JP4640220B2 - 車両用ステアリングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に配備されるステアリングシステムに関し、詳しくは、互いに独立して操作可能とされる1対の操作部材を有して、それらの操作に応じた車輪の転舵を実現するシステムに関する。
今日では、車両が備えるステアリングシステムとして、運転者の操作力によらず、転舵装置が備える駆動源を操作部材の操作に応じて電気的に制御することで、運転者の操作に応じた車輪の転舵を実現するシステム、つまり、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムが検討されている。このシステムでは、操作入力装置が操作部材に加えられた操作力を転舵装置に伝達する必要がなく、言い換えれば、操作部材と転舵装置とを機械的に連結するという構造上の制約がないため、バリエーションに富んだ種々のシステムが採用可能とされている。その一例として、下記特許文献1,2には、1対の操作部材を有してそれらが互いに独立して操作可能に設けられたシステム、いわゆる独立操作型のシステムが記載されている。
特開2004−244022号公報 特開平9−301193号公報
上記特許文献1に記載のシステムは、1対の操作部材の各々の操作量の和に基づいて目標転舵量を決定する際に、それら各々の操作量に乗じるゲインの各々を互いに異ならせたシステムであり、ゲインが高く設定された方の操作部材でメインの操作を行い、他方の操作部材で微調整等の補助的な操作を行うことが可能とされている。このように、独立操作型のステアリングシステムは、ユニークなシステムであり、操舵特性、例えば、1対の操作部材の各々の特性や、それらの操作に対する転舵の特性等を設定する際の自由度が高いという利点を有する。ところが、独立操作型のシステムは、未だ開発途上にあるため、実用性を向上させるための改良の余地を多分に残すものとなっている。本発明は、そういった実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い独立操作型のステアリングシステムを提供することを課題とする。
第1の発明のステアリングシステムは、互いに独立して操作可能な1対の操作部材として、左右に並んで配設されて、それぞれが、前後方向、上下方向、あるいは、それらの中間的な傾斜方向に延びる軌道に沿って操作可能な1対のハンドルを備え、右側のハンドルの運転者に近づく方向への操作と左側のハンドルの運転者から離れる方向への操作との各々が、車両が右旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である右旋回対応方向への操作となり、右側のハンドルの運転者から離れる方向への操作と左側のハンドルの運転者に近づく方向への操作との各々が、左旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である左旋回対応方向への操作となるようにされ、かつ、それぞれのハンドルの操作において、運転者に近づく方向の操作が軌道の一方端に向かう方向の操作として、運転者から離れる方向の操作が軌道の他方端に向かう方向の操作として設定される。また、第2の発明のステアリングシステムは、互いに独立して操作可能な1対の操作部材として、左右に並んで配設されて、それぞれが、左右方向に傾倒可能とされることで円弧状の軌道に沿って操作可能な1対のジョイスティックを備え、それぞれの右方向への操作が車両が右旋回する方向の車輪の転舵に対応する右旋回対応方向への操作となり、左方向への操作が左旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である左旋回対応方向への操作となるようにされ、かつ、それぞれのジョイスティックの操作において、他方のジョイスティックから離れる方向の操作が軌道の一方端に向かう方向の操作として、他方のジョイスティックに近づく方向の操作が軌道の他方端に向かう方向の操作として設定される。そして、上記課題を解決するために、それら第1の発明および第2の発明のステアリングシステムは、それら1対の操作部材の各々の操作量に基づいて、車輪の目標転舵量のための転舵量成分と、1対の操作部材の各々を基準位置に復帰させる復帰力とが決定されるステアリングシステムであって、転舵量成分の決定において1対の操作部材の各々に対応して設定される操舵ゲインと、復帰力の決定において1対の操作部材の各々に対応して設定される復帰力ゲインとの少なくとも一方を、1対の操作部材の位置に応じて、1対の操作部材の各々の一方端に向かう操作の目標転舵量の決定における寄与度が他方端に向かう操作の寄与度に比較して低くなるように、1対の操作部材の各々が一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合と、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合とで、互いに異なる大きさに変更可能に構成される。また、第3の発明のステアリングシステムは、上記操舵ゲインと復帰力ゲインとの少なくとも一方を、1対の操作部材の他方が操作されている場合と操作されていない場合とで変更可能に構成される。
第1の発明および第2の発明のステアリングシステムにおいては、1対の操作部材のいずれかが他方側領域に位置し、1対の操作部材のもう一方のものが一方側領域に位置する場合に、他方側領域に位置する方の操作部材が操作の主体となる。つまり、第1の発明のステアリングシステムによれば、1対の操作部材の操作位置に応じて、あたかも、メインの操作を行う操作部材が切り換わるような操舵特性を有するシステムとすることができる。また、第3の発明のステアリングシステムによれば、片手で操作する際の操舵特性を適切化することが可能となる。そのような利点を有することで、本発明の車両用ステアリングシステムは、実用性の高いシステムとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項,(3)項,(4)項,(10)項を合わせるとともに制御装置に対する限定を加えたものが請求項1に相当し、(1)項,(3)項,(4)項,(11)項を合わせるとともに制御装置に対する限定を加えたものが請求項2に相当する。請求項1または請求項2に(5)項の技術的特徴を付加したものが請求項3に、請求項1ないし請求項3のいずれかに(7)項の技術的特徴を付加したものが請求項4に、請求項1ないし請求項4のいずれかに(21)項の技術的特徴を付加したものが請求項5に、請求項1ないし請求項5のいずれかに(31)項の技術的特徴を付加したものが請求項6に、請求項6に(32)項の技術的特徴を付加したものが請求項7に、請求項6または請求項7に(34)項の技術的特徴を付加したものが請求項8に、請求項6または請求項7に(36)項の技術的特徴を付加したものが請求項9に、それぞれ相当する。また、(1)項および(31)項を合わせたものが請求項10に相当する。
(1)それぞれが、設定された軌道に沿って互いに独立して操作可能とされた1対の操作部材と、
車輪を転舵する転舵装置と、
それぞれが、動力源を有し、その動力源が制御されることによって前記1対の操作部材の各々に対して、その各々をその各々に対して設定された復帰力基準操作位置に復帰させる力である復帰力を付与する1対の復帰力付与装置と、
(a)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された転舵基準操作位置からの操作量に基づく転舵量成分の和に基づいて車輪の目標転舵量を決定するとともに、車輪の転舵量が目標転舵量となるように前記転舵装置を制御する転舵制御部と、(b)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された復帰力基準操作位置からの操作量に基づいて復帰力を決定するとともに、その復帰力を発揮するように前記1対の復帰力付与装置の各々の動力源を制御する復帰力制御部とを有する制御装置と
を備えた車両用ステアリングシステムであって、
前記制御装置が、(A)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく転舵量成分の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される操舵ゲインと、(B)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく復帰力の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される復帰力ゲインとの少なくとも一方を変更可能に構成された車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、操舵ゲインと復帰力ゲインとの少なくとも一方を、例えば、後に説明するような、1対の操作部材の各々の操作位置、それらの操作速度、片手操作あるいは両手操作か、車両の走行速度等の1つ以上のパラメータに応じて変更可能とされている。そのため、本項の態様によれば、システムの操舵特性を比較的自由に設定することが可能であり、例えば、後に詳しく説明する操作部材の操作における運転者の人間工学的な特性等を考慮してゲインを変更可能とすれば、操作性を向上させることも可能である。本項に記載の態様は、「操舵ゲイン」と「復帰力ゲイン」との両方が変更可能とされてもよく、いずれか1つのみが変更可能とされてもよい。例えば、「操舵ゲイン」が変更可能に構成された場合には、操作部材の操作量に基づく転舵量が変更されることになるため、操作に対する転舵の応答性,敏感さが変更されることになる。また、「復帰力ゲイン」が変更可能に構成された場合には、操作の容易性、特に操作部材が基準位置から離れる方向の操作、換言すれば、操作量が増大する方向の操作の容易性が変更されることになる。
本項の態様における「1対の操作部材」は、例えば、それぞれが左右の手の各々で操作されるようなものを採用でき、その形状,構造が特に限定されるものではない。具体的には、例えば、いわゆるハンドルと呼ばれるような形状で、それぞれが直線状あるいは曲線(例えば、円弧状)の「軌道」に沿って操作可能とされるものや、また、いわゆるジョイスティック,レバーと呼ばれるような形状で、それぞれが左右方向あるいは前後方向に傾倒することで、円弧状の「軌道」に沿って操作可能とされるものを採用することが可能である。なお、本項の態様のステアリングシステムは、必ずしも1対の操作部材が運転者の左右の手の各々によって操作されるものに限定されるものではないが、以下の説明は、説明の理解の容易化の観点から、そのようなシステムを中心に行うこととする。
