JP2022181473A - ステアリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動操舵が可能なステアリングシステムの実用性を向上させる。【解決手段】 ステアバイワイヤ型のステアリングシステムにおいて、設定されたステアリングギヤ比に従い操作部材20の操作位置に基づいて車輪10を転舵させる手動操舵モードと、操作部材の操作に拘わらずに車輪を転舵させる自動操舵モードとで、車輪を転舵させることを可能とし、自動操舵モードから手動操舵モードへの切換の際に、設定された切換時間かけて、操作アクチュエータによって、操作部材を、切換開始時の操作位置から、切換終了時の車輪の転舵位置に対応しかつ手動操舵モードでのステアリングギヤ比に従った操作位置まで動かす操作位置整合作動を行う。モードの切換の際に車輪の転舵位置がどの位置にあっても、手動操舵モードにおけるステアリングギヤ比に従った操作位置に、操作部材が位置させられる。【選択図】 図2

Description

本発明は、車両に搭載されるステアバイワイヤ型のステアリングシステムに関する。
運転者がステアリングホイール等の操作部材に加える操作力に依らずに、アクチュエータに依って車輪を転舵するステアバイワイヤ型のステアリングシステムにおいては、操作部材と車輪とが機械的には連結していないため、例えば、自動運転の場合に、必ずしも手動運転の場合と同様に操作部材を動かす必要がない。そこで、例えば、下記特許文献に記載のステアバイワイヤ型のステアリングシステムでは、操作部材の操作位置と車輪の転舵位置との比であるステアリングギヤ比に関し、手動運転の際の手動操舵モードと、自動運転の際の自動操舵モードとの間で、操作部材の操作量に対する車輪の転舵量の比であるステアリングギヤ比を異ならせるようにされている。
特開2004-224238号公報
しかしながら、上記特許文献に記載されたステアリングシステムでは、例えば、自動操舵モードにおいて車両が旋回しているときに、ステアリングギヤ比が異なる手動操舵モードに切り換わった場合、操作部材の操作位置と車輪の転舵位置との関係においてズレが生じることが予測される。簡単に言えば、例えば、直進時において操作部材が位置すべき操作位置である操作中立位置と、直進時において車輪が位置すべき転舵位置である転舵中立位置との間に、差異が生じることが予想されるのである。このズレは、運転者についてステアリング操作に対する違和感を生じさせることに繋がる。このズレの問題は、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムが抱える1つの問題であり、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムは、未だ開発途上にあるため、種々の問題を抱えている。したがって、それらの問題のいずれかを解消することにより、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムの実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いステアバイワイヤ型のステアリングシステムを構築することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のステアリングシステムは、
車両に搭載されるステアバイワイヤ型のステアリングシステムであって、
運転者によって操作される操作部材と、その操作部材に力を付与する操作アクチュエータと、車輪を転舵する転舵アクチュエータと、当該ステアリングシステムの制御を司るコントローラとを備え、
前記コントローラが、
設定されたステアリングギヤ比に従い前記操作部材の操作位置に基づいて車輪を転舵させる手動操舵モードと、前記操作部材の操作に拘わらずに車輪を転舵させる自動操舵モードとで、車輪を転舵させることが可能とされ、かつ、その自動操舵モードにおいて、前記操作部材を、前記手動操舵モードにおいて車両が直進するときの位置である中立位置に位置させる、または、前記操作部材を、車輪の転舵位置に基づいて、前記ステアリングギヤ比とは異なるステアリングギヤ比に従って、動かすように構成され、
前記自動操舵モードから前記手動操舵モードへの切換の際に、設定された切換時間かけて、前記操作アクチュエータによって、前記操作部材を、切換開始時の操作位置から、切換終了時の車輪の転舵位置に対応しかつ前記手動操舵モードでのステアリングギヤ比に従った操作位置まで動かす操作位置整合作動を行うように構成されたことを特徴とする。
本発明のステアリングシステムでは、自動操舵モードから手動操舵モードへの切換の際に、上記操作位置整合作動によって、車輪の転舵位置がどの位置にあっても、手動操舵モードにおけるステアリングギヤ比に従った操作位置に、操作部材が位置させられることになる。その結果、実用性の高いステアバイワイヤ型のステアリングシステムが構成されることになる。
発明の態様
本発明における操作部材は、例えば、ステアリングホイール,ジョイスティック等が該当し、それらの「操作位置」は、上述の操作中立位置を基準とした位置であり、言い換えれば、操作中立位置からの変位量である操作量(ステアリングホイールの場合における操作角)と考えることができる。同様に、車輪の転舵位置は、上述の転舵中立位置を基準とした位置であり、言い換えれば、転舵中立位置からの変位量である転舵量(転舵角)と考えることができる。「ステアリングギヤ比」は、操作部材の操作量に対する車輪の転舵量の比である。手動操舵モードにおけるステアリングギヤ比は、操作量の全域にわたって固定的に設定されたものであってもよく、また、操作量、すなわち、操作領域に応じて異なるように(変化するように)設定されたものであってもよい。また、車両の走行速度(以下、「車速」という場合がある)に応じて変化するものであってもよい。
