JP4651710B2 - グラフィック・ユーザ・インタフェースの手段により空間音響再生システムにおける音響効果を生成及び処理するための装置及び方法 - Google Patents

グラフィック・ユーザ・インタフェースの手段により空間音響再生システムにおける音響効果を生成及び処理するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、現代のオーディオ技術、具体的には音響再生システムの空間音響印象の生成及び処理に関する。
最新の音響再生システムでは、いくつかのスピーカを使用して、個々の音源を正確に空間的に局在化することが可能で、再生環境の中で、聴取者が、例えばスタジアム又は大会堂といったシミュレート環境の中にいるような印象の生成を実現することができる。原理的に2つの異なる再生コンセプトに区別することができる。従来式のサラウンド再生では、通常、家庭向け娯楽においてもそうだが、局在化及び空間情報は、音響ミキシング操作の過程で別々に送信される個別のチャンネルの中に既にミックスされており、これら個別チャンネルを再生するために、いくつかのスピーカから成る再生システムが使用される。最適の空間印象を実現するために、再生環境内に関する所定位置に再生用スピーカを配置する必要がある。
波面合成(wave−field synthesis)に基づく空間シミュレーションなどの、さらに進んだシステムは、再生空間(reproduction room)に対する音源の位置情報とシミュレート対象の再生環境の空間情報に基づいて、その再生の間だけ、個々のスピーカに対する制御信号を生成する。これにより、シミュレート対象の空間印象を最善に表現する波面(wave−front)が再生環境に生成されるため、再生の間、スピーカ個々の設定が考慮に入れられるので、局在化及び空間印象に関しさらに真に迫った再生が得られる。
本発明をよりよく理解するために、以下、波面合成技術をさらに詳しく説明する。
新技術の手段を用いることによって、オーディオ再生の間に、より自然な空間印象並びにもっと強力なエンベローピングを実現できる。この技術の基盤、いわゆる波面合成(WFS=Wave−Field Synthesis)は、デルフト工科大学(Delft TU)において研究され、1980年代後半に初めて公開された(A.J.Berkhout(ベルクハウト)、D.de Vries(デ・フリース)、P.Vogel(フォーゲル)「Acoustic Control by Wave−field Synthesis(波面合成による音響制御)」JASA 93、1993)。
この方法は、コンピュータの処理能力及び送信レートに関して膨大な要求をするため、波面合成は、最近までごく稀に実用に供されるだけであった。近年のマイクロプロセッサ技術及びオーディオ符号化分野の進歩によって、この技術を具体的な用途に使うことができるようになった。
WFSの基本的考え方は、ホイヘンスの波動理論原理の応用に基づいている。
波に感知された各々の点が、要素波の起点となり、この波は球状に及び/又は円形方向に伝播する。
これを音響に適用すると、相互に隣り合って配列された多数のスピーカ(いわゆるスピーカ・アレイ)によって入来する波面の任意の波形を再生することができる。再生対象が一つの点音源(punctual source)で、線形に配置されたスピーカを使う最も単純な場合では、個々のスピーカから放射される音場が適切にオーバーラップするように、時間遅延と振幅変調とを各スピーカのオーディオ信号が供給されなければならない。いくつかの音源がある場合には、各音源の各々のスピーカに対する寄与率が別々に計算され、結果の信号が加えられる。再生対象の音源が、反響する壁を有するバーチャル空間に所在する場合には、同様に、スピーカ・アレイでも、付加的な音源としてその反響が再生されなければならない。従って、計算の複雑性は、音響源の数、空間の反響特性、及びスピーカの数に大きく依存する。
この技術の利点は、具体的には、再生する空間の大部分において自然な空間音響印象が得られることである。周知の既存技術に対比して、音源の方向と距離とが、非常に正確に再生される。ある程度までの範囲で、バーチャル音響源を実際のスピーカと聴取者との間に位置させることすら可能である。
このように、波面合成は、大きな再生場所で、バーチャル音響源の正確な再生を可能にする。これと同時に、音響調整者及び音響技術者に、複雑の音のランドスケープを生成する場合に、新しい技術的、創造的なやり方を提供する。波面合成(WFS又は音場合成ともいう)は、デルフト工科大学において80年代に開発されており、音響再生のホログラフィック・アプローチを代表している。キルヒホッフ−ヘルムホルツ積分方程式が基礎となっている。これによれば、閉空間域(closed volume)の表層部への単極子又は双極子音源(スピーカ・アレイ)の配置の手段により、該閉空間内に任意の音場を生成することができる。この詳細については、M.M.Boone(ブーン)、E.N.G.Verheijen(フェルヘイジェン)、P.F.v.Tol(トル)「Spacial Sound−Field Reproduction by Wave−Field Synthesis(波面合成による空間音場の再生)」Delft University of Technology Laboratory of Seismics and Acoustics(デルフト工科大学、振動及び音響研究所)、Journal of J.Audio Eng.Soc.(Jオーディオ技術協会誌)、43巻、12号、1995年12月;及び、Diemer de Vries(ディエメ・ド・フリース)「Sound Reinforcement by Wavefield Synthesis:Adaptation of the Synthesis Operator to the Loudspeaker Directivity Characteristics(波面合成による音響充実:スピーカの指向特性への合成演算子の適応)」Delft University of Technology Laboratory of Seismics and Acoustics(デルフト工科大学、振動及び音響研究所)、Journal of J.Audio Eng.Soc.(Jオーディオ技術協会誌)、44巻、12号、1996年12月;に記載されている。
波面合成では、オーディオ信号からスピーカ・アレイの各スピーカに対する合成信号が計算され、バーチャルな位置のバーチャルな音源から送り出され、振幅と位相に関してその合成信号が形成されて、スピーカ・アレイのスピーカによって出力された個々の音波のオーバーラップからもたらされる波が、バーチャルな位置のバーチャルな音源から、このバーチャルな位置のバーチャルな音源があたかも真の位置の真の音源であるかのように進む波となる。
通常、異なったバーチャルな位置にはいくつかのバーチャルな音源がある。各バーチャル位置にある各々のバーチャル音源に対し合成信号の計算が行われ、一般に、バーチャル音源は、いくつかのスピーカに対する合成信号をもたらす。従って、スピーカ側から見ると、このスピーカは、異なったバーチャル音源から送られるいくつかの合成信号を受信する。これらの音源のオーバーラップは、線形重畳の原理により行うことができ、これにより、スピーカから実際に送り出される再生信号を得る。
波面合成の可能性は、スピーカ・アレイの密度が高いほど、すなわち個々のスピーカが相互にできるだけ密接に配置されているほど、大きく引き出すことができる。しかしながら、このやり方では、通常、チャンネル情報も考慮に入れなければならないので、波面合成装置に要求される計算能力も増大する。具体的に言えば、原理的には、各バーチャル音源から各々のスピーカへの特有のチャンネルが存在し、各バーチャル音源が各々のスピーカに対し合成信号を送る、又は各々のスピーカが、バーチャル音源の数と等しいいくつかの合成信号を受信するというケースもあり得る。