また、本項の態様における「転舵装置」も、その構成が特に限定されるものではなく、既に検討されている種々の構成のものを採用することが可能である。例えば、駆動源として電動モータを採用し、そのモータの駆動力によって車輪に連結された転舵ロッドを左右に移動させるような装置とすることができる。その場合、転舵ロッドを移動させる機構として、例えば、ラックピニオン機構,ボールねじ機構等を採用することが可能である。
本項の態様における「復帰力付与装置」を備えるシステムは、操作部材が基準位置から離れる方向の操作、換言すれば、操作量が増大する方向の操作に対して操作反力を付与することができ、運転者に適切なステアリング操作の操作感を与えることが可能である。また、その復帰力を、操作量が大きくなるほど大きくなるように制御すれば、操作部材を切り増すほど操作反力が大きくなるため、操作部材と転舵装置とが機械的に連結された従来のステアリングシステムの操作感に似た操作感を運転者に与えることも可能である。なお、「動力源」は、種々のものを採用可能であるが、例えば、電動モータを採用すれば、電動モータはそれの動力の制御が容易であるため、復帰力を容易に制御することが可能となる。
本項の態様における「制御装置」は、例えば、コンピュータを主体とし、必要に応じて駆動源,動力源の駆動回路等を含んで構成される電子制御ユニットを採用することが可能である。この制御装置の有する「転舵制御部」には、例えば、上記1対の操作部材の各々の転舵基準操作位置からの操作量に基づいて転舵量成分の基準値が定められて、その基準値に「操舵ゲイン」を乗じて転舵量成分が決定されるような構成を採用可能である。その転舵制御部は、それら転舵量成分の各々に重み付けのための係数を乗じて目標転舵量が決定されるような構成とすることも可能である。また、「復帰力制御部」も、転舵制御部と同様に、例えば、上記1対の操作部材の各々の復帰力基準操作位置からの操作量に基づいて復帰力の基準値が定められて、その基準値に「復帰力ゲイン」を乗じて復帰力が決定されるような構成を採用可能である。
本項に記載の「復帰力基準操作位置」と「転舵基準操作位置」とは、操作部材の各々に対して、軌道上の同じ位置に設定されてもよく、軌道上の異なる位置に設定されてもよい。独立操作型のシステムにおいては、例えば、1対の操作部材の各々がそれらの各々に対応する「復帰力基準操作位置」に位置する場合に、転舵量成分(両者が0ではない値)の和が0とされて、車輪の転舵位置が車両が直進する場合の位置(以下、「転舵中立位置」あるいは単に「中立位置」という場合がある)となるように操作部材の各々に対応する「転舵基準操作位置」が設定されれば、「復帰力基準操作位置」と「転舵基準操作位置」とが異なる位置に設定された態様となる。また、「復帰力基準操作位置」,「転舵基準操作位置」は、例えば、操作部材に、外部や復帰力付与装置等から力が作用していない状態において位置させられる操作部材の位置(以下、「操作中立位置」あるいは単に「中立位置」という場合がある)とすることが可能である。
ちなみに、本項に記載の態様ではないが、ステアリングシステムが、上記1対の復帰力付与装置および制御装置が有する復帰力制御部を含まず構成され、操舵ゲインのみを変更可能に構成された態様も、請求可能発明の一態様となり得る。また、復帰力ゲインのみを変更可能に構成された態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
(2)前記1対の操作部材の各々の前記転舵基準操作位置と前記復帰力基準操作位置との両者が、同一の操作位置である基準操作位置として設定された(1)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、転舵基準操作位置と復帰力基準操作位置とが、軌道上の同じ位置に設定された態様であり、システムの構成が簡便であるという利点を有する。
(3)前記制御装置が、前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の各々の操作位置に応じて変更するようにされた(1)項または(2)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、ゲインを変更するためのパラメータとして操作部材の軌道上の位置を採用した態様である。本項に記載の態様は、それら転舵量成分,復帰力の決定の際に設定される操舵ゲイン,復帰力ゲインを、操作部材の操作量に基づいた転舵量成分,復帰力の変化とは関係なく、転舵量成分,復帰力の大きさを変更すること、換言すれば、操作量に基づく転舵量成分,復帰力の変化を増減させることが可能とされている。また、本項の態様は、先に述べたように1対の操作部材の各々の操作量に基づいて転舵量成分,復帰力の基準値が定められるような場合には、軌道の少なくとも一部の領域に位置する場合に転舵量成分,復帰力が基準値から変更されるようにゲインが変更されるような構成とすることも可能であり、軌道の全域にわたって変更されるような構成とすることも可能である。なお、それらのゲインは、離散的ないくつかの値に、平たく言えば、段階的に変更されてもよく、また、連続的に、平たく言えば、無段階に変更されてもよい。
(4)前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方が、前記1対の操作部材の各々がそれらに対応する前記軌道の一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合と、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合とで、互いに異なる大きさとされた(3)項に記載の車両用ステアリングシステム。
(5)前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
その操舵ゲインが、前記1対の操作部材の各々が前記一方側領域に位置する場合に、前記他方側領域に位置する場合に比較して小さな値となるようにされた(4)項に記載の車両用ステアリングシステム。
(6)前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
その操舵ゲインが、前記1対の操作部材の各々の位置が前記一方端に近いほど小さくなるようにされ、かつ、前記他方端に近いほど大きくなるようにされた(4)項または(5)項に記載の車両用ステアリングシステム。
(7)前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の各々が前記一方側領域に位置する場合に、前記他方側領域に位置する場合に比較して大きな値となるようにされた(4)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
(8)前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の各々の位置が前記一方端に近いほど大きくなるようにされ、かつ、前記他方端に近いほど小さくなるようにされた(4)項ないし(7)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
上記5つの項に記載の態様は、軌道上に2つの領域が設定されて、操作部材が位置する領域に応じてゲインを互いに異ならせる態様である。例えば、操舵ゲインを異ならせる態様では、操作部材が位置する領域に応じて、目標転舵量の決定における転舵量成分の寄与度を変更することが可能となる。なお、1対の操作部材の両者が同じ車両旋回方向となる車輪の転舵に対応する方向へ操作されている状態において、1対の操作部材の一方の寄与度が低い場合には、それらの他方の寄与度は高い方が望ましく、つまり、操作部材の一方が操舵ゲインが小さく設定された一方側領域に位置する場合には、操作部材の他方が他方側領域に位置するようにされて操作の主体とされることが望ましい。逆に、上記操作部材の他方が一方側領域に位置するようにされる場合には、上記操作部材の一方が他方側領域に位置するようにされて操作の主体とされることが望ましい。そのような操舵特性を有するシステムとすれば、1対の操作部材の各々の操作位置に応じて、あたかも、メインの操作を行う操作部材が切り換わったようにすることも可能である。
また、2つの領域の各々に位置する場合の復帰力ゲインを異ならせて復帰力の大きさを異なるようにする態様では、復帰力ゲインが大きく設定された一方側領域での操作は、他方側領域での操作に比較して大きな操作力が必要であり、操作量が小さくなることとなる。そのため、操作部材の一方が復帰力ゲインが大きく設定された一方側領域に位置する場合に、操作部材の他方が他方側領域に位置するようにされるとともに、操作部材の一方が他方側領域に位置する場合に、操作部材の他方が一方側領域に位置するような態様とすれば、他方側領域に位置する方の操作部材が操作の主体となる。つまり、復帰力ゲインを異ならせる態様においても、上述した操舵ゲインを異ならせる態様と同様に、1対の操作部材の各々の操作位置に応じて、あたかも、メインの操作を行う操作部材が切り換わるような操舵特性を有するシステムとすることができる。
上記5つの項に記載の「一方側領域」,「他方側領域」の各々は、それら領域の端部の各々が接する状態で設定されてもよく、それらの領域の端部の各々が離れた状態で、換言すれば、それらの領域の間にそれらのどちらにも属しない領域が存在する状態であってもよい。また、一方端,他方端の各々が含まれる態様に限定されるものではなく、設定された2つの領域のうちの一方端に近い領域が一方側領域とされ、他方端に近い領域が他方側領域とされた態様であってもよい。なお、2つの領域の端部の各々が接する状態で設定される態様の場合、軌道全体がある境界を挟んで2つの領域に分けられて、そのうちの一方端を含む領域が一方側領域とされ、他方端を含む領域が他方側領域とされた態様を採用可能である。また、その態様の場合、その境界を前記転舵基準操作位置あるいは前記復帰力基準操作位置とすることが可能であり、それらいずれかの基準操作位置を挟んで2つの領域が設定されれば、操作方向に応じてゲインを変更させる態様となる。
(9)前記一方側領域が、その領域における前記1対の操作部材の各々の操作が前記他方側領域での操作に比較して行い難い領域として設定された(4)項ないし(8)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
