JP4259016B2 - 車両操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者により操作される操作部材の変位位置に応じて操作部材に対する反力を発生する車両操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、特開平11−171025号公報に開示されているように、ジョイスティックを操作部材として用い、ジョイスティックを車体に対して左右前後に傾動することにより車両の加速、制動および操舵を行う車両がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両においては、例えば、走行中に車両が前方の物体等に衝突した場合、ジョイスティックは可動であるため、衝突の勢いでジョイスティックを持ったまま車両の前方側に突進してしまうことがある。また、車両の衝突による衝撃が大きな場合には、運転席の近傍で突出したジョイスティックが運転者にとって障害になる場合もある。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、走行中の車両が衝突した場合、操作部材の反力制御態様を変更して、衝突時においても運転者の状態を適切に維持することができる車両操作装置を提供することを目的とする。
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる車両操作装置の特徴は、車両の加速、制動および操舵を行うために運転者により操作される操作部材と、操作部材の変位位置に応じた操作部材に対する反力を発生する反力発生手段と、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、衝突検出手段による車両の衝突検出に応答して、運転者の姿勢を維持するために反力を大きくするように反力発生手段の制御態様を変更する反力制御態様変更手段とを備えたことにある。
【0006】
前記のように構成した本発明の車両操作装置によれば、車両が通常の走行状態にあれば、操作部材の変位位置に応じた反力が操作部材に発生して運転操作が安定し、衝突検出手段が車両の衝突を検出すると、反力制御態様変更手段が、反力発生手段の制御態様を変更する。この制御態様の変更とは、操作部材に対する反力を大きくして、操作部材に運転者の体重による付勢力が発生しても操作部材が移動しないようにすることである。
【0007】
したがって、車両衝突の勢いで、運転者が車両の前後方向または左右方向に傾倒しかけても運転者が操作部材を捉まえることによって体を運転席の位置に維持させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両操作装置の一実施形態を図面を用いて説明する。この車両操作装置は、図1に示した操作部材としての操作レバー(ジョイスティック)10を備えている。操作レバー10は、車両のコンソールボックスにおける運転席近傍に設けられており、図1に矢印で示したように、運転者により前後方向および左右方向に傾動される。
【0009】
図2は、操作レバー10を含む操作レバー装置の概略斜視図を示している。操作レバー10は、円柱棒状のロッド10aと、ロッド10aの上部外周に固定された円柱状の把持部10bとを備えている。そして、ロッド10aは、略中央部に球状部10cを備えて、この球状部10cによって車体に対して左右および前後方向に回動可能に支持されている。
【0010】
また、操作レバー装置は、車両の始動時に、操作レバー10を初期位置に自立させる復帰力のうちの車両左右方向に対する復帰力(図2に一点鎖線で示した位置から実線で示した位置に移動させる力のうち車両左右方向に対する力)を発生するとともに、車両走行時に、操作レバー10の車両左右方向の回動に対する反力(中立位置から車両左右方向に回動させようとする運転者の操作力に抗する力)を発生する左右方向反力発生機構20を備えている。この左右方向反力発生機構20は、ガイドプレート21、回転軸22、第1歯車23、第2歯車24、左右反力用の電動モータ25および操作位置センサ26を備えている。
【0011】
ガイドプレート21は、L字状に屈曲された板状体からなり、回転軸22に固定された面が鉛直面になるように配置され、水平方向に配置される面にロッド10aの直径よりやや大きい幅を有し車両前後方向に長手方向を有する溝21aが設けられている。そして、この溝21a内をロッド10aが貫通している。回転軸22は、その軸線が車両前後方向に沿うとともに、操作レバー10の球状部10cの中心を通るように車体に対して回転可能に支持され、中央部に第1歯車23を一体的に備えている。この第1歯車23は電動モータ25の回転軸に固定された第2歯車24に噛合している。
【0012】
操作位置センサ26は、回転軸22の端部位置において車体側に固定され、回転軸22の回転角を操作レバー10の左右方向の変位位置として検出する。この操作位置センサ26の出力である変位位置の値は、操作レバー10が左右方向の中立位置にあるときに「0」となるように調整されている。
【0013】
さらに、操作レバー装置は、車両の始動時に、操作レバー10を初期位置に自立させる復帰力のうちの車両前後方向に対する復帰力(図2に一点鎖線で示した位置から実線で示した位置に移動させる力のうち車両前後方向に対する力)を発生するとともに、車両走行時に、操作レバー10の車両前後方向の傾動に抗する反力(中立位置から車両前後方向に傾動させようとする運転者の操作力に抗する力)を発生する前後方向反力発生機構30を備えている。この前後方向反力発生機構30は、ガイドプレート31、回転軸32、第3歯車33、第4歯車34、前後反力用の電動モータ35、および操作位置センサ36を備えている。
【0014】
ガイドプレート31は、L字状に屈曲された板状体からなり、回転軸32に固定された面が鉛直面になるように配置され、水平方向に配置される面に、ロッド10aの直径よりやや大きい幅を有し車両左右方向に長手方向を有する溝31aが設けられている。そして、この溝31a内をロッド10aが貫通している。また、回転軸32は、その軸線が車両左右方向に沿うとともに、操作レバー10の球状部10cの中心を通るように車体に対して回転可能に支持され、中央部に第3歯車33を一体的に備えている。この第3歯車33は電動モータ35の回転軸に固定された第4歯車34に噛合している。
【0015】
操作位置センサ36は、回転軸32の端部位置において車体側に固定され、回転軸32の回転角を操作レバー10の前後方向の操作位置として検出する。この操作位置センサ36の出力である変位位置の値は、操作レバー10が前後方向の中立位置にあるときに「0」となるように調整されている。なお、左右方向反力発生機構20と前後方向反力発生機構30とで、本発明の反力発生手段が構成される。
【0016】
また、車両の略中央部分には、衝突検出手段として、車両の前後方向および左右方向の加速度を検出するための加速度センサが設けられており、この加速度センサの検出値から車両が衝突した場合の衝撃の大きさおよび衝突による加速方向が判定できる。この加速度センサは、前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ40aと、左右方向の加速度を検出する横加速度センサ40b(図3参照)で構成されている。そして、図3に示すように、操作位置センサ26,36、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bは、電気制御装置41に接続されている。
【0017】
電気制御装置41は、CPU41a、ROM41b、RAM41cなどを有するマイクロコンピュータによって構成され、操作位置センサ26,36が検出する検出値に応じてエンジン制御装置42、ブレーキ制御装置43およびステアリング制御装置44を制御する。また、本発明の反力制御態様変更手段として、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bが検出する検出値に応じて、電動モータ25,35を制御する。
【0018】
エンジン制御装置42は、操作位置センサ36が検出する操作レバー10の変位位置に基づいて電気制御装置41によって制御され、スロットル開度を制御するスロットルアクチュエータ45を駆動させることによってエンジンシステムを作動させ車両を加速制御する。操作レバー10は、車両の前後方向において、その中立位置を境に後方に変位するに従って車両の加速度を大きくし、中立位置側に変位するに従って車両の加速度を小さくするように設定され、中立位置においては、加速度を「0」にするように設定されている。
【0019】
ブレーキ制御装置43は、操作位置センサ36が検出する操作レバー10の変位位置に基づいて電気制御装置41によって制御され、車両に制動力を付与するブレーキアクチュエータ46を駆動させる。これによって、ブレーキシステムが作動し車両を制動制御する。操作レバー10は、車両の前後方向において、その中立位置を境に前方に変位するに従って車両の制動力を大きくし、中立位置側に変位するに従って車両の制動力を小さくするように設定され、中立位置においては、制動力を「0」にするように設定されている。
【0020】
ステアリング制御装置44は、運転者の操作に従った操作レバー10の車体左右方向の変位位置によりステアリングアクチュエータ47を制御して車両を左右に操舵する。すなわち、電気制御装置41は、操作位置センサ26からの操作レバー10の左右方向の変位位置を入力して、この入力した変位位置に対応した操舵角を計算する。
【0021】
この操舵角は、操作レバー10の変位位置が中立位置であるとき「0」に設定され、操作レバー10が、その中立位置を境に車両右側に変位するに従って操舵角が右側に大きくなって車両は右旋回し、中立位置を境に車両左側に変位するに従って操舵角が左側に大きくなって車両は左旋回するように設定されている。そして、電気制御装置41は、算出した操舵制御信号をステアリング制御装置44に出力し、テアリング制御装置44は、この操舵制御信号に応じてステアリングアクチュエータ47を制御することによりステアリングシステムを作動させて車両を左右方向に操舵する。
【0022】
つぎに、以上のように構成した車両操作装置において、車両の走行中に衝突が生じた場合の操作レバー10の操作に対する車両の加速、制動、操舵等の運転制御について、図4のフローチャートを用いて説明する。図4は、図3に示した電気制御装置41のCPU41aが実行するプログラムを示したものであり、このプログラムは、電気制御装置41に備わったメモリのROM41bに記憶されている。そして、このプログラムは、運転者の操作によりイグニッションスイッチがオン状態にされたのちに、所定の短時間ごとに繰り返し実行される。
【0023】
まず、プログラムは、ステップS100において開始され、CPU41aは、ステップS102において、衝突フラグGaFが“0”であるか否かを判定する。この衝突フラグGaFは“1”により、車両が衝突し、その衝突が検出されてから衝突現象終了後、所定時間経過するまでの衝突状態であることを表し、“0”によりそれ以外の状態を表すものであり、初期においては、初期化処理により“0”に設定されている。したがって、ステップS102においては「YES」と判定して、ステップS104に進む。ステップS104においては、車両が衝突してからの経過時間を測定するためのカウント値mをリセットして「0」にする。
【0024】
そして、ステップS106に進み、ステップS106において、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bが検出する車両の加速度Gが、衝突を判定するための加速度のしきい値Gaよりも小さいか否かを判定する。このしきい値Gaは、図5に示した車両衝突からの経過時間と車両の加速度Gの測定値との関係を表すグラフに基づいて求められた値であり、加速度Gがしきい値Gaを超えると車両は衝突したと判定する。
【0025】
ここで、車両は衝突してなく、加速度Gがしきい値Gaよりも小さければ、ステップS106において、「YES」と判定して、ステップS108に進み、ステップS108において、操作位置センサ26,36が検出する操作レバー10の変位位置を入力する。ついで、ステップS110において、操作位置センサ26,36の検出値に基づいて、加速度A,制動力B,操舵角θの算出を行う。そして、求めた算出値のうちの操舵角θの値は、電気制御装置41のRAM41cに一時的に記憶させておく。そして、ステップS112において、加速度A,制動力B,操舵角θの出力が行われ、通常の車両操作が行われる。この場合、操作位置センサ26,36が検出する操作レバー10の変位位置に応じて車両は、加速、制動および操舵される。
【0026】
すなわち、運転者の操作により、操作レバー10が中立位置よりも後方の部分で前後方向に変位すると、その変位位置を操作位置センサ36が検出し、その変位位置に応じた信号が電気制御装置41に供給され、電気制御装置41は、エンジン制御装置42に、スロットルを開成するための信号を出力する。そして、エンジン制御装置42がスロットルアクチュエータ45を制御することにより、操作レバー10の変位位置に応じて車両は加速する。
【0027】
また、運転者の操作により、操作レバー10が中立位置よりも前方の部分で前後方向に変位すると、その変位位置を操作位置センサ36が検出し、その変位位置に応じた信号が電気制御装置41に供給される。電気制御装置41は、操作レバー10の変位位置に応じた制動力を算出し、その制御信号をブレーキ制御装置43に出力する。そして、ブレーキ制御装置43がブレーキアクチュエータ46を制御することにより、操作レバー10の変位位置に応じて車両は制動される。
【0028】
また、運転者により、操作レバー10が左側に操作されると、その変位位置を操作位置センサ26が検出し、その変位位置に応じた信号が電気制御装置41に供給される。電気制御装置41は、操作レバー10の変位位置に応じた操舵角を算出し、その制御信号をステアリング制御装置44に出力する。そして、ステアリング制御装置44の制御によって車両は左旋回する。また、操作レバー10が右側に操作されると、車両は右旋回する。このように、車両は操作レバー10の操作に応じた通常の運転制御による走行を行う。そして、ステップS114に進んでプログラムは一旦終了する。
【0029】
所定時間の経過後、ステップS100からのプログラムの実行をふたたび開始すると、CPU15aは、ステップS102において衝突フラグGaFの判定処理を行う。ここで、衝突フラグGaFは、“0”に設定されたままであるため「YES」と判定して、ステップS104の処理を行ったのち、ステップS106において、車両の加速度Gが、しきい値Gaよりも小さいか否かを判定する。このとき、車両が他の車両や物体等と衝突して加速度Gがしきい値Gaよりも大きくなっていれば、ステップS106において「NO」と判定して、ステップS116に進む。ステップS116においては、衝突状態を表す衝突フラグGaFが“1”に設定される。
【0030】
そして、プログラムは、ステップS118に進み、ステップS118において、衝突によって車両に生じる加速の方向を検出する。この方向の検出は、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bが検出する前後方向および左右方向の加速度の判定によって行い、その値は、例えば、前後方向の加速度の2乗の値と横方向の加速度の2乗の値の和を1/2乗して求める。この場合、車両は後方から他の車両に追突されたとして、車両の加速方向は前方とする。そして、ステップS120において、カウント値mが、衝突による車両の加速度変化が無くなったと判断できる時間に対応するカウント値Mと同じでないか否かを判定する。
【0031】
このカウント値Mは、図5における時間Ta、すなわち、車両衝突後、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bが検出する加速度Gがしきい値Gaに達して衝突が生じたと判定した衝突後時間taから車両の衝突による加速度変化がなくなったと判断できる衝突後時間tbまでの時間に対応するもので、カウント値mがカウント値Mになったときに衝突の判定時から時間Taが経過したことを表している。例えば、このプログラムを1回実行するために10msecの時間を要するとすれば、カウント値Mと10msecの積が時間Taと等しくなる。
【0032】
カウント値mがカウント値Mよりも小さくて、カウント値mがカウント値Mと等しくなければ、ステップS120において「YES」と判定して、ステップS122に進む。この場合、車両は衝突して不安定な状態にあり、運転者の体は衝突の勢いで、車両の加速方向と逆方向の後方に後退する状態になっている。このため、ステップS122以下、操作レバー10の変位位置に応じた車両の運転制御を禁止して下記の制御による車両の運転制御が行われる。
【0033】
まず、ステップS122において、操作レバー10に対する車両の加速方向(前方)への反力を最大にする制御が行われる。これは、電気制御装置41の制御により電動モータ35に、操作レバー10を前方側に移動させようとする反力が最大になるような電流が流されることによって行われる。これによって、電動モータ35が駆動して操作レバー10に対する反力が発生するため、運転者は、操作レバー10をしっかり握ることによって、車両衝突の勢いによって車両の後方側に向かって突進する体を運転席に維持できる。すなわち、運転者は衝突の勢いによって、後退しかけて操作レバー10を後方に引っ張ろうとするが、操作レバー10にはその力に反する反力が発生しているため、運転者は後方に傾倒することなくその位置に体を維持することができる。この結果、運転者は、衝突時の姿勢を維持でき、座席の背もたれに強く衝突することを防止できる。
【0034】
ついで、ステップS124に進み、ステップS124においてブレーキ指示値Fをブレーキ制御装置43に出力する。このブレーキ指示値Fは、予め設定してマップ化したデータから求められるもので、このマップデータはROM41bに記憶されている。ブレーキ指示値Fは、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bが検出する車両の加速度Gに基づいて車両速度を求め、車両速度が大きくなるに従ってブレーキ指示値Fも大きくなるように設定することができる。また、一律に、ブレーキ出力の最大値に設定することもできる。このブレーキ指示値Fの出力に応じて車両は制動される。
【0035】
つぎに、プログラムは、ステップS126に進み、ステップS126においてアクセルを全閉する。これは、電気制御装置41がエンジン制御装置42を制御して、スロットルアクチュエータ45を駆動させスロットルを閉じることによって行われる。つぎに、ステップS128に進み、ステップS110の処理によって算出されRAM41cに記憶されている操舵角θをステアリング目標値θとしてステアリング制御装置44に出力する。これによって、車両の操舵角θは、衝突判定時の状態に維持される。すなわち、この処理は、車両が衝突し、その衝突の判定が行われたときの車両の操舵角θをそのまま維持させるためのものである。
【0036】
そして、ステップS130においてカウント値mに「1」を加算した値を新たなカウント値mに設定したのち、ステップS114に進んでプログラムは一旦終了する。また、再度、プログラムが実行されると、衝突フラグGaFは、前回のプログラム実行のときに、ステップS116において“1”に設定されているため、ステップS102において「NO」と判定して、ステップS120に進み、ステップS120において、カウント値mがカウント値Mと同じであるか否かを判定する。ここで、まだ、カウント値mがカウント値Mに達してなく、カウント値mがカウント値Mと異なっていれば、ステップS120において、「YES」と判定して、ステップS122に進み、以下、ステップS122〜S130の処理を行ったのち、ステップS114に進んでプログラムは終了する。
【0037】
以後、ステップS100からプログラムの実行を開始しても、カウント値mがカウント値Mに達してない状態が続いていれば、前述したステップS100,S102,S120〜S130,S114の処理を繰り返す。そして、衝突の判定が行われた衝突後時間taから時間Taが経過して衝突後時間tbに達して、車両の加速度に衝突の影響がなくなったと判定したときにステップS120において、「NO」と判定して、ステップS132に進み、ステップS132において衝突フラグGaFを“0”に設定する。ついで、ステップS108に進み、以下、ステップS108〜S112の処理を行うことによって、操作レバー10の変位位置に応じた通常の操作による運転制御が行われる。これによって、車両は、衝突時における操作レバー10の変位位置に応じた運転制御を禁止された状態から抜け出て正常な運転制御状態に戻る。そして、プログラムは、ステップS114に進んで終了する。
【0038】
以後、ステップS106において、加速度Gがしきい値Gaよりも小であると判定する限り、ステップS108〜S112における車両が正常時の通常操作による運転制御が行われ、ステップS100〜S114の処理が繰り返される。そして、車両に衝突が発生し、ステップS106において「NO」と判定すると、ステップS116に進み、以下、前述した衝突時における運転制御に基づいた処理が行われる。
【0039】
このとき、車両が後方から他の車両に追突されたのではなく、前方の車両や物体等と衝突していれば、操作レバー10に対する反力は車両の後方側に向かって発生し、車両の前方に向かって突進しようとする運転者の体を支持する。また、車両の左側面が他の車両や物体等と衝突して、横加速センサ40bが検出する車両の加速方向が車両の右方向になった場合には、電気制御装置41の制御により電動モータ25が駆動して、操作レバー10を右方向に移動させようとする反力が大きくなり、左方向に傾倒しようとする運転者の支えとなる。また、車両の右側面が衝突して車両の加速方向が左方向になった場合には、操作レバー10を左方向に移動させようとする反力が大きくなり、右方向に傾倒しようとする運転者の支えとなる。
【0040】
このように、本実施形態による車両操作装置では、車両が正常に走行しているときには、操作レバー10の変位位置に応じた車両の運転制御が行われ、車両に衝突が生じると、その衝突状態が継続していると判定する間、操作レバー10による車両の操作を無効にして、車両は、加速を停止し制動されるとともに、衝突を検出したときの操舵角を維持する。また、操作レバー10に対しては、車両の加速方向に沿った大きな反力が発生する。これによって、運転者は操作レバー10をしっかりと握ることにより車両衝突の衝撃によって姿勢を崩すことなく運転席に体を維持することができ安全な状態が確保される。
【0041】
なお、本発明においては、衝突による衝撃が大きく、衝突後の加速度が所定値を超える場合は、操作レバー10の操作による通常の運転制御に復帰させることなく、衝突後時間tb経過後も、操作レバー10の操作による変位位置に応じた運転制御が不能な状態に維持することもできる。また、このように衝撃が大きな場合、操作レバー10の強度を小さく設定して操作レバー10に大きな荷重がかかると操作レバー10が折れたり曲がったりするようにするとともに、図4のフローチャートにおけるステップS122の処理に代えて、操作レバー10に対する反力を全て「0」にする処理を行うこともできる。これによると、車両が衝突した後に、運転者の体が操作レバー10に衝突しても、操作レバー10は、簡単に折れたり、曲がったりするため、操作レバー10によって運転者が体を傷めたりすることがなくなる。
【0042】
なお、図5において、加速度Gを正の値として表して、車両が後方から衝突された場合の加速度Gを示しているが、この加速度Gは、車両が前方の車両等に衝突した場合には減速されて負の値になる。その場合、図5のグラフは上下対称に表れる。また、前記実施形態においては、衝突検出手段として、前後加速度センサ40aおよび横加速度センサ40bを用い、両加速度センサ40a,0bを車体の略中央部に設けているが、衝突検出手段としては、これに限らず、エアバック用の衝撃感知センサ等の使用も好ましい。
【0043】
さらに、センサを取り付ける場所も適宜変更することができ、センサの数も複数個用いてあらゆる方向の衝突を検出できる衝突検出手段を構成することが好ましい。また、前後左右の加速度を検出できる加速度センサであれば1個だけで構成することもできる。また、前記実施形態においては、加速方向に対する反力を最大に設定する場合、操作レバー10が加速方向に向かって傾倒するようにしているが、この反力を、運転者が付加する加重と等しい大きさの反力にして、操作レバー10の位置が衝突前の位置を維持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による車両操作装置の操作レバーを示す概略斜視図である。
【図2】 図1に示した操作レバーを含む操作レバー装置の概略斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態による車両操作装置の電気制御装置を示すブロック図である。
【図4】 図3に示したCPUが実行するプログラムを示すフローチャートである。
【図5】 衝突後時間に対する車両加速度の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
10…操作レバー、20…左右方向反力発生機構、26,36…操作位置センサ、25,35…電動モータ、30…前後方向反力発生機構、40a…前後加速度センサ、40b…横加速度センサ、41…電気制御装置、42…エンジン制御装置、43…ブレーキ制御装置、44…ステアリング制御装置。
Claims (1)
- 車両の加速、制動および操舵を行うために運転者により操作される操作部材と、
前記操作部材の変位位置に応じた前記操作部材に対する反力を発生する反力発生手段と、
前記車両の衝突を検出する衝突検出手段と、
前記衝突検出手段による車両の衝突検出に応答して、前記運転者の姿勢を維持するために反力を大きくするように前記反力発生手段の制御態様を変更する反力制御態様変更手段と
を備えたことを特徴とする車両操作装置。
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