本発明における「手動操舵モード」は、運転者によって当該車両が運転される場合に採用されるモードであり、その手動操舵モードでは、設定されたステアリングギヤ比に従って、車輪が転舵される。一方、「自動操舵モード」は、自動運転,遠隔操作によって車両が運行される場合に採用されるモードである。その自動操舵モードでは、車両が直進しているか旋回しているか(車輪が転舵されているか)に拘わらず、操作部材が操作中立位置に位置させられる、若しくは、手動操舵モードにおける上記ステアリングギヤ比とは異なるステアリングギヤ比、例えば、車輪が転舵されていることが確認できる程度のステアリングギヤ比(比較的大きなギヤ比)に従って、操作部材が動かされる。
本発明における「切換時間」は、上記「操作位置整合作動」が円滑に行われるように設定すればよく、具体的には、例えば、0.5秒から5秒程度の長さに設定すればよい。切換時間は、固定的に設定されてもよく、また、変更可能に設定してもよい。具体的には、例えば、車速に応じて、車速が高いときには、迅速な切換の必要から比較的短く、車速が低いときには、操作部材を緩やかに動作させるべく、比較的長く設定すればよい。
上記「操作アクチュエータ」は、例えば、手動操舵モードにおいては、運転者に操作感を与えるために、操作部材の操作に対する反力(以下、「操作反力」という場合がある)を付与するように制御されるものであってもよい。ステアバイワイヤ型のステアリングシステムは、操作反力を付与するためのアクチュエータを備えることが一般的であり、このアクチュエータを利用することで、別のアクチュエータを設けずして、上記操作位置整合作動が可能となる。
上記操作位置整合作動は、操作部材の操作位置を、上記切換時間の開始から終了までの全体にわたって変化させることが望ましい。操作部材の操作位置の変化速度を、「操作速度」と定義すれば、操作位置整合作動において、操作部材を、切換開始時の操作位置から切換終了時の操作位置まで、一定の操作速度で動かしてもよく、また、途中で操作速度が変化するように動かしてもよい。後者の具体的態様として、操作位置整合作動において、初期に操作速度が増加し、終期に操作速度が減少するように、操作部材を動かしてもよい。そのようにすれば、滑らかな操作位置整合作動を実現することができる。
本発明によれば、操作位置整合作動において、操作部材は、例えば、切換開始時の操作位置から、上記切換時間をかけて徐々に切換終了時の操作位置まで動かされる。このような動きを実現するためには、時々刻々と(例えば、ある設定時間ピッチごとに)、目標となる操作位置である目標操作位置を決定し、実際の操作位置が、その目標操作位置となるように、操作アクチュエータを制御すればよい。この目標操作位置をどのように決定するかによって、操作速度が一定となるように操作部材を動かしたり、途中で操作速度が変化するように動かしたりすることができる。
上記目標操作位置の決定に関して言えば、操作部材を徐々に切換終了時の操作位置まで動かす場合、その切換終了時の操作位置として、切換開始時に、自動操舵モードにおける切換時間経過後の車輪の転舵位置を推定し、その推定された転舵位置に対応する操作位置を採用することができる。このようにして推定された切換終了時の操作位置を採用することによって、切換時間内に自動操舵モードによって車輪の転舵量が変化させられても、円滑な操作位置整合作動を実現することが可能となる。
操作位置整合作動が完了した後に、すなわち、手動操作モードにおいて車輪の転舵位置に対応した操作位置に操作部材が位置させられた後に、手動操作モードによる車輪の転舵を許容することが望ましい。そのことに鑑みれば、前記操作位置整合作動が完了した場合に、その旨を運転者に通報するようにされることが望ましい。また、手動操作モードは、運転者によって操作部材が操作されることが前提であるため、上記切換時間経過後に、運転者が操作部材に触れていることを条件に、手動操作モードによる車輪の転舵を許容することが望ましい。
実施例のステアリングシステムの全体構成を示す模式図である。 自動操舵モードから手動操舵モードへの切換の際のステアリングホイールの操作角の変化を説明するための図である。 操作位置整合作動に関する切換時間、操作速度の変化モードを示すグラフである。 実施例のステアリングシステムにおいて実行される転舵制御プログラムのフローチャートである。 実施例のステアリングシステムにおいて実行される反力制御プログラムのフローチャートである。 実施例のステアリングシステムにおいて実行される操作部材動作制御プログラムのフローチャートである。 実施例のステアリングシステムにおいて実行される操作位置整合作動プログラムのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例であるステアリングシステムを、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
[A]ステアリングシステムの構成
車両に搭載される実施例のステアリングシステムは、図1に模式的に示すように、それぞれが転舵輪である左右2つの車輪10を転舵するためのシステムであり、機械的に互いに独立した操作装置12および転舵装置14を備えたステアバイワイヤ型のステアリングシステムである。
