JP4464064B2 - 残響付与装置および残響付与プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンサートホールや劇場といった各種の音響空間における音響効果を、これとは別の空間において再生されるべき音に対して付与するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
音を発する発音点とこの発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間を、利用者の家庭などの部屋(以下「リスニングルーム」という)において再現させる技術が従来から知られている。この技術を用いれば、利用者は、あたかもコンサートホールや劇場などで生演奏を聴いているかのような臨場感をリスニングルームにおいて味わうことができる。この音場再現の手法としては、例えば、音場再現の対象となる音響空間の形状や発音点および受音点の配置位置といった各種のパラメータに基づいてインパルス応答を特定し、このインパルス応答を、再生されるべき音を表す信号(以下「オーディオ信号」という)に畳み込む方法がある。
【0003】
さらに、近年においては、音場の再現に際して発音点や受音点の指向特性を反映させる技術も検討されている(例えば特許文献1参照)。この技術のもとでは、音響空間の形状や発音点および受音点の配置位置に加えて発音点または受音点の向きを反映させたインパルス応答を畳み込み演算に用いることによって、より豊かな臨場感のもとで音響空間を再現することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−125578号公報(段落0020参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような音場の再現に伴なって、発音点や受音点の配置位置、さらには発音点や受音点の向きを利用者が随時に変更できる構成とすれば、利用者が所望する音響空間が豊かな臨場感をもってリアルタイムに再現されることとなる。しかしながら、この場合、利用者は発音点や受音点の位置および向きの双方を随時に指定しなければならない。例えば、受音点の向きを発音点の移動に伴なって変化させたい場合には、発音点を移動させると同時に受音点の向きを変化させるといった煩雑な操作を行なう必要があり、利用者の負担が大きいという問題が生じ得る。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特定の音響空間をリアルタイムに再現するときに、その音響空間に配置された発音点や受音点の位置および向きの双方を簡易な操作によって変化させることができる残響付与装置、およびコンピュータをこの残響付与装置として機能させるためのプログラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、音を発する発音点と当該発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間における音響効果を、前記発音点が発した音を表すオーディオ信号に付与するための残響付与装置であって、前記発音点における発音の指向特性を記憶する記憶手段と、前記発音点の位置と、前記受音点の位置とを指示する位置指示手段と、前記位置指示手段によって前記発音点の位置および前記受音点の位置の変更が指示されると、前記音響空間における前記発音点の方向を変更する方向制御手段と、前記発音点から発せられた音が前記受音点に至るまでにたどる音線経路を特定し、特定した当該音線経路ごとに、前記記憶手段に記憶された発音の指向特性と前記方向制御手段によって変更された前記発音点の方向とに応じたインパルス応答を特定するインパルス応答特定手段と、前記インパルス応答特定手段によって特定されたインパルス応答と前記発音点が発した音を表すオーディオ信号との畳み込み演算を行なう演算手段とを設けたことにある。
【0008】
この構成によれば、発音点の位置に基づいてその向きが特定される。すなわち、発音点の向きは自動的に(すなわち利用者による指示の有無にかかわらず)特定されるから、利用者が発音点の位置と向きの双方を随時に指示する必要はない。
【0009】
本発明においては、前記方向制御手段が、前記位置指示手段によって指示された前記発音点の位置からみた特定の目標点の方向へ、当該発音点の方向を変更するようにしてもよいし、前記位置指示手段によって指示された前記発音点の位置からみた前記目標点の方向に対して一定の角度をなす方向へ、当該発音点の方向を変更するようにしてもよい。この構成のもとで目標点を前記受音点とすれば、例えば、発音点を常に受音点の方向に向けた状態で発音点や受音点が移動する音響空間を、利用者に煩雑な操作を強いることなく再現することができる。
【0010】
また、前記方向制御手段が、前記位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた当該発音点の進行方向へ、当該発音点の方向を変更するようにしてもよいし、前記位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた当該発音点の進行方向に対して一定の角度をなす方向へ、当該発音点の方向を変更するようにしてもよい。こうすれば、例えば、楽器などの発音点を所持する演奏者がその進行方向や当該進行方向に対して一定の角度をなす方向に楽器を向けながら移動する音響空間を、利用者に煩雑な操作を強いることなく再現することができる。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の特徴は、音を発する発音点と当該発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間における音響効果を、前記発音点が発した音を表すオーディオ信号に付与するための残響付与装置であって、前記受音点における受音の指向特性を記憶する記憶手段と、前記受音点の位置と、前記発音点の位置とを指示する位置指示手段と、前記位置指示手段によって前記受音点の位置および前記発音点の位置の変更が指示されると、前記音響空間における前記受音点の方向を変更する方向制御手段と、前記発音点から発せられた音が前記受音点に至るまでにたどる音線経路を特定し、特定した当該音線経路ごとに、前記記憶手段に記憶された受音の指向特性と前記方向制御手段によって変更された前記受音点の方向とに応じたインパルス応答を特定するインパルス応答特定手段と、前記インパルス応答特定手段によって特定されたインパルス応答と前記発音点が発した音を表すオーディオ信号との畳み込み演算を行なう演算手段とを設けたことにある。
【0012】
この構成によれば、受音点の位置に基づいてその向きが自動的に特定されるから、利用者が受音点の位置と向きの双方を随時に指示する必要はない。
【0013】
