JP4651368B2 - 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置 - Google Patents

液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4651368B2
JP4651368B2 JP2004352274A JP2004352274A JP4651368B2 JP 4651368 B2 JP4651368 B2 JP 4651368B2 JP 2004352274 A JP2004352274 A JP 2004352274A JP 2004352274 A JP2004352274 A JP 2004352274A JP 4651368 B2 JP4651368 B2 JP 4651368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
resin
light modulator
crystal light
synthetic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004352274A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006162825A (ja
Inventor
毅 村重
英夫 藤掛
弘人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Broadcasting Corp filed Critical Japan Broadcasting Corp
Priority to JP2004352274A priority Critical patent/JP4651368B2/ja
Publication of JP2006162825A publication Critical patent/JP2006162825A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4651368B2 publication Critical patent/JP4651368B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Description

本発明は、液晶を用いて光を変調する液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置に関し、特に低消費電力かつ高速な階調画像表示が必要とされるフラットパネルディスプレイやフレキシブルディスプレイに好適な液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置に関するものである。
液晶材料に電界を加えて、液晶分子の配向状態を変化させるという電気光学効果を応用すると光変調器が実現できる。液晶光変調器は、他の電気光学効果を示す光学結晶に比べて低電圧で動作するため、表示装置用の電気光学素子として注目されている。
今後、大型・軽量化さらにはフレキシブル化へと素子の機能性を拡張するためには、柔軟なプラスティックフィルム基板の導入が望まれる。
その際、スペーサを基板上に散布し液晶層の膜厚を制御する従来の手法では、基板の変形に伴いスペーサが移動し液晶層の層厚の均一性が損なわれるため、表示特性が低下する。
液晶層の厚みを一定に保つ技術としては、周囲に熱可塑性の合成樹脂を化学結合させたスペーサを基板上に散布し、熱処理により基板に接着する手法(特許文献1参照)や、フォトリソグラフィー法によりフォトレジスト材料を規則的に基板上に形成する手法が知られているが、前者においては、スペーサと基板との接着力が弱く、外力が加わるとスペーサが基板から剥離しやすいという問題があり、後者においては、フォトレジストが両基板に接着された構造でないため、素子を曲げた際に、厚みが変動しやすいという問題がある。
そこで、両基板間に接着・固定された構造物を得るために、液晶と合成樹脂の相分離を用いる手法が提案されている。液晶と樹脂の相分離は、高分子分散液晶等の液晶と合成樹脂の複合構造膜の形成手法として広く知られている。具体的には、冷却相分離法(下記第1の手法)、溶媒除去相分離法(下記第2の手法)、重合相分離法(下記第3の手法)等が知られている。これらの相分離法においては相分離処理を基板面内で制御することにより、両基板間を接着・固定する樹脂構造物が得られる。
より詳しく説明するに、上記第1の手法は、電極膜をパターニングし、電圧を印加しつつ、液晶と樹脂原材料を冷却相分離させる方法である。液晶が電圧の印加された領域に析出し、それ以外の場所に樹脂原材料が排出される。相分離が終了した後、紫外線照射によって樹脂原材料を硬化させることにより樹脂構造物を形成する(非特許文献1参照)。
