JP4631691B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒という。)を内燃機関の排気系に配置し、還元雰囲気のときに排気中のNOxを吸蔵し、酸化雰囲気となったときは吸蔵されていた
NOxを還元して排気中のNOxを浄化する技術が知られている。この触媒は、酸素を貯蔵する機能(O2ストレージ機能)を有しているため、NOx触媒へ還元剤を添加してNOx
の還元を行うと、該NOx触媒に貯蔵されている酸素が放出され、その間のNOx触媒の雰囲気はストイキとなる。このように酸素が放出されてNOx触媒の雰囲気がストイキとな
ることをO2ストレージ効果という。
そして、このように酸素が放出されている間には、排気の空燃比に基づいた還元剤添加量のフィードバック制御を禁止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。酸素が放出されている間は、還元剤の添加量を増加させてもNOx触媒よりも下流ではリ
ッチ雰囲気とならないため、フィードバック制御を行うとさらに多くの還元剤を供給することになる。これに対しフィードバック制御を禁止することにより、過剰な還元剤添加を抑制することができる。
特開2002−188430号公報 特開2003−166421号公報 特開2004−316604号公報
しかし、O2ストレージ効果が無くなるまで還元剤を添加しないとフィードバック制御
を行うことができないので、それまでは還元剤添加量の学習制御を行うこともできなくなってしまう。逆に、還元剤添加量の学習制御を行うにはO2ストレージ効果が無くなるま
で還元剤を添加しなければならなくなり、多くの還元剤が必要となる。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、還元剤の添加量を学習するときに要する還元剤の量をより少なくすることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられ、酸素吸蔵能力およびNOx吸蔵能力を有する吸蔵還元
型NOx触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の排気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒よりも上流から該吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を添加する還元剤添加手段と、
前記還元剤添加手段による還元剤添加時に前記吸蔵還元型NOx触媒において反応する
酸素の量と前記吸蔵還元型NOx触媒の雰囲気に存在する酸素の量とが平衡しているか否
か判定する平衡判定手段と、
前記還元剤添加手段により還元剤が添加されてから前記平衡判定手段により平衡していると判定されるまで間の還元剤添加量とそのときの基準添加量との比較値を学習する学習手段と、
を具備することを特徴とする。
吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を添加すると、該吸蔵還元型NOx触媒から酸素およびNOxが放出されるが、吸蔵還元型NOx触媒から放出される酸素量と、還元剤の添加により吸蔵還元型NOx触媒で消費される酸素量と、が釣り合っている間は空燃比検出手段によ
り検出される空燃比はストイキ近傍で略一定となる。平衡判定手段は、このように空燃比が一定となっている状態のときに「平衡している」と判定する。そして、還元剤の添加を開始してから、前記平衡判定手段により平衡していると判定されるまでに必要となる還元剤の量は、内燃機関の運転領域により定まる。
しかし、還元剤添加手段の製造ばらつき、経年変化または故障等により単位時間当たりの還元剤添加量が基準値からずれることがある。これにより、吸蔵還元型NOx触媒への
還元剤の添加量が、その運転領域において基準となる添加量(基準添加量ともいう。)から見かけ上ずれる。すなわち、前記平衡判定手段により平衡していると判定されるまでに必要となる還元剤の量は変わらないが、その量の還元剤を還元剤添加手段から添加させるための指令値(指令添加量ともいう。)が変化する。そして、指令添加量と基準添加量とを比較することにより、見かけ上の添加量が基準添加量からどれだけずれているのか検出することができる。学習手段は、この添加量のずれを学習する。これにより、次回還元剤添加時に添加量のずれを予め補正することができる。
本発明においては、前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化しているか否か判定する触媒劣化
判定手段をさらに備え、該触媒劣化判定手段により前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化して
いると判定された場合には前記学習手段による学習を禁止することができる。
吸蔵還元型NOx触媒が劣化すると、酸素吸蔵能力が低下し、さらには還元剤を添加し
たときの酸素の放出が少なくなるため、前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間が短くなる。そのため、前記平衡判定手段による判定が困難となるおそれがある。このような場合には、学習手段による学習を禁止することで還元剤の消費量を抑制することができる。
本発明においては、前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化しているか否か判定する触媒劣化
判定手段をさらに備え、該触媒劣化判定手段により前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化して
いると判定された場合には、前記学習手段による学習時における還元剤の添加量を劣化の度合いに応じて減量することができる。
吸蔵還元型NOx触媒の劣化の度合いに応じて還元剤の添加量を増加させる期間を変え
ることにより、吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されている酸素の量に応じて還元剤の添加量
を減少させることができる。これにより、NOx還元時に過剰な還元剤が供給されること
を抑制できる。たとえば、吸蔵還元型NOx触媒の劣化の度合いが大きいほど還元剤の添
加量を増加させる期間を短くする。これにより、吸蔵還元型NOx触媒の雰囲気が過剰な
リッチとなることを抑制できる。
