JP4633798B2 - 走行車両の無段変速装置及びその無段変速方法 - Google Patents

走行車両の無段変速装置及びその無段変速方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポンプと可変容量型モータとにより閉回路を構成した無段変速装置及び無段変速方法に関するものである。
無段変速可能なHST装置(ハイドロ・スタティック・トランスミッション装置)において、油圧ポンプと油圧モータとを用いたHST装置としては、例えば、図14に示すHST回路構成(例えば、特許文献1参照。)が従来から知られている。
また、油圧ポンプと油圧モータとをそれぞれ1つ用いたHST装置としては、低速走行時には無段変速といった特性を維持しながら、高速走行時には油圧モータを動力源に直結させることのできる、図16に示すHST装置(特許文献2参照。)などが提案されている。
図14に示すHST回路構成では、図示せぬエンジン等の駆動原によって回転駆動される可変容量型ポンプ50は、回路59、60を介してそれぞれ固定容量型モータ51と可変容量型モータ52とに接続している。
可変容量型モータ52のモータ軸52aには、歯車54が装着されている。同歯車54は、クラッチ55を介して出力軸53に装着した歯車56と噛合している。また、固定容量型モータ51のモータ軸51aには、歯車57が装着されており、同歯車57は、出力軸53に装着した歯車58と噛合している。出力軸53の回転により、図示せぬ走行車両のタイヤ等を回転駆動することができる。
特許文献2に記載されたHST装置は、図16に示すような回路構成となっている。可変容量型ポンプ61は、エンジン79により回転駆動される。可変容量型ポンプ61と油圧モータ63とは、油路62及び油路64を介して閉回路に構成されている。また、油圧モータ63は、走行車両を走行させる出力軸を有すると共に、クラッチ機構66を途中に有する軸65を介して、可変容量型ポンプ61側に接続している。
クラッチ機構66は、通常においては油圧モータ63を可変容量型ポンプ61側から遮断する遮断状態にある。クラッチ機構66が接続状態に切換わると、油圧モータ63を可変容量型ポンプ61側に接続させる。これにより、エンジン79の駆動力を直接、軸65を介して油圧モータ63側の出力軸に伝えることができる。
クラッチ機構66は、シリンダ67によって切換えられる。シリンダ67のロッド側室67aの圧力が、ボトム側室67bの圧力より所定圧だけ高くなるまでは、クラッチ機構66は遮断状態にあり、油圧モータ63を可変容量型ポンプ61側から遮断する。そして、シリンダ67のロッド側室67aの圧力が、ボトム側室67bの圧力より所定圧だけ高くなると、シリンダ67の推力によってクラッチ機構66が接続状態に切換わり、油圧モータ63の出力軸を可変容量型ポンプ61側に接続させることになる。
シリンダ67のボトム側室67bには、走行車両の前進時において、可変容量型ポンプ61に連設した第1制御ポンプ68からの吐出圧が供給されている。シリンダ67のロッド側室67aには、走行車両の前進時において、油圧モータ63に連設した第2制御ポンプ70からの吐出圧が供給されている。
更に、前記油路62、64を連通する連通ライン72が、連通バルブ73を介して設けられている。連通バルブ73は、スプリング78によって保たれるノーマル状態において、連通ライン72を遮断する遮断位置にある。そして、ソレノイド74が励磁されると、連通ライン72を連通する連通位置に切換わる。ソレノイド74は、可変容量型ポンプ61の斜板に連係させたスイッチ75に接続している。
可変容量型ポンプ61の斜板を車両の前進走行範囲で設定角度に傾けたとき、スイッチ75がそれを検知して、ソレノイド74を励磁するようにしている。設定角度としては、車両の前進走行範囲での最大角付近の角度、即ち、可変容量型ポンプ61のポンプ吐出流量が最大流量付近になって、車両が高車速で前進走行しているときに、ソレノイド74を励磁するようにしている。
可変容量型ポンプ61の斜板をゼロ度から前記設定角度までの範囲において傾けるときには、可変容量型ポンプ61の吐出量によって、油圧モータ63の回転数を制御することができる。これによって、走行車両の車速を無段階変速により増大させていくことができる。
このとき、油圧モータ63の容量に比べて可変容量型ポンプ61の吐出量は少なくなっている。つまり、油圧モータ63を一回転させるのに、可変容量型ポンプ61は一回転より多く回転しなければならない。
このため、第1、2制御ポンプ68、70の回転数にも差が生じ、第1制御ポンプ68は、その回転数の差だけ、第2制御ポンプ70に比べてたくさんのポンプ吐出流量を吐出することになる。これによって、シリンダ67のロッド側室67aの圧力は、ボトム側室67bの圧力よりも所定圧だけ高くなることがなく、クラッチ機構66は遮断状態に保たれる。
次に、可変容量型ポンプ61の斜板が最大傾転角に傾けられたときには、可変容量型ポンプ61のポンプ吐出流量と、油圧モータ63の容量とがちょうど一致することになる。即ち、第1制御ポンプ68の回転数と第2制御ポンプ70の回転数とが同じ回転数となり、同じ容量を有する第1制御ポンプ68と第2制御ポンプ70とからは、同量のポンプ吐出流量が吐出されることになる。
シリンダ67のロッド側室67aの上流側にある第2オリフィス71の開度は、シリンダ67のボトム側室67bの上流側にある第1オリフィス69の開度よりも小さく形成されている。このため、シリンダ67のロッド側室67aの圧力が、ボトム側室67bの圧力よりも所定圧だけ高くなり、クラッチ機構66を接続状態に切換える。
これによって、油圧モータ63を可変容量型ポンプ61側に接続させることができる。またこのとき、可変容量型ポンプ61の斜板が設定角度に傾いたのをスイッチ75により検知する。スイッチ75からの信号によって、ソレノイド74が励磁され、連通バルブ73は連通位置に切換わることになる。
可変容量型ポンプ61の斜板を最大傾転角に傾けたときには、クラッチ機構66を接続状態に切換えることができる。したがって、エンジン79の駆動力は、軸65を介して油圧モータ63側に直接伝えることができる。
特開平2−240442号公報 特開2000−46151号公報
HST装置では無段変速を行って、車速がゼロの状態から所定の速度まで増速させることができる。しかし、特許文献1、2に記載されているような従来からのHST装置においては、無段変速により得られる変速比としては、1つの油圧ポンプと1つの油圧モータとを用いた場合では、3〜4倍程度の変速比であり、1つの油圧ポンプと2つの油圧モータとを用いた場合でも、6〜8倍程度の変速比でしかなかった。
更に、大きな変速比を得るためには、メカニカルトランスミッション装置を更に設けて、HST装置による変速とメカニカルトランスミッション装置による変速との2段階による変速を行わなければならなかった。しかし、メカニカルトランスミッション装置を更に配設するためには、メカニカルトランスミッション装置を載置する場積が必要となるが、走行車両においてメカニカルトランスミッション装置を載置するための場積を確保することは難しかった。
また、メカニカルトランスミッション装置では、変速比の切換え時において必ず出力トルクをクラッチにより一旦切断しなければならなかった。このため、メカニカルトランスミッション装置における変速の切換え時には、出力トルクがタイヤに伝達されない、所謂トルク切れ現象が発生してしまう。
例えば、登坂途中でメカニカルトランスミッション装置の変速比を切換えると、車両が一時的に減速してしまう事態が発生する。また、メカニカルトランスミッション装置での変速ショックが発生し、乗り心地に悪影響を与えてしまうことになる。
本願発明では、HST装置などにおける無段変速の変速比を拡大することのできる無段変速装置及びその無段変速方法を提供することにある。尚、本発明で用いている「等価容量」の意味としては、可変容量型モータにおける最大容量と、同可変容量型モータの出力軸に対する変速比とを乗じた値として定義することができる。
本願発明の課題は請求の範囲第1項〜第4項に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願第1発明では、ポンプとの閉回路を構成して接続した複数の可変容量型モータを備えた無段変速装置において、前記可変容量型モータの各モータ軸と外部に回転を取り出す出力軸とを、断接可能かつ選択可能な複数の変速比となる変速歯車を介してそれぞれ接続し、一つの前記可変容量型モータにおける一つの等価容量を最大の等価容量として、次に大きな等価容量を他の前記可変容量型モータにおける一つの等価容量とし、更に次に大きな等価容量が前記他の可変容量型モータとは異なる前記可変容量型モータにおける等価容量となる如く、異なる前記可変容量型モータ毎にそれぞれの等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記各変速歯車の変速比がそれぞれ設定されてなることを最も主要な特徴となしている。
更に、本願第2発明では、ポンプとの閉回路を構成して接続した可変容量型モータ及び可変容量型ポンプ・モータを備えた無段変速装置において、前記可変容量型モータのモータ軸と外部に回転を取り出す出力軸とを、断接可能かつ選択可能な複数の変速比となる変速歯車を介してそれぞれ接続し、前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸とを、断接可能な変速歯車を介して接続し、前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記ポンプのポンプ駆動軸とを、断接可能な変速歯車を介して接続し、前記可変容量型モータにおける一つの等価容量を最大の等価容量として、次に大きな等価容量を前記可変容量型ポンプ・モータにおける等価容量とし、更に次に大きな等価容量が前記可変容量型モータにおける他の等価容量となる如く、各等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記可変容量型モータのモータ軸及び前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸とにおける前記各変速歯車の変速比がそれぞれ設定されてなることを他の最も主要な特徴となしている。