この第2の特徴に係る構成のもとでは、受音点の位置からみた特定の目標点の方向や、その方向に対して一定の角度をなす方向へ、受音点の方向を変更することが考えられる。さらに、この構成のもとで目標点を発音点とすれば、例えば、受音点を常に発音点の方向に向けた状態で発音点や受音点が移動する音響空間を、利用者に煩雑な操作を強いることなく再現することができる。また、位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた受音点の進行方向やこの進行方向に対して一定の角度をなす方向へ、受音点の方向が変更される構成としてもよい。こうすれば、発音点から音が発せられている環境のもとで受音点が進行方向に応じて方向を変えながら移動する音響空間を、利用者に煩雑な操作を強いることなく再現することができる。
【0014】
なお、本発明は、上記第1または第2の特徴を有する残響付与装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムとしても特定される。このプログラムは、ネットワークを介してコンピュータに提供されるものであってもよいし、光ディスクに代表される記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされるものであってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
<A:第1実施形態>
<A−1:実施形態の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る残響付与装置が使用されるときの様子を示す図である。この残響付与装置100は、利用者によって聴取されるべき音に対して特定の音響空間における音響効果を付与するための装置である。この音響効果が付与された音は4つの再生チャネルを介して再生される。すなわち、残響付与装置100は、スピーカ30(30-FR、30-FL、30-BRおよび30-BL)がそれぞれ接続された4つの再生チャネル端子Tch1、Tch2、Tch3およびTch4を備えている。これらのスピーカ30から出力される音によって、音を発する発音点とこの発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された特定の音響空間の音場が、受聴者の所在するリスニングルームに再現されるのである。
【0017】
これらのスピーカ30は、リスニングルームにおける利用者Uの位置からほぼ等しい距離を隔てた位置に配置される。このうちスピーカ30-FRは利用者Uの正面右側(図1における左下側)に配置されており、スピーカ30-FLは利用者Uの正面左側(図1における右下側)に配置されている。これらのスピーカ30-FRおよび30-FLからは、特定の音響空間において前方から利用者Uに到達すべき音が放音されることとなる。
【0018】
一方、スピーカ30-BRは利用者Uの背面右側(図1における左上側)に配置されており、スピーカ30-BLは利用者Uの背面左側(図1における右上側)に配置されている。これらのスピーカ30-BRおよび30-BLからは、特定の音響空間において後方から利用者Uに到達すべき音が放音されることとなる。
【0019】
次に、図2を参照して、残響付与装置100のハードウェア構成を説明する。同図に示すCPU(Central Processing Unit)10は、この残響付与装置100の各部を中枢的に制御するためのマイクロプロセサであり、プログラムに従って演算処理や各部の制御を行なうことによって種々の機能を実現する。ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶装置13、表示装置14、入力装置15、A/D(Analog to Digital)変換器21および4つの再生処理ユニット22(22-1、22-2、22-3および22-4)は、それぞれバス25を介してCPU10に接続されている。このうちROM11はCPU10によって実行されるプログラムを記憶するための不揮発性メモリであり、RAM12はCPU10によって作業領域として使用される揮発性メモリである。
【0020】
音響効果を付与する対象となるアナログのオーディオ信号はA/D変換器21に入力される。このオーディオ信号は、再生されたときに余計な残響音が含まれることを防止するために、無響室などにおいて録音されて反射音を含まない楽音や音声のオーディオ信号(いわゆるドライソース)であることが望ましい。A/D変換器21は、この入力されたオーディオ信号をデジタルのオーディオ信号に変換したうえでバス25に出力する。なお、音響効果を付与すべきオーディオ信号は、この信号の波形を表す波形データとして記憶装置13に予め記憶されていてもよい。また、ネットワークに収容されたサーバ装置との間で通信を行なうための装置を残響付与装置100に設け、このサーバ装置から波形データとして受信したオーディオ信号を音響効果付与の対象としてもよい。
【0021】
4つの再生処理ユニット22は、4つの再生チャネルにそれぞれ対応するものであり、オーディオ信号に対してそれぞれ異なる音響効果を付与する手段である。ひとつの再生処理ユニット22は畳み込み演算装置221とDSP222(Digital Signal Processor)とD/A(Digital to Analog)変換器223とを備えている。このうち畳み込み演算装置221はバス25に接続されており、CPU10によって指示されたインパルス応答と残響付与の対象となるオーディオ信号との畳み込み演算を実行する手段である。また、DSP222は、前段の畳み込み演算装置221による演算によって得られたデジタル信号に対して信号増幅や時間遅延、フィルタ処理といった各種の信号処理を施して出力する。一方、各再生処理ユニット22のD/A変換器223はスピーカ30に接続されている。具体的には、再生処理ユニット22-1のD/A変換器223はスピーカ30-FRに接続され、再生処理ユニット22-2のD/A変換器223はスピーカ30-FLに接続され、再生処理ユニット22-3のD/A変換器223はスピーカ30-BRに接続され、再生処理ユニット22-4のD/A変換器223はスピーカ30-BLに接続されている。これらのD/A変換器223の各々は、前段のDSP222から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換したうえで後段のスピーカ30に出力する。
【0022】
一方、記憶装置13は、CPU10によって実行されるプログラムやこのプログラムの実行に際して使用される各種のデータを記憶する装置である。具体的には、ハードディスク装置や、CD−ROMなどの記録媒体に対してデータの書き込みおよび読み出しを行なうディスクドライブなどが記憶装置13として採用され得る。記憶装置13には残響付与プログラムが格納されている。この残響付与プログラムは、オーディオ信号に対して音響効果を付与するためのプログラムである。具体的には、CPU10が残響付与プログラムを実行することによって、再現すべき音響空間に応じたインパルス応答を特定する機能や、この特定したインパルス応答を畳み込み演算装置221に対して指示する機能などが実現される。