また、上記第2の手法は、深さ数百nm程度の凹凸部を設けた基板上に配向膜を塗布し、このような基板のペア間に、加熱した液晶・樹脂原材料混合液を充填し、液晶と樹脂原材料を冷却相分離させる手法である。すなわち、この手法では各凹凸部の凹凸の大きさによってギャップを変化させ、そのギャップ量に応じてそれぞれ液晶と樹脂原材料を析出せしめるもので、その配置は、凹凸部の表面に着設された配向膜の表面処理(濡れ性)によって変わってくる。相分離処理後、上記第1の手法と同様に、紫外線照射により樹脂原材料を硬化させ樹脂構造物を形成する(非特許文献2参照)。
また、上記第3の手法は、両基板間に充填した液晶・樹脂原材料混合液に対し、光学マスクを介して紫外線を照射し、紫外線照射部(通過部)において樹脂の析出を促し、その位置において樹脂構造物を形成するようにしたものである(非特許文献3参照)。
しかしながら、前述した3つの樹脂構造物形成技術には、以下に述べるような課題がある。
すなわち、上記第1の手法においては、数十Vという高い電圧を印加しつつ相分離を誘起すること、さらには相分離と紫外線照射の2段階の作製プロセスが必要とされること、から製造工程が煩雑となり製造コストが高価となる。
また、上記第2の手法においては、深さ数百nm程度の凹凸部を設けた基板上に配向膜が塗布されるため、配向膜の塗りむらが生じやすく、液晶の光変調特性が低下する。さらに、上記第1の手法と同様に、2段階の作製プロセスが必要とされる。
それに対して上記第3の手法においては、上記第1、第2の手法に比べて煩雑な作製プロセスを必要としないため容易に樹脂構造物が得られるという利点を有する。しかし、樹脂構造物を形成する際、樹脂原材料が液晶中に残留するのに加え、紫外線非照射部に合成樹脂も拡散されるため、残留物によって電圧保持率の変化や焼き付きが生じる。また、樹脂構造物近傍において液晶の駆動電圧を増加させる。
上述したような3つの手法における課題を解決するために、樹脂構造物の形成後において、基板の全面に対して紫外線を照射する手法(相分離法における第4の手法)が本願発明者等によって提案されている(非特許文献4参照)。
この第4の手法によれば、樹脂構造物の形成後に紫外線の全面照射がなされることで、残留した樹脂原材料により液晶と合成樹脂の相分離が誘起されるため、表示部全体に樹脂繊維が分散され、液晶中への合成樹脂や樹脂原材料の残留に起因して発生する上述したような問題を解消することができる。また、高分子分散液晶等の複合膜において、液晶中への微量な樹脂の分散は液晶の機能性を高める(応答時間の高速化等)ことが知られているため、この第4の手法は、樹脂の機械的安定性を保持しつつ液晶の表示特性を向上させることが期待できる。さらに、高速応答を示す強誘電性液晶のように、外圧が加わると容易に配向が壊れるような材料に対しては、その配向を安定化する有効な手法である。
特開平9−235527号公報 Y.Kim, J. Francl, B. Taheri and J. L. West:"A method for the formation of polymer walls in liquid crystal/polymermixtures", Appl. Phys.Lett., vol. 72, no. 18, pp. 2253 - 2255 (1998) E. Y. Park, B. Taheri, J. L. West and P.Palffy-Muhoray:"Surface induced polymer walls and islands using a polymer/liquidcrystal mixture", SID '00 Digest, p.782-785 (2000) T. Shinomiya, K. Fujimori, S. Yamagishi, K.Nishiguchi, S. Kohzaki, Y. Ishii, F. Funada and K. Awane:"A polymer matrix (PM)STN-LCD with excellent pressure resistance", ASIA Display '95 Digest, p.255-258 (1995) H. Sato, H. Fujikake, Y. lino, M. Kawakitaand H. Kikuchi:"Flexible grayscale ferroelectric liquid crystal devicecontaining polymer walls and networks", Jpn. J. Appl. Phys., vol. 41, no. 8,pp. 5302-5306 (2002)