操作装置12は、a)運転者によって操舵操作されるステアリング操作部材(単に、「操作部材」と呼ぶこともできる)としてのステアリングホイール20と、b)先端にそのステアリングホイール20が取り付けられたステアリングシャフト22と、c)そのステアリングシャフト22を回転可能に保持するとともに、インパネリインフォースメント(図示を省略)に支持されるステアリングコラム24と、d)そのステアリングコラム24に支持された電動モータである反力モータ26を力源として、操舵操作に対する反力である操作反力としての反力トルクTqcを、ステアリングシャフト22を介して、ステアリングホイール20に付与する反力付与機構28とを含んで構成されている。この反力付与機構28は、減速機等を含む一般的な構造のものであるため、それの具体的な構造についての説明は、省略する。なお、この反力付与機構28は、操作反力付与装置として機能し、ステアリングコラム24とその反力付与機構28とを含んで、ステアリングホイール20に力を付与する操作アクチュエータが構成されていると考えることができる。
操作装置12は、ステアリングホイール20の操作角δをステアリング操作量(単に、「操作量」と呼ぶこともでき、「操作位置」と考えることができる)として検出する操作角センサ30を有している。ちなみに、車両の直進状態においてステアリングホイール20が位置する角度位置を中立位置とした場合に、その中立位置からの角度変位量(360°を超える場合もある)が、ステアリングホイール20の操作角δである。また、ステアリングシャフト22には、トーションバー32が組み込まれており、そのトーションバー32の捩じれ量に基づいて、運転者によってステアリングホイール20に加えられる操作力としての操作トルクTqoを検出するための操作トルクセンサ34を有している。
車輪10の各々は、ステアリングナックル40を介して転向可能に車体に支持されている。転舵装置14は、2つのステアリングナックル40を共に転向させることで、2つの車輪10を一体的に転舵する。転舵装置14は、主要構成要素として、転舵アクチュエータ42を有している。転舵アクチュエータ42は、a)両端がリンクロッド44を介して左右のステアリングナックル40にそれぞれ連結されるステアリングロッド(一般的に、ラックバーと呼ばれるものである)46と、b)そのステアリングロッド46を左右に移動可能に支持するとともに、車体に固定的に保持されたハウジング48と、c)電動モータである転舵モータ50を駆動源として、ステアリングロッド46を左右に移動させるためのロッド移動機構52とを含んで構成されている。ロッド移動機構52は、ステアリングロッド46に螺設されたボールねじ溝と、そのボールねじ溝とベアリングボールを介して螺合するとともに転舵モータ50によって回転させられるナットとによって構成されるボールねじ機構を主体とするものであり、一般的な構造のものであるため、ロッド移動機構52についてのここでの詳しい説明は省略する。
転舵装置14は、ステアリングロッド46の中立位置(車両の直進状態において位置する位置)からの移動量を検出することで、車輪10の中立位置からの転舵量(「転舵位置」と考えることができる)としての転舵角θを検出するための転舵角センサ54を有している。
操作装置12の制御、詳しくは、反力トルクTqcの制御(以下、「反力制御」という場合がある)、すなわち、操作装置12の反力モータ26の制御は、当該操作装置12のコントローラである操作コントローラとしての操作電子制御ユニット(以下、「操作ECU」と言う場合がある)60によって実行される。操作ECU60は、CPU,ROM,RAM等を有するコンピュータや、反力モータ26のドライバ(反力モータ26は3相ブラシレスモータであるため、具体的には、インバータである)等によって構成されている。
同様に、転舵装置14の制御、詳しくは、車輪10の転舵角θの制御(以下、「転舵制御」という場合がある)、すなわち、転舵装置14の転舵モータ50の制御は、当該転舵装置14のコントローラである転舵コントローラとしての転舵電子制御ユニット(以下、「転舵ECU」と言う場合がある)62によって実行される。転舵ECU62は、CPU,ROM,RAM等を有するコンピュータや、転舵モータ50のドライバ(転舵モータ50は3相ブラシレスモータであるため、具体的には、インバータである)等によって構成されている。なお、転舵ECU62は上記ドライバの温度T(厳密には、ドライバの基板の温度であるため、以下、「基板温度T」という場合がある)を検出するための温度センサ64を有している。
本車両には、転舵モータ50,反力モータ26に電流を供給するための電源としてのバッテリ66と、そのバッテリ66の電圧Vを電源電圧として検出する電圧センサ68とが配設されている。この電圧センサ68は、転舵ECU62に接続されている。
後に詳しく説明するが、操作ECU60,転舵ECU62は、互いに情報を送受信しながら制御処理を実行する。そのため、操作ECU60,転舵ECU62は、通信線としてのCAN(car area network or controllable area network)70に接続させられている。また、車両には、当該車両の走行速度である車速vを検出するための車速センサ72が設けられており、その車速センサ72も、CAN70に繋げられている。なお、車速センサ72の代わりに、各車輪10の車輪回転速度に基づいて決定された車速vに関する信号が、ブレーキシステムから、CAN70に導入されるようにしてもよい。ちなみに、操作ECU60,転舵ECU62は、それらをまとめて1つのコントローラと考えることができ、また、それらは、一体化されていてもよい。