一般的に、運転者のステアリング操作において、人間工学上、操作を行い易い方向と行い難い方向とが存在する。例えば、従来のステアリングホイールでの操作においては、ステアリングホイールの下部(運転者に近い部分)を握っての操作は、それの上部を握っての操作に比較して行い難いものとなり、特に、微妙な調整を行うような操作を行う場合には、操作を行い易い位置を握って操作される場合が多い。ところが、独立操作型のシステムでは、ステアリングホイールのように操作部材が一体化されていないため、1対の操作部材の各々の操作量に基づいて決定される目標転舵量は、行い難い位置での操作の影響を受け、運転者の意志に対して比較的大きな誤差が生じる虞がある。本項に記載の態様は、例えば、操作を行い難い領域である一方側領域における操舵ゲインを小さくして目標転舵量の決定における寄与度を低くすることで、あるいは、一方側領域における復帰力ゲインを大きくして操作量を小さくすることで、上記の操作の誤差を小さくすることが可能である。つまり、本項に記載の態様は、操作の容易さに応じて、メインの操作を行う操作部材が切り換わるような態様となる。
(10)前記1対の操作部材が、
左右に並んで配設されて、それぞれが、概して前後方向、概して上下方向、あるいは、それらの中間的な傾斜方向に延びる軌道に沿って操作可能な1対のハンドルとされ、
右側のハンドルの運転者に近づく方向への操作と左側のハンドルの運転者から離れる方向への操作との各々が、車両が右旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である右旋回対応方向への操作となり、右側のハンドルの運転者から離れる方向への操作と左側のハンドルの運転者に近づく方向への操作との各々が、左旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である左旋回対応方向への操作となるようにされ、かつ、
それぞれのハンドルの操作において、運転者に近づく方向の操作が前記一方端に向かう方向の操作として、運転者から離れる方向の操作が前記他方端に向かう方向の操作として設定された(4)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
(11)前記1対の操作部材が、
左右に並んで配設されて、それぞれが、概ね左右方向に傾倒可能とされることで円弧状の軌道に沿って操作可能な1対のジョイスティックとされ、
それぞれの右方向への操作が車両が右旋回する方向の車輪の転舵に対応する右旋回対応方向への操作となり、左方向への操作が左旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である左旋回対応方向への操作となるようにされ、かつ、
それぞれのジョイスティックの操作において、他方のジョイスティックから離れる方向の操作が前記一方端に向かう方向の操作として、他方のジョイスティックに近づく方向の操作が前記他方端に向かう方向の操作として設定された(4)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
上記2つの項に記載の態様は、1対の操作部材の構成を限定した態様であり、前述したゲインを異ならせる態様が有効な構成とされている。なお、人間工学的な見地からすれば、前者の操作部材がハンドルとされた態様においては、運転者に近い位置での操作が行い難く、後者の操作部材がジョイスティックとされた態様においては、他方のジョイスティックから離れた位置での操作が行い難い。つまり、上記2つの項の態様は、先に述べた一方側領域が操作を行い難い領域として設定された態様の一態様であると考えることもできる。
(21)前記制御装置が、前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の各々の操作速度に応じて変更するようにされた(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
(22)前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
その操舵ゲインが、前記1対の操作部材の各々の操作速度が高い場合に、低い場合に比較して大きな値とされた(21)項に記載の車両用ステアリングシステム。
(23)前記制御装置が、前記操舵ゲインを前記1対の操作部材の各々の操作位置に応じて変更するようにされており、
その操舵ゲインが、
前記1対の操作部材の各々がそれらに対応する前記軌道の一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合に、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合に比較して小さな値とされ、
前記1対の操作部材の各々の操作速度が高い場合に、前記一方側領域に位置する場合の値が、前記他方側領域に位置する場合の値に近づくように変更される(22)項に記載の車両用ステアリングシステム。
上記3つの項に記載の態様は、ゲインを変更するためのパラメータとして操作部材の操作速度を採用した態様である。一般的に、速い操作速度で操作が行われた場合、例えば、極端な例として、車両の接触等の緊急事態を回避するための急な操作が行われた場合等には、その速い操作に対して転舵に遅れが生じないことが望ましい。操作速度が高い場合に、例えば、操舵ゲインが大きくされれば、目標転舵量が大きくされるため、転舵遅れを回避できることとなる。特に、前述した操作位置に応じて操舵ゲインを異ならせる態様においては、操舵ゲインが小さく設定された一方側領域で速い操作が行われた場合に、上記転舵遅れや、転舵量が小さいという事態が生じる可能性があり、操作速度が高い場合に操舵ゲインが大きくされる態様は有効な態様となる。また、操作部材が前述したハンドルとされた態様においては、例えば、人間工学的に、急操作の際に運転者から離れる方向の他方端に向かう操作より運転者に近づく方向の一方端に向かう操作の方が主体となる傾向があるため、操作速度が高い場合には、一方側領域に位置する場合の小さく設定された操舵ゲインが大きくされることが望ましく、上記の態様が有効である。
(31)前記制御装置が、前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の他方が操作されている場合と操作されていない場合とで変更するようにされた(1)項ないし(23)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項にいう「操作されていない場合」とは、必ずしも基準操作位置に復帰させられていることを意味するのではなく、例えば、操作部材が運転者によって直ちに操作され得る状態にない場合、さらに具体的に言えば、操作部材が運転者によって把持されていない場合、操作部材から手が離れている場合等を意味する。ただし、操作部材が運転者によって操作され得る状態にあるが、運転者に操作する意志がなく、操作部材が中立位置から操作されていないような場合も含まれる。本項に記載の態様は、1対の操作部材の他方が、その「操作されていない場合」と、「操作されている場合」とで、ゲインを変更する態様である。本項に記載の態様によれば、後に詳しく説明するが、片手操作時の良好な操舵を担保することが可能である。
(32)前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
その操舵ゲインが、前記操作部材の他方が操作されていない場合に、操作されている場合に比較して大きな値とされた(31)項に記載の車両用ステアリングシステム。
(33)前記制御装置が、前記操舵ゲインの各々を前記1対の操作部材の各々の操作位置に応じて変更するようにされており、
その操舵ゲインが、
前記1対の操作部材の各々がそれらに対応する前記軌道の一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合に、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合に比較して小さな値とされ、
前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、前記一方側領域に位置する場合の値が、前記他方側領域に位置する場合の値に近づくように変更される(32)項に記載の車両用ステアリングシステム。
独立操作型のシステムにおいて片手操作を行う場合、1つの操作部材の操作量のみに基づいて目標転舵量が決定されるため、車輪の転舵量が不十分な場合がある。特に、前述した操作位置に応じて操舵ゲインを異ならせる態様において片手操作が行われ、その操作された方の操作部材が操舵ゲインが小さく設定された一方側領域に位置する場合には、特に転舵量が小さくなってしまう。上記2つの項に記載の態様によれば、1対の操作部材の他方が操作されていない場合に操舵ゲインが大きくされるため、目標転舵量が大きくなることで車輪の転舵量を増加させることが可能である。なお、操作されていない方の操作部材に対応する転舵量成分を補うように操舵ゲインを変更すれば、操作部材の一方が操作されている場合であっても、両方の操作部材が同じ操作量だけ操作されているような、あるいは、それに近い転舵が実現する。つまり、片手で操作している場合であっても、両手で操作している場合と略同じ、もしくは、類似した転舵量とすることも可能である。
(34)前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、操作されている場合に比較して小さな値とされた(31)項ないし(33)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
(35)前記制御装置が、前記復帰力ゲインを前記1対の操作部材の各々の操作位置に応じて変更するようにされており、
その復帰力ゲインが、
前記1対の操作部材の各々がそれらに対応する前記軌道の一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合に、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合に比較して大きな値とされ、
前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、前記一方側領域に位置する場合の値が、前記他方側領域に位置する場合の値に近づけられる(34)項に記載の車両用ステアリングシステム。
