JP5096026B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶を用いて光を変調する液晶表示素子製造方法に関し、特に低消費電力かつ高速な階調画像表示が必要とされるフラットパネルディスプレイやフレキシブルディスプレイに好適な液晶表示素子製造方法に関するものである。
近年、液晶ディスプレイが広く普及し、携帯電話用の小型ディスプレイからノート型パソコン用の中型ディスプレイ、さらにはテレビ用の大型ディスプレイまで製品化されるようになった。これまでの液晶ディスプレイパネルは、基板にガラスが用いられてきたが、柔軟性の高いプラスティックフィルム基板が適用できれば、自由に丸めて持ち運べる巻物型のディスプレイや、プロジェクタが不要なスクリーン型の大型ディスプレイ等、種々の新しいディスプレイの実現も可能となる。しかし、素子の基板として薄いガラス板や柔軟なプラスティックフィルム等を用いる場合、素子に物理的外圧が加えられると基板が容易に変形する。そのため、基板上にスペーサを散布して基板間のギャップを保持する手法が知られているが、このような手法では、基板の変形に伴いスペーサが移動して液晶層の膜厚の均一性が損われるため、光変調特性が変動してしまう。
そこで、周面に熱可塑性の樹脂を物理的にコーティングしたスペーサを基板上に散布し、熱処理により基板に接着させてスペーサの移動を防ぐ手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この手法では表面処理層が該散布時に剥がれ易く、液晶中に溶解して液晶を汚染するため、液晶光変調器の光変調特性が劣化するという問題があった。
また、上記手法で問題となる樹脂の剥離や溶解を防ぐために、周面に熱可塑性の樹脂を化学結合させたスペーサを基板上に散布し、熱処理により基板に接着する手法が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この手法によっては、スペーサと基板との接着力が、物理的に接着する場合に比べて弱く、外圧が加わるとスペーサが基板から剥離し易いという問題があった。
一方、スペーサを基板上に直接作製する手法が知られている。特に、フォトリソグラフィ法を用い、フォトレジスト材料を規則的に基板上に形成していく手法が知られている。
しかし、液晶を配向させるための配向膜を、スペーサ作成後に形成した場合、スペーサ近傍のラビング不良等により液晶配向が乱れるという問題があった。一方、ラビングがなされた配向膜を形成した後にスペーサを作成した場合、スペーサ作成のためのレジストにより配向膜が汚染されるという問題があった。さらに、耐熱性や耐薬品性の低いプラスティックフィルム基板を用いた場合、基板の熱変形が生じたり、高強度のスペーサを作成できない等という問題もあった。
このような問題解決のため、近年、配向膜とスペーサを、一体的に形成する手法が開発されている(下記特許文献3、4参照)。
特開昭63−94424号公報 特開平9−235527号公報 特開平11−160708号公報 特開2006−30254号公報
しかしながら、上記特許文献3、4記載の技術においては、液晶分子の配向制御が配向膜の樹脂表面の形状異方性に依存しており、このため液晶分子に対する配向規制力が弱いばかりでなく、配向膜の配向機能による液晶分子の配向方向に揃うように、液晶分子を配向させる機能をスペーサにもたせることが原理的に難しかった。
このため、スペーサおよび配向膜を一体形成しても、配向機能の大幅な改善とはなっていなかった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、外力に対しても液晶層の膜厚を一定に保持するスペーサ構造を有し、スペーサおよび配向膜のいずれの近傍においても液晶分子が一様に配向されて良好な表示機能を発揮し得るとともに、大きい素子強度を確保し得る液晶表示素子製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、
液晶層を挟むように配置された2枚の透明基板のうち少なくとも一方に、該液晶層の厚みを決定する高さのスペーサと液晶を配向させるための配向膜とを、同一の樹脂材料にて一体的に形成してなるスペーサ付配向膜を配設した液晶表示素子の製造方法において、