なお、本車両は、自動運転が可能な車両であり、本車両には、前方を監視するカメラ80と、前方に存在する物体との距離を測定するためのレーダ82と、それらカメラ80およびレーダ82によって取得した情報に基づいて当該車両の自動走行を司る自動走行コントローラとしての自動走行電子制御ユニット(以下、「自動走行ECU」という場合がある)84が設けられている。自動走行ECU84は、一般的なものであるため、詳しい機能の説明は省略するが、簡単に言えば、当該車両の走行線(車両が沿って走行すべきライン)を決定し、その走行線を当該車両が走行するように、当該車両に搭載されている駆動システム(一般的なものであるため、図示を省略),ブレーキシステム(一般的なものであるため、図示を省略),本ステアリングシステムに、駆動力,ブレーキ力,車輪10がとるべき転舵角θである目標転舵角θ*についての指令を発する。そのため、自動走行ECU84も、CAN70に接続されている。
また、本車両は、遠隔操作が可能な車両であり、本車両には、さらに、遠隔操作信号を受信するための通信機86も設けられている。遠隔操作で当該車両が走行する場合にも、自動走行ECU84は、通信機86が受信した信号に基づいて、駆動システム,ブレーキシステム,本ステアリングシステムに、駆動力,ブレーキ力,目標転舵角θ*についての指令を発する。
さらに、実施例のステアリングシステムでは、運転者がステアリングホイール20に触れていることを検出するタッチセンサ88が設けられており、インストゥルメントパネルにおいて、ディスプレイとスピーカとを有して当該ステアリングシステムに関する情報を運転者に報知するための報知器90が設けられている。加えて、後に説明する手動操舵モード(運転者による手動運転)と自動操舵モード(自動運転等)との切換等を行うためのモード切換スイッチ92も設けられており、このモード切換スイッチ92は、操作ECU60に接続されている。
[B]ステアリングシステムの制御
本実施例のステアリングシステムは、モード切換スイッチ92の操作によって、当該車両を手動運転する場合に、手動操舵モードとされ、自動運転,遠隔操作等によって当該車両が自動走行する場合に、自動操舵モードとされる。以下に、手動操舵モード,自動操舵モードの各々における当該ステアリングシステムの制御について説明し、自動操舵モードから手動操舵モードに切り換わる際にステアリングホイール20の操作角δを整合させるための操作位置整合作動について説明する。そして、それらの説明の後に、当該ステアリングシステムの制御の流れについて簡単に説明する。
(a)手動操舵モードでの制御
実施例のステアリングシステムでは、手動運転の場合、一般的なステアバイワイヤ型のステアリングシステムと同様に、車輪10の転舵角θの制御である転舵制御と、操作反力の制御(以下、単に「反力制御」という場合がある)とを実行する。
i)転舵制御
手動操舵モードにおける転舵制御は、ステアリングホイール20に対する操舵操作であるステアリング操作に応じた車輪10の転舵を実現させるための制御であり、転舵ECU62によって実行される。操作ECU60は、操作角センサ30を介し、操作部材の操作量として、ステアリングホイール20の操作角δを検出しており、転舵ECU62は、操作ECU60からCAN70を介して取得した操作角δに基づいて、次式に従って、その操作角δに、ステアリングギヤ比γを乗ずることによって、車輪10の転舵角θの目標となる目標転舵角θ*を決定する。なお、手動操舵モードにおけるこのステアリングギヤ比γを、手動操舵ステアリングギヤ比γと呼ぶ場合があることとする。
θ*=γ・δ
転舵ECU62は、転舵角センサ54を介して、実際の転舵量である実際の車輪10の転舵角θ(以下、「実転舵角θ」という場合がある)を検出し、目標転舵角θ*に対する実転舵角θの偏差である転舵角偏差Δθを、次式に従って認定する。
Δθ=θ*-θ
そして転舵ECU62は、転舵角偏差Δθに基づくフィードバック制御則に従って、つまり、次式に従って、車輪10を目標転舵角θ*に転舵するために必要な転舵トルクとして、必要転舵トルクTqsを決定する。ちなみに、下記式の第1項,第2項,第3項は、それぞれ、比例項,積分項,微分項であり、Gp,Gi,Gdは、それぞれ、比例項ゲイン,積分項ゲイン,微分項ゲインである。
Tqs=Gp・Δθ+Gi・∫Δθdt+Gd・(dΔθ/dt)
転舵ECU62は、決定した必要転舵トルクTqsに基づいて、次式に従って、転舵モータ50に供給される電流である転舵電流Isの目標となる目標転舵電流Is*を決定する。ちなみに、次式のKsは、目標転舵電流Is*を必要転舵トルクTqsに基づいて決定するための転舵電流決定係数である。
Is*=Ks・Tqs
そして、転舵ECU62は、決定した目標転舵電流Is*に基づいて、転舵モータ50に電流を供給する。
ii)反力制御
反力制御は、運転者にステアリング操作に対する適切な操作感を感じさせるべく、操作反力である反力トルクを、ステアリングホイール20に付与するための制御であり、操作ECU60によって実行される。反力制御においては、操作ECU60は、ステアリングホイール20に付与すべき反力トルクである必要反力トルクTqcを、2つの成分である転舵トルク依拠成分Tqcs,操作トルク依拠減少成分Tqcoに基づいて、次式に従って決定する。
Tqc=Tqcs-Tqco
転舵トルク依拠成分Tqcsは、車輪10を転舵するために実際に発揮されている転舵トルクTqsに関する成分である。先に説明したように、実際の転舵トルクTqsは、実際に転舵モータ50に供給されている電流である実転舵電流Is に比例するため、その実転舵電流Is に基づいて、次式に従って、転舵トルク依拠成分Tqcsを決定する。なお、実転舵電流Is は、転舵ECU62によって常時検出されてCAN70を介して送られてくる情報に基づいて取得される。ちなみに、次式におけるJsは、転舵トルク依拠成分Tqcsを決定するための反力トルク成分決定係数である。
Tqcs=Js・Is