上記2つの項に記載の態様は、1対の操作部材の他方が操作されていない場合と操作されている場合とで、復帰力ゲインを変更する態様であり、それらの態様によれば、操作されていない場合に復帰力ゲインが小さくされるため、復帰力が小さくされて大きな操作量となる操作が小さな操作力で容易に行えることとなる。つまり、後者の態様のように、前述した操作位置に応じて操舵ゲインを異ならせる態様に有効であり、復帰力ゲインが大きく設定された一方側領域における操作を容易に行えるように変更することができる。
(36)前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、操作されている場合に比較して大きな値とされた(31)項ないし(33)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、前述の操作されていない場合に復帰力ゲインが小さくされる態様とは、逆の態様であり、操作されていない場合に復帰力ゲインが大きくされる態様である。従来のステアリングホイールのような操作部材においては、片手操作の場合、両手に分担されていた操作反力を、片手で受けることとなるため、操作反力は大きくなる。つまり、本項の態様によれば、1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、復帰力ゲインが大きくされて復帰力が大きくされるため、従来の操作部材に似た操作感を運転者に与えることが可能である。なお、本項に記載の態様は、前述の操作されていない場合に操舵ゲインが大きくされる態様を合わせて、片手でも両手でも略同じ転舵量となるようにすれば、片手操作時において、より従来のステアリングシステムに似た操舵を実現することが可能である。
(37)前記1対の操作部材の各々の前記転舵基準操作位置と前記復帰力基準操作位置との両者が、同一の操作位置である基準操作位置として設定されており、
当該ステアリングシステムが、前記1対の操作部材の両方がその各々に対して設定された基準操作位置に位置する状態から、それら1対の操作部材の一方のみが操作された場合に、それら1対の操作部材の他方が操作されていない状態であると判定するものである(31)項ないし(36)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、特定の場合を片手操作と判定する態様である。本項に記載の態様によれば、操作部材が操作されていない状態を検知するために、操作部材が運転者に触れられていないことを検知するようなセンサ等を特別に設ける必要がないため、構成が単純化されたステアリングシステムが実現することとなる。
(41)前記制御装置が、前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方を、車両の走行速度に応じて変更するようにされた(1)項ないし(37)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
(42)前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
その操舵ゲインが、車両走行速度が低い場合に、高い場合に比較して大きな値とされた(41)項に記載の車両用ステアリングシステム。
(43)前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
その復帰力ゲインが、車両走行速度が低い場合に、高い場合に比較して小さな値とされた(41)項または(42)項に記載の車両用ステアリングシステム。
上記3つの項に記載の態様は、ゲインを変更するためのパラメータとして車両走行速度を採用した態様である。例えば、走行速度に応じて操舵ゲインを変更させる上記2つ目に記載の態様によれば、車両走行速度が低い場合に、操舵ゲインが大きくされて目標転舵量が大きくされるため、少ない操作によって大きく車輪を転舵させることが可能である。また、走行速度に応じて復帰力ゲインを変更させる上記3つ目に記載の態様によれば、車両走行速度が低い場合に、復帰力ゲインが小さくされて復帰力が小さくされるため、操作に必要な操作力を小さくすることが可能である。
一般的に、車両走行速度が低い場合には、据え切り,Uターン時等、車輪の大きな転舵が行われる場合があり、その操作時の運転者の負担を軽減するため、少ない操作によって比較的大きく車輪を転舵させること、あるいは、操作に必要な操作力を小さくすることが望ましい。逆に、車両走行速度が高い場合には、車輪の大きな転舵は車両の安定性を損なう一要因となるため、操作量が多い場合であっても車輪を比較的小さく転舵させること、あるいは、操作量が大きくならないように操作に必要な操作力を大きくすることが望ましい。上記の態様によれば、そのようなステアリング操作を実現させることが可能となるのである。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<第1実施例>
1.ステアリングシステムの構成
図1に、第1実施例のステアリングシステムの全体構成を模式的に示す。当該ステアリングシステムは、いわゆるステアバイワイヤ型のステアリングシステムであり、操作装置10と、転舵装置12とが機械的に分離され、それぞれが操作部材である1対のハンドル14R,14L(以下、「ハンドル14」と総称する場合がある)に加えられる操作力によらずに、転舵装置12に設けられた駆動源の駆動力によって車輪16を転舵するステアリングシステムである。また、本ステアリングシステムは、1対のハンドル14が互いに独立して操作可能とされた独立操作型のシステムである。
操作装置10は、上記1対のハンドル14を含んで構成され、車体の一部、詳しくは、インストゥルメントパネルのリインフォースメントに固定されている。操作装置10は、それら1対のハンドル14の各々を概ね円弧状の軌道に沿って移動可能に保持し、1対のハンドル14の各々にそれの軌道方向への力を付与する機能を有するものである。それらについては、後に詳しく説明する。
転舵装置12は、車体(詳しくは、シャーシ)に固定されたハウジング20と、そのハウジング20に軸方向(車両の左右方向)に移動可能に設けられた転舵ロッド22とを含んで構成されている。また、転舵装置12は、内部の図示は省略するが、転舵ロッド22と同軸的に設けられた駆動源としての転舵モータ24を備えており、転舵ロッド22に形成されたボールねじに噛合するボールナットをその転舵モータ24によって回転駆動することにより、転舵ロッド22が軸方向に移動させられる構造とされている。転舵ロッド22の両端の各々は、ボールジョイント26を介して、タイロッド28に連結され、タイロッド28の他端部は、もう一種のボールジョイント30を介して、車輪16を回転可能に保持するステアリングナックル32の一部分であるナックルアーム34に連結されている。このような連結構造により、転舵ロッド22が軸方向に移動させられることで、車輪16が転舵されるのである。
転舵装置20には、車輪16の転舵量を取得するための転舵量センサ40が設けられている。その転舵量センサ40は、転舵ロッド22に形成されたラックギヤに噛み合うピニオンギヤの回転量、詳しくは、車両が直進する状態におけるピニオンギヤの位置である中立位置からの回転量を検出するものである。つまり、転舵量センサ40は、転舵ロッド22の軸線方向への移動に伴うピニオンギヤの回転量を取得することで、転舵ロッド22の移動によって転舵させられる車輪16の転舵量を間接的に取得するものとされている。
操作装置10の構造について、図2〜図4をも参照しつつ説明する。図2は、操作装置10の正面図(運転席側から眺めた図)を、図3は、それを上方から眺めた図を、図4は、それの車両左側から眺めた側面図を、それぞれ示している。
操作装置10を構成する1対のハンドル14は、側面から見た形状が概ねL字形状をなす棒状の部材であり、上方に向かって延びる部分が運転者によって把持されるグリップ部50とされている。そのグリップ部50は、それの下部が上部と比較して運転者側に位置するように傾斜して配設されている。また、1対のハンドル14の各々は、インストゥルメントパネル(以下、「インパネ」と略す場合がある)のパネル材52に設けられた1対のスロット54に沿って移動可能に配設されている。詳しくは、1対のハンドル14は、パネル材52を貫いてインパネの内部から突出したハンドルロッド56と一体的に設けられており、そのハンドルロッド56の各々が、円弧状に形成された1対のスロット54に沿って移動可能とされている。
なお、1対のハンドル14の各々は、1対のスロット54の各々によって規定される軌道上の基準操作位置(図2における実線の位置)に位置する場合に、車輪16が転舵中立位置に位置する状態とされ、その基準操作位置から、1対のハンドル14の一方あるいは両方を時計回りに操作すれば車両が右旋回し、逆に、1対のハンドル14の一方あるいは両方を反時計回りに操作すれば左旋回する。
1対のハンドル14に一体的に設けられた前記ハンドルロッド56の各々は、インパネの内部において、電動モータ60によって回転させられるアーム62に接続されている。それら1対のモータ60は、円弧状の1対のスロット54の各々の中心に位置するように、インパネリインフォースメントに固定され、そのモータ60の出力軸にアーム62の一端部が連結されている。そのアーム62は、インパネのパネル材52に沿って延び、それの他端部がハンドルロッド56に連結されている。そのような構造により、1対のハンドル14の各々は、車体の一部に保持されることとなる。ちなみに、1対のハンドル14の上記基準操作位置は、アーム62が水平となる位置より僅かに上方に回動した位置とされている。なお、以下の説明において、右側のハンドル14Rに対応するモータ60をモータ60Rと呼び、左側のハンドル14Lに対応するモータ60をモータ60Lと呼ぶ場合がある。