更にまた、本願第3発明及び第4発明では、それぞれ第1発明及び第2発明における無段変速装置を利用した無段変速方法を、それぞれ別の最も主要な特徴となしている。
本願発明では、無段変速装置の出力軸に対して、無段変速装置を構成するポンプ、可変容量型モータ、可変容量型ポンプ・モータにおけるそれぞれの効率の良いところを用いて無段階変速を行わせることができる。しかも、等価容量を利用することで出力軸に対する無段階変速を広範囲に亘って行わせることができる。
また、複数の可変容量型モータを用いた無段変速制御、又は可変容量型モータと可変容量型ポンプ・モータとを用いた無段変速制御において、無段変速を広い変速範囲に亘って行わせることができる。しかも、変速切換え時におけるトルク切れの発生を防止して、大きな変速比を得ることができる。
図1は、HST装置の概略回路構成図である。(実施例1) 図2は、図1におけるHST回路構成の制御パターンである。(実施例1) 図3は、図1における制御フローである。(実施例1) 図4は、HST装置の概略回路構成図である。(実施例2) 図5は、図3におけるHST回路構成の制御パターンである。(実施例2) 図6は、図4における制御フローである。(実施例2) 図7は、HST装置の概略回路構成図である。(実施例3) 図8は、HST装置の概略要部回路構成図である。(比較例) 図9は、HST装置の概略要部回路構成図である。(実施例) 図10は、図8におけるHST回路構成の制御パターンである。(比較例) 図11は、図9におけるHST回路構成の制御パターンである。(実施例) 図12は、図8における容量効率を示す表である。(比較例) 図13は、図9における容量効率を示す表である。(実施例) 図14は、HST装置の概略回路構成図である。(従来例1) 図15は、図14におけるHST回路構成の制御パターンである。(従来例1) 図16は、HST装置の概略回路構成図である。(従来例2)
符号の説明
1 可変容量型ポンプ
2 可変容量型モータ
3 可変容量型モータ
6 第1駆動歯車
7 第2駆動歯車
8 第3駆動歯車
9 第4駆動歯車
10 第1従動歯車
11 第2従動歯車
33 可変容量型ポンプ・モータ
50 可変容量型ポンプ
51 固定容量型モータ
52 可変容量型モータ
61 可変容量型ポンプ
63 油圧モータ
66 クラッチ機構
68 第1制御ポンプ
70 第2制御ポンプ
73 連通バルブ
P1〜P4 可変容量型モータ。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明の無段変速装置の構成としては、以下ではHST装置における無段変速装置を例に挙げて説明する。
しかし、本発明の無段変速装置及び無段変速方法としては、以下で説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を採用することができるものである。
このため、本発明は、以下で説明する実施例に限定されるものではなく、HST装置以外の無段変速装置に対しても好適に適用することができる。
本発明の実施形態に係わる無段変速装置として、可変容量型ポンプ1と2つの可変容量型モータ2、3とを用いた例について、図1を用いて以下においてその説明を行う。本願発明は、可変容量型ポンプ以外にも固定容量型ポンプを用いた場合でも好適に適用することができる。このため、本願発明は、可変容量型ポンプに限定されるものではない。
また、本願発明においては、可変容量型モータの配設数としては、2個の可変容量型モータを配設したものに限定されるものではなく、3個以上の可変容量型モータを配設して無段変速装置を構成することもできる。また、一つのモータ軸と出力軸との間に介在させる変速歯車の数としては、図1に示すような駆動歯車と従動歯車とからなる2つの変速歯車に限定されるものではなく、2以上の変速歯車を配設した構成することもできる。
可変容量型ポンプ1は、ポンプ駆動軸5aを介してエンジン5に直結して配設され、エンジン5の回転によって回転駆動される。可変容量型モータ2は、油路20と油路22及び油路21により可変容量型ポンプ1との間で閉回路を構成している。また、可変容量型モータ3は、油路20と油路22及び油路21と油路21から分岐した油路23により可変容量型ポンプ1との間で閉回路を構成している。
即ち、可変容量型ポンプ1のポート1aは、可変容量型モータ2のポート2a及び可変容量型モータ3のポート3bと連通している。また、可変容量型ポンプ1のポート1bは、可変容量型モータ2のポート2b及び可変容量型モータ3のポート3aと連通している。
可変容量型ポンプ1のポート1aからの圧油が油路20に吐出された場合について説明する。油路20に吐出した圧油は、可変容量型モータ2のポート2aから流入して可変容量型モータ2を回転させる。可変容量型モータ2からの回転出力はモータ軸18によって取り出すことができる。
また、油路20に吐出した圧油は、可変容量型モータ3のポート3bから流入して可変容量型モータ3を回転させる。可変容量型モータ3からの回転出力はモータ軸19によって取り出すことができる。このとき、可変容量型モータ2と可変容量型モータ3とは同じ方向に回転するように配設されている。
可変容量型モータ2のポート2bから排出された圧油及び可変容量型モータ2のポート2bから排出された圧油は、ともに油路21を介して可変容量型ポンプ1のポート1bに戻されることになる。
尚、可変容量型ポンプ1のポート1bからの圧油が油路21に吐出された場合については、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3の回転方向が、油路20に圧油が吐出された場合とは逆方向となるだけで、他は可変容量型ポンプ1のポート1aからの圧油が油路20に吐出された場合と同様に作動することになる。
即ち、可変容量型ポンプ1のポート1bから圧油が油路21に吐出された場合には、可変容量型モータ2のポート2b及び可変容量型モータ3のポート3aが、それぞれのモータにおける入力ポートとなる。また、ポート2a及びポート3bが、それぞれ可変容量型モータ2、3における出力ポートとなる。
可変容量型モータ2からの回転出力を取り出すモータ軸18と、可変容量型モータ3からの回転出力を取り出すモータ軸19と、車両に対して駆動力を出力する出力軸4とは、それぞれ平行に配設されている。
可変容量型モータ2のモータ軸18には、クラッチ13aを介して第1駆動歯車6及びクラッチ13bを介して第2駆動歯車7が、それぞれ装着されている。可変容量型モータ3のモータ軸19には、クラッチ14aを介して第3駆動歯車8及びクラッチ14bを介して第4駆動歯車9が、それぞれ装着されている。
第1駆動歯車6及び第3駆動歯車8は、出力軸4に装着した第1従動歯車10に噛合している。また、第2駆動歯車7及び第4駆動歯車9は、出力軸4に装着した第2従動歯車11に噛合している。
即ち、クラッチ13aとクラッチ13bとの切換によって、モータ軸18の回転を、第1駆動歯車6から第1従動歯車10を介して出力軸4に伝達させたり、第2駆動歯車7から第2従動歯車11を介して出力軸4に伝達させたりすることができる。また、クラッチ14aとクラッチ14bとの切換によって、モータ軸19の回転を、第3駆動歯車8から第1従動歯車10を介して出力軸4に伝達させたり、第4駆動歯車9から第2従動歯車11を介して出力軸4に伝達させたりすることができる。
このように、駆動歯車と従動歯車とを適宜組み合わせることによって、変速比を異ならせることができ、モータ軸18と出力軸4との間及びモータ軸19と出力軸4との間において、複数段にわたる変速制御を行うことが可能となる。
複数段に変速可能な駆動歯車の構成としては、例えば、複数の歯車群毎にクラッチを配設し、クラッチの断接により、複数の歯車群からの回転を単一の駆動歯車によって取り出せる構成としておくことができる。単一の駆動歯車は、出力軸に装着した従動歯車に噛合わせることができる。前記歯車群としては、遊星歯車機構や、減速比を異にした歯車の組み合わせ等により構成することもできる。
等価容量は、可変容量型モータの最大容量に変速比の値を乗じた数値として求めることができる。モータ軸18又はモータ軸19と出力軸4との間で噛合している駆動歯車と従動歯車との組み合わせによって、それぞれの変速歯車における変速比の値を設定することができる。また、可変容量型モータの最大容量は、使用する可変容量型モータが既に有している最大容量によって一義的に決まることになる。
例えば、モータ軸18の回転を、第1駆動歯車6と第1従動歯車10とを介して出力軸4に伝達する場合について説明すると、このときの可変容量型モータ2の等価容量は、第1駆動歯車6と第1従動歯車10との間における変速比の値と、可変容量型モータ2における最大容量の値とを乗じることによって得られる値となる。
等価容量の大きさとしては、第1駆動歯車6と第1従動歯車10とを組み合わせた変速歯車による可変容量型モータ2の等価容量を、最大の等価容量としている。第3駆動歯車8と第1従動歯車10とを組み合わせた変速歯車による可変容量型モータ3の等価容量を、次に大きな等価容量としている。
以下、第2駆動歯車7と第2従動歯車11とを組み合わせた変速歯車による可変容量型モータ2の等価容量、第4駆動歯車9と第2従動歯車11とを組み合わせた変速歯車による可変容量型モータ3の等価容量の順に小さくなるように設定している。尚、等価容量の大きさに関する順番は、上述した変速歯車の順番に限定されるものではなく、他の変速歯車による順番とすることもできる。
この場合においても、等価容量の大きさの順番としては、例えば可変容量型モータ2における複数の等価容量のうち一つの等価容量を最大等価容量としたときには、次に大きな等価容量としては、可変容量型モータ3における複数の等価容量のうちの一つの等価容量となるように構成する必要がある。
更に、3番目の大きさの等価容量は、可変容量型モータ2における他方の等価容量とし、4番目の大きさの等価容量は、可変容量型モータ3における他方の等価容量となるように、可変容量型モータ2と可変容量型モータ3との間で交互に構成しておく必要がある。
図2を用いて、図1に示す無段変速装置の制御パターンについて説明する。