さらに、端的に、オーディオ再生の品質は、使用可能なスピーカの数と共に向上することを指摘しておくべきであろう。すなわち、これは、スピーカ・アレイ又はスピーカ・アレイ群中に多くのスピーカが存在するほど、オーディオ再生の品質が向上し現実感のあるものになるということを意味する。
従って、波面合成などの空間音響再生システムは、最適な空間分解能を備えた聴取席の周り360度における音響の生成を可能にする。従来、こういったシステムは、基本的には別々の音源を配置した直接的音響再生に使用されてきた。加えて、こうして生成された、音響源の信号は、例えば、反響を加味するなど、周知のすべての線形信号処理操作を適用することができる。波面合成(WFS)のような空間音響再生システムにおいては、さらに、直接音響に基づいて空間効果を生成することが可能である。これは、効率向上などの目的で、再生を限定された数の空間方向に簡素化(平面波)された空間シミュレーションなどに使われたりする。
空間シミュレーションの極めて簡単なケースでは、空間を表現するために(拡散反響)、全空間方向に対し同一のパラメータが使われ、方向に依存する空間部分は自動的に生成される(早期反射)。この種の信号処理の方法を他の創造的な方途にも用いることができるので、空間効果の生成は、自然な空間効果を再生する場合にだけ有用なのではない。
波面合成においては、最適の精度を有する波面の復元を可能にするために、音響を供給する空間は、同じ数だけの個別スピーカにより、音響と共に準備される。音響信号を正しい方向に置き、空間印象を生成するために、通常、音響信号のダウンミキシングの過程で各スピーカに対して個別に算定されるような、複数のパラメータが使用される。
前述のように、これらのマルチチャンネル音響再生システムは、非常に高い複雑性で特徴付けられ、音響のダウンミキシング過程で空間情報又は方向情報は、各々のスピーカに対する方向情報又は(音響効果を生成するための)追加の線形信号処理ステップを個別に表現する複数のパラメータを生成する必要がある。直接的で直感的に検知できる手段一切なくして、複数の理論数学パラメータを使用して行うこの表現を制御することは、特に波面合成システムにおいては、困難である。
例えば、波面合成は、2次元聴取レベルにおいて音響源を自由に位置付ける可能性を提供する。これは、音源の位置に依存するいろいろな波面の合成を通して行われる。現在使われているようなユーザ・インタフェースは、音源を位置付けるため、2次元聴取レベルの平面図における点を用い、点は音源の位置を表す。このアプローチにおいて、音源の空間位置は当然十分に視覚化されるが、しかしながら、この視覚化においては、音の深さの印象(空間印象)を同時に表すことは原則としてできないので、実際の知覚と該表現との間に差異が生じ、ごく小数の例外的ケースを除いて、実際の音響印象に対応する又はその判定を可能にする視覚画像は得られない。
スタインベルク社による音響オーサリング・システムに対して、数値の値として、エコーコースのエコーパラメータが入力される場合に、信号がグラフィカルに表現されるために、テンポラルエコーコースにおいてプラグインがある。エコーコースは、3つの異なる周波数領域に対して、個々に部分的に影響を与える。
国際特許出願公報WO2004/047485A1は、波面合成に基づく音響再生システムを記載しており、再生環境を変更するために、引き続いて同様に採用するように、波面合成システムの可能なモジュール化に特に関係がある。
「マルチチャネルの立体音響の世界におけるポテンシャル波面合成アプリケーション」においては、空間的聴覚印象を持っている間に、オーディオ信号の表現の異なる方法を記載している。波面合成の方法およびこの方法の基礎をなすパラメータが記載されている。
M.M.Boone(ブーン)、E.N.G.Verheijen(フェルヘイジェン)、P.F.v.Tol(トル)「Spacial Sound−Field Reproduction by Wave−Field Synthesis(波面合成による空間音場の再生)」Delft University of Technology Laboratory of Seismics and Acoustics(デルフト工科大学、振動及び音響研究所)、Journal of J.Audio Eng.Soc.(Jオーディオ技術協会誌)、43巻、12号、1995年12月 Diemer de Vries(ディエメ・ド・フリース)「Sound Reinforcement by Wavefield Synthesis:Adaptation of the Synthesis Operator to the Loudspeaker Directivity Characteristics(波面合成による音響充実:スピーカの指向特性への合成演算子の適応)」Delft University of Technology Laboratory of Seismics and Acoustics(デルフト工科大学、振動及び音響研究所)、Journal of J.Audio Eng.Soc.(Jオーディオ技術協会誌)、44巻、12号、1996年12月
本発明の目的は、空間音響印象を生成するための音響再生システムをより効率的に制御することを可能にするグラフィック・ユーザ・インタフェースを作成することである。
本目的は、請求項1又は11に記載の装置並びに請求項5又は6に記載の方法によって解決される。
本発明は、再生環境に対する空間方向に関連するインパルス応答、又はグラフィカル表現から得られたグラフィカル表現がグラフで表される場合に、さらに、ユーザがこの表現をグラフィカルに変更できる可能性を創成する場合に、音響再生システムを制御するために、ユーザの変更入力に基づいて変更されたインパルス応答が表現でき、変更されたグラフィカル表現が検出されて、再生環境において空間音響印象を生成することが可能な音響再生システムを、グラフィック・ユーザ・インタフェースの手段により効率的且つ直感的に制御することができる、という発見に基づいている。
該システムを使い、インパルス応答によって、知られる線形信号すべての処理操作を表現することが理論的に可能なので、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを使い、音響創作者に、グラフィカル表現を介して方向依存性の音響効果への直感的アクセスを提供し、これにより、音響再生システム制御の効率と品質とを向上することが可能である。
インパルス応答を使って、元の信号をエイリアシング(aliasing)し、あらゆる線形信号処理のアルゴリズムを表現することができる。例として、波面合成に基づく空間(room)シミュレーションにおいて、これにより、対応する空間方向(space direction)に関連する対応する空間インパルス応答を使ったエイリアシングを介して、平面波の信号を生成することができる。また、このやり方で、空間も再生することができ、本発明によれば、用いられるインパルス応答は、それらが基づくパラメータとしての表現に加え、それ自体が直接視覚化される。本発明による新規の音響創成ツールは、音源に対応する方向ごとのインパルス応答すべてを同時に視覚表示することで構成される。音響の創成は、この視覚表示に対する直接操作(direct interaction)を通して行われる。視覚表現に対する処理は、パラメトリック表現に変換され、後者から関連するインパルス応答が生成される。
従って、インパルス応答を用いた数学的エイリアシングによって、音響信号に方向情報又は空間的性質が付与され、本発明の核心についてのよりよい理解を得るため、以下にこの説明をする。
空間印象又は反射パターン又は局在化情報は、インパルス応答g(x)を使ったエイリアシングを介し、音響信号f(y)に付与され、次のエイリアシング積分方程式により合成信号F(x)が得られる。
Figure 0004651710
インパルス応答g(x)は、一般にディラック・インパルスδ(x)に対するシステムの応答を表し、従って、次式が適用される無限小のインパルスを表している。
Figure 0004651710
