上記特許文献1に開示された発明では、フードを閉止する際に、フードダンパを弾性変形させることによりフードの閉止時に作用する衝撃エネルギーを吸収することができるとともに、フード上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合に、上記緩衝部を変形させて衝撃エネルギーを吸収することにより、上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃をある程度緩和することが可能である。
しかし、上記衝突事故の発生時に緩衝部となる支持ブラケットを変形させることによってフードに作用する衝撃エネルギーを吸収するように構成した場合には、大きな力でフードを閉止した場合、またはフード上に人が腰掛けたり、子供が乗ったりした場合等に所定の衝撃荷重が入力されると、上記支持ブラケットが塑性変形してフードを閉止状態に保持する機能が損なわれるという問題がある。このような問題が発生するのを防止するために、上記支持ブラケットの剛性を高い値に設定すると、フード上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合に、上記支持ブラケットを早期に変形させることが困難であり、この支持ブラケットを変形させることによる衝撃エネルギーの吸収効果を充分に発揮させることができないという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、フードを閉止する際等に、緩衝材としての機能を有するストッパを弾性変形させることによりフードの入力された衝撃エネルギーを吸収することができるとともに、フード上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合に歩行者の頭部に加えられる衝撃を効果的に緩和することができる自動車のフードストッパ構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、車体の前部に設けられたフードの閉止時に緩衝材として機能するストッパ手段がフードと車体側部材との間に設けられた自動車のフードストッパ構造において、上記ストッパ手段に、弾性体からなるストッパと、このストッパが離脱可能に支持される支持孔が設けられるとともに車体側部材に取り付けられる支持ブラケットと、フード上に人が腰掛け、あるいは通常よりも大きな力でフードを閉止する際に作用する下向きの荷重に相当する第1の値以上の荷重が上記支持ブラケットに入力されたときに荷重を吸収しつつストッパの下方移動を許容する第1の荷重吸収手段と、上記第1の値よりも大きな値であって上記フード上に人が倒れ込む等の衝突事故が発生した際に作用する下向きの荷重に相当する第2の値以上の荷重が入力されたときに上記第1の荷重吸収手段とストッパの支持孔との間で荷重を吸収する第2の荷重吸収手段とを設け、上記第1の荷重吸収手段は、車体側部材の被取付部に取り付けられた棒状部材と、上記ストッパ手段の支持ブラケットに設けられた第1ストリットとを有し、この第1スリットを上記第1の値以上の荷重に応じて棒状部材に沿ってスライド変位させるとともに、上記支持孔からストッパが離脱するのを抑制しつつ荷重を吸収するように構成され、上記第2の荷重吸収手段は、上記棒状部材とストッパの支持孔との間に配設されて支持ブラケットに入力された荷重が上記第2の値以上となるまで、棒状部材の移動を規制する規制手段と、この第2の値以上の荷重が作用した際に上記ストッパの支持孔を拡開変形させる拡開手段とを備えたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のフードストッパ構造において、上記棒状部材が、支持ブラケットを車体側部材に取り付ける取付ボルトにより構成されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のフードストッパ構造において、上記第1スリットが、棒状部材よりも幅の狭い狭幅部を備えたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のフードストッパ構造において、上記棒状部材の挿通部と第1スリットとの間に、支持ブラケットに入力された荷重が第1の値以上となるまで棒状部材が第1ストリット内に進入するのを規制する第1進入規制手段を設けたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のフードストッパ構造において、上記ストッパの支持部と棒状部材の挿通部との間に、支持ブラケットに入力された荷重が第1の値以上となるまで上記棒状部材がストッパの支持部に近付く方向に進入するのを規制する第2進入規制手段を配設するとともに、この第2進入規制手段を挟んで複数の第1スリットを直列に配設したものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のフードストッパ構造において、上記第2の荷重吸収手段は、支持ブラケットに設けられたストッパの支持孔に連通する第2スリットからなる拡開手段を備えたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項6に記載の自動車のフードストッパ構造において、上記第2の荷重吸収手段の第2スリットの全長が上記第1スリットよりも短い値に設定されたものである。