本発明においては、前記触媒劣化判定手段は、規定量の還元剤を添加したときに前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間が所定時間よりも短くなった場合に前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化していると判定することができる。吸蔵還元型NOx触媒が劣化すると、酸素吸蔵能力が低下するので、還元剤を添加したときに放出される酸素の量が少なくなる。そのため、還元剤を添加したときに排気の空燃比が一定となる時間も短くなる。したがって、規定量の還元剤を添加したときの排気の空燃比が一定となる時間を例えば新品状態のときと比較することにより、吸蔵還元型NOx触媒の劣化の度合いを判
定することができる。
本発明においては、前記学習手段により学習が行われてから次に学習手段による学習が必要とされるまでの期間を算出する学習頻度算出手段をさらに備え、前記学習頻度算出手段により算出された期間を経過するまでは、前記学習手段による学習を禁止することができる。
学習頻度算出手段は、還元剤の添加量がどれだけ変化するかに基づいて次に学習が必要とされるまでの期間を算出する。ここで、学習手段により学習を行う場合には、還元剤が消費される。したがって、前記学習頻度算出手段により算出された期間を経過していない場合には、学習手段による学習の必要度が低いとして学習を禁止することにより、還元剤の消費量を減少させることができる。
本発明においては、前記触媒劣化判定手段による劣化判定が行われてから次に劣化判定が必要とされるまでの期間を算出する劣化判定頻度算出手段をさらに備え、前記劣化判定頻度算出手段により算出された期間を経過するまでは、前記劣化判定手段による劣化判定を禁止することができる。
劣化判定頻度算出手段は、吸蔵還元型NOx触媒がどれだけ劣化するかに基づいて次に
劣化判定が必要とされるまでの期間を算出する。ここで、劣化判定手段により劣化判定を行う場合には、還元剤が消費される。したがって、前記劣化判定頻度算出手段により算出された期間を経過していない場合には、劣化判定手段による劣化判定の必要度が低いとして劣化判定を禁止することにより、還元剤の消費量を減少させることができる。
本発明においては、前記学習手段による学習時の還元剤添加は、還元剤を添加した後に前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が所定の上限値以下となるように行われることができる
また、本発明においては、前記劣化判定手段による劣化判定を行うときの還元剤添加は、還元剤を添加した後に前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が所定の上限値以下となるよう
に行われることができる。
前記学習手段による学習を行うために還元剤を添加する場合又は前記劣化判定手段による劣化判定を行うために還元剤を添加する場合には、学習又は劣化判定をしないときと比較して多くの還元剤を添加する場合がある。そして、多くの還元剤を添加することにより吸蔵還元型NOx触媒の温度が通常よりも上昇する。これにより、吸蔵還元型NOx触媒の熱劣化が進む。その点、還元剤添加量を制限することにより、上昇後の吸蔵還元型NOx
触媒の温度が所定の上限値以下となれば、該吸蔵還元型NOx触媒の熱劣化の進行を抑制
することができる。また、内燃機関がより高回転高負荷で運転されているときであっても、還元剤添加量の学習を行うことが可能となる。なお、前記所定の上限値とは、吸蔵還元型NOx触媒の熱劣化を許容範囲内とすることのできる値の上限値としてもよい。
本発明においては、前記学習手段による学習は、内燃機関からの排気の空燃比が所定条件を満たしているときに行うことができる。
前記学習手段は、実際の還元剤添加量とそのときの基準添加量との比較値を学習している。ここで、還元剤を添加したときに前記平衡判定手段により平衡していると判定されるまでの時間は、還元剤を添加する前の内燃機関からの排気の空燃比によって影響を受ける。たとえば、内燃機関からの排気の空燃比がリーンであるほど、より多くの還元剤を必要とする。したがって、還元剤を添加する前の排気の空燃比により、学習される値も変わる。その点、学習値が大きく変わるおそれのある条件下では学習を行わないようにすること
で、学習手段による学習精度を向上させることができる。
本発明においては、前記触媒劣化判定手段による判定は、内燃機関からの排気の空燃比が所定条件を満たしているときに行うことができる。
ここで、吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵される酸素量は、排気の空燃比、排気中の酸素濃
度、若しくは酸素の分圧により変わる。つまり、排気の空燃比、排気中の酸素濃度、若しくは酸素の分圧により吸蔵還元型NOx触媒から放出される酸素の量が変わるため、還元
剤を添加したときに前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間が変わる。これにより、吸蔵還元型NOx触媒の劣化判定の結果も変わり得る。その点、所定条件
を満たしている場合に劣化判定を行うことで、劣化判定の精度を向上させることができる。
本発明においては、前記内燃機関の所定の運転状態における該内燃機関の吸入空気量の検出値と目標値とを比較する吸入空気量比較手段をさらに備え、該吸入空気量比較手段による比較結果に基づいて前記学習手段による学習値を補正することができる。
ここで、外気温や標高が異なると吸気中の酸素濃度が変わるため、気筒内への燃料噴射量をこれに合わせて変化させなければ内燃機関から排出される排気の空燃比が基準値からずれてしまう。そして、このときに還元剤添加量の学習を行うと、還元剤添加手段による還元剤添加量のずれ、および内燃機関へ供給する燃料量のずれの両方が学習値に反映されてしまう。そこで、内燃機関からの排気の空燃比に影響を与える条件が基準値と実際の値とでどれだけずれているかに基づいて学習値を補正することにより、主に還元剤添加手段による還元剤添加量のずれを反映した学習値を得ることができる。
本発明においては、前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間、若しくは前記所定時間を、前記吸蔵還元型NOx触媒の雰囲気の酸素濃度に基づいて補正しつ
つ、前記劣化判定手段は劣化判定を行うことができる。
前記したように、排気の空燃比、排気中の酸素濃度、若しくは酸素の分圧により吸蔵還元型NOx触媒から放出される酸素の量が変わるため、還元剤を添加したときに前記平衡