しかし、上述した第4の手法によっても、樹脂構造物近傍において液晶の駆動電圧が大幅に増加してしまうという課題を改善することは困難であり、したがって液晶の駆動電圧を低減し得る手法の早期開発が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基板間に充填された液晶・樹脂混合体の中から、所定の領域において樹脂を集中的に析出させて樹脂構造物を形成する樹脂構造物形成技術において、製造工程の簡易化および製造コストの低廉化を図り、液晶の光変調特性の低下を防止した上で、駆動電圧の増加を防止し得る液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る液晶光変調器の製造方法は、
電極膜が付された一対の基板を、該電極膜が対向するように配置し、前記一対の基板の間に、液晶と樹脂との混合体を挟み、該混合体内に、該一対の基板間の距離を確保する合成樹脂製の構造物を形成する液晶光変調器の製造方法において
前記混合体の所定の複数位置に対して、コリメーション半角が2°以下の平行度の高い紫外線を通過せしめることで、該所定の複数位置に、前記合成樹脂製の構造物を該構造物近傍における樹脂繊維の分散を抑制しつつ形成し、
前記混合体内の所定位置に前記合成樹脂製の構造物を形成した後に、該混合体の全域に対して、該合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線よりも強度の弱い紫外線を通過せしめることを特徴とするものである。
なお、上記「コリメーション半角」とは、平行光束に対する光束の拡がり角を意味し、発散角度の1/2である。
また、前記基板を広範囲に亘って一時に照射し得る、前記合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を出力する照明系を用い、前記一対の基板の一方側に配された、紫外線透過部と紫外線遮蔽部を規則的に配置した光学マスクを介して前記合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を前記混合体に照射することが好ましい。
また、前記基板を局部的に照射し得る、前記合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を出力する照明系を用い、該合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を該基板の面に沿って走査することが可能である。
ここで、上記各「照明系」とは、光源のみであってもよいし、光源と照明光学系を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明に係る液晶光変調器は、上記いずれかの液晶光変調器の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る液晶表示装置は、上記液晶光変調器を備えてなることを特徴とするものである。
本発明は、本発明者が試作・観察実験を繰り返し行った結果、液晶光変調器の駆動電圧の増加は、樹脂構造物を形成する際における、照明光の拡がり光によって形成される樹脂繊維に起因するものであることを見出したことによっている。
すなわち、本発明に係る液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置によれば、平行度の高い(コリメーション半角が2°以下)紫外線(光束)を用いて樹脂構造物を形成しているため、所望の範囲内にのみ紫外線が照射されるとともにその紫外線は均一な強度とされることから、拡がり光による樹脂繊維の分散を大きく抑制することができ、駆動電圧の増加を防止することが可能となる。
以下に本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明による一実施形態に係る液晶光変調器の製造方法を説明するための模式図(断面図)である。
本実施形態方法により製造される液晶光変調器は、図1(d)に示すような、透過型の液晶光変調器14であって、1対の透明基板5が対向配置され、それぞれの透明基板5の内側に透明電極4および配向膜3が積層され、対向する透明電極4の間の所望の位置に、スペーサとして機能する樹脂構造物10が設けられ、さらに、対向する配向膜3の間にネマティック型等の液晶1および樹脂繊維12が挟み込まれてなる。
また、本実施形態の液晶光変調器では、上記透明基板5の外側に、偏光透過軸が互いに直交もしくは平行とされた2枚の偏光板13が配されている。
すなわち、透明電極4間に印加される電圧の強度に応じて、液晶1の配向性が変化するため、一方の偏光板13からの偏光は、この液晶1により偏光方向が変化し、他方の偏光板13の光吸収により強度変調された光として出射されることになる。