従って、これは、理想的ディラック・インパルス応答は、無限小で、さらに、上記に示すように、その積分値が有限である特徴を有することを意味する。音響信号の場合には、これは、ディラック・インパルスは任意に小さくなるが、一定の音響エネルギーを担持していることを意味する。
ディラック・パルスを使ってある空間を試験すると、最も単純なインパルス応答として再度ディラック・パルスが得られ、該パルスは、試験パルスの送信場所において、送信された試験パルスに対し伝搬遅延tを伴って記録される。これは、厳密には、試験パルスが放たれた方向に、音響試験信号を減衰させることなく反射する理想的な反射体が在る場合のケースであって、送信音源の場所と反射体のある場所との間の伝搬時間は、丁度t/2となる。
なお、実際上、理想的なディラック・パルスを生成することは不可能であり、以降、代わりに、幅が有限で強度がAのパルスをディラック・パルスということにする。
例として、例えば、内面積がAの小さい広さのガウス形状の曲線から実際のインパルスを考えてみる。
前記の反射体が音響エネルギーの一部を吸収し、これにより試験信号を減衰するとすれば、伝搬時間tの後受信される反射されたディラック・パルスは、曲線の下側に元のパルスより小さな面積Bを有することになる(B<A)。
これまで説明したインパルス応答の理想化された単純なケースに加え、任意の複雑なインパルス応答を得ることがさらに可能である。例えば、2つの反射体が相互に異なる距離に所在し、試験信号の送信場所に対し音響伝搬時間t1及びt2に対応するとすれば、インパルス応答は、時間2×t1及び2×t2において受信される2つのディラック・パルスから成ることになる。聴覚の情景は、通常非常に複雑で、実際のインパルス応答は、初期反射で始まり時間と共に密度が増すパルスと、例えば反響を表す、時間的に遅れて到着する成分と連続である。
前に説明したように、インパルス応答は、ディラック・パルスの形で遅延波又はエコーを表現する。同様に、例えば、複数のエコーを、ディラック形状のパルスの和で表すことができる。実際の空間シミュレーションに対して、音響信号と共に信号変形されたインパルス応答は、一般に、例えば時間にt0において強く上昇しその後緩やかに消滅する連続的な信号であって、複数の反射を表現し、後の時間に反射された信号ほど強く減衰されている。
実際のシナリオでは、音響信号は、さらに周波数選択的に減衰されており、例えば、カーペット及び壁覆いからの高音信号は、低音の信号よりも強く減衰される。こういった環境に対処するため、例えば、いくつかの周波数範囲に対し、別々にいろいろなインパルス応答を使いこれを視覚化することができる。すなわち、インパルス応答の視覚表現は、時間及び周波数範囲を含めねばならない。
本発明の別の例示的実施形態において、グラフィック・ユーザ・インタフェースは、音響再生システムに対する音源の空間的位置を表すために、また、再生システムの各々のスピーカに対し、該再生スピーカに対する音響信号の空間的方向を個別に表す得られたインパルス応答を視覚表示するために使われる。
ユーザは、再生環境に対する音源の位置をグラフィカルに明示して変更することができ、表現された点音響信号源の波面から、個々のスピーカのインパルス応答又はスピーカの制御パラメータが自動的に得られる。従って、音響技術者は、音響再生システムを制御するために必要とされる複雑なパラメータを直感的に生成することができる。
実質的な面は、ユーザ・インタフェースを使ったグラフィカルな操作を通して、ただ今実施している変更が、直接表現されている音源位置の知覚に反映するやり方で、インパルス応答を直接変更する可能性がさらに創成されたことである。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを使い、ユーザは、現物の実態に基づいて音源を直接的に配置するのが望ましいか、あるいは、インパルス応答を変更する機能を独創的に用いるのが望ましいかを有利に選択することができる。後者の場合は、加えて、手動によるインパルス応答の変更が、聴取者の知覚においてどのように解釈されるかに関する評価を得る。従って、音響技術者は、音響を視覚的に処理し、実現すべき所望の音響効果又は空間音響印象に最も有利なアプローチを取るための2つのやり方の間で選択をすることができる。
本発明の別の例示的実施形態では、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースが、シミュレート対象空間についての情報を包含するインパルス応答を表現するために、使われる。ディスプレイ手段は、空間方向における再生環境内の所定点に対するインパルス応答を表し、インパルス応答は再生環境に対する空間情報も担持する。
このように、ディスプレイ手段は、全体の空間印象に関連するすべてのデータ(インパルス応答)を同時に表し、該空間印象は、環境の3次元像として視覚化される。ユーザは、従って、空間音響印象に関する情報すべてを同時に受け取る、あるいはこれらを同時に変更することができる利点を有し、これら変更された空間音響印象をいつでも表現して評価することができる。
従って、相当な量の抽象化作業を要する、インパルス応答の基礎となっているパラメータのマニュアルによる変更を行う必要なく、反響又は所望の減衰度及び他の信号操作による音響印象を直感的に得ることが可能となる。
さらに、グラフィカルな表現は、技術的基礎条件とは関係なく設計作業を実施することが可能にする。従って、インパルス応答関数は、離散的に保存される、すなわち、離散時間区分に対して関連する振幅値が取得される。このことは、グラフィック・ユーザ・インタフェースの直感的な使用の過程では考慮する必要はない、というのは、関連するパラメータは、表示されたインパルス応答のグラフによる変更に基づき自動的に生成されるからである。
別の利点は、増加したパラメータの数の下での作業でも直感性を減ずることなく、容易にシステムの複雑性を増大できることにある。
本発明の別の例示的実施形態において、周波数選択的やり方において、いくつかの空間方向に対するインパルス応答を表現又は処理することが可能である。従って、例えば、異なった空間方向に対し、周波数により異なる減衰分析結果を選ぶことにより、空間印象の自然性をさらに増すことが可能であり、これは、一方では、得られる音響印象の信頼性を高めるが、他方ではパラメータ生成の複雑性の増大をもたらす。そうであっても、視覚化表現においては、実現可能な音響体験を予測し、さらに、例えば、自由に選択可能な空間方向に対し、所定の周波数において高度に人工的な減衰を導入することによってこれを創造的に変更することができる。これらの変更は直ちに可視化され、全体的な音響現象における影響を、全体システムのコンテキスト内において信頼を持って予測することが可能である。
簡単な例では、同じパラメータを使って、拡散反響に対応する空間の全空間方向を表現することができる。方向依存性の空間部分(初期反射)は、その後にだけ適用される。拡散反響により各々の空間方向に固有の空間インパルス応答が得られ、特定方向のパラメータの望ましくない偏差は、直ちに識別し補正することができる。
本発明による3次元表現の別の利点は、マトリックス表現の簡単なスキャンを通して、各方向に対する周波数選択的インパルス応答表現を容易に置換えることができ、その後の処理も非常に効率的なやり方で行えることである。
本発明の別の例示的実施形態において、所与の数の空間方向に対して遅延時間が、個別に設定され、遅延時間は、ディラック形状のインパルス応答として表現される。該インパルス応答は、3次元図で、再生環境中の所定点に対応して表現される。基準点に対し、ディラック形状インパルス応答を移動することが可能なグラフィカル操作により、空間効果を直接視覚表示に反映する。遅延に対応するディラック形状インパルス応答は、反射される信号の伝搬時間の増加に対応して、グラフィカル表現中の基準点に対する物体のインパルス応答の距離が増加するといった実際問題として物体からの反射を表現する。ラフィカル表現はシミュレート対象の実相に直接対応しているので、例えば、再生環境が位置する空間を最も効率的なやり方でシミュレートすることができる。