判定手段により平衡していると判定されている期間が変わる。このように変化した期間は、吸蔵還元型NOx触媒の雰囲気の酸素濃度と相関がある。そして、この相関に基づいて
前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間、若しくは前記所定時間を補正することにより、劣化判定の精度を向上させることができる。なお、酸素濃度は、大気圧や外気温と相関があるため、これらの値に基づいて補正することもできる。
本発明によれば、還元剤の添加量を学習するときに要する還元剤の量をより少なくすることができる。これにより、燃費の悪化を抑制することができる。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関1とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、燃焼室へ通じる排気通路2が接続されている。この排気通路2は、下流にて大気へと通じている。前記排気通路2の途中には、吸蔵還元型NOx触媒3が備え
られている。吸蔵還元型NOx触媒3(以下、NOx触媒3という。)は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還
元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有する。なお、NOx触媒3は、パティキュレートフィルタに担持されていてもよい。また、NOx触媒3よりも下流の
排気通路2には、該排気通路2を流通する排気の空燃比を検出する空燃比センサ4が取り付けられている。なお、本実施例における空燃比センサ4は、本発明における空燃比検出手段に相当する。
さらに、本実施例では、NOx触媒3よりも上流の排気通路2を流通する排気中に還元
剤たる燃料(軽油)を添加する燃料添加弁5を備えている。ここで、燃料添加弁5は、後述するECU10からの信号により開弁して燃料を噴射する。そして、燃料添加弁5から排気通路2内へ噴射された燃料は、排気通路2の上流から流れてきた排気の空燃比をリッチにすると共に、NOx触媒に吸蔵されていたNOxを還元する。NOx還元時には、NOx触媒3に流入する排気の空燃比を比較的に短い周期でスパイク的(短時間)にリッチとする、所謂リッチスパイク制御を実行する。なお、本実施例における燃料添加弁5は、本発明における還元剤添加手段に相当する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。ECU10には、空燃比センサ4が電気配線を介して接続され、該空燃比センサ4の出力信号が入力されるようになっている。一方、ECU10には、燃料添加弁5が電気配線を介して接続され、燃料添加弁5はECU10により制御される。
ところで、燃料添加弁5は、経年変化または詰まり等により単位時間当たりの燃料噴射量が新品状態から変化することがある。また、新品であっても製造公差により単位時間当たりの燃料噴射量が夫々の燃料添加弁で異なることがある。そして、燃料添加弁5はECU10からの指令信号により作動されるが、このときの指令値が同じであっても、上記理由により燃料噴射量にばらつきを生じる。そして、NOx触媒3におけるNOxの還元量等を実際に測定することは困難なため、上記ばらつきを考慮して燃料添加の量を多めにしている。そのため、燃費が悪化するおそれがある。
そこで本実施例では、燃料添加弁5からの燃料添加量の学習制御を行う。ここで、図2は、燃料添加弁5から燃料を添加したときに空燃比センサ4により得られる排気の空燃比の推移を示したタイムチャートである。実線は燃料添加量が一番多い場合、破線は一番小さい場合、一点鎖線はその中間の場合を夫々示している。NOx触媒3の雰囲気が酸素を
放出する排気の空燃比となると、該NOx触媒3から放出された酸素と、燃料添加弁5か
ら供給された燃料とが反応して該燃料が消費される。この燃料と酸素とが反応しているときには、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比は理論空燃比近傍の略一定値となる。そして、この略一定となる空燃比は、内燃機関1の運転領域により決まる。
すなわち、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比の絶対値にかかわらず、検出される排気の空燃比が一定となっているときが、NOx触媒3から酸素の放出が開始され
る空燃比となっていることを示している。そして、本実施例では、NOx触媒3から酸素
の放出が開始されるときの燃料添加量に基づいて燃料添加量の学習を行う。
酸素が放出される空燃比となるように、すなわち空燃比センサ4から得られる排気の空燃比が一定になり始める燃料添加量を求めるために、燃料添加弁5からの燃料添加量をフ
ィードバック制御する。このようにして求めた燃料添加量と、そのときの内燃機関1の運転領域から得られる添加すべき燃料添加量(指令値若しくは基準値ともいう。)と、を比較して、例えばその比を学習する。
次に、本実施例による燃料添加量の学習制御のフローについて説明する。図3は、本実施例による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、本実施例における図3に示すフローを実行するECU10は、本発明における学習手段に相当する。
ステップS101では、燃料添加実行条件が成立しているか否か判定される。この燃料添加実行条件としては、例えば、NOx触媒3が活性状態にある、排気温度が所定の上限
値以下である等の条件を例示することができる。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、燃料添加量の学習条件が成立しているか否か判定される。例えは、排気の流速が所定値以上であるか否か判定される。排気の流速が遅いと燃料添加弁5から添加された燃料がNOx触媒3へ到達するまでに排気中を拡散してしまい排気の空燃
比が高くなってしまうため、排気の流速が所定値以上必要とされる。すなわち、燃料の拡散が小さいときに燃料添加量の学習を行うことにより、学習制御の精度を向上させることができる。たとえば、機関回転数が高く、若しくは機関負荷が高いときに燃料添加量の学習を行う。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。ステップS109では、通常の燃料添加が行われる。この通常の燃料添加とは、NOx触媒3に吸蔵されているNOxの還元を行うための燃料添加である。