前記スペーサ付配向膜の生成工程において、まず、スペーサを形成するための溝をパターニングし、該溝を含む金型の表面に、前記配向膜に対して分子配向機能を付与するフッ素樹脂材料による剥離層を付設し、該剥離層の表面にラビング処理を施した後に、該金型を前記透明基板上に塗布された液晶性樹脂材料に押圧せしめて、前記溝形状を転写してスペーサを形成するとともに該液晶性樹脂材料の分子を前記剥離層の配向規制作用により配向制御して分子配向機能を付与し、前記配向膜と前記スペーサとは全体として前記液晶性樹脂材料の表面の分子が互いに同一方向に配向されてなり、この後、該液晶性樹脂材料を硬化させて分子配向を固定し、前記金型から離型することにより分子配向されているスペーサ付配向膜を形成することを特徴とするものである。
また、上記液晶表示素子の製造方法において、前記透明基板と前記スペーサ付配向膜との間に、該スペーサ付配向膜の分子配向を制御する配向下地層形成することが好ましい。
また、上記液晶表示素子の製造方法において、前記液晶性樹脂材料は、光硬化性または熱硬化性の液晶性モノマにより構成することが好ましい。
また、上記液晶表示素子の製造方法において、前記スペーサ付配向膜は、2色性色素を添加されてなり、該2色性色素は、前記液晶性樹脂材料が配向制御された方向と同一方向に分子配向することが好ましい。
本発明の液晶表示素子の製造方法においては、液晶を挾む2枚の透明電極付き透明基板のうち少なくとも一方に、スペーサと配向膜が同じ樹脂材料を用いて一体的に形成することにより、良好な表示機能と素子強度を備えた液晶表示素子を得ることができる。
また、本発明の液晶表示素子の製造方法においては、スペーサと配向膜を一体的に形成してなるスペーサ付配向膜を設けたことから、スペーサの剥離等の問題が生じ難く、大きい素子強度を確保することができる。
また、本発明の配向膜は形成時の配向制御により液晶に対する配向機能を発現することが可能であるため、直接ラビングすることが不要となり、スペーサ付配向膜のラビング不良の問題が解消できる。
また、スペーサの分子配向を、配向膜の分子配向と同一方向となるように制御することが可能であるから、配向膜の表面近傍からスペーサの表面近傍までの領域に亘り、一方向に、かつ一様に近い状態で液晶分子を配向させることができ、良好な表示機能を得ることができる。
また、本発明の液晶表示素子の製造方法によれば、上記効果に加え、前記スペーサ付配向膜に、所定の微細構造を備えた金型を押付け、この状態で樹脂材料を硬化させることにより前記スペーサ付配向膜を容易に得ることができるため、基板の熱変形や耐薬品性等の影響が極めて小さく、素子強度に優れたスペーサ構造を得ることができる。
したがって、本発明により、フラットディスプレイ等の大型化や軽量化、さらには対衝撃性の向上を図ることができる。
以下に本発明の実施形態に係る液晶表示素子製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明製造方法により作製した一実施形態液晶表示素子の模式的構成(断面図)を示す。本実施形態の液晶表示素子は透過型に構成されたものであって、1対の透明基板1a、1bが対向配置され、それぞれの透明基板1a、1bの内側に透明電極6a、6bが積層され、これら透明電極6a、6bのうち、透明電極6aの内側には配向膜7が、一方透明電極6bの内側には、配向膜3と液晶層の厚みを保持するスペーサ2からなるスペーサ付配向膜Pが設けられ、さらに配向膜7とスペーサ付配向膜Pの間にネマティック型等の液晶4が充填されてなる。さらに本実施形態のものにおいては、液晶4の漏出を防止するための封止剤5と、配向膜3の分子配向を制御するための配向下地層8を備えている。
上記液晶表示素子では、透明電極6a、6b間に電圧が印加されると、液晶4の分子配列を変化させることができ、液晶4に入射した光を外部電圧により変調することが可能となる。
その際の光変調方法としては、電圧印加により光散乱状態を制御する方法や、上記液晶表示素子を1対の偏光板で挟み、かつ電圧印加に応じて液晶4に入射した光の偏光状態を変えることにより透過率を制御する方法等の、液晶表示素子の種々の表示手法を採用することができる。
また、本実施形態においては、スペーサ2が配向膜3と一体形成されて、スペーサ付配向膜Pを形成しているため、液晶内部で移動することなく液晶層の厚みを一定に保つことができる。
上記スペーサ付配向膜Pの表面の樹脂は、スペーサ2と配向膜3の表面分子が互いに同一方向に配向されるように分子配向しており、この樹脂の分子配向方向に液晶分子が配向するため、対向基板側配向膜7との間に液晶4を挟むことにより液晶の配列を良好に制御することができる。その際、スペーサ付配向膜Pや対向基板側配向膜7は、配向のプレチルト角を制御することが可能であり、水平配向膜から垂直配向膜まで自由に選択できる。特に、透明基板1a、1bの基板面に水平に配向される水平配向、および該基板面に垂直に配向される垂直配向においては、液晶の分子配向が良好な一様性を示すことが確認されている。