図2(a)の可変容量型モータ2、図2(b)の可変容量型モータ3及び図2(c)の可変容量型ポンプ1における横軸は、可変容量型モータ2の容量、可変容量型モータ3の容量及び可変容量型ポンプ1の容量を、それぞれ速度指令値に対応した容量に変更させたときの指令値であって、速度指令値の値から決めることのできる指令値である。
また、図2(d)の車速における横軸は、速度指令値となっている。速度指令値としては、速度調整用の操作レバーにおける操作量、エンジン5の回転数等を用いることができる。
図2(a)の縦軸は、可変容量型モータ2の容量を示し、図2(b)の縦軸は、可変容量型モータ3の容量を示している。図2(c)の縦軸は、可変容量型ポンプ1の容量を示し、図2(d)の縦軸は、走行車両の車速を示している。走行車両の車速がゼロの停止状態、即ち、図1において可変容量型ポンプ1がゼロ斜板となっているとき、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3の斜板角は最大角になっている。
このとき、図2(a)〜(c)では車速指令0に対応して、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3の容量は最大容量となっている。また、可変容量型ポンプ1の容量はゼロ容量となっている。
図2の区間(I)では速度指令を増大させるのにともなって、図2の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量を、ゼロ容量から最大容量に増加させる。また、図2の(a)、(b)で示すように、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3の容量としては、最大容量に維持しておく。
可変容量型ポンプ1の容量が、ゼロ容量から最大容量に増加するのにともなって、最大容量となっている可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3に供給される可変容量型ポンプ1からの流量が増大する。これによって、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3における回転数が増大し、図1で示す出力軸4の回転数が増大する。即ち、図2の(d)で示すように、走行車両の車速はゼロから増大していく。
図2の区間(II)では速度指令を増大させるのにともなって、図2の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量を、最大容量からゼロ容量に減少させる。また、図2の(b)、(c)で示すように、可変容量型モータ3の容量及び可変容量型ポンプ1の容量は、それぞれ最大容量状態に維持しておく。
これにより、可変容量型モータ2の容量が減少するのにともなって、可変容量型モータ2の回転数は増大し、図1におけるモータ軸18の回転数は増大して、出力軸4の回転が更に増大する。即ち、図2の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。このとき、可変容量型モータ3の回転数も、可変容量型モータ2における回転数の増大にともなって、増大することになる。
図2の区間(III)では、可変容量型モータ2の等価容量を小さく変更した後、速度指令を増大させるのにともなって、図2の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量をゼロ容量から最大容量に増大させる。同時に、変更した可変容量型モータ2の等価容量よりも大きな等価容量となっている可変容量型モータ3の容量を、図2の(b)で示すように、最大容量からゼロ容量に減少させる。このとき、図2の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は最大容量に維持しておく。
これにより、可変容量型モータ3の容量が減少するのにともなって、可変容量型モータ3の回転数は増大して、図1におけるモータ軸19の回転数が増大する。モータ軸19の回転数が増大するのにともなって、出力軸4の回転数が更に増大し、図2の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。このとき、可変容量型モータ2の回転数も、可変容量型モータ3における回転数の増大にともなって、増大することになる。
図2の区間(IV)では、可変容量型モータ3の等価容量を小さく変更した後、速度指令を増大させるのにともなって、図2の(b)で示すように、可変容量型モータ3の容量をゼロ容量から最大容量に増大させる。同時に、変更した可変容量型モータ3の等価容量よりも大きな等価容量となっている可変容量型モータ2の容量を、図2の(a)で示すように、最大容量からゼロ容量に減少させる。このとき、図2の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は最大容量に維持しておく。
これにより、可変容量型モータ2の容量が減少するのにともなって、可変容量型モータ2の回転数は増大して、図1におけるモータ軸18の回転数が増大する。モータ軸18の回転数が増大するのにともなって、出力軸4の回転数が更に増大し、図2の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大して最大速度状態にすることができる。このとき、可変容量型モータ3の回転数も、可変容量型モータ2における回転数の増大にともなって、増大することになる。
次に、図3を用いて無段変速装置の制御フローを説明する。
ステップ1では、図1に示す可変容量型ポンプ1の斜板1cの角度を増大させることにより、可変容量型ポンプ1の容量をゼロ容量から最大容量に増加させる。このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に圧油が吐出されているものとして、以下の説明を行う。
可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3の斜板角は最大角状態に維持されているので、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3は、油路20から供給された圧油流量によってそれぞれの回転が制御される。
可変容量型モータ2からの回転出力は、モータ軸18を介して第1駆動歯車6から第1従動歯車10に伝達され出力軸4を回転駆動する。同時に、可変容量型モータ3からの回転出力は、モータ軸19を介して第3駆動歯車8と第1従動歯車10に伝達され出力軸4を回転駆動する。
従って、出力軸4は、同じ方向に回転している可変容量型モータ2からの回転出力と可変容量型モータ3からの回転出力との合力によって駆動され、走行起動時に必要とする高トルクを出力することができる。
図2の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は、ゼロ容量から最大容量に増加する。また、図2の(a)、(b)で示すように、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3の容量は、最大容量を維持している。図2の(d)で示すように、可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3からの回転出力によって、走行車両の車速はゼロから増大していく。
図3のステップ2において、可変容量型ポンプ1の容量が最大容量になったか否かの判断を行う。可変容量型ポンプ1の容量が最大容量になっていないときには、可変容量型ポンプ1の容量を増大させる。この状態は、上述した図2の区間(I)として示すことができる。可変容量型ポンプ1の容量が最大容量となったときには、ステップ3に移る。
図3のステップ3では、可変容量型モータ2の斜板2cの角度を最大角からゼロ角に制御する。このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に吐出している圧油の流量は一定流量となっているが、可変容量型モータ2の斜板2cの角度を最大角からゼロ角に制御することで、可変容量型モータ2の回転出力を増大させることができる。
可変容量型モータ2の回転出力が増大すると、モータ軸18を介して第1駆動歯車6から第1従動歯車10に伝達される回転出力が増大し、出力軸4は増速回転する。従って、走行車両の車速は更に増大することになる。また、可変容量型モータ2の容量が減少するのにともなって、油路20から可変容量型モータ3に流入する圧油の流量は増大する。
更に、可変容量型モータ3のモータ軸19は、第1従動歯車10及び第3駆動歯車8を介して出力軸4に接続しているので、モータ軸19の回転としては、増速回転している出力軸4の回転に見合った回転数となることができる。
図2の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量は、最大容量からゼロ容量に減少させることになる。図2の(b)、(c)で示すように、可変容量型モータ3の容量及び可変容量型ポンプ1の容量は、それぞれ最大容量状態を維持することになる。そして、図2の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。
図3のステップ4では、可変容量型モータ2の容量がゼロ容量になったか否かの判断を行う。可変容量型モータ2の容量がゼロ容量になっていないときには、可変容量型モータ2の容量を減少させる。この状態は、図2の区間(II)として示すことができる。可変容量型モータ2の容量がゼロ容量となったときには、ステップ5に移る。
図3のステップ5では、クラッチ13aを切り離して、かつクラッチ13bを接続する。即ち、モータ軸18を第2駆動歯車7と第2従動歯車11とを介して出力軸4に接続する。このとき、モータ軸18では変速比の切換えを行うが、可変容量型モータ2の容量はゼロ容量となっているので、出力トルクはない状態となっている。このため、モータ軸18において変速比を切換えるときの変速ショックの発生は起きない。
また、モータ軸18において変速比を切換えるときにおいても、可変容量型モータ3は、第3駆動歯車8及び第1従動歯車10を介して出力軸4に回転を伝達している。このため、出力軸4に対してのトルク切れを発生させることがない。