この単純化されたタイプの空間配置の具体的な利点は、音響再生システムの制御における、表現に対する高い直感性と関係するエラー確率の低減とである。
本発明の別の例示的実施形態において、該グラフィック・ユーザ・インタフェースは、信号発生器を備えた音響再生システムに用いられ、信号発生器は、異なる空間位置に配置された複数のスピーカに対するスピーカ信号を生成する。また、グラフィック・ユーザ・インタフェースの使用の高い直感性と容易さは、リアルタイムで信号源の再生を操作するので、例えば、舞台上の歌手などの音源の音響方向付けの仕方を視覚的印象に一致させて行うことが可能である。このような場合、本発明によるグラフィック・ユーザ・サーフェース内で、移動した音源を調整することが必要なだけで、制御対象のスピーカ・システムに対する従来のパラメータ入力方式ではこういったことは行えなかった。
以降、添付の図面を参照しながら、本発明の好適な例示の実施形態をさらに詳細に説明する。
図1は、グラフィック・ユーザ・インタフェースの動作を説明するためのブロック図である。
図2は、音源の位置の設定及び処理に対するブロック図である。
図3aは、音源の場所を表すインパルス応答のパラメータを処理するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースの例である。
図3bは、グラフィック・ユーザ・インタフェースの別の例を示す。
図4は、音源への空間音響印象の付加を示す。
図5は、個別のスピーカ信号への空間音響印象の付加を示す。
図6は、インパルス応答を表示し変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを示す。
図7は、周波数選択的インパルス応答を表示し、変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを示す。
図8は、異なった空間方向に対する時間遅延を表示し、変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを示す。
図9は、グラフィック・ユーザ・インタフェースを備えた音響再生システムを制御するためのシステムを示す。
図1は、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェース10の動作のブロック図を示し、該インタフェースは、インパルス応答をグラフ表示するためのディスプレイ手段12、グラフィカル表示の変更を可能にするための手段14、ユーザの変更入力を受信するための手段16、及び変更されたインパルス応答を検出するための手段18を備える。
ディスプレイ手段12は、ユーザに対しグラフィカルに作成されたインパルス応答を表現し、表現されたインパルス応答の変更の効果をユーザが直感的に解釈し、予測できるようにする。
グラフィカル表示の変更を可能にする手段14は、ディスプレイ手段12及びそれが視覚表示するデータへのアクセスを有する。
インパルス応答の変更を可能にするために、ユーザの入力が必要で、該入力はユーザの変更入力を受信する手段16によって受信され、これにより、例えば、コンピュータ・マウス、タッチパッド、又はバーチャル・リアリティに対するシステムの操作及び視覚化技法の手段によって変更が行われる。
ユーザの変更入力に基づき、ディスプレイ手段12は、次いで、変更されたインパルス応答をグラフィカルに表現することができる。
ディスプレイ手段12、変更を可能にする手段14、及びユーザの変更入力を受信する手段16の間の相互作用を通して、ユーザの入力から始まるインタラクティブな変更処理及びその結果によるグラフ更新が可能になる。これは、ユーザの変更入力の効果を、グラフィカルに又は音響的に直接制御できるという大きな利点を有する。こうして、音響再生システム内での視聴試験を介した実際の変更実施と次に続く制御作業が省略され、コスト及び時間の削減に大きく寄与することができる。
変更されたインパルス応答を検出する手段18は、変更されたインパルス応答を検出し、例えば、さらなる使用のために、それを保存する。インパルス応答を保存する可能性は、今までに生成された、特別なシミュレート対象空間を表現するインパルス応答を後のプロジェクトに再使用するために、有利に使用される。
なお、インパルス応答を視覚表示するための違ったやり方も考えられることに注意すべきである。最も単純なやり方は、再生システムの中心から周囲方向に沿ってインパルス応答を配列することである。表現されている生成された「山」においては、インパルス応答の振幅の漸次変化(evolution)の周波数非依存性の処理を行うことができる。視覚化の方法の例として、次の4つの視覚表示バリアントが示された以下の図を参照する。
− 波面合成点音源
− インパルス応答の時間表現
− インパルス応答の周波数−時間表現
− マルチ・タップ・ディレイ
図2は、図3a又は3bに示すグラフィック・ユーザ・インタフェースの視覚化に基づいて、所望位置の印象を実現することができるように、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの手段により、どのように音源の位置を設定し、又は既存の位置を変更することができるかを、概略的に示す。
位置設定ステップ20において、まず第一に、再生環境に対する音源の位置が、グラフ上で設定される。
第二ステップ22において、グラフィック・ユーザ・インタフェースは、ユーザによってその位置を直接的に変更することができる音源の位置を表すインパルス応答をグラフィカルに表現する。
なお、後記で図3a及び3bを参照して明らかにするように、音源の位置の変更、及び計算されたインパルス応答の漸次変化の両方を直接的に操作することができる。これは、加えて、さらに、「実際の」場所情報と連結させなくてもよい創造的音響効果を実施することが可能にする。
図3a及び3bは、音源の空間位置を設定するための、又は音源を表現するインパルス応答を変更するための、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの実施形態を示す。
球形状の点音源30、再生環境32、及び点音源に対応する波面34が表されている。
球の位置は、空間の中の音源30の位置を表している。点音源30の位置に基づいて、該点信号源の音響放射からもたらされた波面34が表現されている。例えば、点音源30が、再生環境32からさらに遠い空間内のある点に移動されると、波面34は、より平坦になる。点音源30が、スピーカ・システムのより近くに移動されると、対応する入来波面は、より強くカーブする。
本発明によれば、波面の曲率も、2つのカーソル36a及び36bの手段によって直接的に変更することができる。これは、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースによって自動的に表現される点音源30の知覚位置に直接影響する。
図3a及び3bのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、さらに遅延範囲(delay radius)38を示し、これは波面合成に基づくシステムの再生において、非因果的状態が生ずるのを回避するために役立ち、波面34の位置は遅延範囲によって決まる。この遅延範囲38は、基本遅延に対応し、波面合成システムに必要なもので、システムの中心から最も遠いスピーカまでの距離に対応する。基本遅延があるおかげで、スピーカ・システム/再生エリア又は再生環境32の内部及び外部に任意に音源を配置することができる。
図3a及び3bに示すように、波面の位置は、システムの中心と音源30の位置との間を結ぶ線が遅延範囲と交差する点によって定義される。このように決められた波面34の位置は、消滅してゆく遅延部と等しい、というのは、遅延範囲38が、実際上、維持される最短遅延期間の事実問題を決めているからである。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを使って、任意に音源の位置を決め、その波面又は波面を表すインパルス応答を変更することが可能である。