また、対向基板側配向膜7は、必ずしもスペーサ付配向膜Pと同じ材料により形成せずともよく、例えばラビング処理もしくは光配向処理されたポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、あるいは斜方蒸着されたSiO、SiO等、配向膜として機能する種々の材料を用いることができる。
また、配向膜3の膜厚としては、分子配向制御の点からは1μm以下が好ましく、さらに好ましくは500nm以下であるが、1μmより大きな厚みとすることも可能であり、この場合には、高い絶縁性を確保することも可能である。
また、配向膜3の表面分子を配向制御させて配向膜としての機能を十分に得るためには、後述するように配向下地層8等を設けて確実に分子配向制御しておくことが好ましい。
また配向膜3の表面に微小な凹凸構造を形成すると、配向膜の配向制御機能に加えてこの凹凸による配向制御機能も持たせることができ、配向規制力の調整が容易となる等の効果を得ることができる。例えばストライプ状の凹凸構造を形成すると、液晶分子をこのストライプの方向に沿って配向させることが可能となる。
その場合、この凹凸構造のストライプピッチとしては、液晶分子に対して十分な配向機能を付与する観点からは数nm〜数100nm程度とすることが望ましいが、1μm以上の構造とすることも勿論可能である。
また凹凸構造の形状としては、上述のストライプ形状の様に凹凸構造が一方向に連なった形状が液晶分子の配向制御に有利ではあるが、例えば円柱状、円筒状、角柱状、角錐状、波状等の他の種々の形状をとることも可能であり、さらに必ずしも対称形状や規則的な形状に限られるものではない。
なお、配向膜表面の分子配向方向と、凹凸構造により制御される液晶分子の配向方向とは、必ずしも一致させずともよい。
また、スペーサ2は必ずしも対向基板側と接着する必要はないが、熱硬化、光硬化等を利用して基板表面に接着させれば、より大きい素子強度を得ることができる。
なお、スペーサ2の形状としては、円形、四角形、多角形、ストライプ状、格子状等種々の形状を採用することができる。
またスペーサ2の高さや幅、密度等は適宜変更することが可能である。例えば、スペーサ2の高さは、強誘電性液晶素子の場合には3μm以下であることが望ましく、またネマティック液晶では3〜7μm程度であることが望ましいが、勿論これらの範囲に限られるものではない。
上述したように、本実施形態のものでは、スペーサ付配向膜P全体として分子配向させているので、配向膜3の表面近傍からスペーサ2の表面近傍までの領域に亘り、一方向に、かつ一様に近い状態で液晶分子を配向させることができる等の効果を得ることができる。
さらにスペーサ付配向膜Pの内部に2色性色素材料を添加し、この2色性色素を、スペーサ付配向膜Pを構成する分子の配向方向に分子配向させることにより、偏光板として機能させることができる。この場合、透明基板1bの外側に必ずしも偏光板を配置する必要がなくなるため、素子の厚みを大幅に低減することができ、さらに透明基板1a、1bにプラスティック基板を用いた際には、その基板の複屈折性が表示に与える影響を解消することができる。
また、上記液晶4としては、ネマティック液晶、コレステリック液晶あるいはスメクティック液晶等の種々のタイプの液晶を用いることができる。
ただし高速応答を得るには、低粘性かつ高弾性の液晶材料が適しており、化学構造としては、液晶4の屈折率異方性Δn(Δn=異常光屈折率n−常光屈折率n)が大きいシアノ系、ビフェニール系、ターフェニール系、ピリミジン系、トラン系あるいはフッ素系等のネマティック液晶が適している。
また片面のみ液晶を配向させるモードを用いることもでき、対向基板側配向膜7は省略することも可能である。
また液晶モードの代表的なものとしては、ツイストネマティック(TN)、スーパーツイストネマティック(STN)、垂直配向(VA)、インプレーン配向(IPS)、コレステリック配向、ベンド配向(OCB)、強誘電性液晶配向、単安定化強誘電性液晶配向(VモードやハーフVモード)、反強誘電性液晶配向、あるいはこれらにポリマを分散させた配向法等が挙げられるが、これら以外にも従来の液晶素子に用いられる種々のモードを適宜採用することができる。
透明基板1a、1bとしては、例えば厚みが0.4mm以下の薄くて柔軟なプラスティックフィルムや、例えば厚みが0.7mm以下の薄いガラス板を用いることが可能である。