図3のステップ6では、可変容量型モータ2のモータ軸18における変速比を変更して、第2駆動歯車7と第2従動歯車11との間でモータ軸18の回転出力が伝達できる状態とした後、可変容量モータ3の容量を最大容量からゼロ容量に減少させる。同時に、可変容量型モータ2の容量をゼロ容量から最大容量に増大させる。
このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に吐出している圧油の流量は一定流量となっているが、可変容量型モータ3の斜板3cの角度を最大角からゼロ角に制御することで、可変容量型モータ3からの回転出力を増大させることができる。
また、可変容量型モータ3による回転出力と可変容量型モータ2による回転出力との回転出力の差によって、出力軸4は回転駆動されることになる。このとき、可変容量型モータ3による回転出力が可変容量型モータ2による回転出力よりも大きいため、出力軸4の回転は更に増大することになる。
即ち、等価容量で見ると、可変容量型モータ3における等価容量は、可変容量型モータ2における等価容量よりも大きくなっている。このため、可変容量型モータ3による回転出力は、可変容量型モータ2による回転出力よりも大きくなる。従って、走行車両の車速は更に増大することになる。
図2の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量はゼロ容量から最大容量に増大することになる。図2の(b)で示すように、可変容量型モータ3の容量は最大容量からゼロ容量に減少する。図2の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は最大容量に維持されている。図2の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。
図3のステップ7では、可変容量型モータ3の容量がゼロ容量になったか否かの判断を行う。可変容量型モータ3の容量がゼロ容量になっていないときには、可変容量型モータ3の容量を減少させる。この状態は、図2の区間(III)として示すことができる。可変容量型モータ3の容量がゼロ容量となったときには、ステップ8に移る。
図3のステップ8では、クラッチ14aを切り離してクラッチ14bを接続する。即ち、モータ軸19を第4駆動歯車9と第2従動歯車11とを介して出力軸4に接続する。このとき、モータ軸19では変速比の切換えを行うが、可変容量型モータ3の容量はゼロ容量となっているので、出力トルクはない状態となっている。このため、モータ軸19において変速比を切換えるときの変速ショックの発生は起きない。
また、モータ軸19において変速比を切換えるときにおいても、最大容量となっている可変容量型モータ2は、可変容量型モータ1からのポンプ吐出流量を受けて回転し、第2駆動歯車7及び第2従動歯車11を介して出力軸4にその回転を伝達している。このため、出力軸4に対してのトルク切れを発生させることがない。
図3のステップ9では、可変容量型モータ3のモータ軸19における変速比を変更して、第4駆動歯車9と第2従動歯車11との間でモータ軸19の回転出力が伝達できる状態とした後、可変容量型モータ2の容量を最大容量からゼロ容量に減少させる。同時に、可変容量型モータ3の容量をゼロ容量から最大容量に増大させる。
このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に吐出している圧油の流量は一定流量となっているが、可変容量型モータ2の斜板2cの角度を最大角からゼロ角に制御することで、可変容量型モータ2からの回転出力を増大させることができる。
このときまた、可変容量型モータ2による回転出力と可変容量型モータ3による回転出力との回転出力の差によって、出力軸4は回転駆動されることになる。しかも、可変容量型モータ2による回転出力が可変容量型モータ3による回転出力よりも大きいため、出力軸4の回転は更に増大することになる。
即ち、等価容量で見ると、可変容量型モータ2における等価容量は、可変容量型モータ3における等価容量よりも大きくなっている。このため、可変容量型モータ2による回転出力は、可変容量型モータ3による回転出力よりも大きくなる。従って、走行車両の車速は更に増大することになる。
図2の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量は最大容量からゼロ容量に減少することになる。図2の(b)で示すように、可変容量モータ3の容量はゼロ容量から最大容量に増大する。図2の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は最大容量に維持されている。図2の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。
図3のステップ10では、可変容量型モータ3の容量が最大容量になったか否かの判断を行う。可変容量型モータ3の容量が最大容量になっていないときには、可変容量型モータ3の容量を増大させる。この状態は、図2の区間(IV)として示すことができる。可変容量型モータ3の容量が最大容量となったときには、制御フローを終了する。
図2及び図3では、これ以上の制御パターン及び制御フローについて記載していないが、可変容量型モータ2の容量をゼロ容量にし、かつ可変容量型モータ3の容量を最大容量にした後において、クラッチ13bを切り離して可変容量型モータ2をゼロ容量で無負荷状態にしておくことができる。この状態から、可変容量型モータ3の容量を最大容量から、例えばハーフ容量等にまで減少させることにより、走行車両の車速を更に増大させることができる。
これにより、変速比を大幅に増大させた無段変速装置を得ることができる。しかも、変速比を切換える時、即ち、クラッチ13aからクラッチ13bへの切換え時やクラッチ14aからクラッチ14bへの切換え時において、常に最大容量状態とした可変容量型モータ3または同じく最大容量状態とした可変容量型モータ2からの回転出力を出力軸4に伝達しておくことができる。これによって、変速比の切換え時において、トルク切れを発生させることがない。
このため、坂道の登坂途中においてクラッチの切換え、即ち変速比の変更を行ってもトルク切れを起こすことがない。また、変速比の切換えは、可変容量型モータの容量がゼロ容量のときに行うので、変速ショックが発生することがない。
図1では、可変容量型モータとして2つの可変容量型モータ2、3を用いた例を説明した。しかし、本願発明は、可変容量型モータの数が2に限定されるものではなく、複数の可変容量型モータを用いた場合でも有効に機能させることができる。
可変容量型モータを複数設けた場合には、それぞれの可変容量型モータと同可変容量型モータが選択し得る変速比から得られる等価容量が、異なる可変容量型モータ毎にそれぞれの等価容量の大きさが順次小さくなるように設定する。
例えば、可変容量型モータA〜可変容量型モータCの3つの可変容量型モータを用いた場合を例に挙げて説明する。また、各可変容量型モータA〜可変容量型モータCは、それぞれ変速歯車との変速比によって2つの異なる等価容量状態にすることができるものとする。
このとき、例えば可変容量型モータAにおける一方の等価容量A1を最大の等価容量として構成する。次に大きな等価容量として、可変容量型モータBにおける一方の等価容量B1を構成する。更に次の大きな等価容量として、可変容量型モータCにおける一方の等価容量C1を構成する。
このようにして、可変容量型モータAにおける他方の等価容量A2、可変容量型モータBにおける他方の等価容量B2、可変容量型モータCにおける他方の等価容量C2の順番に等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記各変速歯車の変速比をそれぞれ設定する。尚、上述した等価容量の大きさの順番は、例示であって他の順番として構成することもできる。
まず、等価容量A1の可変容量型モータAにおける容量をゼロ容量とする制御を行う。ゼロ容量になった可変容量型モータAの変速比を変更して等価容量が小さくなれるようにする。即ち、最大容積状態において、可変容量型モータAにおける等価容量が前記他方の等価容量A2となれるようにする。
次に、等価容量B1の可変容量型モータBにおける容量をゼロ容量に制御する。同時に、ゼロ容量になっている可変容量型モータAの容量を最大容量に増大させ、等価容量A2にする。
次に、ゼロ容量になった可変容量型モータBの変速比を変更して前記他方の等価容量B2となれるようにする。次に、等価容量C1の可変容量型モータCにおける容量をゼロ容量に制御する。同時に、ゼロ容量になっている可変容量型モータBの容量を最大容量に増大させ、等価容量B2にする。
更にまた、ゼロ容量になった可変容量型モータCの変速比を変更して前記他方の等価容量C2となれるようにする。次に、等価容量A2の可変容量型モータAにおける容量をゼロ容量に制御する。同時に、ゼロ容量になっている可変容量型モータCの容量を最大容量に増大させ、等価容量C2にする。
次に、可変容量モータAと出力軸との接続を切り、等価容量B2の可変容量型モータBにおける容量をゼロ容量に制御する。最後に、可変容量モータBと出力軸との接続を切り、等価容量C2の可変容量型モータCにおける容量を減少させて、走行車両の車速を更に増大させることができる。また、各可変容量型ポンプにおける等価容量は2つの等価容量に限定されるものではなく、1つ又は3つ以上の等価容量とすることもできる。
図1を用いて、モータ軸18、19にはそれぞれクラッチを介して2つの駆動歯車を配設した例の説明を行った。しかし、各モータ軸18、19に対してあるいは複数の各モータ軸に対してクラッチ及び駆動歯車をそれぞれ複数配設することもできる。
この場合には、各可変容量型モータに対して等価容量を複数設定しておくことができ、等価容量を順次小さくする組み合わせや順番等は、適宜選択することができる。
次に、図4により本願発明の第2実施形態に係わる無段変速装置として、可変容量型ポンプ1と可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33とを用いた例について説明を行う。