請求項8に係る発明は、上記請求項6または7に記載の自動車のフードストッパ構造において、第1スリットと第2スリットとの間に、支持ブラケットに入力された荷重が第2の値以上となるまで棒状部材が第2ストリット内に進入するのを規制する第3進入規制手段を設けたものである。
請求項9に係る発明は、上記請求項8に記載の自動車のフードストッパ構造において、支持ブラケットに設けられたストッパの支持部に連通する第3スリットを第2スリットの設置部と反対側の位置に設けたものである。
請求項1に係る発明によれば、フードを閉止する際に、緩衝材としての機能を有する上記ストッパを弾性変形させることによりフードの閉止時に作用する衝撃エネルギーを吸収することができるとともに、フード上に人が腰掛ける等により上記フードの閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケットに入力された場合には、フード上に人が腰掛ける等により上記フードの閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケットに入力された場合には、上記第1スリットが設けられた支持ブラケットを、車体側部材の被取付部に設けられた棒状部材によってガイドしつつ下方に移動させることにより、第1の荷重吸収手段によりストッパを下方に変位させつつ上記荷重を吸収することができるため、ストッパが支持ブラケットから離脱することによる二次災害の発生を抑制できるという利点がある。また、フード上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生して上記第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が支持ブラケット入力された場合には、上記第1の荷重吸収手段により荷重を吸収した後、ストッパの支持部との間に配設された第2の荷重吸収手段により荷重を吸収して上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃を効果的に緩和できるという利点がある。
請求項2に係る発明によれば、フード上に人が腰掛ける等により上記フードの閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケットに入力された場合には、車体側部材に固着された取付ボルトのねじ軸を第1スリットに沿ってスライドさせる等により、上記支持ブラケットを安定して下方に移動させることができるため、既存の部品である上記取付ボルトを利用して上記荷重を効果的に吸収できるという利点がある。
請求項3に係る発明によれば、フード上に人が腰掛ける等により上記フードの閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケットに入力された場合には、棒状部材が上記第1スリット内に進入してガイドされる等により、上記支持ブラケットを安定して下方に移動させることができるとともに、第1スリットの狭幅部を拡開変形させる際に上記荷重を効果的に吸収することができる。
請求項4に係る発明によれば、フードを閉止する際には、上記支持ブラケットに入力される荷重が一定値以上となるまで上記棒状部材が第1スリット内に進入することが第1進入規制手段によって規制されるため、支持ブラケットに支持された上記ストッパによる衝撃エネルギーの吸収作用が充分に発揮されるとともに、フード上に人が腰掛ける等により上記フードの閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケットに入力された場合には、棒状部材が上記第1進入規制手段の設置部を突破する等により、上記第1スリット内に棒状部材がより適切な時期に進入して上記荷重が効果的に吸収されるという利点がある。
請求項5に係る発明によれば、上記フードの閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケットに入力された場合には、ストッパの支持部と棒状部材の挿通部との間に配設された第2進入規制手段の設置部を突破して複数の第1スリット内に上記棒状部材が順次、進入して上記荷重が効果的に吸収されることになる。したがって、フード上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合に、ピーク荷重を抑えながら、上記歩行者の頭部に加えられる衝撃を効果的に緩和できるという利点がある。
請求項6に係る発明によれば、第2の荷重吸収手段として支持ブラケットに設けられた支持孔からなるストッパの支持部に連通する第2スリットを設けため、この第1スリット内を上記棒状部材が移動する際に充分に荷重を吸収した後、上記第2スリット内に棒状部材が進入した時点でこの第2スリットを拡幅させるとともに、これに対応して上記支持部を拡開変形させることによりこの支持部から上記ストッパを迅速かつ効果的に離脱させることができる。
また、請求項7に係る発明では、上記第2スリットの全長を第1の荷重吸収手段を構成する第1スリットよりも短い値に設定したため、歩行者がフード上に倒れ込む等の衝突事故が発生する等により、上記第2の荷重吸収手段を構成する規制手段に作用する荷重が第2の値以上となって棒状部材の規制が解除された後に、この棒状部材が適正時期に精度良く第2スリット内に進入し、その後にストッパが上記支持孔から離脱した時点で、フードが大きく変形することにより歩行者の頭部等に加えられる衝撃荷重が急減されることになる。
請求項8に係る発明によれば、フード上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生して上記第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が支持ブラケット入力された場合には、上記第1の荷重吸収手段により荷重を吸収した後、棒状部材が上記第3進入規制手段の設置部を突破する等により、上記第2スリット内に棒状部材がより適切な時期に進入してストッパの支持部が拡開変形されることにより、ストッパの支持部からストッパが効果的に離脱されるとともに、上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃が効果的に緩和されるという利点がある。
請求項9に係る発明によれば、上記ストッパの支持部に連通する第3スリットを支持ブラケットに設けたため、この支持ブラケットに第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が入力されて第2スリット内に上記棒状部材が進入した時点で、支持ブラケットの第2スリットが拡幅されてストッパの支持部が第3スリットを起点に拡開変形されることになる。このため、ストッパの支持部からストッパを効果的に離脱させることが可能となり、このストッパがフードと車体側部材との間に挟み込まれるという事態の発生を抑制し、上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃を、より効果的に緩和できるという利点がある。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車のフードストッパ構造を備えた前部車体を示している。この前部車体には、前方部に設けられたシュラウドアッパ1と、左右両側辺部に設けられたフロントフェンダパネル2と、後方部に設けられたダッシュパネル3とにより囲繞されたエンジンルーム4の上端開口部を開閉するフード5が設けられている。
上記フード5は、その後端部下面とフロントフェンダパネル2の後端部上面との間に配設されたフードヒンジ6を支点として揺動操作されることにより、エンジンルーム4の上端開口部を閉止した状態と開放した状態とに変位可能に支持されている。また、上記フード5の前端部下面とシュラウドアッパ1の上面との間には、フード5を閉止状態に保持する図略のフードロックが設けられるとともに、フード5の閉止時に緩衝材として機能するストッパ7がシュラウドアッパ1上の4個所に設けられている。
上記ストッパ7は、合成ゴム材等により形成された円柱状体からなり、図2および図3に示すように、シュラウドアッパ1に取り付けられた支持ブラケット8に支持されるように構成されている。この支持ブラケット8には、取付ボルト9によりシュラウドアッパ1の被取付部に締着される第1脚部10と、この第1脚部10の上端部から車体の前方側に延びる天板部11と、この天板部11の前端部に連設された後上がりの傾斜面12を有する第2脚部13とが設けられている。この支持ブラケット8の第2脚部13には、上記傾斜面12の下端部から車体の前方側に向けて突出するフランジ14が設けられるとともに、このフランジ14に上記取付ボルト15の挿通孔16が形成されている。
上記天板部11の中央部には、ストッパ7が嵌着される支持孔17からなるストッパ7の支持部が形成されるとともに、この支持孔17は、その周縁部が螺旋状に形成されている。また、ストッパ7の下方部には雄ねじ状の突条部7aが形成され、この突条部7aが上記支持孔17にねじ込まれることにより、この支持孔17に上記ストッパ7が嵌着されるようになっている。
そして、上記支持ブラケット8に支持されたストッパ7は、フード5の下面に設けられたフードインナパネル21の下面が当接するように配設され、フード5の閉止時に図3の矢印αに示すように略鉛直方向に、例えば1.4N程度の荷重が上記ストッパ7に入力された場合に、この荷重に応じて上記ストッパ7が弾性変形することにより、フード閉止時の衝撃エネルギーが吸収されるとともに、自動車の走行時におけるフード5の振動が上記ストッパ7により規制されるようになっている。
上記第1脚部10には、下端部に取付ボルト9が挿通される挿通孔18が形成されるとともに、その上方側には長孔状の第1スリット19,20がその長手方向に連続して配設され、かつ補強用のフランジ部10aが第1脚部10の左右両側辺部に設けられている。また、上記第1脚部10の上端部および天板部11の後方部には、上記支持孔17の後縁部に連通する長孔状の第2スリット22が形成されるとともに、支持ブラケット8の天板部11には、上記支持孔17の前縁部に連通するU字状の切欠きからなる第3スリット23が形成されている。上記第1スリット19,20および第2スリット22は、その幅寸法が取付ボルト9のねじ軸よりも小さな値に設定されている。また、上記第2スリット22は、その全長が第1スリット19,20よりも短い値に設定されている。
上記取付ボルト9の挿通孔18とその上方に位置する第1スリット19との間には、取付ボルト13のねじ軸が第1スリット19内に進入するのを規制する所定幅の第1閉塞部24からなる第1進入規制手段が設けられるとともに、上記挿通孔18の上方に設置された第1スリット19とその上方に位置する第1スリット20との間には、上記取付ボルト13のねじ軸が上方側の第1スリット20内に進入するのを規制する所定幅の第2閉塞部25からなる第2進入規制手段が設けられ、かつ上記第1スリット20と第2スリット22との間には、上記第1,第2閉塞部24,25よりも幅寸法の大きい第3閉塞部26からなる第3進入規制手段が設けられている。
上記シュラウドアッパ1は、後下がりに傾斜した後壁部27を有し、この後壁部27に、支持ブラケット8の第1脚部10が取付ボルト9により取り付けられるとともに、シュラウドアッパ1の上面前方部に、支持ブラケット8の第2脚部13が取付ボルト15により取り付けられるように構成されている。また、シュラウドアッパ1の上面後方部には、上記支持孔17から離脱したストッパ7の収容部となる凹部28が設けられている。
そして、フード5上に人が腰掛けたり、あるいは通常よりも強い力でフード5が閉止されたりする等により、通常のフード閉止時に入力される荷重よりも大きな第1値(例えば1.7N)以上の荷重が、上記支持ブラケット8に支持されたストッパ7に作用したときには、上記第1,第2閉塞部24,25が取付ボルト15のねじ軸により順次、破断され、上記第1スリット19,20内にねじ軸が進入して支持ブラケット8の第1脚部10がシュラウドアッパ1の後壁部27に沿って下方に移動することにより、上記荷重が吸収されるようになっている。つまり、上記取付ボルト9、第1,第2閉塞部24,25および第1スリット19,20により、支持ブラケット8に入力された上記第1の値に相当する荷重を吸収しつつ、支持ブラケット8に支持されたストッパ7の下方移動を許容する第1の荷重吸収手段が構成されている。
また、例えば自動車の走行時に歩行者が車体の前面に衝突して図4に示すように、歩行者がフード5上に倒れ込む等の衝突事故が発生し、支持ブラケット8に支持されたストッパ7に上記第1の値よりも大きな第2の値(例えば2.5N)以上の荷重が入力されたときには、上記第1,第2閉塞部26よりも幅寸法の大きい第3閉塞部26が取付ボルト15のねじ軸により破断されて上記第2スリット22内にねじ軸が進入し、支持ブラケット8の第1脚部10がシュラウドアッパ1の後壁部27に沿って下方に移動することにより、上記荷重が吸収されるようになっている。つまり、取付ボルト9、第3閉塞部26および第2スリット22により、上記支持ブラケット8に入力された第2の値に相当する荷重を吸収しつつ、支持ブラケット8に支持されたストッパ7の下方移動を許容する第2の荷重吸収手段が構成されている。
上記のように車体の前部に設けられたフード5の閉止時に緩衝材として機能するストッパ手段が、フード5とシュラウドアッパ1からなる車体側部材との間に設けられた自動車のフードストッパ構造において、上記ストッパ手段に、弾性体からなるストッパ7と、このストッパ7の支持孔17を有するとともに車体側部材に取り付けられる支持ブラケット8と、支持ブラケット8に上記第1の値以上の荷重が入力されたときに荷重を吸収しつつストッパ7の下方移動を許容する第1の荷重吸収手段と、上記第1の値よりも大きな値に設定された第2の値以上の荷重が入力されたときに上記第1の荷重吸収手段とストッパ7の支持孔17との間で荷重を吸収する第2の荷重吸収手段とを設けたため、フード5の閉止時に作用する衝撃エネルギーを吸収できるとともに、上記フード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケット8に入力された場合に、上記取付ボルト9、第1,第2閉塞部24,25および第1スリット19,20からなる第1の荷重吸収手段により上記荷重を適正に吸収することができ、かつ上記の第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が支持ブラケット8に入力された場合に、上記取付ボルト9、第3閉塞部26および第2スリット22からなる第2の荷重吸収手段により荷重を適正に吸収できるという利点がある。
すなわち、フード5を閉止する際には、上記支持ブラケット8に支持されたストッパ7を弾性変形させることによりフード閉止時の衝撃エネルギーを吸収することができる。また、フード5上に人が腰掛ける等により上記フード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が入力された場合には、上記車体側部材に固着された取付ボルト9と、支持ブラケット8に設けられた第1,第2閉塞部24,25および第1スリット19,20とからなる第1の荷重吸収手段によりストッパ7を下方に変位させつつ荷重を吸収することができるため、ストッパ7が支持ブラケット8から離脱するのを抑制してこのストッパ7が車両用補機に噛み込むこと等に起因した二次災害の発生を効果的に低減できるという利点がある。
さらに、フード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生して上記第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が入力された場合には、上記第1の荷重吸収手段により荷重を吸収した後、上記第1スリット19,20とストッパ7の支持孔17との間に配設された上記第3閉塞部26および第2スリット22と、シュラウドアッパ1からなる車体側部材に固着された取付ボルト9とからなる第2の荷重吸収手段により上記荷重を吸収することにより、歩行者の頭部等に加えられる衝撃を効果的に緩和できるという利点がある。
特に、上記第1実施形態では、第1の荷重吸収手段を構成する第1スリット19,20の幅寸法を取付ボルト9のねじ軸よりも小さな値に設定したため、フード5上に人が腰掛ける等により上記フード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が入力された場合に、上記取付ボルト9のねじ軸からなる棒状部材が上記第1スリット19,20内に進入してガイドされつつ、この第1スリット19,20が拡幅されることになる。この結果、上記支持ブラケット8を安定させた状態で下方に移動させることができるとともに、第1スリット19,20を上記棒状部材により拡幅する際に上記荷重を効果的に吸収できるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、第2の荷重吸収手段を構成する第2スリット22の幅寸法を取付ボルト9のねじ軸よりも小さな値に設定したため、フード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生して上記第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が支持ブラケット8に入力された場合に、上記取付ボルト9のねじ軸からなる棒状部材が上記第2スリット22内に進入してガイドされつつ、この第2スリット22が拡幅されることになる。これにより、上記支持ブラケット8を安定して下方に移動させることができるとともに、第2スリット22を上記棒状部材により拡開変形させる際に上記荷重を効果的に吸収できるという利点がある。
なお、上記第1,第2スリット19,20,22の全体に亘りその幅寸法を取付ボルト9のねじ軸よりも小さな値に設定してなる上記第1実施形態に代え、第1,第2スリット19,20,22の一部に、その幅寸法が取付ボルト9のねじ軸よりも小さな値に設定された狭幅部を設けた構造としてもよい。
また、上記実施形態では、取付ボルト9の挿通孔18からなる棒状部材の設置部と、その上方に位置する第1スリット19との間に、上記第1閉塞部24からなる第1進入規制手段を設けることにより、上記支持ブラケット8に入力された荷重が第1の値以上となるまで棒状部材が第1スリット19内に進入するのを規制するように構成したため、フード5を閉止する際に、支持ブラケット8に入力される荷重を上記第1進入規制手段(第1閉塞部24)において支持することにより、上記第1スリット19内に棒状部材が進入するのを防止し、上記支持ブラケット8に塑性変形させることなく、フード閉止時の衝撃エネルギーを上記ストッパ7により効果的に吸収することができる。
一方、フード5上に人が腰掛ける等により上記フード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が上記ストッパ7を支持する支持ブラケット8に入力された場合には、上記第1進入規制手段による棒状部材の進入規制状態が解除された時点、つまり上記第1閉塞部24が破断された時点で、上記棒状部材を第1スリット19内に進入させて支持ブラケット8の第1脚部10を車体側部材の被取付部(シュラウドアッパ1の後壁部27)に沿って下方に移動させることにより、上記フード5をクッション材として効果的に機能させて上記支持ブラケット8に入力された荷重を充分に吸収できるという利点がある。しかも、上記第1閉塞部24の破断強度を適宜の値に設定することにより、上記棒状部材が第1スリット19内に進入する時点の荷重を容易かつ適正値に設定できるという利点がある。
さらに、上記第1実施形態では、支持ブラケット8に設けられたストッパの支持孔17と上記棒状部材の挿通孔18との間に、上記支持ブラケット8に入力された荷重が第1の値以上となるまで上記取付ボルト9のねじ軸からなる棒状部材が上記支持孔17の設置部に近付く方向に進入するのを規制する第2閉塞部25からなる第2進入規制手段を配設するとともに、この第2進入規制手段を挟んで複数の第1スリット19,20を直列に配設したため、フード5上に人が腰掛ける等により上記フード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1値以上の荷重が上記ストッパ7を支持する支持ブラケット8に入力された場合に、ストッパ7が支持ブラケット8から離脱するのを、より効果的に抑制してこのストッパ7が車両用補機に噛み込むこと等に起因した二次災害の発生を低減できるという利点がある。
例えば、上記図6の実線Aで示すように、ストッパ7に入力される荷重が一定値以上となる時点t1までの間にストッパ7が弾性変形することにより衝撃エネルギーが吸収される。次いで、上記第1の荷重K1が作用した場合には、支持ブラケット8の第1,第2閉塞部24,25が順次、破断され、この破断時点t2,t3点で荷重が段階的に吸収されるとともに、支持ブラケット8の第1脚部10がシュラウドアッパ1の後壁部27に沿って下降することにより、フード5によるクッション作用が充分に発揮されて上記第1の荷重が効果的に吸収されることになる。
また、上記第1の実施形態では、第2の荷重吸収手段として支持ブラケット8に設けられた支持孔17からなるストッパ7の支持部に連通する第2スリット22を設け、この第2スリット22の全長を上記第1の荷重吸収手段を構成する第1スリット20,21よりも短い値に設定したため、この第1スリット20,21内を上記棒状部材が移動する際に充分に荷重を吸収した後、上記第2スリット22内に棒状部材が進入した時点でこの第2スリット22を拡開変形させるとともに、これに対応して上記支持孔17を拡幅させることにより上記ストッパ7を支持孔17から迅速かつ効果的に離脱させることができる。
さらに、上記第1の実施形態では、第1脚部10の上方側に位置する第1スリット21と、第2の荷重吸収手段を構成する第2スリット22との間に、上記支持ブラケット8に入力された荷重が第1の値K1よりも大きい第2の値K2以上となるまで上記棒状部材が第2スリット22内に進入するのを規制する上記第3閉塞部26からなる第3進入規制手段を設けたため、フード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合に、図6の実線Aで示すように、上記第1の荷重吸収手段により荷重を吸収した後、上記第1の値K1よりも大きな第2の値K2以上の荷重が入力された時点t4で棒状部材が上記第3進入規制手段の設置部を突破する等により、上記第2スリット22内に棒状部材をより適切な時期に進入させてストッパ7の支持孔17を拡開変形させることができる。このため、上記支持孔17が充分に拡開変形した時点t5で、この支持孔17から上記ストッパ7を適正なタイミングで効果的に離脱させることでき、特許文献1に示されるように、車体側部材にストッパの下部が確実に落とし込まれる逃がし孔を形成する等の手段を講じることなく、上記ストッパ7がフード5と車体側部材との間に挟み込まれるのを防止して上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃を効果的に緩和することができる。
例えば、フード5とシュラウドアッパ1からなる車体側部材との間に上記ストッパ7が挟み込まれた場合には、図6の仮想線Bで示すように、歩行者の頭部等がフード5に上面に衝突する事故が発生した時点t0の後、上記ストッパ7の挟み込みが発生する時点taまで間は、このストッパ7に作用する荷重が略一定の割合で上昇するとともに、上記挟み込みが発生した時点taの後に、このストッパ7によりフード5の変形が阻止されることになる結果、上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃荷重が急上昇することになる。
これに対して上記第1実施形態のように、図6の実線Aで示すように、支持ブラケット8に所定の荷重が入力された時点t5で、上記支持孔17からストッパ7を離脱させるように構成した場合には、このストッパ7が離脱した時点t5でフード5を大きく変形させることにより、従来よりもピーク荷重を抑えながらフード5がシュラウドアッパ1に当接する前に衝撃エネルギーを充分に吸収することができるとともに、このフード5の下降ストロークを充分に確保して歩行者の頭部等に加えられる衝撃荷重を急減させることができる。しかも、上記第3閉塞部26の破断強度を適宜の値に設定することにより、上記棒状部材が第2スリット22内に進入する時点t4の荷重を容易かつ適正値に設定し、これに対応して上記ストッパ7の離脱時点t5を適正時期に設定できるという利点がある。
さらに、上記第1実施形態では、支持ブラケット8に設けられた第2スリット22の設置部と反対側(前端部側)の位置において、上記ストッパ7の支持孔17に連通する第3スリット(U字状の切欠き)23を設けため、上記支持ブラケット8に支持されたストッパ7に一定値以上の荷重が作用して上記取付ボルト13のねじ軸が支持ブラケット8の第3スリット22内に進入した時点で、この第3スリット23を起点として上記支持孔17からなるストッパ7の支持部を容易に拡開変形させることにより、この支持孔17からストッパ7が離脱するのを促進して適正時期に精度良くストッパ7を離脱させることができる。
さらに、上記第1実施形態では、シュラウドアッパ1の上面後方部に凹部28を設け、上記支持ブラケット8に設けられた支持孔17から離脱したストッパ7を上記凹部28内に収容するように構成したため、上記ストッパ7を紛失したり、エンジンルーム内の補機等に上記ストッパ7が噛み込んだりするという事態の発生を効果的に低減することができる。また、上記のように第1脚部10の左右両側に補強用のフランジ部10aを設けた場合には、支持ブラケット8に一定値以上の荷重が入力された場合に、上記第1脚部10が変形することに起因して、この第1脚部10を下方にスライド変位させることができなくなるという事態の発生を効果的に防止できるという利点がある。
上記第1実施形態では、フード5の閉止時に上記ストッパ7に入力される荷重の入力方向αが略鉛直方向に設定された自動車のフードストッパ構造において、上記ストッパ7を支持する支持部(支持孔17)と、その後方側に設けられて車体側部材の被取付部に取り付けられる第1脚部10とを備えた支持ブラケット8を設け、この支持ブラケット8の第1脚部10および上記車体側部材の被取付部を後下がりの傾斜面に沿って設置するとともに、この傾斜面に沿った方向に一定値以上の荷重が作用したときに、車体側部材の被取付部(シュラウドアッパ1の後壁部27)に沿って上記支持ブラケット8の第1脚部10を下方に移動させるように構成したため、フード5を閉止する際に上記ストッパ7を緩衝材として効果的に機能させることができるとともに、自動車の走行時に歩行者が車体の前面に衝突して図4に示すように、歩行者がフード5上に倒れ込んで歩行者の頭部がフード5にぶつかる等の衝突事故が発生した場合に、このフード5をクッション材として機能させて上記歩行者の頭部に加えられる衝撃を効果的に緩和できるという利点がある。
すなわち、上記フード5の閉止時には、その後端部に設けられたフードヒンジ6を支点にしてフード5が揺動変位することにより、図3の矢印αに示すように、略鉛直方向の荷重が上記ストッパ7および支持ブラケット8に入力されるため、この支持ブラケット8の第1脚部10をシュラウドアッパ1の後壁部27に圧接させる方向γの分力が作用することになる。したがって、フード5を閉止する際には、上記分力に対応した摩擦抵抗と、取付ボルト9の締着力に対応した移動抵抗との両方により、略鉛直方向αに作用する上記荷重を安定して支持することができ、支持ブラケット8が塑性変形したり、上記第1脚部10の取付け位置がずれたりするのを効果的に防止できるという利点がある。
これに対してフード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合には、図3の矢印βに示すように、上記支持ブラケット8の第1脚部10およびシュラウドアッパ1の後壁部27が設置された後下がりの傾斜面に沿って荷重が入力されるため、支持ブラケット8の第1脚部10をシュラウドアッパ1の後壁部27に圧接させる方向γに大きな分力が作用することはない。したがって、上記衝突事故の発生時には、比較的に早い段階で、シュラウドアッパ1の後壁部27に沿って上記支持ブラケット8の第1脚部10を下方に移動させることにより、図5示すように、支持ブラケット8を塑性変形させるとともに、フード5を下方に大きく変位させて上記歩行者の頭部等に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
特に、上記第1実施形態では、支持ブラケット8に設けられたストッパ7の支持孔17の前方側に、シュラウドアッパ1に取り付けられるとともに、前下がりに傾斜した傾斜面12を有する第2脚部13を設けたため、フード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生して上記後下がりの傾斜面に沿った方向βに一定値以上の荷重が上記支持ブラケット8に作用した場合に、支持ブラケット8の第2脚部13を容易に傾倒させて上記ストッパ7の支持部を車体の後方側に移動させることにより、その後方側に設けられた上記第1脚部10を車体側部材の被取付部(後壁部27)に沿ってスムーズに移動させることができる。
すなわち、フード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生した場合には、図3に示すように、第2脚部13の傾斜面12と略直交する方向βに荷重が作用するため、上記傾斜面12の下端部を支点にして上記第2脚部13の傾倒を増大させる方向δに大きな曲げモーメントが作用し、これに曲げモーメントに応じて支持ブラケット8を容易に塑性変形させることにより、図5に示すように、支持ブラケット8の天板部11および傾斜面12をシュラウドアッパ1上に倒伏させるとともに、第1脚部10をシュラウドアッパ1の後壁部27に沿ってスムーズに下降させることができる。
図7は、上記支持ブラケット8の第1脚部10に設けられた棒状部材の挿通孔18からなる挿通部に連通した第1スリット29と、支持ブラケット8の天板部11に設けられた支持孔17からなるストッパ7の支持部に連通するとともに、全長が上記第1スリット29よりも短い値に設定された第2スリット30とが支持ブラケット8に設けられ、かつ上記第1スリット29と第2スリット30との間に閉塞部31からなる第3進入規制手段が設けられることにより、支持ブラケット8に入力される荷重が一定値、つまり第2の値以上となるまで、上記棒状部材が第2スリット30内に進入するのを規制するように構成された本発明の第2実施形態を示している。
上記第2実施形態では、図8の実線Cで示すように、ストッパ7に第1の荷重が入力される時点t1までの間にストッパ7が弾性変形することにより衝撃荷重が吸収されるとともに、上記第1の値K1以上の荷重が入力された時点t21の後に荷重が上昇するのに伴って支持ブラケット8の挿通孔18内にある取付ボルト9のねじ軸が上記第1スリット29内に進入し、この進入時点t21から上記ねじ軸が閉塞部31に当接する時点t22までの間は、それ程大きな荷重の上昇を生じることなく、上記ねじ軸により支持ブラケット8の第1脚部10がガイドされつつ、支持ブラケット8の第1脚部10がシュラウドアッパ1の後壁部27に沿って下降することにより、フード5上に人が腰掛ける等により上記フード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値K1以上の荷重が支持ブラケット8に入力された場合に、この荷重を安定して緩和することができる。