上記のプラスティックフィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、アセチルセルロース、ポリスチレン、ポリエチレンおよびそれらの変性体等が挙げられるが、これらの材料に限られるものではない。
なお、上記実施形態の液晶表示素子にバックライトを設けることにより、高コントラストの液晶表示装置を構成することができる。
さらに、上記液晶表示素子に光反射板や光拡散板を設けることにより、バックライトが不要とされる低消費電力の反射型液晶表示装置を構成することも可能である。
このような反射型液晶表示装置を構成する場合には、上述した実施形態のものにおいて、一方の透明基板1a、1bを不透明のものとしたり、一方の透明電極6a、6bを不透明な金属電極に置き換えたりすることも可能である。
同様に上記光反射板の一部に光を透過する窓を設けて半透過型素子を構成することも可能である。
なお、上記透明基板1a、1bと透明電極6a、6bの間にカラーフィルタやブラックマトリクス等が設けられていてもよく、さらに基板上には画素を駆動するためのTFT等を搭載することも可能であり、液晶表示素子に用いられる種々の周知の構造を適宜採用することができる。
次に本発明の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法について具体的に説明する。図2は透明基板50上にスペーサ付配向膜Pを形成するための各処理工程を示すものである。
本実施形態では、まず透明基板50上に配向下地層40を成膜し、その上に液晶性樹脂材料10を塗布する(図2(A))。次にスペーサ60を形成するための溝が形成された金型20の表面に配向機能付与層として機能する剥離層30を塗設し、該剥離層30にラビング処理を施した後に、この金型20を液晶性樹脂材料10上に押圧する(図2(B))。この状態において、後述する硬化手法を用いて液晶性樹脂材料10を硬化させ、この後金型20から離型することにより、透明基板50上に配向膜70とスペーサ60を一体形成してなるスペーサ付配向膜Pを得る(図2(C))。
本実施形態では、(図2(B))の状態において、配向下地層40および剥離層30の作用により液晶性樹脂材料10が配向制御された状態となる。
例えば、配向下地層40および剥離層30がともに水平配向膜として機能し、その配向規制の方向が互いに平行の場合、液晶性樹脂材料10は透明基板50に水平な方向にホモジニアス配向とされることになる。同様に、配向下地層40および剥離層30が垂直配向膜として機能する場合には、液晶性樹脂材料10はホメオトロピック配向とされることになる。
上記の状態で液晶性樹脂材料10を硬化させると、スペーサ付配向膜Pにおいて、形成される配向膜70とスペーサ60の表面の分子配向が互いに同一方向となるように維持した状態で固定されるため、液晶素子を作製した際に配向膜70とスペーサ60の境界領域近傍においても液晶分子に配向規制を与えることができる。
このように、配向下地層40および剥離層30の配向規制作用により配向膜70およびスペーサ60の分子配向を自由に定めることが可能となる。
また、上記配向下地層40を配向制御するには、ラビング法や光配向法、あるいは微細な溝を形成する手法等の、従来周知の液晶に適応する種々の配向制御法を用いて行うことができる。
なお、ラビング等により分子配向が可能な導電性高分子材料を透明電極6a、6bとして用いる場合、配向下地層40を形成せずともスペーサ付配向膜Pの配向膜70やスペーサ60の分子配向制御を行うことが可能である。
一方、金型20に塗設した剥離層30を配向制御するには、剥離層30にラビング法用いて行う
なお、剥離層30の、溝部以外の平坦部分にラビング処理を施すことにより、溝部に入る液晶性樹脂材料10の少なくとも片側は配向規制がかからないようにすることができ、スペーサ部分の配向制御を弱めることが可能である。
液晶性樹脂材料10としては、金型20表面の剥離層30により分子配向制御が可能な種々の低分子材料や高分子材料を用いることが可能であり、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、反応硬化性樹脂および熱可塑性樹脂等の材料を用いることができるが、特に耐熱性の低いプラスティック基板に適用する場合、紫外線等で室温でも硬化させることが可能な光硬化性樹脂を用いることが望ましい。また、液晶性樹脂材料10としては分子配向制御されることが可能な種々の低分子材料や高分子材料を用いることが可能であるが、特に熱硬化性や光硬化性もしくは反応硬化性の液晶性モノマを用いると、分子配向を比較的自由に調整することができるので好ましい。