本願発明においては、可変容量型モータの配設数としては、1つの可変容量型モータに限定されるものではなく、複数の可変容量型モータを配設して無段変速装置を構成することもできる。また、必要に応じて可変容量型ポンプ・モータ33を複数配設することもできる。
尚、実施例1における図1と同一の構成要素には同一の符合を付して以下での説明を省略する。
可変容量型ポンプ1のポート1aは、可変容量型モータ2のポート2a及び可変容量型ポンプ・モータ33のポート33bと連通している。また、可変容量型ポンプ1のポート1bは、可変容量型モータ2のポート2b及び可変容量型ポンプ・モータ33のポート33aと連通している。
可変容量型モータ2からの回転出力を取り出すモータ軸18、可変容量型ポンプ・モータ33からの回転出力を取り出すモータ軸34及び車両に対して駆動力を出力する出力軸4は、それぞれ平行に配設されている。
可変容量型モータ2のモータ軸18には、クラッチ13aを介して第1駆動歯車6及びクラッチ13bを介して第2駆動歯車7がそれぞれ装着されている。可変容量型ポンプ・モータ33のモータ軸34には、クラッチ15aを介して第3駆動歯車8及びクラッチ15bを介して第2歯車17がそれぞれ装着されている。
第1駆動歯車6及び第3駆動歯車8は、出力軸4に装着した第1従動歯車10に噛合している。また、第2駆動歯車7は、出力軸4に装着した第2従動歯車11に噛合しており、第2歯車17は、エンジン5からの回転を伝達するポンプ駆動軸5aに装着した第1歯車16に噛合している。
等価容量の大きさとしては、第1駆動歯車6と第1従動歯車10とを組み合わせたときにおける可変容量型モータ2の等価容量を、最大の等価容量としている。第3駆動歯車8と第1従動歯車10とを組み合わせたときにおける可変容量型ポンプ・モータ33の等価容量を、次に大きな等価容量としている。そして、第2駆動歯車7と第2従動歯車11とを組み合わせたときの可変容量型モータ2の等価容量を一番小さな等価容量としている。
尚、等価容量の大きさの順番は、上述した例に限定されるものではなく、他の順番とすることもできる。これらの駆動歯車と従動歯車とによって、変速歯車を複数組構成している。各変速歯車によって、複数段での変速を可能としている。
複数段に変速可能な駆動歯車の構成としては、例えば、複数の歯車群毎にクラッチを配設し、クラッチの断接により、複数の歯車群からの回転を単一の駆動歯車によって取り出せる構成としておくことができる。単一の駆動歯車は、出力軸に装着した従動歯車に噛合させることができる。歯車群としては、遊星歯車機構や、減速比を異にした歯車の組み合わせ等により構成することもできる。
図5、図6を用いて、図4に示す無段変速装置の制御パターン及び制御フローについて説明する。図5の横軸は全て、可変容量型ポンプ1、可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33の容量調整に対する指令である速度指令値である。
図5(a)の縦軸は、可変容量型モータ2の容量を示し、図5(b)の縦軸は、可変容量型ポンプ・モータ33の容量を示している。図5(c)の縦軸は、可変容量型ポンプ1の容量を示し、図5(d)の縦軸は、走行車両の車速を示している。
図6は、無段変速装置の制御フローを示している。速度指令値としては、速度調整用の操作レバーにおける操作量、エンジン5の回転数等を用いることができる。
走行車両の車速がゼロの停止状態、即ち、図4において可変容量型ポンプ1がゼロ斜板となっているとき、可変容量型モータ2の斜板2c及び可変容量型ポンプ・モータ33の斜板33cは最大角になっている。
このとき、図5(a)〜(c)における車速指令0で示すように、可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33の容量は最大容量となっている。また、可変容量型ポンプ1の容量はゼロ容量となっている。
図6におけるステップ21では、図4に示す可変容量型ポンプ1の斜板1cの角度を増大させることにより、可変容量型ポンプ1の容量をゼロ容量から最大容量に増加させる。このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に圧油が吐出されているものとして、以下の説明を行う。
可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33のそれぞれの斜板2c、33cは最大角状態に維持されているので、可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33は、油路20から供給された圧油流量によってそれぞれの回転が制御される。
可変容量型モータ2からの回転出力は、モータ軸18を介して第1駆動歯車6から第1従動歯車10に伝達され出力軸4を回転駆動する。同時に、可変容量型ポンプ・モータ33からの回転出力は、モータ軸34を介して第3駆動歯車8と第1従動歯車10に伝達され出力軸4を回転駆動する。
従って、出力軸4は、可変容量型モータ2からの回転出力と可変容量型ポンプ・モータ33からの回転出力との合力によって駆動され、走行起動時に必要とする高トルクを出力することができる。
この状態を、図5の区間(I)として示すことができる。図5の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は、ゼロ容量から最大容量に増加する。また、図5の(a)、(b)で示すように、可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33の容量は、最大容量を維持している。
図5の(d)で示すように、可変容量型モータ2及び可変容量型ポンプ・モータ33からの回転出力によって、走行車両の車速はゼロから増大していく。
図6のステップ22において、可変容量型ポンプ1の容量が最大容量になったか否かの判断を行う。可変容量型ポンプ1の容量が最大容量になっていないときには、可変容量型ポンプ1の容量を増大させる。可変容量型ポンプ1の容量が最大容量となったときには、ステップ23に移る。
図6のステップ23では、可変容量型モータ2の斜板2cの角度を最大角からゼロ角に制御する。このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に吐出している圧油の流量は一定流量となっているが、可変容量型モータ2の斜板2cの角度を最大角からゼロ角に制御することで、可変容量型モータ2の回転出力を増大させることができる。
可変容量型モータ2の回転出力が増大すると、モータ軸18を介して第1駆動歯車6から第1従動歯車10に伝達される回転出力が増大し、出力軸4は増速回転する。従って、走行車両の車速は更に増大することになる。
また、可変容量型モータ2の容量が減少するのにともなって、油路20から可変容量型ポンプ・モータ33に流入する圧油の流量は増大する。更に、可変容量型ポンプ・モータ33のモータ軸34は、第1従動歯車10及び第3駆動歯車8を介して出力軸4に接続しているので、モータ軸34の回転としては、増速回転している出力軸4の回転に見合った回転数となることができる。
この状態を、図5の区間(II)として示すことができる。図5の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量は、最大容量からゼロ容量に減少させることになる。図5の(b)、(c)で示すように、可変容量型ポンプ・モータ33の容量及び可変容量型ポンプ1の容量は、それぞれ最大容量状態を維持することになる。そして、図5の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。
図6のステップ24では、可変容量型モータ2の容量がゼロ容量になったか否かの判断を行う。可変容量型モータ2の容量がゼロ容量になっていないときには、可変容量型モータ2の容量を減少させる。可変容量型モータ2の容量がゼロ容量となったときには、ステップ25に移る。
図6のステップ25は、クラッチ13aを切り離してクラッチ13bを接続する。即ち、モータ軸18を第2駆動歯車7及び第2従動歯車11を介して出力軸4に接続する。このとき、モータ軸18では変速比の切換えを行うが、可変容量型モータ2の容量はゼロ容量となっているので、出力トルクはない状態となっている。このため、モータ軸18において変速比を切換えるときの変速ショックの発生は起きない。
またモータ軸18において変速比を切換えるときにおいても、可変容量型ポンプ・モータ33は、第3駆動歯車8及び第1従動歯車10を介して出力軸4に回転を伝達している。このため、出力軸4に対してのトルク切れを発生させることがない。
図6のステップ26では、可変容量型モータ2のモータ軸18における変速比を変更して、第2駆動歯車7と第2従動歯車11との間でモータ軸18の回転出力が伝達できる状態とした後、可変容量型ポンプ・モータ33の容量を最大容量からゼロ容量に減少させる。同時に、可変容量型モータ2の容量をゼロ容量から最大容量に増大させる。
このとき、可変容量型ポンプ1から油路20に吐出している圧油の流量は一定流量となっているが、可変容量型ポンプ・モータ33の斜板33cの角度を最大角からゼロ角に制御することで、可変容量型ポンプ・モータ33からの回転出力を増大させることができる。
また、可変容量型ポンプ・モータ33による回転出力と可変容量型モータ2による回転出力との回転出力の差によって、出力軸4は回転駆動されることになる。このとき、可変容量型ポンプ・モータ33による回転出力が可変容量型モータ2による回転出力よりも大きいため、出力軸4の回転は更に増大することになる。
即ち、等価容量で見ると、可変容量型ポンプ・モータ33における等価容量は、可変容量型モータ2における等価容量よりも大きくなっている。このため、可変容量型ポンプ・モータ33による回転出力は、可変容量型モータ2による回転出力よりも大きくなる。従って、走行車両の車速は更に増大することになる。