そして、自動車の走行時に歩行者が車体の前面に衝突して図4に示すように、歩行者がフード5上に倒れ込む等の衝突事故が発生する等により、上記閉塞部31に作用する荷重が第2の値K2以上となった時点t23で、この閉塞部31からなる第3進入規制手段が破断されて、上記ねじ軸が適正時期に精度良く第2スリット30内に進入し、その後にストッパ7が上記支持孔17から離脱した時点t24で、フード5が大きく変形することにより歩行者の頭部等に加えられる衝撃荷重が急減されることになる。
なお、上記第1〜第3閉塞部24〜26および閉塞手段31からなる進入規制手段に代え、支持ブラケット8に形成された1本のスリットを部分的に被覆する別体の被覆プレートを設け、この被覆プレートによって上記取付ボルト9のねじ軸からなる棒状部材の移動を規制し、または上記スリットの幅寸法を部分的に小さくしあるいはスリットの側辺部の板厚を部分的に増大させる等により上記棒状部材に移動を規制するように構成してもよい。さらに、上記各進入規制手段を省略し、第1の荷重吸収手段を構成する第1スリットおよび第2の荷重吸収手段を構成する第2スリットの溝幅を変化させ、あるいは第1スリットおよび第2スリットの設置部における支持ブラケット8の板厚を変化させる等により、上記第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が支持ブラケット8に入力されたときに上記棒状部材が第1スリット内から第2スリット内に移動するように構成してもよい。
また、図9は、三角柱状の楔体32からなる棒状部材を車体側部材であるシュラウドアッパ1の後壁部27から後方に突設するとともに、鉛直方向に延びる第1脚部10を支持ブラケット8に設けてなる第3実施形態を示している。この第3実施形態では、支持ブラケット8の第1脚部10に、上記楔体32が挿通される挿通孔33と、この挿通孔33に連通する細幅の溝部から第1スリット34とが設けられるとともに、その上方に閉塞部35からなる第3進入規制手段を挟んで第2スリット36が設けられている。また、上記シュラウドアッパ1の後壁部27が延長方向に設置され、かつシュラウドアッパ1の上面後方部に、後下がりの傾斜面を有するとともに幅寸法が支持ブラケット8よりも大きな値に設定された凹部28が設けられている。さらに上記楔体29に先端部には、支持ブラケット8の第1脚部10に設けられた上記挿通孔33に上記楔体32を挿通させた状態で係止する止め輪37が止着されるようになっている。
上記第3実施形態では、図10に示すように、ストッパ7を支持する支持ブラケット8に入力される荷重が上記第1の値K1となった時点t31で、上記支持ブラケット8の第1スリット34内に上記楔体32からなる棒状部材が進入して第1スリット34が拡開変形される際に上記荷重が吸収される。そして、上記楔体32に閉塞部35が当接した時点で荷重が上昇し、この荷重が上記第2の値K2となった時点t32で閉塞部35が破断されて楔体32が第2スリット36内に進入し、この第2スリット36が拡幅されることにより上記荷重が吸収された後、ストッパ7の支持孔17が所定の径に拡開変形された時点t33でストッパ7が支持孔17から離脱することになる。
なお、上記各実施形態では、シュラウドアッパ1の後壁部27に取り付けられた取付ボルト9または上記楔状体32からなる棒状部材と、ストッパ7の支持ブラケット8に設けられた第1スリットとを有する第1の荷重吸収手段を設けた例について説明したが、ストッパ7の支持ブラケット8に取付ボルトまたは楔状体からなる棒状部材を設けるとともに、シュラウドアッパ1の後壁部27に第1スリットを設け、上記支持ブラケット8に第1の値以上の荷重が入力されたときに、上記第1スリットに沿って上記棒状部材をスライド変位させつつ荷重を吸収するように構成してもよい。
そして、上記シュラウドアッパ1の後壁部27に設けられた第1スリットの下方に、第2の荷重吸収手段を構成する第2スリットを設けるとともに、両スリットの間に第3閉塞部等からなる進入規制手段を設け、上記支持ブラケット8に第2の値以上の荷重が入力されたときに上記第3閉塞部を破断させて上記棒状部材を第2スリット内に進入させるようにしてもよい。このように構成した場合においても、フード5上に人が腰掛ける等によりフード5の閉止時に入力される荷重よりも大きな第1の値以上の荷重が支持ブラケット8に入力された場合に、第1の荷重吸収手段によりストッパ7を下方に変位させつつ荷重を吸収してストッパ7が支持ブラケット8から離脱することによる二次災害の発生を抑制できるとともに、フード5上に歩行者の頭部がぶつかる等の衝突事故が発生して上記第1の値よりも大きな第2の値以上の荷重が支持ブラケット8に入力された場合に、上記第1の荷重吸収手段により荷重を吸収した後、上記第2の荷重吸収手段により荷重を吸収して上記歩行者の頭部等に加えられる衝撃を効果的に緩和できるという利点がある。
また、上記各実施形態では、支持ブラケット8をシュラウドアッパ1からなる車体側部材に取り付けた例について説明したが、上記シュラウドアッパ1に代え、フロントフェンダパネル2の上面等に取り付けた構造としてもよい。また、上記各実施形態に示すように、フード5の後端部に設けられたフードヒンジ6を支点して前開き可能に構成された上記フード5に代え、後開きタイプのフードを備えた自動車のフードストッパ構造についても本発明を適用可能である。