なお、伝搬遅延に関しては、実際の音場の遅延は、聴取する空間から音源までの距離に応じた実際の信号伝搬時間となることに注意すべきである。これは、音源の位置と再生システムの中心との間の距離により決まる。架空の音響情景を創成する場合、この伝搬時間は通常望ましくない、というのは、これにより、例えば、音楽のレコーディングの途中で時間関係が変化することがあるので、音源の位置決めの可能性が制限されるからである。従って、この遅延を、波面合成システムの中で無効にすることができ、自然な音響印象のためこれが必要となることがある。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースでは、この重要な追加パラメータは、領域40として表されており、システムの中心と音源30とを結ぶ線上の領域40の位置が設定された遅延を視覚表示している。
図3a又は3bに示されたケースでは、領域40は、遅延範囲38の境界線に直接位置しており、表現された伝搬時間は、その可能最低値を有し、これは波面合成システム基本遅延に対応する。実際の音響伝搬時間/遅延を再生する場合には、領域40の位置は、音源30を表す球体の真下に位置することになり、この場合、当然、加えて中間の値すべてを表現し調整することができよう。また、かくして本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの手段によって、重要な遅延パラメータをも直感的に調整、変更し、これにより構成の自由度をさらに増大させ、その上、空間音響再生に対する設計の効率を向上することができる。
さらに、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースは、極めて重要であるフレキシビリティの利点を有し、追加のパラメータを容易に加えることができ、例えば、領域40の表面に拡散音響と直接音響との間の関係を表現し、聴取者によって、音源と聴取位置との間の距離に関する別の特性として理解され、これにより、例えば、領域40を移動したり又はその表面を変えることによって、この関係の変更を行うことができよう。
個々のスピーカの位置L1nの、バーチャル音源Sに対する位置に従って、波面合成アルゴリズムは、関与する各スピーカに対しインパルス応答IRL1Lnを計算する(振幅、遅延)。ある時間tに横列に並んだこれらのインパルス応答を考えると、それらのピークは、バーチャル音源から出力された波面のスキャンされたバージョンとなる。従って、別のグラフ処理ステップにおいて(図3a参照)、波面を操作のためのエレメント共に簡単なやり方で表現することができる。ユーザがこれらのエレメントを操作すると、波面のグラフ表現が変化する。次のステップで、この表現による変化は、個々のインパルス応答IRL1Lnに伝えられる。
一般的に言えば、該グラフィック・ユーザ・インタフェースを介することにより、インパルス応答の操作が可能であり、これは、望ましくは、再生空間域(reprosuction volume)32となる音を供給する各個別のスピーカに対して計算される。
図3bに示す例示的実施形態において、グラフィック・ユーザ・インタフェースは、インパルス応答の操作が可能で、インパルス応答は、再生空間域32に音を供給する各個別のスピーカに対して計算される。インパルス応答の表現は、グラフィック・ユーザ・インタフェースの表現から直接得られ、一例として、音源30と再生空間域32の縁に在る設定されたスピーカとの間を結ぶ線42が示されている。計算対象のインパルス応答は、結合線42が波面34を横切る位置の波面の形状によって直接与えられる。図3a及び3bで分かるように、各個別のスピーカに対する音源30の空間位置は、時間遅延と振幅とに変換される。振幅は、波面34のグラフィカル表現の高さから直接得られ、また、時間遅延は、直線42と波面34との交点から算定され、直線42の切断部分の長さは、時間遅延の計算から決まる。
前述したグラフィック・ユーザ・インタフェースによって実施する操作方式に換えて、さらなる別の一連のシナリオを容易に実施できる。
従って、例えば、該図中の波面表現34は、2つの球又はカーソル36a及び36bにより制限される。これらのポイントにおける波面の操作は、合成に関与する、波面合成システムのスピーカの時間遅延に最終的に影響する。表現された波面34上に追加のカーソルは、例えば、スピーカの振幅を変化させるために使用することができる。従って、考察の影響を回避するためのウィンドウイングの簡単な調整、及び最大振幅を持つ点の明確化が可能になる。次いで、この点は、少なくとも強度に関し、周波数非依存性の方向特性を持つ音源を提供することができる。
音源の音の強さの表現のため、例えば、音源を表す球30の大きさを使うことができる。前述の直接音響/拡散音響比の操作もこれに示すことができる。直接音響の音量が、球30の大きさに対応するようにすれば、例えば、遠方の音源はどちらかといえば音が小さいので小さな球に対応する。こうして、この表現により、音源の音の強さの距離依存分の計算との連結を非常にたやすく行うことができる。
図3a及び3bの本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いることは、インパルス応答を具現する数学関数を直感的に、一般に理解しやすい形で表現し、所望の方向印象を得る目的に沿って、インパルス応答を操作することができる。
図3a及び3bによるグラフィック・ユーザ・サーフェースの使い方は、音源の場所を再生するための音源の位置付け、すなわちこれによる音響印象の設定に関するものであったが、以降に、図4〜8を参照しながら、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースが、インパルス応答を視覚表示しそれらの変更を可能にし、例えば大ホールのような、シミュレートされる空間の音響印象に合致する印象を提供するのにも適していることを説明する。
これを可能にするための2つの基本的な実現性があり、これについて、以下、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、位置決めステップ50において、例えば、図3a又は3bに関して説明したように、まず空間中に音源が配置される。インパルス応答は、各音源毎にスピーカ群に関連付けられている。
音源は、再生環境に対して所定の空間位置に配置されているので、ある音源が所定の空間音響印象をシミュレートすべき再生環境に対しある空間方向において位置される場合は、該音源に空間音響印象を直接的に付与することができる。
このケースでは、空間シミュレーション・ステップ52において、再生過程で所望の空間音響印象を実現するために、各々の音源及び空間方向に対し、転送ステップ54で音源と共に再生システムに転送する必要のあるインパルス応答関数が生成される。
また、図5に示すように、上記に換えて、最初に位置決めステップ60において、音源位置を表現する各インパルス応答のために、スピーカに対し生成することによって、音源の位置を設定することも可能である。また、空間印象は、聴取方向として得られるものであり、再生システムに使われるスピーカも所定の空間方向に関連付けられているので、空間シミュレーション・ステップ62において、各スピーカに対し、スピーカの方向に位置する空間に関する情報を包含するインパルス応答を併せ生成することによって空間印象を生成することもできる。
次いで、転送又は格納ステップ64において、音源は、各個別のスピーカに対する位置インパルス応答及び空間インパルス応答を音響再生システムに送信しなければならない。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースのフレキシビリティのおかげで、再生環境に対し相似の空間方向に配置される各音源個々に、あるいは音源のグループに対し空間音響印象の関連付けを行うことができ、いくつかの別個の空間方向を表現するためにグループ化され、これにより再生過程で必要な計算量が削減される。