この状態を、図5の区間(III)として示すことができる。図5の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量はゼロ容量から最大容量に増大することになる。図5の(b)で示すように、可変容量型ポンプ・モータ33の容量は最大容量からゼロ容量に減少する。図5の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は最大容量に維持されている。図5の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。
図6のステップ27では、可変容量型ポンプ・モータ33の容量がゼロ容量になったか否かの判断を行う。可変容量型ポンプ・モータ33の容量がゼロ容量になっていないときには、可変容量型ポンプ・モータ33の容量を減少させる。可変容量型ポンプ・モータ33の容量がゼロ容量となったときには、ステップ28に移る。
図6のステップ28では、クラッチ15aを切り離してクラッチ15bを接続する。即ち、可変容量型ポンプ・モータ33のモータ軸34を、第2歯車17及び第1歯車16を介してエンジン5からのポンプ駆動軸5aに接続する。
このとき、モータ軸34ではクラッチの切換えを行うが、可変容量型ポンプ・モータ33の容量はゼロ容量となっているので、出力トルクはない状態となっている。このため、モータ軸34においてクラッチを切換えるときのショックは発生しない。
また、モータ軸34においてクラッチ15a、16bの切換えを行うときにおいても、最大容量となっている可変容量型モータ2は、可変容量型ポンプ1からのポンプ吐出流量を受けて回転し、第2駆動歯車7及び第2従動歯車11を介して出力軸4にその回転を伝達している。このため、出力軸4に対してのトルク切れを発生させることがない。
図6のステップ29では、可変容量型ポンプ・モータ33をポンプとして作用させる。即ち、エンジン5からの回転駆動力によって可変容量型ポンプ・モータ33は、ポンプ作用を行う。
図4において、可変容量型ポンプ・モータ33はポート33bから圧油を吐出して、可変容量型ポンプ1からの吐出流量とともに可変容量型モータ2のポート2aに圧油を供給する。
可変容量型モータ2に供給される圧油の流量が増大することにより、可変容量型モータ2の回転が増速されることになる。即ち、可変容量型モータ2からモータ軸18に出力される回転出力が増大し、第2駆動歯車7及び第2従動歯車11を介して出力軸4に伝達される回転出力が増大する。
従って、走行車両の車速は更に増大することになる。
この状態を、図5の区間(IV)として示すことができる。図5の(a)で示すように、可変容量型モータ2の容量は最大容量状態を維持しているが、可変容量型ポンプ1及び可変容量型ポンプ・モータ33からの吐出流量によって増速回転する。
図5の(b)で示すように、可変容量型ポンプ・モータ33はポンプとして作用し、その容量をゼロ容量から最大容量に増大する。図5の(c)で示すように、可変容量型ポンプ1の容量は最大容量に維持されている。
従って、図5の(d)で示すように、走行車両の車速は更に増大することになる。
図5及び図6では、これ以上の制御パターン及び制御フローについて記載していないが、可変容量型ポンプ・モータ33の容量を最大容量にした後において、可変容量型モータ2の容量を最大容量から、例えばハーフ容量等にまで減少させることにより、走行車両の車速を更に増大させることができる。
これにより、変速比を大幅に増大させた無段変速装置を得ることができる。しかも、変速比を切換える時、即ち、クラッチ13aからクラッチ13bへの切換え時やクラッチ15aからクラッチ15bへの切換え時において、常に最大容量状態とした可変容量型モータ2または同じく最大容量状態とした可変容量型ポンプ・モータ3からの回転出力を出力軸4に伝達しておくことができる。
これによって、変速比の切換えのときやクラッチ15a、15bの切換えのときにおいて、トルク切れを発生させることがない。
このため、坂道の登坂途中においてクラッチの切換えや変速比の変更を行ってもトルク切れを起こすことがない。また、変速比の切換えやクラッチの切換えは、可変容量型モータ又は可変容量型ポンプ・モータの容量がゼロ容量のときに行うので、変速ショックが発生することがない。
図4では、上述した説明では、モータ軸18と出力軸4との間には駆動歯車と従動歯車とによる変速歯車を2つ配設し、モータ軸18と出力軸4との間は駆動歯車と従動歯車とによる変速歯車を1つ配設した構成について説明を行った。
しかし、モータ軸18と出力軸4との間及びモータ軸18と出力軸4との間に配設することのできる変速歯車の数は、上述した数に限定されるものではない。モータ軸18と出力軸4との間及びモータ軸18と出力軸4との間における変速歯車の配設数を適宜の数配設することで、等価容量の数を増やすこともできる。また、複数の可変容量型モータを配設することにより、等価容量の数を増やすこともできる。
等価容量の数を増やしたときには、異なる可変容量型モータ及び可変容量型ポンプ・モータ毎にそれぞれの等価容量の大きさが順次小さくなるように設定しておく必要がある。
例えば、可変容量型モータとして可変容量型モータA〜可変容量型モータCの3つを用い、可変容量型ポンプ・モータDを用いた場合について説明する。この場合において、各可変容量型モータA〜可変容量型モータC及び可変容量型ポンプ・モータDは、それぞれ変速歯車との変速比によって2つの異なる等価容量にすることができるものとする。
このとき、例えば可変容量型モータAにおける一方の等価容量を最大の等価容量A1として構成する。次に大きな等価容量として、可変容量型モータBにおける一方の等価容量B1を構成する。更に次の大きな等価容量として、可変容量型モータCにおける一方の等価容量C1を構成する。
以下このようにして、可変容量型モータAにおける他方の等価容量A2、可変容量型モータBにおける他方の等価容量B2、可変容量型ポンプ・モータDにおける一方の等価容量D1、可変容量型モータCにおける他方の等価容量C2、可変容量型ポンプ・モータDにおける他方の等価容量D2の順番に等価容量の大きさが順次小さくなるようにして、前記各変速歯車の変速比をそれぞれ設定する。
まず、等価容量A1の可変容量型モータAにおける容量をゼロ容量とする制御を行う。ゼロ容量になった可変容量型モータAの変速比を変更して等価容量が前記他方の等価容量A2となれるようにする。
次に、等価容量B1の可変容量型モータBにおける容量をゼロ容量に制御する。同時に、ゼロ容量になっている可変容量型モータAの容量を最大容量に増大させ、等価容量A2とする。
次に、ゼロ容量になった可変容量型モータBの変速比を変更して前記他方の等価容量B2となれるようにする。次に、等価容量C1の可変容量型モータCにおける容量をゼロ容量に制御する。同時に、ゼロ容量になっている可変容量型モータBの容量を最大容量に増大させ、等価容量B2にする。
更に、ゼロ容量になった可変容量型モータCの変速比を変更して前記他方の等価容量C2となれるようにする。次に、等価容量A2の可変容量型ポンプAにおける容量をゼロ容量に制御する。同時に、ゼロ容量になっている可変容量型モータCの容量を最大容量に増大させ、等価容量C2にする。
次に、可変容量モータAと出力軸との接続を切り、等価容量B2の可変容量型モータBにおける容量をゼロ容量に制御する。続けて、可変容量モータBと出力軸との接続を切り、等価容量D1の可変容量型ポンプ・モータDにおける容量をゼロ容量に制御する。
ゼロ容量になった可変容量型ポンプ・モータDの変速比を変更して前記他方の等価容量D2となれるようにする。次に可変容量型ポンプ・モータDと出力軸との接続を遮断し、可変容量型ポンプ・モータDをエンジン等の駆動軸に接続する。
これにより、可変容量型ポンプ・モータDを今度は、ポンプとして作用させる。可変容量型ポンプ・モータDの容量をゼロ容量から最大容量に変化させる。これにより、最大容量となっている等価容量C2の可変容量型モータCに対して可変容量型ポンプからの吐出圧油の他にポンプとして作用する可変容量型ポンプ・モータDからの吐出圧油を供給する。
これらのことにより、可変容量型モータCは更に増速して、走行車両の車速を更に増大させることができる。また、等価容量C2の可変容量型モータCにおける容量を減少させることにより、走行車両の車速を更に増大させることができる。
このように、等価容量の大きなものから順番に、その容量を最大容量から最少容量に減少させる制御を行うことにより、走行車両の車速を無段階で増速させることができる。また、等価容量の大きなものから順番に、その容量を最大容量からゼロ容量に減少させる制御を行うときに、ゼロ容量となっている可変容量型モータがあれば、同可変容量型モータの変速比を変えて等価容量を小さくして、ゼロ容量から最大容量に増大させることができる。
このようにして、走行車両の車速を増大させるために、容量を減少させる制御が行われる可変容量型モータの数を増やしておくことができる。なお、可変容量型ポンプ・モータDにおける等価容量D1、D2の大きさを可変容量型モータAにおける他方の等価容量A2、可変容量型モータBにおける他方の等価容量B2等よりも大きな値として構成することもできる。
この場合においても、可変容量型ポンプ・モータDは、走行車両の車速を増速させる途中において、ポンプとして作用させ、最大容量状態の可変容量型モータを増速回転させることになる。また、上述した可変容量の大きさの順番は例示であって、他の順番や他の組み合わせとすることもできる。
更に、可変容量型ポンプ、可変容量型ポンプ・モータにおける等価容量は2つの等価容量に限定されるものではなく、1つ又は3つ以上の等価容量とすることもできる。また、等価容量を順次小さくする組み合わせや順番等は、適宜選択することができる。
次に、図7により本願発明の第3実施形態に係わる無段変速装置として、可変容量型ポンプ1と可変容量型モータ2及び可変容量型モータ3を用いた例について説明を行う。本願発明においては、可変容量型モータの配設数としては、2つの可変容量型モータに限定されるものではなく、複数の可変容量型モータを配設して無段変速装置を構成することもできる。
実施例1において、可変容量型モータ3のモータ軸19に第3駆動歯車8及び第4駆動歯車9を配設した例を示している。実施例3においては、モータ軸19に第3駆動歯車8及び第4駆動歯車9を配設する代わりに、駆動歯車27及び同駆動歯車27にクラッチ26a、26bを介してそれぞれ選択的に接続可能な遊星歯車機構からなる歯車群28、29を配設した構成となっている。他の構成に関しては、実施例1と同様の構成となっている。