【0023】
さらに、記憶装置13には、残響付与プログラムに従ったインパルス応答の算出のために使用されるデータとして、音響空間データと発音点データと受音点データとが記憶されている。このうち音響空間データは、再現の対象となる音響空間の態様を表すデータであり、コンサートホールや教会、劇場といった複数の音響空間ごとに用意されている。ひとつの音響空間データには、空間形状情報と反射特性とが含まれている。このうち空間形状情報は、その音響空間データが対象としている音響空間の空間形状を示すものであり、壁や天井、床などの位置をXYZ直交座標系における座標情報として指定する。一方、反射特性は、その音響空間の壁や天井、床といった境界面における音の反射特性(吸音率や音の反射角など)を指定する。
【0024】
発音点データは、音響空間に配置される発音点に関するデータであり、ピアノやトランペット、クラリネットといった発音点となり得る対象ごとに用意されている。ひとつの発音点データには、このデータが対象とする発音点の指向特性が含まれている。この発音点の指向特性は、発音点の特定の向き(発音点の向き)を基準として、当該発音点からみた各方向ごとの発音強度を表すものである。一方、受音点データは、音響空間に配置される受音点に関するデータであり、例えば人間やマイクロホンといった受音点となり得る対象ごとに用意されている。ひとつの受音点データには、このデータが対象とする受音点の指向特性が含まれている。この受音点の指向特性は、受音点の特定の向き(受音点の向き)を基準として、当該受音点からみた各方向ごとの受音感度を表すものである。
【0025】
本実施形態においては、音響空間の種類や発音点となる楽器の種類などを利用者が複数の候補の中から選択できるように、それぞれ多数の音響空間データ、発音点データおよび受音点データが記憶装置13に記憶されている。なお、記憶装置13は、残響付与装置100に内蔵されたものである必要はなく、例えば残響付与装置100に外付けされるものであってもよい。また、残響付与装置100が記憶装置13を備えている必要は必ずしもない。すなわち、例えばネットワークに収容されたサーバ装置との間で通信を行なうための装置を残響付与装置100に設け、音響空間データ、発音点データまたは受音点データをそれぞれサーバ装置から取得する構成としてもよい。
【0026】
表示装置14は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示パネルなどを備え、CPU10による制御のもとに各種の画像を表示する。入力装置15は、例えばキーボードやマウス、ジョイスティックなどであり、利用者による操作の内容を表す信号をCPU10に出力する。音響空間の再現に先立ち、利用者は、入力装置15を適宜に操作することによって、再現の対象となる音響空間、発音点および受音点の種類、ならびに音響空間における発音点および受音点の位置を指示することができる。さらに、本実施形態においては、音響空間の再現が実行されている最中(すなわちスピーカ30から音が出力されている最中)にも、利用者は、入力装置15を操作することによって、音響空間における発音点や受音点の位置を任意に移動させることができるようになっている。そして、CPU10は、音響空間データに応じた音響空間の態様のほか、発音点データが示す発音点の指向特性や受音点データが示す受音点の指向特性、ならびに発音点や受音点の位置および向きといった各種のパラメータに基づいて、インパルス応答を算出する。
【0027】
<A−2:動作モード>
本実施形態においては、CPU10が、利用者によって指示された発音点の位置に基づいて、その発音点の向きを特定するようになっている。そして、発音点の位置からその向きを特定する方法は、音響空間の再現に先立って利用者によって選択された動作モードに応じて異なる。本実施形態においては、第1の動作モードから第3の動作モードまでの3つのモードが用意されている。以下、図3から図5を参照して、各動作モードにおける発音点の向きの決定方法を説明する。なお、実際の音響空間は三次元空間であるが、以下では説明の便宜のために音響空間の底面のみに着目し、音響空間と発音点および受音点との関係を二次元的に捉えて説明する。また、これらの図においては、発音点の向きが単位ベクトルdの図示によって表されている。
【0028】
[1]第1の動作モード
図3(a)および(b)は、第1の動作モードが選択されたときの発音点の向きを示す図である。図3(a)においては、発音点Sが音響空間内で破線Lsに沿って移動させられた場合が想定されており、図3(b)においては、受音点Rが音響空間内で破線Lrに沿って移動させられた場合が想定されている。これらの図に示すように、第1の動作モードが選択されているときには、発音点Sからみた受音点Rの方向が当該発音点Sの向きとして特定される。具体的には、CPU10は、例えば下記の式(1)に基づいて単位ベクトルdiを特定する。なお、この式における「i」は、発音点Sの向きが特定される時点を表す変数である。
【数1】
【0029】
[2]第2の動作モード
第2の動作モードを選択する場合、利用者は、音響空間のうち発音点および受音点とは異なる位置に目標点を指定する。ここで、図4(a)および(b)は、第2の動作モードが選択されたときの発音点の向きを示す図である。図4(a)においては、発音点Sが音響空間内で破線Lsに沿って移動させられた場合が想定されており、図4(b)においては、目標点Tが音響空間内で破線Ltに沿って移動させられた場合が想定されている。これらの図に示すように、第2の動作モードが選択されているときには、発音点Sからみた目標点Tの方向が当該発音点Sの向きとして特定される。具体的には、CPU10は、例えば下記の式(2)に基づいて単位ベクトルdiを特定する。
【数2】
【0030】
[3]第3の動作モード
図5は、第3の動作モードが選択されたときの発音点の向きを示す図である。同図においては、発音点Sが音響空間において破線Lsに沿って移動させられた場合を想定している。同図に示すように、第3の動作モードが選択されているときには、発音点Sの進行方向が当該発音点Sの向きとして特定される。具体的には、CPU10は、例えば下記の式(3)に基づいて単位ベクトルdiを特定する。なお、この式における係数Tは、発音点Sの向きがその進行方向に近づく速さを表す係数(以下「漸近速度係数」という)である。この係数Tが大きいほど発音点Sの向きがその進行方向に一致するまでの時間が短くなり、漸近速度係数Tを無限大に設定することによって、発音点Sの進行方向が変化すると同時に当該発音点Sの向きが変更後の進行方向となる。
【数3】
【0031】
<A−3:実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作を説明する。音響空間の再現の開始を指示するための操作が利用者によって入力装置15になされると、CPU10は、残響付与プログラムを記憶装置13からRAM12に読み込んだうえでこれを順次に実行する。図6、9および図12は、この残響付与プログラムに従った処理の流れを示すフローチャートである。このうち図6に示す処理は残響付与プログラムの実行を開始した直後に行なわれる処理である。図6に示す一連の処理が終了した後に、タイマ割込みの発生を契機として、図12に示す処理が一定時間ごとに実行されることとなる。
