JP4649641B2 - アルファサイアロン蛍光体とその製造方法、アルファサイアロン蛍光体原料粉末及び発光ダイオードランプ - Google Patents

アルファサイアロン蛍光体とその製造方法、アルファサイアロン蛍光体原料粉末及び発光ダイオードランプ Download PDF

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Description

本発明は、ユーロピウム元素等で賦活したアルファサイアロン蛍光体に関し、その粗大な単結晶粒子、又は該単結晶粒子が疎に組み合わせられた凝集二次粒子、その製造方法、アルファサイアロン蛍光体原料粉末及び発光ダイオードランプに関する。本発明のアルファサイアロン蛍光体は、発光ダイオード(以下、LEDと記す。)、特に白色LED用蛍光体として、あるいは紫外光励起蛍光体や青色光励起蛍光体などの各種応用用途に幅広く利用することができる。
従来、ユーロピウム元素(Eu)を賦活したカルシウム(Ca)固溶アルファサイアロン蛍光体が特許文献1や非特許文献1に開示されている。この蛍光体は、例えば、青色LED素子を光源とする白色LEDに波長変換材料として使用される。
また、非特許文献2には、Li,Mg,Ca,Y,Nd,Ybなどを固溶させたアルファサイアロンを液相焼結することにより単結晶粒子を得る技術が開示されている。
特開2002−363554号公報 Rong-Jun Xie et al., "Preparation and Luminescence Spectra of Calcium- and Rare-Earth (R=Eu,Tb, and Pr)-Codoped α-SiAlON Ceramics,"J. Am. Ceram. Soc., vol.85[5] pp.1229-1234 (2002) M. Zenotchkine et al., "Liquid-Phase Growth of Crystals for Seeding α-SiAlON Ceramics,"J. Am. Ceram. Soc., vol.87[6] pp.1040-1046 (2004)
白色LEDなどに蛍光体材料を実装するに際しては、粉末状蛍光体材料を樹脂に適度に分散させ、塗布する方法が一般的である。この時、粉末の粒径が適当であることが重要であり、粉末の粒径が小さいとミー散乱を生じ、励起光が蛍光体粉末に吸収されずに散乱されてしまい、蛍光体粉末の励起効率が悪くなる。また、そのような粉末を分散させた樹脂膜は、透過率が低下して反射率が増大し、白色LED全体としての光の取り出し効果も低下する。
近年、白色LEDは、照明用途への適用を目指し高輝度化が求められており、半導体発光素子の改善は勿論、その実装技術においても光取り出し効率の向上検討が急務となっている。よって、そこに使用される蛍光体粉末材料については、ミー散乱の原因となる微細粒子の低減が必要である。微細粒子を低減するには、蛍光体粉末製造後に風力分級等を利用して粗大粒子のみを利用しても良いが、工程の増加と収率の低下から高コスト化を招いてしまう問題がある。
また、蛍光体は、一般的に、数μm程度の単結晶粒子を利用する場合が多い。蛍光体粉末製造段階で、そこに含まれる微細粒子の割合を低減させる技術、すなわち蛍光体粉末の一次粒径そのものを粗大化させる技術が求められていた。また、アルファサイアロン蛍光体についても、他の蛍光体と同様に、粒径数μm程度の単結晶粒子を得る製造技術が求められていた。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、粒径数μm程度の粗大な単結晶粒子からなるアルファサイアロン蛍光体とその製造方法、製造に用いる原料粉末及び該蛍光体を用いた発光ダイオードランプの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、一般式:M(Si,Al)12(O,N)16(式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)
で表され、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光するアルファサイアロン蛍光体であって、
その長手方向の長さが1μm〜30μmの単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μmの凝集体粒子であることを特徴とするアルファサイアロン蛍光体を提供する。
本発明のアルファサイアロン蛍光体において、前記Mは、Ca又はYの少なくともいずれか1種と、2価のEu又は3価のCeの少なくともいずれか1種とを含むことが好ましい。
また本発明は、窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末であって、
一般式:M (Si,Al) 12 (O,N) 16
(式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)