そのため、実施例1における図1と同一の構成要素については、同一の符合を付して以下でのその説明を省略する。また、以下の説明では、実施例1と異なる構成を中心に説明することにする。
尚、図7においてモータ軸18には2つの駆動歯車6、7を配設した構成としているが、2つの駆動歯車6、7を配設する代わりに、モータ軸19におけると同様に選択的に接続可能な、減速比を異にした歯車の組み合わせ等により構成した歯車群等を配設した構成とすることもできる。
図7のモータ軸19には、駆動歯車27が回動自在に支承されており、同駆動歯車27は、歯車群28、29からなる2つの遊星歯車機構に接続している。即ち、歯車群28におけるリング歯車28aと駆動歯車27とが一体回転可能に接続されている。リング28aと噛合する複数の遊星歯車28bは、キャリヤ28dによりそれぞれ回転自在に支持されている。
キャリヤ28dは、可変容量型モータ3のモータ軸19に固定されている。各遊星歯車28bに噛合する太陽歯車28cは、クラッチ26aの作動により固定状態と自由回転状態とを選択することができる。
また、駆動歯車27は、歯車群29におけるキャリヤ29dと一体回転自在に接続されている。キャリヤ29dにより回転自在に支持された複数の遊星歯車29bは、モータ軸19に固定された太陽歯車29cと噛合している。
また、複数の遊星歯車29bは、クラッチ26bに接続したリング歯車29aと噛合している。リング歯車29aは、クラッチ26bの作動により固定状態と自由回転状態とを選択することができる。
このようにクラッチ26a、26bにより選択可能な変速手段が構成され、変速手段から出力する駆動歯車27は、出力軸4の第1従動歯車10に噛合している。本願発明における変速歯車としては、単体の駆動歯車と従動歯車による構成以外にも、変速手段を備えた駆動歯車と従動歯車とにより構成されるもの等も包含しているものである。
次に、変速手段による作動を説明する。クラッチ26aにより、太陽歯車28cが固定部材に固定された状態で、かつ歯車群29の遊星歯車機構においてクラッチ26bにより、リング歯車29aと固定部材との固定状態が解除された場合について説明する。
このとき、モータ軸19と共に回転するキャリヤ28dに支持された遊星歯車28bは、固定された太陽歯車28cの周りを公転しながら自転する。遊星歯車28bの回転により、リング歯車28aを回転させ、リング歯車28aに接続した駆動歯車27を回転させることができる。
歯車群29におけるクラッチ26bは、リング歯車29aと固定部材との固定状態を解除している。このため、リング歯車29aは回転自由の状態となっている。このとき、駆動歯車27に接続したキャリヤ29dは、駆動歯車27と共に回転し、かつモータ軸19に固定された太陽歯車29cが回転している。また、キャリヤ29dに支持された遊星歯車29bはリング歯車29aと共に回転自由な状態となっている。
このため、モータ軸19に固定された太陽歯車29cとキャリヤ29dとがそれぞれ回転しても、同回転は遊星歯車29bとリング歯車29aとによる自由回転によってそれぞれ吸収されてしまうことになる。
従って、モータ軸19に固定された太陽歯車29cからの回転は、キャリヤ29dの回転に対して影響を与えることがない。
次に、クラッチ26aにより、歯車群28における太陽歯車28cと固定部材との固定状態が解除され、かつ歯車群29におけるクラッチ26bにより、リング歯車29aと固定部材とが固定された状態を説明する。
クラッチ26bにより、リング歯車29aと固定部材とが固定されている。このため、モータ軸19に固定された太陽歯車29cの回転は、キャリヤ29dに支持された遊星歯車28bを自転させると共に、遊星歯車28bは固定したリング歯車29aの周りを公転する。
これにより、キャリヤ29dが回転し、キャリヤ29dに固定された駆動歯車27が回転する。一方、歯車群28におけるクラッチ26aにより、太陽歯車28cと固定部材との固定状態が解除されているので、太陽歯車28cは回転自由となっている。
このため、駆動歯車27に接続したリング歯車28aとモータ軸19に固定されたキャリヤ28dとがそれぞれ回転しても、それぞれの回転は、遊星歯車28bと太陽歯車28cとの自由回転によって吸収されることになる。
従って、モータ軸19に固定されたキャリヤ28dの回転は、リング歯車29aの回転に対して影響を与えないことになる。
このように、クラッチ26a、26bの操作によって、駆動歯車27は、歯車群28による遊星歯車機構による回転と、歯車群29による遊星歯車機構による回転とに選択的に接続して回転することができる。
即ち、可変容量型モータ2における2つの変速比による等価容量と可変容量型モータ3における2つの遊星歯車機構を用いた2つの変速比による等価容量をそれぞれ異なる等価モータ容量とすることができる。順次、等価モータ容量の大きなものから、実施例1で説明したと同様にその容量を制御することにより、走行車両の速度を無段階で増速させることができる。
尚、上記実施例3では、それぞれのモータ軸に2つの変速比を選択可能に構成した例を説明したが、各モータ軸において複数の変速比を選択可能とした構成とすることもできる。また、複数の可変容量型モータを用いて複数段の変速比を有する無段変速装置を構成することもできる。
比較例
次に、本願実施例に係わる無段変速装置を用いたときと従来の無段変速装置を用いたときとを比較して、走行車両の変速例について、図8〜図13を用いて説明する。
尚、図8及び図9において、それぞれ2つの可変容量型モータに対してポンプ吐出流量を供給する可変容量型ポンプ、同可変容量型ポンプと2つの可変容量型モータとの間に形成される油圧回路は、省略してある。また、図8における変速歯車装置としては、図14に従来例1として記載した油圧固定容量型モータ51、可変容量型モータ52を簡略化して示している。因みに、図14で示したHST回路の制御パタンとしては、特にその説明を省略するが、図15に示すようになっている。
即ち、固定容量型モータ51を図8では可変容量型の油圧モータP1として示し、可変容量型モータ52を可変容量型の油圧モータP2として示している。また、図9は、図1で示した可変容量型モータ2、3を簡略化して示したものである。
即ち、可変容量型モータ2を可変容量型モータP3として示し、可変容量型モータ3を可変容量型モータP4として示している。ただ、可変容量型モータP4における変速比を従来例における可変容量型モータ2と同じ変速比として構成するため、1段での変速比に構成した例を示している。
図示せぬ可変容量型ポンプの最大容量は、従来例を示す図8の場合も、本願発明に係わる例を示す図9の場合も同じ約120cc/revとし、従来例における可変容量型モータP1、P2の最大容量を共に約160cc/revとしている。
また、可変容量型モータP1における変速比を×3.86、可変容量型モータP2における変速比を×1.0としている。即ち、可変容量型モータP1の等価容量は、約618cc/revとし、可変容量型モータP2の等価容量は、約160cc/revとしている。
これに対して、本願発明の無段変速装置として示す図9における可変容量型モータP3、P4の最大容量はともに、従来例として示した可変容量型モータP1、P2の最大容量よりも小さい約100cc/revとしている。また、可変容量型モータP3における変速比は×5.3と×1.0とを選択することができ、可変容量型モータP4における変速比を×2.5としている。
即ち、可変容量型モータP3の等価容量は、約530cc/revと約100cc/revとに選択でき、可変容量型モータP4の等価モータ容量は、約250cc/revとしている。
従来例を示す図8では、可変容量型モータP1のモータ軸37の駆動歯車38は、クラッチ35を介して出力軸4の従動歯車41に回転を伝達する構成となっている。可変容量型モータP2のモータ軸39は、駆動歯車40を介して出力軸4の従動歯車41に回転を伝達する構成となっている。
また、本願発明に係わる例を示す図9では、可変容量型モータP3のモータ軸43には、駆動歯車42a、42bがそれぞれクラッチ44a、44bにより断接される構成となって配設されている。
更に、可変容量型モータP4のモータ軸45には、クラッチ46を介して駆動歯車47が配設されている。そして、可変容量型モータP3のモータ軸43に設けた一対の駆動歯車42a、42bが、それぞれ出力軸4の従動歯車48a、48bに噛合し、可変容量型モータP4のモータ軸45に設けた駆動歯車47が出力軸4の従動歯車48aに噛合している。
図10は、図8における可変容量型モータP1、P2、可変容量型ポンプのそれぞれ等価容量と出力軸4における出力回転との関係を示したグラフである。図11は、図9における可変容量型モータP3、P4、可変容量型ポンプのそれぞれ等価容量と出力軸4における出力回転との関係を示したグラフである。
図10において、可変容量型モータP1の等価容量を一点鎖線で示し、可変容量型モータP2の等価容量を点線で示している。また、可変容量型モータP1と可変容量型モータP2との等価容量の合計を実線で示している。
図11においては、可変容量型モータP3の等価容量を一点鎖線で示し、可変容量型モータP4の等価容量を点線で示している。また、可変容量型モータP3と可変容量型モータP4との等価容量の合計を実線で示している。
図8に示す従来例の無段変速装置において、図示せぬ可変容量型ポンプの容量を最大容量に制御したとき、図10に示すように可変容量型モータP1及び可変容量型モータP2の等価容量は、それぞれ約618cc/rev及び約160cc/revとなり、等価容量の合計は約778cc/revなっている。また、出力軸4の回転数は、約270rpmとなっている。
この状態から、可変容量型モータP1の等価容量を減少すると、図10の一点鎖線で示すようにP1の等価容量は曲線に沿って減少し、出力軸4の回転数は約1345rpmまで上昇する。このとき、可変容量型モータP2の等価容量は、点線で示すように約160cc/revの状態を維持している。
クラッチ35を切り離して、可変容量型モータP1と出力軸4との連結状態を解除する。そして、可変容量型モータP2の等価容量を図10の点線で示す曲線に沿って減少させる。可変容量型モータP2の等価容量が約46cc/revになったところで、出力軸4の回転を約4500rpmまで上昇させることができる。