【0032】
[1]実行開始直後の処理(図6)
残響付与プログラムを開始すると、CPU10はまず、利用者による入力装置15への操作内容に応じて、利用者によって選択された動作モードを特定する(ステップSa1)。次いで、CPU10は、利用者による入力装置15への操作内容に応じて、音響空間の種類と、発音点Sの種類および配置位置と、受音点Rの種類、配置位置および向きとを特定する(ステップSa2)。また、第2の動作モードが選択されている場合、CPU10は、ステップSa2において、利用者による操作内容に応じて目標点Tの位置を特定する。なお、ここでは利用者からの指示に応じて各情報を特定するものとしたが、これらの情報が記憶装置13に予め記憶されている構成としてもよい。
【0033】
次いで、ステップSa2において特定した各情報を含むレシピファイルRFを生成してRAM12に記憶させる(ステップSa3)。ここで、図7は、レシピファイルRFの具体的な内容を示す図である。なお、同図のうち「目標点Tの位置」については第2の動作モードが選択された場合に限ってレシピファイルRFに含められるため、図7においてはこの項目が破線によって示されている。同図に示すように、発音点Sや受音点Rの配置位置および向き(さらに第2の動作モードにあっては目標点Tの配置位置)は、XYZ直交座標系における座標としてレシピファイルRFに含められる。
【0034】
図7に示すように、レシピファイルRFには、ステップSa2において特定されたパラメータに加えて発音点Sの向きが含まれている。この発音点Sの向きは、ステップSa1において選択された動作モードに応じた初期値が設定される。すなわち、第1の動作モードが選択されている場合には、CPU10は、発音点Sの位置からみた受音点Rの方向を当該発音点Sの向きの初期値として特定したうえでレシピファイルRFに含ませる。また、第2の動作モードが選択されている場合には、CPU10は、発音点Sの位置からみた目標点Tの方向を当該発音点Sの向きの初期値としてレシピファイルRFに含ませる。一方、第3の動作モードが選択されている場合には、CPU10は、予め定められた方向を当該発音点Sの向きの初期値としてレシピファイルRFに含ませる。
【0035】
次いで、CPU10は、レシピファイルRFに含まれた音響空間に対応する音響空間データを記憶装置13から読み出す(ステップSa4)。そして、CPU10は、ここで読み出した音響空間データによって示される空間形状と、レシピファイルRFに含まれる発音点Sおよび受音点Rの位置とに基づいて、発音点Sから放射された音が受音点Rに到達するまでにたどる音線経路を特定する(ステップSa5)。このステップSa5においては、発音点Sの放射特性が当該発音点Sからの方向に依存しないものと仮定して音線経路を特定する。すなわち、発音点Sからは、四方に向けて同程度の音が放射され、これらの放射音のうち音響空間の壁面や天井などで反射されながら受音点Rに到達する音の経路が特定される。なお、音線経路の特定には、音線法や鏡像法といった公知の各種手法を採用することができる。
【0036】
続いてCPU10は、ステップSa5において特定した各音線経路に基づいて、図8に例示する音線経路情報テーブルTBL1を生成する(ステップSa6)。この音線経路情報テーブルTBL1は、ステップSa5にて特定された音線経路にそれぞれ対応する複数のレコードが、経路長の短い音線経路から順番に配列されたテーブルである。図8に示すように、ひとつの音線経路に対応するレコードには、その音線経路の経路長と、発音点Sからの放射方向と、受音点Rへの到達方向と、壁面における反射回数と、反射減衰率とが含まれている。このうち放射方向および到達方向は、XYZ直交座標系のベクトルとして表されている。一方、反射回数は、その音線経路上において、音が音響空間の壁面や天井などで反射された回数である。また、反射減衰率は、反射回数により示される1回または複数回の反射に伴なう音の減衰率である。
【0037】
次に、CPU10は、図7に示したレシピファイルRFや図8に示した音線経路情報テーブルTBL1に基づいて、各再生チャネルごとのインパルス応答を算出する(ステップSa7)。続いて、CPU10は、ステップSa7で求めたインパルス応答とオーディオ信号との畳み込み演算を行なわせたうえでオーディオ信号を再生するための処理を実行する(ステップSa8)。すなわち、CPU10は、各再生処理ユニット22の畳み込み演算装置221に対して、対応する再生チャネルについて求められたインパルス応答を出力するとともに、このインパルス応答とオーディオ信号との畳み込みを行なわせるための命令を出力する。
【0038】
一方、各再生処理ユニット22の畳み込み演算装置221は、CPU10からの命令を契機として、A/D変換器21から供給されるオーディオ信号と、CPU10から受け取ったインパルス応答との畳み込み演算を行なう。この畳み込み演算によって得られたオーディオ信号は、DSP222によって各種の信号処理が施されたうえで、その後段のD/A変換器223によってアナログ信号に変換される。各スピーカ30は、前段のD/A変換器223から供給されるオーディオ信号に応じた音を出力する。
【0039】
[2]インパルス応答算出処理(図9)
次に、図9を参照して、図6のステップSa7においてインパルス応答が算出されるときの処理の手順を説明する。ここで、インパルス応答を求めるときに用いられる発音点Sの指向特性といった各種のパラメータは周波数依存性を有する。このため、CPU10は、インパルス応答の周波数帯域をパラメータが略一定となる帯域ごとに区分し、それぞれの帯域についてインパルス応答を算出するようになっている。本実施形態においては、インパルス応答の周波数帯域がM個の帯域に区分されているものとする。
【0040】
図9に示すように、CPU10はまず、帯域を指定する変数mを「1」に初期化する(ステップU1)。次いで、CPU10は、音線経路ごとに、その音線経路をたどって受音点Rに到達した音の音線強度Iを求める。具体的には、CPU10は、音線経路情報テーブルTBL1の先頭レコードを抽出し(ステップU2)、そのレコードに含まれる放射方向および反射減衰率と、発音点Sに対応する発音点データが示す指向特性とから、帯域fmにおける音線経路ごとの音線強度Iを次の式から求める(ステップU3)。
I=(r^2/L^2)×α(fm)×d(fm,X,Y,Z)×β(fm,L)