上記モータ60は、減速機付のモータであり、1対のハンドル14の各々を前記基準操作位置に復帰させる力である復帰力Fを付与することが可能とされている(図2参照)。つまり、本ステアリングシステムにおいては、モータ60,アーム62等を含んで、1対のハンドル14の各々に対応する1対の復帰力付与装置70が構成され、そのモータ60の各々が、それら1対の復帰力付与装置70の動力源として機能するものとなっている。本ステアリングシステムにおいては、そのモータ60を制御することによって、復帰力の大きさや向きを任意に変更することが可能となっている。また、詳細な説明は省略するが、モータ60R,60Lは、それぞれが、ハンドル14R,14Lの基準操作位置からの操作量である操作角δR,δLを検出可能な操作角センサ72R,72Lを備えている。この操作角センサ72R,72Lは、エンコーダを主体としてモータ軸の回転角度を検出する回転角センサであり、ハンドル14R,14Lの基準操作位置に対応して設定されたモータ軸の回転基準位置からの回転量を検出することで、操作角δR,δLを検出するものである。ちなみに、操作角δR,δLは、図2に示したように、ハンドル14が基準操作位置から車輪の左旋回に対応する方向(左旋回対応方向)である反時計回りに回動した場合の角度を正とする。また、復帰力Fは、ハンドル14を左旋回対応方向に回動させた場合に付与される方向の力、つまり、ハンドル14を時計回りに回動させる方向の力を正とする。なお、本システムにおいては、転舵基準操作位置と復帰力基準操作位置とが同じ位置とされている。
2.ECUによる制御
以上のように説明した構造の本ステアリングシステムは、制御装置としてのステアリング電子制御ユニット100(以下、「ECU100」と呼ぶ場合がある)によって制御される。ECU100は、コンピュータ102を主体とするものであり、先に述べた転舵量センサ40,1対の操作角センサ72、および車両走行速度v(以下、「車速v」と略す場合がある)を検出するための車速センサ104等の各種センサが接続されている。また、ECU100は、転舵装置12の転舵モータ24,操作装置10が備える1対の復帰力付与装置70の各々のモータ60が、自身の有する駆動回路(ドライバ)に接続されており、それらの動作の制御を行うものとされている。ECU100のコンピュータには、後に説明する復帰力制御プログラム、転舵制御プログラム、ステアリングシステムの制御に関する各種のデータ等が記憶されている。
ECU100は、主に、転舵制御と復帰力制御との2つの制御を行う。その1つである転舵制御は、前述した転舵装置12に関する制御であり、詳しくは、転舵モータ24の制御である。この制御では、1対の操作角センサ72の検出信号に基づいて1対のハンドル14の操作角δR,δLが取得され、それら取得されたδR,δLに基づいて目標転舵量θ*すなわちピニオンギヤの回転位置である転舵量の目標となる値が決定される。詳しくは、操作角δR,δLに基づく転舵量成分の和に基づいて決定されるのであり、次式に従って決定される。
θ*=GSR・δR+GSL・δL
ここで、GSR,GSLはハンドル14の各々に対応した操舵ゲインであり、その操作ゲインに操作角を乗じたものがハンドル14の各々に対応する転舵量成分である。なお、それら操舵ゲインGSR,GSLは、種々のパラメータに基づいて決定されるのであるが、その詳細については後述する。次いで、転舵量センサ40の検出信号に基づいて実際の転舵量θが取得され、目標転舵量θ*と実転舵量θとの転舵量偏差Δθ(=θ*−θ)が認定され、その転舵量偏差Δθが0となるように、転舵モータ24への供給電流ISが決定される。そして、その決定された供給電流ISに関する指令が駆動回路であるインバータに送信され、そのインバータによってその電流ISが、転舵モータ24に供給される。
上記操舵ゲインGSR,GSLは、1対のハンドル14の各々の操作位置に基づいて決定される第1の変数αSR,αSLの各々に、車速センサ104により取得された車速vに基づいて決定される第2の変数βSを乗じたものであり、次式によって表される。
SR=KS・αSR・βS
SL=KS・αSL・βS
ここで、KSは、操作角から転舵量に換算するためのゲインである。
まず、第1変数αSR,αSLは、1対のハンドル14の各々の操作位置、つまり、操作角δR,δLに基づいて決定される。本ステアリングシステムが備えるハンドル14においては、人間工学的な見地によれば、基準操作位置から運転者に近づく方向に回動させた領域における操作は、運転者から離れる方向に回動させた領域における操作に比較して行い難い。そのことに考慮して、1対のハンドル14の各々の軌道を2つの領域に分け、基準操作位置から運転者に近づく方向に回動させた軌道上の領域が一方側領域とされ、運転者から離れる方向に回動させた領域が他方側領域とされている。そして、操舵ゲインGSR,GSLが、一方側領域に位置する場合に、他方側領域に位置する場合に比較して小さな値となるように、変数αSR,αSLが決定される。詳しくは、右側ハンドル14Rに対応するαSRは、図5(a)に示した図から解るように、操作角δRが大きくなるほど(左旋回させるほど)大きな値となるようにされるとともに、操作角δRが小さくなるほど(右旋回させるほど)小さな値となるようにされる。逆に、左側のハンドル14Lに対応するαSLは、図5(b)に示した図から解るように、操作角δLが大きくなるほど(左旋回させるほど)小さな値となるようにされるとともに、操作角δLが小さくなるほど(右旋回させるほど)大きな値となるようにされる。
例えば、車両の接触を回避するために急な操作が行われた場合、人間工学的な見地によれば、運転者から離れる方向への操作よりも、運転者に近づく方向への操作が主体となる傾向がある。運転者に近づく方向に回動させた領域である一方側領域においては、操舵ゲインGSR,GSLが小さくなるように、上記第1変数αSR,αSLが小さくされるため、そのままでは転舵に遅れが生じる可能性がある。そこで、その転舵遅れが生じないように、ECU100は、第1変数αSR,αSLを、1対のハンドル14の各々の操作速度に応じて変更するようにされている。詳しくは、1対のハンドル14の各々の操作速度ωの大きさに応じて設定されている補正係数γを用いて、第1変数αSR,αSLが補正されるのであり、次式に従って演算される。なお、補正係数γと操作速度の絶対値|ω|との関係を図6に示す。
αSR=1−γ・(1−αSR
αSL=1−γ・(1−αSL
このように、運転者に近づく方向に回動させた方のハンドル14に対応する第1変数が、操作速度が高くなるほど、大きくなるように変更されるのである。例えば、右側ハンドル14Rの操作速度の大きさがω0の場合、あるいは、左側ハンドル14Rの操作速度の大きさがω0の場合における第1変数αSR,αSLを図5(a),図5(b)に一点鎖線で示している。
次に、片手操作を行う場合を考える。例えば、片手操作で、そのハンドル14を運転者に近づく方向に回動させた場合、運転者に近づく方向に回動させた領域である一方側領域においては、前記第1変数αSR,αSLが小さくされるため、転舵量も小さくなってしまうことになる。そこで、ECU100は、第1変数αSR,αSLを、1対のハンドルの他方が操作されていない場合に変更するようにされている。詳しくは、片手での操作の場合であっても、両手での操作と同程度の量の車輪の転舵が実現できるように、操作されている方のハンドル14に対応する第1変数αSが[2.0]に変更されるとともに(図5の二点鎖線)、操作されていない方のハンドル14に対応する第1変数αSが[0]に変更されるのである。なお、本システムにおいては、1対のハンドル14の両方が操作基準位置に位置する状態から、ハンドル14の一方のみが操作された場合に、ハンドル14の他方が操作されていないと判定される。ちなみに、片手操作で第1変数αSR,αSLが変更された状態で、操作されていなかった方の操作部材が操作された場合や、上述したように操作速度に基づいて第1変数αSR,αSLが変更されて通常より大きい値に変更された後、通常の第1変数αSR,αSLに戻す場合には、目標転舵量θ*が急変しないように第1変数αSR,αSLが徐々に変更されるようになっている。
また、第2変数βSは、図7に示すように、車速vが高くなるにつれて小さくなるように設定されている。そのため、車速vが高い場合には、1対の操作部材の両者に対応する操舵ゲインGSR,GSLが小さくされて、目標転舵量θ*は小さくされることになる。つまり、車両の走行速度が高速である場合には、1対のハンドル14の操作角に対する車輪16の転舵量が小さくされ、車両が速く走行している場合において、車両操作の安定性を向上させることができる。逆に、車両の走行速度が比較的低速である場合は、1対のハンドル14の操作角に対する車輪16の転舵量が大きくされ、運転者の負担を軽減させることが可能となる。
上述したように、第1変数αSR,αSLおよび第2変数βSが決定されれば、続いて、1対のハンドル14の各々に対応する操舵ゲインGSR,GSLが演算される。そして、それら1対のハンドル14の各々に対応する転舵量成分が求められ、目標転舵量θ*が決定されるのである。図8は、ある車速の場合における、1対のハンドル14の各々の操作角と転舵量成分との関係を示す概略図である。この図からも解るように、通常状態においては、1対のハンドル14の各々が左旋回対応方向に操作された場合には、右側ハンドル14Rに対応する転舵量成分が、左側ハンドル14Lに対応する転舵量成分より大きくされて、右側ハンドル14Rが操作の主体となる。逆に、右旋回方向に操作された場合には、左側ハンドル14Lに対応する転舵量成分が、右側ハンドル14Rに対応する転舵量成分より大きくされて、左側ハンドル14Lが操作の主体となる。
ECU100におけるもう1つの制御である復帰力制御は、前述した1対の復帰力付与装置70に関する制御であり、詳しくは、1対のモータ60の制御である。この制御を右側のハンドル14Rについて説明すれば、操作角センサ72Rの検出信号に基づいてハンドル14Rの操作角δRが取得され、その取得されたδRに応じた大きさの力で、かつ、前記基準操作位置に復帰させる向きの力となるように復帰力FRが、次式によって決定される。
R=GFR・δR
ここで、GFRは復帰力ゲインであり、後に詳しく説明するが、1対のハンドル14の各々が操作されているか否かと、車速vとに基づいて決定される。次いで、その決定された復帰力FRを発揮するように、モータ60Rへの供給電流IHRが決定されるのである。また、左側のハンドル14Lに対しても同様の制御が行われ、操作角センサ72Lによって検出されたδLに基づいて復帰力FLが決定され、その復帰力FLを発揮するように、モータ60Lへの供給電流IHLが決定される。ちなみに、本実施例においては、復帰力に応じた電力が決定されるのであり、モータを定電圧で制御するため、ECU100は、モータへの供給電流が決定されるようになっている。そして、その決定された供給電流IHR,IHLに関する指令が駆動回路であるインバータに送信され、そのインバータによってその電流IHR,IHLが、モータ60R,60Lに供給される。