で表され、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光するアルファサイアロン蛍光体を構成する成分が原料粉末全量に対し80質量%以上配合され、該原料粉末の焼結時に液相を構成し、焼結後のアルファサイアロン蛍光体中間生成物においてアルファサイアロン蛍光体の単結晶粒子の大半を覆うCaO−Al −SiO 系ガラス相を構成する成分が原料粉末全量に対し20質量%以下で配合されていることを特徴とするアルファサイアロン蛍光体原料粉末を提供する。
発明のアルファサイアロン蛍光体原料粉末において、窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca又はYの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、Eu又はCeの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末であることが好ましい
また本発明は、窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末を、1600℃以上かつCaO−Al −SiO 系液相が存在する高温温度域において窒素雰囲気中で焼結し
一般式:M(Si,Al)12(O,N)16
(式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)
で表され、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光するアルファサイアロン蛍光体をることを特徴とするアルファサイアロン蛍光体の製造方法を提供する。
本発明のアルファサイアロン蛍光体の製造方法において、窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca又はYの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、Eu又はCeの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末を用いることが好ましい。
発明のアルファサイアロン蛍光体の製造方法において、原料粉末を秤量し混合するにあたり、この配合割合を、アルファサイアロン蛍光体を構成する成分が原料粉末全量に対し80質量%以上であり、該原料粉末の焼結時に液相を構成し、焼結後にCaO−Al −SiO 系ガラス相を構成する成分が原料粉末全量に対し20質量%以下であるように配合することが好ましい
本発明のアルファサイアロン蛍光体の製造方法において、各原料粉末を秤量し混合した後に原料粉末凝集体の粒径が10μm〜200μmとなるように造粒する工程を設けることが好ましい。
本発明のアルファサイアロン蛍光体の製造方法において、焼結後に酸溶液によってガラス相成分を除去する工程を設けることが好ましい。
また、前記酸溶液は、フッ化水素酸と硫酸と水からなる混酸であることが好ましい。
また本発明は、青色光又はそれより短波長で発光する発光ダイオード素子と、請求項1または2に記載のアルファサイアロン蛍光体とを有することを特徴とする発光ダイオードランプを提供する
本発明のアルファサイアロン蛍光体は、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光し、その長手方向の長さが1μm〜30μmの単結晶粒子、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μmの凝集体粒子からなるものなので、紫外光又は青色光を照射した場合、ミー散乱の発生が少なくなり、白色LEDランプの蛍光体に適用した場合に光の取り出し効率を改善することができる。
本発明のアルファサイアロン蛍光体中間生成物は、前述したアルファサイアロン蛍光体の単結晶粒子がガラス相に包含されたものからなり、ガラス相を除去することにより前述した大きな単結晶粒子、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされた凝集体粒子からなるアルファサイアロン蛍光体を得ることができる。
本発明のアルファサイアロン蛍光体原料粉末は、焼結時に蛍光体を構成する成分以外の成分からなる液相中で蛍光体が液相焼結される組成としたことによって、アルファサイアロン結晶が液相中で良好に結晶成長し、前述した大きな単結晶粒子、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされた凝集体粒子からなるアルファサイアロン蛍光体を得ることができる。
本発明のアルファサイアロン蛍光体の製造方法は、アルファサイアロン蛍光体を液相焼結することによって、アルファサイアロン蛍光体単結晶が液相中で良好に結晶成長し、従来のガス加圧焼結法により製造したものよりも粗大化した単結晶粒子が得られる。さらに、液相成分は焼結終了後はガラス層となり、これを後工程で除去することにより、個々の単結晶粒子が互いに切り離された前述した大きな単結晶粒子、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされた凝集体粒子からなるアルファサイアロン蛍光体を得ることができる。