操作トルク依拠減少成分Tqcoは、いわゆるパワーステアリングの操作感を運転者に付与するための成分と考えることができる。パワーステアリングでは、一般的には、操作トルクTqoに応じたアシストトルクを、ステアリングシャフト22に付与するようにされている。そのアシストトルクを模すようにして、操作ECU60は、操作トルク依拠減少成分Tqcoを、次式に従って決定する。なお、操作ECU60は、操作トルクTqoとして、トーションバー32の捩じれ量に基づいて操作トルクセンサ34によって検出された操作トルクTqoを用いる。ちなみに、次式におけるJoは、操作トルク依拠減少成分Tqcoを決定するための反力トルク成分決定係数であり、あたかも操作トルクTqoが大きい程大きなアシスト力が発揮されているような操作感を実現するように設定されている。
Tqco=Jo・Tqo
以上のようにして決定した必要反力トルクTqcに基づき、操作ECU60は、反力モータ26に供給される電流である反力電流Icの目標となる目標反力電流Ic*を、次式に従って決定する。ちなみに、次式のKcは、目標反力電流をIc*を必要反力トルクTqcに基づいて決定するための反力電流決定係数である。
Ic*=Kc・Tqc
そして、操作ECU60は、その決定した目標反力電流Ic*に基づいて、反力モータ26に電流を供給する。
(b)自動操舵モードでの制御
実施例のステアリングシステムでは、自動走行の際に自動操舵モードとされ、転舵ECU62は、その自動操舵モードにおいて、簡単に言えば、手動操舵モードと同様の転舵制御を行う。また、自動操舵モードでは、運転者によるステアリングホイール20の操作を前提としていない。詳しく言えば、運転者がステアリングホイール20に触れていない(ステアリングホイール20を握っていない)ことを想定している。その想定の下、操作ECU60は、上述の反力制御は実行せず、ステアリングホイール20を動かさない、若しくは、車輪10の転舵に合わせて動かす制御である操作部材動作制御を実行する。
i)転舵制御
先に説明したように、自動操舵モードでも、手動操舵モードと同様の転舵制御が行われるが、自動操舵モードでは、転舵ECU62は、操作角センサ30によって検出されたステアリングホイール20の操作角δに基づいて車輪10の目標転舵角θ*を決定せず、自動走行ECU84からCAN70を介して送られてくる目標転舵角θ*についての情報に基づいて、転舵制御を実行する。
ii)操作部材動作制御
操作部材動作制御は、運転者の選択による2つのモードのいずれかにおいて実行される。2つのモードのうちの1つは、ステアリングホイール20を動かさない不動モードであり、もう1つは、車輪10の転舵に合わせてステアリングホイール20を動かす揺動モードである。ちなみに、この不動モードと揺動モードとの選択は、モード切換スイッチ92の操作によって行われる。
不動モードでは、操作ECU60は、ステアリングホイール20を中立位置に位置させるべく、ステアリングホイール20の操作角δの目標となる目標操作角δ*を、0に決定する。一方、揺動モードでは、転舵角センサ54によって検出されてCAN70を介して転舵ECU62から送られてくる実転舵角θの情報に基づいて、つまり、車輪10の転舵位置に基づいて、次式に従って、目標操作角δ*を決定する。
δ*=θ/γ’
ここで、γ’は、自動操舵モードにおけるステアリングギヤ比、すなわち、自動操舵ステアリングギヤ比であり、この自動操舵ステアリングギヤ比γ’は、次式のように、上述の手動操舵ステアリングギヤ比γより大きくされている。
γ’>γ
つまり、揺動モードにおいては、手動操舵モードにおけるステアリングギヤ比γとは異なるステアリングギヤ比に従って、ステアリングホイール20が動かされることになる。具体的に言えば、車輪10が転舵の向きが運転者に認識できる程度に、ステアリングホイール20が揺動させられることになる。
操作ECU60は、ステアリングホイール20の操作角δが、以上のように決定された目標操作角δとなるように、次式に従って、反力モータ26に供給すべき電流である反力電流Icの目標となる目標反力電流Ic*を決定し、その決定した目標反力電流Ic*に基づいて、反力モータ26に電流を供給する。
Ic*=G・(δ*-δ)
ちなみに、Gは、反力電流を決定するためのゲインある。
(c)操作位置整合作動
自動操舵モードから手動操舵モードに切り換わる際に、運転者は、ステアリングホイール20を掴む必要がある。したがって、運転者がステアリングホイール20をしっかりと掴むためには、手動操舵モードに切り換わるときに、ステアリングホイール20の操作位置が、上述の手動操作ステアリングギヤ比γに従った位置であることが望ましい。例えば、図2に示すように、自動操舵モードにおいて、車両が旋回している状態、つまり、車輪10が転舵している状態では、先に説明したように、ステアリングホイール20は、不動モードのときには中立位置に、若しくは、揺動モードのときには自動操舵ステアリングギヤ比γ’に従った位置(以下、それらの位置を「自動操舵時位置」と総称する場合がある)に位置している。その状態で、手動操舵モードに切り換えた場合、特別な処理をしなければ、ステアリングホイール20は、自動操舵時位置から、一気に、手動操舵ステアリングギヤ比γに従った位置に回転動作することになる。このようなステアリングホイール20の回転は、運転者のステアリングホイール20の適正な掴持を阻害することになる。
そこで、本実施例のステアリングシステムでは、自動操舵モードから手動操舵モードに切り換わる際に、設定された切換時間をかけて、ステアリングホイール20を、自動操舵時位置から、手動操舵ステアリングギヤ比γに従った位置に動かし、その動きの後に、運転者に対して、ステアリングホイール20の掴持を促すようにしている。このようなステアリングホイール20の動作を行わせるのが操作位置整合作動であり、その操作位置整合作動は、操作ECU60によって実行される。