インパルス応答の時間表現におけるインパルス応答の操作を表した、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの実施形態が図6に示されている。
この目的達成のため、再生環境70に対する空間方向は、8つの別個のセクタ72a〜72hに分割されている。従って、インパルス応答の時間表現の手段によって、セクタ72a〜72hの各々に対し共通の空間印象が得られる。視覚表示のため、空間シミュレーションに使われる8つのインパルス応答の包絡線は、面に変換される。これらの面は、共通の面74を形成するために、8角形に配置され、結合される。この面の高さは、セクタ72a〜72iで区画された面に亘って、インパルス応答の振幅に相当する。再生環境70の中心からの距離は時間を表し、時間的にインパルス応答の終端で生じたイベントは、再生環境70の中心からの距離が大きくなる。
この表現を用いて、空間のインパルス応答の振幅の漸次変化は、これらの空間方向による時間経過で表すことができる。この図で例として示した、可動の操作用エレメント76a、b、及びcを介して変更が行われる。従って、一見して全体の空間音響状況を検知し、所望のパターンからの逸脱を識別し除去することができる。
例えば、実際の聴取空間は、原則として、すべての方向からの反響時間がほぼ同一のはずである。しかしながら、図6に示した例では、セクタ72h方向の反響時間が短いことが、全体表面74の非対称性によって容易に識別でき、均等に反響している実際の空間との違いが直ちに識別できる。
図7は、時間−周波数表現における空間インパルス応答の表現を表している。再生環境80及び8つのインパルス応答の時間−周波数表現82a〜82hが示されており、これらの表現は、再生環境80に対する8つの個々の空間方向に関連付けられている。
図7の、本発明による例示的実施形態を使って、一般に、空間方向に関するインパルス応答の時間及び周波数成分の双方を視覚表示し、それらを操作できるようにすることが可能である。該視覚表示の時間軸は、再生環境80の中心から外側方向に延びており、距離が長くなるほど遅れて生じたイベントを表す。8つの面82a〜82hは、カスケード図の形でインパルス応答を表現し、例えば、操作用エレメント86a〜86cに基づきこれを変化させることができる。例として示された操作用エレメント86a〜86cは、所与の時間点、この図に示された例ではインパルス応答の開始時点、における振幅周波数応答の操作を可能にする。この図に示されたケースでは、低い周波数は左側に配置され、高い周波数は右側に配置されており、空間シミュレーションにおいて、低い周波数は、高い周波数よりも大きな振幅で始まり、長い期間を経て消滅していることが直ちに識別できる。この複雑な関係をこの図により直感的に検出し変更することができ、例えば面82a〜82hの記載により、マトリックスの形で表すことによってこれを保存することができる。
このタイプの表現は、さらに、付加的影響を表し又はその結果を識別することを可能にし、例えば、この表現において、設定された空間方向からの強い反射を、空間インパルス応答に対応する面の上昇として視認することができよう。
このように、時間及び周波数成分を同時に観察することにより、反射された周波数部分を見ることができる。操作用エレメント86a〜86cをインパルス応答における対応する部分に向け動かすことにより、この反射を時間及び周波数の両面から処理することができ、視覚表示が基としている数多くのパラメータを有用で効率的なやり方でスキャンし保存することができる。
図8は、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの別の例を示し、この例では、個々の空間方向のインパルス応答は、別々のピーク波で構成されている。再生環境90、8つの別個の空間方向92a〜92i、及び5つのデルタ形状のインパルス応答94a〜94eが示されている。
ピーク又はデルタ形状のインパルス応答は、音響信号の時間遅延に対応するので、方向依存性のマルチ・タップ・ディレイを生成することができる。波面94a〜94eは、波面に関連する空間方向からのエコーを表現する。これら波面の再生空間域の中心への距離は、元となる信号の反復の時間を表す。本発明によれば、この反復の位置を、例えば、球形状の操作用エレメント96を用い、システムの中心に対し半径方向に前後移動させることによって変えることができる。同時に、波面の垂直方向高さによって、この反復の振幅を変えることができる。
本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの高度な直感性の利点は、この例では、特にはっきりしており、デルタ形状ピーク波の位置は、エコーの遅延時間を表し、該エコーは、インパルス応答の位置に位置する所定の減衰度を持つ反射壁と音響的に同等である。
また、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの拡張された変形バージョンにおいて、各エコーに個別の周波数応答を追加して付与するために、時間−周波数表現を可能にする。
図9は、空間音響効果100を視覚化し処理するためのシステムを表しており、該システムは、信号処理部分102と視覚表示及び操作部分104とで構成される。
本発明によれば、信号処理は、該インパルス応答からシミュレート対象空間の音響印象を担持するオーディオ信号110を生成するために、入来するオーディオ信号106を数学的コンボリューション108の手段により畳み込みし、これにより、視覚表示及び操作部分104の手段により信号変形されたインパルス応答が設定される。視覚表示及び操作部分104は、計算されたインパルス応答を表示するためのディスプレイ手段112、ユーザの変更入力を受信するための手段114、グラフィカル表示の変更を可能にするための手段116、及び変更されたインパルス応答を検出するための手段118を備えている。ユーザの変更入力を受信する手段114は、操作用デバイス120と、操作入力を変換するための手段122とを含む。インパルス応答のグラフィカル表示の変更を可能にする手段116は、元となるインパルス応答を表現するための出力手段124と、元となるインパルス応答を視覚化するためのイメージ計算ユニット126とを含む。
ユーザの変更入力を受信する手段とインパルス応答のグラフィカル表示の変更を可能にするための手段116とは、インパルス応答を表現し、従って、シミュレート対象空間についての情報を包含するパラメータに基づいて視覚モデル112を生成する。何回かの操作と視覚表示によって、適切な視覚モデルが創成されたならば、変更済みインパルス応答を検出する手段118は、視覚表示の基となっているパラメータを抽出し、それらをインパルス応答として信号処理部102に送信する。
本発明の好適な例示的実施形態において、信号処理は、nヶの出力信号を得るために、Nヶの入力信号をnヶのインパルス応答を使ってエイリアシングする工程を含む。このNについては、例えば、波面合成再生においてホール効果を生成する場合、全波面を生成するときは、8つの信号から非常に大きな数に変更することができる。いくつかの効果又は音源を同時に生成する場合には、各々の効果又は各々の音源に対する出力信号を最後に合計しなければならない。
信号処理に必要なインパルス応答は、こうして、システムの視覚表示及び操作部の手段により生成される。インパルス応答から音響関連パラメータを生成することができる。空間信号又は直接信号が関わっているかどうかを識別すべきである。
空間信号の場合、いろいろな方法を用いることができる。視覚化に関する項で説明したように、次いで得られた値をグラフィカルに表示することができる。画像及び内蔵された操作用エレメントの手段によって、新しいインパルス応答を得るために、パラメータを変更、処理することができる。