以下、この液晶光変調器14の製造方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、透明電極4が形成された透明基板5の透明電極4上に、配向膜3を設けた部材を2つ、配向膜3が互いに対向するように保持し、これら2つの配向膜3の間に、液晶1と樹脂2の混合液を加熱した状態で充填することにより組立体を作製する。なお、上記混合液を一方の透明基板5側に塗布しておき、この後他方の透明基板5を貼り合せるようにして上記組立体を形成してもよい。また、上記混合液の温度は、分子が配向状態にあるネマティック相またはスメクティック相を示す温度に制御する。
この状態で、一方の透明基板5上に、紫外線7に対する透光部6aと遮光部6bが所定のパターンで配されてなる光学マスク6を被せ、この透明基板5と密着させる。
次に、光学マスク6を介して紫外線(中心波長:365nm,強度:40mW/cm2,時間:20分)7を透明基板5上に照射する。この場合、照射紫外線7の拡がり光8による樹脂繊維の分散を抑制するため、照明光の拡がりの大きさを示すコリメーション半角(発散角度の半分)が2°以下の平行度の高い紫外線(以下平行紫外光束とも称する)7が上記混合液に照射されるようにし、樹脂2の重合を誘起する。
これにより、樹脂2の分子量および形態が急速に変化して重合樹脂9となり液晶1との相分離が進むため、液晶1は平行紫外光束7の照射領域から排出され、この領域に樹脂構造物10が形成される(図1(b))。
このようにして樹脂構造物10が形成された後、光学マスク6を透明基板5からはずし、透明基板5の全面に対して紫外線(中心波長:365nm,強度:1mW/cm2,時間:60分)7を照射することで表示全領域に樹脂繊維12を分散する(図1(c))。
得られた液晶1と樹脂繊維12の複合膜に透明電極4を介して電圧を印加することで液晶の配向を制御でき、図1(d)に示すように、2枚の偏光板13を、上記組立体の外側に配設することにより、所望する光変調を行なうことができる。その際、液晶配向は、平行配向、垂直配向、ツイスト配向等の種々の配向状態を配向膜3の選択によって実現できる。
このように、本実施形態の液晶光変調器の製造方法においては、平行紫外光束7を用いて樹脂構造物10形成しているため、所望の範囲内にのみ紫外線7が照射され、かつこの紫外線7は均一とされ、拡がり光8による樹脂構造物10の近傍における樹脂繊維11の分散を大きく抑制することで、駆動電圧の増加を防止することが可能となる。
また、上述した紫外線7の照射光学系は、光源ランプから放射された光を集光鏡で一方向に集め、例えば2枚のレンズアレイからなるフライアイ等と称されるインテグレータ部によって光強度が広範囲で一様となるように光を分配した後、レンズや曲面鏡等を介して対象物に照射する構成となっている。
また、その光源としては、高出力の水銀キセノンランプが望ましい。これは、樹脂2の重合が促進されることで樹脂構造物10を瞬時に形成できるため、樹脂構造物10側面近傍での樹脂繊維11の分散を軽減できるためである。その他、超高圧水銀ランプ、エキシマランプ、キセノンランプ等とすることも好ましいが、勿論それら以外の光源を用いることもできる。
また、上記混合液の配合比は、樹脂構造物10および樹脂繊維12のトータルの体積と液晶1との体積比に応じて適宜設定するものであるが、必ずしも体積比に応じて設定せずともよい。
また、混合液の塗布法としては、ロールコーティング、ディッピング、スピンコ一ティング、キャスティング、スプレー、ドクターブレードコーティング、さらにはワイヤーバーコーティング等の各手法が、生産性や量産性に優れた方法として用いられる。また、フレクソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等各種の印刷法を用いることもできる。
また、使用する液晶1としては、ネマティック液晶、コレステリック液晶あるいはスメクティック液晶等の種々のタイプの液晶を用いることができる。
ただし高速応答を得るには、低粘性かつ高弾性の液晶材料が適しており、化学構造としては、液晶1の屈折率異方性Δn(Δn=異常光屈折率n−常光屈折率n)が大きいシアノ系、ビフェニル系、タフェニル系、ピリミジン系、トラン系あるいはフッ素系等のネマティック液晶が適している。
なお、スメクティック液晶を用いる場合、自発分極を有して高速応答を示す強誘電性液晶が有用である。例えば、シッフ塩基系強誘電性液晶、アゾ系強誘電性液晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェニル系強誘電性液晶、エステル系強誘電性液晶あるいはフェニルピリミジン系強誘電性液晶等とすることが好ましい。
また、使用する樹脂2(モノマ)としては、重合が進み易く重合後の構造変化が著しい材料ほど樹脂2が液晶1と相分離しやすいことから、多官能性の材料が好ましい。