ステップS103では、学習用の燃料添加が行われる。この学習用の燃料添加は、通常の燃料添加(ステップS109で行われる燃料添加)よりも添加量が少ない。すなわち、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比が一定となり得る添加量である。
ステップS104では、NOx触媒3から酸素が放出されているか否か判定される。実
際には、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比の所定期間における変化量が所定範囲内であるか否か判定される。この所定範囲は、排気の空燃比が略一定であるとすることのできる範囲である。なお、本実施例ではステップS104の処理を行うECU10が、本発明における平衡判定手段に相当する。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS110へ進む。ステップS110では、燃料添加量が増量され、その後ステップS104へ戻る。そして、NOx触媒3から酸素が放出されるまで燃料添加量が増量される。
ステップS105では、燃料添加量が減量される。このときの減量分は、ステップS110での増量分よりも少ない。
ステップS106では、排気の空燃比が上昇したか否か判定される。ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS105へ戻る。すなわち、排気の空燃比が略一定となっている燃料添加量から、排気の空燃比が上昇に転じる燃料添加量を探している。これは、NOx触媒3から酸
素が放出され始める燃料添加量を求めるために行われている。
ステップS107では、燃料添加量の学習が行われる。このときの燃料添加弁5への指令値が学習添加量としてECU10に記憶される。
ステップS108では、学習値が反映される。基準添加量Qad(NOx触媒3から酸
素の放出が始まる燃料添加量の基準値)を、気筒内への燃料噴射量Qfおよび吸入空気量Gaから求める。この基準添加量Qadと燃料噴射量Qfおよび吸入空気量Gaとの関係は予め実験等により求めてマップ化しECU10に記憶させておく。そして、学習添加量と基準添加量Qadとの比を算出し、この比をECU10に記憶させておく。そして、次回燃料添加時には基準添加量Qadにこの比を掛け合わせた量を添加する。
このようにして、燃料添加量の学習制御を行うことができるので、次回以降の燃料添加量を精度良く制御することができる。また、NOx触媒3から酸素が放出されるまでの燃
料添加量に基づいて燃料添加量の学習を行うことができるので燃料消費量を抑制することができる。
ところで、NOx触媒3は、経年変化や熱により劣化することがある。この劣化は、N
Oxおよび酸素の吸蔵能力に顕著に現れる。NOx触媒3の劣化の度合い大きくなると燃料添加時に放出される酸素の量が少なくなるため、NOx触媒3から酸素が放出される時間
が短くなる。そのため、劣化の度合いが大きくなると、NOx触媒3から酸素の放出が開
始されるまでに添加される燃料量を求めることが困難となる。そこで、このような場合には燃料添加量の学習を中止して、それ以降の燃料添加の学習を禁止する。
図4は、本実施例による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記図3に示したフローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS201では、酸素の放出を検出するための燃料添加量の増量を開始してからの経過時間をカウントする。
ステップS202では、カウントされた経過時間が限界値よりも大きいか否か判定される。燃料添加時間があまりに長いとNOx触媒3からの酸素の放出を検出することができ
なくなっていると考えられる。したがって、燃料添加時間の限界値を設定しておき、この限界値以下で燃料添加を行う。この限界値は、NOx触媒3に吸蔵され得る酸素の量に応
じて変更する。そのため、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数および機関負荷。以下同じ。)と限界値との関係を予め実験等により求めてマップ化しておく。ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS104へ戻る。
ステップS203では、学習禁止フラグがONとされる。この学習禁止フラグは、燃料添加量の学習制御を禁止するときにONとされるフラグであり、学習禁止フラグがONとなっている間は燃料添加量の学習制御は行われない。
このようにして、O2ストレージ効果が低くなっているときに、燃料添加量の学習制御
が長時間行われることによる燃料の無駄な消費を抑制できる。これにより、燃費を向上させることができる。
本実施例では、燃料添加時にNOx触媒3から酸素が放出されている時間、すなわち空
燃比センサ4の出力信号が略一定となっている時間に基づいて該NOx触媒3の劣化判定
を行う。ここで、NOx触媒3に吸蔵される酸素量は該NOx触媒3の劣化の度合いが大きくなるほど少なくなるため、劣化の度合いが大きいほど燃料添加時に放出される酸素量が
少なくなる。そのため、燃料添加時に空燃比センサ4により得られる排気の空燃比が略一定となっている時間も劣化の度合いが進行するに伴って短くなる。この時間が予め定められた閾値(以下、基準放出時間という。)よりも短くなった場合にNOx触媒3が劣化し
たと判定することができる。そして、前記燃料添加量の学習制御を行った直後にNOx触
媒3の劣化判定を行うことにより、燃料添加弁5からの燃料添加量が正確に求められるので、劣化判定を精度良く行うことができる。なお、燃料添加時に空燃比センサ4により得られる排気の空燃比が略一定となっている時間に応じて、NOx触媒3の劣化の度合いを
求めるようにしてもよい。
NOx触媒3への燃料添加量は、予め設定された劣化検出添加量とする。NOx触媒3への燃料添加量により酸素の放出時間が変わるため、NOx触媒3への燃料添加量は、予め
定められた一定量(以下、劣化検出添加量とする。)としている。また、NOx触媒3の
温度により酸素の放出時間が変わるため、そのときのNOx触媒3の温度に基づいて基準
放出時間が決定される。
図5は、本実施例によるNOx触媒3の劣化判定のフローを示したフローチャートであ
る。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。なお、本実施例における図5のフローを実行するECU10は、本発明における触媒劣化判定手段に相当する。