この式において、演算子「^」はべき乗を表す。また、rは基準距離、Lは音線経路長、α(fm)は反射減衰率、d(fm,X,Y,Z)は発音指向特性減衰係数、β(fm,L)は距離減衰係数である。このうち基準距離rは、再現すべき音響空間の広さに応じて設定される。具体的には、音線経路長が音響空間の広さに対して十分に長い場合に、この音線経路をたどる音の減衰率が大きくなるように設定される。また、反射減衰率α(fm)は、上述したように音響空間の壁面などにおける音の反射回数に応じた減衰率である。ここで、音の反射率は反射する音の周波数に依存するため、反射減衰率αも帯域ごとに設定される。さらに、距離減衰係数β(fm,L)は、音の伝搬距離(経路長)に応じた帯域ごとの減衰率を表すものである。
【0041】
一方、発音指向特性減衰係数d(fm,X,Y,Z)は、発音点Sの指向特性と発音点Sの向きとに応じた減衰係数である。発音点Sにおける発音の指向特性は放射される音の周波数帯域ごとに異なるため、発音指向特性減衰係数dは帯域fmに依存することとなる。CPU10は、レシピファイルRFに含まれる発音点Sの種類に応じた発音点データを記憶装置13から読み出すとともに、この発音点データによって表される指向特性を、レシピファイルRFに含まれる発音点Sの向きに応じて補正することによって発音指向特性減衰係数d(fm,X,Y,Z)を求める。したがって、この発音指向特性減衰係数dによって重み付けされた音線強度Iは、発音点Sの指向特性と向きとを反映したものとなる。
【0042】
次に、CPU10は、ステップU3において処理したレコードが音声経路情報テーブルにおける最後のレコードに該当するか否かを判定する(ステップU4)。ここで最後のレコードに該当しないと判定した場合、CPU10は、音線経路情報テーブルTBL1から次のレコードを取り出し(ステップU5)、このレコードに対応する音線経路を対象として音線強度Iを求めるために処理をステップU3に戻す。
【0043】
一方、ステップU4において最後のレコードに該当すると判定した場合、CPU10は、受音点Rにおける合成音線ベクトルを求める(ステップU6)。すなわち、CPU10は、受音点Rに到達する時間が同一となる音線経路、すなわち音線経路長が等しい音線経路のレコードを音線経路情報テーブルTBL1から抽出し、これらのレコードに含まれる到達方向と音線強度とから合成音線ベクトルを求める。
【0044】
次いで、CPU10は、ステップU6において求めた合成音線ベクトルから合成音線テーブルTBL2を生成する(ステップU7)。ここで、図10は、合成音線テーブルTBL2の内容を示す図である。同図に示すように、合成音線テーブルTBL2には、ステップU6において求められた合成音線ベクトルにそれぞれ対応する複数のレコードが含まれている。ひとつの合成音線ベクトルに対応するレコードには、残響遅延時間と、合成音線強度と、合成到達方向とが含まれている。このうち残響遅延時間は、この合成音線ベクトルにて示される音が発音点Sから受音点Rに到達するまでに要する時間である。また、合成音線強度は、合成音線ベクトルのベクトル強度である。一方、合成到達方向は、この合成された音線が受音点Rに到達する際の方向を示し、合成音線ベクトルのベクトル方向によって表される。
【0045】
次いで、CPU10は、ステップU6において求められた各合成音線ベクトルの合成音線強度に対して受音点Rの指向特性と向きによる重み付けを行なう。具体的には、CPU10は、合成音線テーブルTBL2における先頭のレコードを取り出し(ステップU8)、このレコードに含まれる合成音線強度に対して受音指向特性減衰係数g(fm,X,Y,Z)を乗じるとともに、この結果を対応する合成音線テーブルTBL2の合成音線強度に上書きする(ステップU9)。ここで、受音指向特性減衰係数g(fm,X,Y,Z)は、受音点Rの指向特性と受音点Rの向きとに応じた減衰係数である。受音点Rにおける受音の指向特性は到達する音の周波数帯域ごとに異なるため、受音指向特性減衰係数gは帯域fmに依存することとなる。CPU10は、レシピファイルRFに含まれる受音点Rの種類に応じた受音点データを記憶装置13から読み出すとともに、この受音点データによって表される指向特性を、レシピファイルRFに含まれる受音点Rの向きに応じて補正することによって受音指向特性減衰係数g(fm,X,Y,Z)を求める。したがって、この受音指向特性減衰係数gによって重み付けされた合成音声強度Icは、受音点Rの指向特性と向きとを反映したものとなる。
【0046】
次に、CPU10は、合成音線テーブルTBL2に含まれるすべてのレコードについてステップU9の処理を行なったか否かを判定する(ステップU10)。ここでいずれかのレコードが未処理であると判定した場合、CPU10は、次のレコードを取り出して(ステップU11)、このレコードを合成音線強度を対象として重み付けを行なうために処理をステップU9に戻す。
【0047】
一方、すべてのレコードについてステップU9の処理を行なったと判定した場合、CPU10は、合成音線ベクトルごとに、その合成音線ベクトルに対応する音が4つのスピーカ30のうちいずれのスピーカ30から出力されるべきかを決定して合成音線ベクトルを各スピーカ30に振り分けるための処理を行なう。
【0048】
すなわち、CPU10はまず、合成音線テーブルTBL2の先頭レコードを取り出す(ステップU12)。次いでCPU10は、このレコードに含まれる合成音線ベクトルに対応した音を出力すべき1以上の再生チャネルを決定するとともに、決定した再生チャネルが2つ以上である場合に各再生チャネルから出力される音量のバランスを決定する。そして、CPU10は、図11に示すように、これらの決定結果を表す再生チャネル情報を合成音線テーブルTBL2のレコードに追加する(ステップU13)。例えば、取り出したレコードの合成到達方向が受音点Rに対して正面右方向からの到達を示している場合、CPU10は、この合成音線ベクトルに応じた音を受聴者の正面右側に位置するひとつのスピーカ30-FRから出力させるために、このスピーカ30-FRに対応する再生チャネルを表す再生チャネル情報を追加する。また、例えば合成音線ベクトルの到達方向が受音点Rに対して正面からの到達を示している場合には、CPU10は、合成音線ベクトルに応じた音をスピーカ30-FRとスピーカ30-FLとから同じ音量にて出力させるような再生チャネル情報を追加する。
【0049】
次に、CPU10は、合成音線テーブルTBL2に含まれるすべてのレコードについてステップU13の処理を行なったか否かを判定する(ステップU14)。ここで未だいずれかのレコードについて処理を行なっていないと判定した場合、CPU10は、次のレコードを取り出して(ステップU15)、このレコードを対象として再生チャネル情報の追加を行なうために処理をステップU13に戻す。
【0050】
一方、すべてのレコードについてステップU13の処理を行なったと判定した場合、CPU10は、変数mを「1」だけインクリメントし(ステップU16)、この変数mが周波数帯域の区分数Mよりも大きいか否かを判定する(ステップU17)。ここで変数mが区分数M以下であると判定した場合、CPU10は、次の帯域についてインパルス応答を求めるために処理をステップU2に戻す。
【0051】