本発明のアルファサイアロン蛍光体は、一般式:M(Si,Al)12(O,N)16で表され(式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光する。また、本発明のアルファサイアロン蛍光体は、その長手方向の長さが1μm〜30μmの単結晶粒子であり、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μmの凝集体粒子である。
本発明の好ましい実施形態において、本発明のアルファサイアロン蛍光体は、前記式中の元素Mが、Ca又はYの少なくともいずれか1種と、2価のEu又は3価のCeの少なくともいずれか1種とを含むことが好ましい。本実施形態にあっては、2価のEu又は3価のCeがアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素である。また、xは0<x≦2の範囲であり、好ましくは0.3<x<1.5の範囲であり、更に好ましくは0.79≦x≦1.25の範囲である。
本発明のアルファサイアロン蛍光体を構成する単結晶粒子は、長手方向の長さが1μm〜30μmの棒状をなしている。この単結晶粒子の長手方向の長さが1μm未満であると、紫外光又は青色光が照射された場合にミー散乱が生じる懸念があり、アルファサイアロン蛍光体を白色LEDランプの蛍光体として適用した場合に蛍光体分散透明樹脂層で散乱が多いと光のアンダーソン局在など光の取り出し効率が悪くなる現象の原因となる可能性がある。また、この単結晶粒子の長手方向の長さが30μmを超えると、蛍光体を樹脂に混練する工程や、蛍光体分散樹脂を塗布する工程などの実装工程で混ざり難くなり、均一に塗布し難くなる等の不都合を生じるおそれがある。
前記本発明のアルファサイアロン蛍光体は、該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μm、好ましくは40μm〜70μmの凝集体粒子の状態で種々の用途に適用することもできる。本発明のアルファサイアロン蛍光体において、二次粒径が10μm未満の凝集体粒子を作製することは困難である。また、二次粒径が200μmを超えると、焼結後に粉末状に崩す際に邪魔になり、また白色LEDランプの蛍光体として実装することが困難になる。
本発明のアルファサイアロン蛍光体は、その長手方向の長さが1μm〜30μmの単結晶粒子、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μmの凝集体粒子からなるものなので、紫外光又は青色光を照射した場合、ミー散乱の発生が少なくなり、白色LEDランプの蛍光体に適用した場合に光の取り出し効率を改善することができる。
前述したアルファサイアロン蛍光体は、液相焼結法によりアルファサイアロン蛍光体を得ることを特徴とする本発明に係る製造方法によって製造することが望ましい。
本発明の製造方法は、(A)窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末及びシリカ粉末の少なくともいずれか一方とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末を調製する工程、(B)このアルファサイアロン蛍光体原料粉末を、1600℃以上かつCaO−Al−SiO系液相が存在する高温温度域において窒素雰囲気中で焼結する工程、次に(C)液相焼結して得られた生成物から、前述したアルファサイアロン蛍光体を得る工程を備えている。
本発明の好ましい実施形態において、前記(A)工程で調製する原料粉末としては、窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca又はYの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、Eu又はCeの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末及びシリカ粉末の少なくともいずれか一方とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末が好ましい。前述した通り、Eu又はCeは、アルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、焼結後、アルファサイアロン結晶構造中でEuは2価、Ceは3価となる。
また、前記(A)工程において、原料粉末を秤量し混合するにあたり、この配合割合を、アルファサイアロン蛍光体を構成する成分が原料粉末全量に対し80質量%以上であり、該原料粉末の焼結時に液相を構成し、焼結後にCaO−Al−SiO系ガラス相を構成する成分が原料粉末全量に対し20質量%以下であるように配合することが好ましい。焼結後にCaO−Al−SiO系ガラス相を構成する成分の量は、原料粉末全量に対し20質量%以下で十分であり、このガラス相を構成する成分の量が20質量%を超える組成では、得られる焼結体中に占めるアルファサイアロン蛍光体の量が少なくなり、生産効率が低下するとともに、焼結体からガラス相を分離してアルファサイアロン蛍光体を得る際の分離に手間がかかる問題がある。