ステップS301では、劣化判定条件が成立しているか否か判定される。劣化判定条件とは、同じ運転領域において燃料添加量の学習制御が行われ、燃料添加量の学習が完了しているとき、およびNOx触媒3に所定量以上の酸素が吸蔵されていると推定されるとき
に劣化判定条件が成立していると判定される。
燃料添加量の学習が完了していることが必要とされるのは、正確な燃料添加を行うことにより酸素の放出時間とNOx触媒3の劣化とに相関を持たせるためである。すなわち、
燃料添加量が正確でないと、酸素放出時間が基準放出時間よりも短くなった場合に、燃料添加量が少ないために酸素放出時間が短くなっているのか、またはNOx触媒3の劣化の
度合いが大きくなっているために酸素の放出時間が短くなっているのか判断できないためである。また、NOx触媒3の酸素吸蔵量が所定量以上必要とされるのは、酸素吸蔵量が
少ないと酸素放出時間が短くなり、これによりNOx触媒3が劣化していなくても劣化し
ていると判定されてしまうからである。ステップS301で肯定判定がなされた場合にはステップS302へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
ステップS302では、劣化判定用の燃料添加が行われる。劣化判定用の燃料添加における燃料添加量は、内燃機関1の運転状態から決定される。このときの燃料添加量は予めマップ化しておきECU10に記憶させておく。
ステップS303では、酸素の放出が完了したか否か判定される。空燃比センサ4により検出される排気の空燃比が略一定となった後にさらに空燃比が小さくなったときに酸素の放出が完了したと判定される。ステップS303で肯定判定がなされた場合にはステップS304へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS201へ戻る。
ステップS304では、ステップS201でカウントされた経過時間をECU10に記憶させる。
ステップS305では、経過時間が基準放出時間よりも短いか否か判定される。基準放出時間は、そのときの内燃機関1の運転状態およびNOx触媒3の温度から求められる。
これらの関係は予めECU10に記憶させておく。ステップS305で肯定判定がなされ
た場合にはステップS306へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS306では、NOx触媒3が劣化していると判定される。これにより、NOx還元時の燃料添加量を減少したり、警告灯を点灯させて運転者にNOx触媒3が劣化して
いることを知らせたりすることができる。
このようにして、NOx触媒3の劣化を判定することができる。
本実施例では、NOx触媒3の劣化の度合いに応じて燃料添加量を変更する。NOx触媒3に吸蔵されているNOxを還元する場合や燃料添加量の学習を行う場合の燃料添加初期
には、NOx触媒3に吸蔵されている酸素を速やかに放出させるために、燃料添加量が増
量される。例えばNOx触媒3に吸蔵されているNOxを還元するためには、排気の空燃比をリッチ空燃比とする必要がある。ここで、NOx触媒3から酸素が放出されている間に
燃料添加量を増加させることにより、速やかに酸素の放出を完了させることができる。これにより、NOx触媒3に吸蔵されているNOxを還元可能な状態となる。すなわち、酸素の放出を速やかに完了させることにより、NOxの還元を速やかに行うことができる。
ここで、NOx触媒3の劣化の度合いが大きくなるほど燃料添加時の酸素の放出量が少
なくなり、排気の空燃比が略一定となっている時間が短くなる。そのため、燃料添加初期の燃料添加量の増量期間は短くてもよい。そこで、本実施例においては、この増量を行う期間を劣化の度合いが大きくなるほど短くする。これにより、燃料添加量が過剰になることによる排気の空燃比のリッチ側へのオーバーシュートを抑制することができる。
図6は、本実施例による燃料添加量の増量制御のフローを示したフローチャートである。本ルーチンはNOx触媒3の劣化判定後に実行される。
ステップS401では、前記ステップS304で記憶された経過時間が前回の値から減少したか否か判定される。なお、本ステップでは、前記ステップS304で記憶された経過時間が前回の値から所定時間減少しているか否か判定してもよい。ステップS401で肯定判定がなされた場合にはステップS402へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS402では、前記ステップS304で記憶された経過時間と、基準放出時間との比を算出する。
ステップS403では、燃料添加量を増量する期間をステップS402で算出された比の分だけ短くする。これにより、燃料添加量の増量期間をNOx触媒3の劣化の度合いに
応じて短くすることができる。
このようにして、NOx触媒3の劣化の度合いに応じて燃料添加量の増量期間を短くす
ることができるので、NOx触媒3の雰囲気が過剰なリッチとなることを抑制できる。
本実施例では、燃料添加量の学習制御やNOx触媒3の劣化判定を行う必要がない場合
には該学習制御や劣化判定を禁止して燃費の悪化を抑制する。ここで、燃料添加量の学習制御やNOx触媒3の劣化判定を行うと、通常のNOx還元時よりも燃料添加量が多くなるため、燃費が悪化する。これに対し燃料添加の学習制御やNOx触媒3の劣化判定を行っ
た後の所定期間はこれらを禁止することにより、必要以上に学習制御や劣化判定が行われ
ないようにすることができる。
図7および図8は、本実施例によるNOx触媒3の劣化判定のフローを示したフローチ
ャートである。図7および図8は、1つのフローを2つの図に分割して示したものである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS501では、劣化判定条件が成立しているか否か判定される。この劣化判定条件は、ステップS301で判定されたものに加えて、劣化判定後経過カウンタの値が所定値よりも大きいか否か判定される。この劣化判定後経過カウンタは、NOx触媒3の劣
化判定が行われてからの内燃機関1の運転時間、走行距離、または燃料添加弁5の駆動回数に応じてカウントアップされる。また、これらの値を組み合わせて用いても良い。ステップS501で肯定判定がなされた場合にはステップS302へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
ステップS502では、劣化判定後経過カウンタをカウントアップする。
ステップS503では、劣化判定後経過カウンタをクリアする。すなわち、NOx触媒