さらに、液晶1との溶解性に優れた材料が望ましく、フェニル基やシクロヘキサン基等の液晶に類似した分子骨格をコアに有する材料が好適である。
また、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン等)、またはそれらの共重合体等を使用することもできる。
さらに、透明基板5としては、厚みが0.2mm以下の薄い基板を用いれば、拡がり光8によって照明される混合液の領域を縮小できるため、樹脂構造物10近傍への樹脂繊維11の分散を抑えるのに効果的である。
また、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレートあるいはアモルファスポリオレフィン等の非晶質透明樹脂等の柔軟なプラスティックフィルムを用いることができる。このような柔軟なプラスティックフィルム基板を用いた場合、軽量で曲げることが可能な液晶光変調器を実現することができる。
また、透明電極4としては、錫をドープした酸化インジウム(ITO)を始め、酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物を材料として用いるとよい。これらの透明電極4は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の周知の成膜技術により上記透明基板5上に形成する。
また、透明電極4は、ポリチオフェン系樹脂等の透明な有機系導電性材料を、スピンコート法や印刷法等を用いて透明基板5上に形成するようにしてもよい。
混合液の分子配向を一方向に定めるための配向膜3の材料としては、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルシンナメート樹脂、アゾ系化合物等を用いることができる。
その配向処理法としては、レーヨンやナイロン布等で樹脂膜表面を摩擦するラビング配向処理、もしくは偏光紫外線の照射による露光処理を用いることができる。
また、配向膜の塗布法としては、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、キャスティング、スプレー、ドクターブレードコーティングあるいはワイヤーバーコーティング等を用いるとよいが、それら以外の塗布法を用いることもできる。
また、上記光学マスク6を介して紫外線7を透明基板5上に照射する際には、光学マスク6の透光部6aの回折効果による拡がり光8によって、樹脂構造物10近傍にも樹脂繊維11が形成されることになるが、混合液を通過する際の紫外線7のコリメーション半角が小さくなるように設定されているため、実質的に無視できる程度まで樹脂繊維11の分散を抑制できる。また、50mW/cm2以上のパワーの強い紫外線7を用いれば、短時間で樹脂構造物10を形成できるため、樹脂繊維11の分散をさらに抑えることができる。
また、上述したような広範囲に亘る全面照明手法に替えて、紫外波長域の小径のレーザ光束によって上記光学マスク6上を走査することによっても所望の範囲に樹脂構造物10を形成することができる。
上記のようなレーザ光束を用いた照明手法の場合、走査に時間を要するため量産性の面で不利であるが、一般にはレーザ光束を出射する際に既に平行光束の状態とされているので、平行光束作成のための光学系を別途用意する必要がない。また、レーザ光束の照射のON/OFF切替を所定のタイミングで行うようにすれば、上述した光学マスク6を不要とすることも可能である。
なお、レーザ光束の径を拡げて光学マスク6に全面に同時に照明する手法を採用することも勿論可能である。
また、レーザ光としては、高強度で広い波長領域(120nm〜500nm)に対応できるエキシマレーザや、アルゴンレーザ、ヘリュウム−カドミウムレーザ等が好適であるが、それ以外のレーザ光を用いることもできる。
また、長波長を基本波長とするレーザ光から波長変換素子を用いて紫外線領域の短波長光を得るようにしてもよい。
また、樹脂構造物10の形状としては、壁の厚みが1μm以上かつ200μm以下とされた壁構造とすることが望ましい。
その際、壁の配置を格子状、ストライプ状とした場合、壁の間隔が画素ピッチと一致する場合が最適であるが、素子の強度に応じてその他の間隔に設定することが可能である。
また壁構造は直線状でなく曲線状であってもよく、さらに壁の厚みや長さは全て一定でなくてもよい。
樹脂構造物10は上記の壁構造の他、1μm以上かつ200μm以下の円内に収まる大きさの柱状とし、島状に配置することもできる。
その場合には、隣り合う樹脂構造物10の距離が、柱の径より大きいことが望ましいが、素子強度が得られない場合はこの限りではない。
樹脂構造物10を柱状とした場合、柱の形状は対称性のよい円柱とすることが好ましいが、これに限定されるものではなく、さらに柱の幅は一定でなくてもよい。
また、樹脂構造物10は、壁構造と柱状の構造を組み合わせることも可能である。