また、前記(A)工程において、各原料粉末は、有機溶媒を用いて湿式混合することが好ましい。この有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの直鎖飽和炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂環式化合物、ベンゼン、トルエンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。この湿式混合では、湿式ボールミルなどの従来周知の湿式混合装置等を用いることができる。
また、前記(A)工程において、各原料粉末を秤量し混合した後に、原料粉末凝集体の粒径が10μm〜200μmとなるように造粒する工程を設けることが好ましい。この造粒によって、原料粉末の液相焼結が均一かつスムーズに進行し、アルファサイアロン蛍光体の単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μmの凝集体粒子を効率よく製造することができる。
前記(B)工程において、前記(A)工程で調製した原料粉末を焼結する場合、使用する焼結炉としては、窒素ガス雰囲気を維持し得る密閉型、あるいは窒素ガスを連続的に炉内に流すガス供給型の雰囲気炉を用いることが望ましい。この焼結炉内の雰囲気ガスとしては窒素ガス、あるいは窒素ガスとアルゴンなどの不活性ガスとの混合ガスとすることができる。この焼結炉に原料粉末を入れる場合、高温温度域に加熱して生じるCaO−Al−SiO系液相に接しても安定な材質からなる容器内で原料粉末を液相焼結することが好ましい。
また、(B)工程の好ましい焼結条件としては、焼結温度が1600℃〜2200℃の範囲、炉内窒素ガス圧力が0.1MPa〜2MPaの範囲、焼結時間が1〜50時間の範囲であり、また焼結後は焼結体を窒素雰囲気又は真空に保持した炉内に放置して放冷することが望ましい。
この(B)工程を終えることで、前述した本発明に係るアルファサイアロン蛍光体がCaO−Al−SiO系ガラス相に包含されたものからなるアルファサイアロン蛍光体中間生成物が得られる。このアルファサイアロン蛍光体中間生成物は、ガラス相が透明であればそのまま、あるいは適当に破砕した状態で蛍光体として使用することができるが、通常は次の(C)工程によって、得られたアルファサイアロン蛍光体中間生成物からCaO−Al−SiO系ガラス相を除去してアルファサイアロン蛍光体を分離する。
この(C)工程において、前記中間生成物からアルファサイアロン蛍光体を効率よく分離するために、前記中間生成物中のCaO−Al−SiO系ガラス相を化学的に除去してアルファサイアロン蛍光体を分離することが望ましい。CaO−Al−SiO系ガラス相を化学的に除去する方法としては、前記中間生成物を必要に応じて粉砕し、フッ化水素酸と硫酸と水とから成る混酸溶液などのガラス相溶離液(エッチャント)を加えてガラス相を適度に溶かし、続いて濾過や遠心分離などによってアルファサイアロン蛍光体を液中から分離することが好ましい。
前記(A)〜(C)の各工程を行うことにより、前述したアルファサイアロン蛍光体が得られる。本発明に係るアルファサイアロン蛍光体の製造方法は、アルファサイアロン蛍光体を液相焼結することによって、アルファサイアロン蛍光体単結晶が液相中で良好に結晶成長し、従来のガス加圧焼結法により製造したものよりも粗大化した単結晶粒子が得られる。さらに、液相成分は焼結終了後はガラス層となり、これを後工程で除去することにより、個々の単結晶粒子が互いに切り離された前述した大きな単結晶粒子、又は該単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされた凝集体粒子からなるアルファサイアロン蛍光体を得ることができる。
本発明のアルファサイアロン蛍光体は、LED、特に白色LED用蛍光体として、あるいは紫外光励起蛍光体や青色光励起蛍光体などの各種応用用途に幅広く利用することができる。このアルファサイアロン蛍光体を利用したLEDとして、本発明は、青色光又はそれより短波長で発光する発光ダイオード素子と、本発明に係るアルファサイアロン蛍光体とを有することを特徴とするLEDランプを提供する。
図11は、本発明に係るLEDランプの一例として、白色LEDランプを示す図である。この白色LEDランプ1は、上部が球面の略円柱形状ないし砲弾形状を有し、電極端子としてのリードワイヤ2及び3、青色の光を発する青色LED素子4、ボンディングワイヤ5、蛍光体7、透明な樹脂6及び8からなり、リードワイヤ2及び3の下部は外部に延出している。