上記復帰力ゲインGFR,左側ハンドル14Lに対応する復帰力ゲインGFLは、1対のハンドル14の各々が操作されているか否かに応じて決定される第1の変数αFR,αFLの各々に、車速vに基づいて決定される第2の変数βFを乗じたものであり、次式によって表される。
FR=KF・αFR・βF
FL=KF・αFL・βF
ここで、KFは、操作角から復帰力に換算するためのゲインである。
まず、第1変数αFR,αFLは、図9に示すように、両手で操作されている場合には[1.0]とされており、先に述べた方法によって、片手操作と判定された場合には、操作されている方のハンドル14に対応する第1変数αFが[1.0]から[2.0]に変更される。また、第2変数βFは、図10に示すように、車速vが高くなるにつれて大きくなるように設定されている。そのため、操舵ゲインを車速に応じて変更することと同様に、車速vが高い場合には、復帰力Fが大きくされて、目標転舵量θ*が大きくなり難いようにされることになる。つまり、車両の走行速度が高速である場合には、車両操作の安定性を向上させることができ、逆に、車両の走行速度が比較的低速である場合は、復帰力が小さくされて、運転者の負担を軽減させることが可能となる。
上述したように、第1変数αFR,αFLおよび第2変数βFが決定されれば、続いて、1対のハンドル14の各々に対応する復帰力ゲインGFR,GFLが演算され、それらに対応する復帰力FR,FLが決定される。なお、図11は、ある車速の場合における、1対のハンドル14の各々の操作角と復帰力との関係を示す概略図である。この図から解るように、片手操作である場合には、両手操作である場合の2倍の大きさの復帰力となるため、従来のステアリングホイールの操作感に似た操作感を運転者に与えることが可能となる。
3.制御プログラム
本ステアリングシステムの制御は、図12にフローチャートを示す転舵制御プログラムと、図14にフローチャートを示す復帰力制御プログラムとが実行されることによって行われる。それらの制御プログラムは、ECU100が有するコンピュータ102に格納されており、イグニッションスイッチがON状態とされた後、短い時間間隔(例えば、数msec〜数十msec)をおいて繰り返し実行される。以下に、それらの制御の流れを、フローチャートを参照しつつ、詳しく説明する。
転舵制御では、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す、他のステップも同様である)において、1対のハンドル14の各々の操作角δR,δLが取得される。先に説明したように、その操作角δR,δLに基づく転舵量成分の和に基づいて目標転舵量θ*が決定されるのであるが、その前に、S2の操舵ゲイン決定サブルーチンが実行され、その転舵量成分の決定における操舵ゲインGSR,GSLが決定される。
操舵ゲイン決定サブルーチンは、図13にフローチャートを示す制御を行うルーチンである。この制御では、まず、第1変数αSR,αSLの決定が行われるのであり、S11,S12において、片手操作であるか否かの判定が行われる。両手で操作されている場合には、S13において、S1において取得された操作角δR,δLに基づいて、第1変数αSR,αSLが決定される。詳しくは、ECU100のコンピュータ102内には、操作角δR,δLをパラメータとする第1変数αSR,αSLの図5に示したマップデータが格納されており、そのマップデータを参照して、第1変数αSR,αSLが決定される。次いで、S14において、1対の操作部材の各々の操作速度として、それらの各々の操作角変化量ΔδR,ΔδLが、1回前のプログラム実行時の操作角と今回の実行において取得された操作角とから演算される。続いて、S15において、S13において決定された第1変数αSR,αSLが、一方側領域に位置するハンドル14の操作速度が高い場合、つまり、操作角変化量の絶対値が大きい場合に補正される。詳しくは、操作角変化量ΔδR,ΔδLをパラメータとする補正係数γの図6に示したようなマップデータを参照して、補正係数γが決定され、その補正係数を用いて第1変数αSR,αSLが、前述した式αS=1−γ・(1−αS)によって補正される。また、S11,S12において、片手操作であると判定された場合には、それぞれ、S16,S17において、操作されている方のハンドル14に対応する第1変数が[2.0]とされるとともに、操作されていない方のハンドル14に対応する第1変数が[0]とされる。
次いで、S18において取得された車速vに基づいて、第2変数βSが決定される。詳しくは、車速vをパラメータとする第2変数βSの図7に示したマップデータを参照して、第2変数βSが決定される。続いて、S20において、その第2変数βSと、上記第1変数αSR,αSLとを乗じて、操舵ゲインGSR,GSLが決定され、操舵ゲイン決定サブルーチンの実行が終了する。
次に、転舵制御プログラムのS3において、上述したように決定された操舵ゲインGSR,GSLとS1において取得された操作角δR,δLとに基づいて、目標転舵量θ*が決定され、続いて、その目標転舵量θ*とS4において取得した実転舵量θとの偏差である転舵量偏差Δθが、S5において認定される。そして、S6において、その転舵量偏差Δθに基づいて、転舵モータ24への供給電流ISが決定されるのである。この決定された供給電流ISに関する指令が、インバータから転舵モータ24に送信され、転舵制御プログラムの1回の実行が終了する。ちなみに、供給電流ISは、転舵量偏差Δθに応じて正負が定まるものであり、その供給電流ISの正負によって転舵モータ24の回転方向が決定されるようになっている。
また、図14にフローチャートを示す復帰力制御について説明すれば、この制御では、まず、S31において、1対のハンドル14の各々の操作角δR,δLが取得され、その操作角δR,δLの各々に、それぞれ復帰力ゲインGFR,GFLを乗じて、復帰力FR,FLが決定される。その復帰力ゲインGFR,GFLは、S32の復帰力ゲイン決定サブルーチンにおいて決定される。
復帰力ゲイン決定サブルーチンは、図15にフローチャートを示す制御を行うルーチンである。このサブルーチンは、前述した操舵ゲイン決定サブルーチンに類似するものであり、簡単に説明する。この制御では、復帰力ゲインを演算するための第1変数αFR,αFLが、操作位置に応じて変更されるものではなく、片手操作であるか否かによってのみ変更されるものである。S41,S42において、片手操作ではないと判定された場合、つまり、両手で操作している場合には、第1変数αFR,αFLは[1.0]とされている。また、S41,S42において、片手操作であると判定された場合には、それぞれ、S44,S45において、操作されている方のハンドル14に対応する変数が[2.0]とされる。そして、S48において、その第1変数αFR,αFLと、図10に示したマップデータを参照して決定される第2変数βFとの積によって復帰力ゲインGFR,GFLが決定され、復帰力ゲイン決定サブルーチンの実行が終了する。
次に、復帰力制御プログラムのS33において、1対のハンドル14の各々に付与する復帰力FR,FLが決定され、S34において、その復帰力FSR,FSLを発揮するように、モータ60R,60Lへの供給電流IHR,IHLが決定される。この決定された供給電流IHR,IHLに関する指令が、モータ60R,60Lに送信され、復帰力制御プログラムの1回の実行が終了する。ちなみに、供給電流IHR,IHLは、復帰力FSR,FSLに応じて正負が定まるものであり、その供給電流IHR,IHLの正負によってモータ60R,60Lの回転方向が決定されるようになっている。
以上説明した転舵制御プログラムおよび復帰力プログラムが、イグニッションスイッチがOFFとされるまで、繰り返し実行されるのである。上述したECU100の機能を、模式的に示した機能ブロック図が、図16である。上記機能に基づけば、ECU100のコンピュータ102は、復帰力制御を行う復帰力制御部120と、転舵制御を行う転舵制御部122と、それら復帰力制御および転舵制御に用いられる前述したマップデータ等の各種データが格納されたデータ格納部124とを含んで構成されるものとなっている。なお、復帰力制御部120において決定された復帰力Fおよび転舵制御部122において決定された転舵量偏差Δθは、コンピュータ102からECU100が有する供給電流決定部150に出力され、それらに基づく1対の復帰力付与装置70のモータ60R,60Lへの供給電流IHR,IHLおよび転舵装置12の転舵モータ24への供給電流ISが決定される。それら供給電流IHR,IHL,ISは、それぞれ駆動回路であるインバータ152R,152L,154を介して、モータ60R,60L,転舵モータ24に供給される。
以上説明したように、本ステアリングシステムは、上述したようなパラメータに応じて操舵ゲイン,復帰力ゲインが変更可能に構成され、例えば、右旋回させる場合と左旋回させる場合とで、メインの操作を行う操作部材が切り換わるような操舵特性を有するシステムとなり、操作性を向上させることが可能となる。また、運転者の操作の容易性,車両の安定性等を向上させることも可能である。さらに、急操作や片手操作に対応可能な独立操作型のステアリングシステムが実現することとなる。
<第2実施例>
図17に、第2実施例のステアリングシステムの全体構成を模式的に示す。本実施例のシステムも、第1実施例のシステムと同様に、独立操作型で、かつ、ステアバイワイヤ型のシステムであり、それのハード構成が、操作装置を除いて、第1実施例のシステムと同様の構成であるため、本実施例の説明においては、第1実施例のシステムと同じ機能の構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するものとする。
本実施例システムが備える操作装置200について、それの正面図(運転席側から眺めた図)である図18をも参照しつつ説明する。操作装置200は、1対のハンドル14に代えて、1対のジョイスティック202R,202L(以下、「ジョイスティック202」と総称する場合がある)を含んで構成されるものである。それら1対のジョイスティック202R,202Lは、それぞれが、運転席の左右に並んで立設され、それの上部がグリップ部204とされて、運転者の左右の手の各々によって操作されるものである。また、1対のジョイスティック202の各々の下端部には、スティックロッド206が、それらジョイスティック202に垂直で車両前後方向に延びる状態で固定されている。そのスティックロッド206が、それの軸線方向に回転可能に支持されることで、ジョイスティック202は、左右方向に傾倒可能とされて、円弧状の軌道に沿って操作可能とされている。なお、1対のジョイスティック202の各々は、概ね垂直に立つ位置が基準操作位置(図18における実線の位置)とされており、その操作基準位置から、1対のジョイスティック202の一方あるいは両方を右側に傾倒させれば車両が右旋回し、逆に、左側に傾倒させれば左旋回する。