直接音響を位置付ける場合も、該インタフェースからパラメータを得ることができる。しかし、これらについては、波面合成アルゴリズムを適用することによって、スピーカに対するインパルス応答に変換ができるだけである。従って、これらのパラメータは、より抽象的なレベルになる。しかし、これは、図9のブロック図の構成が変わることではない。
このように、本システムの手段によって、空間シミュレーションからマルチ・タップ・ディレイに至るすべての空間音響効果を視覚化して編集することができる。このコンセプトは、すべての従来型マルチチャンネル・システムから波面合成システムに至るまで用いることができる。これは、ユーザに対する、空間音響効果及びそれらの直感的使い勝手のための共通的な処理方法を提供する。
前述の例示的実施形態によって明らかにしたように、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの大きな利点は、複雑な数学パラメータに直感的にアクセスできることにある。これは、これらのパラメータを生成し調整することを可能にし、それによって、具体的に、音響事象全体を何時でも目で見ることができる。特に、前述の3D視覚表示に基づく実施形態において、再生環境の検討対象の方向を変化させることができ、得られた音響印象をいろいろな空間方向から評価してさらにうまく予測できることは有益である。
図1に表されているグラフィック・ユーザ・インタフェースは、分離された個別の機能ブロックを備えているが、こういった分割は、単なる例として理解すべきであり、原理的には、個別機能ブロックの任意の組合せ及び配置が可能である。従って、ディスプレイ手段12を、例えば、よくある方法で、グラフィカル表示の変更を可能にする手段14と組み合わせることができ、こういったものも示された例示的実施形態の一部であり、図3a又は3b中のカーソル36a及び36bの形態を変更したやり方も該ディスプレイの一部として既に折込済みである。
ユーザの変更入力を受信する手段についても、原理的には、例示的実施形態に示したのと違った方法を考案することができる。マウス、タッチ・スクリーン、又は画面上のカーソルを動かす他の任意のやり方の手段により、ユーザ入力を行うことができる。また、例えばインパルス応答の離散的表現において、直接入力をキーボードの手段によって離散変更ステップを表現することができ、所定の時間区分におけるインパルス応答の値を離散ステップで設定することが可能で、例えば、従来型のキーボードの手段によって容易に行うことができる。
波面又はインパルス応答の前記の表現又はこれらを操作する前記の仕方は単なる例として理解され、本発明によって空間印象を調整又は生成するため、他の任意の適切なインパルス応答関数の表現法が可能である。例えば、いろいろな空間方向を検討する際に何らかの方法で空間の基本的特質をあらかじめ定め、従って、この基本的特質があらゆる空間方向に対して同一であるような共通インパルス応答関数の表現を考えることができよう。方向依存性の音響特質については、各々の空間方向に対し、該共通インパルス応答関数に対する差だけで表現され、検討対象の空間方向が、空間特性に関して全体的音響イメージ(平均的音響イメージ)とどのように違っているかの印象を容易に得られる、という点で有利に表現することができよう。
音源の位置又は空間印象を表すインパルス応答関数の処理の順番は、あらかじめ決まったものではない。最初に空間中の全音源を位置決めし、次いで該空間に音源を位置付けるために、次いで空間印象を生成することも、最初にシミュレートされる領域を区画することができる。
従って、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェース及びスピーカ信号を送信するための信号発生器を備えた、音響再生システムを制御するシステムの処理ステップはいろいろある。一方で、所定の空間方向に存在する各音源に、空間インパルス応答関数を使ったエイリアシングを通して聴取空間の情報を付与し、後のステップに進み、各スピーカ個別にインパルス応答を使ったエイリアシングを行い、再生空間域に対する音源の位置を表現することが可能である。
これに代えて、最初に各スピーカに対し個別に音源を処理して、すなわち、音源の位置を表現するインパルス応答を使った音響信号のエイリアシングを介して個々のスピーカの信号を生成し、次いで個別のスピーカに対しさらなるエイリアシングを行って、空間印象を生成することが可能であり、再生環境に対し所定の幾何学的方向に配置されたスピーカは、スピーカ方向のシミュレート対象空間印象に対応する空間インパルス応答を使って信号変形される。
例示的実施形態に表された、音源の位置又はインパルス応答の形状のような個々の基本的構成要素を視覚表示するためのグラフィカル・エレメントの形状は、好適な例示的実施形態として理解されるもので、形状に関する幾何学的な表現の型がその用途に応じ異なっても本発明による機能は保証され、異なった形状にして、例えば、音源の各種特性を表す機能的性格を持たせることもできよう。
インパルス応答関数を用いた音響信号のエイリアシングを介する各スピーカに対し個別に表現される信号の処理は、連続的にも離散的にも実施することができ、また、インパルス応答により表現される空間印象を音響信号に付与する別の数学技法も可能である。
前に示した例示的実施形態において、再生環境周りの空間は、空間印象を生成するため、8つの分離された空間方向に分割され、これにより、各空間方向に対し個別に空間音響特質を設定することができた。当然ながら、これは単なる例として理解され、他の任意の数の空間方向が可能であり、原理的には、この方向設定の数に上限はなく、本発明により全体的音響印象をさらに改善することが容易に可能である。
環境に応じて、音響再生システムに使うためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを適用する本発明の方法を、ハードウエア又はソフトウエアに実装することができる。この実装を、デジタル記憶媒体、具体的には、電子的に可読な制御信号を備えたディスク又はCDに行い、プログラム可能なコンピュータ・システムと協働させ、信号修飾操作の成果をチェックする本発明の方法を実施することができる。従って、一般に本発明はマシン可読の担体に格納されたプログラム・コードを備え、コンピュータ・プログラム製品をコンピュータで実行すると、本発明による方法を実施するコンピュータ・プログラム製品から成る。言い換えれば、プログラム・コードを備え、コンピュータ・プログラムをコンピュータで実行すると、該方法を実施するコンピュータ・プログラムとして、本発明を実装することができる。
グラフィック・ユーザ・インタフェースの動作を説明するためのブロック図である。 音源の位置の設定及び処理に対するブロック図である。 インパルス応答のパラメータを処理するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースの例であり、音源の場所を表している。 グラフィック・ユーザ・インタフェースの別の例を示す。 音源への空間音響印象の付加を示す。 個別のスピーカ信号への空間音響印象の付加を示す。 インパルス応答を表示し変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを示す。 周波数選択的インパルス応答を表示し、変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを示す。 異なった空間方向に対する時間遅延を表示し、変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェースを示す。 グラフィック・ユーザ・インタフェースを備えた音響再生システムを制御するためのシステムを示す。

Claims (17)

  1. 再生環境(32;70;80;90)において空間音響印象を生成するよう形成された、音響再生システムのためのグラフィック・ユーザ・インタフェース(10)であって、
    前記再生環境(32;70;80;90)の空間方向と関連するインパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)をグラフィカルに表示するディスプレイ手段(12)であって、前記再生環境に関連して、前記インパルス応答は、それらが割り当てられた前記空間方向において再生され、
    前記ユーザによって、前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の前記グラフィカル表示の変更を可能にする手段(14)であって、前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の変更は、所定の位置において可能であり、
    前記ディスプレイ手段(12)によって変更されたインパルス応答をグラフィカルに表現するために、ユーザの変更入力を受信する受信手段(16)と、
    前記変更されたインパルス応答を検出する手段(18)とを含むグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  2. 前記ディスプレイ手段(12)は、前記インパルス応答(74;82a〜82h;94a〜94e)の振幅の漸次変化空間方向による時間経過で表現するよう形成されている、請求項1に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  3. 前記ディスプレイ手段(12)は、波数の関数として前記インパルス応答(82a〜82h)を表現するよう形成されている、請求項1または請求項に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  4. 前記ディスプレイ手段(12)は、前記インパルス応答(82a〜82h)を、3次元表現において時間の関数及び周波数の関数としてグラフィカルに表現するよう形成されており、数値は2次元面上の高さとして表され、前記2次元面の一つの側は指標として前記時間を有し、前記第一側に続く前記2次元面の第二の側は指標として前記周波数を有する、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  5. 前記ディスプレイ手段(12)は、3次元表現において前記再生環境(32;70;80;90)のグラフィカル表現をさらに表示するよう形成されており、前記再生環境(32;70;80;90)に関する前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)は、前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)が関連付けられた前記空間方向に表現されている、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  6. 前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の前記グラフィカル表示の変更を可能にする前記手段(14)は、前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の前記グラフィカル表現の特定の点において、前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の前記グラフィカル表現の変更を可能にするよう形成されている、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  7. ユーザの変更入力を受信する前記手段(16)は、コンピュータ・マウス、タッチパッド、タッチ・スクリーン、トラックボール、又はキーボードの信号を受信するよう形成されている、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  8. 前記変更されたインパルス応答を検出する前記手段(18)は、グラフィカルに表現された前記変更されたインパルス応答を検出し、前記検出された値を記憶装置に格納するよう形成されている、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  9. 前記ディスプレイ手段(12)は、シミュレート対象の空間についての情報を包含するインパルス応答(74;82a〜82h;94a〜94e)をグラフィカルに表示するよう形成されている、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  10. 前記ディスプレイ手段(12)は、前記再生環境(32)に対する音源の位置(30)についての情報を包含するインパルス応答(34)をグラフィカルに表示するよう形成されている、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
  11. 再生環境において空間音響印象を生成するよう形成された、音響再生システムのための制御装置であって、
    請求項1ないし請求項1のいずれかに記載のグラフィック・ユーザ・インターフェース(10)と、
    異なる空間位置に配置可能な複数のスピーカ群のスピーカに対するスピーカ信号(110)を供給する信号発生器(102)とを含む制御装置。
  12. 前記信号発生器(102)は、スピーカ信号(110)を得るために、数学的コンボリューションにより前記変更されたインパルス応答と共に音響信号(106)を畳み込む畳み込み手段(108)を備え、前記音響信号(106)は、前記インパルス応答が関連する前記空間方向に対応する空間位置に配置されたスピーカに対して意図されており、前記畳み込み段(108)は、前記スピーカ信号(110)が、シミュレーション対象の前記空間についての前記情報を包含するように組み合わせを行うよう形成されている、請求項1に記載の制御装置。
  13. 前記信号発生器(102)は、スピーカ信号(110)を得るために、前記変更されたインパルス応答と共に前記音響信号(106)を畳み込む畳み込み手段(108)を備え、前記畳み込み手段(108)は、前記スピーカ信号(110)が、前記音響信号(106)に関連する音源の相対的位置についての前記情報を包含するように組み合わせるように形成されている、請求項1に記載の制御装置。
  14. 前記畳み込み手段(108)は、前記組み合わせの過程で、前記変更されたインパルス応答を使って前記音響信号(106)のエイリアシングを行うよう形成されている、請求項1又は請求項1のいずれかに記載の制御装置。
  15. 再生環境(32;70;80;90)において空間音響印象を生成するよう形成された、音響再生システムを使用するための方法であって、
    前記再生環境(32;70;80;90)の空間方向と関連するインパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)をグラフィカルに表示する工程であって、前記再生環境に関連して、前記インパルス応答は、それらが割り当てられた前記空間方向において再生され、
    前記ユーザによって前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の前記グラフィカル表示の変更を可能にする工程であって、前記インパルス応答(34;74;82a〜82h;94a〜94e)の変更は、所定の位置において可能であり、
    変更されたインパルス応答を表現するために、ユーザの変更入力を受信する工程と、
    前記変更されたインパルス応答を検出する工程とを含む適用方法。
  16. 請求項1に記載の方法の工程を含む音響再生システムを制御する方法であって、
    前記変更されたインパルス応答に基づいて、異なる空間位置に配置可能な複数のスピーカ群に対するスピーカ信号を供給する工程をさらに含む制御方法。
  17. コンピュータ・プログラムをコンピュータで実行する時に、請求項1または請求項1に記載の前記方法を実施するプログラム・コードを備えた前記コンピュータ・プログラム。
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