液晶性樹脂材料10を形成する具体的な樹脂材料としては、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラニン樹脂、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニールアセテート、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコン樹脂、またはこれらの共重合体等が挙げられるが、これらの高分子樹脂に限られるものではない。
また、液晶性樹脂材料10として紫外線硬化性の樹脂を用いる場合、例えば、透明基板50側もしくは図3に示すように金型20側から紫外光を照射して液晶性樹脂材料10を硬化させる手法を用いることも可能である。
なお、図3に示すように金型20側から紫外光を照射する場合には、金型20として石英やガラス、あるいは石英やガラス上に形成された薄い樹脂膜等の、紫外線を透過する材料を用いる必要があるが、透明基板50側から紫外光を照射する場合には、例えばシリコン基板上に形成された樹脂膜等の不透明な金型20を用いることができる。
また金型20の作製には、ガラスやシリコン等の基板上にネガ型もしくはポジ型のフォトレジストを塗布し、露光・現像により溝等の型を形成するフォトリソグラフィ法を適用することが可能である。
また同様に金型20の表面、もしくはガラスやシリコン等の基板上に塗布した樹脂材料の表面に、電子線やレーザ光等を照射して溝等のパターンを直接描画することも可能であり、特に電子ビームを用いて描画することにより極めて微細なパターンを形成することができる。
また、光硬化性樹脂を用いる場合、樹脂材料によっては必ずしも紫外光である必要はなく、例えば可視光とすることもできる。
また液晶性樹脂材料10として熱硬化性樹脂を用いた場合、液晶性樹脂材料10を配向させた状態で透明基板50や金型20を加熱して液晶性樹脂材料10を熱硬化させることにより、スペーサ付配向膜Pを形成することができる。この場合、金型20がヒータとしての機能を兼ね備えていることが望ましい。
また液晶性樹脂材料10として熱可塑性樹脂を用いた場合、例えば透明基板50や金型20を加熱して液晶性樹脂材料10を軟化させながら分子配向制御させた後、液晶性樹脂材料10を冷却することによりスペーサ付配向膜Pを形成することが可能である。
一方、剥離層30の形成材料としては、配向性機能を付与する機能以外に、スペーサ付配向膜Pを形成後に、このスペーサ付配向膜Pを金型20から離型し易くする機能を備えている必要があり、ッ素樹脂による剥離性の高い材料を用い
フッ素樹脂材料としては、例えば分子構造の一部にフッ素基(F)を持つ、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラニン樹脂、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニールアセテート、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコン樹脂、またはこれらの共重合体等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また液晶性樹脂材料10に2色性色素材料を混入し、この2色性色素材料を液晶性樹脂材料10とともに分子配向させた状態で紫外線を照射すると、2色性色素材料は配向された状態で固定されるため、スペーサ付配向膜Pに偏光板としての機能を付与することが可能となる。
また、図2に示す方法に替えて、例えば、図4に示す如く、剥離層130を形成しラビング処理を施す金型表面に微細な凹凸構造を形成する変更態様を採用することが可能である。このようにすると、スペーサ付配向膜Pの表面に凹凸形状が転写され、この形状による作用と、スペーサ付配向膜Pの表面分子の分子配向作用とが相俟って、例えば配向規制力を、より大きなレンジ、かつ大きな自由度をもって調節することが可能となる。
以下、上記変更態様について、具体的な実施例を用いて、さらに説明する。
すなわち、本実施例では、液晶材料としてネマティック液晶を使用し、スペーサ60および配向膜70を一体的に形成したスペーサ付配向膜P用の液晶性樹脂材料110として、紫外線硬化性の液晶性アクリル性モノマ(DIC社、UCL−011)を用いた。なお、液晶性樹脂材料110と透明基板150との間に配向下地層140が設けられている。