なお、前記液晶・樹脂複合膜の厚みを制御するための球状のスペーサが、上述した混合液内または配向膜3上のいずれかに分散されるように構成してもよい。
さらに、上記液晶光変調器10に光反射板や光拡散板を設けることにより、バックライトが不要とされる低消費電力の反射型液晶表示装置を構成することも可能である。
このような反射型液晶表示装置を構成する場合には、上述した実施形態のものにおいて、一方の透明基板5を不透明のものとしたり、一方の透明電極4を不透明な金属電極に置き換えたりすることも可能である。
以下、一実施例に係る液晶光変調器とともに、樹脂構造物10の近傍に形成された樹脂繊維11によって動作電圧が増大した液晶光変調器の比較例を示し、さらに拡がり光8の角度(コリメーション半角)と駆動電圧の関係を見積り、このことから本実施例の優位性を検証する。
まず、本実施例に係る液晶光変調器の製造方法について説明する。
最初に、配向膜3として機能させるポリイミド膜をスピンコーティング法(4500rpm, 90s)を用いて、透明電極(ITO)4を設けた透明基板5(厚さ:0.1mm)の透明電極4上に塗布し、その後180℃で2時間焼成した。
なお、上記ポリイミド膜として日本合成ゴム社製のAL-1254を用いた。
配向処理は、ナイロン布でポリイミド膜表面をラビングする(毛先押し込み量:0.4mm)ことにより行なった。
次に、得られたポリイミド膜付き基板5のペアを対向させ、その間に、液晶1と樹脂2の混合液(重量配合比:3(液晶)/1(樹脂),膜厚:1.5μm、温度:ネマティック相を示す40℃)をラビング方向をアンチパラレルとして挟み込んだ。液晶1と樹脂2にはチルト角が42.9°の強誘電性液晶と多官能性のモノマ(UCL−011 大日本インキ化学工業社製)をそれぞれ用いた。
次に、光学マスク6を基板5に密着させた状態で紫外線(中心波長:365nm,強度:40mW/cm2,時間:20分)7を照射し樹脂構造物10を形成した。
光学マスク6は格子状であり、周期と格子幅はそれぞれ250μmおよび15μmとした。
また、紫外線7のコリメーション半角(拡がり角)θは0°とした。
樹脂構造物10の形成後、光学マスク6を取り除いて紫外線(中心波長:365nm,強度:1mW/cm2,時間:60分)7を全面に照射し、紫外線7の非照射部における樹脂(モノマ)2と合成樹脂9によって樹脂繊維12を液晶中に分散した。
全面照射する際には、混合液の温度を40℃から55℃に加熱した。これは、樹脂構造物10の形成に伴い、液晶1中の樹脂(モノマ)2の含有量が減少するため、ネマティック相を示す温度に変化が生じるためである。
このようにして作製された本実施例のものは、動作電圧が低い状態に抑制されている。
一方、上記実施例に対する比較例を、上記、紫外線7のコリメーション半角(拡がり角)θを4°とした点を除き、本実施例と同様の方法で作製した。
この比較例については、本実施例のものに比べて動作電圧が上昇することが明らかであった。
そこで、この比較例についての表示特性を偏光顕微鏡で観察した。
印加電圧が0Vのときは全面が暗状態であったが、素子に10Vの電圧を印加したところ、図2(a)に示されるように、樹脂構造物10以外の領域で液晶1の動作による透過光が確認された。
しかし、樹脂構造物10の近傍と内部において明るさが異なっており、樹脂構造物10の近傍における液晶1を動作させる電圧が増大していることを認識できる。
また、同様の条件で樹脂構造物10を形成した後、紫外線7の全面照射を行なわずに、液晶1と樹脂2をエタノールで取り除き、樹脂構造物10の近傍を電子顕微鏡で観察したところ、樹脂構造物10の側面に樹脂繊維の形成が確認された(図2(b))。
これにより、拡がり光8による樹脂繊維11の形成が液晶の電圧を増加させることが明らかとなった。
次に、拡がり光8のコリメーション半角と、複合膜の透過率が90%を示す場合の電圧との関係を調べた。
格子状の光学マスク6を用いた場合、格子内の一辺をLとして、拡がり光8によって形成された樹脂繊維11の面積比率xは、コリメーション半角θ、基板の厚みdを用いて下式(1)のように表される。
Figure 0004651368
ここでは、混合液の膜厚は透明基板5の厚みに対して極めて薄い(100分の1程度)ため無視した。
この時、格子内の複合膜の透過率Tは、拡がり光8によって形成された樹脂繊維11を含む複合膜の透過率と電圧vとの関係Tα(v)と、格子内部の複合膜の透過率と電圧vとの関係Tβ(v)を用いて下式(2)のように表すことができる。
Figure 0004651368
α(v)、Tβ(v)は実際には電圧に対してS宇型の曲線となるが、ここでは単純化のため、下式(3)で表されるような直線で置き換えた。
Figure 0004651368