次に、図9に示す本願出願に係わる無段変速装置についてみると、図10の場合と同様に出力軸4の最終的な回転数が約4500rpmとなるように制御したものが、図11に示すグラフとなる。
図11に示すように、図示せぬ可変容量型ポンプを最大容量にしたとき、出力軸4の回転数は、約320rpmとなる。このとき、可変容量型モータP3の等価容量は、約530cc/revとなり、可変容量型モータP4の等価容量は、約250cc/revとなって、等価容量の合計は約780cc/revとなっている。
次に、可変容量型モータP3を変速比×5.3においてその容量を、図11の一点鎖線で示す曲線のように減少させることにより、出力軸4の回転数を約855rpmまで増大させることができる。
更に、クラッチ44aを切り離し、クラッチ44bを接続させることにより、可変容量型モータP3の変速比を×1.0に変更する。このとき、可変容量型モータP4の等価容量は250cc/revに維持されている。
可変容量型モータP4の等価容量を図11の点線で示す曲線のように減少させる。同時に、可変容量型モータP3の等価容量をゼロから等価モータ容量が約100cc/revになるまで、図11の一点鎖線で示すように増大させる。これにより、出力軸4の回転数は、約2150rpmに増大させることができる。
クラッチ46を切り離して、可変容量型モータP4と出力軸4との連結状態を解除する。等価容量100cc/revとした可変容量型モータP3の等価容量を、図11の一点鎖線で示すように減少させる。そして、その等価容量を約46cc/revまで減少させることにより、出力軸4の回転数を約4500rpmまで増大させることができる。
図10、図11から分かるように、本願発明においては可変容量型モータにおける最大容量を従来のものに比べて小さく構成しても、出力軸の回転数としては同じ回転数まで無段階で増大させることができる。即ち、走行車両の車速を無段階で増速させることができ、しかも、可変容量型モータの容量が小さなものでも行うことができる。
また、出力軸4の回転数を約4500rpmとし、図示せぬ可変容量型ポンプの吐出圧力を20MPaとしたときにおける、図8及び図9における図示せぬ油圧ポンプの容積効率ηを比較してみると、図12、図13のようになる。尚、図12、図13における油圧ポンプの容積効率ηは、一般的な市販品の油圧ポンプでの容積効率ηを基にして、換算により求めたものである。
即ち、図12は、図10に示す従来技術の無段変速装置における効率ηを示している。図12において、停止状態は、図10において出力回転がゼロの状態を示している。ポイント1は、出力回転が約270rpmでの状態を示し、ポイント2は出力回転が約345rpmでの状態を示し、ポイント3は、出力回転が約4500rpmでの状態を示している。
また、図13は、図11に示す本願発明の無段変速装置における効率ηを示している。図13において、停止状態は、図11において出力回転がゼロの状態を示している。ポイント1は、出力回転が約320rpmでの状態を示し、ポイント2は出力回転が約855rpmでの状態を示している。また、ポイント3は、出力回転が約2150rpmでの状態を示し、ポイント4は、出力回転が約4500rpmでの状態を示している。
図12に示すように、各ポイント1〜3において可変容量型モータP1、P2の容積効率ηは、可変容量型モータP1の容量をゼロ容量としたポイント2において可変容量型モータP2の容積効率ηが0.92になるのを最高にして、ポイント1では可変容量型モータP及びP2の容積効率ηは0.87になっている。車両を最高速度状態としたポイント3では、可変容量型モータP2の容積効率ηは0.73に減少している。
これに対し、本願発明の無段変速装置における効率ηを示している図13では、可変容量型モータP3の容積効率ηは、ポイント4においてη=0.82となる以外はη=0.92の高い容積効率状態を持っている。また、可変容量型モータP4の容積効率ηとしては、ポイント1においてη=0.88となる以外はポイント2においてη=0.92の高い容積効率状態を持っている。
車両が最高速度状態となった最終的なポイント(図12ではポイント3、図13ではポイント4)において、図12に示すように従来例のものでは、効率η=0.73であるのに対し、図13に示す本願発明の無段変速装置では、効率η=0.82となっている。本願発明では、効率の良いところを使用しているため、可変容量型モータの容量が小さなものを使用することができる。しかも、従来例のものよりもηの面でも優れた効果を奏することができる。
本願発明は、本願発明の技術思想を適用することができる装置等に対しては、本願発明の技術思想を適用することができる。

Claims (4)

  1. ポンプとの閉回路を構成して接続した複数の可変容量型モータを備えた無段変速装置において、
    前記可変容量型モータの各モータ軸と外部に回転を取り出す出力軸とを、断接可能かつ選択可能な複数の変速比となる変速歯車を介してそれぞれ接続し、
    一つの前記可変容量型モータにおける一つの等価容量を最大の等価容量として、次に大きな等価容量を他の前記可変容量型モータにおける一つの等価容量とし、更に次の大きな等価容量が前記他の可変容量型モータとは異なる前記可変容量型モータにおける等価容量となる如く、異なる前記可変容量型モータ毎にそれぞれの等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記各変速歯車の変速比がそれぞれ設定されてなることを特徴とする無段変速装置。
  2. ポンプとの閉回路を構成して接続した可変容量型モータ及び可変容量型ポンプ・モータを備えた無段変速装置において、
    前記可変容量型モータのモータ軸と外部に回転を取り出す出力軸とを、断接可能かつ選択可能な複数の変速比となる変速歯車を介してそれぞれ接続し、
    前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸とを、断接可能な変速歯車を介して接続し、
    前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記ポンプのポンプ駆動軸とを、断接可能な変速歯車を介して接続し、
    前記可変容量型モータにおける一つの等価容量を最大の等価容量として、次に大きな等価容量を前記可変容量型ポンプ・モータにおける等価容量とし、更に次に大きな等価容量が前記可変容量型モータにおける他の等価容量となる如く、各等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記可変容量型モータのモータ軸及び前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸とにおける前記各変速歯車の変速比がそれぞれ設定されてなることを特徴とする無段変速装置。
  3. ポンプとの閉回路を構成して接続した複数の可変容量型モータを備えた無段変速方法において、
    前記可変容量型モータの各モータ軸と外部に回転を取り出す出力軸とを、断接可能かつ選択可能な複数の変速比となる変速歯車を介してそれぞれ接続し、
    一つの前記可変容量型モータにおける一つの等価容量を最大の等価容量として、次に大きな等価容量を他の前記可変容量型モータにおける一つの等価容量とし、更に次に大きな等価容量が前記他の可変容量型モータとは異なる前記可変容量型モータにおける等価容量となる如く、異なる前記可変容量型モータ毎にそれぞれの等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記各変速歯車の変速比をそれぞれ設定し、
    ゼロ容量となった前記可変容量型モータにおける前記変速比を変更して等価容量を小さく変更すること、
    最大容量状態である前記可変容量型モータの中で等価容量が一番大きな前記可変容量型モータの容量を、最大容量からゼロ容量に制御すること、
    同時に、前記ゼロ容量となり等価容量を小さく変更した可変容量型モータの容量を、ゼロ容量から最大容量に制御すること、
    を特徴とする無段変速方法。
  4. ポンプとの閉回路を構成して接続した可変容量型モータ及び可変容量型ポンプ・モータを備えた無段変速方法において、
    前記可変容量型モータのモータ軸と外部に回転を取り出す出力軸とを、断接可能かつ選択可能な複数の変速比となる変速歯車を介して接続し、
    前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸とを、断接可能な変速歯車を介して接続し、
    前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記ポンプのポンプ駆動軸とを、断接可能な変速歯車を介して接続し、
    前記可変容量型モータにおける一つの等価容量を最大の等価容量として、次に大きな等価容量を前記可変容量型ポンプ・モータにおける等価容量とし、更に次に大きな等価容量が前記可変容量型モータにおける他の等価容量となる如く、各等価容量の大きさが順次小さくなるように、前記前記可変容量型モータのモータ軸及び前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸とにおける前記各変速歯車の変速比をそれぞれ設定し、
    ゼロ容量となった前記可変容量型モータにおける前記変速比を変更して等価容量を小さく変更すること、
    最大容量状態である前記可変容量型ポンプ・モータの容量を、最大容量からゼロ容量に制御すること、
    同時に、前記ゼロ容量となり等価容量を小さく変更した可変容量型モータの容量を、ゼロ容量から最大容量に制御すること、
    ゼロ容量となった前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記出力軸との接続を断ち、前記可変容量型ポンプ・モータのモータ軸と前記ポンプ駆動軸とを接続すること、
    を特徴とする無段変速方法。
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