リードワイヤ2の上端部には、凹部が設けられ、この凹部に青色LED素子4が載置されている。また、この青色LED素子4には、上面(ボンディングワイヤ5側の面)に1個、下面(リードワイヤ2の凹部側の面)にもう1個の電極が設けられており(共に図示せず)、上面の電極とリードワイヤ3とがボンディングワイヤ5により電気的に接続され、下面の電極とリードワイヤ2とが導電性ペーストを用いたダイボンディング等により電気的に接続されている。前記凹部を含む青色LED素子4の近傍は、透明な樹脂6により封止され、この樹脂6中に蛍光体7が分散されている。また、前記のリードワイヤ2及び3、青色LED素子4、ボンディングワイヤ5、蛍光体を分散させた透明な樹脂6は、透明な樹脂8により封止されている。透明な樹脂6及び8としては、エポキシ樹脂などが用いられる。
この白色LEDランプ1は、2本のリードワイヤ2,3間に電圧を印加すると、青色LED素子4が青色光を発光し、青色LED素子4の周囲に設けられた蛍光体7がこの青色光を吸収し、可視波長域の蛍光を発することにより、高い電力−光変換効率で高輝度の白色光が得られる。この白色LEDランプ1は、蛍光体7として、本発明に係るアルファサイアロン蛍光体を用いたものなので、ミー散乱が低減され、光の取り出し効率を高めることができる。
[比較例1]
一般式:
CaSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Eu2+ 、あるいは
Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+ で示される、2価のユーロピウム(Eu)で賦活されたカルシウム(Ca)固溶アルファサイアロン蛍光体を作製した。
比較例1では、x=0.88、y=0.05とした。原料にEuを用いることからEuを3価として組成設計を行い、m=1.91、n=0.955とした。ただし、焼成後の生成物ではEuは還元されて2価となるので、m及びnの値はそれに伴って若干変化している可能性がある。
出発原料として、宇部興産株式会社製窒化珪素(Si)粉末 SN−E10、株式会社トクヤマ製高純度窒化アルミニウム(AIN)粉末Fグレード、株式会社高純度化学研究所製炭酸カルシウム(CaCO)粉末、信越化学工業株式会社製酸化ユウロピウム(Eu)粉末を利用した。前記組成設計に従って算出した各原料の質量比に応じて、該原料粉末を電子天秤で秤量し、混合した。1バッチを50gとし、窒化珪素粉末33.295g、窒化アルミニウム粉末9.15g、炭酸カルシウム粉末6.865g、酸化ユウロピウム粉末0.685gとした。各原料の混合には、n−ヘキサンを用い湿式遊星ボールミルにより2時間混合した。この湿式混合後、混合物をロータリーエバポレータで乾燥させ、乾燥した粉末の状態で乳鉢を用いて十分にほぐし、JIS Z 8801に準拠した公称目開き125μmのステンレス製の試験用網篩を利用して粒径125μm以下に造粒し、窒化ホウ素の蓋付き容器に収めた。造粒寸法は、10μm乃至200μm程度とすることが好ましい。数μmの微小な寸法に造粒することは困難であり、また200μmを超える粗大な寸法に造粒した場合には焼結後の後工程での扱いに困難を生じる。焼結はガス加圧焼結装置を用い、1700℃、窒素雰囲気下、0.5MPaで加圧し、2時間保持した。焼結後、装置から取り出した段階では一つの固まりのようになっているものを乳鉢状でわずかな力を加え、粉末状に崩した。この段階で粉末試料の一部を酸処理前の試料として取り分けた。残りの粉末は、フッ化水素酸と硫酸と水とから成る混酸溶液を用いたガラス相溶解工程で処理し、アルファサイアロン蛍光体を作製した。具体的には、フッ化水素酸(HF)5mL、硫酸(HSO)5mL、純水390mLをフッ素樹脂製ビーカ中で混合し、フッ素樹脂製マグネット式スターラーで5分間撹拌した。フッ化水素酸は和光純薬工業株式会社製の試薬特級、濃度46.0〜48.0%のものを、硫酸は和光純薬工業株式会社製の和光一級、濃度95.0%以上のものを用いた。この混酸溶液中に粉末試料を5g入れ、引き続きスターラーで30分間撹拌した。撹拌終了後、30秒程度静置し、沈殿した粉末状蛍光体を吸い込まないように注意して酸溶液をスポイトで廃棄し、溶液がなくなると純水を再び加えるということを5回繰り返して水洗いした。再びビーカ中に純水を加え、超音波水槽で15分間超音波を印加した。このとき、透明だった水は白く濁った。30秒程度静置し、また沈殿した粉末状蛍光体を吸い込まないように注意しながらこの水をスポイトで廃棄し、溶液がなくなると純水を再び加えるということを5回繰り返して水洗いした。最終的に濾紙を用いた濾過によって粉末を取り出し、これを乾燥させてアルファサイアロン蛍光体とした。
[実施例1]
アルファサイアロン蛍光体は、比較例1と同様にx=0.88、y=0.05として設計した。これを原料粉末全体の80質量%とし、残り20質量%は2CaO・Al・SiO相となるように設計した。