ここで、αとβは透過率が最大となる電圧であり、樹脂構造物10の近傍の方が電圧値は高いためα>βとする。
上式(2)に上式(3)を代入することで透過率Tは下式(4)により表される。
Figure 0004651368
上式(1)と上式(4)を用いることにより、拡がり角θと電圧vの関係を求めることができる。
ここでは、L=235μm,d=100μmの実験により見積られたα≒25V,β≒15Vを用いて、θが0°,2°,5°,7°,10°の拡がり角を持つときの透過率Tが0.9となる電圧値vを求め、下表に示した。
Figure 0004651368
この結果から、拡がり角θが小さい方が電圧が小さくなることは言うまでもないが、拡がり角が2°と0°では3%以内の電圧上昇範囲に抑制可能であることが明らかとなった。したがって、本発明において規定された紫外線の拡がり角の大きさを示す、コリメーション半角が2°以内という範囲においては駆動電圧の上昇を抑制することができる。
なお、上記拡がり角θを10°から2°とした場合、駆動電圧を約15%減少可能であることが明らかである。
本発明による液晶光変調器の製造方法の一実施形態を示す模式図 本発明の実施例に対応する比較例を検証するための偏光顕微鏡(a)と電子顕微鏡(b)のデータ
符号の説明
1 液晶
2 樹脂
3 配向膜
4 透明電極
5 透明基板(基板)
6 光学マスク
7 紫外線(平行紫外光束)
8 拡がり光
9 合成樹脂
10 樹脂構造物
11 拡がり光によって形成された樹脂繊維
12 紫外線全面照射により形成された樹脂繊維
13 偏光板
14 液晶変調器

Claims (5)

  1. 電極膜が付された一対の基板を、該電極膜が対向するように配置し、前記一対の基板の間に、液晶と樹脂との混合体を挟み、該混合体内に、該一対の基板間の距離を確保する合成樹脂製の構造物を形成する液晶光変調器の製造方法において
    前記混合体の所定の複数位置に対して、コリメーション半角が2°以下の平行度の高い紫外線を通過せしめることで、該所定の複数位置に、前記合成樹脂製の構造物を該構造物近傍における樹脂繊維の分散を抑制しつつ形成し、
    前記混合体内の所定位置に前記合成樹脂製の構造物を形成した後に、該混合体の全域に対して、該合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線よりも強度の弱い紫外線を通過せしめることを特徴とする液晶光変調器の製造方法。
  2. 前記基板を広範囲に亘って一時に照射し得る、前記合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を出力する照明系を用い、前記一対の基板の一方側に配された、紫外線透過部と紫外線遮蔽部を規則的に配置した光学マスクを介して前記合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を前記混合体に照射することを特徴とする請求項1記載の液晶光変調器の製造方法。
  3. 前記基板を局部的に照射し得る、前記合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を出力する照明系を用い、該合成樹脂製の構造物を形成するために用いた紫外線を該基板の面に沿って走査することを特徴とする請求項1記載の液晶光変調器の製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の液晶光変調器の製造方法により製造されたことを特徴とする液晶光変調器。
  5. 請求項4記載の液晶光変調器を備えてなることを特徴とする液晶表示装置。
JP2004352274A 2004-12-06 2004-12-06 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置 Expired - Fee Related JP4651368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004352274A JP4651368B2 (ja) 2004-12-06 2004-12-06 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004352274A JP4651368B2 (ja) 2004-12-06 2004-12-06 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006162825A JP2006162825A (ja) 2006-06-22
JP4651368B2 true JP4651368B2 (ja) 2011-03-16

Family