具体的な作製方法としては、まず金型120を形成するために、ITO透明電極付きのガラス基板上にポジ型のフォトレジストを成膜する。格子状(250μm間隔、幅20μm)に遮光されたフォトマスクを用いて紫外線を照射し、現像処理およびベーキング処理を行って、高さ6μmの溝を形成する。この金型上に剥離層130としてフッ素樹脂(CTX−809A、旭硝子)を成膜し、表面を微細なレー∃ンブラシで一方向に摩擦(ラビング)して配向機能を発現させる。
次に、ポリイミド配向膜をスピンコート法により透明電極(In203:Sn)付きプラスティックフィルム透明基板(ポリカーボネート、厚み0.1mm)150上に塗布し、ラビング処理を行う。この配向下地層140が塗布された透明基板150に、液晶性モノマ110を塗布し(図4(A)参照)、金型120とラミネートして液晶性モノマ110を分子配向制御する(図4(B)参照)。次に、室温で紫外線を照射して液晶性モノマ110を硬化させ、この後、金型120から離型して、透明基板150上に分子配向したスペーサ付配向膜Pを形成する(図4(C)参照)。
なお、この後、このスペーサ付配向膜P上にネマティック液晶(図示せず)を塗布し、ポリイミド配向膜を形成してなる他方の透明基板(図示せず)と、ラビング方向が互いに直交するようにラミネートし、周囲を封止剤でシールして液晶表示素子を作成した。
以上の工程により作成した液晶表示素子(2cm×3cm)を1対のクロスニコルの偏光板の間に挟んで透過光を観察したところ、液晶がツイスト(TN)配向していることが確認され、液晶性モノマ110から形成されたスペーサ付配向膜Pにより、液晶分子を配向制御できることが実証された。また偏光顕微鏡を用いて観察したところ、一様に配向された壁の近傍でも液晶分子が一様に配向し、ラビング不良に基づく液晶配向の乱れを解消できることが明らかになった。さらに、1対の偏光フィルム間に挟んだ本実施例の液晶表示素子を湾曲させ、透明電極間に電圧を印加して動作させたところ、良好な光変調特性が得られることが確認された。
本発明の実施形態に係る製造方法により作製した一例の液晶表示素子の構成を示す断面図 本発明の実施形態に係る液晶表示素子の製造方法の各工程を示す図 図2(B)で表される工程において、液晶樹脂材料を紫外線により硬化させてスペーサ付配向膜を形成する様子を示す図 図2に示す実施形態方法の変更態様の各工程を示す図
符号の説明
1a、1b、50、150…透明基板
2、60…スペーサ
3、70…配向膜
4…液晶
5…封止剤
6a、6b…透明電極
7…対向基板側配向膜
8、40、140…配向下地層
10、110…液晶性樹脂材料
20、120…金型
30、130…剥離層
P…スペーサ付配向膜

Claims (4)

  1. 液晶層を挟むように配置された2枚の透明基板のうち少なくとも一方に、該液晶層の厚みを決定する高さのスペーサと液晶を配向させるための配向膜とを、同一の樹脂材料にて一体的に形成してなるスペーサ付配向膜を配設した液晶表示素子の製造方法において、
    前記スペーサ付配向膜の生成工程において、まず、スペーサを形成するための溝をパターニングし、該溝を含む金型の表面に、前記配向膜に対して分子配向機能を付与するフッ素樹脂材料による剥離層を付設し、該剥離層の表面にラビング処理を施した後に、該金型を前記透明基板上に塗布された液晶性樹脂材料に押圧せしめて、前記溝形状を転写してスペーサを形成するとともに該液晶性樹脂材料の分子を前記剥離層の配向規制作用により配向制御して分子配向機能を付与し、前記配向膜と前記スペーサとは全体として前記液晶性樹脂材料の表面の分子が互いに同一方向に配向されてなり、この後、該液晶性樹脂材料を硬化させて分子配向を固定し、前記金型から離型することにより分子配向されているスペーサ付配向膜を形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 前記透明基板と前記スペーサ付配向膜との間に、該スペーサ付配向膜の分子配向を制御する配向下地層を形成することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. 前記液晶性樹脂材料は、光硬化性または熱硬化性の液晶性モノマにより構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示素子の製造方法。
  4. 前記スペーサ付配向膜は、2色性色素を添加されてなり、該2色性色素は、前記液晶性樹脂材料が配向制御された方向と同一方向に分子配向されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の液晶表示素子の製造方法。
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