これに対し、変数mが区分数Mよりも大きいと判定した場合、すなわちすべての帯域について処理が完了している場合には、CPU10は、帯域ごとに求められた合成音線強度Icから再生チャネルごとのインパルス応答を求める(ステップU18)。すなわち、CPU10は、ステップU13において付加された再生チャネル情報を参照することによって、同一の再生チャネルに割り当てられた合成音線ベクトルのレコードを各帯域ごとに生成された合成音線テーブルTBL2から抽出する。そして、CPU10は、抽出した各レコードの残響遅延時間と合成音線強度とから、受音点Rにて聴取されるべきインパルス音を時系列的に求める。これにより再生チャネルごとのインパルス応答が求められ、図6に示すステップSa8における畳み込み演算処理に供される。
【0052】
[3]タイマ割込み処理(図12)
次に、図12を参照して、タイマ割込みを契機として実行される処理の手順を説明する。
音響空間の再現が開始された後、利用者は、表示装置14に表示された画像(図3から図5に示した画像)を確認しながら入力装置15を適宜に操作することによって、発音点Sや受音点Rの位置、および第2の動作モードが選択されている場合には目標点Tの位置を任意に変更することができる。一方、タイマ割込みが発生すると、CPU10は、利用者によって各点の移動が指示されたか否かを判定する(ステップSb1)。ここで、いずれの点も移動していない場合には、畳み込み演算に供されるべきインパルス応答を変更する必要はない。したがって、この場合、CPU10は、ステップSb2からステップSb7を経ることなくタイマ割込み処理を終了させる。
【0053】
これに対し、いずれかの点の移動が指示されたと判定した場合、CPU10は、上述した式(1)から(3)のうち選択されている動作モードに応じた式を用いることによって、移動後の各点の位置に応じた発音点Sの向きを特定する(ステップSb2)。例えば、第1の動作モードにおいて発音点Sが移動された場合には、移動後の発音点Sの位置ベクトルとレシピファイルRFに含まれる受音点Rの位置ベクトルとから、移動後の発音点Sの向きを表す単位ベクトルdiが式(1)に基づいて求められる。一方、第1の動作モードにおいて受音点Rが移動された場合には、移動後の受音点Rの位置ベクトルとレシピファイルRFに含まれる発音点Sの位置ベクトルとから、移動後の発音点Sの向きを表す単位ベクトルdiが式(1)に基づいて求められる。第2の動作モードにおいて発音点Sまたは目標点Tが移動された場合にも、式(2)を用いた同様の手順によって、新たな発音点Sの向きを表す単位ベクトルdiが求められる。
【0054】
一方、第3の動作モードが選択されているときに発音点Sが移動された場合、CPU10は、移動する直前の発音点Sの位置ベクトルおよび移動後の発音点Sの位置ベクトルとその間に要した時間とから発音点Sの速度ベクトルvを求める。そして、CPU10は、前掲式(3)に基づいて、この速度ベクトルvと、移動する直前の発音点Sの向きを表す単位ベクトルdi-1と、予め決定された漸近速度係数Tとから、移動後の発音点Sの向きを表す単位ベクトルdiを求める。
【0055】
次に、CPU10は、レシピファイルRFのうち今回移動させられた点の配置位置を移動後の位置に更新するとともに、レシピファイルに含まれる発音点Sの向きをステップSb2において特定した向きに更新する(ステップSb3)。そして、CPU10は、この更新後のレシピファイルRFに基づいて、発音点Sから放射された音が受音点Rに到達するまでにたどる音線経路を特定する(ステップSb4)。この音線経路の特定は、図6に示したステップSa5と同様の手順にて行なわれる。さらに、CPU10は、図6のステップSa6と同様の手順により、ステップSb4において特定された音線経路に応じた音線経路情報テーブルTBL1を生成する(ステップSb5)。
【0056】
続いて、CPU10は、ステップSb3における更新後のレシピファイルRFと、直前のステップSb5において生成された音線経路情報テーブルTBL1とに基づいて、発音点Sの移動と向きの変化とを反映した新たなインパルス応答を再生チャネルごとに生成する(ステップSb6)。このインパルス応答生成の手順は図9を参照して上述した通りである。この後、CPU10は、ステップSb6において新たに生成したインパルス応答を各再生処理ユニット22の畳み込み演算装置221に対して指示する(ステップSb7)。この結果、その後にスピーカ30から出力される音は、発音点Sの向きの変化を反映した音響効果が付与されたものとなる。
【0057】
以上説明したタイマ割込み処理は、音場再現を終了すべき旨の指示が利用者から与えられるまで一定時間ごとに繰り返される。したがって、利用者による指示に応じた各点の移動と、その移動に伴なう発音点Sの向きの変化とが、スピーカ30から出力される音に対して随時に反映されることとなる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態においては、発音点Sの位置に応じてその向きが自動的に(すなわち利用者からの指示を要することなく)特定されるようになっている。したがって、利用者は、発音点Sの向きを各点の位置とは別に指示する必要はない。すなわち、本実施形態によれば、発音点Sの向きを簡易な操作によって変化させることができる。
【0059】
さらに、本実施形態においては、発音点Sの位置から当該発音点Sの向きを決定するための方法が異なる3つの動作モードが用意されている。このうち第1の動作モードにおいては、発音点Sが常に受音点Rを向くようになっているから、例えば、トランペットなどの楽器の演奏者が常に楽器を受聴者に向けながら移動する音響空間を再現することができる。また、第2の動作モードにおいては、発音点Sが常に目標点Tを向くようになっているから、例えば、楽器の演奏者が楽器を常に特定の目標に向けながら移動する音響空間を再現することができる。一方、第3の動作モードにおいては、発音点Sがその進行方向を向くようになっているから、例えば、楽器の演奏者が進行方向に楽器を向けながら移動する音響空間(例えば演奏者が楽器の演奏に伴なって行進する様子)を再現することができる。
【0060】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る残響付与装置について説明する。上記第1実施形態においては、発音点Sの位置に応じてその向きが特定される構成を例示した。これに対し、本実施形態においては、受音点Rの位置に応じてその向きが特定される構成となっている。なお、以下では、本実施形態に係る残響付与装置のうち上記第1実施形態に係る残響付与装置100と共通する要素については同一の符号を付し、上記第1実施形態と共通する構成や動作については説明を適宜に省略する。
【0061】
本実施形態においても、受音点Rの位置からその向きを決定するための方法が異なる3つの動作モードが用意されている。すなわち、第1の動作モードにおいては、受音点Rが常に発音点Sを向くように当該受音点Rの向きが特定され、第2の動作モードにおいては、受音点Rが常に特定の目標点Tを向くように当該受音点Rの向きが特定され、第3の動作モードにおいては、受音点Rがその進行方向を向くように当該受音点Rの向きが特定される。
【0062】
本実施形態の動作は、発音点Sに代えて受音点Rの向きをインパルス応答に反映させる点を除いて上記第1実施形態と同様である。具体的には、図6に示したステップSa3においては、ステップSa2において特定された音響空間の種類と、発音点Sの種類、配置位置および向きと、受音点Rの種類および配置位置とに加えて、ステップSa1において特定された動作モードに応じて決定された受音点Rの向きの初期値を含むレシピファイルRFが生成される。そして、図12に示したステップSb1において、CPU10は、受音点R、発音点Sまたは目標点Tのいずれかについて移動の指示が与えられたか否かを判定する。そして、各点の移動の指示が与えられた場合には、移動後の各点の位置と選択されている動作モードとに応じて当該受音点Rの向きを特定し(ステップSb2)、レシピファイルRFに含まれる受音点Rの向きを更新する(ステップSb3)。これ以外の動作は上記第1実施形態に示したものと同様である。
【0063】
このように、本実施形態においては、受音点Rの位置に応じてその向きが自動的に特定されるから、受音点Rの位置および向きを簡易な操作によって変化させることができる。また、第1の動作モードにおいては、受音点Rの位置にかかわらず当該受音点Rが発音点Sを向くようになっているから、例えば、受聴者が楽器の演奏者を向きながら移動する音響空間を再現することができる。また、第2の動作モードにおいては、受音点Rが常に目標点Tを向くようになっているから、例えば、楽器が演奏されている環境のもとで受聴者が常に特定の目標を向きながら移動する音響空間を再現することができる。一方、第3の動作モードにおいては、受音点Rがその進行方向を向くようになっているから、例えば、楽器が演奏されている環境のもとで受聴者が進行方向を向きながら移動する音響空間を再現することができる。
【0064】
<C:変形例>
上述した各実施形態はあくまでも例示であり、これらの実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0065】
<C−1:変形例1>
上記第1実施形態においては発音点Sの向きを、上記第2実施形態においては受音点Rの向きを、それぞれ利用者からの指示に応じて変化させる構成を例示したが、これらの実施形態に係る構成を組合わせることにより、発音点Sおよび受音点Rの双方の向きを変化させてインパルス応答に反映させる構成としてもよい。
【0066】
<C−2:変形例2>
上記第1実施形態においては、発音点Sが、受音点Rもしくは目標点Tの方向または当該発音点Sの進行方向のいずれかを向く構成を例示したが、発音点Sがこれらの方向に対して特定の角度をなす方向を向くようにしてもよい。すなわち、利用者による指示に応じて角度θを特定する一方、図13に示すように、上述した式(1)から式(3)によって求められる方向di(すなわち受音点Rもしくは目標点Tの方向または進行方向)に対して角度θをなす方向を発音点Sの向きdi’として特定する構成としてもよい。具体的には、上記式(1)から式(3)によって求められた単位ベクトルdiから、下記の式(4)を用いることによって発音点Sの向きdi’を求めることができる。
【数4】
【0067】
この構成によれば、発音点Sが受音点Rや目標点Tの方向あるいは進行方向に対して一定の角度を向けて移動する音響空間を再現することができる。また、ここでは発音点Sの向きに着目して説明したが、受音点Rの向きを変化させる上記第2実施形態においても同様の構成を採用することができる。すなわち、利用者による指示に応じて角度θを特定する一方、受音点Rの向きとして、発音点Sもしくは目標点Tの方向または当該受音点Rの進行方向に対して角度θをなす方向を特定する構成としてもよい。
【0068】
<C−3:変形例3>
インパルス応答を特定する方法は上記各実施形態に示したものに限られない。例えば、それぞれ位置関係が異なる多数のインパルス応答を実際の音響空間において予め測定しておき、これらのインパルス応答のうち発音点Sや受音点Rの向きに応じたインパルス応答を選択したうえで畳み込み演算に供する構成としてもよい。要するに、上記第1実施形態においては発音点Sの指向特性と向きとに応じて異なるインパルス応答が特定され、上記第2実施形態においては受音点Rの指向特性と向きとに応じて異なるインパルス応答が特定される構成であれば足りる。
【0069】
<C−4:変形例4>
上記各実施形態においては、4つの再生チャネルを備えた構成を例示したが、再生チャネルの数は任意である。また、上記各実施形態においては、発音点S、受音点Rおよび目標点Tの位置を表すためにXYZ直交座標系を用いる場合を例示したが、その他の座標系を用いてもよいことはもちろんである。
【0070】
さらに、発音点Sまたは受音点Rの数はひとつに限られず、複数の発音点Sまたは複数の受音点Rが配置された音響空間を再現の対象としてもよい。発音点Sまたは受音点Rがそれぞれ複数である場合、CPU10は、図6に示すステップSa5および図12に示すステップSb4において、複数の発音点Sの各々について、当該発音点Sから発せられた音が各受音点Rに到達するまでにたどる音線経路を特定することとなる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特定の音響空間における音響効果をオーディオ信号に付与するときに、当該音響空間に配置された発音点Sまたは受音点Rの位置および向きを指定するための操作を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る残響付与装置の使用状態を説明するための図である。
【図2】 同残響付与装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】 第1の動作モードを説明するための図である。
【図4】 第2の動作モードを説明するための図である。
【図5】 第3の動作モードを説明するための図である。
【図6】 同残響付与装置のCPUによる処理の手順を表すフローチャートである。
【図7】 レシピファイルRFの内容を表す図である。
【図8】 音線経路情報テーブルTBL1の内容を表す図である。
【図9】 同残響付与装置のCPUによるインパルス応答算出処理の手順を表すフローチャートである。
【図10】 合成音線テーブルTBL2の内容を表す図である。
【図11】 再生チャネル情報を説明するための図である。
【図12】 同残響付与装置のCPUによるタイマ割込み処理の手順を表すフローチャートである。
【図13】 本発明の変形例における発音点の向きを説明するための図である。
【符号の説明】
100……残響付与装置、10……CPU、13……記憶装置、15……入力装置、22(22-1、22-2、22-3、22-4)……再生処理ユニット、221……畳み込み演算装置、30(30-FR,30-FL,30-BR,30-BL)……スピーカ、S……発音点、R……受音点、T……目標点、RF……レシピファイル、TBL1……音線経路情報テーブル、TBL2……合成音線テーブル。
Claims (14)
- 音を発する発音点と当該発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間における音響効果を、前記発音点が発した音を表すオーディオ信号に付与するための残響付与装置であって、
前記発音点における発音の指向特性を記憶する記憶手段と、
前記発音点の位置と、前記受音点の位置とを指示する位置指示手段と、
前記位置指示手段によって前記発音点の位置および前記受音点の位置の変更が指示されると、前記音響空間における前記発音点の方向を変更する方向制御手段と、
前記発音点から発せられた音が前記受音点に至るまでにたどる音線経路を特定し、特定した当該音線経路ごとに、前記記憶手段に記憶された発音の指向特性と前記方向制御手段によって変更された前記発音点の方向とに応じたインパルス応答を特定するインパルス応答特定手段と、
前記インパルス応答特定手段によって特定されたインパルス応答と前記発音点が発した音を表すオーディオ信号との畳み込み演算を行なう演算手段と
を具備することを特徴とする残響付与装置。 - 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された前記発音点の位置からみた特定の目標点の方向へ、当該発音点の方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の残響付与装置。
- 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された前記発音点の位置からみた前記目標点の方向に対して一定の角度をなす方向へ、当該発音点の方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の残響付与装置。
- 前記目標点は前記受音点であることを特徴とする請求項2または3に記載の残響付与装置。
- 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた当該発音点の進行方向へ、当該発音点の方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の残響付与装置。
- 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた当該発音点の進行方向に対して一定の角度をなす方向へ、当該発音点の方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の残響付与装置。
- 音を発する発音点と当該発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間における音響効果を、前記発音点が発した音を表すオーディオ信号に付与するための残響付与装置であって、
前記受音点における受音の指向特性を記憶する記憶手段と、
前記受音点の位置と、前記発音点の位置とを指示する位置指示手段と、
前記位置指示手段によって前記受音点の位置および前記発音点の位置の変更が指示されると、前記音響空間における前記受音点の方向を変更する方向制御手段と、
前記発音点から発せられた音が前記受音点に至るまでにたどる音線経路を特定し、特定した当該音線経路ごとに、前記記憶手段に記憶された受音の指向特性と前記方向制御手段によって変更された前記受音点の方向とに応じたインパルス応答を特定するインパルス応答特定手段と、
前記インパルス応答特定手段によって特定されたインパルス応答と前記発音点が発した音を表すオーディオ信号との畳み込み演算を行なう演算手段と
を具備することを特徴とする残響付与装置。 - 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された前記受音点の位置からみた特定の目標点の方向へ当該受音点の方向を変更することを特徴とする請求項7に記載の残響付与装置。
- 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された前記受音点の位置からみた前記目標点の方向に対して一定の角度をなす方向へ、当該受音点の方向を変更することを特徴とする請求項7に記載の残響付与装置。
- 前記目標点は前記発音点であることを特徴とする請求項8または9に記載の残響付与装置。
- 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた当該受音点の進行方向へ、当該受音点の方向を変更することを特徴とする請求項7に記載の残響付与装置。
- 前記方向制御手段は、前記位置指示手段によって指示された位置の時間的な変化に応じた当該受音点の進行方向に対して一定の角度をなす方向へ、当該受音点の方向を変更することを特徴とする請求項7に記載の残響付与装置。
- 音を発する発音点と当該発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間における音響効果を、前記発音点が発した音を表すオーディオ信号に付与するために、コンピュータを、
前記発音点における発音の指向特性を記憶する記憶手段と、
前記発音点の位置と、前記受音点の位置とを指示する位置指示手段と、
前記位置指示手段によって前記発音点の位置および前記受音点の位置の変更が指示されると、前記音響空間における前記発音点の方向を変更する方向制御手段と、
前記発音点から発せられた音が前記受音点に至るまでにたどる音線経路を特定し、特定した当該音線経路ごとに、前記記憶手段に記憶された発音の指向特性と前記方向制御手段によって変更された前記発音点の方向とに応じたインパルス応答を特定するインパルス応答特定手段と、
前記インパルス応答特定手段によって特定されたインパルス応答と前記発音点が発した音を表すオーディオ信号との畳み込み演算を行なう演算手段
として機能させるための残響付与プログラム。 - 音を発する発音点と当該発音点から発せられた音を受ける受音点とが配置された音響空間における音響効果を、前記発音点が発した音を表すオーディオ信号に付与するために、コンピュータを、
前記受音点における受音の指向特性を記憶する記憶手段と、
前記受音点の位置と、前記発音点の位置とを指示する位置指示手段と、
前記位置指示手段によって前記受音点の位置および前記発音点の位置の変更が指示されると、前記音響空間における前記受音点の方向を変更する方向制御手段と、
前記発音点から発せられた音が前記受音点に至るまでにたどる音線経路を特定し、特定した当該音線経路ごとに、前記記憶手段に記憶された受音の指向特性と前記方向制御手段によって変更された前記受音点の方向とに応じたインパルス応答を特定するインパルス応答特定手段と、
前記インパルス応答特定手段によって特定されたインパルス応答と前記発音点が発した音を表すオーディオ信号との畳み込み演算を行なう演算手段
として機能させるための残響付与プログラム。
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