出発原料として、宇部興産株式会社製窒化珪素(Si)粉末 SN−E10、株式会社トクヤマ製高純度窒化アルミニウム(AIN)粉末Fグレード、株式会社高純度化学研究所製炭酸カルシウム(CaCO)粉末、信越化学工業株式会社製酸化ユウロピウム(Eu)粉末、住友化学工業株式会社製アルミナ(Al)粉末 AKP−20、株式会社高純度化学研究所製シリカ(SiO)粉末を利用した。前記組成設計に従って算出した各原料の質量比に応じて、該原料粉末を電子天秤で秤量し、混合した。1バッチを50gとし、窒化珪素粉末26.636g、窒化アルミニウム粉末7.32g、炭酸カルシウム粉末11.018g、酸化ユウロピウム粉末0.548g、アルミナ粉末2.815g、シリカ粉末1.659gとした。その他各工程は比較例1と同じである。
<実験1:走査型電子顕微鏡による結晶粒の観察>
図1〜図3は、本発明に係る実施例1で製造したサイアロン蛍光体の、また図4〜図6は比較例1で製造したサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。走査型電子顕微鏡としては、日本電子株式会社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡JSM−6700Fを用いた。図1及び図4は倍率3万倍であり、それぞれの結晶粒の形状・寸法を詳細に比較可能である。図2及び図5は倍率5千倍である。図3及び図6は倍率1千倍であり、二次粒子の全体像を見たものである。
これらの電子顕微鏡画像から、比較例1で製造したサイアロン蛍光体は、一次粒子が微細であるか、あるいは少々細長い形状をしており、一部の一次粒子は長さ2〜3μmに達してはいるものの、幅あるいは微細な一次粒子の粒径はほとんどの場合0.5μmを下回る寸法となっている。その形状は相互に影響していびつになっており、全体としては微細な一次粒子が疎に多数凝集し、多孔質の焼結体粒子を形成しているが、個々の結晶粒は隣接する結晶粒と密に結合した状態となっている。また、結晶粒のある部分と無い部分とが不均一である。
一方、実施例1で製造したサイアロン蛍光体は、微細な一次粒子がほとんど見られず、いずれも幅が0.4〜1μm程度で長さが1〜8μm程度の直線上にのびた棒状結晶であった。中には10μmを超える長さを有する棒状結晶も散見された。一次粒子相互の関係は大変疎に組み合わさったものとなっており、図1〜3からも粒子同士が相互に結合しておらず、空間があることが分かる。また、凝集状態にある二次粒子の全体像を見た時に、粒子の存在状態はその全体で大変均質なものとなっている。なお、単結晶粒子の寸法は、非特許文献2中には30μm程度にまで成長させた事例が開示されている。二次粒子である焼結後の多孔質凝集状焼結体粉末粒子の粒径については、それぞれ焼結前の原料粉末を造粒した際の原料粉末凝集体粒径とほぼ同等となっている。
図7は実施例1のアルファサイアロン蛍光体の焼結直後(酸処理前)の状態を示す走査型電子顕微鏡画像(倍率5千倍)であり、また図8は比較例1のアルファサイアロン蛍光体の焼結直後(酸処理前)の状態を示す走査型電子顕微鏡画像(倍率5千倍)である。
実施例1では、酸処理前の中間生成物の一部にアルファサイアロン結晶が露出しているものの、表面の大半はガラス相に覆われていることがわかる。
<実験2:励起スペクトル及び蛍光スペクトルの測定>
図9に、実施例1と比較例1のそれぞれのサイアロン蛍光体の励起スペクトルと発光スペクトルとを示す。スペクトルの測定にあたっては、ローダミンB法及びメーカー提供の標準光源を用いて校正した日立製作所製の分光蛍光光度計F−4500を用いた。実施例1のサイアロン蛍光体は励起ピーク波長398nm、発光ピーク波長573nmである。励起スペクトル測定時の発光モニタ波長は573nmに、また発光スペクトル測定時の励起波長は398nmにそれぞれ設定して測定した。比較例1のサイアロン蛍光体は励起ピーク波長410nm、発光ピーク波長585nmである。励起スペクトル測定時の発光モニタ波長は585nmに、また発光スペクトル測定時の励起波長は410nmにそれぞれ設定して測定した。
図9から、実施例1と比較例1の各サイアロン蛍光体ともに、紫外光から青色光にかけての広範な波長領域に平坦な励起ピーク域を有し、黄色あるいは橙色のブロードな発光ピークを有し、白色LEDに好適な蛍光体であることがわかる。実施例1のサイアロン蛍光体は比較例1よりも若干発光強度が低下しているが、白色LEDに適用するにあたって十分な発光強度を有している。また、実施例1のサイアロン蛍光体は比較例1のサイアロン蛍光体よりも短波長に発光ピーク波長がある。白色LEDでは、様々な色温度を達成することが求められており、実施例1のサイアロン蛍光体を用いた白色LEDは、比較例1のサイアロン蛍光体を用いた白色LEDよりも高い色温度を実現することが可能である。なお、これら発光特性の変化は、実施例1において添加されているCaO−Al−SiO系ガラス相の成分の一部がアルファサイアロン蛍光体に取り込まれた結果によるものと推測される。
<実験3:粉末X線回折パターンの測定>
実施例1と比較例1のそれぞれのガラス相溶解工程前後の各試料の結晶構造を特定するために、粉末X線回折パターンの測定を実施した。測定には、RIGAKU社製粉末X線回折装置RINT−2200/PCを用いた。それぞれの測定結果と、JCPDS−ICDDのPDF−2データベースのX線データカードNo.33−0261(カルシウムアルファサイアロン)のピーク位置とを図10に示す。
図10に示す結果から、いずれの試料もアルファサイアロン単相結晶であることが確認された。また、実施例1のガラス相溶解工程前の試料については、ガラス相に起因するハローが観測された。
以上の実験1〜3の結果から、本発明により、アルファサイアロン蛍光体の粗大な単結晶粒子、または該単結晶粒子が疎に組み合わせられた凝集二次粒子が得られたことが実証された。
<実験4:白色LEDランプの作製>
実施例1の蛍光体を用いて、図11に示す構造の白色LEDランプ1を作製した。この白色LEDランプ1は、上部が球面の略円柱形状ないし砲弾形状を有し、電極端子としてのリードワイヤ2及び3、青色の光を発する青色LED素子4、ボンディングワイヤ5、蛍光体7、透明な樹脂6及び8からなり、リードワイヤ2及び3の下部は外部に延出している。リードワイヤ2の上端部には、凹部が設けられ、この凹部に青色LED素子4が載置されている。また、この青色LED素子4には、上面(ボンディングワイヤ5側の面)に1個、下面(リードワイヤ2の凹部側の面)にもう1個の電極が設けられており(共に図示せず)、上面の電極とリードワイヤ3とがボンディングワイヤ5により電気的に接続され、下面の電極とリードワイヤ2とが導電性ペーストを用いたダイボンディング等により電気的に接続されている。また、前記凹部を含む青色LED素子4の近傍は透明な樹脂6により封止され、この樹脂6中に蛍光体7が分散されている。また、前記のリードワイヤ2及び3、青色LED素子4、ボンディングワイヤ5、蛍光体を分散させた透明な樹脂6は、透明な樹脂8により封止されている。透明な樹脂6及び8には、同一のエポキシ樹脂を用いた。
製造手順を示す。第一の工程では、一組のリードワイヤの一方にある素子載置用の凹部に発光ピーク波長450nmの青色LED素子4を導電性ペーストを用いてダイボンディングした。
第二の工程では、青色LED素子4の上面側の電極ともう一方のリードワイヤ3とを金細線でワイヤボンディングした。
第三の工程では、実施例1で作製したアルファサイアロン蛍光体粉末を25質量%で分散させた第一の樹脂を青色LED素子4を被覆するように素子載置用の凹部に適量塗布してプレディップし第一の樹脂を硬化させた。
第四の工程では、青色LED素子4・第一の樹脂を第二の樹脂で包囲して硬化させた。この第四の工程はキャスティング法により実施した。
リードワイヤは一組のリードワイヤが一体に成形されたものを用いたので、第五の工程でこの2本のリードワイヤの間をつないでいる部分を切り落とした。
製作した白色LEDランプの光学特性の測定には、Optronic Laboratories,Inc.製の発光ダイオード測定装置OL−770と積分球を用いた。発光スペクトルを図12に示す。CIE1931色度図上の色度座標(x、y)は(0.417,0.401)であり、JIS Z9112−1990「蛍光ランプの光源色及び演色性による区分」に定められた温白色の範囲であった。黒体輻射軌跡によく一致しており、相関色温度は3340Kであった。発光効率は13.61m/Wであり、白熱電球と同程度の十分実用的な発光効率を有していた。
本発明に係る実施例1で作製したアルファサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡画像(倍率3万倍)である。 本発明に係る実施例1で作製したアルファサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡画像(倍率5千倍)である。 本発明に係る実施例1で作製したアルファサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡画像(倍率1千倍)である。 従来法である比較例1で作製したアルファサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡画像(倍率3万倍)である。 従来法である比較例1で作製したアルファサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡画像(倍率5千倍)である。 従来法である比較例1で作製したアルファサイアロン蛍光体の走査型電子顕微鏡画像(倍率1千倍)である。 実施例1のアルファサイアロン蛍光体の焼結直後の状態を示す走査型電子顕微鏡画像(倍率5千倍)である。 比較例1のアルファサイアロン蛍光体の焼結直後の状態を示す走査型電子顕微鏡画像(倍率5千倍)である。 実施例1及び比較例1のアルファサイアロン蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトル測定結果を示すグラフである。 実施例1及び比較例1のアルファサイアロン蛍光体の粉末X線回折パターンを示すグラフである。 本発明に係る白色LEDランプを例示する断面図である。 本発明に係る白色LEDランプの発光スペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1…白色LEDランプ、2,3…リードワイヤ、4…青色LED素子、5…ボンディングワイヤ、6…樹脂、7…蛍光体、8…樹脂。

Claims (11)

  1. 一般式:M(Si,Al)12(O,N)16
    (式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)
    で表され、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光するアルファサイアロン蛍光体であって、
    その長手方向の長さが1μm〜30μmの単結晶粒子が複数個、疎に組み合わされてなり、その二次粒径が10μm〜200μmの凝集体粒子であることを特徴とするアルファサイアロン蛍光体。
  2. 前記Mは、Ca又はYの少なくともいずれか1種と、2価のEu又は3価のCeの少なくともいずれか1種とを含むことを特徴とする請求項1に記載のアルファサイアロン蛍光体。
  3. 窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末であって、
    一般式:M(Si,Al)12(O,N)16
    (式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)
    で表され、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光するアルファサイアロン蛍光体を構成する成分が原料粉末全量に対し80質量%以上配合され、該原料粉末の焼結時に液相を構成し、焼結後のアルファサイアロン蛍光体中間生成物においてアルファサイアロン蛍光体の単結晶粒子の大半を覆うCaO−Al−SiO系ガラス相を構成する成分が原料粉末全量に対し20質量%以下で配合されていることを特徴とするアルファサイアロン蛍光体原料粉末。
  4. 窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca又はYの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、Eu又はCeの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末であることを特徴とする請求項に記載のアルファサイアロン蛍光体原料粉末。
  5. 窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末を、1600℃以上かつCaO−Al−SiO系液相が存在する高温温度域において窒素雰囲気中で焼結し、
    一般式:M(Si,Al)12(O,N)16
    (式中、MはCa,Y,Mg,Li,Sc,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、xは0<x≦2の範囲である。)
    で表され、主相がアルファサイアロン結晶構造を有し、前記式中のMの少なくとも1種がアルファサイアロン結晶構造中に固溶されて発光中心となる元素であり、紫外光又は青色光で励起されて可視光又は近赤外光を発光するアルファサイアロン蛍光体を得ることを特徴とするアルファサイアロン蛍光体の製造方法。
  6. 窒化珪素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、Ca又はYの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、Eu又はCeの少なくともいずれか1種の元素を含む酸化物粉末又は炭酸塩粉末又は窒化物粉末と、アルミナ粉末と、シリカ粉末とを秤量し混合したアルファサイアロン蛍光体原料粉末を用いることを特徴とする請求項に記載のアルファサイアロン蛍光体の製造方法。
  7. 原料粉末を秤量し混合するにあたり、この配合割合を、アルファサイアロン蛍光体を構成する成分が原料粉末全量に対し80質量%以上であり、該原料粉末の焼結時に液相を構成し、焼結後にCaO−Al−SiO系ガラス相を構成する成分が原料粉末全量に対し20質量%以下であるように配合することを特徴とする請求項又はに記載のアルファサイアロン蛍光体の製造方法。
  8. 各原料粉末を秤量し混合した後に原料粉末凝集体の粒径が10μm〜200μmとなるように造粒する工程を設けることを特徴とする請求項のいずれかに記載のアルファサイアロン蛍光体の製造方法。
  9. 焼結後に酸溶液によってガラス相成分を除去する工程を設けることを特徴とする請求項のいずれかに記載のアルファサイアロン蛍光体の製造方法。
  10. 前記酸溶液はフッ化水素酸と硫酸と水からなる混酸であることを特徴とする請求項に記載のアルファサイアロン蛍光体の製造方法。
  11. 青色光又はそれより短波長で発光する発光ダイオード素子と、請求項1または2に記載のアルファサイアロン蛍光体とを有することを特徴とする発光ダイオードランプ。
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