ID=36664940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004352274A Expired - Fee Related JP4651368B2 (ja) 2004-12-06 2004-12-06 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4651368B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018072416A (ja) 2016-10-25 2018-05-10 株式会社ジャパンディスプレイ 液晶表示装置
CN113589575A (zh) * 2021-08-13 2021-11-02 河北工业大学 一种聚合物蜂网液晶显示器制造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06265912A (ja) * 1993-03-15 1994-09-22 Toshiba Corp 液晶表示装置
JPH11174464A (ja) * 1997-12-12 1999-07-02 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂スペーサー形成用感光性フィルム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06265912A (ja) * 1993-03-15 1994-09-22 Toshiba Corp 液晶表示装置
JPH11174464A (ja) * 1997-12-12 1999-07-02 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂スペーサー形成用感光性フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006162825A (ja) 2006-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3481843B2 (ja) 液晶表示装置
JP3298607B2 (ja) 液晶素子及びその製造方法
US8049846B2 (en) Reflection-type display device and method for producing the same
JPH08211366A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP5096026B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
US20030210375A1 (en) Bistable nematic liquid crystal device
JPH06186533A (ja) 強誘電性液晶表示素子及びその製造方法
JP2004219948A (ja) 液晶光学素子およびその製造方法
JP4832027B2 (ja) 液晶光変調器およびそれを用いた液晶表示装置
JP4651368B2 (ja) 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置
JP4220748B2 (ja) 液晶表示素子、液晶表示素子の製造方法および液晶表示装置
JP2003114451A (ja) 液晶表示デバイス
JP2006215349A (ja) 液晶光変調器および液晶表示装置
JP4740784B2 (ja) 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置
JP4511293B2 (ja) 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置
JP2006330047A (ja) 液晶光変調器、その製造方法および液晶表示装置
JP4641841B2 (ja) 液晶光変調器およびそれを用いた液晶表示装置
JP4606541B2 (ja) 液晶表示装置
JP2006267562A (ja) 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置
JP5388423B2 (ja) 液晶光変調器およびその製造方法、ならびに液晶表示装置
JP5162894B2 (ja) 強誘電性液晶用配向処理基板および液晶表示素子
JP4399212B2 (ja) 液晶光変調器とその製造方法、および液晶表示装置
JP4252202B2 (ja) 強誘電性液晶を用いた液晶光変調器とその製造方法
JP2011215210A (ja) 液晶光変調器および液晶表示装置
JP2005321705A (ja) 液晶光変調器および液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees