される移動子と、
    を備えた振動波モータであって、
    前記弾性体は、その駆動面側に複数の溝部を有し、
    前記進行性振動波の波数は8であり、前記溝部の数と前記進行性振動波の波数との最大公約数は4であること、
    を特徴とする振動波モータ。
  3. 2つの相に分けられ、前記2つの相のそれぞれに入力される駆動信号により、前記2つの相から発生する互いにずれた2つの振動が励振される圧電体と、前記圧電体に接合され、前記位相がずれた2つの振動が合成されて駆動面に進行性振動波を生じる弾性体とを有する振動子と、
    前記弾性体の駆動面に加圧接触され、前記進行性振動波によって駆動される移動子と、
    を備えた振動波モータであって、
    前記弾性体はその駆動面側に複数の溝部を有し、
    前記進行性振動波の波数は10であり、前記溝部の数と前記進行性振動波の波数との最大公約数は5であること、
    を特徴とする振動波モータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、
    前記圧電体前記2つの相から発生する前記振動は、互いに位相が1/4波長ずれること、
    を特徴とする振動波モータ。
  5. 請求項4に記載の振動波モータにおいて、
    前記2つの相の間には、前記振動の1/4波長分間隔があること、
    を特徴とする振動波モータ。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、
    前記圧電体は、前記振動の1/2波長毎に分極が交互となっていること、
    を特徴とする振動波モータ。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、
    前記進行性振動波の複数の波頭部のうち、前記溝部にある波頭部と前記溝部にない波頭部とが同時に存在すること、
    を特徴とする振動波モータ。
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