3の劣化判定が行われた直後にカウンタがクリアされる。
このようにして、劣化判定後経過カウンタの値が所定値よりも大きいときに限りNOx
触媒3の劣化判定が行われる。なお、本実施例におけるステップS501を実行するECU10は、本発明における劣化判定頻度算出手段に相当する。
また、燃料添加量の学習時においても同様に学習後経過カウンタを設定し、燃料添加量の学習が行われてからの内燃機関1の運転時間、走行距離、または燃料添加弁5の駆動回数に応じて学習後経過カウンタをカウントアップする。そして、学習後経過カウンタの値が所定値よりも大きくなるまでは燃料添加量の学習を禁止する。この場合、学習後経過カウンタと所定値とに基づいて次回の学習時期を求めているECU10が、本発明における学習頻度算出手段に相当する。
以上のようにして、燃料添加量の学習およびNOx触媒3の劣化判定を必要以上に行わ
ないようにすることができるため、燃費の悪化を抑制することができる。
本実施例においては、燃料添加量の学習時若しくはNOx触媒3の劣化判定時に添加さ
れる燃料の反応熱により、NOx触媒3の熱劣化や溶損が発生することを抑制する。ここ
で、前記燃料添加量の学習若しくはNOx触媒3の劣化判定を行うときには、通常のNOx還元時よりも多くの燃料が添加される。そのため、NOx触媒3の温度がより高くなる。
また、燃料添加量の学習は高回転、高負荷時に行われるためNOx触媒3が過熱しやすい
。そこで、本実施例では、NOx触媒3の温度上昇後の推定値が上限値以下の場合に限り
燃料添加量の学習若しくはNOx触媒3の劣化判定を行う。
図9および図8は、本実施例によるNOx触媒3の劣化判定のフローを示したフローチ
ャートである。図9および図8は、1つのフローを2つの図に分割して示したものである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS601では、燃料添加後にNOx触媒3の温度が上昇するときの最大値を推
定する。NOx触媒3の劣化判定において用いられる燃料量の予測値、および内燃機関1
の運転状態から推定若しくはセンサにより測定される排気の温度からNOx触媒3の温度
が最大でどのくらいになるか推定する。燃料添加量の予測値は、例えば前記実施例において添加され得る燃料の最大値として求められる。また、燃料添加量の予測値、排気の温度、および最大床温の関係を予め実験等により求めてマップ化しECU10に記憶させておいてもよい。
ステップS602では、劣化判定条件が成立しているか否か判定される。この劣化判定条件は、ステップS501で判定されたものに加えて、ステップS601で推定されたNOx触媒3の最大床温が所定の上限値以下であるか否か判定される。この上限値は、NOx触媒3が過熱しない範囲で最大の値である。ステップS602で肯定判定がなされた場合にはステップS302へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
このようにして、NOx触媒3の温度が所定の上限値以下となる場合に限りNOx触媒3の劣化判定が行われるので、NOx触媒3の過熱を抑制することができる。
また、燃料添加量の学習時にも同様に、燃料添加量の予測値からNOx触媒3の温度が
上昇するときの最大値を推定する。そして、NOx触媒3の温度が上昇した後に所定の上
限値以下である場合に限り燃料添加量の学習を行う。このようにして、燃料添加量の学習時におけるNOx触媒3の過熱を抑制することができる。
本実施例においては、大気中の酸素の分圧(若しくは酸素濃度)を考慮してNOx触媒
3の劣化判定を行うことにより、NOx触媒3の劣化判定の精度を向上させる。ここで、
NOx触媒3に吸蔵される酸素量は、該NOx触媒3の雰囲気における酸素の分圧(若しくは酸素濃度)によって変わる。すなわち、外気温度が低いために吸入空気中の酸素濃度が高い場合や、車両が標高の高い所を走行しているために吸入空気中の酸素濃度が低い場合等では、NOx触媒3の雰囲気における酸素の分圧(若しくは酸素濃度)が標準状態(S
ATP)からずれる。そのため、NOx触媒3に吸蔵される酸素の量も標準状態からずれ
るため、NOx触媒3の劣化判定を行うと誤判定するおそれがある。そこで、本実施例で
は、酸素の分圧や酸素濃度と相関のある外気温および大気圧に応じてNOx触媒3の劣化
判定に用いる前記基準放出時間を補正する。
図9および図10は、本実施例によるNOx触媒3の劣化判定のフローを示したフロー
チャートである。図9および図10は、1つのフローを2つの図に分割して示したものである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS701では、外気温および大気圧から基準放出時間が補正される。外気温および大気圧は夫々外気温センサ11および大気圧センサ12により検出される。外気温が高いほど、また大気圧が低いほど酸素の分圧が小さくなる(酸素濃度が低くなる)ので、基準放出時間が短くなるように補正される。外気温、大気圧、および基準放出時間の関係は予め実験等により求めてマップ化し、ECU10に記憶させておく。
このようにして、環境の変化に伴う外乱を基準放出時間の補正により打ち消して、NOx触媒3の劣化判定時の誤判定を抑制することができる。
図11は、本実施例およびこれ以降の実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関1とその吸・排気系の概略構成を示す図である。本実施例は、前記実施例と比較
して内燃機関1の排気通路2内を流通する排気の一部(以下、EGRガスという。)を吸気通路6へ再循環させるEGR装置7を備えている点で相違する。このEGR装置7は、EGR通路71およびEGR弁72を備えて構成されている。EGR通路71は、排気通路2と、吸気通路6と、を接続している。このEGR通路71を通って、EGRガスが再循環される。また、EGR弁72は、EGR通路71の通路断面積を調整することにより、該EGR通路71を流れるEGRガスの量を調整する。
ここで、EGRガスの量を変更することにより排気中の酸素濃度を変更することができる。すなわち、EGRガスの量をEGR弁72により調整することにより、空燃比センサ4により得られる排気の空燃比を所定値で一定とすることができる。これにより、外気温および大気圧によらず排気中の酸素濃度を一定に保つことができる。そして、NOx触媒
3の劣化判定時に酸素吸蔵量が一定となるように排気中の酸素濃度が調整されていれば、NOx触媒3の酸素吸蔵量を利用した該NOx触媒3の劣化判定の精度をより向上させることができる。