1対のジョイスティック202R,202Lに固定された上記スティックロッド206の各々は、車体の一部に固定された電動モータ210R,210Lのモータ軸の各々に連結されている。それらモータ210R,210Lは、第1実施例のものと同様に、減速機付のモータであり、1対のジョイスティック202の各々を前記基準操作位置に復帰させる復帰力Fを付与する復帰力付与装置212R,212Lの動力源として機能するものとなっている。また、それらモータ210R,210Lは、第1実施例のものと同様に、ジョイスティック202R,202Lの基準操作位置からの操作角δR,δLを検出可能な操作角センサ214R,214Lを備えている。ちなみに、操作角δR,δLは、図18に示すように、右側に傾倒させた場合の角度を正とし、復帰力Fは、ジョイスティック202を右側に傾倒させた場合に付与される方向の力、つまり、ジョイスティック202を左方向に回動させる方向の力を正とする。
本実施例のシステムが備えるECU250は、第1実施例のものと同様に、主に、復帰力制御と転舵制御との2つの制御を行うものであるが、その制御が第1実施例における制御とは異なる。詳しくは、復帰力制御における復帰力ゲインの決定の方法と、転舵制御における操舵ゲインの決定の方法とが、第1実施例の決定方法とは相違する。
本実施例のシステムが備えるジョイスティック202においては、人間工学的な見地によれば、基準操作位置から他方のジョイスティック202から離れる方向に傾倒させた領域、詳しく言えば、右側ジョイスティック202Rを右側に傾倒させた領域および左側ジョイスティック202Lを左側に傾倒させた領域における操作は、他方のジョイスティック202に近づく方向に傾倒させた領域、詳しく言えば、右側ジョイスティック202Rを左側に傾倒させた領域および左側ジョイスティック202Lを右側に傾倒させた領域における操作に比較して行い難い。そのことに考慮して、1対のジョイスティック202の各々の軌道を2つの領域に分け、基準操作位置から他方のジョイスティック202に近づく方向に傾倒させた領域が他方側領域とされ、基準操作位置から他方のジョイスティック202から離れる方向に傾倒させた領域が一方側領域とされている。そして、復帰力ゲインGFR,GFLが、一方側領域に位置する場合に、他方側領域に位置する場合に比較して大きな値となるように制御される。つまり、本実施例のシステムは、復帰力ゲインGFR,GFLが、1対のジョイスティック202の各々の操作位置に基づいて変更されるように構成されているのである。
復帰力ゲインGFR,GFLは、第1実施例と同様に、第1変数αFR,αFLの各々と第2変数βFとを乗じて演算されるものであり、本実施例の復帰力制御においては、第1変数αFR,αFLが、1対のジョイスティック202の各々の操作角δR,δLに基づいて決定される。詳しくは、右側ジョイスティック202Rに対応する第1変数αFRは、図19(a)に示した図から解るように、左旋回方向に回動させるほど小さな値となるようにされるとともに、右旋回方向に回動させるほど大きな値となるようにされる。逆に、左側ジョイスティック202Lに対応する第1変数αFLは、図19(b)に示した図から解るように、左旋回方向に回動させるほど大きな値となるようにされるとともに、右旋回方向に回動させるほど小さな値となるようにされる。なお、復帰力ゲインGFR,GFLを決定するための第2変数βFは、第1実施例と同様に、図10に示すように、車速vが高くなるにつれて大きくなるように設定されている。以上のように、第1変数αFR,αFLおよび第2変数βFが決定されれば、続いて、1対のハンドル14の各々に対応する復帰力ゲインGFR,GFLが演算され、それらに対応する復帰力FR,FLが決定される。図20に、ある車速の場合における、1対のジョイスティック202の各々の操作角と復帰力との関係を示す。
次に、片手操作を行う場合を考える。上述したように復帰力が制御される状態では、基準操作位置から他方のジョイスティック202から離れる方向への操作において、操作反力が大きいため、運転者への負担が大きい。そこで、ECU250は、第1変数αFR,αFLを、1対のジョイスティック202の他方が操作されていない場合に変更するようにされている。詳しくは、操作されている方のジョイスティック202に対応する第1変数αFを、一方側領域に位置する場合に[1.0]に変更して(図19の二点鎖線)、復帰力Fの大きさが小さくなるようにされるのである(図20の二点鎖線)。なお、片手操作の判定方法は、第1実施例と同様に、1対のジョイスティック202の両方が操作基準位置に位置する状態から、ジョイスティック202の一方のみが操作された場合に、他方が操作されていないと判定される。
上述した復帰力制御は、第1実施例と同様に、図14にフローチャートを示す復帰力制御プログラムが実行されることによって行われるが、S32においては、図21にフローチャートを示す復帰力ゲイン決定サブルーチンが実行される。この制御では、S61,S62において、片手操作であるか否かの判定が行われ、両手操作である場合には、S63において、S31において取得された操作角δR,δLに基づいて、第1変数αFR,αFLが決定される。詳しくは、ECU250のコンピュータ内には、操作角δR,δLをパラメータとする第1変数αFR,αFLの図19に示したマップデータが格納されており、そのマップデータを参照して、第1変数αFR,αFLが決定される。また、S61,S62において、片手操作であると判定された場合には、それぞれ、S64,S65において、操作されている方のジョイスティック202に対応する第1変数が、一方側領域の範囲で[1.0]とされる。
また、操舵ゲインGSR,GSLは、第1実施例と同様に、第1変数αSR,αSLの各々と第2変数βSとを乗じて演算されるものであるが、本実施例の転舵制御においては、第1変数αSR,αSLが、1対のジョイスティック202の操作位置に応じて変更されるものではなく、1対のジョイスティック202の他方が操作されている場合と操作されていない場合とで異なる大きさとされるものである。詳しくは、両方のジョイスティック202が操作されている場合には、第1変数αSR,αSLは[1.0]とされており、片手操作と判定された場合に、片手操作の場合であっても両手での操作と同程度の量の車輪の転舵が実現できるように、操作されている方のジョイスティック202に対応する第1変数が[2.0]とされるとともに、操作されていない方のジョイスティック202に対応する第1変数が[0]とされる。なお、操舵ゲインGSR,GSLを決定するための第2変数βSは、第1実施例と同様に、車速vが高くなるにつれて小さくなるように設定されている。この転舵制御は、第1実施例と同様に、図12にフローチャートを示す転舵制御プログラムが実行されることによって行われるが、S2においては、図22にフローチャートを示す操舵ゲイン決定サブルーチンが実行される。
以上説明したように、復帰力が上述したように制御されることによって、本ステアリングシステムにおいては、他方のジョイスティック202から離れる方向への操作量が、他方に近づく方向への操作量に比較して小さくなるため、他方のジョイスティック202に近づく方向への操作が主体となる。つまり、本実施例においても、第1実施例と同様に、メインの操作を行う操作部材が切り換わるような操舵特性を有するシステムとなり、操作性を向上させることが可能となる。
第1実施例である車両用ステアリングシステムの全体構成を示す模式図である。 図1に示す操作装置の正面図(運転者側から眺めた図)である。 図1に示す操作装置を上方から眺めた図である。 図1に示す操作装置の車両左側から眺めた側面図である。 操作部材の操作角と操舵ゲインの操作位置に基づく第1変数との関係を示す図である。 操作部材の操作速度と操舵ゲインの第1変数を補正するための補正係数との関係を示す図である。 車両走行速度と操舵ゲインの車両走行速度に基づく第2変数との関係を示す図である。 操作部材の操作角と転舵量成分との関係を示す図である。 操作部材の操作角と復帰力ゲインの操作位置に基づく第1変数との関係を示す図である。 車両走行速度と復帰力ゲインの車両走行速度に基づく第2変数との関係を示す図である。 操作部材の操作角と復帰力との関係を示す図である。 図1に示す電子制御ユニットによって実行される転舵制御プログラムを表すフローチャートである。 転舵制御プログラムにおいて実行される操舵ゲイン決定サブルーチンを示すフローチャートである。 図1に示す電子制御ユニットによって実行される復帰力制御プログラムを表すフローチャートである。 復帰力制御プログラムにおいて実行される復帰力ゲイン決定サブルーチンを示すフローチャートである。 図1の車両用ステアリングシステムが備える電子制御ユニットの機能を示すブロック図である。 第2実施例である車両用ステアリングシステムの全体構成を示す模式図である。 図17に示す操作装置の正面図(運転者側から眺めた図)である。 操作部材の操作角と復帰力ゲインの操作位置に基づく第1変数との関係を示す図である。 操作部材の操作角と復帰力との関係を示す図である。 復帰力制御プログラムにおいて実行される復帰力ゲイン決定サブルーチンを示すフローチャートである。 転舵制御プログラムにおいて実行される操舵ゲイン決定サブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
10:操作装置 12:転舵装置 14,14R,14L:ハンドル(操作部材) 24:転舵モータ 40:転舵量センサ 60,60R,60L:電動モータ(動力源) 70,70R,70L:復帰力付与装置 72,72R,72L:操作角センサ 100:ステアリング電子制御ユニット(ECU,制御装置) 104:車速センサ 120:復帰力制御部 122:転舵制御部 200:操作装置 202,202R,202L:ジョイスティック(操作部材) 210,210R,210L:電動モータ(動力源) 212,212R,212L:復帰力付与装置 214,214R,214L:操作角センサ 250:ステアリング電子制御ユニット(ECU,制御装置)

Claims (10)

  1. それぞれが、設定された軌道に沿って互いに独立して操作可能とされた1対の操作部材と、