操作位置整合作動に関して詳しく説明すれば、操作ECU60は、モード切換スイッチ92の操作によって、自動操舵モードから手動操作モードへの切換指示がなされた場合、まず、車速センサ72の検出に基づく当該車両のその時点の車速vを取得する。操作ECU60は、その車速vに基づき、図3(a)にグラフで示すようなマップに従って、操作位置整合作動を実行する時間として切換時間t0を決定する。車速vが高い場合程迅速な切換が望まれることを考慮して、切換時間t0は、車速vが高い程短く設定される。
操作ECU60は、自動走行ECU84に、このまま自動走行を継続した場合に、現時点から切換時間t0が経過した時点における目標転舵角θ*(以下、「切換終了時目標転舵角θ*e」という場合がある)の推定を依頼し、その切換終了時目標転舵角θ*eの情報を取得する。そして、手動操舵ステアリングギヤ比γに従ってその切換終了時目標転舵角θ*eに対応するステアリングホイール20の操作角δを、切換終了時操作角δeとして、次式に従って、特定する。
δe=θ*e/γ
その一方で、操作ECU60は、切換開始時点でのステアリングホイール20の操作角δを、切換開始時操作角δiとして特定する。
操作ECU60は、ステアリングホイール20の操作角δが、切換時間t0をかけて切換開始時操作角δiから切換終了時操作角δeに近づくように、時点々々でステアリングホイール20がとるべき操作角δである目標操作角δ*を、時間tの経過に伴って、次式に従って決定する。
δ*=δi +(δe-δi)・f(t) f(t):変化関数
上記変化関数f(t)は、運転者によって選択可能な2つの変化モードに対応して、2つ準備されている。2つの変化モードのうちの1つは、リニアモードであり、ステアリングホイール20を、一定の速度(操作部材の速度であるので、以下、「操作速度」という場合がある)で動かすモードである。このリニアモードが選択されている場合には、変化関数f(t)として、図3(b)のグラフに示すようなリニア変化関数fl(t)が採択される。一方、2つの変化モードのもう1つは、S字モードであり、操作速度が初期において増加し終期において減少するように、言い換えれば、操作速度が滑らかに変化するように、ステアリングホイール20を動かすモードである。このS字モードが選択されている場合には、変化関数f(t)として、図3(c)のグラフに示すようなS字変化関数fs(t)が採択される。リニアモードとS字モードとのいずれかの採択は、モード切換スイッチ92の操作によってなされる。
操作ECU60は、上述のように決定された目標操作角δ*に基づいて、切換時間t0の間、上述の操作部材動作制御と同様に、反力電流Icの目標となる目標反力電流Ic*を決定し、その決定した目標反力電流Ic*に基づいて、反力モータ26に電流を供給する。このようにして、操作位置整合作動は行われる。
ちなみに、切換時間t0が経過した時点では、まだ、自動走行が継続している。そのことを考慮して、本ステアリングシステムでは、操作位置整合作動の開始時に、切換時間t0の経過後の自動操舵による転舵角θを、切換終了時目標転舵角θ*eとして推定し、その推定された切換終了時目標転舵角θ*eに手動操舵ステアリングギヤ比γに従って対応するステアリングホイール20の操作角δを、切換終了時操作角δeとして特定している。そのように特定された切換終了時操作角δeまで、切換時間t0をかけて、ステアリングホイール20の操作位置を近づけることで、たとえ切換時間t0内に自動操舵によってどのように車輪10の転舵角θが変化させられても、円滑な操作位置整合作動を実現することが可能となるのである。
操作位置整合作動が完了した場合、すなわち、ステアリングホイール20の操作角δが、切換終了時操作角δeに到達した場合、操作ECU60は、その旨を、報知器90を介して、運転者に報知する。この報知により、ステアリングホイール20の掴持が、運転者に対して促される。操作ECU60は、運転者がステアリングホイール20に触れているか否かを、タッチセンサ88を介して把握しており、操作位置整合作動が完了し、かつ、運転者がステアリングホイール20に触れていることを条件に、すなわち、切換時間t0の経過後であって運転者がステアリングホイール20に触れていることを条件に、手動操舵モードによる車輪10の転舵を許容する。この許容の情報に基づいて、転舵ECU62は、転舵制御を、自動操舵モードにおける転舵制御から、手動操舵モードにおける転舵制御に変更する。
(d)制御フロー
上述の転舵制御は、転舵ECU62が、図4にフローチャートを示す転舵制御プログラムを、短い時間ピッチ(例えば、数msec~数十msec)で繰り返し実行することによって行われ、反力制御,操作部材動作制御,操作位置整合作動は、操作ECU60が、それぞれ、図5,図6,図7にフローチャートを示す反力制御プログラム,操作部材動作制御プログラム,操作位置整合作動プログラムを、短い時間ピッチ(例えば、数msec~数十msec)で繰り返し実行することによって行われる。以下に、それぞれのプログラムに従った処理の流れを、簡単に説明する。
i)転舵制御プログラムに従う処理
転舵制御プログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、自動操舵フラグFAが“1”であるか否かが判定される。自動操舵フラグFAは、手動操舵モードであるときに“0”とされ、自動操舵モードであるときに“1”とされる。ちなみに、自動走行を開始すべくモード切換スイッチ92を操作したときに“1”とされ、手動操舵の準備が整ったときに“0”とされるフラグである。
手動操舵モードであるときには、S2において、操作角δが、操作ECU60からCAN70を介して取得され、S3において、その操作角δに手動操作ステアリングギヤ比が乗じられて、目標転舵角θ*が決定される。一方で、自動操舵モードであるときには、S4において、目標転舵角θ*が、自動走行ECU84からCAN70を介して取得される。
次のS5において、実転舵角θが、転舵角センサ54を介して検出され、S6において、目標転舵角θ*に対する実転舵角θの偏差である転舵角偏差Δθが認定される。続くS7において、転舵角偏差Δθに基づいて、フィードバック制御則に従って、必要転舵トルクTqsが決定され、S8において、その必要転舵トルクTqsに基づいて、転舵モータ50に供給されるべき電流としての目標転舵電流Is*が決定される。そして、S9において、その目標転舵電流Is*に基づいて、転舵モータ50に、転舵電流が供給され、当該転舵制御プログラムの1回の実行が終了する。
ii)反力制御プログラムに従う処理
反力制御プログラムは、手動操舵が許容されているとき、つまり、自動操舵フラグFAが“0”となっているときに、実行される。当該反力制御制御プログラムに従う処理では、まず、S11において、実際に転舵モータ50に供給されている電流である実転舵電流Is が、転舵ECU62から、CAN70を介して、取得され、S12において、その実転舵電流Is に基づいて、転舵トルク依拠成分Tqcsが決定される。続く、S13において、操作トルクセンサ34を介して操作トルクTqoが検出され、S14において、その操作トルクTqoに基づいて、操作トルク依拠減少成分Tqcoが決定される。
次のS15において、転舵トルク依拠成分Tqcsから操作トルク依拠減少成分Tqcoが減じられることによって、ステアリングホイール20に付与すべき反力トルクである必要反力トルクTqcが決定され、S16において、その必要反力トルクTqcに基づいて、反力モータ26に供給されるべき電流である目標反力電流Ic*が決定される。そして、S17において、その目標反力電流Ic*に基づいて、反力モータ26に反力電流が供給され、当該反力制御プログラムの1回の実行が終了する。
iii)操作部材動作制御プログラムに従う処理
操作部材動作制御プログラムは、自動操舵モードとされており、かつ、手動操作への切換が開始されていないときに、上記反力制御プログラムに代えて実行される。当該操作部材動作制御プログラムに従う処理では、まず、S21において、操作部材動作モードフラグFOが“1”であるか否かが判定される。操作部材動作モードフラグFOは、上述の不動モードが採択されている場合に“0”とされ、上述の揺動モードが採択されている場合に“1”とされるフラグである。
揺動モードが採択されている場合には、S22において、転舵角センサ54によって検出された実転舵角θが、CAN70を介して転舵ECU62から取得され、S23において、その実転舵角θに基づいて、手動操舵モードにおけるステアリングギヤ比γよりも大きく設定された自動操舵ステアリングギヤ比γ’に従って、ステアリングホイール20がとるべき操作角δである目標操作角δ*が、決定される。一方で、不動モードが採択されている場合には、S24において、目標操作角δ*が0に決定される。
続くS25において、実際の操作角δが、操作角センサ30を介して検出され、S26において、その検出された操作角δと、目標操作角δ*とに基づいて、目標反力電流Ic*が決定される。そして、S27において、その目標反力電流Ic*に基づいて、反力モータ26に反力電流が供給され、当該操作部材動作制御プログラムの1回の実行が終了する。
iv)操作位置整合作動プログラムに従う処理
操作位置整合作動プログラムは、運転者が手動操舵モードを選択したとき、つまり、モード選択スイッチ92の操作によって手動操舵モードが選択されたときに、開始される。操作位置整合作動プログラムに従う処理では、まず、S31において、今回の当該プログラムの実行が、手動操舵モードが選択されて最初の実行であるか否かが、判定される。簡単に言えば、今回、手動操舵に切換った場合には、S32~S41の初期処理が実行され、前回以前に手動操作に切換っている場合には、初期処理はスキップされる。
初期処理では、まず、S32において、モードの切換りからの時間の経過を計測するためのタイムカウンタtが0にリセットされる。続くS33において、車速センサ72の検出に基づいて、当該車両のその時点の車速vが取得され、S34において、その車速vに基づき、上述の図3(a)に示すマップが参照されて、切換時間t0が決定される。
次のS35において、その切換時間t0に関する情報とともに、その切換時間t0に基づく切換終了時目標転舵角θ*eの推定の依頼が、自動走行ECU84に送信され、S36において、自動走行ECU84から、された切換終了時目標転舵角θ*eが取得される。続くS37において、その切換終了時目標転舵角θ*eに基づいて、手動操舵ステアリングギヤ比γに従った操作角δが、切換終了時操作角δeとして特定され、S38において、現時点での操作角δが、切換開始時操作角δiとして特定される。
さらに、S39において、操作位置変化モードフラグFCが、“1”であるか否かが判定される。操作位置変化モードフラグFCは、変化モードとしてリニアモードが選択されているときに“0”と、S字モードが選択されているときに“1”とされるフラグである。リニアモードが選択されている場合には、S40において、上述の変化関数f(t)が、図3(b)に示すリニア変化関数f1(t)に決定され、S字モードが選択されている場合には、S41において、上述の変化関数f(t)が、図3(c)に示すS字変化関数f2(t)に決定される。
以上のような初期処理の後に、若しくは、当該プログラムの2回目以降の実行の際には、S42において、タイムカウンタtが、上記切換時間t0に到達しているか否かが判定される。切換時間t0に到達していない場合には、S43において、タイムカウンタtが、当該プログラムの実行ピッチΔtだけカウントアップされ、S44において、そのカウントアップされたタイムカウンタtに基づいて、上記決定された変化関数f(t)に従って、そのタイムカウンタtが示す時点でステアリングホイール20がとるべき操作角δである目標操作角δ*が、決定される。
続くS45において、操作角センサ30を介して、現時点での実際の操作角δが検出され、S46において、上記操作部材動作制御プログラムにおける処理と同様に、目標反力電流Ic*が決定される。S47において、決定された目標反力電流Ic*に基づいて、反力モータ26に電流が供給され、当該操作位置整合作動プログラムの1回の実行が終了する。
タイムカウンタtが上記切換時間t0に到達しているとS42において判定された場合、すなわち、操作位置整合作動が完了した場合には、S48において、その完了の旨が、報知器90を介して、運転者に報知される。次に、S49において、タッチセンサ88を介して、運転者の手がステアリングホイール20に触れているか否かが判定される。
運転者の手がステアリングホイール20に触れていない場合には、S44~S47の処理が実行される。目標操作角δ*が更新されていないことから、それらの処理によって、現在のステアリングホイール20の位置、すなわち、操作位置整合作動が完了した時点の操作位置に維持される。
一方で、運転者の手がステアリングホイール20に触れているとS49において判定された場合には、S50において、上述の自動操舵フラグFAが“0”とされ、つまり、手動操舵モードでの車輪10の転舵が許容され、S51において、当該操作位置整合作動プログラムに従う処理は終了させられる。
10:車輪 12:操作装置 14:転舵装置 20:ステアリングホイール〔操作部材〕 26:反力モータ 28:反力付与機構〔操作アクチュエータ〕 30:操作角センサ 32:トーションバー 40:ステアリングナックル 42:転舵アクチュエータ 50:転舵モータ 52:ロッド移動機構 54:転舵角センサ 60:操作電子制御ユニット〔操作コントローラ〕 62:転舵電子制御ユニ 70:CAN 84:自動走行電子制御ユニット 88:タッチセンサ 90:報知器 92:モード切換スイッチ

Claims (8)

  1. 車両に搭載されるステアバイワイヤ型のステアリングシステムであって、
    運転者によって操作される操作部材と、その操作部材に力を付与する操作アクチュエータと、車輪を転舵する転舵アクチュエータと、当該ステアリングシステムの制御を司るコントローラとを備え、
    前記コントローラが、
    設定されたステアリングギヤ比に従い前記操作部材の操作位置に基づいて車輪を転舵させる手動操舵モードと、前記操作部材の操作に拘わらずに車輪を転舵させる自動操舵モードとで、車輪を転舵させることが可能とされ、かつ、その自動操舵モードにおいて、前記操作部材を、前記手動操舵モードにおいて車両が直進するときの位置である中立位置に位置させる、または、前記操作部材を、車輪の転舵位置に基づいて、前記ステアリングギヤ比とは異なるステアリングギヤ比に従って、動かすように構成され、
    前記自動操舵モードから前記手動操舵モードへの切換の際に、設定された切換時間かけて、前記操作アクチュエータによって、前記操作部材を、切換開始時の操作位置から、切換終了時の車輪の転舵位置に対応しかつ前記手動操舵モードでのステアリングギヤ比に従った操作位置まで動かす操作位置整合作動を行うように構成されたステアリングシステム。
  2. 前記コントローラが、手動操舵モードにおいて、前記操作部材の操作に対する反力を付与するように、前記操作アクチュエータを制御するように構成された請求項1に記載のステアリングシステム。
  3. 前記コントローラが、前記切換時間を変更可能に設定するように構成された請求項1または請求項2に記載のステアリングシステム。
  4. 前記コントローラが、前記切換時間を、当該車両の走行速度に応じて変更するように構成された請求項3に記載のステアリングシステム。
  5. 前記コントローラが、前記操作位置整合作動が完了した場合に、その旨を運転者に通報するように構成された請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のステアリングシステム。
  6. 前記コントローラが、前記切換時間経過後、運転者が操作部材に触れていることを条件に、前記手動操舵モードによる車輪の転舵を許容するように構成された請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のステアリングシステム。
  7. 前記コントローラが、前記操作位置整合作動において、前記操作部材を一定の操作速度で動かすように構成された請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のステアリングシステム。
  8. 前記コントローラが、前記操作位置整合作動において、初期に操作速度が増加し、終期に操作速度が減少するように、前記操作部材を動かすように構成された請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のステアリングシステム。
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