図12および図10は、本実施例によるNOx触媒3の劣化判定のフローを示したフロ
ーチャートである。図12および図10は、1つのフローを2つの図に分割して示したものである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS801では、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比と、基準となる空燃比との差が許容範囲内であるか否か判定される。この許容範囲は、予め運転領域毎に定めておきECU10に記憶させておく。ステップS801で肯定判定がなされた場合にはステップS302へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
このようにして、NOx触媒3の劣化判定時の誤判定を抑制することができる。
本実施例では、実施例8と同様にして燃料添加量の学習時における誤学習を抑制する。その他の構成については、実施例8と同じである。ここで、燃料添加量の学習制御は、内燃機関1から排出される排気の空燃比(以下、ベース空燃比という。)および吸入空気量Gaが運転領域ごとに一定となっていることを前提としている。すなわち、外気温や大気圧が変化し、且つ気筒内への燃料噴射量の補正が不十分であると排気の空燃比が標準状態からずれてしまう。このような状態で燃料添加量の学習を行うと、誤学習するおそれがある。例えば吸入空気量がそのときの運転状態における基準値よりも多い場合には、燃料添加弁5から添加される燃料量が多くなる。この状態で燃料添加量の学習を行うと、燃料添加弁5からの燃料添加量が少なかったとみなされ、これを補正するために燃料添加量を増量したと学習されてしまう。
そこで、本実施例では、ベース空燃比および吸入空気量Gaが目標値となっている場合に限り燃料添加量の学習制御を行うことにより、誤学習を抑制することができる。
図13および図14は、本実施例による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。図13および図14は、1つのフローを2つの図に分割して示したものである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS901では、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比と、基準となる空燃比との差が許容範囲内であり、且つ吸入空気量と、基準となる吸入空気量との差が許容範囲内であるか否か判定される。この許容範囲は、運転領域毎に予めECU10に記憶
させておく。ステップS901で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
このようにして、燃料添加量の学習制御時の誤学習を抑制することができる。
本実施例では、実際の吸入空気量Gaが目標値からどれだけずれているかを検出し、そのずれ分だけ学習値を補正する。
図15および図16は、本実施例による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。図15および図16は、1つのフローを2つの図に分割して示したものである。本ルーチンは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、前記フローチャートと同じ処理が行われるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS1001では、空燃比センサ4により検出される排気の空燃比が現時点での運転領域における目標値からの許容範囲内であるか否か判定される。この許容範囲は、運転領域毎に予めECU10に記憶させておく。ステップS1001で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
ステップS1002では、検出される実際の吸入空気量Gaと、内燃機関1の運転領域毎に設定されている目標吸入空気量Ga_sと、の比R_airを算出する。なお、本実施例におけるステップS1002を実行するECU10は、本発明における吸入空気量比較手段に相当する。
ステップS1003では、ステップS1002で算出された比R_airに基づいて学習値を補正しつつ学習値を反映させる。学習値の補正は以下の手順により行うことができる。
標準状態であるとした場合に、現時点での内燃機関1の運転領域における学習値は以下の式(1)により求められる。
Figure 0004631691
ただし、Qad_g_sは標準状態における燃料添加量、Ga_sは標準状態における吸入空気量、AFはNOx触媒3にて酸素が放出される排気の空燃比、Qfは気筒内への
燃料噴射量である。
ところが、吸入空気量が標準状態のときと異なる場合には、以下の式(2)のように学習値が求められる。
Figure 0004631691
ただし、Qad_gは実際の燃料添加量、Gaは実際の吸入空気量である。
そして、R_air=(Ga/Ga_s)の関係を用いつつ、実際の燃料添加量Qad_gを用いて標準状態における燃料添加量Qad_g_sを表すと以下の式(3)を得ることができる。
Figure 0004631691
このようにして、実際の燃料添加量Qad_gを式(3)で補正することができる。これにより、燃料添加量の学習制御における誤学習を抑制することができる。
実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 燃料添加弁から燃料を添加したときに空燃比センサにより得られる排気の空燃比の推移を示したタイムチャートである。 実施例1による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。 実施例2による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。 実施例3によるNOx触媒の劣化判定のフローを示したフローチャートである。 実施例4による燃料添加量の増量制御のフローを示したフローチャートである。 実施例5によるNOx触媒の劣化判定のフローを示したフローチャートである。 実施例5によるNOx触媒の劣化判定のフローを示したフローチャートである。 実施例6によるNOx触媒の劣化判定のフローを示したフローチャートである。 実施例7によるNOx触媒の劣化判定のフローを示したフローチャートである。 実施例8,9,および10に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。 実施例8によるNOx触媒の劣化判定のフローを示したフローチャートである。 実施例9による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。 実施例9による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。 実施例10による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。 実施例10による燃料添加量の学習制御のフローを示したフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 排気通路