    車輪を転舵する転舵装置と、
    それぞれが、動力源を有し、その動力源が制御されることによって前記1対の操作部材の各々に対して、その各々をその各々に対して設定された復帰力基準操作位置に復帰させる力である復帰力を付与する1対の復帰力付与装置と、
    (a)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された転舵基準操作位置からの操作量に基づく転舵量成分の和に基づいて車輪の目標転舵量を決定するとともに、車輪の転舵量が目標転舵量となるように前記転舵装置を制御する転舵制御部と、(b)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された復帰力基準操作位置からの操作量に基づいて復帰力を決定するとともに、その復帰力を発揮するように前記1対の復帰力付与装置の各々の動力源を制御する復帰力制御部とを有する制御装置と
    を備えた車両用ステアリングシステムであって、
    前記1対の操作部材が、
    左右に並んで配設されて、それぞれが、前後方向、上下方向、あるいは、それらの中間的な傾斜方向に延びる軌道に沿って操作可能な1対のハンドルとされ、
    右側のハンドルの運転者に近づく方向への操作と左側のハンドルの運転者から離れる方向への操作との各々が、車両が右旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である右旋回対応方向への操作となり、右側のハンドルの運転者から離れる方向への操作と左側のハンドルの運転者に近づく方向への操作との各々が、左旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である左旋回対応方向への操作となるようにされ、かつ、
    それぞれのハンドルの操作において、運転者に近づく方向の操作が前記軌道の一方端に向かう方向の操作として、運転者から離れる方向の操作が前記軌道の他方端に向かう方向の操作として設定され、
    前記制御装置が、(A)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく転舵量成分の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される操舵ゲインと、(B)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく復帰力の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の各々の操作位置に応じて、前記1対の操作部材の各々の前記一方端に向かう操作の目標転舵量の決定における寄与度が前記他方端に向かう操作の目標転舵量の決定における寄与度に比較して低くなるように、前記1対の操作部材の各々がそれらに対応する前記軌道の一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合と、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合とで、互いに異なる大きさに変更可能に構成された車両用ステアリングシステム。
  2. それぞれが、設定された軌道に沿って互いに独立して操作可能とされた1対の操作部材と、
    車輪を転舵する転舵装置と、
    それぞれが、動力源を有し、その動力源が制御されることによって前記1対の操作部材の各々に対して、その各々をその各々に対して設定された復帰力基準操作位置に復帰させる力である復帰力を付与する1対の復帰力付与装置と、
    (a)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された転舵基準操作位置からの操作量に基づく転舵量成分の和に基づいて車輪の目標転舵量を決定するとともに、車輪の転舵量が目標転舵量となるように前記転舵装置を制御する転舵制御部と、(b)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された復帰力基準操作位置からの操作量に基づいて復帰力を決定するとともに、その復帰力を発揮するように前記1対の復帰力付与装置の各々の動力源を制御する復帰力制御部とを有する制御装置と
    を備えた車両用ステアリングシステムであって、
    前記1対の操作部材が、
    左右に並んで配設されて、それぞれが、左右方向に傾倒可能とされることで円弧状の軌道に沿って操作可能な1対のジョイスティックとされ、
    それぞれの右方向への操作が車両が右旋回する方向の車輪の転舵に対応する右旋回対応方向への操作となり、左方向への操作が左旋回する方向の車輪の転舵に対応する方向である左旋回対応方向への操作となるようにされ、かつ、
    それぞれのジョイスティックの操作において、他方のジョイスティックから離れる方向の操作が前記軌道の一方端に向かう方向の操作として、他方のジョイスティックに近づく方向の操作が前記軌道の他方端に向かう方向の操作として設定され、
    前記制御装置が、(A)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく転舵量成分の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される操舵ゲインと、(B)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく復帰力の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の各々の操作位置に応じて、前記1対の操作部材の各々の前記一方端に向かう操作の目標転舵量の決定における寄与度が前記他方端に向かう操作の目標転舵量の決定における寄与度に比較して低くなるように、前記1対の操作部材の各々がそれらに対応する前記軌道の一方端に近い領域である一方側領域に位置する場合と、他方端に近い領域である他方側領域に位置する場合とで、互いに異なる大きさに変更可能に構成された車両用ステアリングシステム。
  3. 前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
    その操舵ゲインが、前記1対の操作部材の各々が前記一方側領域に位置する場合に、前記他方側領域に位置する場合に比較して小さな値となるようにされた請求項1または請求項2に記載の車両用ステアリングシステム。
  4. 前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
    その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の各々が前記一方側領域に位置する場合に、前記他方側領域に位置する場合に比較して大きな値となるようにされた請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  5. 前記制御装置が、前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の各々の操作速度に応じて変更するようにされた請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  6. 前記制御装置が、前記操舵ゲインと前記復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の他方が操作されている場合と操作されていない場合とで変更するようにされた請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  7. 前記制御装置が、少なくとも前記操舵ゲインを変更可能に構成され、
    その操舵ゲインが、前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、操作されている場合に比較して大きな値とされた請求項6に記載の車両用ステアリングシステム。
  8. 前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
    その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、操作されている場合に比較して小さな値とされた請求項6または請求項7に記載の車両用ステアリングシステム。
  9. 前記制御装置が、少なくとも前記復帰力ゲインを変更可能に構成され、
    その復帰力ゲインが、前記1対の操作部材の他方が操作されていない場合に、操作されている場合に比較して大きな値とされた請求項6または請求項7に記載の車両用ステアリングシステム。
  10. それぞれが、設定された軌道に沿って互いに独立して操作可能とされた1対の操作部材と、
    車輪を転舵する転舵装置と、
    それぞれが、動力源を有し、その動力源が制御されることによって前記1対の操作部材の各々に対して、その各々をその各々に対して設定された復帰力基準操作位置に復帰させる力である復帰力を付与する1対の復帰力付与装置と、
    (a)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された転舵基準操作位置からの操作量に基づく転舵量成分の和に基づいて車輪の目標転舵量を決定するとともに、車輪の転舵量が目標転舵量となるように前記転舵装置を制御する転舵制御部と、(b)前記1対の操作部材の各々のその各々に対して設定された復帰力基準操作位置からの操作量に基づいて復帰力を決定するとともに、その復帰力を発揮するように前記1対の復帰力付与装置の各々の動力源を制御する復帰力制御部とを有する制御装置と
    を備えた車両用ステアリングシステムであって、
    前記制御装置が、(A)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく転舵量成分の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される操舵ゲインと、(B)前記1対の操作部材の各々の操作量に基づく復帰力の決定においてそれら1対の操作部材の各々に対応して設定される復帰力ゲインとの少なくとも一方を、前記1対の操作部材の他方が操作されている場合と操作されていない場合とで変更可能に構成された車両用ステアリングシステム。
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