3 吸蔵還元型NOx触媒
4 空燃比センサ
5 燃料添加弁
6 吸気通路
7 EGR装置
10 ECU
11 外気温センサ
12 大気圧センサ
71 EGR通路
72 EGR弁

Claims (12)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸素吸蔵能力およびNOx吸蔵能力を有する吸蔵還元
    型NOx触媒と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の排気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒よりも上流から該吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を添加する還元剤添加手段と、
    前記還元剤添加手段による還元剤添加時に前記吸蔵還元型NOx触媒において反応する
    酸素の量と前記吸蔵還元型NOx触媒の雰囲気に存在する酸素の量とが平衡しているか否
    か判定する平衡判定手段と、
    前記還元剤添加手段により還元剤が添加されてから前記平衡判定手段により平衡していると判定されるまで間の還元剤添加量とそのときの基準添加量との比較値を学習する学習手段と、
    を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化しているか否か判定する触媒劣化判定手段をさらに備
    え、該触媒劣化判定手段により前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化していると判定された場
    合には前記学習手段による学習を禁止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化しているか否か判定する触媒劣化判定手段をさらに備
    え、該触媒劣化判定手段により前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化していると判定された場
    合には、前記学習手段による学習時における還元剤の添加量を劣化の度合いに応じて減量することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記触媒劣化判定手段は、規定量の還元剤を添加したときに前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間が所定時間よりも短くなった場合に前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化していると判定することを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  5. 前記学習手段により学習が行われてから次に学習手段による学習が必要とされるまでの期間を算出する学習頻度算出手段をさらに備え、前記学習頻度算出手段により算出された期間を経過するまでは、前記学習手段による学習を禁止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記吸蔵還元型NOx触媒が劣化しているか否か判定する触媒劣化判定手段と、
    前記触媒劣化判定手段による劣化判定が行われてから次に劣化判定が必要とされるまでの期間を算出する劣化判定頻度算出手段をさらに備え、前記劣化判定頻度算出手段により算出された期間を経過するまでは、前記劣化判定手段による劣化判定を禁止することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記学習手段による学習時の還元剤添加は、還元剤を添加した後に前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が所定の上限値以下となるように行われることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記劣化判定手段による劣化判定を行うときの還元剤添加は、還元剤を添加した後に前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が所定の上限値以下となるように行われることを特徴とす
    る請求項2から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記学習手段による学習は、内燃機関からの排気の空燃比が所定条件を満たしていると
    きに行うことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 前記触媒劣化判定手段による判定は、内燃機関からの排気の空燃比が所定条件を満たしているときに行うことを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 前記内燃機関の所定の運転状態における該内燃機関の吸入空気量の検出値と目標値とを比較する吸入空気量比較手段をさらに備え、該吸入空気量比較手段による比較結果に基づいて前記学習手段による学習値を補正することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  12. 前記平衡判定手段により平衡していると判定されている期間、若しくは前記所定時間を、前記吸蔵還元型NOx触媒の雰囲気の酸素濃度に基づいて補正しつつ、前記劣化判定手
    段は劣化判定を行うことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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